JP2005187496A - アルミ接着用接着剤及びそれを用いた接着性フィルム - Google Patents

アルミ接着用接着剤及びそれを用いた接着性フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 アルミ材と安定した高い接着強度が得られ、凝集破壊性に優れることにより剥離後のアルミ材表面に均一かつ強接着性であることを示す接着痕を残すことを可能とするアルミ接着用接着剤であり、優れた非光沢性によりアルミ接着用接着剤面と非接着樹脂面の目視判別を可能とする表裏判別性に優れることを特徴とするアルミ接着用接着剤を用いた接着性フィルムを提供する。
【解決手段】 特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対し、特定の不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体樹脂(B)1〜50重量部、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であるスチレン系重合体(C)5〜50重量部からなるアルミ接着用接着剤を用いる。
【選択図】 選択図なし。

Description

本発明は、アルミ複合鋼鈑を製造するにあたり、アルミ材を熱可塑性樹脂等と積層するために使用されるアルミ接着用接着剤に関するものである。更に詳しくはアルミ材との安定した高い接着強度が得られ、凝集破壊性に優れることにより剥離後のアルミ材表面に均一かつ強接着性であることを示す接着痕を残すことを可能とするアルミ接着用接着剤である。また、優れた非光沢性により共押出フィルムに用いた場合、接着樹脂面と非接着樹脂面の表裏判別性に優れることを特徴とするアルミ接着用接着剤及びそれを用いた接着性フィルムに関するものである。
アルミ複合鋼鈑は、建築物内壁材や建築物外壁材等の建築材料用途の構造物として国内外を問わず幅広く使用されている。アルミ複合鋼鈑は、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を芯材とし、数ミリ程度の適度な膜厚のアルミ材を表面に被覆することにより、安価、かつ軽量であり、さまざまな環境下において数十年にわたる長期間の使用に耐えうるなどの優れた特徴を有している。アルミ複合鋼鈑の製造方法は、アルミ材単体のみではポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂芯材と接着しないため、アルミ材とポリオレフィン樹脂芯材との中間にアルミ接着用接着剤を押出ラミネート法を用いて積層する方法、アルミ材とポリオレフィン樹脂芯材の中間に予め接着性フィルムとしたアルミ接着用接着剤を挟み加熱ロール等を用いて積層する方法などがある。アルミ接着用接着剤としては、オレフィン系重合体に不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフト共重合化した不飽和カルボン酸、並びにその無水物変性オレフィン系重合体単独又はオレフィン系重合体等との多成分系混合物(例えば特許文献1参照。)、ポリオレフィン−無水マレイン酸−メタクリル酸メチル共重合体等の多元系共重合体(例えば特許文献2参照。)等が使用されている。
アルミ接着用接着剤を用いて製造したアルミ複合鋼鈑は、貼り合わせ工程において全面が均一に接着しているかどうかの工程検査は、接着強度測定のみでは難しく、また、剥離後の剥離面の目視確認では界面剥離状態であるために接着の均一性を確認することは難しかった。また、アルミ複合鋼鈑となった後に、アルミ材がポリオレフィン樹脂芯材から剥離するという不具合が発生した場合に、原因がアルミ複合鋼鈑の製造時の機械的不備によるものか、アルミ接着用接着剤の不良によるものかの判断が難しいという問題点があった。また、コストダウン等を目的に片側の表面層にアルミ接着用接着剤を用いて、他の一方の表面層をポリエチレン樹脂とした共押出フィルムを製造して使用する場合に、アルミ接着用接着剤面とポリエチレン樹脂面の両表面層の表面状態が類似しているために、共押出フィルムのアルミ接着用接着剤面を間違えて使用したことによる接着不良問題が多数発生していた。市場では、安定した高い接着強度を有し、剥離後のアルミ材表面に均一かつ強接着性であることを示す接着痕を残すことを可能とするアルミ接着用接着剤が切望されてきた。また、アルミ接着用接着剤層が目視にて判別できる表裏判別性にすぐれた接着性フィルムも切望されていた。
特開平4−288383号公報
特開昭61−138679号公報
しかし、上記のいずれのアルミ接着用接着剤も、アルミ材に対する接着強度が十分でなく、剥離後のアルミ材表面に接着痕を残すことができないことより市場の要求を満足するものではなかった。
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、アルミ材と安定した高い接着強度が得られ、凝集破壊性に優れることにより剥離後のアルミ材表面に均一かつ強接着性であることを示す接着痕を残すことを可能とするアルミ接着用接着剤である。また、優れた非光沢性によりアルミ接着用接着剤面と非接着樹脂面の目視判別を可能とする表裏判別性に優れることを特徴とするアルミ接着用接着剤を用いた接着性フィルムを提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討した結果、特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体と特定の不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体樹脂、及び特定のスチレン系重合体からなるアルミ接着用接着剤が、アルミ材との安定した高い接着強度が得られ、凝集破壊性に優れることにより剥離後のアルミ材表面に均一かつ強接着性であることを示す接着痕を残すことを可能とすることを見出した。また、その優れた非光沢性より、アルミ接着用接着剤面と非接着樹脂面の目視判別を可能とする表裏判別性に優れることを特徴とするアルミ接着用接着剤を用いた接着性フィルムを製造しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、JIS K6924−1(1997年)で測定した酢酸ビニル含有率が3〜20重量%の範囲であり、JIS K6924−1(1997年)で測定したメルトマスフローレイトが0.1〜20g/10分の範囲であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対し、JIS K6922−1(1997年)で測定した密度が880〜970kg/mの範囲であり、JIS K6922−1(1997年)で測定したメルトマスフローレイトが0.01〜20g/10分の範囲である不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体樹脂(B)1〜50重量部、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であるスチレン系重合体(C)5〜50重量部からなるアルミ接着用接着剤及びそれを用いた接着性フィルム、を要旨とするものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のアルミ接着用接着剤は、JIS K6924−1(1997年)で測定した酢酸ビニル含有率が3〜20重量%の範囲であり、JIS K6924−1(1997年)で測定したメルトマスフローレイトが0.1〜20g/10分の範囲であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対し、JIS K6922−1(1997年)で測定した密度が880〜970kg/mの範囲であり、JIS K6922−1(1997年)で測定したメルトマスフローレイトが0.01〜20g/10分の範囲である不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体樹脂(B)1〜50重量部、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であるスチレン系重合体(C)5〜50重量部からなる接着剤である。
本発明のアルミ接着用接着剤を構成するエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、公知の製造方法により得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)であって、押出特性に優れたものとなることから、JIS K 6924−1(1997年)に準拠して温度190℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレートが0.1〜20g/10分の範囲にあるものであり、特に0.5〜10g/10分であることが好ましい。メルトマスフローレートが0.1g/10分未満の場合は押出負荷が大きくなるために好ましくなく、メルトマスフローレートが20g/10分を超える場合は成形安定性が悪くなるために好ましくない。また、成形加工性及び接着性能に優れたものとなることから、JIS K 6924−1(1997年)に準拠し測定した酢酸ビニル含有率が3〜20重量%の範囲にあるものであり、特に5〜15重量%であることが好ましい。酢酸ビニル含有率が3重量%未満の場合接着強度が小さくなるため好ましくなく、酢酸ビニル含有率が20重量%を超える場合は成形安定性が悪くなるために好ましくない。
本発明のアルミ接着用接着剤を構成する不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体(B)は、不飽和カルボン酸単位又はその無水物単位により変性されたエチレン系重合体であり、その範疇に属するものであれば如何なるものでもよく、例えば不飽和カルボン酸又はその無水物をラジカル開始剤の存在下にエチレン系重合体とグラフト反応する方法、不飽和カルボン酸又はその無水物とエチレンとを共重合する方法、等により得ることができ、その中でも、より経済的及び容易に不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体が得られることから、不飽和カルボン酸又はその無水物をラジカル開始剤の存在下にエチレン系重合体とグラフト反応する方法が好ましい。そして、不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体を得る際には、特に経済的に、かつ容易に得られると共に得られる不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体中における不飽和カルボン酸又はその無水物のグラフト化が均一になり、接着性とフィルム化した際のフィルム外観に特に優れる不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体が得られることから、不飽和カルボン酸又はその無水物をラジカル開始剤の存在下にエチレン系重合体とグラフト反応する際に、滑剤を添加する方法とすることが好ましい。
該不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体(B)を誘導するエチレン系重合体としては、一般的にエチレン系重合体と称される範疇のものであれば如何なるものでもよく、例えばエチレン単独重合体、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンからなるエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合体等があげられ、より具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等の直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体又は直鎖状高密度エチレン−α−オレフィン共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−アクリル酸共重合体;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸−アクリル酸メチル共重合体等のエチレン−アクリル酸エステル共重合体;エチレン−メタクリル酸共重合体;エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−メタクリル酸エステル共重合体;エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体等のエチレン系ゴム等が挙げられる。これらの中でもエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体が、特に接着強度に優れる不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体となることから特に好ましい。更に、接着強度に優れる不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体となることからメタロセン触媒により重合されたエチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体であることあることが好ましい。
該メタロセン触媒としては、メタロセン化合物[成分(a)]と下記一般式(1)
AlR (1)
(式中、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基である。)
で表される有機アルミニウム化合物[成分(b)]からなる触媒、さらに水を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(2)
Figure 2005187496
および/または下記一般式(3)
Figure 2005187496
(式中、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、pは2〜50の整数である。)
で表されるアルミノキサン[成分(c)]からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(4)
[R y−1H][MAr] (4)
(式中、[R y−1H]はカチオンであり、Mは周期表の15族または16族から選ばれる元素であり、Rは炭素数1〜30の炭化水素基であり、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、yはMが15族元素の時y=3であり、Mが16族元素の時y=2であり、[MAr]はアニオンであり、Mはホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるプロトン酸塩[成分(d)]、
下記一般式(5)
[C][MAr] (5)
(式中、Cはカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオンであり、Mはホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるルイス酸塩[成分(e)]または下記一般式(6)
[M ][MAr] (6)
(式中、Mは周期表の1族、8族、9族、10族または11族の金属の陽イオンであり、Lはルイス塩基またはシクロペンタジエニル基であり、zは0≦z≦2であり、Mはホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表される金属塩[成分(f)]から選ばれる塩からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(7)
Ar (7)
(式中、Mはホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるルイス酸[成分(g)]からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、
成分(a)と成分(g)と成分(d)、成分(e)、成分(f)から選ばれる塩からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、
成分(a)と粘土鉱物[成分(h)]からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒、特開平7−224106号公報、特開平9−59310号公報、特開平10−231312号公報、特開平10−231313号公報等に例示される成分(a)と有機化合物で処理された粘土鉱物[成分(i)]からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明のアルミ接着用接着剤を構成する不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体(B)を誘導する不飽和カルボン酸又はその無水物及びそれらの誘導体としては、エチレン系重合体を不飽和カルボン酸又はその無水物変性する事が可能である不飽和カルボン酸又はその無水物であればよく、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ(2,2,1)ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ(2,2,1)ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物等の酸無水物を挙げることができる。加えて、それら不飽和カルボン酸又はその無水物の誘導体(例えばハライド、アミド、イミド、エステル等)をも用いることができ、例えば塩化マレニル、マレニルイミド、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ(2,2,1)ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメチル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸アミノプロピル、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピルなどを挙げることができる。これらの中でも、特に金属との接着強度に優れる不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体となることからアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが特に好ましい。
該不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体(B)は、成形加工性に優れたものとなることから、JIS K 6922−1(1997年)に準拠して温度190℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレートが0.01〜20g/10分の範囲にあるものであり、特に0.2〜10g/10分であることが好ましい。メルトマスフローレートが0.01g/10分未満の場合は押出負荷が大きくなるために好ましくなく、メルトマスフローレートが20g/10分を超える場合は成形安定性が悪く接着強度が小さいために好ましくない。
加えて、該不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体(B)は、ブロッキング性と接着強度に優れたものとなることから、JIS K 6922−1(1997年)に準拠して測定した密度が880〜970kg/mの範囲にあるものであり、特に900〜930kg/mであることが好ましい。密度が880kg/m未満の場合は自己粘着が増してブロッキングが起こるので好ましくなく、密度が970kg/mを超える場合は接着強度が劣る為に好ましくない。
本発明のアルミ接着用接着剤では、不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体(B)は接着強度に優れたものとなることから、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対し、1〜50重量部の範囲にあるものであり、特に3〜20重量部であることが好ましい。1重量部未満の場合は接着強度が不十分であり、50重量部を超える場合は押出負荷が大きく、又、原料価格が高くなる為に好ましくない。
本発明のアルミ接着用接着剤を構成するスチレン系重合体(C)は、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である。これらのスチレン系重合体は公知の方法により得られたポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)であり、不透明性と非光沢性に優れ、かつエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体(B)からなるマトリックスへの均一分散性に優れることより、ポリスチレン(GPPS)及び耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を用いる場合は、JIS K7210(1997年)(温度200℃、荷重49.03N)に準拠して測定したメルトマスフローレートが0.1〜30g/10分であることが好ましく、特に2〜20g/分であることが好ましい。アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)を用いる場合は、JIS K7120(1997年)(温度220℃、荷重98N)に準拠して測定したメルトマスフローレートが1〜70g/10分であることが好ましく、特に10〜50g/10分であることが好ましい。
該スチレン系重合体(C)は、接着強度、凝集破壊性、及び非光沢性に優れたものとなることから、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対し、5〜50重量部の範囲にあるものであり、特に10〜30重量部であることが好ましい。5重量部未満の場合は、接着強度、凝集破壊性、非光沢性が不十分であり、50重量部を超える場合は、接着強度の低下、成形加工時にメヤニによるスジが発生するために好ましくない。
また、該スチレン系重合体(C)は、凝集破壊性と非光沢性に優れる為に、マトリックス中に分散径0.1〜10μmの範囲で分散していることが好ましい。スチレン系重合体(C)の分散径が0.1μm未満の場合は凝集破壊性と非光沢性が不十分であり好ましくなく、スチレン系重合体(C)の分散径が10μmを超える場合は凝集破壊性が不十分となり好ましくない。
本発明のアルミ接着用接着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂やゴム、及び光安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、流動性改良剤、離型剤、難燃剤、着色剤、無機系中和剤、塩酸吸収剤、充填剤等を添加することもできる。
本発明のアルミ接着用接着剤の製造方法には、公知の方法、例えば、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合する方法、更に混合後、単軸押出機、2軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等で溶融混錬後、造粒あるいは粉砕する方法等が挙げられ、溶融混練の際の成形加工温度は160〜220℃の範囲であることが好ましい。
本発明のアルミ接着用接着剤は、押出ラミネート成形を用いてアルミ材と熱可塑性樹脂を貼合する方法、及び予め接着性フィルムを成形し、その接着性フィルムを用いてアルミ材と熱可塑性樹脂を貼合する方法に用いることができる。
本発明に用いられる押出ラミネート成形方法としては、特に限定されるものではないが、公知の方法、例えば、ポリオレフィン用押出ラミネーション成形機を用いて成形加工することができる。成形機は単層、又は2〜7層の多層の樹脂を押出すことができる構造であり、アルミ接着用接着剤の成形加工温度としては150℃〜250℃の範囲であることが好ましい。
本発明のアルミ接着用接着剤を用いた接着性フィルムの成形方法としては、特に限定されるものではないが、公知の方法、例えば、ポリオレフィン用空冷インフレーション成形機、水冷インフレーション成形機、キャスト成形機などを用いて成形加工することができる。成形機は単層、又は2〜7層の多層フィルムが得られる構造であり、接着性フィルムの成形加工温度は120℃〜250℃の範囲であることが好ましい。得られた単層フィルムは不透明であり、非光沢性を有するために、一般のポリエチレン樹脂を使用したフィルムと目視にて区別できる。得られた多層フィルムは、アルミ接着用接着剤層が非光沢性であることより他方のポリエチレン層表面と目視にて判別可能である。また、単層フィルムと多層フィルムは特定のスチレン系重合体を使用しているためフィルム表面のベタツキも少なくブロッキング性に優れる。
本発明のアルミ接着用接着剤層の厚みは、特に限定するものではないが、接着強度に優れることから5〜100μmであることが好ましい。
本発明のアルミ接着用接着剤はアルミ材との安定した高い接着強度が得られ、凝集破壊性に優れることにより剥離後のアルミ材表面に均一かつ強接着性であることを示す接着痕を残すことを可能である。また、その優れた非光沢性より、アルミ接着用接着剤面と非接着樹脂面の目視判別を可能とする表裏判別性に優れる接着性フィルムを製造しうることが可能である。このことから、本発明のアルミ接着用接着剤は、建材用途、産業資材用途等のアルミ複合鋼鈑に使用可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に、分散径、メルトマスフローレート、接着強度、接着剤痕、フィルムの表裏判別性、フィルム外観の測定方法と評価方法を示す。
〜分散径〜
得られたアルミ接着用接着剤ペレットのMD垂直方向断面におけるスチレン系樹脂(C)の分散径を透過型微分干渉顕微鏡により測定した。なお、分散径とは、マトリックス中に分散しているスチレン系樹脂の直径のことである。
〜メルトマスフローレイト〜
JIS K 6924−1(1997年)に準拠して温度190℃、荷重21.18Nにて測定した。
〜接着強度の評価〜
ポリエチレン(東ソー(株)社製、商品名ペトロセン205)樹脂性シート(3mm厚、幅25mm、長さ100mm)の上に、実施例により得られた接着性フィルムのポリエチレン樹脂層面を下側に、アルミ接着用接着剤層面を上側にして重ね合わせ、更にアルミ接着用接着剤層面の上側に0.1mm厚のアルミ板(東洋アルミニウム(株)社製、商品名A1N30H−H18)を重ね合わせ、圧力0.1MPa、時間5秒の条件でヒートシールバーにより押さえてヒートシールを行った。そして、該ヒートシール部分を、引張試験機(島津製作所(株)社製、商品名オートグラフDCS100)を用いて、剥離速度300mm/分、180度剥離にて剥離強度を測定した。
〜接着痕の評価〜
ポリエチレン(東ソー(株)社製、商品名ペトロセン205)樹脂性シート(3mm厚、幅25mm、長さ100mm)の上に、実施例により得られた接着性フィルムのポリエチレン樹脂層面を下側に、アルミ接着用接着剤層面を上側に重ね、更にアルミ接着用接着剤層面の上側に0.1mm厚のアルミ板(東洋アルミニウム(株)社製、商品名A1N30H−H18)を重ね合わせ、所定の温度、圧力0.1MPa、時間5秒の条件でヒートシールバーにより押さえてヒートシールを行った。そして、該ヒートシール部分を、引張試験機(島津製作所(株)社製、商品名オートグラフDCS100)を用いて、剥離速度300mm/分、180度剥離にて剥離した。剥離後、アルミ板接着面上に残存しているアルミ接着用接着剤の面積を目視評価し、ヒートシール部全面積に対する残存接着剤面積の割合を10段階評価した。評価は、0〜3;不良、4〜6;優れる、7〜10;特に優れるとし、4以上を接着痕を目視確認できるとして良好であると判断した。
〜フィルム表裏判別性の評価〜
実施例により得られた接着性フィルムのアルミ接着用接着剤層面とポリエチレン樹脂層面との判別性を目視にて評価した。目視にて判別可能であるものを良好と判断した。また、アルミ接着用接着剤層面とポリエチレン樹脂層面の光沢度をグロスメーター(日本電色(株)社製、商品名VGS−SENSOR)を用いて反射角度60℃の条件にて測定し光沢度の差を評価した。
〜フィルム外観の評価〜
実施例により得られた接着性フィルムのスジ、フィッシュアイなどの外観欠点の有無を目視により評価した。
合成例1(不飽和カルボン酸無水物変性エチレン系重合体樹脂(B1)の合成例)
(エチレン−α−オレフィン共重合体の重合)
(固体重合触媒成分の調整)
直径4mmφのステンレスボール1.2kg入れた内容積420mlのステンレス製ポットに、400℃、2時間真空乾燥した後の無水塩化マグネシウム15.0g、及び四塩化チタンを金属アルミニウムで還元して得られた三塩化チタン(TiCl・1/3AlCl)4.0gを窒素雰囲気下で封入し、振動ミルで12時間共粉砕し、三塩化チタンが担持された固体重合触媒成分を得た。
次いで、得られた固体重合触媒成分0.5gを、イソパラフィンを主成分とする溶媒(出光石油化学製、商品名IP−1620)200mlに分散して固体重合触媒成分スラリーを調製した。
(エチレン−α−オレフィン共重合体の合成)
撹拌機付き縦型円筒状反応器に重合触媒の成分として上記により得られた固体重合触媒成分スラリー及びトリエチルアルミニウム、さらにエチレン及び1−ヘキセンを連続的に供給し、該重合反応器内の温度を180℃、圧力を80MPaに保ちながら重合反応を実施した。重合反応器内平均滞留時間50秒、エチレン/1−ヘキセン(モル比)=65/35、重合触媒として上記固体重合触媒成分を0.387g/h、トリエチルアルミニウムを1.11mmol/hで供給し、8時間重合反応を行いエチレン−1−ヘキセン共重合体(B−1−1)を得た。
該エチレン−1−ヘキセン共重合体(B−1−1)は、メルトマスフローレート2.0g/10分、密度920kg/mであった。
(無水マレイン酸変性エチレン系重合体樹脂(B1)の合成)
ラジカル開始剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(日本油脂社製、商品名パーヘキシン25B;1分間半減期温度195℃)0.6gをn−ヘキサン5gに溶解した後、この溶液に滑剤としてステアリン酸亜鉛(日東化成工業社製、商品名Zn−St;融点120℃)19.4gを混合し12時間乾燥し、ラジカル開始剤/滑剤のブレンドパウダーを得た。
エチレン−1−ヘキセン共重合体(B−1−1)100重量部に対し、上記のラジカル開始剤/滑剤のブレンドパウダー0.25重量部(パーヘキシン25B:0.0075重量部、ステアリン酸亜鉛:0.24重量部に相当。)及び無水マレイン酸(日本油脂社製、商品名CRYSTALMAN AB)2重量部、酸化防止剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名イルガノックス1010)0.1重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、混合原料を、2軸押出機(東芝機械(株)社製、商品名TEM−50B)を用い、供給部温度160℃、反応温度220℃、平均滞留時間3分の条件にて反応押出を実施し、無水マレイン酸変性エチレン系重合体樹脂(B1)を得た。該無水マレイン酸変性エチレン系重合体樹脂(B1)は、メルトマスフローレート0.2g/10分、密度923kg/mであった。赤外線吸収スペクトルによりカルボニル基による吸収を測定し、別途作成した検量線から求めた無水マレイン酸付加量は1.2wt%であった。
合成例2(不飽和カルボン酸無水物変性エチレン系重合体樹脂(B2)の合成例)
(エチレン−α−オレフィン共重合体の重合)
(固体重合触媒成分の調整)
窒素雰囲気下20Lステンレス容器に、ヘプタン3.3L、トリイソプロピルアルミニウムのヘプタン溶液をアルミニウム原子当たり2.5mol(3.6L)およびジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドをジルコニウム原子当たり10mmol加えて1時間攪拌した。そこへN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートをホウ素原子当たり11mmol加えて12時間攪拌した。得られた懸濁系に脂肪族系飽和炭化水素溶媒(IPソルベント2835(出光石油化学社製))を8.7L加えることにより、触媒を調製した(ジルコニウム濃度0.64mmol/L)。
(エチレン−α−オレフィン共重合体の合成)
槽型反応器を用いて重合を行った。合成例1と同様に、エチレン、1−ヘキセンおよびエタンを連続的に反応器内に圧入して、全圧を90MPaに、1−ヘキセン濃度を20.0mol%になるように設定し、反応器を1500rpmで撹拌した。
そして、触媒を反応器の供給口より合成例1と同様に連続的に供給して、平均温度が215℃に保たれるように重合反応を行いエチレン−1−ヘキセン共重合体(B−2−1)を得た。
該エチレン−1−ヘキセン共重合体(B−2−1)は、メルトマスフローレート4.0g/分、密度920kg/mであった。
Figure 2005187496
(無水マレイン酸変性エチレン系重合体樹脂(B2)の合成)
エチレン−1−ヘキセン共重合体(B−2−1)を用い、合成例1の無水マレイン酸変性エチレン系重合体樹脂(B1)の合成と同様の方法により、無水マレイン酸変性エチレン系重合体樹脂(B2)を得た。該無水マレイン酸変性エチレン系重合体樹脂(B2)は、メルトマスフローレート0.3g/10分、密度923kg/mであった。赤外線吸収スペクトルによりカルボニル基による吸収を測定し、別途作成した検量線から求めた無水マレイン酸付加量は1.0wt%であった。
実施例1
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)として酢酸ビニル含有率6重量%、メルトマスフローレート2.5g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)(東ソー(株)社製、商品名ウルトラセン515)100重量部に対し、不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体樹脂(B)として合成例1により得られた無水マレイン酸変性エチレン系重合体樹脂(B1)5重量部、スチレン系重合体(C)として耐衝撃性ポリスチレン(C1)(大日本インキ工業(株)社製、商品名GH8300−1)10重量部をタンブラーブレンダーを用いて混合した。混合原料を2軸押出機(東芝機械(株)社製、商品名TEM−50B)を用いて、温度190℃、押出量50kg/hの条件にて溶融混錬しアルミ接着用接着剤を得た。
得られたアルミ接着用接着剤と低密度ポリエチレン(東ソー(株)社製、商品名ペトロセン183)がそれぞれ15μmとなるように多層インフレーション成形機を用いて、温度170℃、各層押出量30kg/hの条件にて成形し、合計厚み30μmの接着性フィルムを得た。
得られたアルミ接着用接着剤について、分散径、メルトマスフローレイトを測定した。又、得られた接着性フィルムを用いて、接着強度、接着剤痕及びフィルム外観を評価した。その結果を表2に示す。
実施例2
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)として酢酸ビニル含有率15重量%、メルトマスフローレート1.5g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A2)(東ソー(株)社製、商品名ウルトラセン630)100重量部に対し、不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体樹脂(B)として実施例1に用いた無水マレイン酸変性エチレン系重合体樹脂(B1)10重量部、スチレン系重合体(C)として耐衝撃性ポリスチレン(C1)(大日本インキ工業(株)社製、商品名GH8300−1)20重量部とした以外は、実施例1と同様にしてアルミ接着用接着剤、及び接着性フィルムを得た。
得られたアルミ接着用接着剤について、分散径、メルトマスフローレイトを測定した。又、得られた接着性フィルムを用いて、接着強度、接着剤痕及びフィルム外観を評価した。結果を表2に示す。
実施例3
スチレン系重合体(C)として耐衝撃性ポリスチレン(C1)(大日本インキ工業(株)社製、商品名GH8300−1)20重量部の代わりにアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(C2)(テクノポリマー(株)社製、商品名テクノABS330)20重量部とした以外は、実施例2と同様にしてアルミ接着用接着剤、及び接着性フィルムを得た。
得られたアルミ接着用接着剤について、分散径、メルトマスフローレイトを測定した。又、得られた接着性フィルムを用いて、接着強度、接着剤痕、フィルムの表裏判別性、及びフィルム外観を評価した。結果を表2に示す。
実施例4
不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体樹脂(B)として、無水マレイン酸変性エチレン系重合体樹脂(B1)10重量部の代わりに、合成例2により得られた無水マレイン酸変性エチレン系重合体樹脂(B2)10重量部とした以外は、実施例2と同様にしてアルミ接着用接着剤、及び接着性フィルムを得た。
得られたアルミ接着用接着剤について、分散径、メルトマスフローレイトを測定した。又、得られた接着性フィルムを用いて、接着強度、接着剤痕、フィルムの表裏判別性、及びフィルム外観を評価した。結果を表2に示す。
比較例1
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)として酢酸ビニル含有率6重量%、メルトマスフローレート2.5g/分のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)(東ソー(株)社製、商品名ウルトラセン515)100重量部の代わりに、酢酸ビニル含有率0重量%、メルトマスフローレート2.0g/分の低密度ポリエチレン(A3)(東ソー(株)社製、商品名ペトロセン183)100重量部とした以外は、実施例1と同様にしてアルミ接着用接着剤、及び接着性フィルムを得た。
得られたアルミ接着用接着剤について、分散径、メルトマスフローレイトを測定した。又、得られた接着性フィルムを用いて、接着強度、接着剤痕、フィルムの表裏判別性、及びフィルム外観を評価した。結果を表2に示す。
得られたアルミ接着用接着剤は、接着強度が低く、剥離後の接着剤痕が無いものであった。
比較例2
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)として酢酸ビニル含有率6重量%、メルトマスフローレート2.5g/分のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)(東ソー(株)社製、商品名ウルトラセン515)100重量部に対し、不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体樹脂(B)として実施例1に用いた無水マレイン酸変性エチレン系重合体樹脂(B1)5重量部とし、スチレン系重合体(C)を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてアルミ接着用接着剤、及び接着性フィルムを得た。
得られたアルミ接着用接着剤について、分散径、メルトマスフローレイトを測定した。又、得られた接着性フィルムを用いて、接着強度、接着剤痕、フィルムの表裏判別性、及びフィルム外観を評価した。結果を表2に示す。
得られたアルミ接着用接着剤を用いた接着性フィルムのアルミ接着用接着剤層面は光沢が良く、アルミ接着用接着剤層面とポリエチレン樹脂層面との判別性が不十分であった。又、接着強度が低く、剥離後の接着剤痕が無いものであった。
比較例3
不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体樹脂(B)として無水マレイン酸変性エチレン系重合体樹脂(B1)15重量部、スチレン系重合体(C)として耐衝撃性ポリスチレン(C1)(大日本インキ工業(株)社製、商品名GH8300−1)60重量部とした以外は、実施例2と同様にしてアルミ接着用接着剤、及び接着性フィルムを得た。
得られたアルミ接着用接着剤について、分散径、メルトマスフローレイトを測定した。又、得られた接着性フィルムを用いて、接着強度、接着剤痕、フィルムの表裏判別性、及びフィルム外観を評価した。結果を表2に示す。
得られたアルミ接着用接着剤を用いたものはインフレーション成形加工性が悪く、接着性フィルムにはメヤニ発生によるスジが多かった。また接着強度が低いものであった
Figure 2005187496

Claims (4)

  1. JIS K6924−1(1997年)で測定した酢酸ビニル含有率が3〜20重量%の範囲であり、JIS K6924−1(1997年)で測定したメルトマスフローレイトが0.1〜20g/10分の範囲であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対し、JIS K6922−1(1997年)で測定した密度が880〜970kg/mの範囲であり、JIS K6922−1(1997年)で測定したメルトマスフローレイトが0.01〜20g/10分の範囲である不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体樹脂(B)1〜50重量部、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であるスチレン系重合体(C)5〜50重量部からなるアルミ接着用接着剤。
  2. マトリックス中に、分散径0.1〜10μmであるスチレン系重合体(C)が分散していることを特徴とする請求項1に記載のアルミ接着用接着剤。
  3. 不飽和カルボン酸又はその無水物変性エチレン系重合体樹脂(B)が、メタロセン触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体を不飽和カルボン酸又はその無水物により変性したものであることを特徴とする請求項1〜2に記載のアルミ接着用接着剤。
  4. 請求項1〜3に記載のアルミ接着用接着剤からなる層を接着剤層として含むことを特徴とする接着性フィルム。
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