JP2008040486A - カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、及び液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、及び液晶表示装置 Download PDF

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享 杉山
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Abstract

【課題】液晶セルの光学補償にも寄与するカラーフィルタを提供する。
【解決手段】1つの画素が2色以上のサブピクセルからなる液晶表示装置用カラーフィルタであって、少なくとも1色のサブピクセルがレターデーション調整剤を含有し、かつ少なくとも2色のサブピクセルのレターデーション値が、実質的に互いに異なることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタである。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、及び液晶表示装置に関する。また、本発明は、カラーフィルタの製造に有用な転写材料、及びその製造方法にも関する。
液晶表示装置は、一般的に、液晶セル及び偏光板を有する。前記偏光板は、一般的にセルロースアセテートからなる保護フィルム及び偏光膜を有し、例えば、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護フィルムにて積層して得られる。透過型液晶表示装置では、偏光板を液晶セルの両側に取り付け、さらには一枚以上の光学補償フィルムを配置することもある。反射型液晶表示装置では、通常、反射板、液晶セル、一枚以上の光学補償フィルム、偏光板の順に配置する。液晶セルは、液晶性分子、それを封入するための二枚の基板及び液晶性分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、液晶性分子の配向状態の違いで、ON・OFF表示を行い、透過及び反射型いずれにも適用できる、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)のような表示モードが提案されている。
この様なLCDの中でも、高い表示品位が必要な用途については、正の誘電率異方性を有するネマチック液晶分子を用い、薄膜トタンジスタにより駆動する90度ねじれネマチック型液晶表示装置(以下、TNモードという)が主に用いられている。しかしながら、TNモードは正面から見た場合には優れた表示特性を有するものの、斜め方向から見た場合にコントラストが低下し、階調表示で明るさが逆転する階調反転等が起こることにより表示特性が悪くなるという視野角特性を有しており、この改良が強く要望されている。
一方、IPS方式、OCB方式、及びVA方式といった広視野角の液晶方式は、近年の液晶テレビの需要増に伴い、そのシェアーを拡大している。各方式とも年々、表示品位を向上させてきているが、斜めから見た際に生じる色ずれの問題は解決されていない。
なお、従来、高分子配向フィルムの位相差板、特に1/4波長板として、0.6<Δn・d(450)/Δn・d(550)<0.97、1.01<Δn・d(650)/Δn・d(550)<1.35を満足させること(Δn・d(λ)は波長λnmにおける高分子配向フィルムの位相差)が、知られていた(特許文献1)。
液晶表示装置の広視野角化の手段としては、液晶セル内に光学補償機能を持った部材を配置するという提案も行われている。
特許文献2には、赤(R)、緑(G)青(B)の各色ごとのカラーフィルタ層に複屈折性を持たせて位相差層としての機能を持たせ、視野角特性や中間調での色づきを改良する方法が提案されている。
また各色ごとに位相差を調整する手段としては、カラーフィルタ層の厚みをR、G、Bで変えることにより、結果として液晶層によって生ずるレターデーションをR、G、Bいずれにおいてもλ(波長)/2とする方法(特許文献3、4)や、各色のサブピクセルに対応した領域に重合型液晶層による位相差層を設け、その厚みをR、G、Bで変える方法(特許文献5)、各色のサブピクセルに対応した領域に同じく重合型液晶層による位相差層を設け、紫外線硬化時の温度をR、G、Bで変える方法(特許文献6)が提案されている。
特開2000−137116号公報 特開2002−122866号公報 特開2001−290149号公報 特開2004−191832号公報 特開2002−14333号公報 特開2004−205801号公報
しかしながら、これまでに提案されたいずれの方法も、R、G、Bごとに位相差を変えるために、ガラス基板上にカラーフィルタ層を形成する際に煩雑な操作を伴う。具体的には、各色ごとにレジスト液の塗布方向やズリ応力の与え方を変えたり、あるいは重合型液晶の硬化温度を変更するなど、厳密な管理が必要な工程が色ごとに求められるため、生産速度や生産得率を実用レベルまで上げることが困難である。またR、G、Bで厚みを変える方法も、色の境目で厚みギャップに起因する配向乱れが発生することを避けるため、画素設計や駆動方法に制約を受けるなど、実用上の課題が残っている。
本発明の課題は、高いコントラストと黒表示時の視角方向に依存した色ずれを改良する液晶表示装置用のカラーフィルタを、生産速度や生産得率に優れ、管理が用意な方法にて提供することである。
また、本発明は、液晶セルの光学補償にも寄与するカラーフィルタを提供することを課題とする。
また、本発明は、コントラストが改善され、黒表示時の視角方向に依存した色ずれが改良された液晶表示装置を提供することを課題とする。
また、本発明は、カラーフィルタの作製に有用な転写材料、及び該転写材料を安定的に製造可能な転写材料の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の目的を達成する手段は、以下の通りである。
[1] 1つの画素が2色以上のサブピクセルからなる液晶表示装置用カラーフィルタであって、少なくとも1色のサブピクセルがレターデーション調整剤を含有し、かつ少なくとも2色のサブピクセルのレターデーション値が、実質的に互いに異なることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタ。
[2] 少なくとも1色のサブピクセルが、さらにレターデーション値が実質的に互いに異なる複数のドメインを含むことを特徴とする[1]の液晶表示装置用カラーフィルタ。
[3] [1]又は[2]のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示装置。
[4] 液晶セルの外側に少なくとも1枚の位相差板を有することを特徴とする[3]の液晶表示装置。
[5] 少なくとも1種のレターデーション調整剤を含有することを特徴とする感光性樹脂層を有する感光性転写材料。
[6] 感光性樹脂層を有する感光性転写材料の製造方法であって、少なくとも1種のレターデーション調整剤を含有する感光性樹脂組成物を帯状に表面に適用して、感光性樹脂層を形成する工程を含むことを特徴とする感光性転写材料の製造方法。
[7] 少なくとも1種のレターデーション調整剤を含有する感光性樹脂層を、基板の表面に形成する工程を含むことを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
[8] 少なくとも1種のレターデーション調整剤を含有する感光性樹脂層を基板上に形成する工程と、少なくとも1回の露光工程と、少なくとも1回の現像工程と、少なくとも1回のベークエ程と、を含むことを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
なお本明細書において、Re(λ)及びRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(1)及び式(2)よりRthを算出することもできる。
Figure 2008040486
注記:
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。
式中、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表し、dは層厚み(nm)を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny及びnzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
また本発明においては、「2色のサブピクセルのレターデーション値が、実質的に互いに異なる」とは、一方の色のサブピクセルのRe及びRthのいずれかもしくは両方の値が、他方の色のサブピクセルの値と2nm以上差がある状態を意味する。また、「2つのドメインのレターデーション値が、実質的に互いに異なる」とは、一方のドメインのRe及びRthのいずれかもしくは両方の値が、他方のドメインの値と2nm以上差がある状態を指す。いずれの場合も、レターデーションは、波長446nm、548nm及び629nmの内から、各サブピクセル又は各ドメインにおいて最も透過率の高い波長をそれぞれ一つ選択して、各サブピクセル又は各ドメインについて測定する。
発明の実施の形態
以下本発明について詳細に説明する。
本発明は1つの画素(ピクセル)が少なくとも2色以上のサブピクセルからなる液晶表示装置用カラーフィルタであって、少なくとも1色のサブピクセルがレターデーション調整剤を含有し、かつ少なくとも2色のサブピクセルのレターデーション値が、実質的に互いに異なることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタ及びこれを備える液晶表示装置に関する。
本発明者らの鋭意検討の結果、レターデーション調整剤をカラーフィルタ層に添加し、サブピクセルごとに異なるレターデーションを持たせることで、カラーフィルタ層とは別に重合型液晶層を設けたり、サブピクセルごとに厚みを変えたりすることなく、液晶表示装置の黒状態の視角補償をほぼ全ての可視光域の波長において可能にできることを見出した。
本発明によれば、レターデーション調整剤の有無、添加量の違い、種類の違いによって、サブピクセルごとに異なるレターデーションを持たせることが可能である。なお、各サブピクセルのレターデーション値の大きさについては特に制限はなく、サブピクセルの色相に応じて決定することができる。
例えば、本発明のカラーフィルタの一態様は、RGBの三原色のサブピクセルを含むカラーフィルタである。図1に本態様のカラーフィルタの一ピクセルの一例の斜視図を示す。図1に示す通り、本態様では、各ピクセルが、R、G及びBの着色層、即ちR、G及びBのサブピクセルをそれぞれ含み、R層、G層及びB層の少なくとも一つが、レターデーション調整剤を含有し、R層、G層及びB層のRe値がこの順に小さい値となっている態様である。レターデーションの調整のために、R層、G層及びB層の全てが、レターデーション調整剤を含有していてもよく、複数の着色層がレターデーションを含有する場合は、互いに同一種のレターデーション調整剤を含有していても、異なった種類のレターデーション調整剤を含有していてもよい。同一種類のレターデーション調整剤を含有する場合は、含有量の違いによって、レターデーションの大きさに違いを持たせてもよい。
さらに本発明は、前記カラーフィルタにおける少なくとも1色のサブピクセルが、さらにレターデーション値が実質的に異なるドメインを含むことを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタ及びこれを備える液晶表示装置に関する。
図2に、本態様のカラーフィルタの一ピクセルの一例の斜視図を示す。図2に示す通り、本態様では、各サブピクセルが、液晶セルのドメインに対応して、マルチドメインに分割され、且つ一のサブピクセル内の各ドメインのレターデーションが、他のドメインのレターデーションと異なっている。従来、液晶セルの1つのサブピクセルが、液晶分子のチルト方向、傾斜方向、又は回転方向を平均化するように複数のドメインに分割されている、マルチドメインの液晶セルが提供されているが、本態様は、このマルチドメインの液晶セルにおいて、特に有用である。
本態様のカラーフィルタを用いるとによって、液晶表示装置の黒状態の視角補償がほぼ全ての視野角(極角及び方位角)において可能となる。
本発明によれば、レターデーション調整剤の有無、添加量の違い、種類の違いによって、ドメインごとに異なるレターデーションを持たせることが可能である。
[レターデーション調整剤]
本発明のカラーフィルタは、少なくとも一色のサブピクセルのカラーフィルタ層が、レターデーション調整剤を含有する。
本明細書において、「レターデーション調整剤」の用語は、添加によってレターデーションを上昇させるレターデーション上昇剤、及び添加によってレターデーションを低減させるレターデーション低減剤のいずれをも含むものである。上記した通り、ここでいうレターデーションは、Re及びRthのいずれであってもよく、双方であってもよい。なお、「レターデーション調整剤」とは、その剤を含むことによって、レターデーションが、2nm以上変化(増加又は減少する)剤をいう。なお、同一のレターデーションを用いた場合も、組成物中のレターデーションの添加比率及び形成する層の膜厚によって、その変化量が増減してしまう場合もあるので、上記変化量は、同一の使用形態(添加率及び層の膜厚等が同一の使用形態)における変化量をいうものとする。
特に本発明においてレターデーション調整剤としてはレターデーション上昇剤を用いることが好ましい。
(Re調整剤)
本発明では、Reの絶対値を制御可能なレターデーション調整剤(「Re調整剤」という)として、溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である化合物を用いるのが好ましい。このような化合物を用いることで、可視域のReの波長依存性を実質変化させることなく絶対値を制御することができる。
前記Re調整剤としては、棒状化合物を用いるのが好ましく、少なくとも一つの芳香族環を有する棒状化合物を用いるのがより好ましく、少なくとも二つの芳香族環を有する棒状化合物を用いることがさらに好ましい。
前記Re調整剤として用いる棒状化合物は、直線的な分子構造を有することが好ましい。直線的な分子構造とは、熱力学的に最も安定な構造において棒状化合物の分子構造が直線的であることを意味する。熱力学的に最も安定な構造は、結晶構造解析又は分子軌道計算によって求めることができる。例えば、分子軌道計算ソフト(例、WinMOPAC2000、富士通(株)製)を用いて分子軌道計算を行い、化合物の生成熱が最も小さくなるような分子の構造を求めることができる。分子構造が直線的であるとは、上記のように計算して求められる熱力学的に最も安定な構造において、分子構造の角度が140度以上であることを意味する。
前記Re調整剤として用いる棒状化合物は、液晶性を示すことが好ましい。棒状化合物は、加熱により液晶性を示す(サーモトロピック液晶性を有する)ことがさらに好ましい。該化合物が転移する液晶相は、ネマチィク相又はスメクティック相であるのが好ましい。
好ましい化合物の具体例としては、特開2006−96876号公報の一般式(1)(好ましくは一般式(2))で表される棒状化合物が挙げられ、より具体的には、該公報の第10頁〜第14頁に記載の化合物(1)〜(40)が挙げられる、これに限定されるものではない。なお、特開2006−96876号公報の、[0014]〜[0040]の記載は、本発明にRe調整剤として使用可能な化合物の説明として、そのまま本明細書に取り込まれているものとする。
溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を、二種類以上併用してもよい。
棒状化合物は、文献記載の方法を参照して合成できる。文献としては、Mol.Cryst.Liq.Cryst.,53巻、229ページ(1979年)、同89巻、93ページ(1982年)、同145巻、111ページ(1987年)、同170巻、43ページ(1989年)、J.Am.Chem.Soc.,113巻、1349ページ(1991年)、同118巻、5346ページ(1996年)、同92巻、1582ページ(1970年)、J.Org.Chem.,40巻、420ページ(1975年)、Tetrahedron、48巻、16号、3437ページ(1992年)を挙げることができる。
前記Re調整剤の添加量は、各色の着色層を形成するのに用いられる組成物中、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがさらに好ましい。
(Rth調整剤)
本発明では、Rthの絶対値を制御可能なレターデーション調整剤(「Rth調整剤」という)として、250〜400nmの波長領域に最大吸収を有する化合物を用いるのが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していない化合物を用いることが好ましい。また、前記Rth調整剤は、Reに影響しない剤であるのが好ましい。
前記Rth調整剤としては、円盤状の化合物を用いることが好ましい。
円盤状の化合物としては、芳香族炭化水素環及び芳香族性ヘテロ環を含む化合物が挙げられる。特に、芳香族炭化水素環を含む化合物としては、6員環(すなわち、ベンゼン環)を含む化合物が好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は、一般に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環及び1,3,5−トリアジン環が含まれる。
芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環及び1,3,5−トリアジン環が好ましく、特に1,3,5−トリアジン環が好ましく用いられる。具体的には、例えば、下記に示す、特開2003−344655公報の一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)で表される1,3,5−トリアジン環化合物が好ましく、より具体的には、該公報の頁9〜頁18に記載の化合物I−(1)〜(50)、II−(1)〜(9)、III−(1)〜(12)、IV−(1)〜(10)が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。なお、特開2003−344655号公報の、[0023]〜[0056]の記載は、本発明にRth調整剤として使用可能な化合物の説明として、そのまま本明細書に取り込まれているものとする。
前記Rth調整剤の添加量は、各色の着色層を形成するのに用いられる組成物中、0.01〜20質量%であるのが好ましく、0.05〜15質量%であるのがより好ましく、0.1〜10質量%であるのがさらに好ましい。二種類以上の化合物を併用してもよい。
本発明のカラーフィルタは、一般的なカラーフィルタの製造方法、例えば、印刷法、インクジェット法、転写法を利用して、作製することができる。中でも、以下に説明する感光性転写材料を用いる転写法により、安定的に製造することができる。
本発明のカラーフィルタは、少なくとも1種のレターデーション調整剤を含有する感光性樹脂層を有する感光性転写材料を用いて作製するのが好ましい。かかる感光性転写材料は、例えば、少なくとも1種のレターデーション調整剤を含有する感光性樹脂組成物を帯状に表面に適用して、感光性樹脂層を形成することによって製造することができる。また、搬送されている長尺状のプラスチックフィルム等の仮支持体の表面に、該組成物を帯状に適用して、感光性樹脂層を連続的に形成することで、かかる感光性転写材料を連続的に製造することができる。本発明では、スリットノズル等から前記感光性樹脂組成物を流出させる等により、該組成物にシェアをかけて、該組成物中のレターデーション調整剤を配向させるのが好ましい。より具体的には、前記少なくとも1種のレターデーション調整剤を含有する感光性樹脂組成物を、スリット状ノズルから仮支持体の表面に帯状に流出させて、該表面上で乾燥すると、ノズルから流出する際の感光性樹脂組成物の液粘度、流速、スリット間隔、及び塗布される側の仮支持体の搬送速度等を適切に選択することで、組成物中のレターデーション調整剤の分子が、仮支持体の搬送方向、又はそれに直交する方向等に配向し、所望のレターデーションを発現させることができる。また乾燥温度、乾燥速度を適切に調整することでもレターデーション値を調整することが可能である。さらに、乾燥して感光性樹脂層を形成後、かかる感光性樹脂層を延伸することによって、レターデーション値を調整してもよい。
次に、前記製造方法によって形成された感光性樹脂層を有する感光性転写材料を用いてカラーフィルタを形成する。例えば、この感光性転写材料を、カラーフィルタ用基板(一般的には液晶セル用のガラス基板等)と、遅相軸が所望の方向になるように重ね合せ、ラミネータにより貼り付け感光性樹脂層を基板の表面に転写形成することができる。その後、転写された感光性樹脂層を、露光、現像及びベークすることにより、サブピクセル及び/又はドメインを形成して、各サブピクセル又は各ドメインが、所望のレターデーション値を示すカラーフィルタを形成することができる。前記感光性転写材料を用いると、従来技術のような煩雑な処理や厳密な管理をせずとも、各サブピクセル及び/又はドメインに最適なレターデーション値を付与することができる。
さらに、前記感光性転写材料を利用して作製されたカラーフィルタは、簡便で管理が容易な方法で生産されるため、生産速度や生産得率に優れる。また、厚みギャップに起因する配向乱れが発生しないので、画素設計や駆動方法に制約を受けることもない。
以下、前記感光性樹脂組成物について説明し、その後、この感光性樹脂組成物を利用して形成される感光性樹脂層、感光性転写材料、及びそれを用いたカラーフィルタの製造方法について順次詳細に説明する。
[感光性樹脂組成物]
本発明に使用される感光性樹脂組成物は、レターデーション調整剤の少なくとも一種を含有し、本発明の感光性転写材料の感光性樹脂層を構成する。前記感光性樹脂層は、液晶セル用基板等に転写された後、露光、現像等の工程を経て、カラーフィルタ層の一部(サブピクセル又はその一部のドメイン)となる。従って、感光性樹脂層の形成には、所望のカラーフィルタの各サブピクセルに対応した色相に着色された着色感光性樹脂組成物を用いるのが好ましい。着色感光性樹脂組成物の一例として、上記レターデーション調整剤の他に、(1)アルカリ可溶性バインダーと、(2)モノマー又はオリゴマーと、(3)光重合開始剤又は光重合開始剤系と、(4)着色剤とを含む着色感光性樹脂組成物が挙げられる。
上記(1)〜(4)の成分について説明する。
(1)アルカリ可溶性バインダー
本発明におけるアルカリ可溶性バインダー(以下、単に「バインダー」ということがある。)としては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。この他に水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよい。
(2)モノマー又はオリゴマー
本発明におけるモノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらのモノマー又はオリゴマーは、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。また、該モノマー又はオリゴマーと、前記バインダーとの合計含有量が、全固形分に対して、30〜90質量%であることが好ましく、40〜80質量%がより好ましく、50〜70質量%が特に好ましい。尚、モノマー又はオリゴマー/バインダー比は、0.5〜1.2が好ましく、0.55〜1.1がより好ましく、0.6〜1.0が特に好ましい。
(3)光重合開始剤又は光重合開始剤系
本発明における光重合開始剤又は光重合開始剤系としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール二量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとして挙げることができる。
これらの光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
また、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
尚、該光重合開始剤としては前記のものが用いられるが、これらの中で、露光感度が高く、黄ばみなどの着色が少なく、表示特性のよい例としては、ジアゾール系光重合開始剤と、トリアジン系光重合開始剤の組み合わせが挙げられ、中でも、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールと、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジンの組み合わせが最もよい。これらの光重合開始剤の比率は、ジアゾール系/トリアジン系の質量比率で、好ましくは95/5〜20/80、より好ましくは90/10〜30/70、最も好ましくは80/20〜60/40である。
これらの光重合開始剤は特開平1−152449号公報、特開平1−254918号公報、特開平2−153353号公報に記載されている。
また、固形分全体に占める顔料の割合が15〜25質量%付近の場合、上記光重合開始剤に、クマリン系化合物を混合することによっても同様の効果が得られる。クマリン系化合物としては、7−[2−[4−(3−ヒドロキシメチルピペリジノ)−6−ジエチルアミノ]トリアジニルアミノ]−3−フェニルクマリンが最もよい。これらの光重合開始剤とクマリン系化合物の比率は、光重合開始剤/クマリン系化合物の質量比率で、好ましくは20/80〜80/20、より好ましくは30/70〜70/30、最も好ましくは40/60〜60/40である。
(4)着色剤
本発明における着色剤としては、(i)Rの着色感光性樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・レッド(C.I.P.R.)254等を用いることができ、(ii)Gの着色感光性樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・グリーン(C.I.P.G.)36及びC.I.ピグメント・エロー(C.I.P.Y.)139を併用して用いることができ、(iii)Bの着色感光性樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・ブルー(C.I.P.B.)15:6を用いることができる。
尚、上記(i)におけるC.I.P.R.254の含有量は、着色感光性樹脂組成物を1〜3μmの乾燥膜厚で塗布した場合おいて、0.300〜0.367g/m2であるのが好ましく、0.307〜0.360g/m2であることがより好ましく、0.317〜0.350g/m2であることがさらに好ましい。
また、上記(ii)におけるC.I.P.G.36の含有量は、着色感光性樹脂組成物を1〜3μmの乾燥膜厚で塗布した場合おいて、0.438〜0.535g/m2であるのが好ましく、0.448〜0.525g/m2であることがより好ましく、0.462〜0.511g/m2であることがさらに好ましい。
また、上記(ii)におけるC.I.P.Y.139の含有量は、0.072〜0.088g/m2であるのが好ましく、0.074〜0.086g/m2であることがより好ましく、0.076〜0.084g/m2であることがさらに好ましい。尚、(ii)において、C.I.P.G.36/C.I.P.Y.139比率は、5.4〜6.7であることが好ましく、5.6〜6.6がより好ましく、5.8〜6.4が特に好ましい。
また、上記(iii)におけるC.I.P.B.15:6の含有量は、着色感光性樹脂組成物を1〜3μmの乾燥膜厚で塗布した場合おいて、0.297〜0.364g/m2であるのが好ましく、0.304〜0.357g/m2であることがより好ましく、0.314〜0.347g/m2であることがさらに好ましい。
また、これらの顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、下記有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にあるときに顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(前記有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、ニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。
本発明で用いる着色剤(顔料)は、粒径0.1μm以下、特には粒径0.08μm以下であることが好ましい。
(5)その他の成分
前記着色感光性樹脂組成物は、上記レターデーション調整剤、及び前記(1)〜(4)の成分の他に、(5)その他の成分を含有していてもよい。
−溶媒−
前記着色感光性樹脂組成物は、上記レターデーション調整剤、及び前記(1)〜(4)の成分の他に、更に有機溶媒を含有していてもよい。有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
−界面活性剤−
前記レターデーション調整剤を含有する着色感光性樹脂組成物は、後述するスリット状ノズル等を用いることにより、ポリマーフィルムやガラス基板の表面に塗布することができるが、該着色感光性樹脂組成物中に適切な界面活性剤を含有させることにより、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラを効果的に防止することができる。上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
尚、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する界面活性剤の含有量は、0.001〜1%が一般的であり、0.01〜0.5%が好ましく、0.03〜0.3%が特に好ましい。
−熱重合防止剤−
また、前記着色感光性樹脂組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
尚、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する熱重合防止剤の含有量は、0.01〜1%が一般的であり、0.02〜0.7%が好ましく、0.05〜0.5%が特に好ましい。
−補助的に使用する染料、顔料−
前記着色感光性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じ前記着色剤(顔料)に加えて、公知の着色剤(染料、顔料)を添加することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、着色感光性樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
上記公知の染料ないし顔料としては、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)、モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)及びカーボン、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64、C.I.ピグメント・バイオレット23等が挙げられる。
尚、上記公知の染料ないし顔料の内、Rの着色感光性樹脂組成物において好ましく添加できるものとしてはC.I.ピグメント・バイオレット23が挙げられ、その量は、R顔料(C.I.P.R.254)の0.5〜5質量%である。また、Bの着色感光性樹脂組成物において好ましく添加できるものとしては、C.I.ピグメント・バイオレット23が挙げられ、その量は、B顔料(C.I.P.B.15:6)の0.2〜10質量%である。
−紫外線吸収剤−
前記着色感光性樹脂組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物のほか、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
尚、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する紫外線吸収剤の含有量は、0.5〜15%が一般的であり、1〜12%が好ましく、1.2〜10%が特に好ましい。
また、前記着色感光性樹脂組成物においては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
[感光性転写材料]
本発明の感光性転写材料は、前記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を有する。該感光性樹脂層は、液晶セル用の基板等の表面に転写された後、露光、現像等の工程を経て、カラーフィルタ層の一部(サブピクセル又はその一部のドメイン)となる。前記感光性樹脂層は、前記感光性樹脂組成物を、スリット状ノズルから、ポリマーフィルム等の仮支持体の表面に帯状に流出させて、該表面上で乾燥することで形成することができる。スリット状のノズルから流出させるためには、前記感光性樹脂組成物は、液体として調製されているのが好ましい。
(スリット状ノズル)
前記方法に利用するスリット状ノズルは、液が流出する部分にスリット状の穴を有するノズルである。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載されているスリット状ノズル、及びスリットコータが好適に用いられる。
上記した通り、スリット状ノズルから流出する際の、感光性樹脂組成物の液粘度、その流速、スリット間隔、及び塗布される側の仮支持体の搬送速度等を適切に選択することで、組成物中のレターデーション調整剤の分子を、仮支持体の搬送方向、又はそれに直交する方向に配向させることができ、所望のレターデーションを示す感光性樹脂層を形成することができる。
本発明の感光性転写材料は、前記感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂層を有している限り、他の構成については特に限定されない。前記感光性樹脂層以外の層を有していてもよく、例えば、特開平5−72724号公報に記載されている感光性樹脂転写材料、すなわち一体型フィルムの形態としてもよい。該一体型フィルムの構成の例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層/保護フィルムを、この順に積層した構成が挙げられる。
(仮支持体)
本発明において使用可能な仮支持体としては、可撓性を有し、加圧又は加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないことが必要である。そのような支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
(熱可塑性樹脂層)
熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。尚、熱可塑性樹脂層の乾燥厚さは、2〜30μmが一般的であり、5〜20μmが好ましく、7〜16μmが特に好ましい。
なお、熱可塑性樹脂層は、仮支持体と感光性樹脂層との間に配置され、感光性樹脂層を転写する際には、仮支持体とともに感光性樹脂層から剥離されてもよいし、感光性樹脂層とともに基板上に一旦転写され、その後除去されてもよい。
(中間層)
本発明の感光性転写材料においては、複数の塗布層の塗布時、及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を設けることが好ましい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。尚、中間層の乾燥厚さは、0.2〜5μmが一般的であり、0.5〜3μmが好ましく、1〜2.5μmが特に好ましい。
なお、中間層は、仮支持体(仮支持体上に熱可塑性樹脂層等が配置されている場合は該層)と感光性樹脂層との間に配置され、感光性樹脂層を基板上に転写する際には、仮支持体とともに感光性樹脂層から剥離されてもよいし、感光性樹脂層とともに基板上に一旦転写され、その後除去されてもよい。
(保護フィルム)
感光性樹脂層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために薄い保護フィルムを設けることが好ましい。保護フィルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、転写時には、感光性樹脂層から容易に分離されねばならない。保護フィルム材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。尚、保護フィルムの厚さは、4〜40μmが一般的であり、5〜30μmが好ましく、10〜25μmが特に好ましい。
(感光性転写材料の作製方法)
本発明の感光性転写材料が、仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、及び感光性樹脂層をこの順で配置した一体型フィルムである場合は、該感光性転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を形成し、その後、該熱可塑性樹脂層上に、熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液を塗布、乾燥して中間層を形成し、その後、該中間層上に、感光性樹脂層を、上記方法に従って形成することで作製することができる。感光性樹脂層を形成するのに用いられる感光性樹脂組成物は、スリット状ノズルから流出するために液体として調製されるのが好ましく、調製には、前記中間層を溶解しない溶剤を用いるのが好ましい。
また、前記感光性転写材料はラミネート法を利用して作製することもできる。例えば、仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び中間層を設けたシート、及び保護フィルム上に感光性樹脂層を設けたシートを用意し、中間層と感光性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても、更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フィルム上に感光性樹脂層及び中間層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と中間層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
[カラーフィルタの製造方法]
本発明は、さらにカラーフィルタの製造方法に関する。本発明のカラーフィルタの製造方法の一態様は、少なくとも1種のレターデーション調整剤を含有する感光性樹脂層を基板上に形成する工程、前記感光性樹脂層の一部を露光する少なくとも1回の露光工程、前記感光性樹脂層の露光部又は未露光部を除去して所定のパターン形状にする少なくとも1回の現像工程、及び前記パターン形状となった感光性樹脂層を加熱して硬化させる少なくとも1回のベークエ程を含む。
(感光性樹脂層の形成工程)
前記感光性樹脂層は、(a)塗布法により、又は(b)本発明の感光性転写材料を用いた転写法により、基板上に形成するのが好ましい。
(a)塗布法による形成
具体的には、基板の表面に、前記レターデーション調整剤を含有する着色感光性樹脂組成物を公知の塗布装置等を利用して塗布し、その後、乾燥して形成することができる。塗布時に、レターデーション調整剤の分子を配向させて、所望のレターデーションを得るためには、スリットコータを利用して塗布するのが好ましい。尚、スリットコータの好ましい具体例は、感光性転写材料の作製に用いられるスリットコータの好ましい具体例と同様である。
(b)転写法による形成
本発明の感光性転写材料を感光性樹脂層を基板側にして、ラミネーターにより、基板上に転写形成することができる。具体的には、前記感光性転写材料を感光性樹脂層を基板側にして、基板上に加熱及び/又は加圧したローラー又は平板で圧着又は加熱圧着することによって、貼り付け、その後、仮支持体等を剥離することで、前記感光性樹脂層を基板上に転写形成することができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネータ及びラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
なお、仮支持体等が露光工程に用いられる光に対して透過性である場合は、仮支持体等の剥離は、後述する露光工程の前後いずれのタイミングで行ってもよい。
(基板)
本発明において、カラーフィルタが形成される基板としては、一般的に液晶セル用の基板として用いられている透明基板を用いることができる。具体的には、ソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板;及びプラスチックフィルム等を挙げることができる。ガラス板及びプラスチックフィルムは、表面に酸化ケイ素皮膜を有していてもよい。又、ガラス板に予めカップリング処理を施しておくことにより、着色感光性樹脂組成物、又は感光性転写材料との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。
(酸素遮断膜)
前記感光性樹脂層上に、酸素遮断膜を設けてもよい。これにより、露光感度をアップすることができ、該酸素遮断膜としては、既に[感光性転写材料]の(中間層)の項において説明したものと同様のものが挙げられる。
(露光及び現像)
次に、上記基板上に形成された感光性樹脂層を、露光及び現像して、所定のパターンの形状にする。具体的には、上記基板上に形成された感光性樹脂層の上方に、所定のマスクを配置し、その後、該マスク(及び感光性樹脂層上に熱可塑性樹脂層及び中間層が配置されている場合は該層)を介してマスク上方から露光し、次いで現像液を用いて現像を行い、露光部又は未露光部を除去することで、所望のパターンの形状とする。
ここで、前記露光の光源としては、特に制限されず、露光部と未露光部とに現像液に対する溶解性に差を持たせ、現像可能とする程度の化学変化を生じさせる強度及び波長の光を照射可能な光源はいずれも使用することができる。感光性樹脂層を露光により硬化させる場合は、感光性樹脂層が硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できる光源を適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
現像に用いる現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液は感光性樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。
水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、上記現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディプ現像等のいずれでもよい。
ここで、上記シャワー現像について説明すると、露光後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、感光性樹脂層上に熱可塑性樹脂層及び中間層等の不要な層が配置されている場合は、現像の前に感光性樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
上記した感光性樹脂層の形成工程、露光工程及び現像工程により、一色のサブピクセルを形成することができる。サブピクセルの色の数だけこの一連の工程を実施することにより、本発明のカラーフィルタを得ることができる。また、サブピクセルが複数のドメインからなる場合は、一色のサブピクセルを形成する際に、上記一連の工程を、複数回実施することにより、レターデーションが異なる複数のドメインからなる一色のサブピクセルを形成することができる。
(ベーク)
膜強度を向上させるために、現像後にベークを行う。ベークは、各色ごとに実施してもよいし、また全色のサブピクセルを形成した後に実施してもよい。各色ごとに実施するとともに、全色のサブピクセルを形成した後にも実施するのが好ましい。ベークは、具体的には、残留するモノマー又はオリゴマーの反応が完全に終了するための熱処理であり、加熱温度及び加熱時間を適宜設定して行う。一般的には、各色ごとに行うベーク工程は、200〜240℃で、10〜20分程度が好ましく、全色のサブピクセルを形成後に行うベーク工程は、200〜240℃で、30〜180分程度熱処理することが好ましい。これらの温度と時間は、ベークにより黄ばみの発生が少なく、かつ、生産タクトを落さないよう、高めの温度で、かつ短めの時間に設定される。
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法の一具体例について説明する。
i)基板洗浄
無アルカリガラス基板を用いるが、表面の汚れを除去するために洗浄を行う。例えば、25℃に調整したガラス洗浄剤液(商品名:T−SD1、T−SD2 富士フイルム(株))をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有す回転ブラシで洗浄し、更に純水シャワー洗浄を行う。
ii)シランカップリング処理
ラミネートによる感光性樹脂層の密着を増すために、基板表面をシランカップリング処理を実施することが好ましい。シランカップリング剤としては、感光性樹脂と相互作用する官能基を有するものが好ましい。例えばシランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄する。この後、加熱により反応させる。
加熱槽を用いてもよいが、ラミネータの基板予備加熱でも反応を進めることができる。
通常は最初にラミネートする色のみ実施するが、ラミネート後の密着が弱い場合必要に応じて.他の色でも実施することが有る。
iii)ラミネート
この基板を、予備加熱装置を用いて、100℃で2分間加熱して、次のラミネータに送る。これによりラミネートを均一に行うことができる。
本発明の感光性転写材料の保護フィルムを剥離後、ラミネータを用い、前記100℃に加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートする。ゴムローラーは150℃以上では、感光性転写材料にシワがはいり、100℃以下では感光性樹脂層の密着が弱くなる。
iv)露光
仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有すプロキシミティ型露光機で、露光する。基板サイズが50センチメートル以上の場合、マスクの撓み防止の観点で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で露光するのが好ましい。露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離は短いほど解像はよいが、異物が付着しやすいので、100〜300μmに設定する。露光量は10〜80mJ/cm2である。これによりパターン状に露光される。
v)熱可塑性樹脂層、中間層の除去
トリエタノールアミン系現像液(2.5%のトリエタノールアミン含有、ノニオン界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士フイルム(株))などで熱可塑性樹脂層と中間層を除去する。この時、理想的には、感光性樹脂層は全く現像されることがない様、条件他が設定される。例えば30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワーにて供給される。
vi)感光性樹脂層の現像
引き続き感光性樹脂層をアルカリにて現像して画像を形成する。例えば炭酸Na系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1質量%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士フイルム(株))が用いられる。
条件としては例えば35℃35秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像する。現像液としてはKOH系、TMAΗ系を用いてもよい。
vii)残渣除去
引き続き洗浄剤(燐酸塩、珪酸塩、ノニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−SD1、富士フイルム(株)、又は炭酸ナトリウム、フェノキシポリオキシエチレン系界面活性剤含有、商品名:T−SD2、富士フイルム(株))等を用いる。条件は33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行う。これにより未露光部における感光性樹脂層の残成分が除去される。
viii)ポスト露光
引き続き基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cm2程度、ポスト露光される。両面から実施してもよく、また100〜800mJ/cm2の範囲で選択してもよい。ポスト露光の実施により、その後のベークでの重合効果が高まる他、ポスト露光の量により、サブピクセルのベーク後の断面形状を調整することができる。
ix)ベーク
モノマー又はオリゴマーを反応させて硬い膜とするためベークを行う。色と色の間のベークは200〜240℃、10〜20分程度熱処理し、且つ全色を形成後、更に200〜240℃で30〜180分熱処理することが好ましい。これらの温度と時間は、ベークにより黄ばみの発生が少なく、かつ、生産タクトを落さないよう、高めの温度で、かつ短めの時間に設定される。
以上の工程によって、本発明のカラーフィルタを製造することができる。
上記方法により、全色のカラーフィルタ層を形成した後に、必要に応じて、その境界をブラックマトリックスで区分した構造とすることもできる。ブラックマトリックスは、従来公知の転写法、印刷法、インクジェット法等により形成することができる。
尚、本発明のカラーフィルフィルタの全サブピクセル(例えば、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の全色のサブピクセル)が、前記レターデーション調整剤を含有する感光性樹脂層から形成されていてもよいし、また前記レターデーション調整剤を含有しない感光性樹脂層から形成されたサブピクセルやドメインを含んでいてもよい。
本発明のカラーフィルタの一例は、入射光が法線方向とそれに対して傾いた斜め方向、例えば極角60度方向とで、レターデーションの波長分散が異なる光学特性を有するカラーフィルタである。それを光学補償に積極的に用いることを特徴としている。本発明の範囲は、液晶層の表示モードによって限定されず、VAモード、IPSモード、ECBモード、TNモード及びOCBモード等、いずれの表示モードの液晶層を有する液晶表示装置にも用いることができる。
本発明は、本発明のカラーフィルタを有する液晶表示装置にも関する。液晶表示装置は、透過モード、半透過モード、及び反射モードのいずれの態様であってもよい。また、液晶層の表示モードについても限定されず、VAモード、IPSモード、ECBモード、TNモード及びOCBモード等、いずれの表示モードの液晶層を有する液晶表示装置であってもよい。
本発明のカラーフィルタは、サブピクセルの色ごとにレターデーションが最適化されているので、液晶セルを正確に光学補償することができる。その結果、正面コントラスが改善されているとともに、視野角特性が改善された、特に黒表示時における斜め方向から観察した際の色ズレが軽減された、液晶表示装置を提供することができる。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルの外側に少なくとも1枚以上の位相差板を有していてもよい。
このように液晶セルの外側に配した位相差板を組合せて用いることで、光学補償に必要なレターデーション値の主たる部分をセル外の位相差板に持たせ、カラーフィルタ層には色(サブピクセル)ごとあるいはドメインごとに補正値として必要なレターデーション値を持たせてもよい。この態様によれば、カラーフィルタ層を極端に厚くしたり、レターデーション調整剤の添加量を極端に多くすることなしに、本発明の効果を得ることができる。
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、以下において「部」、「%」及び「分子量」は、それぞれ「質量部」、「質量%」及び「重量平均分子量」を表す。
(実施例1)
−ブラックマトリックス形成用感光性転写材料の作製−
仮支持体として、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートベースフィルム(PETベースフィルム)を準備し、該フィルム上に、下記組成を混合して得た熱可塑性樹脂層用塗布液をスリットコータにより塗布し、120℃のオーブン内で5分間乾燥し、PETベースフィルム上に層厚15μmの熱可塑性樹脂層を形成した。
〔熱可塑性樹脂層用塗布液の組成〕
・ベンジルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/
メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 4.5部
(共重合比4.5/11.7/55/28.8重量平均分子量80000)
・スチレン/アクリル酸共重合体 15部
(共重合組成比60/40 重量平均分子量8000)
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニルプロパン]
7部
・F−176PF(フッ素系界面活性剤、大日本インキ(株)製) 1.5部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 28部
・メチルエチルケトン 27部
次に、下記組成を混合して中間層用塗布液を調製し、前記熱可塑性樹脂層上に、スリットコータにより更に中間層用塗布液を塗布した。その後、100℃のオーブンで2分間乾燥し、熱可塑性樹脂層上に層厚1.6μmの中間層を形成した。
〔中間層用塗布液の組成〕
・ポリビニルアルコール(PVA−205,(株)クラレ製) 13部
・ポリビニルピロリドン 6部
(PVP−K30,五協産業(株)製)
・メタノール 173部
・イオン交換水 211部
次に、上記のように熱可塑性樹脂層及び中間層が設けられたPETベースフィルムを用意すると共に、下記組成を混合して、遮光性感光性樹脂層用塗布液を調製した。そして、PETベースフィルム上の中間層上に遮光性感光性樹脂層用塗布液をスリットコータにより塗布した。その後、100℃のオーブンで2分間乾燥し、厚み3μmの遮光性感光性樹脂層を形成した。更に、感光性樹脂層上にカバーフィルムとして12μm厚のポリプロピレンフィルムを室温下でラミネートし、PETベースフィルム上に熱可塑性樹脂層、中間層、遮光性感光性樹脂層、及びカバーフィルムがこの順に積層されてなる、ブラックマトリックス形成用感光性転写材料を得た。
〔遮光性感光性樹脂層用塗布液の組成〕
・SPB−10 20.97部
(C.I.PB60分散液、富士フイルム(株)製)
・YT−20 6.38部
(C.I.PY139分散液、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)
・RT−2−2 1.74部
(C.I.PB15:6分散液、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)
・CFP−FF−802V 2.98部
(C.I.PV23分散液、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)
・7270M 8.37部
(カーボンブラック分散液 御国色素(株)製
・MMPG−AC 17.61部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
・メチルエチルケトン 34.76部
・界面活性剤 0.07部
(メガファックF−176PF、大日本インキ(株)製)
・ヒドロキノンモノメチルエーテル 0.0021部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4.53部
・9−フェニルアクリジン 0.23部
・2−メルカプト−5−メチルメルカプト−
1,3,4−チアジアゾール 0.23部
−着色サブピクセル形成用感光性転写材料の作製−
上記ブラックマトリックス形成用感光性転写材料の作製において、「遮光性感光性樹脂層用塗布液」を、下記の組成の赤色感光性樹脂層用塗布液、緑色感光性樹脂層用塗布液、青色感光性樹脂層用塗布液にそれぞれ変更した以外は同様にして、赤色サブピクセル形成用、緑色サブピクセル形成用、及び青色サブピクセル形成用の3種の感光性転写材料を得た。
なお組成中のレターデーション調整剤A及びBは下記の化合物を指す。
Figure 2008040486
Figure 2008040486
〔赤色感光性樹脂層用塗布液の組成〕
・RT−107 21.65部
(C.I.PR254分散液 富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)
・MMPG−AC 31.20部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
・メチルエチルケトン 34.96部
・界面活性剤 0.06部
(メガファックF−176PF、大日本インキ(株)製)
・フェノチアジン 0.0012部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 4.97部
(共重合比=72/28、分子量30000)
・ジぺンタエリスリトールヘキサアクリレート 4.92部
・2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)
−1,3,4−オキサジアゾール 0.31部
・7−{〔−4(ジエチルアミノ)−6−(3−ヒドロキシメチル
ピペリジノ)−s−トリアジニル(2)〕−アミノ}
−3−フェニルクマリン 1.50部
・2,4,6−トリス〔2,4ビス(メトキシカルボニルオキシ)
フェニル〕−1,3,5−トリアジン 0.37部
・レターデーション調整剤A 3.00部
〔緑色感光性樹脂層用塗布液の組成〕
・GT−2 15.86部
(C.I.PG36分散液、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)
・YT−123 11.06部
(C.I.PY138分散液、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)
・MMPG−AC 10.25部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
・メチルエチルケトン 51.49部
・界面活性剤 0.19部
(メガファックF−176PF、大日本インキ(株)製)
・フェノチアジン 0.004部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 4.47部
(共重合比=72/28、分子量30000)
・ジぺンタエリスリトールヘキサアクリレート 5.27部
・2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)
−1,3,4−オキサジアゾール 0.193部
・7−{〔−4(ジエチルアミノ)−6−(3−ヒドロキシメチル
ピぺリジノ)−s−トリアジニル(2)〕−アミノ}
−3−フェニルクマリン 1.26部
・レターデーション調整剤A 1.20部
〔青色感光性樹脂層用塗布液の組成〕
・7075M 32.93部
(C.I.PB15:6分散液、御国色素(株)製)
・MMPG−AC 0.69部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
・メチルエチルケトン 52.50部
・界面活性剤 0.12部
(メガファックF−176PF、大日本インキ(株)製)
・フェノチアジン 0.012部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 8.10部
(共重合比=78/22、分子量40000)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5.19部
・2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)
−1,3,4−オキサジアゾール 0.20部
・2,4,6−トリス(2,4ビス(メトキシカルボニルオキシ)
フェニル〕−1,3,5−トリアジン 0.25部
・レターデーション調整剤B 2.00部
−カラーフィルタの作製−
ガラス基板をシランカップリング剤溶液(信越化学(株)製の「KBM−603」;1%希釈液)に3分間浸漬し、10秒水洗し、エアガンで水切り後、110℃のオーブンで5分間乾燥して、シランカップリング処理ガラス基板を得た。
上記により得られた赤色サブピクセル用感光性転写材料からカバーフィルムを除去し、前記シランカップリング処理ガラス基板と、該感光性転写材料の感光性樹脂層が接するように重ね合わせ、ラミネータ(大成ラミネータ(株)製のファーストラミネータ8B−550−80)を用いて、2kg/m2の加圧、130℃のローラー温度、0.2m/minの送り条件で貼り合わせた。続いてポリエチレンテレフタレートの仮支持体を、熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。アライナーMAP−1200L(大日本スクリーン(株)製)を用い、赤色サブピクセル用フォトマスクを介して、超高圧水銀灯(2kW)にて、感光性樹脂層に60cmの距離から3秒間露光を行った(照射エネルギー:20mJ/cm2)。次いで所定の処理液(T−PD2:富士フイルム(株)製の10倍希釈液)を用いて、熱可塑性樹脂層及び中間層を除去した。その後、所定の処理液(T−CD1:富士フイルム(株)製の5倍希釈液)にて感光性樹脂層を現像して未露光部分を除去し、更に所定の処理液(T−SD1:富士フイルム(株)製の10倍希釈液)にてブラシをかけながら現像残膜を除去し、ガラス基板上に赤色サブピクセルパターンを得た。更にサブピクセルパターンの硬化を進めるため、アライナーにて基板の表裏から基板全面を500mJ/cm2でポスト露光し、220℃のオーブンで20分間焼成した。
次いで、緑色サブピクセル用感光性転写材料を用い、同様に赤色サブピクセルパターン付きガラス基板上に緑色感光性転写材料を貼り合わせ、仮支持体除去、パターン露光、熱可塑性樹脂層及び中間層除去、現像、残膜処理を行い、更にポスト露光を行い、220℃のオーブンにて20分焼成して、赤色サブピクセル及び緑色サブピクセルパターンが設けられたカラーフィルタ基板を得た。
次いで、青色サブピクセル用感光性転写材料を用い、同様に赤色及び緑色サブピクセルパターン付きガラス基板上に青色感光性転写材料を貼り合わせ、仮支持体除去、パターン露光、熱可塑性樹脂層及び中間層除去、現像、残膜処理を行い、更にポスト露光を行い、220℃のオーブンにて20分焼成して、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル及び青色サブピクセルパターンが設けられたカラーフィルタ基板を得た。
なお各色とも、ガラス基板への貼り合わせにおいては、感光性転写材料の塗布時の流れ方向が、ガラス基板の長辺(液晶パネルした時の左右方向)と一致するように貼り合わせた。
続いて、ブラックマトリックス形成用の感光性転写材料からカバーフィルムを除去し、この感光性転写材料の黒色感光性樹脂層の表面と、赤色、緑色、及び青色画像を有するガラス基板の赤色、緑色、青色画像が設けられている側の表面とが接するように重ね合わせ、上記同様にしてラミネータを用いて貼り合わせた。引き続き、PETベースフィルム(仮支持体)を遮光性感光性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。そして、アライナーMAP−1200L(大日本スクリーン(株)製)を用いて、赤色、緑色、及び青色画像を有しない画像非形成面側から超高圧水銀灯(2kW)により70mJ/cm2で露光を行ない、更に赤色画像等の場合と同様にして現像、ポスト露光を行い、240℃のオーブンで50分間焼成して、赤色画像、緑色画像、及び青色画像を有しない非画像部に黒色の遮光性画像(ブラックマトリックス)を形成した。以上のようにして、赤色画像、緑色画像、及び青色画像とこれらの間に形成された黒色の遮光像とからなるカラーフィルタを得た。
上記より得たカラーフィルタの赤色、緑色、青色の各サブピクセル部分のレターデーションを測定したところ、次の値を示した。
赤色サブピクセル; Re(629)50nm、Rth(629)12nm
緑色サブピクセル; Re(548)20nm、Rth(548) 7nm
青色サブピクセル; Re(446) 4nm、Rth(446)38nm
<液晶セルの作製>
液晶セルは、上記で作製したカラーフィルタ付き基板を下側に用い、基板間のセルギャップを3.6μmとし、負の誘電率異方性を有する液晶材料(「MLC6608」、メルク社製)を基板間に滴下注入して封入し、基板間に液晶層を形成して作製した。液晶層のレターデーション(即ち、液晶層の厚さd(μm)と屈折率異方性Δnとの積Δn・d)を300nmとした。なお、液晶材料は垂直配向するように配向させた。
<VAパネルへの実装>
上記の垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置の上側偏光板(観察者側)には、市販品のスーパーハイコントラスト品(株式会社サンリッツ社製HLC2−5618)を用いた。下側偏光板(バックライト側)には、特開2006−8944号公報の実施例1のF−8に示された方法と同様にして作製したセルロースアシレートフィルムを用い、該公報の実施例2(2−1−1)に示された方法と同様にして作製した偏光板を、該セルロースアシレートフィルムが液晶セル側となるように設置した。なお下側偏光板用に作製したセルロースアシレートフィルムのレターデーションを3つの波長で測定したところ、下記の値を示した。
Re(446) 60nm、Rth(446)204nm
Re(548) 54nm、Rth(548)200nm
Re(629) 56nm、Rth(629)198nm
上側偏光板及び下側偏光板は粘着剤を介して液晶セルに貼りつけた。上側偏光板の透過軸が上下方向に、そして下側偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
液晶セルに55Hzの矩形波電圧を印加した。白表示5V、黒表示0Vのノーマリーブラックモードとした。作製した液晶表示装置を観察した結果、正面方向の観察、斜め方向で視野角及び方位角を振った観察のいずれにおいても、ニュートラルな黒表示が実現できていた。
本発明の一態様のカラーフィルタの一ピクセルの一例の斜視図である。 本発明の他の態様のカラーフィルタの一ピクセルの一例の斜視図である。

Claims (8)

  1. 1つの画素が2色以上のサブピクセルからなる液晶表示装置用カラーフィルタであって、少なくとも1色のサブピクセルがレターデーション調整剤を含有し、かつ少なくとも2色のサブピクセルのレターデーション値が、実質的に互いに異なることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタ。
  2. 少なくとも1色のサブピクセルが、さらにレターデーション値が実質的に互いに異なる複数のドメインを含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置用カラーフィルタ。
  3. 請求項1又は2に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示装置。
  4. 液晶セルの外側に少なくとも1枚の位相差板を有することを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. 少なくとも1種のレターデーション調整剤を含有することを特徴とする感光性樹脂層を有する感光性転写材料。
  6. 感光性樹脂層を有する感光性転写材料の製造方法であって、少なくとも1種のレターデーション調整剤を含有する感光性樹脂組成物を帯状に表面に適用して、感光性樹脂層を形成する工程を含むことを特徴とする感光性転写材料の製造方法。
  7. 少なくとも1種のレターデーション調整剤を含有する感光性樹脂層を、基板の表面に形成する工程を含むことを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
  8. 少なくとも1種のレターデーション調整剤を含有する感光性樹脂層を基板上に形成する工程と、少なくとも1回の露光工程と、少なくとも1回の現像工程と、少なくとも1回のベークエ程と、を含むことを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
JP2007177903A 2006-07-11 2007-07-06 カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、及び液晶表示装置 Abandoned JP2008040486A (ja)

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