JP2020114889A - 接着性樹脂組成物および積層体 - Google Patents

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孝史 山▲崎▼
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孝史 山▲崎▼
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真也 大政
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Abstract

【解決手段】(A)エチレン系(共)重合体および/または不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたエチレン系(共)重合体 70〜50質量%と、(B)ビニル芳香族化合物から導かれる構造単位を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックと、共役ジエン化合物から導かれる構造単位を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックとを有し、かつ該ビニル芳香族化合物から導かれる構造単位を10質量%〜50質量%含むことを特徴とするブロック共重合体又はその水添物30〜50質量%とを含み(ただし(A)、(B)の合計を100質量%とする)、さらに粘着剤(C)を、前記(A)成分と(B)成分との合計100質量%に対し1質量%未満含むか、または含まないことを特徴とする、接着性樹脂組成物。【効果】本発明の接着性樹脂組成物は、ポリスチレンおよびエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体の両方に対して高い接着性を有する。この接着性樹脂組成物を用いてポリスチレン層とエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体層とを積層させて得られた積層体においては、ポリスチレン層とエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体層とが高い接着性をもって積層されている。【選択図】なし

Description

本発明は、接着性樹脂組成物および積層体に関し、詳しくは、ポリスチレンおよびエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体の両方に対して高い接着力を有する接着性樹脂組成物、および該接着性樹脂組成物を含む層を含む積層体に関する。
ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂や他のオレフィン系モノマーとの共重合体であるポリオレフィン系樹脂は、成形性、コスト、衛生性、ヒートシール性等において優れた特性を有することから、広く食品包装材の構成材料として用いられている。特に、ヒートシール性や衛生性の観点から、最内層、即ち食品と接触する層として多く用いられている。また、食品の保存期間中、鮮度、色、味を長く保持するために包装材料に酸素遮断機能を付与することも広く行われている。例えばポリアミド系樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂のケン化物(EVOH樹脂)等が酸素バリア層として用いられる。更に、容器用包装材料の場合等、包装材料に剛性が必要な場合や、カップ、トレイ等、熱成形性、延伸性が求められる用途においては、ポリスチレン系樹脂等が用いられている。
上記の様な種々の性能を一つの包装材料に付与する目的で、各種素材を積層させることが行われる。積層の手法は共押出法や、ドライラミネート、ウェットラミネート、押出ラミネート等様々であるが、ポリスチレン系樹脂、EVOH樹脂、ポリオレフィン系樹脂を効率的に積層させることができるのは共押出法である。これらの樹脂を共押出法にて積層させるには、各層間を接着させるための接着性樹脂が必須である。そこで、これまで様々な接着性樹脂が開発されてきた。
例えば、特許文献1には、耐熱性や押出成形性に適した融点と密度の高いエチレン系共重合体を必須主成分とし、これに粘着剤、およびビニル芳香族化合物を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックと共役ジエン化合物を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックを有するブロック共重合体またはその水添物を少量併用した接着性樹脂組成物が開示され、この接着性樹脂組成物が低温から高温まで各種材料と安定した接着強度を発現することが示されている。
特許文献2には、ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂から選ばれる樹脂層と、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、及びポリアミド系樹脂から選ばれる樹脂層と、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、及びポリ塩化ビニル系樹脂から選ばれる樹脂層とを、メタロセン触媒から重合され、密度が0.890〜0.920g/cm3であるポリエチレン系樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂および酸変性ポリエチレン系樹脂を含む接着性樹脂組成物で積層一体化してなる積層体が開示され、前記接着性樹脂組成物により各層間の良好な層間接着性がえられることが示されている。
特開平07−207082号公報 特開2016−107443号公報
しかし、従来の接着性樹脂組成物は、EVOH樹脂およびポリスチレン系樹脂の双方に対して十分な接着力を有するとは言い難く、EVOH樹脂とポリスチレン系樹脂とを積層して使用する場合に、両樹脂を十分な強度で接着するだけの性能は有していなかった。
本発明は、ポリスチレンおよびエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体の両方に対して高い接着性を有する接着性樹脂組成物、およびポリスチレン層とエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体層とが高い接着性をもって積層された積層体を提供することを目的とする。
前記目的を達成する本発明は、下記[1]〜[7]である。
[1] (A)エチレン系(共)重合体および/または不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたエチレン系(共)重合体 70〜50質量%と、
(B)ビニル芳香族化合物から導かれる構造単位を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックと、共役ジエン化合物から導かれる構造単位を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックとを有し、かつ該ビニル芳香族化合物から導かれる構造単位を10質量%〜50質量%含むことを特徴とするブロック共重合体又はその水添物30〜50質量%とを含み(ただし(A)、(B)の合計を100質量%とする)、
さらに前記(A)成分と(B)成分との合計100質量%に対し、粘着剤(C)を1質量%未満含むか、または含まないことを特徴とする、接着性樹脂組成物。
[2] 前記(A)成分が、
下記要件(a−1)〜(a−2)を満たすエチレン系(共)重合体(A−1)と
下記要件(a−3)〜(a−5)を満たす、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン系(共)重合体(A−2)とを、
質量比(A−1)/(A−2)=95/5〜0/100の範囲で含むことを特徴とする、前記[1]に記載の接着性樹脂組成物。
(a−1)密度が850〜950kg/m3である。
(a−2)ASTM D1238に準拠した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.5〜30g/10分である。
(a−3)密度が850〜950kg/m3である。
(a−4)ASTM D1238に準拠した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.2〜30g/10分 である。
(a−5)変性により付加された不飽和カルボン酸またはその誘導体の量が0.01〜3.0質量%である。
[3] 下記要件(I)および(II)を満たす、前記[1]または[2]に記載の接着性樹脂組成物。
(I)密度が870〜920kg/m3である。
(II)ASTM D1238に準拠した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.5〜5.0g/10分 である。
[4] 前記[1]〜[3]のいずれかに記載の接着性樹脂組成物を含む層(I)と、
層(I)に接し、ポリスチレンを含む層(II)と、
層(I)に接し、エチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体を含む層(III)とを
含むことを特徴とする積層体。
[5] 前記層(I)、(II)および(III)の厚みが、それぞれ5〜100μm、100〜3000μmおよび5〜100μmである、前記[4]に記載の積層体。
[6] さらに、ポリエチレン層およびポリアミド層から選ばれる少なくとも一層を含む、前記[4]または[5]に記載の積層体。
[7] 食品包材用である、前記[4]〜[6]のいずれかに記載の積層体。
本発明の接着性樹脂組成物は、ポリスチレンおよびエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体の両方に対して高い接着性を有する。この接着性樹脂組成物を用いてポリスチレン層とエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体層とを積層させて得られた積層体においては、ポリスチレン層とエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体層とが高い接着性をもって積層されている。
[接着性樹脂組成物]
本発明の接着性樹脂組成物は、
(A)エチレン系(共)重合体および/または不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたエチレン系(共)重合体 70〜50質量%と、
(B)ビニル芳香族化合物から導かれる構造単位を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックと、共役ジエン化合物から導かれる構造単位を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックとを有し、かつ該ビニル芳香族化合物から導かれる構造単位を10質量%〜50質量%含むことを特徴とするブロック共重合体又はその水添物30〜50質量%とを含み(ただし(A)、(B)の合計を100質量%とする)、
さらに粘着剤(C)を、前記(A)成分と(B)成分との合計100質量%に対し1質量%未満含むか、または含まないことを特徴とする。
本発明の接着性樹脂組成物における(A)成分は、エチレン系(共)重合体、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性されたエチレン系(共)重合体、または、エチレン系(共)重合体および不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性されたエチレン系(共)重合体である。
(A)成分であるエチレン系(共)重合体、および(A)成分である不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン系(共)重合体における変性される前のエチレン系(共)重合体としては、エチレンの単独重合体、ならびにエチレンおよび炭素数2〜20の脂肪族α−オレフィン、環状オレフィンまたは非共役ジエンを主成分とするモノマーの共重合体が挙げられ、具体的には、エチレンの単独重合体、ならびにエチレンとプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、テトラシクロドデセンまたはノルボルネンとの共重合体が挙げられる。前記エチレン系(共)重合体は、好ましくはエチレンの単独重合体またはエチレンおよび炭素数2〜10、好ましくは2〜8のα−オレフィンを主成分とするモノマーの共重合体である。エチレン系共重合体における、エチレンと共重合するコモノマーの量は、全モノマーに対して通常50モル%以下、好ましくは40モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。
前記エチレン系(共)重合体は、アイソタクチック構造、シンジオタクチック構造の何れであってもよく、立体規則性についても特段の制限はない。
前記エチレン系(共)重合体の製造は、従来から公知のいずれの方法によっても行うことができ、例えば、チタン系触媒、バナジウム系触媒、メタロセン触媒などを用いて重合することができる。市販のエチレン系(共)重合体をそのまま利用することも可能である。
(A)成分である不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン系(共)重合体における不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物、無水カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物およびその誘導体を挙げることができる。不飽和化合物が有する不飽和基としては、ビニル基、ビニレン基、不飽和環状炭化水素基などを挙げることができる。
具体的な化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸、またはこれらの酸無水物もしくはこれらの誘導体(例えば酸ハライド、アミド、イミド、エステルなど)を挙げることができる。
前記酸無水物または誘導体の具体的な化合物の例としては、塩化マレニル、マレニルイミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メタクリル酸アミノエチルおよびメタクリル酸アミノプロピルなどを挙げることができる。
不飽和カルボン酸又はその誘導体は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
これらの中では、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸アミノプロピルが好ましい。更には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物などのジカルボン酸無水物が特に好ましい。
不飽和カルボン酸又はその誘導体を変性される前のエチレン系(共)重合体に導入する方法としては、周知の方法を採用することが可能であり、例えば、ポリエチレン主鎖に不飽和カルボン酸又はその誘導体をグラフト共重合する方法や、エチレン等のモノマーと不飽和カルボン酸又はその誘導体とをラジカル共重合する方法等を例示することができる。
グラフト共重合の場合には、グラフト主鎖となるポリエチレンに、不飽和カルボン酸又はその誘導体、更に必要に応じてその他のエチレン性不飽和単量体等を、ラジカル開始剤の存在下でグラフト共重合する。不飽和カルボン酸又はその誘導体をポリエチレン主鎖にグラフトさせる方法については特に限定されず、溶液法、溶融混練法等、従来公知のグラフト重合法を採用することができる。
ラジカル共重合の場合には、エチレン等のモノマーと不飽和カルボン酸又はその誘導体とを共重合させる方法については特に限定されず、従来公知のラジカル共重合法を採用することができる。
(A)成分の密度は、好ましくは850〜950kg/m3、より好ましくは870〜930kg/m3あり、ASTM D1238に準拠した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートは、好ましくは0.5〜30g/10分、より好ましくは0.5〜2.0g/10分であり、変性により付加された不飽和カルボン酸またはその誘導体の量は、好ましくは0〜3.0質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。
前記(A)成分は、下記要件(a−1)〜(a−2)を満たすエチレン系(共)重合体(A−1)と下記要件(a−3)〜(a−5)を満たす、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン系(共)重合体(A−2)とを、質量比(A−1)/(A−2)=95/5〜0/100の範囲で含むことが好ましい。この条件を満たす(A)成分を含む本発明の接着性樹脂組成物は、ポリスチレンおよびエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体の両方に対して特に高い接着性を有する。
(a−1)密度が850〜950kg/m3である。前記密度は、好ましくは860〜940kg/m3、より好ましくは870〜930kg/m3である。
(a−2)ASTM D1238に準拠した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.5〜30g/10分である。前記メルトフローレートは、好ましくは0.5〜10g/10分、より好ましくは0.5〜5g/10分である。
(a−3)密度が850〜950kg/m3である。前記密度は、好ましくは860〜940kg/m3、より好ましくは870〜930kg/m3である。
(a−4)ASTM D1238に準拠した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.2〜30g/10分 である。前記メルトフローレートは、好ましくは0.5〜5g/10分、より好ましくは0.5〜3g/10分である。
(a−5)変性により付加された不飽和カルボン酸またはその誘導体の量が0.01〜3.0質量%である。前記飽和カルボン酸またはその誘導体の量は、好ましくは0.05〜2.5質量%、より好ましくは0.1〜2.5質量%である。
前記質量比(A−1)/(A−2)は、好ましくは95/5〜0/100、より好ましくは95/5〜50/50の範囲である。
前記(A−1)成分および(A−2)成分は、それぞれ1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の接着性樹脂組成物における(B)成分は、ビニル芳香族化合物から導かれる構造単位を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックと、共役ジエン化合物から導かれる構造単位を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックを有し、かつ該ビニル芳香族化合物から導かれる構造単位を10質量%〜50質量%含むことを特徴とするブロック共重合体又はその水添物である。
前記ビニル芳香族化合物は、重合性の炭素−炭素二重結合および芳香環を有する重合性モノマーである。前記ビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン及びp−第3ブチルスチレンを挙げることができる。これらの中で、スチレンが特に好ましい。ビニル芳香族化合物としては、これらの1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記共役ジエンは、2つの炭素−炭素二重結合が1つの炭素−炭素単結合により結合された構造を有する重合性モノマーである。前記共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、及びクロロプレン(2−クロロ−1,3−ブタジエン)などを挙げることができる。これらの中で、1,3−ブタジエン及びイソプレンが特に好ましい。共役ジエンとしては、これらの1種以上を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分は、ビニル芳香族化合物から導かれる構造単位を主体とする少なくとも1個の、機械的強度、成形加工性の観点から好ましくは2個以上の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物から導かれる構造単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとを有するブロック共重合体またはその水添物である。(B)成分としては、例えば、A−B、A−B−AおよびA−B−A−B−Aなどの構造を有するブロック共重合体を挙げることができる。
(B)成分におけるビニル芳香族化合物から導かれる構造単位の含有量は、耐熱性の観点から、10〜50質量%であり、好ましくは20〜40質量%である。
前記重合体ブロックAは、ビニル芳香族化合物のみからなる重合体ブロックまたはビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックである。重合体ブロックAが共重合体ブロックである場合における、重合体ブロックA中のビニル芳香族化合物から導かれる構造単位の含有量は、通常51質量%以上、耐熱性の観点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。重合体ブロックA中の共役ジエン化合物から導かれる構造単位の分布は、特に制限されず任意である。重合体ブロックAが2個以上であるとき、これらは同一構造であってもよく、互いに異なる構造であってもよい。
前記重合体ブロックBは、共役ジエン化合物のみからなる重合体ブロック又はビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックである。重合体ブロックBが共重合体ブロックである場合における、重合体ブロックB中の共役ジエン化合物から導かれる構造単位の含有量は、通常51質量%以上、柔軟性の観点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。重合体ブロックB中のビニル芳香族化合物から導かれる構造単位の分布は、特に制限されず任意である。共役ジエン化合物と共役ジエン化合物との結合様式(以下、ミクロ構造と略すことがある。)は、特に制限されず任意である。重合体ブロックBが2個以上あるとき、これらは同一構造であってもよく、互いに異なる構造であってもよい。
(B)成分がブロック共重合体の水添物である場合、(B)成分の水素添加率、すなわち水素添加前のビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体中の炭素と炭素の二重結合の数に対する、水素添加により炭素と炭素の単結合となった結合の数の割合は、特に制限されないが、耐熱性の観点から、通常50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。
(B)成分の共役ジエン重合体ブロックが、ブタジエン重合体ブロックである場合、そのミクロ構造は、1,2−結合が、柔軟性の観点から、好ましくは20〜50モル%、より好ましくは25〜45モル%である。また耐熱性の観点から、1,2−結合を選択的に水素添加したものであってもよい。
(B)成分の共役ジエン重合体ブロックが、イソプレンとブタジエンとの共重合ブロックである場合、そのミクロ構造は、1,2−結合が、耐熱性の観点から、好ましくは50モル%未満、より好ましくは25モル%未満、更に好ましくは15モル%未満である。
(B)成分の共役ジエン重合体ブロックが、イソプレン重合体ブロックである場合、柔軟性の観点から、そのミクロ構造は、1,4−結合が、好ましくは70〜100モル%である。水素添加率は、耐熱性の観点から、90モル%以上が好ましい。
(B)成分の共役ジエン重合体ブロックが、イソプレン重合体ブロックである場合、ガスバリア性の観点から、そのミクロ構造は、1,2−結合と3,4−結合の和が、80モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上である。水素添加率は、耐熱性の観点から、90モル%以上が好ましい。このような共重合体は、しばしばスチレン・ビニル(エチレン・プロピレン)・スチレン共重合体(V−SEPS)と呼ばれる。前記スチレン・ビニル(エチレン・プロピレン)・スチレン共重合体(V−SEPS)のガラス転移温度は、好ましくは−40〜20℃である。
(B)成分としては、例えば、スチレン・ブタジエン(SB)ブロック共重合体、スチレン・イソプレン(SI)ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)ブロック共重合体、α−メチルスチレン・ブタジエン・α−メチルスチレンブロック共重合体、α−メチルスチレン・イソプレン・α−メチルスチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン・ブテンブロック共重合体(SEB)、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体ブロック(SEPS)、スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEEPS)及びスチレン・ビニル(エチレン・プロピレン)・スチレン共重合体(V−SEPS)などを挙げることができる。
本発明の接着性樹脂組成物における前記(A)成分および(B)成分の含有率は、(A)成分および(B)成分の合計を100質量%として、(A)成分が50〜90質量%、好ましくは55〜85質量%、より好ましくは60〜80質量%であり、(B)成分が10〜50質量%、好ましくは15〜45質量%、より好ましくは20〜40質量%である。
本発明の接着性樹脂組成物は、粘着剤を含まなくてもよいが、前記(A)成分と(B)成分以外にさらに粘着剤(C)を含んでもよい。粘着剤(C)を含む場合、その含有量は、前記(A)成分と(B)成分との合計100質量%に対し1質量%未満であり、好ましくは0.5質量%以下である。
前記粘着剤は、通常粘着テープ、ホットメルト接着剤、塗料等の分野で粘着付与樹脂として用いられている、常温では固体の非晶性樹脂であり、中でも石油樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂またはそれらの水添物が好ましく、市販のものから適宜選択して用いることができる。
石油樹脂としては、例えば、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、またはそれらの共重合体、およびこれらの水添物などを挙げることができる。
ロジン系樹脂として、天然ロジン、重合ロジンおよびそれらの誘導体例えば、ペンタエリストエステルロジン、グリセリンエステルロジンおよびそれらの水添物などを挙げることができる。
テルペン系樹脂として、ポリテルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂およびそれらの水添物を挙げることができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、上記(A)成分、(B)成分および(C)成分以外に、樹脂組成物に一般的に配合される各種の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で含有していてもよい。このような添加剤としては、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、難燃剤、触媒残渣の中和剤、顔料、染料、無機フィラーおよび有機フィラー等が挙げられる。
本発明の接着性樹脂組成物は、上記の成分を、種々公知の手法、例えばタンブラーブレンダー、Vブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等を用いて混合し、混合後、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー等で溶融混練し、造粒あるいは粉砕する手法によって製造することができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、下記要件(I)および(II)を満たすことが好ましい。本発明の接着性樹脂組成物がこれらの要件を満たすと、ポリスチレンおよびエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体の両方に対して特に高い接着性を有する。
(I)密度が870〜930kg/m3である。前記密度は、好ましくは880〜930kg/m3、より好ましくは900〜930kg/m3である。
(II)ASTM D1238に準拠した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.5〜5.0g/10分である。前記メルトフローレートは、好ましくは0.5〜3.0g/10分、より好ましくは0.5〜2.0g/10分である。
本発明の接着性樹脂組成物は、前述のとおり、ポリスチレンおよびエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体の両方に対して高い接着強度を有する。また、従来の接着性樹脂組成物、例えば特許文献1および2に記載された接着性樹脂組成物は、粘着剤の作用によりポリスチレン等との接着性を確保していたが、本発明の接着性樹脂組成物は、粘着剤の作用に依拠しなくてもポリスチレン等との接着性を確保することができ、前述のとおり、粘着剤が前記(A)成分と(B)成分との合計100質量%に対して1質量%未満という低濃度であっても、さらには粘着剤を含有していなくても、ポリスチレン等との高い接着性を確保することができる。
本発明の接着性樹脂組成物が上記の特性を有するのは、本発明の接着性樹脂組成物が従来の接着性樹脂組成物とは異なるモルフォロジーを有するからであると推測している。すなわち、従来の接着性樹脂組成物は、ポリオレフィンからなる海相中にブロック共重合体からなる島相が存在する構造を有しているのに対して、本発明の接着性樹脂組成物では、変性エチレン系(共)重合体等の(A)成分とブロック共重合体等の(B)成分とが明確な海相と島相として分かれておらず、共連続構造として存在すると推測される。本発明の接着性樹脂組成物は、このような共連続構造を有することによって、粘着剤が低濃度であっても、あるいは含有されていなくても、ポリスチレン等に対して高い接着強度を示すと考えられる。さらに、本発明の接着性樹脂組成物は、変性エチレン系(共)重合体等の(A)成分がエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体やポリオレフィンに対して高い接着強度を有し、ブロック共重合体等の(B)成分がポリスチレンに対して高い接着強度を有することから、ポリスチレンおよびエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体の両方に対して高い接着強度を示すものと考えられる。
<積層体>
本発明の積層体は、前記接着性樹脂組成物を含む層(I)と、層(I)に接し、ポリスチレンを含む層(II)と、層(I)に接し、エチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体を含む層(III)とを含む。
本発明の積層体は、層(I)の片面に層(II)が接して設けられ、層(I)の他面に層(III)が接して設けられた態様でもよく、層(I)の片面に層(II)および層(III)がそれぞれ分離された状態で接して設けられた態様であってもよい。また、本発明の積層体は、前記の条件を満たす層(I)、層(II)および層(III)を有する限り、前記接着性樹脂組成物を含む層、ポリスチレンを含む層およびエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体を含む層を2層以上含んでいてもよく、さらに、前記接着性樹脂組成物を含む層、ポリスチレンを含む層およびエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体を含む層の他に、その他の層を有していてもよい。
層(II)に含まれるポリスチレンとしては、スチレンの単独重合体、スチレンとアクリロニトリル、メチルメタアクリレート等との共重合体、或いは、それらのゴム変性物等のスチレンを主体としたポリスチレン系樹脂が挙げられる。具体的にはポリスチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(ゴム配合ポリスチレン樹脂)、スチレン・アクリロニトリル樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体樹脂(ABS樹脂)等が挙げられる。層(II)にには、これらの1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
層(III)に含まれるエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体(EVOH樹脂)としては、エチレンから導かれる構造単位の含有量が好ましくは15〜60モル%、より好ましくは25〜50モル%のエチレン・酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が50%以上、好ましくは60%以上になるようにケン化したものが好ましく用いられる。エチレンから導かれる構造単位の含有量が上記下限を下回ると、熱分解し易く溶融成形が困難で、延伸性にも劣り、かつ吸水して膨潤し易く、耐水性が劣る傾向がある。エチレンから導かれる構造単位の含有量が上記上限を上回ると、ガスバリア性が低下する傾向がある。また、ケン化度が上記下限を下回ると、ガスバリア性が低下する傾向がある。
本発明の積層体において、層(I)の厚みは、好ましくは5〜100μmであり、より好ましくは10〜100μmであり、さらに好ましくは20〜100μmである。層(II)の厚みは、好ましくは100〜3000μmであり、より好ましくは200〜2500μmであり、さらに好ましくは300〜2000μmである。層(III)の厚みは、好ましくは5〜100μmであり、より好ましくは10〜100μmであり、さらに好ましくは20〜100μmである。
本発明の積層体が含み得るその他の層としては、ポリエチレンを含む層、ポリアミド層、を挙げることができる。
本発明の積層体は、共押出成形、プレス成形、押出ラミネート成形等の公知の方法により製造することができる。これらの成形法の中では層間接着力の点で、共押出成形法が好ましい。共押出成形法としてはフラット・ダイを用いるT−ダイ法とサーキュラー・ダイを用いるインフレーション法とがある。フラット・ダイはフィードブロックを使用したシングル・マニホールド形式、あるいは、マルチ・マニホールド形式のいずれを用いてもよい。また、インフレーション法に用いるダイについてもいずれも公知のダイを用いることができる。
層(II)、層(I)及び層(III)をこの順で積層してなる積層体を製造する方法としては、層(II)を形成する樹脂と、層(I)を形成する本発明の接着性樹脂組成物と、層(III)を形成する樹脂とをそれぞれ別個の押出機で溶融した後、多層構造のダイに供給し、本発明の接着性樹脂組成物を各層の中間層として共押出成形する方法、および、予め成形した層(II)のシートと層(III)の間に、本発明の接着性樹脂組成物を溶融押出するサンドラミネート法等を挙げることができる。
本発明の積層体は、剛性、熱成形性、延伸性に優れるエチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体を含む層とガスバリア性に優れるポリスチレンを含む層とが高強度で接合されているので、これらの性能が要求される用途に好適に用いることができる。本発明の積層体は、具体的には、袋、包装容器、食品トレイ、食品包材等に好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例になんら制約されるものではない。
(各種測定方法)
本実施例等においては、以下の方法に従って測定を実施した。
[メルトフローレート(MFR)]
メルトフローレートは、ASTM D1238に従い、190℃、2.16kg荷重下で測定を実施した。
[密度]
密度は、JIS K7112に準拠して測定した。
(接着性樹脂組成物の製造に使用した樹脂)
実施例及び比較例において接着性樹脂組成物の製造に使用した材料を以下に示す。
LLDPE: 直鎖状低密度ポリエチレン
(Flexirene FG 20 F、MFR:1g/10min、密度:924kg/m3
EBR: エチレン・1−ブテン共重合体
(三井化学株式会社製、商品名 タフマーA4070S、密度:870kg/m3、MFR:3.6g/10分)
MAH−LLDPE: 無水マレイン酸変性直鎖状低密度ポリエチレン
(MFR:0.3g/10min、密度:924kg/m3、無水マレイン酸量:1.0質量%)
SBS−1: スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体
(K−resin KR53、MFR:1.3g/10min、密度:1020kg/m3、スチレンから導かれる構造体の含有率:76質量%)
SBS−2: スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体
(SOL T166、MFR:2.3g/10min、密度:944kg/m3、スチレンから導かれる構造体の含有率:30質量%)
(積層体の製造に使用した樹脂)
実施例及び比較例において積層体の製造に使用した材料を以下に示す。
PS: ポリスチレン
(トーヨースチロールHI E640N、MFR:2.7g/10min)
EVOH: エチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体
(エバール J171B、MFR:1.7g/10min)
PE: ポリエチレン
(ウルトゼックス 2021L、MFR:2.0g/10min)
[実施例1]
(接着性樹脂組成物の製造)
LLDPE 15質量%、EBR 30質量%、MAH−LLDPE 20質量%、およびSBS−2 35質量%を、二軸混練機(日本製鋼所製、TEX−30)を用いて230℃で溶融混練し、接着性樹脂組成物を得た。得られた接着性樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は1.2g/10分であり、密度は913kg/m3であった。
(積層体の製造)
PSから形成される層(以下、PS層という)、接着性樹脂組成物から形成される層(以下、AD層という)、EVOHから形成される層(以下、EVOH層という)、AD層、およびPEから形成される層(以下、PE層という)がこの順に積層された5層からなる積層体を下記の方法で製造した。
PSを、直径40mm、L/D 28のスクリューを用いて230℃で押出した。
前記接着性樹脂組成物を、直径40mm、L/D 28のスクリューを用いて230℃で押出した。
EVOHを、直径30mm、L/D 28のスクリューを用いて220℃で押出した。
PEを、直径40mm、L/D 28のスクリューを用いて220℃で押出した。
押し出された前記樹脂を、フィードブロック内で、前記構成を有する積層体が得られるように積層した。ダイス温度は230℃とした。厚さ約900μmのフィルム状に共押出された各樹脂を、チルロールで冷却しつつ、1m/分の速さで引き取り、積層体を得た。製造された積層体における各層の厚さは、PS層/AD層/EVOH層/AD層/PE層=350/50/100/50/350μmであった。
得られた積層体の層間接着力を下記測定方法により測定した。結果を表1に示す。
(積層体の層間接着力測定)
上記で製造した積層体を15mm幅に切り、PS層とAD層との界面およびEVOH 層とAD層との界面において、引張試験機((株)インテスコ社製IM−20ST型)を用いて、23℃(室温)で層間接着力測定を行い、PS層とAD層との層間接着力(以下、PS接着力という)およびEVOH層とAD層との層間接着力(以下、EVOH接着力という)を求めた。クロスヘッドスピード(剥離速度)は300mm/minとした。
(実施例2、比較例1〜3)
実施例2、比較例1〜3においては、表1に示した配合処方に従い実施例1と同様の方法で接着性樹脂組成物した。
実施例1で製造された接着性樹脂組成物に替えて実施例2、比較例1〜3で製造された各接着性樹脂組成物積層体を使用したこと以外は実施例1と同様の方法で積層体を製造した。得られた各積層体に対し、実施例1と同様の方法で層間接着力測定を行い、PS接着力およびEVOH接着力を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2020114889

Claims (7)

  1. (A)エチレン系(共)重合体および/または不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたエチレン系(共)重合体 70〜50質量%と、
    (B)ビニル芳香族化合物から導かれる構造単位を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックと、共役ジエン化合物から導かれる構造単位を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックとを有し、かつ該ビニル芳香族化合物から導かれる構造単位を10質量%〜50質量%含むことを特徴とするブロック共重合体又はその水添物30〜50質量%とを含み(ただし(A)、(B)の合計を100質量%とする)、
    さらに粘着剤(C)を、前記(A)成分と(B)成分との合計100質量%に対し1質量%未満含むか、または含まないことを特徴とする、接着性樹脂組成物。
  2. 前記(A)成分が、
    下記要件(a−1)〜(a−2)を満たすエチレン系(共)重合体(A−1)と
    下記要件(a−3)〜(a−5)を満たす、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン系(共)重合体(A−2)とを、
    質量比(A−1)/(A−2)=95/5〜0/100の範囲で含むことを特徴とする、請求項1に記載の接着性樹脂組成物。
    (a−1)密度が850〜950kg/m3である。
    (a−2)ASTM D1238に準拠した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.5〜30g/10分である。
    (a−3)密度が850〜950kg/m3である。
    (a−4)ASTM D1238に準拠した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.2〜30g/10分 である。
    (a−5)変性により付加された不飽和カルボン酸またはその誘導体の量が0.01〜3.0質量%である。
  3. 下記要件(I)および(II)を満たす、請求項1または2に記載の接着性樹脂組成物。
    (I)密度が870〜920kg/m3である。
    (II)ASTM D1238に準拠した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.5〜5.0g/10分 である。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の接着性樹脂組成物を含む層(I)と、
    層(I)に接し、ポリスチレンを含む層(II)と、
    層(I)に接し、エチレン・酢酸ビニル鹸化物共重合体を含む層(III)とを
    含むことを特徴とする積層体。
  5. 前記層(I)、(II)および(III)の厚みが、それぞれ5〜100μm、100〜3000μmおよび5〜100μmである、請求項4に記載の積層体。
  6. さらに、ポリエチレン層およびポリアミド層から選ばれる少なくとも一層を含む、請求項4または5に記載の積層体。
  7. 食品包材用である、請求項4〜6のいずれかに記載の積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023022167A1 (ja) * 2021-08-18 2023-02-23 三井化学株式会社 接着性樹脂組成物およびフィルム

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