JP2003013024A - 接着性重合体組成物及びそれを用いた積層体 - Google Patents

接着性重合体組成物及びそれを用いた積層体

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JP2003013024A
JP2003013024A JP2001195723A JP2001195723A JP2003013024A JP 2003013024 A JP2003013024 A JP 2003013024A JP 2001195723 A JP2001195723 A JP 2001195723A JP 2001195723 A JP2001195723 A JP 2001195723A JP 2003013024 A JP2003013024 A JP 2003013024A
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ethylene
resin
copolymer
polymer composition
component
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JP2001195723A
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Mutsuko Ikeda
睦子 池田
Hiroyuki Nakayama
弘之 中山
Yoshinobu Yada
義信 矢田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特にポリオレフィン系樹脂とガスバリア性樹
脂との積層体を製造するにおける接着剤として好適な接
着性重合体組成物、及びその積層体、を提供する。 【構成】 下記の(A)成分、及び(B)成分を含有し
てなる接着性重合体組成物、及び、該組成物からなる層
を介して、ポリオレフィン系樹脂層とガスバリア性樹脂
の層とが積層されてなる積層体。 (A)エチレンと炭素数6〜12のα−オレフィンとの
メタロセン系触媒による共重合体であって、温度上昇溶
離分別の溶出曲線が単一ピークを有するエチレン−α−
オレフィン共重合体を、不飽和カルボン酸により変性
し、該不飽和カルボン酸単位の含有量を0.01〜10
重量%とした変性エチレン−α−オレフィン共重合体;
5〜95重量% (B)前記(A)成分以外のエチレン系重合体;95〜
5重量%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、及びポリア
ミド系樹脂等のガスバリア性樹脂の層を含む各種積層
体、特にポリオレフィン系樹脂とこれらのガスバリア性
樹脂との積層体を製造するにおける接着剤として好適な
接着性重合体組成物、及び、該接着性重合体組成物を用
いたポリオレフィン系樹脂とこれらのガスバリア性樹脂
との積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エチレン系樹脂やプロピレン
系樹脂等のポリオレフィン系樹脂は、その優れた成形加
工性、機械的特性、水蒸気バリア性、耐薬品性、熱封着
性等を生かして各種の包装・容器用資材として多く用い
られているが、酸素ガスや炭酸ガス等のガスバリア性
や、フレーバー性や保香性等の耐内容物性等が劣り、
又、成形方法や樹脂の種類によっては表面光沢性や透明
性等の意匠性にも劣るという欠点がある。
【0003】そして、ポリオレフィン系樹脂におけるこ
れらの欠点を改良する方法として、ポリエステル系樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリアミド
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂
等の各種樹脂を積層した積層体の形態が採られており、
その際、ポリオレフィン系樹脂がこれらの各種樹脂との
接着が不良であるため、両者間に接着剤層を介して積層
体とすることが行われている。
【0004】そして、その接着剤層として、従来より、
無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸又はその誘導体に
よる変性エチレン系樹脂と未変性エチレン系樹脂との混
合物からなる各種の接着性組成物が知られており、更
に、それらの中でも、組成分布の均一性による接着性の
向上を期待し、従前のチーグラー系触媒等に代えてメタ
ロセン系触媒によるエチレン−α−オレフィン共重合体
を用い、その変性物と他の未変性エチレン系樹脂との混
合物、又はその未変性物と他の変性エチレン系樹脂との
混合物、又はその変性物と未変性物との混合物等からな
る接着性組成物も数多く提案されている(例えば、特開
平6−206946号、同6−206947号、同6−
207058号、同6−207062号、同7−102
133号、同8−41261号、同8−208915
号、同8−283684号、同9−3137号、同9−
3138号、同9−87603号等各公報参照。)。し
かしながら、従来知られているいずれの接着性組成物
も、特にポリエステル系樹脂との接着において、市場の
要求を十分に満足させ得るには到っていないのが現状で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、ポリ
エステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化
物、及びポリアミド系樹脂等のガスバリア性樹脂の層を
含む各種積層体、特にポリオレフィン系樹脂とこれらの
ガスバリア性樹脂との積層体を製造するにおける接着剤
として好適な接着性重合体組成物、及び、該接着性重合
体組成物を用いたポリオレフィン系樹脂とこれらのガス
バリア性樹脂との積層体、を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定の変性エチレン−
α−オレフィン共重合体を用いた重合体組成物が前記目
的を達成できることを見い出し本発明に到達したもの
で、即ち、本発明は、下記の(A)成分、及び(B)成
分〔但し、二成分の重量%はこの二成分の合計100重
量%に対するものである。〕を含有してなる接着性重合
体組成物、及び、該接着性重合体組成物からなる層を介
して、ポリオレフィン系樹脂層と、ポリエステル系樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、及びポリア
ミド系樹脂からなるガスバリア性樹脂の群から選択され
たいずれかの樹脂の層とが積層されてなる積層体、を要
旨とする。
【0007】(A)エチレンと炭素数6〜12のα−オ
レフィンとのメタロセン系触媒による共重合体であっ
て、温度上昇溶離分別の溶出曲線が単一ピークを有し、
密度が0.850〜0.950g/cm3 、190℃で
のメルトフローレートが0.01〜50g/10分であ
るエチレン−α−オレフィン共重合体を、不飽和カルボ
ン酸又はその誘導体の存在下でグラフト反応条件に付し
て変性し、該不飽和カルボン酸又はその誘導体単位の含
有量を0.01〜10重量%とした変性エチレン−α−
オレフィン共重合体;5〜95重量% (B)密度が0.850〜0.950g/cm3 、19
0℃でのメルトフローレートが0.01〜50g/10
分である、前記(A)成分以外のエチレン系重合体;9
5〜5重量%
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の接着性重合体組成物を構
成する(A)成分の変性エチレン−α−オレフィン共重
合体は、エチレン−α−オレフィン共重合体を変性剤と
しての不飽和カルボン酸又はその誘導体の存在下でグラ
フト反応条件に付して変性することにより得られたもの
である。
【0009】そして、その反応条件に付すエチレン−α
−オレフィン共重合体は、エチレンと炭素数6〜12の
α−オレフィンとの共重合体であることが必須であり、
炭素数が前記範囲を満足しないα−オレフィンとの共重
合体では、接着性重合体組成物として十分な接着力を発
現し得ないこととなる。
【0010】その炭素数6〜12のα−オレフィンとし
ては、具体的には、例えば、4−メチル−1−ペンテ
ン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられ、エチレン
−α−オレフィン共重合体としては、エチレンとこれら
α−オレフィンの二元或いは三元以上の共重合体、及
び、例えば、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,
4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエ
ン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、1,4−オク
タジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、シクロ
ヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジ
エン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデ
ン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボル
ネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン等の非共
役ジエンを更に共重合させた共重合体等が挙げられる。
【0011】更に、その反応条件に付すエチレン−α−
オレフィン共重合体は、メタロセン系触媒による共重合
体であることが必須であり、例えば、チーグラー系触媒
等の他の触媒による共重合体では、接着性重合体組成物
として十分な接着力を発現し得ないこととなる。
【0012】メタロセン系触媒によるエチレン−α−オ
レフィン共重合体は、例えば、特開昭58−19309
号、同59−95292号、同60−35005号、同
60−35006号、同60−35007号、同60−
35008号、同60−35009号、同61−130
314号、特開平3−163088号の各公報、欧州特
許公開第420436号公報、米国特許第505543
8号明細書、及び国際公開WO91/04257号公報
等に記載されている、メタロセン系触媒、特にメタロセ
ン・アルモキサン系触媒を用い、又は、例えば、国際公
開WO92/01723号公報等に記載されている、メ
タロセン化合物と該化合物と反応して安定なアニオンと
なる化合物からなる触媒を用い、例えば、気相法、スラ
リー法、溶液法、高圧イオン重合法等の重合法、中で好
ましくは高圧イオン重合法によって製造することができ
る。
【0013】更に、その反応条件すエチレン−α−オレ
フィン共重合体は、温度上昇溶離分別の溶出曲線が単一
ピークを有することが必須であり、溶出曲線が複数のピ
ークを有するものでは、接着性重合体組成物として十分
な接着力を発現し得ないこととなる。又、その単一ピー
クの温度は90℃以下であるのが好ましい。
【0014】尚、ここで、温度上昇溶離分別(Temperat
ure Rising Elution Fractionation; TREF)とは、
公知の分析法であって、原理的には、高温でポリマーを
溶媒に完全に溶解させた後に冷却して、溶液中に存在さ
せておいた不活性担体の表面に薄いポリマー層を形成さ
せる。このとき、結晶化し易い高結晶性成分から結晶化
しにくい低結晶性若しくは非晶性成分の順にポリマー層
が形成される。次いで、連続又は段階的に昇温すると、
前記と逆に、低結晶性若しくは非晶性成分から溶出し、
最後に高結晶性成分が溶出する。この各温度での溶出量
と溶出温度によって描かれる溶出曲線からポリマーの組
成分布を分析するものであり、測定方法の詳細について
は、例えば、Journal of Applied Polymer Science , V
ol.26 ,4217〜4231(1981)に記載されている。
【0015】更に、その反応条件に付すエチレン−α−
オレフィン共重合体は、接着性重合体組成物としての成
形加工性、材料強度、及び接着性等の面から、密度が
0.850〜0.950g/cm3 であることが必須で
あり、0.850〜0.915g/cm3 であるのが好
ましく、又、JIS K7210に準拠して190℃、
21.18N荷重で測定したメルトフローレートが0.
01〜50g/10分であることが必須であり、0.1
〜30g/10分であるのが好ましい。
【0016】又、変性剤としての不飽和カルボン酸又は
その誘導体としては、具体的には、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラ
ヒドロフタル酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]
ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸等の不飽和カ
ルボン酸、又は、その無水物、酸ハライド、アミド、イ
ミド、エステル等の誘導体が挙げられ、中で、不飽和ジ
カルボン酸又はその無水物、特にマレイン酸又はその無
水物が好ましい。
【0017】又、そのグラフト反応条件としては、具体
的には、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブ
チルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパ
ーオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオ
キシド類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチル
パーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステ
ル類、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシ
ド、オクタノイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシ
ド等のジアシルパーオキシド類、t−ブチルヒドロパー
オキシド、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピル
ベンゼンヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオ
キシド類、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘ
キサノンパーオキシド等のケトンパーオキシド類等の有
機過酸化物類、又は、2,2’−アゾビスイソブチロニ
トリル、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)ジハ
ライド、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−
ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、アゾジ−t−
ブタン等のアゾ化合物類等を、前記エチレン−α−オレ
フィン共重合体100重量部に対して0.001〜10
重量部程度用いて、80〜300℃程度の温度で、溶融
状態又は溶液状態等、好ましくは溶融状態、で反応させ
る方法が採られる。
【0018】そして、本発明における(A)成分の変性
エチレン−α−オレフィン共重合体は、前記不飽和カル
ボン酸又はその誘導体単位の含有量が0.01〜10重
量%であることが必須であり、0.1〜5重量%である
のが好ましい。不飽和カルボン酸又はその誘導体単位の
含有量が前記範囲未満では、接着性重合体組成物として
十分な接着力が得られず、一方、前記範囲超過では、変
性エチレン−α−オレフィン共重合体中にゲル等が生
じ、それが接着性重合体組成物中でフィッシュアイやブ
ツ等となって接着力の低下を来すと共に、積層体として
の表面外観が低下することとなる。
【0019】本発明の接着性重合体組成物を構成する
(B)成分のエチレン系重合体は、前記(A)成分以外
のエチレン系重合体であって、密度が0.850〜0.
950g/cm3 であることが必須であり、0.850
〜0.915g/cm3 であるのが好ましく、又、JI
S K7210に準拠して190℃、21.18N荷重
で測定したメルトフローレートが0.01〜50g/1
0分であることが必須であり、0.1〜30g/10分
であるのが好ましい。
【0020】これらのエチレン系重合体として、具体的
には、例えば、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状高密
度ポリエチレン等のエチレン単独重合体、エチレンと、
酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル等のビニル化合物との共
重合体、及び、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、
3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、
1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラ
デセン、1−オクタデセン等の炭素数3〜18のα−オ
レフィンとの共重合体等が挙げられ、本発明における
(B)成分のこれらのエチレン系重合体としては、前記
(A)成分と同様に変性されたものであってもよい。
【0021】これらの中で、エチレンと、例えば、4−
メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘ
プテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等の
炭素数が6〜12のα−オレフィンとの共重合体等、前
記(A)成分の変性エチレン−α−オレフィン共重合体
において挙げた変性前のエチレン−α−オレフィン共重
合体が好ましい。又、そのエチレン−α−オレフィン共
重合体としては、従来より汎用されているチーグラー系
触媒等による共重合体より、前記(A)成分におけると
同様に、メタロセン系触媒による共重合体であるのが好
ましく、又、温度上昇溶離分別の溶出曲線が単一ピーク
を有するものが特に好ましい。
【0022】本発明の接着性重合体組成物は、前記
(A)成分の変性エチレン−α−オレフィン共重合体、
及び前記(B)成分のエチレン系重合体を含有してな
り、この二成分の合計100重量%に対して、(A)成
分が5〜95重量%、(B)成分が95〜5重量%の組
成割合であることが必須であり、(A)成分が10〜6
0重量%、(B)成分が90〜40重量%であるのが好
ましい。(A)成分の変性エチレン−α−オレフィン共
重合体の割合が前記範囲未満で(B)成分のエチレン系
重合体の割合が前記範囲超過では、接着性重合体組成物
として接着力が不足し、一方、(A)成分の変性エチレ
ン−α−オレフィン共重合体の割合が前記範囲超過で
(B)成分のエチレン系重合体の割合が前記範囲未満で
は、接着性重合体組成物として接着力が不足すると共
に、積層体としての表面外観の低下を来すこととなる。
【0023】尚、本発明の接着性重合体組成物は、前記
(A)成分及び(B)成分の外に、(A)成分と(B)
成分との合計100重量部に対して、更に粘着性付与剤
(C)成分を1〜100重量部含有しているのが好まし
く、5〜30重量部含有しているのが特に好ましい。
【0024】この(C)成分の粘着性付与剤は、通常、
粘着テープ、ホットメルト接着剤、塗料等の分野で粘着
性付与樹脂として用いられている、常温で固体の非晶性
樹脂であり、具体的には、例えば、脂肪族系、芳香族
系、脂肪族芳香族系石油樹脂、及びそれらの水素添加
物、天然ロジン、重合ロジン等のロジン系樹脂、及びそ
れらの水素添加物、ポリテルペン系樹脂、テルペンフェ
ノール系樹脂等のテルペン系樹脂、及びそれらの水素添
加物、並びに、クマロンインデン系樹脂、及びそれらの
水素添加物等が挙げられる。
【0025】これらの中で、本発明における粘着性付与
剤としては、環球法により軟化温度が70〜150℃で
あるものが好ましく、90〜150℃であるものが特に
好ましい。又、脂肪族系、芳香族系、脂肪族芳香族系石
油樹脂、及びそれらの水素添加物が好ましく、それらの
水素添加物が特に好ましい。
【0026】又、本発明の接着性重合体組成物は、本発
明の目的を損なわない範囲で、前記(A)成分、及び
(B)成分、並びに(C)成分の外に、他のポリオレフ
ィン系樹脂やゴム等を含有していてもよく、更に、必要
に応じて、通常用いられる各種の添加剤、例えば、酸化
防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、中和剤、滑
剤、ブロッキング防止剤、分散剤、流動性改良剤、離型
剤、難燃剤、着色剤、充填剤等が添加されていてもよ
い。
【0027】本発明の接着性重合体組成物は、(A)成
分の前記変性エチレン−α−オレフィン共重合体、及び
(B)成分の前記エチレン系重合体、並びに、(C)成
分の前記粘着性付与剤、その他必要に応じて用いられる
樹脂やゴム、添加剤等を、タンブラーブレンダー、リボ
ンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等
により均一に混合した後、一軸又は二軸押出機、ロー
ル、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等に
より溶融混練することにより調製される。
【0028】本発明の接着性重合体組成物は、従来公知
の方法により、被着材上にアンカーコート剤を介して又
は介さずして、逐次押出ラミネート、サンドイッチ押出
ラミネート、共押出ラミネートする方法、並びに、被着
材と接着性重合体組成物、及び、更に異種樹脂や同種樹
脂とを共押出する方法等により積層体とされてフィルム
状又はシート状に成形され、或いは、更に延伸加工に付
されて延伸物とされ、又、真空成形、圧空成形等の熱成
形に付され、又は、共押出ブロー成形されて容器状に賦
形されるが、共押出による積層体を製造するのに好適で
ある。
【0029】ここで、その被着材としては、具体的に
は、例えば、本発明の接着性重合体組成物からなる層の
一方側のものとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂、他方側のものとして、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・
イソフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキシレン
テレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、
ナイロン12、ナイロン66、ナイロンMXD6、ナイ
ロン6/66等のポリアミド系樹脂、及びエチレン−酢
酸ビニル共重合体鹸化物等のガスバリア性樹脂、並び
に、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン(GPPS
樹脂)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS樹
脂)、スチレン−アクリロニトリルグラフト重合体(A
BS樹脂)等のポリスチレン系樹脂等が挙げられ、後者
の中では、前記ガスバリア性樹脂、就中、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イソフ
タレート共重合体等のポリエチレンテレフタレート系樹
脂が好適である。
【0030】尚、本発明における被着材としては、前記
各種樹脂の未延伸又は延伸フィルム又はシートの外、そ
れらの表面に印刷等が施された印刷フィルム又はシー
ト、アルミニウム、銅、鉄等の金属の箔、板等の金属
製、及び、紙、板紙等の紙製等のものも挙げられる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び
比較例において、接着性重合体組成物の(A)成分の変
性エチレン−α−オレフィン共重合体、及び(B)成分
のエチレン系重合体、並びに、(C)成分の粘着性付与
剤としては以下のものを用いた。
【0032】(A)変性エチレン−α−オレフィン共重
合体 エチレンと1−ヘキセンとのメタロセン系触媒による
共重合体であって、温度上昇溶離分別の溶出曲線が単一
ピークを有し、密度が0.880g/cm3 、190℃
でのメルトフローレートが30g/10分のエチレン−
1−ヘキセン共重合体を、無水マレイン酸、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
の存在下で溶融グラフト反応条件に付して変性し、無水
マレイン酸単位の含有量を0.7重量%とした変性エチ
レン−1−ヘキセン共重合体。
【0033】エチレンと1−オクテンとのメタロセン
系触媒による共重合体であって、温度上昇溶離分別の溶
出曲線が単一ピークを有し、密度が0.880g/cm
3 、190℃でのメルトフローレートが18g/10分
のエチレン−1−オクテン共重合体を、無水マレイン
酸、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサンの存在下で溶融グラフト反応条件に付し
て変性し、無水マレイン酸単位の含有量を0.7重量%
とした変性エチレン−1−オクテン共重合体。
【0034】(比較例用)エチレンと1−ブテンとの
メタロセン系触媒による共重合体であって、温度上昇溶
離分別の溶出曲線が単一ピークを有し、密度が0.88
0g/cm3 、190℃でのメルトフローレートが4g
/10分のエチレン−1−ブテン共重合体を、無水マレ
イン酸、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサンの存在下で溶融グラフト反応条件に
付して変性し、無水マレイン酸単位の含有量を0.6重
量%とした変性エチレン−1−ブテン共重合体。
【0035】(比較例用)エチレンと1−ブテンとの
チーグラー系触媒による共重合体であって、密度が0.
920g/cm3 、190℃でのメルトフローレートが
1g/10分のエチレン−1−ブテン共重合体を、無水
マレイン酸、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサンの存在下で溶融グラフト反応条
件に付して変性し、無水マレイン酸単位の含有量を0.
7重量%とした変性エチレン−1−ブテン共重合体。
【0036】(B)エチレン系重合体 エチレンと1−ヘキセンとのメタロセン系触媒による
共重合体であって、温度上昇溶離分別の溶出曲線が単一
ピークを有し、密度が0.900g/cm3 、190℃
でのメルトフローレートが3g/10分のエチレン−1
−ヘキセン共重合体。 エチレンとプロピレンとのチーグラー系触媒による共
重合体であって、密度が0.860g/cm3 、190
℃でのメルトフローレートが2g/10分のエチレン−
プロピレン共重合体。
【0037】尚、前記の温度上昇溶離分別の溶出曲線は
以下の方法により作成した。 温度上昇溶離分別の溶出曲線 測定装置として、試料を溶解温度の差を利用して分別す
る温度上昇溶離分別(TREF)機構と、分別された区
分を更に分子サイズで分別するサイズ排除クロマトグラ
フ(Size Exclusion Chromatography;SEC)をオンラ
インで接続したクロス分別装置(三菱化学社製「CFC
T150A」)を使用した。溶媒としてo−ジクロロ
ベンゼンを用い、濃度が4mg/mlとなるようにポリ
マーを140℃で溶解し、これを測定装置のサンプルル
ープ内に注入する。サンプルループ内の試料溶液を、不
活性担体であるガラスビーズが充填された内径4mm、
長さ150mmのTREF装置付属のステンレス製カラ
ムに注入した後、1℃/分の速度で140℃から0℃ま
で冷却し、不活性担体表面にコーティングする。該カラ
ムを0℃で30分間保持した後、0℃の温度で溶解して
いる成分2mlを1ml/分の流速でTREFカラムか
らSECカラム(昭和電工社製「AD80M/S」、3
本)に注入する。SECで分子サイズの分別が行われて
いる間に、TREFカラムを次の溶出温度(5℃)に昇
温し、その温度で30分間保持した後、SECカラムに
注入するという操作を繰り返す。SECでの各溶出区分
の測定は39分間隔で行った。溶出温度は、0、5、1
0、15、20、25、30、35、40、45、4
9、52、55、58、61、64、67、70、7
3、76、79、82、85、88、91、94、9
7、100、102、120、140℃の各温度とし、
段階的に昇温した。SECカラムで分子サイズに分別さ
れた溶液は、装置付属の赤外分光光度計でポリマー濃度
に比例する吸光度を測定(波長3.42μのメチレンの
伸縮振動で検出)し、各溶出温度区分のクロマトグラム
を得る。内蔵のデータ処理ソフトを用い、得られた各溶
出温度区分のクロマトグラムのベースラインを引き、演
算処理する。各クロマトグラムの面積を積分し、積分溶
出曲線を計算する。又、この積分溶出曲線を温度で微分
して微分溶出曲線を計算する。計算結果の作図をプリン
ターに出力し、出力した微分溶出曲線の作図は、横軸に
溶出温度を100℃当たり89.3mm、縦軸に微分量
(全積分溶出量を1.0に規格し、1℃の変化量を微分
量とした。)0.1当たり76.5mmで行った。
【0038】(C)粘着性付与剤 芳香族系石油樹脂の水素添加物(軟化温度125℃、
数平均分子量760、荒川化学社製「アルコンP12
5」)。
【0039】実施例1〜6、比較例1〜3 (A)成分の変性エチレン−α−オレフィン共重合体、
及び(B)成分のエチレン系重合体、並びに、(C)成
分の粘着性付与剤として、各々表1に示すものを用い、
ヘンシェルミキサーで均一に混合した後、65mm径の
一軸押出機に供給し、180℃で溶融混練してストラン
ド状に押出し、カッティングすることにより、ペレット
状の接着性重合体組成物を製造した。
【0040】得られた各接着性重合体組成物を中間層用
として45mm径の一軸押出機で溶融混練すると共に、
内層用樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(日本
ポリケム社製「ノバテックLLDPE SF840
2」)を40mm径の一軸押出機で、外層用樹脂として
ポリエチレンテレフタレート樹脂(イーストマンケミカ
ル社製「PET−G 6763」を65mm径の一軸押
出機で、それぞれ溶融混練し、230℃に設定した環状
ダイより共押出して70mm/分の成形速度でインフレ
ーション成形することにより、直鎖状低密度ポリエチレ
ン樹脂内層40μm/接着性重合体組成物層10μm/
ポリエチレンテレフタレート樹脂外層20μm、の3種
3層の層構成の積層体を製造した。
【0041】得られた各積層体について、以下に示す方
法で接着強度を測定し、結果を表1に示した。 接着強度 得られた積層体から幅15mmに切り出した短冊状サン
プルを用い、JISK6854に準拠して、その一端の
ポリエチレンテレフタレート樹脂外層と接着性重合体組
成物層との間を予め剥離し、剥離速度50mm/分で2
3℃でT形剥離試験を行った。尚、直鎖状低密度ポリエ
チレン樹脂内層と接着性重合体組成物層との間は剥離で
きなかった。
【0042】
【表1】
【0043】実施例7〜10、比較例4〜5 外層用樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物
(クラレ社製「エバール F101A」)を用い、環状
ダイの温度を210℃とした外は、前記実施例、比較例
と同様にして積層体を製造し、得られた各積層体につい
て接着強度を測定し、結果を表2に示した。
【0044】
【表2】
【0045】実施例11〜14、比較例6〜7 外層用樹脂としてポリアミド樹脂(三菱エンジニアリン
グプラスチックス社製「ノバミッド 1020CA
2」)を用い、環状ダイの温度を220℃とした外は、
前記実施例、比較例と同様にして積層体を製造し、得ら
れた各積層体について接着強度を測定し、結果を表3に
示した。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステル系樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、及びポリアミド
系樹脂等のガスバリア性樹脂の層を含む各種積層体、特
にポリオレフィン系樹脂とこれらのガスバリア性樹脂と
の積層体を製造するにおける接着剤として好適な接着性
重合体組成物、及び、該接着性重合体組成物を用いたポ
リオレフィン系樹脂とこれらのガスバリア性樹脂との積
層体、を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 123/04 C09J 123/04 (72)発明者 矢田 義信 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK03A AK41C AK46C AK63B AK69C AL04B AL05B AL06B BA03 BA07 BA10A BA10C CA16B EH20 GB15 JA06B JA13B JD02 JD02C JL11 JL11B YY00B 4J040 DA012 DA041 DA161 LA01 MA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)成分、及び(B)成分〔但
    し、二成分の重量%はこの二成分の合計100重量%に
    対するものである。〕を含有してなることを特徴とする
    接着性重合体組成物。 (A)エチレンと炭素数6〜12のα−オレフィンとの
    メタロセン系触媒による共重合体であって、温度上昇溶
    離分別の溶出曲線が単一ピークを有し、密度が0.85
    0〜0.950g/cm3 、190℃でのメルトフロー
    レートが0.01〜50g/10分であるエチレン−α
    −オレフィン共重合体を、不飽和カルボン酸又はその誘
    導体の存在下でグラフト反応条件に付して変性し、該不
    飽和カルボン酸又はその誘導体単位の含有量を0.01
    〜10重量%とした変性エチレン−α−オレフィン共重
    合体;5〜95重量% (B)密度が0.850〜0.950g/cm3 、19
    0℃でのメルトフローレートが0.01〜50g/10
    分である、前記(A)成分以外のエチレン系重合体;9
    5〜5重量%
  2. 【請求項2】 (B)成分のエチレン系重合体が、エチ
    レンと炭素数6〜12のα−オレフィンとのメタロセン
    系触媒による共重合体であって、温度上昇溶離分別の溶
    出曲線が単一ピークを有するエチレン−α−オレフィン
    共重合体である請求項1に記載の接着性重合体組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分と(B)成分との合計100
    重量部に対して、更に粘着性付与剤(C)成分を1〜1
    00重量部含有する請求項1又は2に記載の接着性重合
    体組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の接着
    性重合体組成物からなる層を介して、ポリオレフィン系
    樹脂層と、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル
    共重合体鹸化物、及びポリアミド系樹脂からなるガスバ
    リア性樹脂の群から選択されたいずれかの樹脂の層とが
    積層されてなることを特徴とする積層体。
  5. 【請求項5】 ガスバリア性樹脂がポリエステル系樹脂
    である請求項4に記載の積層体。
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