JP7059722B2 - 位相差フィルムの製造方法、並びに、偏光板、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、及び、液晶表示装置の、製造方法 - Google Patents

位相差フィルムの製造方法、並びに、偏光板、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、及び、液晶表示装置の、製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、位相差フィルムの製造方法、偏光板、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、及び、液晶表示装置に関する。
従来、樹脂によって形成された光学フィルムが知られている(特許文献1~6)。このような光学フィルムのうち、位相差フィルムは、溶融押出法によって形成された樹脂フィルムに延伸処理を施して製造されることがある。
特開2006-111650号公報 特開2006-143799号公報 特開2006-348096号公報 特開2006-142561号公報 国際公開第2000/026705号 国際公開第2015/005292号
本発明者は、位相差フィルムの材料として、芳香族ビニル系単位を含有する重合体ブロック[A]と、水添鎖状共役ジエン系単位を含有する重合体ブロック[B]と、を組み合わせて含有する水添ブロック共重合体[C]に着目した。芳香族ビニル系単位とは、芳香族ビニル系化合物を重合して得られる構造を有する重合単位を表す。また、水添鎖状共役ジエン系単位とは、鎖状共役ジエン系化合物を重合し水素化して得られる構造を有する重合単位を表す。そして、本発明者は、この水添ブロック共重合体[C]を含む樹脂を用いて、逆波長分散特性を有する位相差フィルムを製造することを試みた。
ところが、本発明者の検討の結果、溶融押出法を用いた場合には、水添ブロック共重合体[C]を含む樹脂を用いて逆波長分散特性を有する位相差フィルムを製造することが難しいことが判明した。
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、水添ブロック共重合体[C]を含む樹脂から、溶融押出及び延伸処理を含む製造方法により、逆波長分散特性を有する位相差フィルムを容易に製造できる、位相差フィルムの製造方法;並びに、前記の製造方法で製造された位相差フィルムを含む偏光板、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、及び、液晶表示装置;を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した。その結果、本発明者は、重合体ブロック[A]及び重合体ブロック[B]の重量比を所定の範囲にすることと、冷却ロールの温度を所定の範囲にすることとを組み合わせることにより、前記の課題を解決できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のものを含む。
〔1〕 芳香族ビニル系化合物を重合して得られる構造を有する重合単位を含有する重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン系化合物を重合し水素化して得られる構造を有する重合単位を含有する重合体ブロック[B]と、を含有する水添ブロック共重合体[C]を含む樹脂を、冷却ロール上に溶融押出して、中間フィルムを得る第一工程と、
前記中間フィルムに延伸処理を施す第二工程と、を含み、
前記水添ブロック共重合体[C]における前記重合体ブロック[A]の重量分率wA、及び、前記水添ブロック共重合体[C]における前記重合体ブロック[B]の重量分率wBが、下記式(1)を満たし、
前記水添ブロック共重合体[C]の熱軟化温度Td、及び、前記冷却ロールの温度Tcが、下記式(2)を満たす、位相差フィルムの製造方法。
50/50 ≦ wA/wB ≦ 85/15 (1)
Tc < Td-50℃ (2)
〔2〕 前記第一工程における前記樹脂の押出温度が、Td+110℃以上、Td+170℃以下である、〔1〕に記載の位相差フィルムの製造方法。
〔3〕 前記第二工程における前記延伸処理の延伸温度が、Td以上、Td+20℃以下であり、
前記第二工程における前記延伸処理の延伸倍率が、1.1倍以上、5.0倍以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の位相差フィルムの製造方法。
〔4〕 測定波長450nmにおける位相差フィルムの面内レターデーションRe(450)、測定波長550nmにおける位相差フィルムの面内レターデーションRe(550)、及び、測定波長650nmにおける位相差フィルムの面内レターデーションRe(650)が、下記式(3)及び式(4)を満たす、〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の位相差フィルムの製造方法。
0.70≦Re(450)/Re(550)≦0.95 (3)
1.02≦Re(650)/Re(550)≦1.20 (4)
〔5〕 〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の製造方法で製造された位相差フィルムと、偏光子とを備える、偏光板。
〔6〕 〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の製造方法で製造された位相差フィルムを備える、有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
〔7〕 〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の製造方法で製造された位相差フィルムを備える、液晶表示装置。
本発明によれば、水添ブロック共重合体[C]を含む樹脂から、溶融押出及び延伸処理を含む製造方法により、逆波長分散特性を有する位相差フィルムを容易に製造できる、位相差フィルムの製造方法;並びに、前記の製造方法で製造された位相差フィルムを含む偏光板、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、及び、液晶表示装置;を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法によって位相差フィルムを製造する様子を模式的に示す概要図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、「長尺」のフィルムとは、幅に対して、通常5倍以上の長さを有するフィルムをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するフィルムをいう。幅に対する長さの割合の上限は、特に限定されないが、例えば100,000倍以下でありうる。
樹脂の複屈折性の正負は、別に断らない限り、樹脂の成形物を延伸した場合における、かかる成形物の屈折率の挙動によって規定される。即ち、正の複屈折性を有する樹脂とは、延伸方向における当該成形物の屈折率が、延伸前に比べて大きくなる樹脂である。また、負の複屈折性を有する樹脂とは、延伸方向における当該成形物の屈折率が、延伸前に比べて小さくなる樹脂である。複屈折性は、通常、誘電率分布から計算できる。
以下の説明において、フィルムの面内レターデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx-ny)×dで表される値である。また、フィルムの厚み方向レターデーションRthは、別に断らない限り、Rth=[{(nx+ny)/2}-nz]×dで表される値である。また、NZ係数は、別に断らない限り、(nx-nz)/(nx-ny)で表される値である。ここで、nxは、フィルムの厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。nzは厚み方向の屈折率を表す。dは、フィルムの厚みを表す。測定波長は、別に断らない限り、550nmである。
以下の説明において、フィルムの逆波長分散特性とは、測定波長450nm及び550nmにおける当該フィルムの面内レターデーションRe(450)及びRe(550)が、下記式(5)を満たす特性を表す。
Re(450) < Re(550) (5)
以下の説明において、「偏光板」、「λ/2板」、及び「λ/4板」とは、別に断らない限り、剛直な部材だけでなく、例えば樹脂製のフィルムのように可撓性を有する部材も含む。
以下の説明において、フィルムの遅相軸とは、別に断らない限り、当該フィルムの面内における遅相軸を表す。
以下の説明において、ある単量体の重合により形成される構造を有する重合単位を、当該単量体の名称を用いて表現する場合がある。例えば、2-ビニルナフタレンの重合により形成される構造を有する重合単位を「2-ビニルナフタレン単位」、イソプレンの重合により形成される構造を有する重合単位を「イソプレン単位」と表現する場合がある。
[1.位相差フィルムの製造方法の概要]
本発明の一実施形態に係る位相差フィルムの製造方法は、芳香族ビニル系単位を含有する重合体ブロック[A]と、水添鎖状共役ジエン系単位を含有する重合体ブロック[B]と、を組み合わせて含有する水添ブロック共重合体[C]を含む樹脂を用いて、位相差フィルムを製造する。この製造方法は、前記の樹脂を冷却ロール上に溶融押出して、中間フィルムを得る第一工程と、中間フィルムに延伸処理を施す第二工程と、を含む。
図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法によって位相差フィルム10を製造する様子を模式的に示す概要図である。図1には、型としてのダイ110、及び、周方向に回転可能に設けられた冷却ロール120を備える押出成形装置100と、延伸装置200とを用いて、長尺の位相差フィルム10を製造する例を示す。ただし、本発明は、図1に示す例に限定されない。
図1に示す例のように、第一工程において、樹脂20は、通常、ダイ110から冷却ロール120上に溶融状態でフィルム状に押し出される。ダイ110から押し出された樹脂20は、周方向に回転する冷却ロール120に受けられ、冷却される。冷却によって樹脂20は硬化し、中間フィルム30が得られる。
得られた中間フィルム30は、冷却ロール120の回転に従って搬送され、延伸装置200へと送られて、第二工程に供される。第二工程において、中間フィルム30は、延伸処理を施される。延伸処理によって、中間フィルム30に含まれる水添ブロック共重合体[C]が配向するので、所望のレターデーションを有する位相差フィルム10が得られる。このような本実施形態の製造方法は、下記の要件1及び要件2の両方を満たすように行われる。
要件1:水添ブロック共重合体[C]における重合体ブロック[A]の重量分率wA、及び、水添ブロック共重合体[C]における重合体ブロック[B]の重量分率wBが、下記式(1)を満たす。
50/50 ≦ wA/wB ≦ 85/15 (1)
要件2:水添ブロック共重合体[C]の熱軟化温度Td、及び、冷却ロール120の温度Tcが、下記式(2)を満たす。
Tc < Td-50℃ (2)
前記の要件1及び要件2を満たす製造方法によれば、逆波長分散特性を有する位相差フィルム10を容易に製造できるという、本発明の所望の効果を得ることができる。また、通常は、前記の製造方法によれば、位相差フィルムの波長分散特性以外の光学特性も所望の値に容易に調整することができる。ここで、位相差フィルム10の光学特性には、波長分散特性、面内レターデーションRe、厚み方向のレターデーションRth、NZ係数及び複屈折Δnからなる群より選ばれる1又は2以上が包含されうる。
[2.水添ブロック共重合体[C]を含む樹脂]
位相差フィルムの材料としての樹脂は、水添ブロック共重合体[C]を含む。一般に、ブロック共重合体とは、複数種類のブロックが連結された分子構造を有する重合体であり、それぞれのブロックは、重合単位が連結することにより構成される鎖である。水添ブロック共重合体[C]は、重合体ブロック[A]と重合体ブロック[B]とを組み合わせて含有する。用語「水添ブロック共重合体[C]」に含まれる用語「水添」は、水添ブロック共重合体[C]が水添鎖状共役ジエン系単位を含有する重合体ブロック[B]を含有することを示す用語である。水添ブロック共重合体[C]は、重合体ブロック[A]及び重合体ブロック[B]を含有する限りにおいて、水添反応を含まない製造方法で得られたブロック共重合体をも含む。この水添ブロック共重合体[C]を含む前記の樹脂は、通常、熱可塑性樹脂である。
重合体ブロック[A]は、芳香族ビニル系単位を含有する。芳香族ビニル系単位とは、前記のとおり、芳香族ビニル系化合物を重合して得られる構造を有する重合単位を表す。芳香族ビニル系化合物には、芳香族ビニル化合物及びその誘導体が含まれる。芳香族ビニル化合物は、芳香環にビニル基が結合した構造を有する炭化水素化合物を表す。また、芳香族ビニル化合物の誘導体には、芳香族ビニル化合物の1又は2以上の水素原子を、置換基で置換した構造を有する化合物が含まれる。芳香族ビニル系単位は、当該構造を有する限りにおいて、どのような製造方法で得られた重合単位をも含む。
芳香族ビニル系単位の好ましい例としては、下記式(A-1)で表される重合単位が挙げられる。
Figure 0007059722000001
式(A-1)において、Rは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセン基、フェナントレン基、ナフタセン基、ペンタセン基、及びターフェニル基からなる群より選択される基を表す。所望の光学特性を有する位相差フィルムの製造を特に容易に行う観点から、Rとしては、ナフチル基が好ましい。
式(A-1)において、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子及び炭素原子数1~12のアルキル基からなる群より選択される基を表す。かかるアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、及びヘキシル基が挙げられる。所望の光学特性を有する位相差フィルムの製造を特に容易に行う観点から、好ましくはR及びRの両方が水素原子であり、より好ましくはR、R及びRのいずれもが水素原子である。
芳香族ビニル系単位の特に好ましい例としては、下記式(a-1)で表される重合単位が挙げられる。式(a-1)で表される重合単位は、ビニルナフタレン単位を表す。
Figure 0007059722000002
芳香族ビニル系単位は、例えば、芳香族ビニル系化合物を重合させることにより得ることができる。芳香族ビニル系化合物の例としては、ビニルナフタレン及びその誘導体が挙げられる。ビニルナフタレンの例としては、1-ビニルナフタレン、及び2-ビニルナフタレンが挙げられる。ビニルナフタレンの誘導体の例としては、α-メチル-1-ビニルナフタレン、α-エチル-1-ビニルナフタレン、α-プロピル-1-ビニルナフタレン、α-ヘキシル-1-ビニルナフタレン、α-メチル-2-ビニルナフタレン、α-エチル-2-ビニルナフタレン、α-プロピル-2-ビニルナフタレン、及びα-ヘキシル-2-ビニルナフタレンが挙げられる。中でも、工業的な入手の容易性の観点から、2-ビニルナフタレンが好ましい。
水添ブロック共重合体[C]が含む芳香族ビニル系単位は、1種類でもよく、2種類以上であってもよい。よって、芳香族ビニル系単位を形成する為の芳香族ビニル系化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合体ブロック[A]における芳香族ビニル系単位の割合は、高いことが好ましい。具体的には、重合体ブロック[A]における芳香族ビニル系単位の割合は、好ましくは50重量%~100重量%、より好ましくは75重量%~100重量%、特に好ましくは100重量%である。重合体ブロック[A]における芳香族ビニル系単位の割合が前記のように高い場合に、所望の光学特性を有する位相差フィルムの製造を特に容易に行うことができる。更に、通常は、位相差フィルムの機械的特性を良好にすることができる。
重合体ブロック[A]は、芳香族ビニル系単位以外に任意の重合単位を含有してもよい。このような任意の重合単位としては、例えば、芳香族ビニル系化合物と共重合可能な任意の単量体を重合して得られる構造を有する重合単位、及び、当該重合単位の水素化により形成される構造を有する重合単位が挙げられる。
重合体ブロック[B]は、水添鎖状共役ジエン系単位を含有する。水添鎖状共役ジエン系単位とは、前記のとおり、鎖状共役ジエン系化合物を重合し水素化して得られる構造を有する重合単位を表す。鎖状共役ジエン系化合物には、鎖状共役ジエン化合物及びその誘導体が含まれる。鎖状共役ジエン化合物は、共役ジエン構造を有する鎖状炭化水素化合物を表す。また、鎖状共役ジエン化合物の誘導体には、鎖状共役ジエン化合物の1又は2以上の水素原子を、置換基で置換した構造を有する化合物が含まれる。水添鎖状共役ジエン系単位は、当該構造を有する限りにおいて、どのような製造方法で得られた重合単位をも含む。
水添鎖状共役ジエン系単位の好ましい例としては、下記式(B-1)で表される重合単位、及び、下記式(B-2)で表される重合単位、が挙げられる。
Figure 0007059722000003
式(B-1)及び式(B-2)において、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子及び炭素原子数1~6のアルキル基からなる群より選択される基を表す。かかるアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、及びヘキシル基が挙げられる。所望の光学特性を有する位相差フィルムの製造を特に容易に行う観点から、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
水添鎖状共役ジエン系単位の特に好ましい例としては、下記式(b-1)~(b-5)のいずれかで表される重合単位が挙げられる。式(b-1)~(b-3)のいずれかで表される重合単位は、水添イソプレン単位を表す。また、式(b-4)又は(b-5)で表される重合単位は、水添ブタジエン単位を表す。
Figure 0007059722000004
水添鎖状共役ジエン系単位は、例えば、鎖状共役ジエン系化合物を重合させて鎖状共役ジエン系単位を得る工程と、この鎖状共役ジエン系単位中に二重結合が存在する場合はそれを水素化する工程と、を含む方法によって得ることができる。鎖状共役ジエン系単位とは、鎖状共役ジエン系化合物を重合して得られる構造を有する重合単位を表す。鎖状共役ジエン系単位は、当該構造を有する限りにおいて、どのような製造方法で得られた重合単位をも含む。
鎖状共役ジエン系化合物の例としては、下記式(bm)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007059722000005
鎖状共役ジエン系化合物の好ましい例としては、ブタジエン(式(bm)におけるR~Rの全てが水素原子)、イソプレン(式(bm)におけるR~RのうちR又はRがメチル基で他が水素原子)、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、及び2,4-ジメチル-1,3-ペンタジエンが挙げられる。中でも、透明性、耐熱性、及び加工性に優れた位相差フィルムを得る観点から、ブタジエン及びイソプレンがより好ましい。
鎖状共役ジエン系化合物を重合して鎖状共役ジエン系単位を得た後、その鎖状共役ジエン系単位の二重結合を水素化することで、水添鎖状共役ジエン系単位が得られる。この水素化は、重合体ブロック[A]を含む系において行われることがある。例えば、芳香族ビニル系化合物を重合して得られた重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン系化合物を重合して得られた重合体ブロック[D]とを含むブロック共重合体を得た後で、このブロック共重合体の重合体ブロック[D]に含まれる二重結合を選択的に水素化して、水添鎖状共役ジエン系単位を含有する重合体ブロック[B]を得ることがある。この場合、鎖状共役ジエン系単位の二重結合の水素化方法としては、通常、重合体ブロック[A]に含有される芳香族ビニル系単位の芳香族性の不飽和結合を水素化しないで、重合体ブロック[D]に含有される鎖状共役ジエン系単位の脂肪族性の二重結合を水素化できる方法が選択される。
前記の鎖状共役ジエン系単位の二重結合の水素化の水素化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上である。水素化率が前記のように高い場合に、所望の光学特性を有する位相差フィルムの製造を特に容易に行うことができる。更に、通常は、位相差フィルムの機械的特性を良好にすることができる。水素化率はH-NMRにより測定できる。
水添ブロック共重合体[C]が含む水添鎖状共役ジエン系単位は、1種類でもよく、2種類以上であってもよい。よって、水添鎖状共役ジエン系単位を形成する為の鎖状共役ジエン系化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合体ブロック[B]における水添鎖状共役ジエン系単位の割合は、高いことが好ましい。具体的には、重合体ブロック[B]における水添鎖状共役ジエン系単位の割合は、好ましくは50重量%~100重量%、より好ましくは75重量%~100重量%、特に好ましくは100重量%である。重合体ブロック[B]における水添鎖状共役ジエン系単位の割合が前記のように高い場合に、所望の光学特性を有する位相差フィルムの製造を特に容易に行うことができる。更に、通常は、位相差フィルムの機械的特性を良好にすることができる。
重合体ブロック[B]は、水添鎖状共役ジエン系単位以外に任意の重合単位を含有してもよい。このような任意の重合単位としては、例えば、鎖状共役ジエン系化合物を重合して得られる重合単位であって水素化されていない二重結合が残存するもの(鎖状共役ジエン系単位等);鎖状共役ジエン系化合物と共重合可能な任意の単量体を重合して得られる構造を有する重合単位、及び、当該重合単位の水素化により形成される構造を有する重合単位;が挙げられる。
水添ブロック共重合体[C]において、重合体ブロック[A]の重量分率wAと重合体ブロック[B]の重量分率wBとは、前記式(1)を満たす。より詳細には、重量分率wAと重量分率wBとの比wA/wBは、通常50/50以上、好ましくは55/45以上、特に好ましくは60/40以上であり、通常85/15以下、好ましくは82/18以下、特に好ましくは80/20以下である。比wA/wBが前記の範囲にある場合に、逆波長分散特性を有する位相差フィルムの製造を容易に行うことが可能である。さらに、通常は、比wA/wBが前記の範囲にある場合に、位相差フィルムの波長分散特性以外の光学特性も所望の値に容易に調整することができる。
前記の重合体ブロック[A]の重量分率wAとは、重合体ブロック[A]及び重合体ブロック[B]の合計の重量に対する、重合体ブロック[A]の重量の比率をいう。位相差フィルムの材料としての樹脂が、複数種類の水添ブロック共重合体[C]を含む場合、ここでいう重合体ブロック[A]の重量分率wAは、含まれる複数種類の水添ブロック共重合体[C]全体における重合体ブロック[A]及び重合体ブロック[B]の合計の重量に対する、重合体ブロック[A]の重量の比率をいう。
また、前記の重合体ブロック[B]の重量分率wBとは、重合体ブロック[A]及び重合体ブロック[B]の合計の重量に対する、重合体ブロック[B]の重量の比率をいう。位相差フィルムの材料としての樹脂が、複数種類の水添ブロック共重合体[C]を含む場合、ここでいう重合体ブロック[B]の重量分率wBは、含まれる複数種類の水添ブロック共重合体[C]全体における重合体ブロック[A]及び重合体ブロック[B]の合計の重量に対する、重合体ブロック[B]の重量の比率をいう。
重合体ブロック[A]の重量分率wA及び重合体ブロック[B]の重量分率wBは、H-NMRによって測定することができる。
重合体ブロック[A]及び重合体ブロック[B]は、通常、非相溶性である。重合体ブロック[A]及び重合体ブロック[B]が非相溶性であるか否かは、水添ブロック共重合体[C]におけるこれらの重合体ブロックの大きさと同程度の分子量を有する、芳香族ビニル系単位を含有する単独重合体及び水添鎖状共役ジエン系単位を含有する単独重合体の相溶性の有無に基づいて判定できる。かかる単独重合体の相溶性の有無は、これらの単独重合体を混合して混合物とし、これらが溶融する温度においた場合に、これらが相分離するか否かにより判定できる。
水添ブロック共重合体[C]の分子構造は、重合体ブロック[A]及び重合体ブロック[B]を有する限りにおいて特に限定されず、任意のブロック構成を有する分子構造でありうる。例えば、水添ブロック共重合体[C]は、直線型ブロック共重合体であってもよく、グラフト型ブロック共重合体であってもよい。
直線型ブロック共重合体の例としては、重合体ブロック[A]及び重合体ブロック[B]が連結した[A]-[B]のブロック構成を有するジブロック共重合体;重合体ブロック[A]、重合体ブロック[B]、及び、もう一つの重合体ブロック[A]がこの順に連結した[A]-[B]-[A]のブロック構成を有するトリブロック共重合体;並びに、それより多数の重合体ブロックが連結したブロック構成を有する直線型ブロック共重合体;が挙げられる。多数の重合体ブロックが連結したブロック構成の例としては、[A]-([B]-[A])-[B]-[A]、及び[B]-([A]-[B])-[A]-[B](nは、1以上の整数)のブロック構成が挙げられる。
グラフト型ブロック共重合体の例としては、重合体ブロック[A]に、側鎖として重合体ブロック[B]が連結した[A]-g-[B]のブロック構成を有するブロック共重合体が挙げられる。
所望の光学特性を有する位相差フィルムの製造を特に容易に行う観点から、水添ブロック共重合体[C]は、1分子あたり2個以上の重合体ブロック[A]および1個以上の重合体ブロック[B]を有する分子構造を有することが好ましい。より好ましくは、水添ブロック共重合体[C]は、[A]-[B]-[A]のブロック構成を有するトリブロック共重合体である。
位相差フィルムの材料としての樹脂に含まれる水添ブロック共重合体[C]は、1種でもよく、2種以上でもよい。
水添ブロック共重合体[C]の熱軟化温度Tdは、好ましくは110℃以上、より好ましくは115℃以上、特に好ましくは120℃以上であり、好ましくは155℃以下、より好ましくは150℃以下、特に好ましくは145℃以下である。水添ブロック共重合体[C]の熱軟化温度Tdが前記範囲の下限値以上である場合に、耐熱性に優れる位相差フィルムを得ることができる。また、水添ブロック共重合体[C]の熱軟化温度Tdが前記範囲の上限値以下である場合に、樹脂の成型性を良好にできるので、位相差フィルムの製造を容易に行うことができる。更に、通常は、水添ブロック共重合体[C]の熱軟化温度Tdが前記範囲にある場合に、所望の光学特性を有する位相差フィルムの製造を特に容易に行うことができる。
水添ブロック共重合体[C]の熱軟化温度Tdは、熱機械的分析(TMA)によって測定できる。具体的には、熱軟化温度Tdは、実施例に記載の方法によって測定できる。
水添ブロック共重合体[C]の分子量は、好ましい光学的特性を有する位相差フィルムが得られる範囲に適宜調整しうる。水添ブロック共重合体[C]の重量平均分子量Mwは、例えば30000~400000の範囲でありうる。重量平均分子量Mwは、テトラヒドロフランを溶離液とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算値として測定できる。
位相差フィルムの材料としての樹脂における水添ブロック共重合体[C]の割合は、好ましくは98重量%以上、より好ましくは99重量%以上、特に好ましくは100重量%である。このように水添ブロック共重合体[C]を多く含む樹脂を用いる場合に、所望の光学特性を有する位相差フィルムの製造を特に容易に行うことができる。
位相差フィルムの材料としての樹脂は、水添ブロック共重合体[C]に組み合わせて、任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分の例としては、染料、顔料、酸化防止剤等が挙げられる。かかる任意の成分の割合は、本発明の効果を損ねない範囲の割合でありうる。
水添ブロック共重合体[C]を含む樹脂は、通常、負の複屈折性を有する。そのような負の複屈折性は、水添ブロック共重合体[C]におけるブロックの割合を調整することにより付与しうる。通常は、重合体ブロックの重量分率の比wA/wBを、上に述べた下限以上の範囲内において調整することにより、負の複屈折性を有する樹脂が得られる。樹脂が負の複屈折性を有することにより、位相差フィルムに所望の光学的特性を容易に付与することができる。
[3.第一工程(溶融押出)]
第一工程では、水添ブロック共重合体[C]を含む前記の樹脂を、冷却ロール上に溶融押出して、中間フィルムを得る。
通常は、二軸押出機等の押出機を用いて、溶融した樹脂を、Tダイ等のダイに供給し、押し出す。溶融した樹脂は、ダイからの押し出しによって連続的にフィルム状に成型される。以下の説明では、このように成型された溶融状態の樹脂を、その形状に着目して「溶融樹脂フィルム」ということがある。
第一工程における樹脂の押出温度Teは、好ましくはTd+110℃以上、より好ましくはTd+115℃以上、特に好ましくはTd+120℃以上であり、好ましくはTd+170℃以下、より好ましくはTd+165℃以下、特に好ましくはTd+160℃以下である。前記Tdは、水添ブロック共重合体[C]の熱軟化温度を表す。押出温度Teが前記範囲にある場合に、所望の光学特性を有する位相差フィルムの製造を特に容易に行うことができる。また、通常は、押出温度Teが前記範囲の下限値以上である場合に樹脂の成型を円滑に行うことができ、上限値以下である場合に樹脂の劣化を抑制することができる。樹脂の押出温度Teとは、型から押し出される時点での樹脂の温度であり、通常は、ダイのリップ部での温度に一致する。
成型された樹脂としての溶融樹脂フィルムは、冷却ロールへと連続的に導かれ、冷却ロールの周面で受けられる。通常、冷却ロールは、その回転軸を中心にして周方向に回転している。よって、溶融樹脂フィルムは、冷却ロールの周面上の搬送経路に沿って搬送され、同時に、冷却される。樹脂の熱は、その一部は周囲の空気中にも放熱されるが、大部分は冷却ロールへ伝達され、それにより、樹脂の冷却が達成される。そして、このような冷却により樹脂が硬化し、樹脂で形成された中間フィルムが得られる。
本実施形態に係る第一工程では、冷却ロールの温度Tcが、前記式(2)を満たす。ここで、冷却ロールの温度Tcとは、冷却ロールの周面の温度を表す。より詳細には、冷却ロールの温度Tcと水添ブロック共重合体[C]の熱軟化温度Tdとの温度差Td-Tcは、通常50℃より大きく、好ましくは50.2℃より大きく、特に好ましくは50.5℃より大きい。温度差Td-Tcが前記の下限値より大きい場合に、逆波長分散特性を有する位相差フィルムの製造を容易に行うことが可能である。さらに、通常は、温度差Td-Tcが前記の下限値より大きい場合に、位相差フィルムの波長分散特性以外の光学特性も所望の値に容易に調整することができる。温度差Td-Tcの上限は、特段の制限は無いが、好ましくは100℃未満、より好ましくは95未満、特に好ましくは90℃未満である。温度差Td-Tcが前記の上限未満である場合に、冷却ロールの温度を制御しやすくなり、逆波長分散特性を有する位相差フィルムの製造を容易に行うことができる。
前記のように冷却ロールに受けられた溶融樹脂フィルムの冷却ロール側の面は、冷却ロールの周面に接していてもよく、離隔していてもよい。例えば、溶融樹脂フィルムの面と冷却ロールの周面との間に空気層が形成されることで、溶融樹脂フィルムの面と冷却ロールの周面とが離隔していてもよい。空気層が形成される場合、溶融樹脂フィルムは、空気層を介して冷却ロールに支持されるが、この場合でも空気層が小さいので、冷却ロールによる溶融樹脂フィルムの冷却が行われる。空気層が形成される場合、溶融樹脂フィルムは、通常、その幅方向の一部(例えば、幅方向端部)がピニングされて冷却ロールの周面に接し、その他の部分において冷却ロールの周面と離隔しうる。前記のピニングは、例えば、静電ピニング、エアピニング、ローラーによるピニング等の方法により行いうる。
第一工程で得られる中間フィルムの厚みは、製造したい位相差フィルムの光学特性に応じて適切に設定しうる。具体的には、中間フィルムの厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、特に好ましくは30μm以上であり、好ましくは300μm以下、より好ましくは290μm以下、特に好ましくは280μm以下である。
[4.第二工程(延伸処理)]
第二工程では、第一工程で得られた中間フィルムに、延伸処理を施す。この延伸処理により、レターデーション等の光学特性が発現して、位相差フィルムが得られる。
延伸処理は、通常、中間フィルムをその面内方向に延伸するフラット延伸法により行う。フラット延伸法の例としては、一軸延伸法及び二軸延伸法が挙げられる。一軸延伸法は、中間フィルムをその面内の一方向に延伸する延伸である。一軸延伸法の例としては、自由幅一軸延伸法及び一定幅一軸延伸法が挙げられる。二軸延伸法は、中間フィルムをその面内の二方向に延伸する延伸である。二軸延伸法の例としては、逐次二軸延伸法、及び同時二軸延伸法が挙げられる。二軸延伸法において、それぞれの方向への延伸は、自由幅延伸であってもよく、一定幅延伸であってもよい。逐次二軸延伸法のより具体例としては、全テンター方式及びロールテンター方式が挙げられる。
第二工程における延伸処理の延伸温度Tは、製造したい位相差フィルムの光学特性に応じて適切に設定しうる。具体的な延伸温度Tは、好ましくはTd以上、より好ましくはTd+1℃以上、特に好ましくはTd+2℃以上であり、好ましくはTd+20℃以下、より好ましくはTd+19℃以下、特に好ましくはTd+18℃以下である。前記Tdは、水添ブロック共重合体[C]の熱軟化温度を表す。延伸温度Tが前記範囲の下限値以上である場合に、延伸処理を円滑に行うことができる。また、延伸温度Tが前記範囲の上限値以下である場合に、延伸処理によって位相差フィルムに所望の光学特性を容易に発現させることができる。
第二工程における延伸処理の延伸倍率は、製造したい位相差フィルムの光学特性に応じて適切に設定しうる。具体的な延伸倍率は、好ましくは1.1倍以上、より好ましくは1.2倍以上、特に好ましくは1.3倍以上であり、好ましくは5.0倍以下、より好ましくは4.9倍以下、特に好ましくは4.8倍以下である。延伸倍率が前記範囲にある場合に、所望の光学特性を有する位相差フィルムの製造を特に容易に行うことができる。また、このような範囲の延伸倍率である場合に、λ/4板及びλ/2板等の広範な用途に適用可能な位相差フィルムを得ることができる。
第二工程における延伸方向が2方向以上である場合、前記の延伸倍率は、各方向での延伸倍率を掛け算して得られる総延伸倍率を表す。
前記の延伸処理は、中間フィルムの製造ラインと連続したライン上で行ってもよい。または、中間フィルムを一旦巻き取りフィルムロールとし、その後、当該フィルムロールから中間フィルムを巻出し、これに延伸処理を施してもよい。
[5.任意の工程]
位相差フィルムの製造方法は、上述した第一工程及び第二工程に組み合わせて、更に任意の工程を行ってもよい。任意の工程としては、例えば、中間フィルム又は位相差フィルムの幅方向の端部を取り除くトリミング工程;位相差フィルムを巻き取って回収する回収工程;位相差フィルム上に任意の層を形成する工程;などが挙げられる。
[6.位相差フィルム]
上述した製造方法により、逆波長分散特性を有する位相差フィルムを、容易に得ることができる。好ましくは、測定波長450nm及び550nmにおける位相差フィルムの面内レターデーションRe(450)及びRe(550)は、下記式(3)を満たす。
0.70≦Re(450)/Re(550)≦0.95 (3)
より詳細には、Re(450)/Re(550)は、好ましくは0.70以上、より好ましくは0.71以上、特に好ましくは0.72以上であり、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.94以下、特に好ましくは0.93以下である。
さらに、測定波長550nm及び650nmにおける位相差フィルムの面内レターデーションRe(550)及びRe(650)は、通常は下記式(6)を満たし、好ましくは下記式(4)を満たす。
Re(550) < Re(650) (6)
1.02≦Re(650)/Re(550)≦1.20 (4)
より詳細には、Re(650)/Re(550)は、好ましくは1.02以上、より好ましくは1.03以上であり、好ましくは1.20以下、より好ましくは1.19以下である。
前記のような逆波長分散特性を有する位相差フィルムは、広範な波長範囲において、その光学的機能を発揮することができる。例えば、ある波長においてλ/4板として機能できる位相差フィルムは、その波長を含む広範な波長範囲においてλ/4板として機能できる。したがって、位相差フィルムが画像表示装置に設けられた場合に、その画像表示装置の表示特性を良好にすることができる。
また、上述した製造方法によれば、位相差フィルムの波長分散特性以外の光学特性も所望の値に容易に調整することができる。このような光学特性としては、面内レターデーションRe、厚み方向のレターデーションRth、複屈折Δn、NZ係数などが挙げられる。従来の製造方法では、一般に、延伸条件を調整することで光学特性の調整を行っていたが、水添ブロック共重合体[C]を用いた場合には、延伸条件からの予想とは異なる光学特性が位相差フィルムに発現する傾向があった。これに対し、上述した本実施形態に係る製造方法では、延伸条件から予想される通りの光学特性を有する位相差フィルムを、容易に製造することができる。
本実施形態に係る製造方法で製造される位相差フィルムの面内レターデーションReは、位相差フィルムの用途に応じて任意に設定しうる。例えば、位相差フィルムをλ/4板として機能させたい場合、当該位相差フィルムの面内レターデーションReは、120nm~160nmでありうる。また、例えば、位相差フィルムをλ/2板として機能させたい場合、当該位相差フィルムの面内レターデーションReは、250nm~290nmでありうる。
本実施形態に係る製造方法で製造される位相差フィルムの厚み方向のレターデーションRthは、位相差フィルムの用途に応じて任意に設定しうる。具体的には、位相差フィルムの厚み方向のレターデーションRthは、好ましくは-95nm以上、より好ましくは-90nm以上、特に好ましくは-85nm以上であり、好ましくは180nm以下、より好ましくは170nm以下、特に好ましくは160nm以下でありうる。
本実施形態に係る製造方法で製造される位相差フィルムの複屈折Δnは、位相差フィルムの用途に応じて任意に設定しうる。具体的には、位相差フィルムの複屈折Δnは、好ましくは0.0001以上、より好ましくは0.0002以上、特に好ましくは0.0003以上であり、好ましくは0.0021以下、より好ましくは0.002以下、特に好ましくは0.0019以下でありうる。複屈折Δnは、面内レターデーションReを厚みdで割って求められる。
本実施形態に係る製造方法で製造される位相差フィルムのNZ係数は、位相差フィルムの用途に応じて任意に設定しうる。具体的には、位相差フィルムのNZ係数は、好ましくは-0.5より大きく、より好ましくは-0.1以上、特に好ましくは0以上であり、好ましくは2.0未満、より好ましくは1.8以下、特に好ましくは1.7以下である。特に0以上1以下のNZ係数を有する位相差フィルムは、IPS方式液晶表示装置の画像表示装置の視野角補償等の用途に特に有用に用いることができる一方、延伸等の通常の手法で加工するだけでは得られ難い。よって、前記の製造方法は、有用な光学的特性を有する位相差フィルムを容易に製造できる点で、有用性が高い。
本実施形態に係る製造方法で製造される位相差フィルムの厚みは、位相差フィルムの用途に応じて任意に設定しうる。具体的には、位相差フィルムの厚みは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、特に好ましくは15μm以上であり、好ましくは270μm以下、より好ましくは260μm以下、特に好ましくは250μm以下である。
[7.効果が得られる仕組み]
上述したように、本実施形態に係る位相差フィルムの製造方法によれば、逆波長分散特性を有する位相差フィルムを容易に製造できる。さらに、本実施形態に係る製造方法によれば、通常、波長分散特性以外の位相差フィルムの光学特性も所望の値に容易に調整することができる。このような効果が得られる仕組みは、下記の通りであると本発明者は推察する。ただし、本発明の技術的範囲は、下記に説明する仕組みによっては制限されない。
水添ブロック共重合体[C]において、重合体ブロック[A]と重合体ブロック[B]とは、通常、非相溶性である。よって、水添ブロック共重合体[C]を含む溶融樹脂が冷えて硬化する際、重合体ブロック[A]及び重合体ブロック[B]の自己組織化による相分離が進行する。したがって、硬化後の樹脂中には、重合体ブロック[A]及び重合体ブロック[B]による相分離構造が形成されうる。この相分離構造には、一般に、重合体ブロック[A]の相と、重合体ブロック[B]の相とが、含まれる。そして、これらの相は、ラメラ型、スフィア型、シリンダ型等の周期的な相分離構造を形成しうる。また、一般に、芳香族ビニル系単位を含有する重合体ブロック[A]の屈折率と、水添鎖状共役ジエン系単位を含有する重合体ブロック[B]の屈折率とは、異なる。よって、前記の周期的な相分離構造を含む樹脂には、前記の相分離構造による構造性複屈折が生じうる。式(1)を満たす組成を有する水添ブロック共重合体[C]では、通常、相分離構造によって重合体ブロック[B]が異方性を有する相(例えば、シリンダ型の相分離構造におけるシリンダ)を形成するので、この重合体ブロック[B]に基づく構造性複屈折が生じる。
また、中間フィルムに延伸処理を施して得られた位相差フィルムでは、水添ブロック共重合体[C]の分子が延伸処理により配向しているので、配向による複屈折が生じる。重合体ブロック[A]が含有する芳香環が大きな屈折率を有すること、及び、水添ブロック共重合体[C]に含有される重合体ブロック[A]の比率が大きいことから、通常、水添ブロック共重合体[C]の配向による複屈折においては、重合体ブロック[A]の影響が大きい。よって、配向による複屈折としては、重合体ブロック[A]の配向の影響を大きく受けた複屈折が得られる。
したがって、位相差フィルムに含まれる水添ブロック共重合体[C]の全体としての複屈折としては、重合体ブロック[B]に基づく構造性複屈折と、重合体ブロック[A]の配向の影響を大きく受けた配向による複屈折と、を合成した複屈折が得られる。ここで、一般に、前記の位相差フィルムにおいて、重合体ブロック[B]に基づく構造性複屈折の屈折率が最大の方向と、配向による複屈折の屈折率が最大の方向とは、異なる。例えば、重合体ブロック[B]がシリンダ型の相を形成する水添ブロック共重合体[C]では、延伸により、重合体ブロック[B]のシリンダ型の相は、延伸方向に配向する。よって、構造性複屈折は、延伸方向で屈折率が最大になりうる。他方、配向による複屈折は、重合体ブロック[A]が含有する芳香環が大きな屈折率を有するので、延伸方向に垂直な方向で屈折率が最大になりうる。よって、この例では、重合体ブロック[B]に基づく構造性複屈折の屈折率が最大の方向と、配向による複屈折の屈折率が最大の方向とは、垂直になりうる。このように重合体ブロック[B]に基づく構造性複屈折の屈折率が最大の方向と、配向による複屈折の屈折率が最大の方向とが異なる場合、位相差フィルムの複屈折は、前記の構造性複屈折と配向による複屈折との差として、生じる。
また、前記の構造性複屈折及び配向による複屈折は、いずれも、順波長分散特性を有する。順波長分散特性とは、波長が長いほど複屈折が小さい、という特性を表す。しかし、前記の構造性複屈折及び配向による複屈折は、波長分散特性の程度は、異なる。式(1)を満たす組成を有する水添ブロック共重合体[C]では、前記の波長分散の程度の差を適切に制御して、水添ブロック共重合体[C]の全体として逆波長分散特性を得られる。
例を示してより具体的に説明する。例えば、構造性複屈折が、小さな値の複屈折であり、且つ、その順波長分散特性の程度が大きい。他方、配向による複屈折が、大きな値の複屈折であり、且つ、その順波長分散特性の程度が小さい。このような例においては、短い測定波長では、配向による複屈折と構造性複屈折との差は小さく、よって、水添ブロック共重合体[C]の全体の複屈折は小さい。また、長い測定波長では、配向による複屈折と構造性複屈折との差は大きく、よって、水添ブロック共重合体[C]の全体の複屈折は大きい。したがって、測定波長が長いほど複屈折が大きくなり、その結果、水添ブロック共重合体[C]に逆波長分散特性を発現させることができる。
逆波長分散特性を有する位相差フィルムが得られる仕組みは、上述した通りと考えられる。しかし、従来の位相差フィルムの製造方法では、上述した仕組みによる逆波長分散特性の達成を妨げる要素があった。
例えば、従来の溶融押出法では、溶融押出されてから冷却によって十分に硬化するまでの期間において、重合体ブロック[A]が、高い流動性を有する長い期間があった。このように重合体ブロック[A]が高い流動性を有する期間が長いと、逆波長分散特性を得るために求められる型の相分離構造の形成が妨げられ、望ましくない型の相分離構造の形成が促進されることがあった。
さらに、例えば、一般に、溶融押出法では、溶融した樹脂を冷却ロール上に押し出す。押し出された樹脂は、通常、冷却ロールの周面上の搬送経路に沿って搬送されるので、樹脂には、前記の搬送による張力(以下、適宜「搬送張力」ということがある。)が加えられる。よって、溶融樹脂が押し出されてから十分に硬化するまでの期間が長いと、前記の搬送張力によって樹脂中の分子の配向が進行することがあった。水添ブロック共重合体[C]に注目すると、水添鎖状共役ジエン系単位を含有する重合体ブロック[B]の熱軟化温度は相対的に低く、芳香族ビニル系単位を含有する重合体ブロック[A]の熱軟化温度は相対的に高い。多くの場合においては、溶融押出後の冷却時に、重合体ブロック[B]はその熱軟化温度が十分に低いので配向の進行程度は小さいが、重合体ブロック[A]では配向の進行程度が大きくなる傾向がある。よって、従来は、冷却ロールによる冷却によって硬化された樹脂には、前記の搬送張力による重合体ブロック[A]の配向により、複屈折が生じていた。
このように、特段の手段を講じない従来の溶融押出法では、溶融押出後、延伸処理前の期間に、前述したような(i)望ましくない型の相分離構造、及び、(ii)搬送張力による重合体ブロック[A]の配向が生じていた。これらが生じると、延伸処理後の位相差フィルムの波長分散特性が影響を受け、逆波長分散特性が得られない原因となりうる。特に、(ii)搬送張力による重合体ブロック[A]の配向が生じると、逆波長分散特性の実現が特に困難になり易い。
さらに、前述した(i)望ましくない型の相分離構造による構造性複屈折が生じたり、(ii)搬送張力による重合体ブロック[A]の配向によって複屈折が生じたりすると、延伸処理よりも以前に、その延伸処理に供されるフィルムに意図しない複屈折が生じる。この意図しない複屈折があると、逆波長分散特性以外にも位相差フィルムの光学特性が影響を受け、所望の値の光学特性を得ることが難しくなる原因となりうる。
これに対し、上述した実施形態では、式(2)で表すように、冷却ロールの温度Tcをブロック共重合体の熱軟化温度Tdよりも充分に低い温度に調整している。このように低い温度Tcの冷却ロールによれば、押し出された樹脂を急速に冷却することができる。よって、水添ブロック共重合体[C]は、(i)望ましくない型の相分離構造の形成を抑制できる。さらには、重合体ブロック[A]の配向が進行可能な温度範囲に溶融樹脂がある期間を短くできるので、(ii)搬送張力による重合体ブロック[A]の配向の影響を抑制することができる。したがって、逆波長分散特性を有する位相差フィルムの製造を容易に行うことが可能である。
さらには、(i)望ましくない型の相分離構造による影響及び(ii)搬送張力による重合体ブロック[A]の配向の影響を抑制できるので、意図しない複屈折の発生を抑制することができる。したがって、位相差フィルムに発現させる光学特性を延伸条件によって正確に調整することが容易になるので、通常は、波長分散特性以外の位相差フィルムの光学特性も所望の値に容易に調整することができる。
[8.偏光板]
前記の位相差フィルムは、偏光板に適用できる。この偏光板は、上述した位相差フィルムと偏光子とを備える。この偏光板は、直線偏光板、円偏光板又は楕円偏光板として機能できることが好ましい。
偏光子としては、通常、直線偏光子を用いる。その直線偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させた後、ホウ酸浴中で一軸延伸することによって得られるフィルム;ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させ延伸しさらに分子鎖中のポリビニルアルコール単位の一部をポリビニレン単位に変性することによって得られるフィルム;が挙げられる。また、偏光子の他の例としては、グリッド偏光子、多層偏光子などの、偏光を反射光と透過光に分離する機能を有する偏光子が挙げられる。これらのうち、偏光子としては、ポリビニルアルコールを含有する偏光子が好ましい。
偏光子に自然光を入射させると、一方の偏光だけが透過する。この偏光子の偏光度は特に限定されないが、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。
また、偏光子の厚みは、好ましくは5μm~80μmである。
偏光板を円偏光板として機能させたい場合、位相差フィルムは、λ/4板として機能できる面内レターデーションを有することが好ましい。また、偏光子の偏光吸収軸に対して位相差フィルムの遅相軸がなす角度は、45°またはそれに近い角度であることが好ましい。前記の角度は、具体的には、好ましくは45°±5°、より好ましくは45°±4°、特に好ましくは45°±3°である。
偏光板は、偏光子及び位相差フィルム以外に、更に任意の層を含んでいてもよい。任意の層としては、例えば、偏光子と位相差フィルムとを貼り合わせるための接着層;偏光子を保護するための偏光子保護フィルム層;などが挙げられる。
前記の偏光板は、上述した実施形態に係る製造方法によって位相差フィルムを製造することを含む製造方法によって製造できる。例えば、前記の偏光板は、上述した実施形態に係る製造方法によって位相差フィルムを製造することと、製造された位相差フィルムと偏光子とを貼り合わせることと、を含む製造方法によって、製造できる。貼り合わせには、必要に応じて、接着剤を用いてもよい。
[9.有機EL表示装置]
前記の位相差フィルムは、有機EL表示装置に適用できる。この有機EL表示装置が備える位相差フィルムは、λ/2板として機能できる面内レターデーションを有していてもよいが、λ/4板として機能できる面内レターデーションを有することが好ましい。λ/4板として機能できる面内レターデーションを有する位相差フィルムは、通常、偏光子と組み合わせて偏光板として有機EL表示装置に設けられる。この場合、有機EL表示装置は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、適宜「有機EL素子」ということがある。)、位相差フィルム及び偏光子を、この順に備える。このような構成において、偏光板は、反射抑制フィルムとして機能できる。
以下、偏光板が円偏光板として機能する場合を例に挙げて、反射抑制の仕組みを説明する。装置外部から入射した光は、その一部の直線偏光のみが偏光子を通過し、次にそれが位相差フィルムを通過することにより、円偏光となる。円偏光は、有機EL素子内の光を反射する構成要素(有機EL素子の反射電極等)により反射され、再び位相差フィルムを通過することにより、入射した直線偏光の振動方向と直交する振動方向を有する直線偏光となり、偏光子を通過しなくなる。ここで、直線偏光の振動方向とは、直線偏光の電場の振動方向を意味する。これにより、反射抑制の機能が達成される。このような反射抑制の原理は、特開平9-127885号公報を参照してよい。
有機EL素子は、通常、透明電極層、発光層及び電極層をこの順に備え、透明電極層及び電極層から電圧を印加されることにより発光層が光を生じうる。有機発光層を構成する材料の例としては、ポリパラフェニレンビニレン系、ポリフルオレン系、およびポリビニルカルバゾール系の材料を挙げることができる。また、発光層は、複数の発光色が異なる層の積層体、あるいはある色素の層に異なる色素がドーピングされた混合層を有していてもよい。さらに、有機EL素子は、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、等電位面形成層、電荷発生層等の機能層を備えていてもよい。
[10.液晶表示装置]
前記の位相差フィルムは、液晶表示装置に適用できる。この液晶表示装置が備える位相差フィルムは、λ/4板として機能できる面内レターデーションを有していてもよいが、λ/2板として機能できる面内レターデーションを有することが好ましい。λ/2板として機能できる面内レターデーションを有する位相差フィルムは、通常、液晶表示装置の液晶セルと視認側偏光子との間に設けられる。このような構成において、位相差フィルムは、視野角補償フィルムとして機能できる。
液晶セルは、例えば、インプレーンスイッチング(IPS)モード、バーチカルアラインメント(VA)モード、マルチドメインバーチカルアラインメント(MVA)モード、コンティニュアスピンホイールアラインメント(CPA)モード、ハイブリッドアラインメントネマチック(HAN)モード、ツイステッドネマチック(TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(STN)モード、オプチカルコンペンセイテッドベンド(OCB)モードなど、任意のモードの液晶セルを用いうる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り重量基準である。以下の操作は、別に断らない限り、常温常圧大気中にて行った。
[評価方法]
(熱軟化温度の測定方法)
測定対象の樹脂を、5mm×20mm×100μmのフィルムに成形し、試料とした。この試料について、熱機械的分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「TMA/SS7100」)を用いたTMA(熱機械的分析)測定を行って、熱軟化温度を測定した。具体的には、試料の長手方向に50mNの張力を加えた状態で、20℃から180℃まで5℃/minの速度で温度を変化させ、試料長さが3%変化した時の温度を、熱軟化温度として求めた。
(位相差フィルムのRe、Rth、Δn及びNZ係数の測定方法)
位相差フィルムの面内レターデーションRe、厚み方向のレターデーションRth、及び、NZ係数は、位相差計(AXOMETRICS社製「AXOSCAN」)を用いて、測定波長550nmで測定した。
また、位相差フィルムの面内レターデーションReを厚みdで割算して、位相差フィルムの複屈折Δnを求めた。
(波長分散特性の評価方法)
測定波長450nm、550nm及び650nmにおける位相差フィルムの面内レターデーションRe(450)、Re(550)及びRe(650)を、位相差計(AXOMETRICS社製「AXOSCAN」)を用いて測定した。測定されたRe(450)、Re(550)及びRe(650)から、Re(450)/Re(550)及びRe(650)/Re(550)を計算した。
(表示特性の評価方法:λ/4板(実施例1~5及び比較例1~2))
保護フィルム、偏光子及び保護フィルムをこの順に備える偏光板として、透過軸が幅方向にある長尺の偏光板(サンリッツ社製「HLC2-5618S」、厚さ180μm)を用意した。偏光板の一方の面側の保護フィルムを除去し、当該面に、実施例1~5又は比較例1~2で得た位相差フィルムを貼合した。貼合は、位相差フィルムの遅相軸方向と偏光板の透過軸方向とが45°の角度をなすよう行った。この操作により、両面の保護フィルムのうちの一方として、実施例1~5又は比較例1~2の位相差フィルムを備える円偏光板サンプルを得た。
視認側から円偏光板及び有機EL素子をこの順に備える市販の有機EL表示装置(LG電子製「OLED55EG9600」)を用意した。この有機EL表示装置の円偏光板を、前記の円偏光板サンプルと置き換えた。置き換えに際し、円偏光板サンプルは、有機EL素子側から、位相差フィルム、偏光子及び保護フィルムがこの順に配置されるように設けた。また、円偏光板サンプルの偏光子の透過軸は、有機EL表示装置にもともと備えられていた円偏光板における偏光子の透過軸と同じ方向とした。これにより、表示特性評価用の有機EL表示装置を得た。
得られた有機EL表示装置の表示の状態を、表示面に対して斜め方向(法線方向に対して45°)から、様々な方位において観察した。ここで「方位」とは、前記の斜め方向の、表示面に平行な成分をいう。
置き換え前の市販の有機EL表示装置と比較し、全方位に渡り表示面での反射率が抑制されていた場合、「○」と評価した。
また、置き換え前の市販の有機EL表示装置と比較し、一以上の方位において反射率が同等以下であった場合、「×」と評価した。
(表示特性の評価方法:λ/2板(実施例6))
保護フィルム、偏光子及び保護フィルムをこの順に備える偏光板として、透過軸が幅方向にある長尺の偏光板(サンリッツ社製「HLC2-5618S」、厚さ180μm)を用意した。偏光板の一方の面側の保護フィルムを除去し、当該面に、実施例6で得た位相差フィルムを貼合した。貼合は、位相差フィルムの遅相軸方向と偏光板の透過軸方向とが一致するよう行った。この操作により、両面の保護フィルムのうちの一方として、実施例6の位相差フィルムを備える偏光板サンプルを得た。
光源側偏光板、液晶セル及び視認側偏光板をこの順に備える市販のIPS液晶表示装置(LG電子製「23MP47HQ」)を用意した。このIPS液晶表示装置の視認側偏光板を、前記の偏光板サンプルと置き換えた。置き換えに際し、偏光板サンプルは、液晶セル側から、位相差フィルム、偏光子及び保護フィルムがこの順に配置されるように設けた。また、偏光板サンプルの偏光子の透過軸は、IPS液晶表示装置にもともと備えられていた視認側偏光板における偏光子の透過軸と同じ方向とした。これにより、表示特性評価用の液晶表示装置を得た。
得られた液晶表示装置の表示の状態を、表示面に対して斜め方向(法線方向に対して45°)から、様々な方位において観察した。
置き換え前の市販のIPS液晶表示装置と比較し、全方位に渡りコントラストが高かったものを「○」と評価した。
また、置き換え前のIPS液晶表示装置と比較し、一以上の方位においてコントラストが同等以下であったものを「×」と評価した。
[実施例1]
(1-1.水添ブロック共重合体の製造)
窒素雰囲気下において、乾燥し窒素で置換された耐圧反応器に、溶媒としてトルエン100ml、重合触媒としてn-ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液127μl(0.20mモル)を入れた。その後、耐熱反応器に、芳香族ビニル系化合物として2-ビニルナフタレンの25wt%トルエン溶液40gを添加して25℃で1時間反応させ、一段階目の重合反応を行った。一段階目の重合反応の終了後、重合体の一部を採取し、テトラヒドロフランを溶剤とするGPCによる分子量の測定から、数平均分子量(Mn)が33000、重量平均分子量(Mw)が34600、分子量分布が1.05であることを確認した。また、重クロロホルムを溶剤とするH-NMR測定より、2-ビニルナフタレンの転化率は95%であった。
次いで、耐熱反応器中の反応混合物に、鎖状共役ジエン系化合物としてイソプレン5gを添加し、さらに50℃で0.5時間反応させ、二段階目の重合反応を行った。その結果、反応混合物中に、(2-ビニルナフタレンブロック)-(イソプレンブロック)のブロック構成を有するジブロック共重合体を得た。GPC測定より、ジブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は68000、重量平均分子量(Mw)は72000、分子量分布は1.06であった。H-NMR測定より、一段階目で残っていた2-ビニルナフタレンはすべて消費され、イソプレンの転化率が96%であることを確認した。また、オレフィン部分の積分値の割合から、イソプレンブロックのミクロ構造は、ポリ(1,4-イソプレン)が94%、ポリ(1,2-イソプレン)およびポリ(3,4-イソプレン)が6%であった。
その後、反応混合物に、さらに芳香族ビニル系化合物として2-ビニルナフタレンの25wt%トルエン溶液40gを添加して、25℃で17時間反応させ、三段階目の重合反応を行った。重合反応終了後、100μLのメタノールを添加し、反応混合物中に、(2-ビニルナフタレンブロック)-(イソプレンブロック)-(2-ビニルナフタレンブロック)のブロック構成を有するトリブロック共重合体を得た。トリブロック共重合体の一部を採取し、GPCによる分子量の測定から、数平均分子量(Mn)が106000、重量平均分子量(Mw)が117600、分子量分布が1.11であることを確認した。また、H-NMR測定より、二段階目の重合で残っていたイソプレン及び、三段階目で加えた2-ビニルナフタレンが全て消費されていることを確認した。
得られたトリブロック共重合体を濃縮し、トルエンを除去した後、p-キシレン700mlに溶解させた。この溶液に、p-トルエンスルホニルヒドラジド55gを添加し、減圧および窒素置換操作を複数回繰り返すことにより溶液内の酸素を除いた後、温度120℃で6時間反応させた。この反応により、イソプレンブロックの二重結合に対する水素添加を行った。水素添加の終了後、大量のアセトンとメタノールを反応溶液に注ぎ、水添ブロック共重合体を、塊状の生成物20gとして得た。得られた水添ブロック共重合体は、「2-ビニルナフタレン単位を含有する重合体ブロック[A]」-「水添イソプレン単位を含有する重合体ブロック[B]」-「2-ビニルナフタレン単位を含有する重合体ブロック[A]」というトリブロック構成を有していた。
得られた水添ブロック共重合体をNMRにて分析した。その結果、水添ブロック共重合体における2-ビニルナフタレン単位と水添イソプレン単位との重量比(wA:wB)は80:20であった。したがって、重合体ブロック[A]の重量分率wAは80%、重合体ブロック[B]の重量分率wBは20%であった。また、水添ブロック共重合体の水添イソプレン単位の水素添加率は、>99%であった。さらに、GPCにより測定したトリブロック共重合体の数平均分子量は、106000であった。また、TMAにより測定した水添ブロック共重合体の熱軟化温度Tdは、133℃であった。
(1-2.溶融押出工程)
前記の水添ブロック共重合体を熱可塑性樹脂として用いて、溶融押出法により、中間フィルムの製造を行った。具体的には、下記のような操作を行った。
冷却ロールと、この冷却ロール上に溶融樹脂を押出可能に設けられたダイとを備える押出成形装置を用意した。熱可塑性樹脂を、押出機を用いて溶融させてダイに供給し、ダイから冷却ロール上へとフィルム状に押し出した。押し出された樹脂は、冷却ロールに受けられ、冷却ロールの回転に従って搬送されながら冷却されて、硬化した。これにより、熱可塑性樹脂としての水添ブロック共重合体で形成された厚み200μmの中間フィルムを得た。熱可塑性樹脂の押出温度Teは261℃であった。また、冷却ロールの温度Tcは78℃であった。
(1-3.延伸処理工程)
得られた中間フィルムを切断し、80mm×80mmの大きさの矩形フィルムとした。この矩形フィルムに、バッチ式延伸装置(東洋精機社製)を用いて、自由幅一軸延伸を施した。延伸の条件は、延伸温度Tが150℃、延伸倍率が4.0倍、延伸速度が100%毎分とした。この結果、λ/4板としての位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムについて、上述した方法で評価を行った。
[実施例2及び3]
工程(1-2)において、中間フィルムの厚みを表1に示すように変更した。中間フィルムの厚みの変更は、冷却ロールの回転速度の調整により、冷却ロールによる溶融樹脂の引取速度を調整することで、行った。中間フィルムの厚みの変更方法は、これ以降の実施例及び比較例でも、同じである。
工程(1-3)において、中間フィルムの延伸条件を、表1に示すように変更した。
以上の事項以外は、実施例1と同じ操作により、λ/4板としての位相差フィルムの製造及び評価を行った。
[実施例4]
工程(1-1)において、一段階目の重合反応に用いる2-ビニルナフタレン、二段階目の重合反応に用いるイソプレン、及び、三段階目の重合反応に用いる2-ビニルナフタレンの量を、それぞれ8g、8g及び8gに変更した。実施例1と同様に、GPC測定を行ったところ、水素化前のトリブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は120000、重量平均分子量(Mw)が133000、分子量分布が1.11であることを確認した。また、二段階目の重合後のジブロック共重合体のH-NMR測定から、イソプレンブロックのミクロ構造は、ポリ(1,4-イソプレン)が92%、ポリ(1,2-イソプレン)およびポリ(3,4-イソプレン)が8%であった。水素化後の水添ブロック共重合体のGPC測定より、数平均分子量(Mn)は129000、重量平均分子量(Mw)が144000、分子量分布が1.12であることを確認した。
工程(1-2)において、熱可塑性樹脂の押出条件を、表1に示すように変更した。
工程(1-3)において、中間フィルムの延伸条件を、表1に示すように変更した。
以上の事項以外は、実施例1と同じ操作により、λ/4板としての位相差フィルムの製造及び評価を行った。
[実施例5]
工程(1-1)において、一段階目の重合反応に用いる2-ビニルナフタレン、二段階目の重合反応に用いるイソプレン、及び、三段階目の重合反応に用いる2-ビニルナフタレンの量を、それぞれ9g、6g及び9gに変更した。実施例1と同様に、GPC測定を行ったところ、得られた水素化前のトリブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は95000、重量平均分子量(Mw)が106000、分子量分布が1.12であることを確認した。また、二段階目の重合後のジブロック共重合体のH-NMR測定から、イソプレンブロックのミクロ構造は、ポリ(1,4-イソプレン)が92%、ポリ(1,2-イソプレン)およびポリ(3,4-イソプレン)が8%であった。水素化後の水添ブロック共重合体のGPC測定より、数平均分子量(Mn)は103000、重量平均分子量(Mw)が116000、分子量分布が1.13であることを確認した。
工程(1-2)において、熱可塑性樹脂の押出条件を、表1に示すように変更した。
工程(1-3)において、中間フィルムの延伸条件を、表1に示すように変更した。
以上の事項以外は、実施例1と同じ操作により、λ/4板としての位相差フィルムの製造及び評価を行った。
[実施例6]
工程(1-1)において、一段階目の重合反応に用いる2-ビニルナフタレン、二段階目の重合反応に用いるイソプレン、及び、三段階目の重合反応に用いる2-ビニルナフタレンの量を、それぞれ9g、6g及び9gに変更した。実施例1と同様に、GPC測定を行ったところ、得られた水素化前のトリブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は95000、重量平均分子量(Mw)が106000、分子量分布が1.12であることを確認した。また、二段階目の重合後のジブロック共重合体のH-NMR測定から、イソプレンブロックのミクロ構造は、ポリ(1,4-イソプレン)が92%、ポリ(1,2-イソプレン)およびポリ(3,4-イソプレン)が8%であった。水素化後の水添ブロック共重合体のGPC測定より、数平均分子量(Mn)は103000、重量平均分子量(Mw)が116000、分子量分布が1.13であることを確認した。
工程(1-2)において、熱可塑性樹脂の押出条件を、表1に示すように変更した。
工程(1-3)において、中間フィルムの延伸条件を、表1に示すように変更した。
以上の事項以外は、実施例1と同じ操作により、λ/2板としての位相差フィルムの製造を行った。得られた位相差フィルムについて、上述した方法で評価を行った。
[比較例1]
工程(1-1)において、一段階目の重合反応に用いる2-ビニルナフタレン、二段階目の重合反応に用いるイソプレン、及び、三段階目の重合反応に用いる2-ビニルナフタレンの量を、それぞれ18.4g、6g及び18.4gに変更した。
工程(1-2)において、熱可塑性樹脂の押出条件を、表1に示すように変更した。
工程(1-3)において、中間フィルムの延伸条件を、表1に示すように変更した。
以上の事項以外は、実施例1と同じ操作により、λ/4板としての位相差フィルムの製造及び評価を行った。
[比較例2]
工程(1-1)において、一段階目の重合反応に用いる2-ビニルナフタレン、二段階目の重合反応に用いるイソプレン、及び、三段階目の重合反応に用いる2-ビニルナフタレンの量を、それぞれ8g、8g及び8gに変更した。
工程(1-2)において、熱可塑性樹脂の押出条件を、表1に示すように変更した。
工程(1-3)において、中間フィルムの延伸条件を、表1に示すように変更した。
以上の事項以外は、実施例1と同じ操作により、λ/4板としての位相差フィルムの製造及び評価を行った。
[結果]
実施例及び比較例の結果を、下記の表に示す。下記の表において、略称の意味は、下記の通りである。
VN:2-ビニルナフタレン。
IP:イソプレン。
ABA:[A]-[B]-[A]トリブロック構成。
Figure 0007059722000006
10 位相差フィルム
20 樹脂
30 中間フィルム
100 押出成形装置
110 ダイ
120 冷却ロール
200 延伸装置

Claims (6)

  1. 芳香族ビニル系化合物を重合して得られる構造を有する重合単位を含有する重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン系化合物を重合し水素化して得られる構造を有する重合単位を含有する重合体ブロック[B]と、を含有する水添ブロック共重合体[C]を含む樹脂を、冷却ロール上に溶融押出して、中間フィルムを得る第一工程と、
    前記中間フィルムに延伸処理を施す第二工程と、を含み、
    前記水添ブロック共重合体[C]における前記重合体ブロック[A]の重量分率wA、及び、前記水添ブロック共重合体[C]における前記重合体ブロック[B]の重量分率wBが、下記式(1)を満たし、
    前記水添ブロック共重合体[C]の熱軟化温度Td、及び、前記冷却ロールの温度Tcが、下記式(2)を満たし、
    測定波長450nmにおける位相差フィルムの面内レターデーションRe(450)、測定波長550nmにおける位相差フィルムの面内レターデーションRe(550)、及び、測定波長650nmにおける位相差フィルムの面内レターデーションRe(650)が、下記式(3)及び式(4)を満たす、位相差フィルムの製造方法。
    50/50 ≦ wA/wB ≦ 85/15 (1)
    Tc < Td-50℃ (2)
    0.70≦Re(450)/Re(550)≦0.95 (3)
    1.02≦Re(650)/Re(550)≦1.20 (4)
  2. 前記第一工程における前記樹脂の押出温度が、Td+110℃以上、Td+170℃以下である、請求項1に記載の位相差フィルムの製造方法。
  3. 前記第二工程における前記延伸処理の延伸温度が、Td以上、Td+20℃以下であり、
    前記第二工程における前記延伸処理の延伸倍率が、1.1倍以上、5.0倍以下である、請求項1又は2に記載の位相差フィルムの製造方法。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法で位相差フィルムを製造することを含む、位相差フィルムと偏光子とを備える偏光板の製造方法
  5. 請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法で位相差フィルムを製造することを含む、位相差フィルムを備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法
  6. 請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法で位相差フィルムを製造することを含む、位相差フィルムを備える液晶表示装置の製造方法
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