JP7327049B2 - 樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents
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すなわち、本発明は以下のとおりである。
前記ダイスの出口温度T1が、(Tg+170)℃以上(Tg+200)℃以下であり、
前記樹脂フィルムの厚みdが30μm以下であり、
前記樹脂フィルムの厚みdに対する、前記ダイスのリップクリアランスCの比C/dが、下記式(1)を満たす、樹脂フィルムの製造方法(ただし、Tgは前記樹脂のガラス転移温度(℃)である)。
7≦C/d≦12 (1)
〔2〕 前記樹脂フィルムの面内方向の複屈折(Re/d)及び、前記樹脂フィルムの厚み方向の複屈折(Rth/d)が、それぞれ下記式(2)および(3)を満たす、〔1〕に記載の樹脂フィルムの製造方法。
Re/d≦0.00010 (2)
0.00000≦Rth/d≦0.00030 (3)
〔3〕 前記工程1が樹脂フィルムを引取装置で引き取る工程を含み、
前記樹脂フィルムの引取速度が21m/分以上である、〔1〕または〔2〕に記載の樹脂フィルムの製造方法。
〔4〕 前記樹脂は結晶性を有する重合体を含む熱可塑性樹脂である、〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
本発明の樹脂フィルムの製造方法は、樹脂をダイスのリップからフィルム状に押し出して樹脂フィルムを得る工程1を含む。本発明において、ダイスの出口温度T1は、(Tg+170)℃以上(Tg+200)℃以下であり、樹脂フィルムの厚みdが30μm以下である。また樹脂フィルムの厚みdに対する、ダイスのリップクリアランスCの比C/dが、下記式(1)を満たす(ただし、Tgは前記樹脂のガラス転移温度(℃)である)。
7≦C/d≦12 (1)
以下、本発明に係る実施形態1の樹脂フィルムの製造方法について図1~図4を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る実施形態1の樹脂フィルムの製造方法で用いる装置を模式的に示す側面図である。図2は、実施形態1の製造方法で用いる引取装置の周辺を模式的に示す斜視図である。図3は、実施形態1の製造方法で用いるダイスのリップを模式的に示す平面図である。図4は、ダイスから押し出された樹脂フィルムの断面を模式的に示す断面図である。
本実施形態の製造方法においては、樹脂を、出口温度が所定温度に設定されたダイス110のリップ116から、ダイス110と対向する位置に設けられている引取装置(キャストロール120)の外周面121に、樹脂をフィルム状に押し出す。ダイス110から押し出されたフィルム状の樹脂を、A2方向に回転するキャストロール120で搬送すると、フィルム状の樹脂は、キャストロール120で搬送する間に冷却されて硬化し、樹脂フィルム10が得られる。樹脂フィルム10を、剥離ロール140によりキャストロール120から剥離した後、巻取装置160により巻き取るとフィルムロール30が得られる。
本実施形態の樹脂フィルムの製造方法は、樹脂をダイス110のリップ116からフィルム状に押し出して樹脂フィルム10を得る工程1を含む。工程1は、ダイス110のリップ116からフィルム状に押し出して樹脂フィルム10を得る工程である。本実施形態において、工程1は、樹脂フィルム10を引取装置120で引き取る工程(工程1A)を含む。当該工程1Aは任意の工程である。
7≦C/d≦12 (1)
7≦C/d≦12 (1)
本発明者は、厚みの小さい樹脂フィルムでは、樹脂フィルムの厚みdに対する、ダイスのリップクリアランスCの比(C/d)が大きい場合、フィルムのMD方向の配向が増加することに起因して、樹脂フィルムの複屈折が大きくなり、異物数が増加する傾向があるという知見を得た。このような知見に基づけば、C/dを小さくすることで、異物発生を抑制し、かつ複屈折の小さい樹脂フィルムが得られると考えられる。しかしながら、本発明者の検討により、C/dが小さすぎると、面内方向の複屈折が大きくなるとの知見が得られた。C/dが小さい場合にはフィルムのTD方向の配向が増加することに起因して、複屈折が大きくなると推測される。そこで、更なる検討を行ったところ、C/dが7以上12以下の場合には、C/dが7未満の場合よりも、面内方向の複屈折を小さくすることができるという新たな知見が得られた。式(1)を満たすことによる効果は、このような知見に基づくものである。
工程1Aは、樹脂フィルム10を引取装置120で引き取る工程である。工程1Aは任意工程である。
本実施形態の製造方法は、剥離ロールにより剥離された樹脂フィルム10を、巻取装置160により巻き取ってフィルムロール30を得る工程(巻取工程)を含む。巻取工程は任意の工程である。
本実施形態の製造方法は、上記以外の他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、剥離ロール140により剥離された後の樹脂フィルムの端部の領域を切り除く、トリミング工程、樹脂フィルムを延伸する延伸工程、樹脂フィルムの結晶化を行う工程等が挙げられる。これらの工程は、樹脂フィルム10を剥離ロール140により剥離する工程と、巻取工程との間に行ってもよいし、巻取工程の後に行ってもよい。
本実施形態の製造方法において用いる樹脂は、結晶性を有する重合体を含む熱可塑性樹脂であることが好ましい。以下、結晶性を有する重合体を含む熱可塑性樹脂を、「結晶性樹脂」ともいう。
ここで、「結晶性を有する重合体」とは、融点Mpを有する重合体をいう。「融点Mpを有する」とは、示差走査熱量計(DSC)で融点を観測することができることをいう。以下の説明において、「結晶性を有する重合体」を、「結晶性重合体」ともいう。
また、脂環式構造含有重合体において、脂環式構造を有する構造単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択しうる。
重合体(α):環状オレフィン単量体の開環重合体であって、結晶性を有するもの。
重合体(β):重合体(α)の水素添加物であって、結晶性を有するもの。
重合体(γ):環状オレフィン単量体の付加重合体であって、結晶性を有するもの。
重合体(δ):重合体(γ)の水素添加物等であって、結晶性を有するもの。
結晶性重合体の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、テトラヒドロフランを展開溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算値として測定しうる。
本発明において、樹脂フィルムの厚みdは、30μm以下である。樹脂フィルムの厚みdは、好ましくは28μm以下、より好ましくは25μm以下であり、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上である。樹脂フィルムの厚みdが30μm以下であることにより、樹脂フィルムを含む部材等の厚みを小さくすることができ、樹脂フィルムの厚みdが前記下限値以上であることにより、樹脂フィルムを適度な強度とすることができる。樹脂フィルムの厚みdは、例えば、接触式厚み計(ミツトヨ社製、製品名「デジマチック シックネスゲージ」)を用いて測定しうる。
Re/d≦0.00010 (2)
0.00000≦Rth/d≦0.00030 (3)
本発明の製造方法で製造した樹脂フィルムは、レターデーションが発現しにくい用途のフィルムとして用いることが好ましい。より具体的な用途としては、例えば、液晶表示装置用の偏光板保護フィルム、有機EL表示装置用の保護フィルム、光学用複層フィルムの基材フィルム、タッチセンサーの基材フィルムなどとして、好適に用いられうる。
本実施形態の製造方法においては、樹脂フィルムの厚みdに対する、ダイスのリップクリアランスCの比C/dが、7以上12以下であるので、異物の発生を抑制し、且つ、樹脂フィルムの複屈折を小さくすることができる。その結果、本実施形態によれば、異物の発生を抑制し、且つ、樹脂フィルムの複屈折を小さくすることができる。
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定方法]
重合体の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)システム(東ソー社製「HLC-8320」)を用いて、ポリスチレン換算値として測定した。測定の際、カラムとしてはHタイプカラム(東ソー社製)を用い、溶媒としてはテトラヒドロフランを用いた。また、測定時の温度は、40℃であった。
窒素雰囲気下で320℃に加熱した樹脂を液体窒素で急冷し、示差走査熱量計(DSC)を用いて10℃/分で昇温して、その吸熱ピークの極小値もしくは発熱ピークの極大値より、試料のガラス転移温度Tg、融点Tmおよび結晶化温度Tcをそれぞれ求めた。
重合体の水素化率は、オルトジクロロベンゼン-d4を溶媒として、145℃で、1H-NMR測定により測定した。
オルトジクロロベンゼン-d4を溶媒として、200℃で、inverse-gated decoupling法を適用して、重合体の13C-NMR測定を行った。この13C-NMR測定の結果から、オルトジクロロベンゼン-d4の127.5ppmのピークを基準シフトとして、メソ・ダイアッド由来の43.35ppmのシグナルと、ラセモ・ダイアッド由来の43.43ppmのシグナルとの強度比に基づいて、重合体のラセモ・ダイアッドの割合を求めた。
各例(実施例および比較例)で製造した樹脂フィルムを、波長590nmで位相差測定装置(Axometric社製 製品名「Axoscan」)を用いて測定することにより、各例の樹脂フィルムの面内方向のレターデーションReの絶対値及び厚み方向のレターデーションRthの絶対値を求めた。
各例の樹脂フィルムの厚みdを接触式厚み計(ミツトヨ社製 製品名「デジマチック シックネスゲージ」)を用いて測定した。
上述の測定値を用いて、面内方向の複屈折(Re/d)及び厚み方向の複屈折(Rth/d)を算出した。
各例で製造した樹脂フィルムを面積が1m2となるように切り出してサンプルフィルムとした。当該サンプルを目盛り付きのルーペを用いて目視により観察し、凸部長辺が100μm以上の異物の数をカウントした。
ダイスのリップクリアランスを、テーパーゲージを用いてダイスの幅方向に100mm間隔で測定し、その平均値を求めた。各例の樹脂フィルムの厚みを、接触式厚み計(ミツトヨ社製 製品名「デジマチック シックネスゲージ」)を用いて幅方向に100mm間隔で測定し、その平均値を求めた。リップクリアランス平均値と、フィルム厚みの平均値から、樹脂フィルムの厚みdに対するリップクリアランスCの比(C/d)を算出した。
各例で製造した延伸フィルムから、MD方向150mm、TD方向50mmの長方形の試験片1と、MD方向50mm、TD方向150mmの長方形の試験片2と、を切り出した。各試験片の長辺方向に、間隔が100mmとなるようにマーキングを行い、加熱前の寸法を(株)ニコン製の万能投影機(V-12BDC)を用いて測定した。
次に、160℃に加熱したオーブンに各試験片を入れて10分間加熱したのち、各試験片を取り出して、加熱前の寸法の測定方法と同じ方法で加熱後の試験片の寸法を測定した。加熱前の寸法と加熱後の寸法から、MD方向の収縮率及びTD方向の収縮率を算出した。2つの試験片のMD方向の収縮率の平均値と、TD方向の収縮率の平均値との平均を算出して、延伸フィルムの熱収縮率とした。
内部を窒素置換した金属製耐圧反応容器に、シクロヘキサン154.5部、ジシクロペンタジエン(エンド体含有率99%以上)のシクロヘキサン溶液(濃度70%)42.8部(ジシクロペンタジエンとして30部)、1-ヘキセン1.9部を加え、全容を53℃に加熱した。
一方、テトラクロロタングステンフェニルイミド(テトラヒドロフラン)錯体0.014部を0.70部のトルエンに溶解して得られた溶液に、ジエチルアルミニウムエトキシドのn-ヘキサン溶液(濃度19%)0.061部を加えて10分間攪拌し、触媒溶液を調製した。この触媒溶液を前記反応器内に添加し、53℃で4時間、開環重合反応を行い、ジシクロペンタジエンの開環重合体を含む溶液を得た。
反応液を遠心分離することにより、固形分と溶液とを分離し、固形分を、60℃で24時間減圧乾燥し、ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物28.5部を得た。
水素化反応における不飽和結合の水素化率は99%以上、ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物のガラス転移温度は93℃、融点は262℃、結晶化温度は130℃、ラセモ・ダイアッドの割合は89%であった。
製造例1で得たジシクロペンタジエン開環重合体水素化物100部に、酸化防止剤(テトラキス〔メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、製品名「イルガノックス(登録商標)1010」、BASFジャパン社製)0.8部を混合した後、混合物を二軸押出し機(TEM-37B、東芝機械社製)に投入し、熱溶融押出し成形によりストランド状の成形体を得た後、これをストランドカッターにて細断し、原料ペレットを得た。
二軸押出し機の運転条件を以下に示す。
・バレル設定温度:270~280℃
・ダイ設定温度:250℃
・スクリュー回転数:145rpm
・フィーダー回転数:50rpm
(1-1)樹脂フィルムの製造
製造例2で得た原料ペレットを、Tダイを備える熱溶融押出しフィルム成形機に供給した。ダイスのリップクリアランスCは、付属の調整ボルトで0.3mmとなるように調整した。フィルム成形機のダイスのリップから押し出されたフィルム状の樹脂を、キャストロールの外周面で受け、キャストロールで搬送される間に冷却し、硬化したフィルム状の樹脂をロールに巻き取ることにより長尺の樹脂フィルム(厚み25μm、幅1350mm)を得た。引取速度は25m/分であった。前記のフィルム成形機の運転条件を、以下に示す。
・バレル温度設定:280℃~290℃
・ダイス出口温度T1:275℃(ガラス転移温度Tg+182℃)
(1-1)で製造した長尺の樹脂フィルム(厚み25μm)から、MD方向200mm、TD方向200mmの大きさの、フィルム(延伸前フィルム)を切り出した。延伸前フィルムをバッチ式二軸延伸装置(エトー社製)を用いて、TD方向に延伸温度130℃、延伸倍率1.3倍で延伸したのちクリップで4辺を保持したまま170℃で熱処理を行うことで延伸フィルムを得た。
得られた延伸フィルムについて、熱収縮率の測定を行った。
(2-1)樹脂フィルムの製造
ダイスのリップクリアランスCを付属の調整ボルトで0.21mmとなるように調整したこと、樹脂フィルムの厚みdが30μmになるように、リップから押し出される樹脂の量を調整したこと、キャストロールの搬送速度を調整して引取速度を23m/分としたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、樹脂フィルムを得た。当該樹脂フィルムの厚みは30μmであり、C/dは7であった。得られた樹脂フィルムのRe/d、Rth/d及び異物数の測定を行った。
長尺の樹脂フィルムとして、(2-1)で製造した長尺の樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例1の(1-2)と同じ操作を行い、延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの熱収縮率の測定を行った。
(C1-1)樹脂フィルムの製造
ダイスのリップクリアランスCを付属の調整ボルトで0.85mmとなるように調整したこと、キャストロールの搬送速度を調整して引取速度を20m/分としたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、樹脂フィルムを得た。当該樹脂フィルムの厚みは25μmであり、C/dは34であった。得られた樹脂フィルムのRe/d、Rth/d及び異物数の測定を行った。
長尺の樹脂フィルムとして、(C1-1)で製造した長尺の樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例1の(1-2)と同じ操作を行い、延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの熱収縮率の測定を行った。
(C2-1)樹脂フィルムの製造
ダイスのリップクリアランスCを付属の調整ボルトで0.45mmとなるように調整したこと、キャストロールの搬送速度を調整して引取速度を20m/分としたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、樹脂フィルムを得た。当該樹脂フィルムの厚みは25μmであり、C/dは18であった。得られた樹脂フィルムのRe/d、Rth/d及び異物数の測定を行った。
長尺の樹脂フィルムとして、(C2-1)で製造した長尺の樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例1の(1-2)と同じ操作を行い、延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの熱収縮率の測定を行った。
(C3-1)樹脂フィルムの製造
ダイスのリップクリアランスCを付属の調整ボルトで0.15mmとなるように調整したこと、樹脂フィルムの厚みdが30μmになるように、リップから押し出される樹脂の量を調整したこと、キャストロールの搬送速度を調整して引取速度を20m/分としたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、樹脂フィルムを得た。当該樹脂フィルムの厚みは30μmであり、C/dは5であった。得られた樹脂フィルムのRe/d、Rth/d及び異物数の測定を行った。
長尺の樹脂フィルムとして、(C3-1)で製造した長尺の樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例1の(1-2)と同じ操作を行い、延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの熱収縮率の測定を行った。
(C4-1)樹脂フィルムの製造
ダイスのリップクリアランスCを付属の調整ボルトで0.85mmとなるように調整したこと、キャストロールの搬送速度を調整して引取速度を7m/分としたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、樹脂フィルムを得た。当該樹脂フィルムの厚みは25μmであり、C/dは34であった。得られた樹脂フィルムのRe/d、Rth/d及び異物数の測定を行った。
長尺の樹脂フィルムとして、(C4-1)で製造した長尺の樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例1の(1-2)と同じ操作を行い、延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの熱収縮率の測定を行った。
(C5-1)樹脂フィルムの製造
ダイスのリップクリアランスCを付属の調整ボルトで0.42mmとなるように調整したこと、樹脂フィルムの厚みdが30μmになるように、リップから押し出される樹脂の量を調整したこと、キャストロールの搬送速度を調整して引取速度を20m/分としたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、樹脂フィルムを得た。当該樹脂フィルムの厚みは30μmであり、C/dは5であった。得られた樹脂フィルムのRe/d、Rth/d及び異物数の測定を行った。
長尺の樹脂フィルムとして、(C5-1)で製造した長尺の樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例1の(1-2)と同じ操作を行い、延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの熱収縮率の測定を行った。結果を表1に示す。
表1中、「延伸後熱収縮率」は「延伸フィルムの熱収縮率」を意味する。
11,12…フィルムの端部
30…フィルムロール
100…樹脂フィルムの製造装置
110…ダイス
116…リップ
120…キャストロール(引取装置)
121…キャストロールの外周面
130…静電ピニング装置
131,132…静電ピニング装置
140…剥離ロール
160…巻取装置
Claims (4)
- 樹脂をダイスのリップからフィルム状に押し出して樹脂フィルムを得る工程1を含み、
前記ダイスの出口温度T1が、(Tg+170)℃以上(Tg+200)℃以下であり、
前記樹脂フィルムの厚みdが30μm以下であり、
前記樹脂フィルムの厚みdに対する、前記ダイスのリップクリアランスCの比C/dが、下記式(1)を満たし、
前記樹脂は結晶性を有する脂環式構造含有重合体を含む熱可塑性樹脂である、
樹脂フィルムの製造方法(ただし、Tgは前記樹脂のガラス転移温度(℃)である)。
7≦C/d≦12 (1) - 前記樹脂フィルムの面内方向の複屈折(Re/d)及び、前記樹脂フィルムの厚み方向の複屈折(Rth/d)が、それぞれ下記式(2)および(3)を満たす、請求項1に記載の樹脂フィルムの製造方法。
Re/d≦0.00010 (2)
0.00000≦Rth/d≦0.00030 (3) - 前記工程1が樹脂フィルムを引取装置で引き取る工程を含み、
前記樹脂フィルムの引取速度が21m/分以上である、請求項1または2に記載の樹脂フィルムの製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂における前記結晶性を有する脂環式構造含有重合体の割合が、70重量%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
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