JPWO2007102474A1 - 活性エネルギー線硬化型組成物及びその製造方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、(a)3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、(b)アルカリ可溶性樹脂、及び(c)光重合開始剤以外の3級アミンを含有し、(c)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の合計100質量部に対して0.01〜7.0質量部である。本発明では、(a)成分として、3個以上の(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシル基を有する化合物の酸無水物付加化合物(a−1)を使用することができる。

Description

本発明は、可視光線、紫外線、及び電子線等の活性エネルギー線の照射により硬化する活性エネルギー線硬化型組成物及びその製造方法に関する。
従来、エッチングレジスト、ソルダーレジスト、及びカラーフィルターの着色層を形成するカラーレジスト等で使用されるレジストとして、(メタ)アクリレート系化合物を含有する組成物が多く用いられている。また、組成物の感度の向上及び硬化物の硬度の向上等を目的として、(メタ)アクリロイル基を複数有する多官能(メタ)アクリレート化合物が使用されている。
カラーフィルター用の活性エネルギー線硬化型パターン形成用組成物として、カルボキシル基を有しない多官能(メタ)アクリレート化合物、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤、及び有機溶剤を含む組成物が知られている(特開2000−105456号公報)。
また、カルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレート化合物を含有する感光性組成が提案されている(特開2001−89416号公報及び特開2001−91954号公報)。このカルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレート化合物は、水酸基及び複数の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有多官能(メタ)アクリレート化合物を、カルボン酸無水物等の酸無水物と反応させて得られる。このカルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレート化合物は、アルカリに可溶である。
一方、感光性エレメント及びプリント配線板用の活性エネルギー線硬化型パターン形成用組成物として、エチレン性不飽和基を有する化合物、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤、及びアミン化合物を含有する組成物が知られている(特開2004−294552号公報)。
従来のレジスト等で用いられている多官能(メタ)アクリレート化合物の多くは、アルカリ不溶性である。そのため、現像時に未硬化部(未露光部)の膜残りが発生し、十分な解像度が得られないという問題点がある。
特開2000−105456号公報に開示された組成物は、硬化物の架橋密度及びアルカリ可溶性を向上させるために、アルカリ可溶性樹脂の光硬化性基と酸性官能基の導入割合を増加させている。しかし、この組成物では、導入できる光硬化性基と酸性官能基の量に限界がある。また、この組成物では、組成物の粘度が上昇してしまい、塗工適性が損われてしまうという問題がある。
特開2001−89416号公報及び特開2001−91954号公報に開示された感光性組成物は、カルボキシル基を持たない多官能(メタ)アクリレート化合物を含有する感光性組成物に比べて、アルカリ現像性は向上している。しかし、上記組成物は、アルカリ水溶液に対する溶解性が未だ十分ではなく、現像時に未硬化残渣が発生する。従って、感光性組成物において、より一層のアルカリ現像性の向上が求められている。
特開2004−294552号公報に開示された組成物は、アルカリ可溶性及び密着性を向上させるために、アミンを含有することを特徴とする。しかし、1級又は2級アミンを含有する場合には、エチレン性不飽和基とのマイケル付加反応が室温でも進行するため、レジスト液の保存安定性が低下するという問題がある。また、3級アミンを含有する場合でも、溶剤の選択によってはアルカリ可溶性樹脂が析出するという問題がある。
本発明の目的は、活性エネルギー線を照射により速やかに且つ十分に硬化し、力学的特性等の物性に優れる硬化膜を形成することができ、また、未硬化部分がアルカリ溶解性に優れ、高い解像度で像等の硬化部を形成することができる活性エネルギー線硬化型組成物及びその製造方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、柱状スペーサー、カラーフィルター保護膜、カラーフィルター用着色層等として好適なパターン形成用組成物を提供することである。
本発明は、以下の通りである。
(1)(a)3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、(b)アルカリ可溶性樹脂、及び(c)光重合開始剤以外の3級アミンを含有し、上記(c)成分の含有量は、上記(a)成分及び上記(b)成分の合計100質量部に対して0.01〜7.0質量部である活性エネルギー線硬化型組成物。
(2)上記(a)成分が、3個以上の(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシル基を有する化合物の酸無水物付加化合物(a−1)である上記(1)記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(3)上記(1)又は(2)記載の活性エネルギー線硬化型組成物を含むことを特徴とするパターン形成用組成物。
(4)上記(3)記載のパターン形成用組成物を含む柱状スペーサー用組成物。
(5)上記(3)記載のパターン形成用組成物を含むカラーフィルター保護膜用組成物。
(6)上記(3)記載のパターン形成用組成物を含むカラーフィルター用着色組成物。
(7)3個以上の(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシル基を有する化合物と酸無水物とを、(c)光重合開始剤以外の3級アミン存在下に付加反応させることにより、3個以上の(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシル基を有する化合物の酸無水物付加化合物(a−1)及び上記(c)成分を含む反応混合物を調製する工程と、上記反応混合物と(b)アルカリ可溶性樹脂とを混合する工程と、を有する上記(a−1)成分及び上記(b)成分の合計量を基準として、上記(c)成分を0.01〜7.0質量%含有する活性エネルギー線硬化型組成物の製造方法。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、活性エネルギー線を照射により速やかに且つ十分に硬化して、力学的特性等の物性に優れる硬化膜を形成することができ、また、未硬化部分がアルカリ水溶液による溶解性に優れる。本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、高い解像度で像を形成することができる。本発明のパターン形成用組成物は、アルカリ現像性に優れ、柱状スペーサー、カラーフィルター保護膜、及びカラーフィルター用着色層等として好適な使用できる。本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の製造方法は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を容易に得ることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物(以下、「本発明の組成物」という。)は、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a)(以下、「(a)成分」という。)、アルカリ可溶性樹脂(b)(以下、「(b)成分」という。)、及び光重合開始剤以外の3級アミン(c)(以下、「(c)成分」という。)を含有する。以下、上記(a)成分、上記(b)成分、上記(c)成分、及びその他の成分について説明する。
1.(a)成分
上記(a)成分は、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。上記(a)成分は、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば、種々の化合物が使用できる。上記(a)成分に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は、3個以上であれば特に限定はない。該(メタ)アクリロイル基の数は、4個以上、5個以上、又は6個以上とすることができる。上記(a)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記(a)成分の具体例としては、例えば、ポリオールポリ(メタ)アクリレート及び該ポリオールのアルキレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレート、並びにイソシアヌール酸アルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレートが挙げられる。上記ポリオールポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。また、上記アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
上記(a)成分として、4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。該化合物として具体的には、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、パターン形成性が高いという理由で特に好ましい。
1−2.3個以上の(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシル基を有する化合物の酸無水物付加化合物(a−1)
上記(a)成分としては、前記の具体例以外に、3個以上の(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシル基を有する化合物の酸無水物付加化合物(a−1)(以下、単に「(a−1)成分」という。)が好ましい。該(a−1)成分を用いると、特にパターン形成用組成物として使用した場合に、現像性等の性能に優れる点で好ましい。上記(a−1)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記(a−1)成分としては、例えば、3個以上の(メタ)アクリロイル基及び1個以上のヒドロキシル基を有する化合物(以下「ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレート」という。)と、同一分子内に1個又は2個の酸無水物基を有する化合物(以下、「酸無水物」という。)とを反応させた化合物が挙げられる。
上記(a−1)成分は、3個以上の(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシル基を有する限り、その具体的構造には特に限定はない。上記(メタ)アクリロイル基の数は3個以上、好ましくは4個以上、更に好ましくは4〜8個である。また、上記ヒドロキシル基の数は1個以上、好ましくは1〜3個である。
上記ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレート化合物として具体的には、例えば、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレート化合物としては、ヒドロキシル基を1〜2個有し、(メタ)アクリロイル基を3個以上、特に4〜5個有する化合物が好ましい。該化合物として具体的には、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。該化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。該化合物に酸無水物を反応させて得られる(a−1)成分を用いると、本発明の組成物の硬化物の力学的特性、耐熱性、耐湿性、及び耐薬品性等が良好になるので好ましい。
上記酸無水物としては、例えば、同一分子内に1個又は2個以上の酸無水物基を有する化合物が挙げられる。
上記同一分子内に1個の酸無水物基を有する化合物としては、例えば、無水コハク酸、無水1−ドデセニルコハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラメチレン無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水テトラクロロフタル酸、無水テトラブロモフタル酸、及び無水トリメリット酸等が挙げられる。
上記同一分子内に2個以上の酸無水物基を有する化合物としては、例えば、無水ピロメリット酸、無水フタル酸二量体、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物、及び無水トリメリット酸・エチレングリコールエステル(市販品としては、例えば、新日本理化(株)製、商品名「リカシッドTMEG−100」がある。)等が挙げられる。
上記酸無水物としては、芳香環を有しない化合物が、組成物を加熱処理する場合において高温分解し難いため好ましい。更に、低分子量の化合物、具体的には分子量250以下の化合物が、得られる硬化膜の強度を向上させるため好ましい。該酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。無水コハク酸及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物が、反応性に優れる点からより好ましい。
上記(a−1)成分の製造方法には特に限定はない。上記(a−1)成分の製造方法は、例えば、常法に従って行うことができる。上記製造方法として具体的には、例えば、ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートと、酸無水物とを、酸無水物付加触媒の存在下で反応させる方法等が挙げられる。当該反応の条件についても特に限定はない。通常、当該反応の温度は60〜110℃であり、当該反応の時間1〜20時間である。
上記酸無水物付加触媒としては、例えば、3級アミン及び4級アンモニウム塩が挙げられる。上記酸無水物付加触媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記3級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリドデシルアミン、メチルジブチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリフェニルアミン、トリトリルアミン、トリキシリルアミン、トリビフェニルアミン、トリナフチルアミン、及びトリベンジルアミンが挙げられる。
また、上記4級アンモニウム塩としては、例えば、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、及びセチルトリメチルアンモニウムブロマイドが挙げられる。
2.(b)成分
上記(b)成分は、アルカリ可溶性樹脂である。上記(b)成分は、アルカリ可溶性を有する樹脂であれば、種々の化合物が使用できる。上記(b)成分は、現像処理工程で用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液に対して可溶性を有する。上記(b)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記(b)成分としては、例えば、付加重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂、及びポリエーテル等が挙げられる。上記(b)成分としては、エチレン性不飽和単量体を重合して得られる付加重合体が好ましい。
より具体的には、上記(b)成分としては、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましい。該カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、(1)1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「カルボキシル基含有不飽和単量体」という。)の重合体、及び(2)カルボキシル基含有不飽和単量体と、これと共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「共重合性不飽和単量体」という。)との共重合体(以下、「カルボキシル基含有共重合体」という)が挙げられる。上記カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基含有共重合体がより好ましい。
上記カルボキシル基含有不飽和単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。上記カルボキシル基含有不飽和単量体としては、例えば、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、3価以上の不飽和多価カルボン酸、2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル、並びに両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、及びけい皮酸等が挙げられる。上記不飽和ジカルボン酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、及びメサコン酸等が挙げられる。上記2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステルとしては、例えば、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)及びフタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)等が挙げられる。上記両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。尚、これらのカルボキシル基含有不飽和単量体のうち、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート及びフタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)は、それぞれ「アロニックスM−5300」及び「M−5400」(東亞合成(株))の商品名で市販されている。
上記共重合性不飽和単量体は、上記カルボキシル基含有不飽和単量体と共重合することができる単量体であれば、その種類及び構造に特に限定はない。上記共重合性不飽和単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。上記共重合性不飽和単量体としては、例えば、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸エステル、不飽和イミド、及び末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマーが好ましく挙げられる。
上記芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、2−ビニルベンジルメチルエーテル、3−ビニルベンジルメチルエーテル、4−ビニルベンジルメチルエーテル、2−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3−ビニルベンジルグリシジルエーテル、及び4−ビニルベンジルグリシジルエーテルが挙げられる。
上記不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングルコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、及びグリセロールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記不飽和イミドとしては、例えば、マレイミド、N−フェニルマレイミド、及びN−シクロヘキシルマレイミドが挙げられる。
上記末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマーとしては、重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマーが挙げられる。この場合の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、及びポリシロキサンが挙げられる。
上記共重合性不飽和単量体としては、前記化合物以外にも、例えば、イミド(メタ)アクリレート、不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル、不飽和カルボン酸グリシジルエステル(グリシジル(メタ)アクリレート等)、インデン(インデン及び1−メチルインデン等)、カルボン酸ビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、及び安息香酸ビニル等)、不飽和エーテル(ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、及びアリルグリシジルエーテル等)、シアン化ビニル化合物((メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、及びシアン化ビニリデン等)、不飽和アミド((メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、及びN−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等)、及び脂肪族共役ジエン(1,3−ブタジエン、イソプレン及びクロロプレン等)が挙げられる。
上記イミド(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド)エチル(メタ)アクリレート、及び2−(2,3−ジメチルマレイミド)エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記不飽和カルボン酸アミノアルキルエステルとしては、例えば、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、及び3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステルが挙げられる。
上記カルボキシル基含有共重合体は、上記カルボキシル基含有不飽和単量体と、上記共重合性不飽和単量体とを共重合して得られる重合体であれば、その種類及び構造に特に限定はない。上記カルボキシル基含有共重合体として具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸を含むカルボキシル基含有不飽和単量体成分と、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー、及びポリメチルメタクリレートマクロモノマーの群から選ばれる少なくとも1種との共重合体(以下「カルボキシル基含有共重合体(α)」という。)が好ましい。尚、上記(メタ)アクリル酸を含むカルボキシル基含有不飽和単量体成分は、場合により、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)及びω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートの群から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに含有してもよい。
上記カルボキシル基含有共重合体(α)として具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、及び(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカクロラクトンモノ(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体が挙げられる。
上記カルボキシル基含有共重合体における上記カルボキシル基含有不飽和単量体の共重合割合は、通常5〜50質量%であり、好ましくは10〜40質量%である。上記共重合割合が5質量%未満では、得られる組成物のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する傾向がある。一方、上記共重合割合が50質量%を超えると、アルカリ現像液に対する溶解性が過大となり、アルカリ現像液により現像する際に、スペーサー層及び画素の基板からの脱落、並びにスペーサー表面の膜荒れを来たしやすくなる傾向がある。
上記(b)成分としては、エチレン性不飽和基を側鎖に有するアルカリ可溶性樹脂が、得られる硬化膜の架橋密度を向上させ、塗膜強度、耐熱性、及び耐薬品性が向上させるため好ましい。
上記エチレン性不飽和基を側鎖に有するアルカリ可溶性樹脂として具体的には、例えば、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましい。該樹脂としては、上記カルボキシル基含有共重合体に、エポキシ基を有する不飽和化合物(以下、「エポキシ系不飽和化合物」という。)を付加した樹脂が挙げられる。
上記エポキシ系不飽和化合物としては、例えば、エポキシ基含有(メタ)アクリレート(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート及びシクロヘキセンオキサイド含有(メタ)アクリレート)が挙げられる。
上記付加反応の方法にも特に限定はない。上記付加反応の方法は、常法に従えば良い。上記エチレン性不飽和基を側鎖に有するアルカリ可溶性樹脂は、例えば、有機溶媒中又は無溶剤で、上記カルボキシル基含有共重合体に、上記エポキシ系不飽和化合物を付加することにより製造することができる。付加反応の条件にも特に限定はない。上記付加反応の条件は、各反応に応じて反応温度、反応時間、及び触媒を適宜選択すれば良い。
上記(b)成分の重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、通常、3,000〜300,000、好ましくは5,000〜100,000、更に好ましくは5,000〜50,000、より好ましくは5,000〜30,000である。また、上記(b)成分の数平均分子量(以下、「Mn」という。)は、通常、3,000〜60,000、好ましくは5,000〜25,000、更に好ましくは5,000〜15,000である。尚、上記Mw及びMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定した平均分子量をポリスチレン換算した値を意味する。本発明では、特定のMw及びMnを有する上記(b)成分を使用することによって、現像性に優れた感光性樹脂組成物を得ることができる。それにより、シャープなパターンエッジを有するパターンを形成することができると共に、現像時に未露光部の基板上及び遮光層上に残渣、地汚れ、膜残り等が発生し難くなる。更に、上記(b)成分のMwとMnの比(Mw/Mn)は、通常、1〜5、好ましくは1〜4である。
上記(a)成分及び上記(b)成分の割合には特に限定はない。上記(a)成分及び上記(b)成分の割合は、これらの合計量を基準として好ましくは、上記(a)成分が10〜99質量%及び上記(b)成分が1〜90質量%であり、より好ましくは、上記(a)成分が30〜90質量%及び上記(b)成分が10〜70質量%である。上記(a)成分の割合が10質量%に満たないと、架橋密度が低下するため塗膜強度、耐熱性、耐薬品性が低下する傾向がある。一方、上記(a)成分の割合が99質量%を超えると、現像性やパターンニングが低下することがある。
本発明の組成物中の上記(a)成分及び上記(b)成分の割合にも特に限定はない。本発明の組成物中の上記(a)成分及び上記(b)成分の割合としては、本発明の組成物中、上記(a)成分及び上記(b)成分の合計量として好ましくは10〜50質量%である。上記割合が10質量%に満たないと、プリベーク後の膜厚が薄くなり過ぎることがある。一方、上記割合が50質量%を超えると、組成物の粘度が高くなり過ぎ、塗工性が不良になったり、プリベーク後の膜厚が厚くなり過ぎてしまうことがある。
3.(c)成分
上記(c)成分は、光重合開始剤以外の3級アミンである。本発明では、組成物をパターン形成用組成物として使用した場合、上記(c)成分を含むことにより、組成物の保存安定性を低下させることなく、現像性を向上させる効果を奏する。その理由の詳細は不明である。この理由について、発明者は、各成分を混合した際に、上記(c)成分が上記(b)成分のアルカリ可溶性基と容易に中和反応することによって組成物の親水性が増し、その結果、現像処理工程で用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液が浸透しやすくなり、現像性を向上させると推測している(当該説明は発明者の推測であり、何ら本発明を定義づける記載ではない。)。一方、1級アミンや2級アミンを用いると、本発明の組成物の保存安定性が低下してしまう。
上記(c)成分は、光重合開始剤以外の3級アミンであれば、種々の化合物を使用できる。光重合開始剤の3級アミンとしては、例えば、芳香族基直結の3級アミノ基を有する3級アミン、ヒドロキシアルキル基を有する3級アミン、及びモルホニル基を有する3級アミンが挙げられる。上記(c)成分としては、これらを除く化合物等が挙げられる。
上記(c)成分として具体的には、例えば、(1)トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリドデシルアミン、及びメチルジブチルアミン等のトリアルキルアミン、(2)トリシクロヘキシルアミン等のトリ環状アルキルアミン、(3)N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等のジアルキル−環状アルキルアミン、(4)N,N−ジメチルベンジルアミン等のジアルキル−アリールアルキルアミン、並びに(5)トリベンジルアミン等のトリアリールアルキルアミンが挙げられる。これらの中でも、トリアルキルアミンが好ましく、炭素数2〜4の低級アルキルを有するトリアルキルアミンがより好ましい。
上記(c)成分の組成物中の割合は、上記(a)成分及び上記(b)成分の合計量を基準として0.01〜7.0質量%、好ましくは0.01〜5.0質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜3質量%である。
上記(c)成分の割合が0.01質量%に満たないと、現像性が不足する等の問題が起こる。一方、上記(c)成分の割合が7.0質量%を超えると、上記(b)成分と上記(c)成分との中和反応によって、本発明の組成物に固体が析出したり、特に、本発明の組成物をカラーフィルター用途に用いた場合に、電圧保持率が低下する等の問題が起こる。
上記(c)成分は、通常、本発明の組成物中に別途配合する。しかしながら、上記(a)成分として上記(a−1)成分を使用する場合、上記(a−1)成分は、酸無水物付加触媒として上記(c)成分を使用して製造することができる。この方法で得られた上記(a−1)は、反応混合物中に主成分の上記(a−1)成分の他に、上記(c)成分が残存することがある。本発明では、上記(a−1)成分として、該反応混合物をそのまま使用することができる。この場合、別途上記(c)成分を配合する必要はない。
4.その他の成分
本発明の組成物は、必要に応じて、上記(a)成分、(b)成分、及び(c)成分に加え、その他の成分を配合することができる。該その他の成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。上記その他の成分として具体的には、例えば、光重合開始剤、有機溶剤、不飽和基含有化合物、顔料、顔料分散剤、染料、消泡剤、レベリング剤、無機フィラー、及び有機フィラー等が挙げられる。更に、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、及び重合禁止剤等の1種又は2種以上を少量添加してもよい。以下、光重合開始剤、有機溶剤、及び不飽和基含有化合物について詳細に説明する。
4−1.光重合開始剤
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、可視光線、紫外線、電子線等の活性エネルギー線の照射により硬化する。上記組成物を電子線の照射により硬化させる場合には、重合開始剤は必ずしも必要でない。一方、上記組成物を可視光線及び/又は紫外線の照射により硬化させる場合には、光重合開始剤を含有させることが好ましい。
上記光重合開始剤としては、可視光線及び/又は紫外線を照射したときに、(a)成分又は(a)成分及び後記するその他不飽和基含有化合物を重合又は架橋反応させ得る光重合開始剤のいずれもが使用できる。本発明で使用できる上記光重合開始剤(以下、「(d)成分」という。)としては、例えば、ビイミダゾール系化合物、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、及びケタール系化合物等を挙げることができる。上記光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
ビイミダゾール系化合物の具体例としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、及び2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等を挙げることができる。
上記光重合開始剤としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、水素供与体を併用すると、感度を更に向上させることができるので好ましい。ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。上記水素供与体としては、例えば、メルカプタン系水素供与体及びアミン系水素供与体等が好ましく用いられる。
上記メルカプタン系水素供与体は、ベンゼン環又は複素環を母核とし、該母核に直接結合したメルカプト基を1個以上、好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個有する化合物で構成される。上記メルカプタン系水素供与体として具体的には、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、及び2−メルカプト−2,5−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。これらのメルカプタン系水素供与体のうち、2−メルカプトベンゾチアゾール及び2−メルカプトベンゾオキサゾールが好ましく、特に2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
上記アミン系水素供与体は、ベンゼン環又は複素環を母核とし、該母核に直接結合したアミノ基を1個以上、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個有する化合物で構成される。上記アミン系水素供与体として具体的には、例えば、4、4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノ安息香酸、及び4−ジメチルアミノベンゾニトリル等が挙げられる。
上記水素供与体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。1種以上のメルカプタン系水素供与体と、1種以上のアミン系水素供与体とを組み合わせて使用すると、本発明の組成物を柱状スペーサー形成用等に用いたときに、形成されたスペーサー及び画素が現像時に基板から脱落し難く、しかもスペーサー及び画素の強度及び解像度が高くなるので好ましい。また、メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体とを併用する代わりに、同一分子中にメルカプト基とアミノ基の両方を同時に有する水素供与体も好適に使用できる。
上記ベンゾイン系化合物として具体的には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインi−プロピルエーテル、ベンゾインi−ブチルエーテル、及び2−ベンゾイル安息香酸メチルが挙げられる。
上記アセトフェノン系化合物として具体的には、例えば、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−メチルチオフェニル)−2−メチル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−メチル−2−ヒドロキシプロパン−1−オン、1−(4−モルフォリノフェニル)−2−ベンジル−2−ジメチルアミノブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、及び2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1− オンが挙げられる。
上記ベンゾフェノン系化合物として具体的には、例えば、ベンジルジメチルケトン、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルベンゾフェノン)、及び4,4’−ビス(ジエチルベンゾフェノン)が挙げられる。
上記α−ジケトン系化合物として具体的には、例えば、ジアセチル、ジベンゾイル、及びメチルベンゾイルホルメートが挙げられる。
上記多核キノン系化合物として具体的には、例えば、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、及び1,4−ナフトキノンが挙げられる。
上記キサントン系化合物として具体的には、例えば、キサントン、チオキサントン、及び2−クロロチオキサントンが挙げられる。
上記トリアジン系化合物として具体的には、例えば、1,3,5−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、及び2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンが挙げられる。
上記光重合開始剤の中で、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び1−(4−メチルチオフェニル)−2−メチル−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガキュア907」)、並びに1−(4−モルフォリノフェニル)−2−ベンジル−2−ジメチルアミノブタン−1−オン(チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガキュア369」)は、少量でも、活性エネルギー線(可視光線及び/又は紫外線)の照射により、重合反応を速やかに開始し、促進するので好ましい。
上記光重合開始剤の配合量は、本発明の組成物中の上記光重合開始剤以外の固形分100質量部に対して、0.5〜20質量部であることが好ましい。上記光重合開始剤の配合量が少なすぎると、活性エネルギー線硬化型組成物の光硬化性が不十分となることがある。一方、上記光重合開始剤の配合量が多すぎると、アルカリ現像の際に露光部分が壊れやすくなることがある。特に、光重合開始剤の配合量が5〜15重量部であると精度の高いパターンを形成することができるので、より好ましい。
4−2.有機溶剤
本発明の組成物は、塗工性の改良等の目的で、有機溶剤を含有することができる。該有機溶剤(以下、「(e)成分」という。)は、本発明の組成物中の成分と反応しない溶剤であればよい。沸点が80〜200℃、特に100〜170℃の有機溶剤を用いると、本発明の組成物の塗工性が良好になり、しかも、得られる塗膜の乾燥速度が適度になることから好ましい。上記有機溶剤は、本発明の組成物の固形分濃度が10〜50質量%となる量で使用することが好ましい。上記有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記有機溶剤として具体的には、芳香族炭化水素、脂肪酸エステル、セロソルブ、アルキレングリコールエーテル(プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、アルコール、エーテル(ジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン、ホルムアミド(N,N−ジメチルホルムアミド等)、ラクタム、及びラクトン(γ−ブチロラクトン等)等が挙げられる。上記芳香族炭化水素として具体的には、例えば、トルエン及びキシレン等が挙げられる。上記脂肪酸エステルとして具体的には、例えば、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びエトキシエチルプロピオネート等が挙げられる。上記セロソルブとして具体的には、例えば、エチルセロソルブ及びブチルセロソルブ等が挙げられる。上記アルコールとして具体的には、例えば、エタノール、エチレングリコール、及びジエチレングリコール等が挙げられる。上記ケトンとしては、例えば、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等が挙げられる。上記ラクタムとして具体的には、例えば、γ−ブチロラクタム及びN−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びエトキシエチルプロピオネート等の脂肪酸エステル、並びにジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテルが、塗工性に優れるという理由でより好ましい。
4−3.不飽和基含有化合物
本発明の組成物は、上記(a)成分と共に、必要に応じて、(a)成分以外の不飽和基含有化合物を含有していてもよい。該他の不飽和基含有化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記他の不飽和基含有化合物として具体的には、例えば、(メタ)アクリレート系化合物が挙げられる。該(メタ)アクリレート系化合物として具体的には、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクトン、アクリロイルモルホリン、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)−プロパン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレート、各種ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、及びポリエステルポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明の組成物における上記他の不飽和基含有化合物の含有量は、該組成物の質量(全固形分質量)に基づいて、0〜50質量%が好ましく、0〜30質量%であることがより好ましく、1〜30質量%であることが更に好ましい。
本発明の組成物は、光等の活性エネルギー線を照射することにより、感度が高くて速やかに且つ十分に硬化して、各種の特性に優れる硬化膜を形成することができる。例えば、本発明の組成物は、力学的特性、耐熱性、耐薬品性、及び耐水性等の特性に優れる硬化膜を形成することができる。また、本発明の組成物は、未硬化状態ではアルカリ溶解性に優れている。よって、本発明の組成物は、アルカリ現像時等に未硬化(未露光)残渣が生じにくく、高い解像度で像等の硬化部を形成することができる。
5.用途
本発明の組成物は、種々の用途に使用することができる。本発明の組成物は、例えば、レジスト等のパターン形成用組成物、インキ、及びコーティング材(塗料等)として用いることができる。上記パターン形成用組成物は、通常、アルカリ現像性に優れることが要求される。一方、本発明の組成物は、アルカリ現像性に優れる。また、本発明の組成物は、露光感度が高く現像性に非常に優れ、精密で正確なパターンを形成できる。よって、本発明の組成物は、上記用途のうちでも、パターン形成用組成物として好ましく使用することができる。
本発明の組成物をパターン形成用組成物として用いる場合、該パターン形成用組成物は、光重合開始剤及び有機溶媒を含有していることが好ましい。光重合開始剤及び有機溶媒としては上記した光重合開始剤及び有機溶媒を用いればよい。
本発明の組成物を含むパターン形成用組成物は、例えば、(1)エッチングレジスト及びソルダーレジスト等のレジスト、(2)液晶パネル製造における柱状スペーサー、並びにカラーフィルターにおける画素及びブラックマトリックス等を形成するための着色組成物、並びに(3)カラーフィルター保護膜として有効に用いることができる。上記用途の中でも、本発明の組成物を含むパターン形成用組成物は、液晶パネル製造における、柱状スペーサー、カラーフィルター用着色組成物、及びカラーフィルター保護膜の用途により好ましく使用できる。
本発明の組成物を柱状スペーサー、カラーフィルター用着色組成物、及びカラーフィルター保護膜の形成に使用する場合には、塗工性及び現像性を改良するために、組成物に界面活性剤を添加することもできる。該界面活性剤として具体的には、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のノニオン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が挙げられる。また、必要に応じて、接着助剤、保存安定剤、及び消泡剤等を適宜組成物に含有させてもよい。
以下に、本発明の組成物を柱状スペーサー(以下単に「スペーサー」ということがある)用及び着色組成物として用いる場合について説明する。
5−1.柱状スペーサー
スペーサーは、フォトリソグラフィー法により、活性エネルギー線硬化型組成物を活性エネルギー線で硬化した硬化塗膜で形成される。上記スペーサーは、液晶パネル基板の任意の場所に任意の大きさで形成できる。一般的には、上記スペーサーは、TFT電極上及びカラーフィルターの遮光部であるブラックマトリックス領域に形成することが多い。
上記スペーサーを形成する方法には特に限定はない。上記スペーサーを形成する方法は、常法に従って行えば良い。該方法としては、例えば、本発明の組成物を、ガラス等の基板上に、セルギャップを構成するのに必要な膜厚に塗布した後、加熱(以下、「プリベーク」という。)して塗膜を乾燥させ、次いで、露光及び現像、並びに後加熱(以下、「ポストベーク」という。)工程を経て形成する方法が挙げられる。
本発明の組成物を基板上に塗布する際は、現像及びポストベーク等による膜減り又は変形を考慮して、セルギャップの設計値に対して若干厚めに塗布する。具体的には、プリベーク後の膜厚が好ましくは4〜7μm、特に3〜5μmとなるように、本発明の組成物を基板上に塗布する。塗布方法としては、例えば、印刷法、スプレー法、ロールコート法、バーコート法、カーテンコート法、スピンコート法、及びダイコート法(スリットコート法)が挙げられる。上記塗布方法として一般的には、スピンコート法及びダイコート法が使用される。
上記プリベークは、基板上に本発明の組成物を塗布した後で行う。該プリベークの温度及び時間としては、50〜150℃、特に80〜120℃で3〜15分程度が好ましい。
スペーサーを形成するための所定のパターン形状を有するマスクを介して、上記プリベーク後の塗膜面に、活性エネルギー線を照射する。該活性エネルギー線は、紫外線及び/又は可視光線が好ましく、特に高圧水銀灯やメタルハライドランプ等から得られる波長240nm〜410nmの光がより好ましい。
上記活性エネルギー線(特に光)の照射条件は、活性エネルギー線源(光源)の種類、使用する光重合開始剤の吸収波長、及び塗膜の膜厚等により適宜設定することができる。一般的には、光照射量が50〜600mJ/cmとなるように、上記活性エネルギー線を照射するのが好ましい。上記光照射量が少なすぎると、硬化不良で現像時に露光部分が脱落しやすくなり、一方、光照射量が多すぎると、精細なスペーサーパターンが得られにくくなる。
上記活性エネルギー線の照射後に、硬化膜面を現像処理して未露光部分(未硬化部分)を除去する。現像の方法としては、常法に従えばよく、例えば、硬化膜上に現像液をスプレーする方法及び硬化膜を現像液に浸漬する方法等が挙げられる。上記現像液としては、一般にアルカリ性化合物の水溶液を使用する。該アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。この中で、水酸化カリウム及び炭酸ナトリウムが好ましく用いられる。また、上記現像液中には、現像速度促進のために、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びベンジルアルコール等の水溶性有機溶剤、並びに各種界面活性剤を適当量添加してもよい。
上記現像方法は、液盛り法、ディッピング法、及びスプレー法等のいずれでもよい。現像後に、パターン部分を0.5〜1.5分間水で洗浄し、圧縮空気等で風乾させてスペーサーパターンを得ることができる。
得られたスペーサーパターンをホットプレート及びオーブン等の加熱装置で150〜350℃の温度範囲でポストベークして、液晶パネルスペーサーを形成させることができる。上記ポストベークをすることにより、残留溶剤及び現像時に吸収した水分を揮発させることができ、且つスペーサーの耐熱性を向上させることができる。上記スペーサーの膜厚は、液晶パネルのセルギャップ設定値によって異なるが、概ねポストベーク後に3〜5μmとなるように設計するのがよい。
本発明の組成物を用いて形成されたスペーサーを有する液晶パネル用基板は、室温セル圧着法により貼合わせを行う場合に、正確且つ均一なセルギャップを形成できる。上記液晶パネル用基板は、特にODF法(液晶滴下法)により基板を製造する際の室温セル圧着を行う場合にも、好適に利用できる。
5−2.カラーフィルター用着色組成物
本発明の組成物をカラーフィルター用着色組成物として使用する場合には、更に顔料を配合する。該顔料の種類は特に限定されず、種々の有機顔料及び無機顔料の1種又は2種以上を用いることができる。
上記有機顔料として具体的には、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行)において、ピグメント(Pigment)に分類されている化合物、即ち、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されている有機顔料が挙げられる。該有機顔料としては、例えば、(1)イエロー系ピグメント(C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180、及びC.I.ピグメントイエロー185等)、(2)レッド系ピグメント(C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド254等)、(3)ブルー系ピグメント(C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、及びC.I.ピグメントブルー15:6等)、(4)グリーン系ピグメント(C.I.ピグメントグリーン7及びC.I.ピグメントグリーン36等)、並びに(5)バイオレット系ピグメント(C.I.ピグメントバイオレット23及びC.I.ピグメントバイオレット23:19等)が挙げられる。
また、従来、分散困難であった臭素化率の高いフタロシアニン、例えば、モナストラルグリーン6YC及び9YC(アビシア株式会社製)等の高輝度G顔料、並びに中心金属が銅以外の金属(Mg、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ge、及びSn等)等の異種金属フタロシアン顔料からなる高色純度G顔料を用いることができる。
上記無機顔料として具体的には、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、合成鉄黒、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら[赤色酸化鉄(III)]、カドミウム赤、群青、酸化クロム緑、コバルト緑、及びアンバーが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。ることができる。
また、上記顔料と共に、顔料分散剤を用いることにより、上記顔料を本発明の組成物中に良好に分散させることができる。特に、上記顔料分散剤を用いることにより、液晶表示装置用カラーフィルターに汎用されている各種の顔料の1種又は2種以上を、本発明の組成物中に良好に分散させることができる。該顔料として具体的には、例えば、例えば、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメングリーン36、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントイエロー139、臭素化率の高い上記フタロシアニン顔料、及び上記異種金属フタロシアニン顔料からなる群から選ばれる顔料が挙げられる。
上記顔料分散剤の種類には特に限定はない。上記顔料を本発明の組成物中に分散させることができる顔料分散剤であれば、いずれも使用できる。
上記顔料分散剤として具体的には、例えば、アミン化合物及びヒドロキシ基を有するアミンが挙げられる。上記アミン化合物としては、例えば、ノナノアミド、デカンアミド、ドデカンアミド、N−ドデシルヘキサアミド、N−オクタデシルプロピオアミド、N,N−ジメチルドデカンアミド、N,N−ジヘキシルアセトアミド等のアミド化合物、ジエチルアミン、ジヘプチルアミン、ジブチルヘキサデシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメタンアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、及びトリオクチルアミンが挙げられる。上記ヒドロキシ基を有するアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N,N’,N’−(テトラヒドロキシエチル)−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’−トリ(ヒドロキシエチル)−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’,N’−テトラ(ヒドロキシエチルポリオキシエチレン)−1,2−ジアミノエタン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、及び1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンが挙げられる。上記顔料分散剤としてその他に、ニペコタミド、イソニペコタミド、及びニコチン酸アミド等も使用できる。
上記化合物以外に、上記顔料分散剤として、例えば、ポリアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体、ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分)アンモニウム塩及び(部分)アルキルアミン塩、水酸基含有ポリアクリル酸エステル等の水酸基含有不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体及びそれらの変性物、ポリウレタン、飽和ポリアミド、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアミドリン酸塩、並びにポリ(低級アルキレンイミン)と遊離カルボキシル基含有ポリエステルとの反応により得られるアミド及びそれらの塩を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
更に、上記顔料分散剤として、例えば、(1)ハッコールケミカル社製「シゲノックス−1055」、(2)ビックケミー・ジャパン(株)製「Disperbyk−101」、「同−130」、「同−140」、「同−170]、「同−171」、「同−182」、及び「同−2001」、(3)EFKA CHEMICALS社製の「EFKA−49」、「同−4010」、及び「同−9009」、(4)ゼネカ(株)製の「ソルスパース12000」、「同13240」、「同13940」、「同17000」、「同20000」、「同24000GR」、「同24000SC」、「同27000」、「同28000」、及び「同33500」、並びに(5)味の素(株)製の「PB821」、「PB822」も使用できる。
上記顔料分散剤は、通常、顔料100質量部に対して10〜90質量部、特に20〜80質量部の割合で使用することが好ましい。
上記着色組成物には、更に必要に応じて、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング剤)、及びその他の成分の1種又は2種以上を配合してもよい。
上記着色組成物は、上記(a)成分、上記(b)成分、上記(c)成分、顔料、顔料分散剤、及び必要に応じてその他の成分を、有機溶剤に直接添加し、分散させることによって製造することができる。上記各成分の分散は、公知の分散機を用いて行うことができる。また、上記着色組成物の製造方法としては、予め顔料分散液を調製し、それを上記(a)成分、上記(b)成分、及び上記(c)成分等と混合する方法が好ましい。この方法によれば、上記顔料を組成物中に良好に分散させることができるので好ましい。
上記着色組成物の好ましい製造方法としては、(1)上記顔料及び上記顔料分散剤と有機溶剤とを混合して顔料分散液を予め調製し、(2)上記顔料分散液とは別に、上記(a)成分、上記(c)成分、及び必要に応じて他の成分と有機溶剤と混合して(a)成分含有液を調製し、(3)上記顔料分散液及び上記(a)成分含有液のいずれか一方又は両方に(b)成分を含有させ、(4)その後、上記顔料分散液と上記(a)成分含有液とを混合し、必要に応じて更に分散処理を行う方法が挙げられる。この方法によれば、顔料分散性に優れた着色組成物を得ることができる。また、この方法によれば、顔料分散液を調製するための有機溶剤と、上記(a)成分含有液を調製するための有機溶剤とを別々に選択できる。その結果、溶剤選択の幅も広がる。
上記顔料分散液を予め調製しないで着色組成物を製造する方法としては、例えば、有機溶剤に先ず、上記顔料、上記顔料分散剤、及び必要に応じて(b)成分を投入して充分に混合、攪拌して顔料を分散させた後、上記(a)成分等残りの成分を混合する方法が挙げられる。この方法によれば、上記顔料の分散工程で、その他の配合成分によって上記顔料の分散性が阻害されずに済むだけでなく、上記顔料の分散安定性にも優れる。
上記のようにして得られた着色組成物を支持体に塗布して塗膜を形成し、乾燥させる。乾燥後の該塗膜に、光線等の活性エネルギー線を所定のパターン状に照射することにより、該塗膜の一部を選択的に硬化させる。次いで、アルカリ現像液で現像した後、ポストベークを行い、更に熱硬化することにより、所定パターンの着色塗膜が得られる。
上記着色組成物の硬化に用いる活性エネルギー線は、紫外線及び/又は可視光線が好ましく、高圧水銀灯又はメタルハライドランプから発射される波長240nm〜410nmの光がより好ましい。硬化に必要な照射エネルギーは、一般に10〜500mJ/cm程度である。露光工程では、塗膜の表面にレーザー光を照射するか、又はマスクを介して光線を照射することによって、塗膜の所定位置を選択的に露光させ、硬化させることができる。
得られた着色パターンをホットプレート及びオーブン等の加熱装置で150〜350℃の温度範囲でポストベークして、着色層を形成させる。上記着色パターンをポストベークすることにより、残留溶剤及び現像時に吸収した水分を揮発させることができ、且つ画素の耐熱性を向上させることができる。上記着色層の膜厚は、液晶パネルの設定値によって異なるが、概ねポストベーク後に1〜2μmとなるように設計するのが良い。
塗膜中の硬化した部分は、マトリックス中に、顔料が均一に分散された構造を有している。上記マトリックスは、多官能(メタ)アクリレートである上記(a)成分が光硬化反応及び熱硬化反応して形成された架橋結合のネットワークによって形成されている。
本発明の組成物を含む着色組成物は、硬化性に優れ、架橋密度が上がって内部まで均一によく固まる。よって、該着色組成物を用いると、現像時に逆テーパーになり難く、順テーパー状でエッジがシャープで且つ表面平滑性が良好なパターンが形成される。また、該着色組成物は、硬化時に内部までよく固まった架橋密度の高いマトリックス内に不純物が閉じ込められ、該不純物が液晶層に溶出し難い。よって、該着色組成物を用いると、電気信頼性が高い着色硬化膜が得られる。特に、該着色組成物を用いて液晶パネルの着色層を作製すると、表示部の電圧を安定して保持することが可能であり、電気信頼性が高い。更に、該着色組成物は、高濃度の顔料を微細且つ均一に分散させることができ、着色性が高い。よって、該着色組成物を用いると、薄くても着色濃度の大きい着色パターンを形成することができ、色再現域が広い。
本発明の組成物を含む着色組成物は、種々の着色塗膜を形成するのに利用できる。特に、カラーフィルターの細部を構成する着色層、即ち、画素及びブラックマトリックス等を形成するのに適している。
本発明の組成物を得る方法には特に限定ない。本発明の組成物は、種々の方法で製造できる。例えば、本発明の組成物は、上記(a)〜(c)成分、及び必要に応じてその他の成分を、攪拌・混合して製造できる。本発明の組成物の好ましい製造方法としては、例えば、3個以上の(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシル基を有する化合物と酸無水物とを、(c)光重合開始剤以外の3級アミン存在下に付加反応させることにより、3個以上の(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシル基を有する化合物の酸無水物付加化合物(a−1)及び上記(c)成分を含む反応混合物を調製する工程と、上記反応混合物と(b)アルカリ可溶性樹脂とを混合する工程と、を有する方法が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。尚、以下の説明で、「部」とは「質量部」を意味し、「%」とは「質量%」を意味する。
<製造例1>[化合物(a2)の製造]
攪拌装置、温度計、及び水冷コンデンサーを備えた500mlのガラス製フラスコを使用した。このガラス製フラスコに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートをほぼ30:70の質量比で含むアクリレート混合物(水酸基価36mgKOH/g;以下、「化合物(a1)」という)250g、無水コハク酸16g、並びにメトキノン0.13gを入れ、85℃に昇温した。次いで、上記ガラス製フラスコに、触媒のトリエチルアミン(以下、「TEA」という)2.7gを投入した。その後、酸素/窒素の混合雰囲気下(酸素:窒素=5:95の容量比)で、80℃で4時間反応を行って、反応液(以下、「反応液(A)」という)を得た。
この反応液(A)は、粘度が12,800mPa・s/25℃、酸価が34mgKOH/gであった。この反応液(A)は、付加反応生成物(以下、「化合物(a2)」という)を主成分とし、TEAを1.0%含んでいた。
<製造例2>[化合物(a2)の製造]
(1)製造例1で得られた上記反応液(A)100gに対して、トルエン100g/水100gを加えて混合液を調製した。次いで、該混合液を分液漏斗に移した。その後、該混合液をよく混合して、TEAを水層中に抽出した。
(2)上記(1)の混合液を静置して、トルエン層と水層に層分離させた。その後、水層を分離回収した。
(3)上記(2)で得られたトルエン層に、再度水100gを加えて混合して、水層を分離回収した。
(4)上記(3)で得られたトルエン層を回収した。次いで、1mmHg減圧下、80℃に加熱してトルエンを留去し、化合物(a2)99.5gを得た。
(5)得られた化合物(a2)中のトルエン及びTEAの含有量が検出下限以下であることを、それぞれガスクロマトグラフィー及び微量窒素分析により確認した。この化合物(a2)を、比較例2及び比較例5の(a)成分として用いた。
<製造例3>[アルカリ可溶性樹脂(b1)の製造]
(1)攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコを使用した。このセパラブルフラスコに、メタクリル酸メチルを52.9部、ベンジルメタクリレート22.5部、アクリル酸24.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート((株)クラレ製「PGM−AC」、以下、「PGM−AC」という)230部、及びジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)11.0部の割合で投入し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で4.5時間攪拌し、更に110℃で1時間反応させた。
(2)上記(1)で得られた溶液に、グリシジルメタクリレート26.25部、PGM−Ac22.5部、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.2部の割合で投入した。その後、100℃で5時間攪拌し、アルカリ可溶性樹脂(b1)を含む反応液B(固形分濃度31.5%)を得た。
このアルカリ可溶性樹脂(b1)の重量平均分子量(Mw)は7,400で、酸価は76mgKOH/g(固形分換算)であった。
<実施例1〜2及び比較例1〜3>(柱状スペーサー又は保護膜用組成物)
(1)化合物(a1)、製造例1で得られた反応液(A)、製造例2で得られた化合物(a2)、製造例3で得られたアルカリ可溶性樹脂(b1)を含む反応液B、TEA、光重合開始剤の2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガキュア907」、以下、「Irg907」という)、及びPGM−ACを、下記の表1示す量(部)で、室温下で混合して、柱状スペーサー用又は保護膜用の組成物を調製した。
(2)上記(1)で調製した上記組成物について、そのアルカリ現像性、残渣、及び弾性変形率を下記の方法で評価した。その結果を表1に示す。表1には、(a)〜(e)成分の最終組成を併せて記載した。
(I)アルカリ現像性:
10cm角のクロムマスクガラス基板上に、下記の表1に記載した組成物をスピンコーターにより塗布した。この塗布膜を100℃のホットプレートで3分間乾燥させ、乾燥膜厚5μmの塗布膜を形成した。得られた塗布膜を、液温23℃の0.05%水酸化カリウム水溶液でスプレー現像して、塗布膜が完全に溶解するまでの時間(秒)を測定した。
(II)残渣:
上記(I)の評価後の基板表面の溶け残りを目視により観察した。溶け残りの有無は、下記基準で評価した。
○:溶け残りが全くなく、良好。
△:溶け残りがわずかにあり、やや不良。
×:溶け残りが非常に多く、不良。
(III)弾性変形率:
10cm角のクロムマスクガラス基板上に、上記(1)で調製した組成物をスピンコーターにより塗布した。この塗布膜を100℃のホットプレートで3分間乾燥させ、乾燥膜厚5μmの塗布膜を形成した。この塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置して超高圧水銀灯によって200mJ/cmの強度(365nm照度換算)で紫外線を照射した。次いで、得られた塗布膜を、液温23℃の0.05%水酸化カリウム水溶液で60秒間スプレー現像し、塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を230℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して、高さ4μm、径15μmの柱状スペーサーを形成した。
平面圧子(100μm×100μmの平面を形成した圧子)を装着した超微小硬度計((株)フィッシャーインストルメンツ製「H−100C」)を使用し、最大圧縮荷重が20mNとなる条件で、得られた柱状スペーサーの23℃での弾性変形量及び総変形量を測定した。該柱状スペーサーの室温における弾性変形率(%)を、〔(弾性変形量/総変形量)×100〕として算出した。
Figure 2007102474
表1より、実施例1及び実施例2の組成物は、(c)成分であるTEAを含有することによって、アルカリ現像性(アルカリ溶解性)に優れ、未露光部(未硬化部)が残渣として基板上に残らなかった。また、(c)成分の有無によって、弾性変形率は大きく変化しなかった(実施例1と比較例1)。
一方、比較例1及び比較例2の組成物は、(c)成分を含有していないために、組成物がアルカリ現像性(アルカリ溶解性)に劣り、未露光部(未硬化部)が残渣として基板上に残っていた。比較例3の組成物は、(c)成分の割合が(a)成分と(b)成分の合計量に対して7.0%を超えるために、(b)成分が溶剤中に析出し、評価できなかった。
<実施例3〜4及び比較例4〜6>[着色組成物]
(1)顔料(C.I.ピグメントレッド177)20部、顔料分散剤(Disperbyk−2001(固形分46%、主溶剤:メトキシプロピルアセテート、メトキシプロパノール、及びブチルセロソルブ)17.4部、及びPGM−AC62.6部を混合して、顔料分散液を調製した。
(2)化合物(a1)、製造例1で得られた反応液(A)、製造例2で得られた化合物(a2)、製造例3で得られたアルカリ可溶性樹脂(b1)を含む反応液B、TEA、Irg907、及びPGM−ACを、下記の表2に示す量(部)で、室温下で混合して、混合液を調製した(但し、上記(1)とこの(2)で用いたPGM−ACの合計量は、表2に示すように、221部である。]を調製した。
(3)上記(1)で調製した顔料分散液と上記(2)で調製した混合液を、下記の表2に示す量(質量部)で、室温下に混合し、着色組成物用の光硬化性樹脂組成物を調製した。
(4)上記(3)で調製した上記組成物について、そのアルカリ現像性及び残渣を下記の方法で評価した。その結果を表2に示す。表2には、(a)〜(e)成分の最終組成を併せて記載した。
(I)アルカリ現像性:
実施例1〜2の現像性試験において、乾燥膜厚を2μmにする以外は、同様の方法で試験を行った。得られた塗膜を液温23℃の0.05%水酸化カリウム水溶液でスプレー現像して、完全に溶解するまでの時間(秒)を測定した。
(II)残渣:
上記(I)の評価後の基板表面を、エタノールを含ませた綿棒で10回拭き取り、綿棒の着色の有無を調べた。残渣の有無は、下記基準で評価した。
○:綿棒が全く着色しない。
△:綿棒がかすかに着色する。
×:綿棒が着色する。
Figure 2007102474
表2より、実施例3及び実施例4の組成物は、(c)成分であるTEAを含有することによって、アルカリ現像性(アルカリ溶解性)に優れていて、未露光部(未硬化部)が残渣として基板上に残らなかった。
一方、比較例4及び比較例5の組成物は、(c)成分を含有していないために、組成物がアルカリ現像性(アルカリ溶解性)に劣り、未露光部(未硬化部)が残渣として基板上に残っていた。比較例6の組成物は、(c)成分の割合が(a)成分と(b)成分の合計量に対して7.0%を超えるために、(b)成分が溶剤中に析出し、評価できなかった。
本発明の組成物は、例えば、インキ、塗料、及びパターン形成用組成物として有効に使用できる。また、本発明の組成物は、その優れたアルカリ現像性により、例えば、柱状スペーサー、カラーフィルター保護膜、及びカラーフィルター用着色層等を形成するためのパターン形成用組成物として好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. (a)3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、
    (b)アルカリ可溶性樹脂、及び
    (c)光重合開始剤以外の3級アミンを含有し、
    上記(c)成分の含有量は、上記(a)成分及び上記(b)成分の合計100質量部に対して0.01〜7.0質量部である活性エネルギー線硬化型組成物。
  2. 上記(a)成分が、3個以上の(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシル基を有する化合物の酸無水物付加化合物(a−1)である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  3. 請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化型組成物を含むことを特徴とするパターン形成用組成物。
  4. 請求項3記載のパターン形成用組成物を含む柱状スペーサー用組成物。
  5. 請求項3記載のパターン形成用組成物を含むカラーフィルター保護膜用組成物。
  6. 請求項3記載のパターン形成用組成物を含むカラーフィルター用着色組成物。
  7. 3個以上の(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシル基を有する化合物と酸無水物とを、(c)光重合開始剤以外の3級アミン存在下に付加反応させることにより、3個以上の(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシル基を有する化合物の酸無水物付加化合物(a−1)及び上記(c)成分を含む反応混合物を調製する工程と、
    上記反応混合物と(b)アルカリ可溶性樹脂とを混合する工程と、
    を有する上記(a−1)成分及び上記(b)成分の合計量を基準として、上記(c)成分を0.01〜7.0質量%含有する活性エネルギー線硬化型組成物の製造方法。
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