JP2008275812A - 厚さ方向の屈折率がコントロールされた位相差フィルム、およびその製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶表示装置の視野角の拡大やコントラストの向上等の表示性能の向上に有用な位相差板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】熱収縮性を有するフィルムAを収縮させて得られる位相差フィルムであって、厚さ方向(ZD)の屈折率nzが、長手方法(MD)の屈折率nxおよび/または幅方向(TD)の屈折率nyよりも大きな値を有する位相差フィルム。厚さ方向(ZD)の屈折率nzが、長手方法(MD)の屈折率nxおよび/または幅方向(TD)の屈折率nyよりも大きな値を有する位相差フィルムを製造する方法であって、熱収縮性を有するフィルムAを収縮させて厚さ方向の屈折率nzをコントロールする、位相差フィルムの製造方法
【選択図】なし
【解決手段】熱収縮性を有するフィルムAを収縮させて得られる位相差フィルムであって、厚さ方向(ZD)の屈折率nzが、長手方法(MD)の屈折率nxおよび/または幅方向(TD)の屈折率nyよりも大きな値を有する位相差フィルム。厚さ方向(ZD)の屈折率nzが、長手方法(MD)の屈折率nxおよび/または幅方向(TD)の屈折率nyよりも大きな値を有する位相差フィルムを製造する方法であって、熱収縮性を有するフィルムAを収縮させて厚さ方向の屈折率nzをコントロールする、位相差フィルムの製造方法
【選択図】なし
Description
本発明は、液晶表示装置の視野角の拡大やコントラストの向上等の表示性能の向上に有用な位相差フィルム、すなわち、厚さ方向(ZD)の屈折率が長手方法(MD)の屈折率および/または幅方向(TD)の屈折率よりも大きな値を有した光学位相差フィルムおよびその製造方法に関するするものである。
液晶表示装置の斜視方向では偏光板を透過した直線偏光が液晶セルによる複屈折で楕円偏光化して着色問題が発生し、その着色の防止には液晶セルの複屈折による位相差を補償する必要があり、そのためには厚さ方向の屈折率が制御された位相差板が必要となる。ところが、通常の一軸延伸や二軸延伸等の公知の延伸方法では厚さ方向の屈折率は、他の方向(長手方向および幅方向)の屈折率と比較して最も小さくなり、したがって、厚さ方向の屈折率が長手方法MDの屈折率および/または幅方向TDの屈折率よりも大きな値を有した光学フィルムを得ることは困難であった。
そこで、厚さ方向の屈折率を含めた位相差の制御を目的に、無延伸の高分子フィルムに熱収縮性フィルムを接着してその収縮力の作用下に高分子フィルムを延伸処理する位相差板の製造方法が知られていた(例えば、特許文献1参照)が、厚さ方向の屈折率の制御性に乏しいなどの問題点が残されていた。
そこでこれらの欠点を改良するために提案されたのが、一軸延伸フィルムに収縮性フィルムを接着し、加熱による前記収縮性フィルムに基づく収縮力の作用下に前記一軸延伸フィルムの位相差を変化させることにより位相差板を製造する方法(例えば、特許文献2参照)や、縦横両方向に伸縮できる同時二軸延伸機に熱収縮性フィルムを接着した透光性フィルムを保持し、このフィルムを該延伸機による伸縮力と熱収縮性フィルムによる熱収縮力との作用下でフィルムを少なくとも一方向に収縮させて位相差フィルムを製造する方法(例えば、特許文献3参照)などが開示されている。また、これらの工程における熱収縮性フィルムや接着層として好適なものについても、検討が行なわれている(例えば、特許文献4、特許文献5参照。)。
特開平5−157911号公報
特開平11−125716号公報
特開平12−162436号公報
特開平13−83322号公報
特開平14−207123号公報
しかしながら、特許文献1の公知の製造方法では、厚さ方向の屈折率を含めた位相差の制御性に乏しく、そればかりか位相差ムラが大きく、さらに制御しうる位相差の幅が狭いなどの品質上の問題点があった。また、特許文献2−5の製造方法では、位相差フィルムとしての光学品質は特許文献1の品質よりも可成り改良されるが、この様な光学位相差フィルムを製造するには、本来の光学フィルム以外に厳しく熱収縮率などの収縮条件が規制された別のフィルムが必要であるばかりか、その熱収縮フィルムと光学フィルムとを強力に接着させると共に、収縮後に糊残りなど光学フィルムに欠点を残すことなく剥離する必要があり、表面の無欠点の光学位相差フィルムを製造することが難しいばかりか、製造には収縮フィルムや、その接着工程・剥離工程などがあり、製造原価が高いものになってしまい、低価格の製造原価で、高品質な光学用位相差フィルムを得ることが出来ないと言う問題点な欠点を有していた。
発明者らは鋭意検討の結果、位相差フィルムの材料となるフィルム自体に熱収縮性を有するフィルムを採用し、これを収縮させて厚さ方向の屈折率を制御することで上記の問題が解決可能であることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)熱収縮性を有するフィルムAを収縮させて得られる位相差フィルムであって、厚さ方向(ZD)の屈折率nzが、長手方法(MD)の屈折率nxおよび/または幅方向(TD)の屈折率nyよりも大きな値を有する位相差フィルムに関する。なお、ここで熱収縮性とは、75℃に加熱した条件で、いずれか一方の方向に、5%以上の収縮を示すことを言う。
すなわち本発明は、
(1)熱収縮性を有するフィルムAを収縮させて得られる位相差フィルムであって、厚さ方向(ZD)の屈折率nzが、長手方法(MD)の屈折率nxおよび/または幅方向(TD)の屈折率nyよりも大きな値を有する位相差フィルムに関する。なお、ここで熱収縮性とは、75℃に加熱した条件で、いずれか一方の方向に、5%以上の収縮を示すことを言う。
以下(2)、本発明の好ましい実施形態の1つである。
(2)前記収縮の際に、フィルムA以外の収縮フィルムの収縮力を利用しない、上記(1)に記載の位相差フィルム。
また、本発明は、
(3)厚さ方向(ZD)の屈折率nzが、長手方法(MD)の屈折率nxおよび/または幅方向(TD)の屈折率nyよりも大きな値を有する位相差フィルムを製造する方法であって、熱収縮性を有するフィルムAを収縮させて厚さ方向の屈折率nzをコントロールする、位相差フィルムの製造方法に、関する。
以下、(4)から(9)は、それぞれ本発明の好ましい実施形態の1つである。
(4)前記収縮の際に、フィルムA以外の収縮フィルムの収縮力を利用しない、上記(3)に記載の位相差フィルムの製造方法。
(5)上記熱収縮性を有するフィルムAを、上記nx、nyおよびnzのうち少なくとも1つが実質的に変化しない(屈折率の変化が、0.0008以下であることをいう。)延伸工程で作成する、上記(3)または(4)に記載の位相差フィルムの製造方法。なお、この延伸工程では、通常配向度も実質的に変化せず、また、結晶化度も実質的に変化しないことが好ましい。
(6)上記延伸工程が、上記フィルムAの原料となるフィルムの架橋後に、融点±30℃、あるいは軟化点±30℃で延伸を行うものである、上記(5)に記載の位相差フィルムの製造方法。
(7)上記延伸工程が、口金から押出された際の溶融状態で延伸を行うものである、上記(5)に記載の位相差フィルムの製造方法。
(8)上記(3)から(7)のいずれか1項に記載の製造方法により作製された位相差フィルム。
(9)液晶表示用の位相差用の部材に用いられる、上記(1)、(2)または(8)に記載の位相差フィルム。
(2)前記収縮の際に、フィルムA以外の収縮フィルムの収縮力を利用しない、上記(1)に記載の位相差フィルム。
また、本発明は、
(3)厚さ方向(ZD)の屈折率nzが、長手方法(MD)の屈折率nxおよび/または幅方向(TD)の屈折率nyよりも大きな値を有する位相差フィルムを製造する方法であって、熱収縮性を有するフィルムAを収縮させて厚さ方向の屈折率nzをコントロールする、位相差フィルムの製造方法に、関する。
以下、(4)から(9)は、それぞれ本発明の好ましい実施形態の1つである。
(4)前記収縮の際に、フィルムA以外の収縮フィルムの収縮力を利用しない、上記(3)に記載の位相差フィルムの製造方法。
(5)上記熱収縮性を有するフィルムAを、上記nx、nyおよびnzのうち少なくとも1つが実質的に変化しない(屈折率の変化が、0.0008以下であることをいう。)延伸工程で作成する、上記(3)または(4)に記載の位相差フィルムの製造方法。なお、この延伸工程では、通常配向度も実質的に変化せず、また、結晶化度も実質的に変化しないことが好ましい。
(6)上記延伸工程が、上記フィルムAの原料となるフィルムの架橋後に、融点±30℃、あるいは軟化点±30℃で延伸を行うものである、上記(5)に記載の位相差フィルムの製造方法。
(7)上記延伸工程が、口金から押出された際の溶融状態で延伸を行うものである、上記(5)に記載の位相差フィルムの製造方法。
(8)上記(3)から(7)のいずれか1項に記載の製造方法により作製された位相差フィルム。
(9)液晶表示用の位相差用の部材に用いられる、上記(1)、(2)または(8)に記載の位相差フィルム。
本発明によれば、位相差フィルムの原料となるフィルムA自体が、自らのフィルム単独で自己収縮性を有するので、その後の収縮工程でその配向特性を任意に変更でき、位相差を幅広い範囲で制御することができ、目的とする種々の大きさの位相差を示す位相差フィルムを効率よく得ることができる。
また本発明による製造方法では、収縮処理の幅方向の安定性と精度に優れ、その処理により位相差ムラの少ない位相差フィルムを得ることができる。
さらに、製造原価の安い方法で製造出来るので、本発明の位相差フィルムは、より汎用用途にも幅広く利用することが可能となり、液晶表示分野においては高性能で低価格な液晶ディスプレイが実現出来、ますます液晶テレビが普及する原動力となることが期待できる。
これらの結果、各種液晶セルの多様な複屈折特性に応じた補償を達成できる位相差精度に優れる位相差板や楕円偏光板を得て、広い視野角で良好な視認性を示してコントラストに優れる高表示性能の液晶表示装置を得ることができる。
本発明は、厚さ方向(ZD)の屈折率nzが、長手方法(MD)の屈折率nxおよび/または幅方向(TD)の屈折率nyよりも大きな値を有する位相差フィルムを製造する方法であって、熱収縮性を有するフィルムAを収縮させて厚さ方向の屈折率nzをコントロールする位相差フィルムの製造方法に関するものである。具体的には、例えば、実質的に屈折率(nx、nyおよびnzのうち少なくとも1つ)の変化のない延伸(いわゆるスーパードロー延伸)をした後に、屈折率の変化する構造形成収縮をさせることにより、該収縮力によりフィルムの厚さ方向に延伸応力を発生させることが出来、その結果、厚さ方向の屈折率が大きくなり、屈折率のコントロールされた光学位相差フィルムを製造する方法を実現することができる。ここで、スーパードロー延伸とは、延伸はするが、実質的に分子配向への変化を伴なわず、したがって屈折率(nx、nyおよびnzのうち少なくとも1つ)が実質的に変化しない様な延伸のことである。この様な延伸方法の例としては、(a)ポリマーフィルムに電子線などの高エネルギー線などを用いるなどして架橋させた後に、該ポリマーの融点近傍、あるいは軟化点温度近傍で延伸する方法や、(b)口金から押出された溶融状態で引き落として、いわゆるドラフト延伸配向する方法などが例示されるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
本発明の光学位相差フィルムおよびその製造方法の好ましい実施形態の一例は、他の収縮フィルムの力を借りることなく、みずからのフィルム自身で収縮して厚さ方向の屈折率が長手方法MDの屈折率および/または幅方向TDの屈折率よりも大きな値を有した厚さ方向ZDの屈折率のコントロールされた光学位相差フィルムの製造方法であり、具体的には、実質的に配向も結晶化もせずに、屈折率変化のないスーパードロー延伸(たとえば、特公昭28−617号公報、米国特許第2917779号公報、川口達郎、Journal of Applied Polymer Science(米国)、1961年7/8月、第5巻、第16号、P.482-490等参照。)した後に、屈折率の変化する構造形成収縮をさせて厚さ方向の屈折率がコントロールされた光学位相差フィルムを製造する方法である。目的とする位相差板における屈折率の制御、すなわち位相差の制御は、熱収縮力や、熱収縮率、収縮温度などを調節することにより行うことができる。
ここで、フィルム長手方向の屈折率をnx、フィルム幅方向の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとすると、nx>nyとしたとき、(nx−nz)/(nx−ny)=Nz値が、0<Nz値<1を満足する特性を示す位相差フィルムを用いた時に、視角角による明暗、色ズレなどの視認性変化が小さく、複屈折性を示す液晶セルに適用してコントラストや白黒表示域等の視認性を向上させることができるのである。この様なNz値を得るには、厚さ方向の屈折率がフィルム幅方向の屈折率をnyよりも少なくとも大きくなくてはならないのである。
この様なフィルムを得るには、(a)熱収縮性機能を与えるが、屈折率(nx、nyおよびnzのうち少なくとも1つ)を実質的に変化させない(すなわち分子配向に実質的に変化を与えない)特殊なスーパードロー延伸をする第一段の工程と、(b)この収縮機能を持ったフィルムを、希望の屈折率変化が起こるように構造形成付与する収縮工程との2段階からなる方法によることが、好ましい。本発明の目的とする位相差フィルムにおける屈折率の制御、Nz値の制御、位相差の制御などは、熱収縮力や、熱収縮率、収縮温度等を適宜調節することにより行うことが出来る。
本発明で言うスーパードロー延伸を実施するには、(a)電子線等による架橋後に、融点近傍(たとえば融点±30℃)、あるいは軟化点温度近傍(たとえば融点±30℃)で延伸する方法、(b)口金から押出された溶融状態でドラフト延伸配向させる方法、などが挙げられるがこれらに限定されることはなく、分子配向や結晶化を伴わない、いわゆる屈折率(nx、nyおよびnzのうち少なくとも1つ)が実質的に変化しない(たとえば、屈折率変化が0.0008未満。)延伸方法であれば、好適に使用することができる。具体的な方法については後で詳述する。
本発明の位相差フィルムのガラス転移温度Tgは125℃以上、好ましくは145℃以上であることが好ましい。Tgを125℃以上とすることで、高温下での使用環境、例えば日本の夏場や赤道近傍の国や地域で使用される自動車内でのテレビTVやカーナビゲーションCNなどの液晶表示部材として使用されている場合に、社内温度の上昇により光学フィルムの特性が変わってしまい、その結果、画像や色目やコントラストが変わったり、視野角依存性がでたりすると言う問題を有効に抑制することができる。
本発明の位相差フィルムの光線透過率は88%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは91%以上と、なるべく多くの光線を透過させた方が透過ロスが少なく、明るい液晶画面となるので、なるべく光線透過率の高い、透明性に優れたフィルムであることが好ましい。光線透過率は、市販の分光光度計を使用して測定することが可能であり、通常、波長550nmにおける値を採用する。
さらに本発明の位相差フィルムの厚みムラは、長手方向で平均厚みの5%以下、好ましくは、3%以下と小さい方がリターデーションムラにならないので好ましい。幅方向にも厚みムラは小さいことがもとめられ、幅方向にも平均厚みの5%以下であることが好ましい。
本発明の位相差フィルムの厚さは、通常は200〜20μm、好ましくは100〜40μmの範囲のフィルムが多用されているが、特に厚さの限定はなく、リターデーションとの関係で適当なフィルム厚みが決まるものである。
本発明の位相差フィルムの吸水率は0.2重量%以下、好ましくは0.1重量%以下であることが寸法安定性の点で好ましい。吸水率は、JISK7209。に規定の方法で、測定することができる。
本発明の位相差フイルムの中心線平均表面粗さRaは、100nm以下、好ましくは50nm以下、さらに好ましくは20nm以下であることが好ましい。また、フイルムのヘイズ値は、80μm厚さで1.5%以下、好ましくは1.0%以下であるのが良い。中心線平均表面粗さRaおよび、ヘイズ値は、本明細書の実施例記載の方法により、測定することができる。
さらに必要なら本発明の位相差フィルムにコーティングや放電処理などの表面処理をして、表面ぬれ張力を45mN/m以上、好ましくは50mN/mm以上と大きくすることも可能である。さらに、コーティングなどで表面比抵抗を1012Ω/□以下好ましくは1010Ω/□以下にする事も可能である。
本発明の位相差フィルムとして用いるポリマーとしては、透明性に優れた熱可塑性ポリマー、すなわち加熱することにより流動性を示すポリマーであることが好ましい。具体的には、ポリスチレン(PSt)、環状オレフィン系ポリマー(COP,COC)、メチルペンテンポリマー(PMP)、アクリル系ポリマー、ポリカーボネート(PC)などが本発明の位相差フィルムに用いる原料としては好ましい。
環状オレフィン系ポリマーとしては、ジシクロペンタジエン等の開環重合体の水素化物(COP)、ジシクロペンタジエン等とエチレン等との共重合体およびその水素化物(COC)、およびノルボルネン系重合体などから選ばれた1種以上で、ガラス転移点が100℃以上、好ましくは130℃以上ものが好ましい。ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素化物の例は、公知の資料(例えば、特公昭58−43412号公報、特開昭63−218727号公報)などでよく知られている。またジシクロペンタジエンとエチレンとの共重合体の例は、公知の資料(特開昭63−314220号公報)などでも知られており、ノルボルネン系重合体の例は公知の資料(米国特許第2883372号明細書、特公昭46−14910号公報、特開平1−149738号公報)などに示されているようにジシクロペンタジエン類とジエノフイルとの混合物から4環体以上の多環ノルボルネン系化合物を得たのち重合体にしたものなどが知られている。もちろんジシクロペンタジエン類は、そのメチルやエチル置換体などのアルキル置換体や、エンド異性体、キキソ異性体またはこれらの混合物なども含んでも良い。該環状オレフイン系ポリマーの分子量は数平均分子量で30000以上、70000未満、好ましくは35000以上、60000未満であるのが、フイルムの機械強度、特に耐衝撃性、押出成形などの点で好ましい。
メチルペンテンポリマー(PMP)とは、4メチルペンテン-1ホモポリマーや、それに炭素数8,10,12、20などの任意の炭素数のコモノマーを2〜20モル%程度共重合させた共重合メチルペンテンポリマーなども含み、これらの主たるものは三井化学株式会社からTPX(登録商標)として市販されている。
ポリスチレンPStとは、基本骨格にスチレンに由来する基を有した高分子化合物で、タクティシティとしては、アタクチックポリマーを主としたポリマーが透明性に優れていて好ましい。尤も、透明性を害さない範囲で、例えば、厚さ80μmのフィルムにしたときに、光線透過率が88%以上の値が保たれる範囲でアイソタクチックポリスチレンやシンジオタクティックポリスチレンを含有したポリスチレンでも、さらに、これにエチレン基の様な他のモノマーを20モル%程度以下共重合したものでも良い。このようなポリマーは出光石油化学株式会社などから市販されている。
アクリル系ポリマーとしては、ポロメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリメタクリレートなどで代表されるポリマーで、これらの共重合体などを含む光線透過率の高い光学的に透明なポリマーを使用できる。また、公知文献(例えば、特開2006-265543号公報)に示されている様に、カルボキシル基含有アクリル共重合体に環化反応を行うことにより得られるグルタル酸無水物単位含有共重合体は、高いガラス転移温度Tgを有するのみならず、高度な耐熱性、無色透明性、熱安定性に優れた成形加工特性を有し、さらに異物も減少し、光学材料に要求されている高度な無色透明性、低異物アクリルポリマーとなるので本発明の位相差フィルムにも有効にもちいることが出来る。もちろん、これにアクリルゴムを分散させて強靱性を付与したポリマー、例えば公知文献(特開2006-283013号公報)に示されているように、グルタル酸無水物単位を有するアクリル樹脂に、該アクリル樹脂との屈折率差が0.05以下で、該粒子径が1μm以下のアクリル弾性体粒子を配合したポリマーなども有効である。
ポリカーボネート(PC)とは、炭酸とグリコールあるいは2価フェノールとのポリエステルで、-O-CO-O−のカーボネート結合を有する高分子で、ビスフェノールと炭酸エステルの高分子が最も実用的に用いられており、帝人株式会社(パンライト(登録商標)、ピュアエース(登録商標))、株式会社カネカ(エルメック(登録商標))、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社(ユーピロン(登録商標))などから市販されている。
本発明の位相差フイルム中には公知の任意の添加剤、例えば着色防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、結晶核剤、接着向上剤、すべり剤、ブロツキング防止剤、耐侯剤、消泡剤、透明化剤、粘度調整剤などを含有させてもよい。帯電防止としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ビス(オクチルポリオキシエチレン)ホスフエ−トソ−ダ、ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニウム、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸ホスホニウム、スチレンスルホン酸、ポリエチレングリコールなどの公知の帯電防止剤などがあるが、透湿性のある帯電防止剤を添加剤として用いると、乾燥時、および経時での耐電防止安定性に優れるので好ましい。ここで透湿性のある帯電防止剤としては、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、などのアルカリ金属から選ばれたイオン基を有するアイオノマーポリマーを挙げることができ、本発明の場合には特にカリウム(K)イオンを含有したポリマーの含有が、フィルムの透湿性、相溶性、透明性の点で好ましい。透湿性アイオノマーの代表例としては、ポリスチレンスルフォン酸塩(PSS)アイオノマー、エチレン系スルホン酸塩アイオノマー、エチレン・不飽和カルボン酸アイオノマーなどがあり、代表的なポリマーとしては、三井デュポンポリケミカル株式会社から市販されているエンティラ(商品名)が特に優れている。もちろんこれと同時に相溶化剤を併用しても良いことは明らかである。これらの帯電防止剤の添加量としては、透明性およびブリードアウト性などの点から重量換算で20%以下、出来れば10%、さらに好ましくは5%以下が良い。
次に本発明の位相差フイルムの代表的な製造方法について述べるが、本発明は、これに限定されるものではない。常法により公知の光学用の原料を乾燥・加熱した原料ペレットを窒素雰囲気下、出来れば酸素濃度100ppm以下の雰囲気下でシート押出機に供給して押出機の中で剪断応力や剪断速度が小さくなるようにシリンダー内で溶融させ、これを10μm以上の異物を通さない多数の微細リーフディスク・フィルターを通過させたのちに口金より溶融シ−トを吐出させ冷却ドラムに密着固化させてキヤストシ−トを得る。積層シートとして他のポリマーとの積層することも可能である。
なお、キヤスト密着方式は、キャストロールに粘着させながら密着力を得る粘着キャスト方式や、静電荷を印可させながら静電気力で密着させる方式、さらには弾性ロールやエンドレスベルトなどで圧着させる方法などがあるが、本発明の場合、静電密着方式が、高速製膜、無欠点製膜、取扱性などの点で特に好ましい。この様な静電密着方式が適用できるようにするには、出来れば溶融時のポリマーの体積抵抗値は108から1010Ω・cm程度の範囲であることが望まれる。このような体積抵抗値は、抵抗値の小さな、相溶性のある特定のポリマー、例えば帯電防止ポリマー“エンティラ”(商品名。三井デュポンポリケミカル株式会社製)などを含有させることによっても達成出来るものである。もちろん、ニツプロ−ル(ソフトニップ&ハードニップ)方式、ベルト方式、カレンダ−方式、エア−ナイフ方式、エア−チャンバー方式なども用いることが出来る。また、ドラム材質はクロムメツキ、ステンレスまたはセラミックからなる最大表面粗さRy0.1μm以下の表面ドラムを用いるのがよい。またドラム表面温度は、ポリマーの種類にもよるが、そのポリマーのガラス転移温度近傍がよい。COP、COCの場合、105〜165℃のものがよく用いられる。また、ドラフト比は10以下、好ましくは5以下と小さい方が光学的に等方なフイルムとなるので好ましい。
本発明の位相差フィルムを得るには、この様にして押出されたフィルムを、まず(a)熱収縮性機能を与えるが、屈折率(nx、nyおよびnzのうち少なくとも1つ)を実質的に変化させることなく、すなわち分子配向に実質的に影響を与えない特殊な延伸(スーパードロー延伸)をする第一段の工程と、(b)この収縮機能を持ったフィルムを、希望の屈折率変化が起こるように構造形成付与の収縮工程との2段階からなる方法によることが好ましい。本発明の目的とする位相差フィルムにおける屈折率の制御、Nz値の制御、位相差の制御などは、熱収縮力や、熱収縮率、収縮温度などを調節することにより行うことが出来る。
本発明で言うスーパードロー延伸するには、(a)電子線等による架橋後に、融点近傍、あるいは軟化点温度近傍での延伸する方法、(b)口金から押出された溶融状態でのドラフト延伸配向させる方法、などが挙げられるがこれに限定することはなく、(通常、分子配向や結晶化度への影響を伴わない)屈折率(nx、nyおよびnzのうち少なくとも1つ)が実質的に変化しない延伸方法を適宜使用することができる。
(a)の方法では、電子線等により架橋させたフィルムを、該ポリマーの融点近傍(例えば融点±30℃)あるいは軟化点温度近傍(例えば軟化点温度±30℃)で延伸する。この時、分子間を架橋させる方法としては、電子線照射方法で代表されるが、これ以外にγ線、β線などの活性エネルギーの照射方法や、熱架橋方法、紫外線架橋方法なども採用可能であり、どの方法を選択するかは用いるポリマー種、処理環境などで適宜選択することが出来る。ポリマーの架橋度としては、該ポリマーの融点あるいは軟化点近傍でポリマーが流動せずに、フィルムの形態を留めることが出来る程度の最低の架橋度以上であり、逆に架橋度の上限は延伸が出来る範囲の上限である。通常のポリマーの架橋度としては、8から50%程度である。なお、架橋度はポリマーの溶剤不溶成分(JIS C3005に従い、ポリマー種によって溶剤/温度は適宜選択する。)の重量分率で表す。延伸条件は、構造形成収縮条件や、欲しいNz値との関連にもよるが、延伸倍率は通常、概ね1.3倍から2.5倍程度が採用されている。
(b)の口金から押出された溶融状態でのドラフト延伸配向させる方法は、溶融しているフィルムを成型用の口金から吐出されている時に引き落としてドローダウンするときの倍率、すなわちドラフトをかけることにより収縮機能を付与するものである。この時のドラフト比とは、吐出口金のリップ間隙Lを得られたフィルム厚さdで割った値(L/d)で表す。ドラフト比はその時の溶融温度に強く依存するが、通常2倍から30倍程度である。延伸するときの温度は、大きな収縮機能を付与しようと思えば、出来る限り溶融している樹脂の温度を融点以下の過冷却状態としてドラフト延伸するか、非晶性ポリマーの場合には、軟化温度近傍での延伸が好ましい。
分子配向や結晶化度の変化を実質上伴わない、いわゆる屈折率(nx、nyおよびnzのうち少なくとも1つ)が実質的に変化しない延伸は、スーパードローと学術上言われている(たとえば、特公昭28−617号公報、米国特許第2917779号公報、川口達郎、Journal of Applied Polymer Science(米国)、1961年7/8月、第5巻、第16号、P.482-490等参照。)。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムで代表されるように、ある特定の温度範囲、時間範囲、速度範囲で延伸することにより、延伸はされており、フィルムの表面積は増大して厚さは減少しているが、結晶化も配向も起こらない(典型的には、JIS K0131に従いX線回折法で測定した結晶化度の変化が5%未満であり、屈折率の変化が、0.0008以下である場合を言う。)特別な領域をスーパードローと言う。この様な現象は、非晶性ポリマーで多く認められ、特に嵩高い側鎖を有したような環状オレフィンなどの非晶ポリマーでもこの現象が認められる。例えば、このような樹脂をガラス転移温度以上の高温で延伸することにより得られる。
かくして得られた収縮機能を持ったフィルムを、厚さ方向の屈折率が少なくとも長手方向(MD)あるいは幅方向(TD)のいずれか一方向の屈折率よりも大きくなる様な屈折率変化が起こるように、構造形成のために収縮させる。収縮条件は、希望の屈折率によってことなるが、ポリマーのガラス転移温度Tg近傍で収縮させ、収縮倍率は屈折率の変化を見て任意に決めることが出来る。
この様なスーパードロー延伸や収縮には、MD、TD倍率の変化が任意に変更できるリニアーモーター方式でクリップを駆動させるブルックナー社製の同時二軸延伸テンターLISIM(商品名)が最適である。
このようにして得られたフィルムに、表面処理、例えばコーティング処理、コロナ放電処理、プラズマ処理などの表面変性をすることにより、各種表面特性を有したフィルムとすることができる。たとえば、ラミネート処理、帯電防止処理、易接着処理、易滑化処理、離型処理、着色、耐摩耗性、耐反射性、粗面化処理などが挙げられる。さらに他の化合物を含浸させても良い。
この様な3次元方向の屈折率が制御されたフィルムは、光学用フィルム、特に液晶表示用部材用として任意の部材に用いることが出来る。すなわち、ポリビニルアルコール系偏光子の偏光板保護フィルムとして、またゼロ位相差フィルムなど高機能な光学フィルムとして用いることが出来る。さらに、厚さ方向の屈折率を変化させた位相差フィルムは、これは通例、フィルム長手方向の屈折率をnx、フィルム幅方向の屈折率nyとし、厚さ方向の屈折率をnzとして、nx>nyとしたとき、(nx−nz)/(nx−ny)で定義されるNz値が0<Nz<1を満足する特性を示様にすることが好ましい。かかるNz値の特性を示す位相差フィルムは、位相差の視角による変化が小さく、複屈折性の液晶セルに適用してコントラストや白黒表示域等の視認性を向上させることができるのである。
各種位相差フィルムの積層により、その光軸の交差角度に基づいて各位相差板による位相差を重畳ないし加減でき、複屈折による位相差の波長依存性に対する補償範囲の拡大などをはかることができる。なお2枚以上の位相差板を用いる場合、本発明によるNz値が同じ位相差板の組合せであってもよいし、Nz値が異なる位相差板の組合せであってもよい。また本発明による位相差フィルムと本発明によらない位相差フィルムの組合せであってもよい。
本発明による位相差フィルムは、その少なくとも1枚と偏光板とを積層してなる楕円偏光板として実用に供することもできる。位相差フィルムと偏光板との積層に際し、その進相軸と透過軸の配置角度について特に限定はないが、一般にはSTN型液晶セル用では交差させて、TN型液晶セル用では略直交又は略平行となるように行われる。本発明の位相差フィルムや楕円偏光板は、種々の目的に用いうるが、特に液晶表示装置の形成に好ましく用いうる
液晶表示装置の形成に用いる位相差フィルムとしては、液晶セルの位相差を広い視角範囲にわたり補償するもので、厚さをdとした場合に100nm<(nx−ny)d=Re<1000nmであるもの、すなわち位相差リターデーションReが100〜1000nmのものが好ましい。これにより広い視野角にわたって着色防止ができる。
液晶表示装置の形成に用いる位相差フィルムとしては、液晶セルの位相差を広い視角範囲にわたり補償するもので、厚さをdとした場合に100nm<(nx−ny)d=Re<1000nmであるもの、すなわち位相差リターデーションReが100〜1000nmのものが好ましい。これにより広い視野角にわたって着色防止ができる。
なお、用いる液晶セルは任意であり、例えば、薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のもの、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型のものなどが挙げられる。
(物性の評価方法)本明細書中の実施例、比較例においては、特に断りのない限り、諸物性の測定は以下の測定法に従って行った。
(1)光線透過率(%)
日立製作所製の分光光度計U-3410を用いて測定し、波長300nmから700nmまでの可視光線の全光線透過率を測定し、550nmにおける値を採用した。単位は%である。
(2)リターデーションRe、Rth (nm)
フィルムの複屈折△nにフィルムの厚さd(nm)を掛けたものでる。長手方向MDの屈折率から幅方向TDの屈折率を引いた差を面内複屈折△npとし、これにフィルム厚さdを掛けたものを面内リターデーション値Reとした。一方、長手方向MDと幅方向TDの屈折率の算術平均値から、厚さ方向ZDの屈折率を引いた差を厚さ方向複屈折△naとして、これにフィルム厚さdを掛けたものを厚さ方向リターデーションRth値とする。
(3)3次元の屈折率
測定はアッベの屈折計を用い、ナトリウムD線(589nm)を光源として試料フイルム面とレンズとの密着が良くなるように高屈折率液体の沃化メチレン液でマウントして全反射が均一になるようにした。屈折率の測定方向は、接眼レンズの上に置いた偏光板の偏光方向が、水平方向(左右方向)になるように置き、この偏光方向と同じ方向のサンプルの屈折率が測定出来る。すなわち、サンプルのMD方向を水平に置いたときにはMDの屈折率が求められる。一方、偏光板を垂直方向(上下方向)にした時には、サンプルの方向に関わらず厚さ方向の屈折率が求められる。
(4) 中心線平均表面粗さRa、最大粗さRy (nm)
JIS B0601に従い、小坂研究所製の高精度薄膜段差計ET-10を用いて測定した。測定条件は、触針先端半径0.5μm、針圧5mg、測定長1mm、カットオフ0.08mm。中心線平均粗さRaは、粗さ曲線の中心線から上下にずれた成分の面積を引き算して出た差額の面積を測定長で割り、その値を中心線に加えたもの。最大粗さRyとは測定長での最大の値である。
(5) ヘイズ(%)
JIS K6782の方法に従いト−タルヘイズを求めた。
(6) フィルム厚さ(μm)
触診式の接触部が円盤状のフラットなダイアルゲージで測定した。
(7) フィルムの厚みムラ(%)
アンリツ製電子マイクロメーターK306Cを用い、測定長は長手方向MDには20m長、幅方向には最大の幅を測定した。測定結果の最大厚さd1、最小厚さd2、平均厚さdaとすると、
フィルムの厚みムラ(%)=〔(d1-d2)/da〕×100
で求めた。
(8) ガラス転移温度Tg(℃)、融点Tm(℃)
マックサイエンス社製の走査熱量計DSC3100を用い、サンプル重量5mg、窒素気流下で昇温速度20℃/minで300℃まで昇温後、3分間保持後、サンプルを取り出して液体窒素中に投入して急冷した。該サンプルを再びDSCにセットして昇温速度10℃で昇温して、ベースラインがずれ始める温度、あるいは吸熱ピークの出る場合はそのピーク温度をTgとした。融解に基づく吸熱ピークの頂上の温度を融点Tmとした。
(9)軟化温度(℃)
JIS K0129に従い、針入温度で表わし、熱機械測定器TMAを用いて、先端が針状のプローブをもちいて、試料に圧縮加重を加え加熱していったときの試料の軟化にともなう急激な変位が開始する温度を軟化温度とする。
(10)架橋度(%)
JISC3005に従い、145℃のオルトジクロルベンゼンで可溶成分を除去した後の試料重量m2を、もとの試料重量m1で割った値[=(m2/m1)×100]を架橋度(%)とした。
以下に比較・実施例によって本発明の効果を説明する。
(実施例1)
ガラス転移温度Tgが145℃、軟化温度220℃の環状オレフィンポリマー(アペル(登録商標)6015T:三井化学株式会社製)原料を用い、105℃で4時間乾燥した後、これを95℃に加熱された加熱押出機ホッパーに供給し、窒素雰囲気(酸素濃度100ppm)下にある押出機を用いて285℃で溶融させ、5μm以上の異物を濾過後、口金より吐出させ、90℃に加熱された炭化タングステン(WC)被覆された鏡面セラミックドラム上で溶融体を密着・冷却して原反を製膜した。該フィルムを、同時二軸延伸機(ブルックナー社製LISIM(商品名))を用いて、延伸温度195℃で幅方向TDに1.5倍一軸延伸した。このフィルムの3軸方向の屈折率は実質的には変化していなかった(屈折率を測定したところ屈折率の測定限界(0.0008)未満の変化であった。また、結晶化度は0%のままであり、結晶化度の実質的な変化も無かった。)が、分子間の絡み合いがあるためか、熱でTDに収縮する特性を有していた。該フィルムをさらに同時二軸延伸機LISIM(商品名)で、150℃で長手方向に1.15倍、幅方向に0.8倍収縮させて厚さ100μmの3次元位相差フィルムを得た。かくして得られたフィルムの3次元方向の屈折率を測定した。
長手方向の屈折率N(MD) : 1.5446
幅方向の屈折率N(TD) : 1.5422
厚さ方向の屈折率N(ZD) : 1.5432
Nz値 : 0.58
面内リターデーションRe : 240nm
厚み方向リターデーションRth : 20nm
光線透過率 : 91%
ヘイズ : 1%
厚みムラ : 長手方向 8%、 幅方向 5%
中心線平均表面粗さRa : 10nm
最大表面粗さRy : 125nm
かくして得られた本明光学フィルムは、Nz値が理想の0.5に極めて近くて理想的な位相差フィルムであることが判る。この様なフィルムは、液晶表示用の部材、特に液晶のTN駆動方式の位相差フィルムには優れた特性を示すものである。
(比較例1)
前記実施例1で一段目の195℃での延伸をすることなく、直接150℃で長手方向に延伸を行った。長手方向の1.15倍延伸は可能であったが、幅方向の収縮は0.98倍しか出来なかった。かくして得られたフィルムの屈折率、Nz値を測定したところ、下記のようで、Nz値が1以上と理想値とは大きくずれていた。
長手方向の屈折率N(MD) : 1.5446
幅方向の屈折率N(TD) : 1.5433
厚さ方向の屈折率N(ZD) : 1.5427
Nz値 : 1.5
面内リターデーションRe : 130nm
厚み方向リターデーションRth : 1250nm
(実施例2)
前記実施例1で作成した延伸用の原反に電子線を照射して架橋(架橋度18%)させた後、該フィルムを、同時二軸延伸機(ブルックナー社LISIM(商品名))を用いて、延伸温度245℃で幅方向TDに2.5倍一軸延伸した。このフィルムの3軸方向の屈折率は実質的には変化していなかった(屈折率の変化は、屈折率の測定限界(0.0008)未満であった。また、、結晶化度は0%のままであり、実質的な変化は無かった。)が、分子間の架橋のためか、加熱でTDに収縮する特性を有していた。該フィルムをさらに同時二軸延伸機LISIM(商品名)で、155℃で長手方向に1.2倍、幅方向に0.7倍収縮させて厚さ100μmの3次元位相差フィルムを得た。かくして得られたフィルムの3次元方向の屈折率を測定した。
長手方向の屈折率N(MD) : 1.5445
幅方向の屈折率N(TD) : 1.5432
厚さ方向の屈折率N(ZD) : 1.5438
Nz値 : 0.54
面内リターデーションRe :130nm
厚み方向リターデーションRth : 50nm
(実施例3)
ガラス転移温度Tgが35℃、結晶融点235℃のメチルペンテンポリマー(TPX(登録商標) MX020:三井化学株式会社製)原料を用い、105℃で2時間乾燥した後、これを押出機ホッパーに供給し、窒素雰囲気下にある押出機を用いて265℃で溶融させ、5μm以上の異物を濾過後、口金より吐出された溶融体シートを、ドラフト比率(=口金リップ間隙/得られたフィルム厚さ)が35と、比較的速い速度で引き取り、25℃に加熱された炭化タングステンWC被覆された鏡面セラミックドラム上で溶融体を密着・冷却して原反を製膜した。該フィルムは、溶融状態でも液晶性を示すために、このような高ドラフト製膜では長手方向に僅かながらも分子間の絡み合いがあるために、加熱で収縮する特性を示していた。該フィルムを同時二軸延伸機LISIM(商品名)で、180℃で長手方向に0.80倍収縮させ、幅方向に1.1倍延伸させて厚さ100μmの3次元位相差フィルムを得た。かくして得られたフィルムの3次元方向の屈折率を測定した。
長手方向の屈折率N(MD) : 1.4635
幅方向の屈折率N(TD) : 1.4645
厚さ方向の屈折率N(ZD) : 1.4638
Nz値 : 0.70
面内リターデーションRe : 100nm
厚み方向リターデーションRth : 20nm
(物性の評価方法)本明細書中の実施例、比較例においては、特に断りのない限り、諸物性の測定は以下の測定法に従って行った。
(1)光線透過率(%)
日立製作所製の分光光度計U-3410を用いて測定し、波長300nmから700nmまでの可視光線の全光線透過率を測定し、550nmにおける値を採用した。単位は%である。
(2)リターデーションRe、Rth (nm)
フィルムの複屈折△nにフィルムの厚さd(nm)を掛けたものでる。長手方向MDの屈折率から幅方向TDの屈折率を引いた差を面内複屈折△npとし、これにフィルム厚さdを掛けたものを面内リターデーション値Reとした。一方、長手方向MDと幅方向TDの屈折率の算術平均値から、厚さ方向ZDの屈折率を引いた差を厚さ方向複屈折△naとして、これにフィルム厚さdを掛けたものを厚さ方向リターデーションRth値とする。
(3)3次元の屈折率
測定はアッベの屈折計を用い、ナトリウムD線(589nm)を光源として試料フイルム面とレンズとの密着が良くなるように高屈折率液体の沃化メチレン液でマウントして全反射が均一になるようにした。屈折率の測定方向は、接眼レンズの上に置いた偏光板の偏光方向が、水平方向(左右方向)になるように置き、この偏光方向と同じ方向のサンプルの屈折率が測定出来る。すなわち、サンプルのMD方向を水平に置いたときにはMDの屈折率が求められる。一方、偏光板を垂直方向(上下方向)にした時には、サンプルの方向に関わらず厚さ方向の屈折率が求められる。
(4) 中心線平均表面粗さRa、最大粗さRy (nm)
JIS B0601に従い、小坂研究所製の高精度薄膜段差計ET-10を用いて測定した。測定条件は、触針先端半径0.5μm、針圧5mg、測定長1mm、カットオフ0.08mm。中心線平均粗さRaは、粗さ曲線の中心線から上下にずれた成分の面積を引き算して出た差額の面積を測定長で割り、その値を中心線に加えたもの。最大粗さRyとは測定長での最大の値である。
(5) ヘイズ(%)
JIS K6782の方法に従いト−タルヘイズを求めた。
(6) フィルム厚さ(μm)
触診式の接触部が円盤状のフラットなダイアルゲージで測定した。
(7) フィルムの厚みムラ(%)
アンリツ製電子マイクロメーターK306Cを用い、測定長は長手方向MDには20m長、幅方向には最大の幅を測定した。測定結果の最大厚さd1、最小厚さd2、平均厚さdaとすると、
フィルムの厚みムラ(%)=〔(d1-d2)/da〕×100
で求めた。
(8) ガラス転移温度Tg(℃)、融点Tm(℃)
マックサイエンス社製の走査熱量計DSC3100を用い、サンプル重量5mg、窒素気流下で昇温速度20℃/minで300℃まで昇温後、3分間保持後、サンプルを取り出して液体窒素中に投入して急冷した。該サンプルを再びDSCにセットして昇温速度10℃で昇温して、ベースラインがずれ始める温度、あるいは吸熱ピークの出る場合はそのピーク温度をTgとした。融解に基づく吸熱ピークの頂上の温度を融点Tmとした。
(9)軟化温度(℃)
JIS K0129に従い、針入温度で表わし、熱機械測定器TMAを用いて、先端が針状のプローブをもちいて、試料に圧縮加重を加え加熱していったときの試料の軟化にともなう急激な変位が開始する温度を軟化温度とする。
(10)架橋度(%)
JISC3005に従い、145℃のオルトジクロルベンゼンで可溶成分を除去した後の試料重量m2を、もとの試料重量m1で割った値[=(m2/m1)×100]を架橋度(%)とした。
以下に比較・実施例によって本発明の効果を説明する。
(実施例1)
ガラス転移温度Tgが145℃、軟化温度220℃の環状オレフィンポリマー(アペル(登録商標)6015T:三井化学株式会社製)原料を用い、105℃で4時間乾燥した後、これを95℃に加熱された加熱押出機ホッパーに供給し、窒素雰囲気(酸素濃度100ppm)下にある押出機を用いて285℃で溶融させ、5μm以上の異物を濾過後、口金より吐出させ、90℃に加熱された炭化タングステン(WC)被覆された鏡面セラミックドラム上で溶融体を密着・冷却して原反を製膜した。該フィルムを、同時二軸延伸機(ブルックナー社製LISIM(商品名))を用いて、延伸温度195℃で幅方向TDに1.5倍一軸延伸した。このフィルムの3軸方向の屈折率は実質的には変化していなかった(屈折率を測定したところ屈折率の測定限界(0.0008)未満の変化であった。また、結晶化度は0%のままであり、結晶化度の実質的な変化も無かった。)が、分子間の絡み合いがあるためか、熱でTDに収縮する特性を有していた。該フィルムをさらに同時二軸延伸機LISIM(商品名)で、150℃で長手方向に1.15倍、幅方向に0.8倍収縮させて厚さ100μmの3次元位相差フィルムを得た。かくして得られたフィルムの3次元方向の屈折率を測定した。
長手方向の屈折率N(MD) : 1.5446
幅方向の屈折率N(TD) : 1.5422
厚さ方向の屈折率N(ZD) : 1.5432
Nz値 : 0.58
面内リターデーションRe : 240nm
厚み方向リターデーションRth : 20nm
光線透過率 : 91%
ヘイズ : 1%
厚みムラ : 長手方向 8%、 幅方向 5%
中心線平均表面粗さRa : 10nm
最大表面粗さRy : 125nm
かくして得られた本明光学フィルムは、Nz値が理想の0.5に極めて近くて理想的な位相差フィルムであることが判る。この様なフィルムは、液晶表示用の部材、特に液晶のTN駆動方式の位相差フィルムには優れた特性を示すものである。
(比較例1)
前記実施例1で一段目の195℃での延伸をすることなく、直接150℃で長手方向に延伸を行った。長手方向の1.15倍延伸は可能であったが、幅方向の収縮は0.98倍しか出来なかった。かくして得られたフィルムの屈折率、Nz値を測定したところ、下記のようで、Nz値が1以上と理想値とは大きくずれていた。
長手方向の屈折率N(MD) : 1.5446
幅方向の屈折率N(TD) : 1.5433
厚さ方向の屈折率N(ZD) : 1.5427
Nz値 : 1.5
面内リターデーションRe : 130nm
厚み方向リターデーションRth : 1250nm
(実施例2)
前記実施例1で作成した延伸用の原反に電子線を照射して架橋(架橋度18%)させた後、該フィルムを、同時二軸延伸機(ブルックナー社LISIM(商品名))を用いて、延伸温度245℃で幅方向TDに2.5倍一軸延伸した。このフィルムの3軸方向の屈折率は実質的には変化していなかった(屈折率の変化は、屈折率の測定限界(0.0008)未満であった。また、、結晶化度は0%のままであり、実質的な変化は無かった。)が、分子間の架橋のためか、加熱でTDに収縮する特性を有していた。該フィルムをさらに同時二軸延伸機LISIM(商品名)で、155℃で長手方向に1.2倍、幅方向に0.7倍収縮させて厚さ100μmの3次元位相差フィルムを得た。かくして得られたフィルムの3次元方向の屈折率を測定した。
長手方向の屈折率N(MD) : 1.5445
幅方向の屈折率N(TD) : 1.5432
厚さ方向の屈折率N(ZD) : 1.5438
Nz値 : 0.54
面内リターデーションRe :130nm
厚み方向リターデーションRth : 50nm
(実施例3)
ガラス転移温度Tgが35℃、結晶融点235℃のメチルペンテンポリマー(TPX(登録商標) MX020:三井化学株式会社製)原料を用い、105℃で2時間乾燥した後、これを押出機ホッパーに供給し、窒素雰囲気下にある押出機を用いて265℃で溶融させ、5μm以上の異物を濾過後、口金より吐出された溶融体シートを、ドラフト比率(=口金リップ間隙/得られたフィルム厚さ)が35と、比較的速い速度で引き取り、25℃に加熱された炭化タングステンWC被覆された鏡面セラミックドラム上で溶融体を密着・冷却して原反を製膜した。該フィルムは、溶融状態でも液晶性を示すために、このような高ドラフト製膜では長手方向に僅かながらも分子間の絡み合いがあるために、加熱で収縮する特性を示していた。該フィルムを同時二軸延伸機LISIM(商品名)で、180℃で長手方向に0.80倍収縮させ、幅方向に1.1倍延伸させて厚さ100μmの3次元位相差フィルムを得た。かくして得られたフィルムの3次元方向の屈折率を測定した。
長手方向の屈折率N(MD) : 1.4635
幅方向の屈折率N(TD) : 1.4645
厚さ方向の屈折率N(ZD) : 1.4638
Nz値 : 0.70
面内リターデーションRe : 100nm
厚み方向リターデーションRth : 20nm
Claims (9)
- 熱収縮性を有するフィルムAを収縮させて得られる位相差フィルムであって、厚さ方向(ZD)の屈折率nzが、長手方法(MD)の屈折率nxおよび/または幅方向(TD)の屈折率nyよりも大きな値を有する位相差フィルム。
- 前記収縮の際に、フィルムA以外の収縮フィルムの収縮力を利用しない、請求項1に記載の位相差フィルム。
- 厚さ方向(ZD)の屈折率nzが、長手方法(MD)の屈折率nxおよび/または幅方向(TD)の屈折率nyよりも大きな値を有する位相差フィルムを製造する方法であって、熱収縮性を有するフィルムAを収縮させて厚さ方向の屈折率nzをコントロールする、位相差フィルムの製造方法。
- 前記収縮の際に、フィルムA以外の収縮フィルムの収縮力を利用しない、請求項3に記載の位相差フィルムの製造方法。
- 上記熱収縮性を有するフィルムAを、上記nx、ny、およびnzのうち少なくとも1つが実質的に変化しない延伸工程で作成する、請求項3または4に記載の位相差フィルムの製造方法。
- 上記延伸工程が、フィルムAの原料であるフィルムの架橋後に、融点±30℃、あるいは軟化点±30℃で延伸を行うものである、請求項5に記載の位相差フィルムの製造方法。
- 上記延伸工程が、口金から押出された際の溶融状態で延伸を行うものである、請求項5に記載の位相差フィルムの製造方法。
- 請求項3から7のいずれか1項に記載の製造方法により作製された位相差フィルム。
- 液晶表示用の位相差用の部材に用いられる、請求項1、2または8に記載の位相差フィルム。
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