JP2014059569A - カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】着色層が有するRthを用いることなく、黒表示時の斜め方向の色付きを低減することが可能なカラーフィルタおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】赤色、緑色、青色、および黄色の着色層(リターデーション調整剤を含有するものを除く。)は、下記式(1)で表される実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一であるカラーフィルタ。
Figure 2014059569

ここで、式中、Color-Y(Oblique)は2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度、Color-Y(Cross)は2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差しているときの正面輝度、Pol-Y(Oblique)は2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度、Pol-Y(Cross)は2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差しているときの正面輝度である。
【選択図】なし

Description

本発明は、表示装置に装着された場合に、視野角特性を改善することができるカラーフィルタおよびその製造方法に関するものである。
液晶表示装置は、その省電力、軽量、薄型等といった特徴を有することから、従来のCRTディスプレイに替わり、近年急速に普及している。一般的な液晶表示装置としては、液晶セルが入射側の偏光板と出射側の偏光板との間に配置されているものを挙げることができる。偏光板は、所定の振動方向の振動面を有する直線偏光のみを選択的に透過させるように構成されたものであり、それぞれの振動方向が相互に直角の関係になるようにクロスニコル状態で対向して配置されている。
液晶表示装置は、液晶セルに用いられる液晶材料の配列形態により種々の駆動方式を用いたものが知られている。今日普及している液晶表示装置の主たるものは、ねじれネマチック方式(TN)、超ねじれネマチック方式(STN)、複数配向分割型垂直配向方式(MVA)、横型電界駆動方式(IPS)、およびOCB(Optically Compensated Bend)等に分類される。なかでも今日においては、MVAおよびIPSの駆動方式を有するものが広く普及するに至っている。
一方、液晶表示装置はその特有の問題点として、液晶セルや偏光板の屈折率異方性に起因する視野角依存性の問題点がある。この視野角依存性の問題は、液晶表示装置を正面から見た場合と斜め方向から見た場合とで視認される画像の色味やコントラストが変化してしまう問題である。このような視野角特性の問題は、近年の液晶表示装置の大画面化に伴って、さらにその問題の重大性を増している。
このような視野角依存性の問題を改善するため、現在までに様々な技術が開発されている。その代表的な方法として位相差フィルムを用いる方法がある。この位相差フィルムを用いる方法は、例えば、所定の光学特性を有する位相差フィルムを、液晶セルと偏光板との間に配置することにより、視野角依存性の問題を改善する方法である。このような方法は位相差フィルムを液晶表示装置に組み込むことのみで視野角依存性の問題点を改善できることから、簡便に視野角特性に優れた液晶表示装置を得ることが可能な方法として広く用いられるに至っている。
しかしながら、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタは、各色の着色層によって異なる位相差を有するため、上記の位相差フィルムを用いた場合、各色の着色層が有する位相差の差異は補償することができないという問題がある。具体的には、各色の着色層の厚み方向の位相差が異なる場合、黒表示時に斜め方向から見た場合に色付きが観察されるという問題がある。特に、高コントラストの液晶表示装置では、黒表示時の斜め方向から見た場合の色付きが顕著に現れる。このように視野角依存性の問題点を完全に解決することは困難であった。
なお、上記の説明は液晶表示装置に関するものであるが、例えば有機EL表示装置等に用いられるカラーフィルタや位相差層を有する表示装置においても、液晶表示装置と同様の問題が生じる。
上記問題を解決する方法としては、カラーフィルタの各色の着色層に応じて、それぞれ最適な位相差を有する位相差層を形成する方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、各色の着色層上に位相差層を形成する必要があるため、工程が煩雑で、コストも高くなるという問題があった。
そこで、黒表示時の斜め方向から見た場合の色付きを抑制するために、各色の着色層の厚み方向の位相差の大小関係が規定されたカラーフィルタが提案されている(例えば特許文献2参照)。また、少なくとも1色の着色層を、リターデーション調整剤を含有する組成物を用いて形成し、各色の着色層の厚み方向の位相差を制御する方法も提案されている(例えば特許文献3参照)。
特開2007−279448号公報 特開2008−152140号公報 特開2008−185984号公報
着色層が有する厚み方向の位相差(以下、Rthと称する場合がある。)は、着色層の面内における進相軸方向(屈折率が最も小さい方向)の屈折率Nx、および、遅相軸方向(屈折率が最も大きい方向)の屈折率Nyと、厚み方向の屈折率Nzと、着色層の厚みd(nm)とにより、
Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
の式で表される値である。
このように着色層が有するRthを求めるのは煩雑であることから、黒表示時の斜め方向から見た場合の色付きを抑制するために、着色層が有するRthを調整する方法に替わる簡便な方法が望まれている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、着色層が有するRthを用いることなく、黒表示時の斜め方向から観察したときの色付きを低減することが可能なカラーフィルタおよびその製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色層とを有するカラーフィルタであって、各色の上記着色層は、下記式(1)で表される実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一であることを特徴とするカラーフィルタを提供する。
Figure 2014059569
ここで、式中、Color-Y(Oblique)は2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度、Color-Y(Cross)は2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差しているときの正面輝度、Pol-Y(Oblique)は2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度、Pol-Y(Cross)は2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差しているときの正面輝度である。
本発明によれば、各色の着色層で実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一であるので、本発明のカラーフィルタを表示装置に装着した際には、黒表示時に斜め方向から観察したときにカラーフィルタによる色付きを低減することが可能である。このように本発明においては、着色層が有するRthを用いず、着色層の輝度を用いるので、カラーフィルタを簡便に設計することが可能となる。
また本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色層とを有するカラーフィルタを備える液晶表示装置であって、各色の上記着色層は、上記式(1)で表される実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一であることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
本発明によれば、各色の着色層で実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一であるので、上述したように、黒表示時に斜め方向から観察したときに色付きを低減することが可能である。
さらに本発明は、透明基板上に複数色の着色層を形成するための複数色の着色層用樹脂組成物の処方を決定する着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法であって、透明基板上に調整用着色層用樹脂組成物を用いて調整用着色層を形成する調整用着色層形成工程と、上記調整用着色層について上記式(1)で表される実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYを測定する測定工程と、上記測定工程により得られたΔYに基づいて、各色の着色層についてΔYが略同一となるように、各色の着色層用樹脂組成物の処方を決定する処方決定工程とを有することを特徴とする着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法を提供する。
本発明によれば、着色層が有するRthを用いることなく、測定工程により得られたΔYに基づいて、各色の着色層についてΔYが略同一となるように、各色の着色層用樹脂組成物の処方を決定する。したがって、表示装置に装着された場合に黒表示時の斜め方向から観察したときの色付きを低減することができるカラーフィルタを構成する着色層の処方を容易に決定することができる。
上記発明においては、各色の上記着色層用樹脂組成物に含有される顔料の種類を変えることで、上記実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYを制御することが好ましい。顔料の分散性が変わると上記式(1)におけるColor-Y(Cross)が変わるため、顔料の分散性への影響が大きい顔料の種類を変えることで、ΔYを制御することが好ましいのである。顔料の種類がΔYに大きく寄与すると考えられる。
さらに本発明は、上述の着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法により決定された処方に基づいて、複数色の着色層用樹脂組成物を調製する調製工程と、各色の上記着色層用樹脂組成物を用いて、透明基板上に複数色の着色層を形成する着色層形成工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明においては、上述の着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法により決定された処方に基づいて、複数色の着色層用樹脂組成物を調製するので、実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一である複数色の着色層を得ることができる。したがって、本発明により製造されたカラーフィルタが装着された表示装置では、黒表示時に斜め方向から観察した場合でも色付きを抑制することが可能である。
本発明においては、各色の着色層は実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一であるので、本発明のカラーフィルタを用いた表示装置では、黒表示時に斜め方向から観察した場合でも色付きが抑制され良好な表示を行うことができるという効果を奏する。
本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明のカラーフィルタ、表示装置、着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法およびカラーフィルタの製造方法について詳細に説明する。
A.カラーフィルタ
まず、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色層とを有するカラーフィルタであって、各色の上記着色層は、下記式(1)で表される実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一であることを特徴とするものである。
Figure 2014059569
ここで、式中、Color-Y(Oblique)は2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度、Color-Y(Cross)は2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差しているときの正面輝度、Pol-Y(Oblique)は2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度、Pol-Y(Cross)は2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差しているときの正面輝度である。
一般に、液晶表示装置においては、2枚の偏光板を吸収軸が90°で交差するように配置して画像表示を行う場合、2枚の偏光板を吸収軸が90°で交差するように配置して、方位角45°/極角80°の角度から観察したときに最も光が漏れることが知られている。そして、2枚の偏光板を吸収軸が90°で交差するように配置し、方位角45°/極角80°の角度から観察する状態は、吸収軸が90°で交差する2枚の偏光板のうち1枚の偏光板を16°回転させ、すなわち2枚の偏光板を吸収軸が106°で交差するように配置し、正面から観察する状態に近似することができる。
そこで、本発明においては、2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差し、方位角45°/極角80°の角度から観察したときの輝度、すなわち「斜方輝度」は、2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度に近似するものとして、上記式(1)においてColor-Y(Oblique)およびPol-Y(Oblique)を採用する。
Pol-Y(Cross)は、2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差しているときの正面輝度であり、ほぼゼロである。Pol-Y(Oblique)は、2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度であり、偏光板による漏れ光に相当する。Pol-Y(Oblique)/Pol-Y(Cross)は、偏光板に起因する漏れ光を差し引くための項である。
Color-Y(Cross)は、2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差しているときの正面輝度(以下、クロス輝度という場合がある。)であり、例えば着色層での着色剤の分散性に応じて漏れ光が生じるので、その漏れ光に相当する。
Color-Y(Cross)にPol-Y(Oblique)/Pol-Y(Cross)を乗じることで規格化し、クロス輝度から斜方輝度の理論値を算出する。このクロス輝度から算出された斜方輝度の理論値を「理論斜方輝度」とする。すなわち、Color-Y(Cross)×{Pol-Y(Oblique)/Pol-Y(Cross)}=理論斜方輝度である。
Color-Y(Oblique)は、2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度であり、斜方輝度の実測値に相当する。この斜方輝度の実測値を「実測斜方輝度」とする。すなわち、Color-Y(Oblique)=実測斜方輝度である。
よって、上記式(1)で表されるΔYは、実測斜方輝度および理論斜方輝度の差となるのである。
本発明においては、各色の着色層で、実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一であり、すなわち理論斜方輝度からのズレ量が略同一である。よって、本発明のカラーフィルタが装着された表示装置においては、黒表示時に斜め方向から観察したときに、カラーフィルタによる色付きを低減することが可能である。理論斜方輝度からのズレ量の大小にかかわらず、各色の着色層で理論斜方輝度からのズレ量が略同一であるので、カラーフィルタによる色付きを抑制することができるのである。
このように本発明においては、着色層が有するRthを用いずに、着色層の輝度を用いることで、カラーフィルタの設計が可能となるので、視野角特性を改善することができるカラーフィルタを容易に得ることができる。
なお、「各色の着色層は、上記式(1)で表される実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一である」とは、本発明のカラーフィルタが装着された表示装置において、黒表示時に斜め方向から観察した場合であっても、色味を帯びた黒表示が観察されない程度に、各色の着色層でΔYが揃うことをいう。具体的には、各色の着色層におけるΔYの絶対値(以下、|ΔY|と記す場合がある。)の最小値を1としたときに、|ΔY|の最大値が1〜3の範囲内である場合をいう。各色の着色層における|ΔY|の最小値を1としたとき、|ΔY|の最大値は好ましくは1〜2の範囲内であり、特に好ましくは1〜1.5の範囲内である。
本発明において、図1に例示するように、カラーフィルタ1は、透明基板2と、透明基板2上にパターン状に形成された遮光部3と、透明基板2上の遮光部3の開口部に形成された複数色の着色層4(図1においては、赤色着色層4R、緑色着色層4G、青色着色層4B)とを有するものである。
以下、本発明のカラーフィルタにおける各構成について説明する。
1.実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔY
本発明において、各色の着色層は、上記式(1)で表される実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一である。
上記式(1)において、上述したように、Color-Y(Oblique)は2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度、Color-Y(Cross)は2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差しているときの正面輝度、Pol-Y(Oblique)は2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度、Pol-Y(Cross)は2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差しているときの正面輝度である。
Color-Y(Oblique)、Color-Y(Cross)、Pol-Y(Oblique)、およびPol-Y(Cross)は、次のように測定することができる。すなわち、まず、2枚の偏光板(SEG1425DU、日東電工株式会社製)をそれぞれの吸収軸が直交あるいは106°になるように配置する。次いで、Color-Y(Oblique)およびColor-Y(Cross)を測定する場合には、2枚の偏光板の間に着色層を配置する。次に、バックライト(東芝株式会社製、商品名:メロウ5D FL10EX−D−H、色温度6500K)を点灯し、輝度計(コニカミノルタセンシング社製 LS−100)を用いて、輝度を測定する。
Color-Y(Oblique)およびColor-Y(Cross)を測定する際には、透明基板上に1色の着色層が形成された測定用基板を着色層の色毎に複数準備して、色毎に測定を行ってもよく、また透明基板上に複数色の着色層が形成されたカラーフィルタについて、分光分析が可能な装置を用いて、全色の測定を一度に行ってもよい。
ΔYの値は、光源の種類によって異なることから、特に限定されるものではない。中でも、|ΔY|の値は比較的小さいことが好ましい。実測斜方輝度および理論斜方輝度の差、すなわち理論斜方輝度からのズレ量が小さければ、斜め方向から観察したときのカラーフィルタによるコントラストの低下を抑制することができるからである。具体的には、2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が平行であるときの正面輝度をColor-Y(Parallel)とした場合に、Color-Y(Parallel)を1としたとき、|ΔY|は0.1以下であることが好ましく、より好ましくは0.07以下、さらに好ましくは0.05以下である。なお、Color-Y(Parallel)は、Color-Y(Oblique)およびColor-Y(Cross)と同様に測定することができる。
2.着色層
本発明における複数色の着色層は、透明基板上に形成されるものである。
着色層の色は複数色であればよく、例えば、3色、4色、5色とすることができる。3色の場合には、通常、赤色、緑色および青色の3色の着色層が用いられる。
各色の着色層は、各色の顔料や染料等の着色剤をバインダー樹脂中に分散または溶解させたものである。
赤色着色層に用いられる着色剤としては、例えばペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色着色層に用いられる着色剤としては、例えばハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色着色層に用いられる着色剤としては、例えば銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
また、着色層に用いられるバインダー樹脂としては、透明な樹脂が挙げられる。
着色層の形成方法として印刷法を用いる場合、バインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、着色層の形成方法としてフォトリソグラフィ法を用いる場合、バインダー樹脂としては、通常、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂が使用される。通常は、電子線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂が用いられる。紫外線硬化性樹脂を使用する場合には、バインダー樹脂に光重合開始剤が単独または複数組み合わせて使用される。また、紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を用いてもよい。
また、着色層は、分散剤を含有していてもよい。
各色の着色層でΔYを略同一とするには、例えば、着色剤の種類、分散剤の種類、バインダー樹脂の種類、バインダー樹脂の屈折率などを調整すればよい。
ここで、着色層における着色剤の分散性、特に顔料の分散性に応じて、斜め方向から観察したときに漏れ光が生じ、斜方輝度が異なるものと推量される。そのため、各色の着色層で着色剤の分散性を揃えることで、ΔYを略同一とすることができると推測される。各色の着色層で着色剤の分散性を揃えるには、上述したように、例えば、着色剤の種類、分散剤の種類、バインダー樹脂の種類などを調整すればよい。具体例を挙げると、着色剤を1種類用いる場合と2種類用いる場合とでは、着色剤の分散性が異なるので、ΔYも異なる。よって、着色層に含有される着色剤を変えることで、ΔYを制御することができる。
なお、各色の着色層でΔYを略同一とする方法については、後述の「C.着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法」の項に記載するので、ここでの説明は省略する。
着色層の形成方法としては、一般的な方法であればよく、例えば着色剤をバインダー樹脂に混合、分散または可溶化させて着色層用樹脂組成物を調製し、この着色層用樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ法や、インクジェット法等の印刷法によってパターニングする方法が用いられる。
各色の着色層は、画素に対応して規則的に配列される。着色層の配列としては、各色の着色層が巨視的に見て平均的に配列されていれば特に限定されるものではなく、例えばストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列等が挙げられる。
着色層の膜厚としては、具体的には1μm〜5μmの範囲内で設定することができる。
3.透明基板
本発明に用いられる透明基板は、着色層、および必要に応じて遮光部を形成可能であり、可視光に対して透明な基板であれば特に限定されるものではない。透明基板としては、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板と同様のものとすることができる。
具体的には、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等が挙げられる。
4.オーバーコート層
本発明においては、図2に例示するように、カラーフィルタ1表面を平坦化するために、着色層4上にオーバーコート層5が形成されていてもよい。
オーバーコート層に用いられる材料としては、透明性を有し、着色層上に形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタに用いられるオーバーコート層と同様のものとすることができる。
オーバーコート層の形成方法としては、カラーフィルタの表面を平坦化することができる方法であれば特に限定されず、一般的な方法と同様とすることができる。
5.遮光部
本発明においては、透明基板上に画素を区画する遮光部が形成されていてもよい。
遮光部としては、一般的なカラーフィルタに用いられる遮光部と同様とすることができる。
6.用途
本発明のカラーフィルタは、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ等に用いられる。中でも、液晶表示装置に好適に用いられる。
B.液晶表示装置
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色層とを有するカラーフィルタを備える液晶表示装置であって、各色の上記着色層は、上記式(1)で表される実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一であることを特徴とするものである。
本発明によれば、上述のカラーフィルタを用いるため、黒表示時に斜め方向から観察したときの色付きを低減することが可能である。
本発明の液晶表示装置においては、白表示状態とした際の輝度をTon、黒表示状態とした際の輝度をToffとしたとき、Ton/Toffの比で表わされるコントラストが500以上、中でも800以上、特に1000以上であることが好ましい。コントラストが上記範囲に満たない場合、表示品位が損なわれる可能性があるからである。
なお、カラーフィルタについては、上記「A.カラーフィルタ」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明の液晶表示装置は、上述のカラーフィルタを少なくとも有するものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜他の構成部材を有する。液晶表示装置を構成する部材等については、一般的な液晶表示装置と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、本発明の液晶表示装置は、大型ディスプレイや携帯情報端末等に用いることができる。
C.着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法
次に、本発明の着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法について説明する。
本発明の着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法は、透明基板上に複数色の着色層を形成するための複数色の着色層用樹脂組成物の処方を決定する着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法であって、透明基板上に調整用着色層用樹脂組成物を用いて調整用着色層を形成する調整用着色層形成工程と、上記調整用着色層について上記式(1)で表される実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYを測定する測定工程と、上記測定工程により得られたΔYに基づいて、各色の着色層についてΔYが略同一となるように、各色の着色層用樹脂組成物の処方を決定する処方決定工程とを有することを特徴とするものである。
本発明によれば、着色層が有するRthを用いることなく、測定工程により得られたΔYに基づいて、各色の着色層についてΔYが略同一となるように、各色の着色層用樹脂組成物の処方を決定するので、表示装置に装着された場合に、黒表示時に斜め方向から観察したときの色付きを低減することができるカラーフィルタを構成する着色層の処方を容易に決定することができる。
以下、本発明の着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法における各工程について説明する。
1.調整用着色層形成工程
本発明における調整用着色層形成工程は、透明基板上に調整用着色層用樹脂組成物を用いて調整用着色層を形成する工程である。
調整用着色層用樹脂組成物は、実際に形成する着色層と同一の方法で調整用着色層を形成することができるものであれば特に限定されるものではなく、通常、顔料、バインダー樹脂、分散剤および溶剤などを含有する。また、必要に応じて、光開始剤やその他の添加剤が含有される。
なお、顔料、バインダー樹脂、添加剤等については、上記「A.カラーフィルタ」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
また、溶剤としては、一般的なカラーフィルタの着色層を形成する際に用いられるものと同様とすることができる。
調整用着色層の形成方法としては、一般的なカラーフィルタの着色層の形成方法と同様とすることができる。中でも、実際に形成する着色層と同一の方法が好ましい。
調整用着色層の膜厚としては、実際に形成する着色層と同一の膜厚であることが好ましい。
透明基板としては、調整用着色層を形成することができれば特に限定されるものではなく、カラーフィルタの形成に一般的に用いられるものと同様のものを使用することができる。中でも、製造するカラーフィルタに用いられる透明基板と同一であることが好ましい。透明基板の影響を排除することができるからである。
2.測定工程
本発明における測定工程は、上記調整用着色層について上記式(1)で表される実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYを測定する工程である。
なお、ΔYの測定方法については、上記「A.カラーフィルタ」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
3.処方決定工程
本発明における処方決定工程は、上記測定工程により得られたΔYに基づいて、各色の着色層についてΔYが略同一となるように、各色の着色層用樹脂組成物の処方を決定する工程である。
各色の着色層用樹脂組成物の処方を決定するに際しては、各色の着色層についてΔYが略同一となるように、各色の着色層用樹脂組成物の処方を決定することができれば特に限定されるものではない。
ここで、斜め方向から観察したときに漏れ光が生じるのは、着色層における着色剤の分散性、特に顔料の分散性が関係しているものと思料される。着色剤の分散性が変わると、上記式(1)におけるColor-Y(Cross)が変わり、ΔYも変わる。よって、ΔYを調整するために、着色層における着色剤の分散性を制御することが好ましい。すなわち、所望のΔYを得るために、着色層における着色剤の分散性に寄与し得る着色層用樹脂組成物の組成や調製方法を適宜選択することが好ましい。
着色剤の分散性を制御するために、着色層用樹脂組成物の組成を調整する際には、例えば、着色剤の種類、着色剤の含有量、着色剤の粒径、バインダー樹脂の種類、バインダー樹脂の含有量、分散剤の種類、分散剤の含有量などを変えることで、着色剤の分散性を制御し、ΔYを制御することができる。また、バインダー樹脂の屈折率を変えることで、ΔYを制御することもできる。中でも、着色剤の種類を変えることでΔYを制御することが好ましく、特に、顔料の種類を変えることでΔYを制御することが好ましい。ΔYには着色剤の分散性が関係していることから、着色剤の種類がΔYに大きく寄与すると考えられるからである。例えば、着色剤を1種類用いる場合と2種類用いる場合とでは、着色剤の分散性が異なり、ΔYも異なる。一般的に1色の着色層用樹脂組成物には2種以上の着色剤が用いられており、この2種以上の着色剤の種類によってΔYが増減する。一方、着色剤の種類を変えることが困難である場合には、分散剤の種類を変えることが好ましい。
ΔYは、各色の着色層についてΔYが略同一であればよい。なお、ΔYについては、上記「A.カラーフィルタ」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
D.カラーフィルタの製造方法
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上述の着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法により決定された処方に基づいて、複数色の着色層用樹脂組成物を調製する調製工程と、各色の上記着色層用樹脂組成物を用いて、透明基板上に複数色の着色層を形成する着色層形成工程とを有することを特徴とするものである。
本発明においては、上述の着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法により決定された処方に基づいて、複数色の着色層用樹脂組成物を調製するので、上記式(1)で表される実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一である複数色の着色層を得ることができる。したがって、本発明により製造されたカラーフィルタを用いた表示装置では、黒表示時に斜め方向から観察した場合でも色付きが抑制され良好な表示を行うことが可能である。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
1.調製工程
本発明における調製工程は、上述の着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法により決定された処方に基づいて、複数色の着色層用樹脂組成物を調製する工程である。
着色層用樹脂組成物を調製するに際しては、上述の着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法により決定された処方に基づいて、着色層用樹脂組成物を処方すればよい。
具体的には、上述したような、顔料、バインダー樹脂、分散剤、溶剤等の着色層用樹脂組成物に含まれる各成分を均一に溶解・分散させることができる方法であればよく、着色層用樹脂組成物の調製に一般的に用いられる溶解・分散方法を用いることができる。
なお、着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法については、上記「C.着色層用樹脂組成物セットの処方決定方法」に記載したので、ここでの説明は省略する。
2.着色層形成工程
本発明における着色層形成工程は、各色の上記着色層用樹脂組成物を用いて、透明基板上に複数色の着色層を形成する工程である。
着色層用樹脂組成物としては、例えば、赤色、緑色および青色の3色の着色層用樹脂組成物が用いられる。
なお、透明基板および着色層の形成方法については、上記「A.カラーフィルタ」に記載したので、ここでの説明は省略する。
3.その他の工程
本発明のカラーフィルタの製造方法は、調製工程および着色層形成工程以外に、他の部材を形成する工程を有することができる。例えば、複数色の着色層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程や、透明基板上に画素を画定する遮光部を形成する遮光部形成工程などが挙げられる。
なお、オーバーコート層および遮光部については、上記「A.カラーフィルタ」に記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
(硬化性樹脂組成物の調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、さらに100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、さらにメタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、及びハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に下記の材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物とした。
<硬化性樹脂組成物の組成>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%):16重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399):24重量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70):4重量部
・2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン:4重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル:52重量部
(ブラックマトリクスの形成)
まず、下記分量の成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調製した。
<黒色顔料分散液の組成>
・黒色顔料:23重量部
・高分子分散材(ビックケミー・ジャパン(株) Disperbyk111):2重量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル):75重量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、遮光層用組成物を得た。
<遮光層用組成物の組成>
・上記黒色顔料分散液:61重量部
・上記硬化性樹脂組成物:20重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル:30重量部
そして、厚み1.1mmのガラス基板(旭硝子(株) AN材)上に上記遮光層用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、膜厚約1μmの遮光層を形成した。当該遮光層を、超高圧水銀ランプで遮光パターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、基板を180℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して遮光部を形成すべき領域にブラックマトリクスを形成した。
(着色層の形成)
上記のようにしてブラックマトリクスを形成した基板上に、下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布(塗布厚み1.5μm)し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。次いで、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を180℃の雰囲気下に30分間放置することにより、加熱処理を施して赤色画素を形成すべき領域に赤色のレリーフパターンを形成した。
次に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、緑色画素を形成すべき領域に緑色のレリーフパターンを形成した。
さらに、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、青色画素を形成すべき領域に青色のレリーフパターンを形成し、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からなる着色層を形成した。
<赤色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントレッド177(Chromofine Red 6605、大日精化工業製):10重量部
・BYK161(ビックケミー製):3重量部
・上記硬化性樹脂組成物:5重量部
・酢酸-3-メトキシブチル:82重量部
<緑色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントグリーン36(Fastogen Green 2YK):10重量部
・BYK161(ビックケミー製):3重量部
・上記硬化性樹脂組成物:5重量部
・酢酸-3-メトキシブチル:82重量部
<青色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー15:6(Chromofine Blue5201A、大日精化工業製):10重量部
・BYK161(ビックケミー製):3重量部
・上記硬化性樹脂組成物:5重量部
・酢酸-3-メトキシブチル:82重量部
(オーバーコート層の形成)
上記のようにして着色層を形成した基板上に、上記硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し、乾燥塗膜2μmの塗布膜を形成した。硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いてオーバーコート層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を200℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施してオーバーコート層を形成した。
(スペーサの形成)
上記のようにして着色層およびオーバーコート層を形成した基板上に、上記硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し塗布膜を形成した。硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置して、プロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いてスペーサの形成領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を200℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して、上端部面積が100μm2で3.8μmの固定スペーサを形成した。
以上により、カラーフィルタを作製した。
(液晶表示装置の作製)
上記のようにして得られたカラーフィルタの膜形成表面に、基板温度200℃でアルゴンと酸素を放電ガスとし、DCマグネトロンスパッタリング法によってITOをターゲットとして透明電極膜を形成した。その後、さらに透明電極膜上にポリイミドよりなる配向膜を形成した。次いで、TFTを形成したガラス基板上にTN液晶を必要量滴下し、上記カラーフィルタを重ね合わせ、UV硬化性樹脂をシール材として用い、常温で0.3kgf/cm2の圧力をかけながら400mJ/cm2の照射量で露光することにより接合して、セル組みし、液晶表示装置を得た。
[実施例2]
赤色硬化性樹脂組成物におけるRedの着色剤を下記のとおり変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタおよび液晶表示装置を作製した。
・C.I.ピグメントレッド177(Chromofine Red 6605、大日精化工業製):5重量部
・C.I.ピグメントレッド254(Irgaphor Red BT-CF、Ciba製):5重量部
[実施例3]
緑色硬化性樹脂組成物におけるGreenの着色剤を下記のとおり変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタおよび液晶表示装置を作製した。
・C.I.ピグメントグリーン58(DIC製):9重量部
・C.I.ピグメントイエロー150(Byplast Yellow E-4GN、ランクセス製):1重量部
[実施例4]
青色硬化性樹脂組成物におけるBlueの着色剤を下記のとおり変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタおよび液晶表示装置を作製した。
・C.I.ピグメントブルー15:6(Chromofine Blue5201A、大日精化工業製):9重量部
・C.I.ピグメントバイオレット23(PV Fast Violet RL、クラリアント製):1重量部
[実施例5]
下記組成の黄色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、黄色画素を形成すべき領域に黄色のレリーフパターンを形成し、赤(R)、緑(G)、青(B)、黄(Y)の4色からなる着色層を形成した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタおよび液晶表示装置を作製した。
<黄色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントイエロー150(Byplast Yellow E-4GN、ランクセス製):10重量部
・BYK161(ビックケミー製):3重量部
・上記硬化性樹脂組成物:5重量部
・酢酸-3-メトキシブチル:82重量部
[比較例1]
赤色硬化性樹脂組成物におけるRedの着色剤を下記のとおり変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタおよび液晶表示装置を作製した。
・C.I.ピグメントレッド254(Irgaphor Red BT-CF、Ciba製):10重量部
[比較例2]
黄色硬化性樹脂組成物におけるYellowの着色剤をPY139(Graphtol Yellow H2R、クラリアント製)に変更した以外は、実施例5と同様にしてカラーフィルタおよび液晶表示装置を作製した。
[評価]
斜方表示特性について、黒表示時の正面(0°)と斜方(45°)の色ズレが認識不可の場合を○とし、認識可能な場合を×をした。結果を表1に示す。
Figure 2014059569
1 … カラーフィルタ
2 … 透明基板
3 … 遮光部
4 … 着色層
4R … 赤色着色層
4G … 緑色着色層
4B … 青色着色層
5 … オーバーコート層

Claims (2)

  1. 透明基板と、前記透明基板上に形成された赤色、緑色、青色、および黄色の着色層(リターデーション調整剤を含有するものを除く。)とを有するカラーフィルタであって、
    各色の前記着色層は、下記式(1)で表される実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一であることを特徴とするカラーフィルタ。
    Figure 2014059569
    (ここで、式中、Color-Y(Oblique)は2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度、Color-Y(Cross)は2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差しているときの正面輝度、Pol-Y(Oblique)は2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度、Pol-Y(Cross)は2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差しているときの正面輝度である。)
  2. 透明基板と、前記透明基板上に形成された赤色、緑色、青色、および黄色の着色層(リターデーション調整剤を含有するものを除く。)とを有するカラーフィルタを備える液晶表示装置であって、
    各色の前記着色層は、下記式(1)で表される実測斜方輝度および理論斜方輝度の差ΔYが略同一であることを特徴とする液晶表示装置。
    Figure 2014059569
    (ここで、式中、Color-Y(Oblique)は2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度、Color-Y(Cross)は2枚の偏光板の間に着色層が配置されており2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差しているときの正面輝度、Pol-Y(Oblique)は2枚の偏光板の吸収軸が106°で交差しているときの正面輝度、Pol-Y(Cross)は2枚の偏光板の吸収軸が90°で交差しているときの正面輝度である。)
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