JP2001019924A - 多層積層体、その製造方法及びそれに用いる接着剤 - Google Patents

多層積層体、その製造方法及びそれに用いる接着剤

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JP2001019924A
JP2001019924A JP19335999A JP19335999A JP2001019924A JP 2001019924 A JP2001019924 A JP 2001019924A JP 19335999 A JP19335999 A JP 19335999A JP 19335999 A JP19335999 A JP 19335999A JP 2001019924 A JP2001019924 A JP 2001019924A
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layer
copolymer
ethylene
aromatic hydrocarbon
resin
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JP19335999A
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Toshiki Mori
俊樹 森
Toru Fujiki
徹 藤木
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着性樹脂層として、エチレンと
アルケニル芳香族炭化水素との共重合体樹脂層を有する
新規な多層積層体を提供する。 【解決手段】 接着性樹脂層を有する
多層積層体であって、接着性樹脂層がエチレンとアルケ
ニル芳香族炭化水素との共重合体樹脂層であることを特
徴とする多層積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接着性樹脂層を有す
る多層積層体に関する。詳しくは接着性樹脂層として、
エチレンとアルケニル芳香族炭化水素との共重合体樹脂
層を有することを特徴とする多層積層体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】接着性樹
脂層を有する多層積層体は種々知られている。例えばポ
リスチレン系樹脂層とポリエチレン樹脂層との接着性樹
脂層として、粘着剤、ワックス、可塑剤、充填剤等が配
合された超低密度ポリエチレン系樹脂層が使用されてお
り、またポリスチレン系樹脂層と木材層あるいは金属層
との接着剤層としてウレタン系接着層、シリコーン系接
着層、エポキシ系接着層などがが使用されている。しか
しながら、接着性樹脂層として、エチレンとアルケニル
芳香族炭化水素との共重合体樹脂層を有する多層積層体
は全く知られていない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、積層体に
おける接着性樹脂層について、検討を重ねた結果、これ
まで接着性樹脂として知られている化合物とはその構造
を全く異にするエチレンとアルケニル芳香族炭化水素と
の共重合体樹脂という特定の樹脂が、それ単独でも接着
性樹脂層として優れた接着効果を示すことを見出し、本
発明を完成した。すなわち本発明は、接着性樹脂層を有
する多層積層体であって、接着性樹脂層がエチレンとア
ルケニル芳香族炭化水素との共重合体樹脂層であること
を特徴とする多層積層体を提供するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、接着性樹脂層として、エチレンとアルケニル
芳香族炭化水素との共重合体樹脂を用いることを特徴と
する。
【0005】ここで、アルケニル芳香族炭化水素として
は、例えば炭素原子数6〜25の芳香族炭化水素基を有
するアルケニル化合物が好ましく使用される。炭素原子
数6〜25の芳香族炭化水素基の具体例としては、例え
ばフェニル基、トリル基、キシリル基、第3級ブチルフ
ェニル基、ビニルフェニル基、ナフチル基、フェナント
リル基、アントラセニル基等が挙げられる。なかでもフ
ェニル基、トリル基、キシリル基、第3級ブチルフェニ
ル基、ビニルフェニル基、ナフチル基等が好ましく使用
される。
【0006】またアルケニル芳香族炭化水素の具体例と
しては、例えばスチレン、p−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレ
ン、m−エチルスチレン、o−エチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,
4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、3
−メチル−5−エチルスチレン、p−第3級ブチルスチ
レン、p−第2級ブチルスチレンなどのアルキルスチレ
ン;2−フェニルプロピレン、2−フェニルブテン等の
アルケニルベンゼン;1−ビニルナフタレン等のビニル
ナフタレンなどが挙げられる。なかでもスチレン、p−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチ
レン、p−第3級ブチルスチレン、2−フェニルプロピ
レン、1−ビニルナフタレン等が好ましく、とりわけス
チレンが好ましい。
【0007】本発明に使用されるエチレンとアルケニル
芳香族炭化水素との共重合体としては、アルケニル芳香
族炭化水素単位の含量S(mol%)と共重合体の損失
正接(tanδ)の極大値xとの関係が下記式(イ)を
満足する共重合体が、通常使用される。 好ましくは下
式(ロ)を満足する共重合体であり、特に好ましくは下
記式(ハ)を満足する共重合体である。 x>−0.0005×S2+0.06×S+0.04 (イ) x>−0.0005×S2+0.06×S+0.17 (ロ) x>−0.0004×S2+0.05×S+0.44 (ハ)
【0008】ここで、tanδとは、固体の動的粘弾性
を、20mm×3.0mm×0.3mmのプレスシート
について、周波数5Hz、昇温速度2℃/分、変位振幅
10μmの条件で測定して得られた貯蔵弾性率(E’)
と損失弾性率(E’’)の比(E’’/E’)をいう。
式(イ)を満足する共重合体は、例えばフィルムやシー
トといったその成形品が、柔軟であるにもかかわらず遅
延回復性に優れることを意味する。また、本発明に使用
する共重合体は、tanδの値が高いので制振性能にも
優れる。
【0009】また本発明のエチレンとアルケニル芳香族
炭化水素との共重合体は、アルケニル芳香族炭化水素単
位の立体規則性を実質的に有しない共重合体であること
が好ましい。アルケニル芳香族炭化水素単位が立体規則
性を有する場合、共重合体は結晶構造を形成し易く、透
明性が低下する可能性がある。なお、アルケニル芳香族
炭化水素単位の立体規則性を実質的に有しないことは、
13C−NMRスペクトルにおいて、メチレン基(Sα
γ、Sββ)に相当するシグナルがマルチプレッ
トとして観測されることにより確認できる。
【0010】本発明に使用される共重合体は、例えば、
下記(A)と、(B)および/または(C)とを用いて
なる触媒の存在下、エチレンとアルケニル芳香族炭化水
素とを共重合することにより得ることができる。 (A):下記一般式[I]、[II]または[III]で表
される遷移金属錯体
【0011】(上記一般式[I]〜[III]においてそ
れぞれ、M1は元素の周期律表の第4族の遷移金属原子
を示し、Aは元素の周期律表の第16族の原子を示し、
Jは元素の周期律表の第14族の原子を示す。Cp1
シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を示す。
1、X2、R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ
独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラル
キル基、アリール基、置換シリル基、アルコキシ基、ア
ラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は2置換アミノ
基を示す。X3は元素の周期律表の第16族の原子を示
す。R1、R2、R3、R4、R5及びR6は任意に結合して
環を形成してもよい。一般式[II]または[III]にお
ける二つのM1、A、J、Cp1、X1、X2、X3、R1
2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ同じであって
も異なっていてもよい。)
【0012】(B):下記(B1)〜(B3)から選ば
れる1種以上のアルミニウム化合物 (B1)一般式 E1 aAlZ3-aで示される有機アルミ
ニウム化合物 (B2)一般式 {−Al(E2)−O−}bで示される
構造を有する環状のアルミノキサン (B3)一般式 E3{−Al(E3)−O−}cAlE3
2で示される構造を有する線状のアルミノキサン (但し、E1、E2およびE3は、それぞれ炭化水素基で
あり、全てのE1、全てのE2および全てのE3は同じで
あっても異なっていても良い。Zは水素原子またはハロ
ゲン原子を表し、全てのZは同じであっても異なってい
ても良い。aは0<a≦3を満足する数を、bは2以上
の整数を、cは1以上の整数を表す。)
【0013】(C):下記(C1)〜(C3)のいずれ
かのホウ素化合物 (C1)一般式 BQ123で表されるホウ素化合
物、 (C2)一般式 G+(BQ1234-で表されるホ
ウ素化合物、 (C3)一般式 (L−H)+(BQ1234-で表
されるホウ素化合物 (但し、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q
1〜Q4はハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水
素基、置換シリル基、アルコキシ基または2置換アミノ
基であり、それらは同じであっても異なっていても良
い。G+は無機または有機のカチオンであり、Lは中性
ルイス塩基であり、(L−H)+はブレンステッド酸で
ある。)
【0014】ここで(A)の遷移金属錯体は、例えば以
下のようにして製造される。上記一般式[I]で表され
る遷移金属錯体は、たとえばWO97/03992号公
開明細書に記載の方法で製造できる。また上記一般式
[II]または[III]で表される遷移金属錯体は、上記
一般式[I]で表される遷移金属錯体を、それぞれ0.
5倍モル量または1モル倍量の水と反応させることによ
り製造することができる。その際、上記一般式[I]で
表される遷移金属錯体と必要量の水を直接反応させる方
法、必要量の水を含んだ炭化水素等の溶媒中に上記一般
式[I]で表される遷移金属錯体を投入する方法、乾燥
させた炭化水素等の溶媒に上記一般式[I]で表される
遷移金属錯体を投入し、さらに必要量の水を含んだ不活
性ガス等を流通させる方法等を採用することができる。
【0015】またアルミニウム化合物(B)としては、
例えば、トリエチルアルミニウム、またはトリイソブチ
ルアルミニウム、メチルアルミキサン、その他のアルキ
ルアルモキサンを挙げることができる。
【0016】ホウ素化合物(C)としては、例えば、ト
リフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジ
メチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートを挙げることができる。
【0017】本発明に使用するエチレンとアルケニル芳
香族炭化水素との共重合体は、上記の遷移金属錯体
(A)と、上記(B)および/または上記(C)とを用
いてなるオレフィン重合用触媒を用いて、エチレンとア
ルケニル芳香族炭化水素とを共重合することにより得る
ことができる。(A)、(B)2成分よりなるオレフィ
ン重合用触媒を用いる際は、(B)としては、前記の環
状のアルミノキサン(B2)および/または線状のアル
ミノキサン(B3)が好ましい。また他に好ましいオレ
フィン重合用触媒の態様としては、上記(A)、(B)
および(C)を用いてなるオレフィン重合用触媒が挙げ
られ、その際の該(B)としては前記の(B1)が使用
しやすい。
【0018】各成分の使用量は通常、(B)/(A)の
モル比が0.1〜10000で、好ましくは5〜200
0、(C)/(A)のモル比が0.01〜100で、好
ましくは0.5〜10の範囲にあるように、各成分を用
いることが望ましい。
【0019】重合法としては特に制限はなく、例えばバ
ッチ式または連続式の気相重合法、塊状重合法、適当な
溶媒を使用しての溶液重合法あるいはスラリー重合法
等、任意の方法を使用することができる。
【0020】重合温度については特に制限はなく、一般
に−100〜250℃、好ましくは−50〜200℃が
採用される。また、圧力についても制限はないが、一般
に100kg/cm2以下、好ましくは2kg/cm2
ら50kg/cm2で実施される。また、重合体の分子
量を調製するために水素などの連鎖移動剤を添加するこ
ともできる。
【0021】本発明に使用される共重合体は、アルケニ
ル芳香族炭化水素単位の含量Sが通常0.2〜99mo
l%である。好ましくは15〜60mol%であり、さ
らに好ましくは25〜55mol%である。特に好まし
くは47〜55mol%であり、共重合組成がこの範囲
であると、弾性回復性、遅延回復性に優れ、好ましい。
かかる含量Sはオルトジクロロベンゼンを溶媒とした13
C−NMRスペクトルにより容易に求められる。またこ
の本発明に使用する共重合体は、目的を損なわない範囲
でテルペン樹脂等の粘着剤、その他、ワックス、可塑
剤、充填剤を配合することもできる。
【0022】本発明は、上記のような共重合体を接着性
樹脂層とする多層積層体あるが、一方の被接着層である
(A)層、もう一方の被接着層である(B)層は、それ
ぞれ独立にポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、
アクリル系樹脂、木材、銅から選ばれる層であることが
好ましい。
【0023】本発明で用いられるポリスチレン系樹脂と
しては、芳香族ビニル化合物からなる重合体が挙げられ
る。ここで芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレ
ン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、2,4ジメチルスチレン、エチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレンなどのアルキル置換スチ
レン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルス
チレンなどのα−アルキル置換スチレン、クロルスチレ
ンなどのハロゲン置換スチレン、これらの2種以上のモ
ノマー混合物等が挙げられる。また必要に応じてエチレ
ン系不飽和カルボン酸エステル、アミド基を有するビニ
ル化合物などのその他の共重合可能な化合物を共重合し
て使用することができる。
【0024】ポリスチレン系樹脂の代表例としては、例
えばポリスチレン(PS)、スチレン−α−メチルスチ
レン共重合体等が挙げられる。また上記のポリスチレン
系樹脂は必要に応じて、ゴム質重合体を共重合あるいは
グラフト重合してもかまわない。ここでゴム質重合体と
しては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、天然
ゴムなどのジエン系ゴム質重合体、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重
合体、アクリル系ゴムなどの非ジエン系ゴム質重合体、
これら2種以上混合物等が挙げられる。また共役ジエン
系ゴム質重合体と非共役ジエン系ゴム質重合体を混合し
て使用することもできる。具体的には、ポリブタジエン
ゴム変性ポリスチレン系樹脂(HIPS)のようなゴム
変性ポリスチレン系樹脂等が挙げられる。
【0025】本発明で用いられるポリスチレン系樹脂は
発泡ポリスチレンであっても良く、重合時にプロパン、
ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水
素により発泡させたものであっても、未発泡のポリスチ
レン系樹脂に無機発泡剤あるいは有機発泡剤を配合して
を成形加工時に発泡させたものであっても使用し得る。
【0026】また、ポリスチレン系樹脂は上記樹脂成分
の他にフェノール系安定剤、フォスファイト系安定剤、
アミン系安定剤、アミド系安定剤、老化防止剤、耐候安
定剤などの各種安定剤、帯電防止剤、難燃剤などの各種
添加剤を含有してもよい。
【0027】本発明の被接着層に用いられるポリエチレ
ン系樹脂としては、例えばエチレン50〜95重量%、エポ
キシ基含有単量体、飽和カルボン酸のビニルエステル、
不飽和カルボン酸およびエポキシ基含有単量体を除く不
飽和カルボン酸の誘導体、から選ばれる一種以上の単量
体50〜5重量%からなるエチレン共重合体などが挙げら
れる。 エチレンの共重合量が95重量を超えるとエチレ
ン−スチレン共重合体との接着性が低下し、また50重量
%未満になると接着後の耐熱性が低下するので、いずれ
の場合も好ましくない。
【0028】エポキシ基含有単量体としては、例えば不
飽和カルボン酸グリシジルエステル単位又は不飽和グリ
シジルエーテル単位等が挙げられる。ここで不飽和カル
ボン酸グリシジルエステルまたは不飽和グリシジルエー
テルとしては、例えば一般式(1) (式中、Rは炭素数2〜18のアルケニル基を、Xはカル
ボニルオキシ基、メチレンオキシ基またはフェニレンオ
キシ基を表す。)で示される化合物が挙げられる。
【0029】かかる不飽和カルボン酸グリシジルエステ
ルの代表例としては、例えばグリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレート、イタコン酸グリシジルエス
テルなどが、不飽和グリシジルエーテルとしてはアリル
グリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、
スチレン-p-グリシジルエーテルなどが挙げられる。な
かでもグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ートが好ましい。
【0030】また飽和カルボン酸のビニルエステルの代
表例としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル等が挙げられる。中でも酢酸ビニルが好
ましい。
【0031】不飽和カルボン酸としては、例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸等を挙げられる。またエポキシ基含有単量体を除く不
飽和カルボン酸の誘導体とは、酸無水物、エステル、イ
ミド、金属塩等が挙げられ、その代表例としては、無水
マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、アク
リル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸ブチル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン
酸ジエチルエステル、フマル酸モノエチルエステル、フ
マル酸ジメチルエステル、イタコン酸モノメチルエステ
ル、イタコン酸ジエチルエステル、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジ
アミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン
酸−N,N−ジエチルアミド、マレイン酸−N−モノブチル
アミド、マレイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸
モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエ
チルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、フマル
酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジブチルア
ミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニル
マレイミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナト
リウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム等
が挙げられる。中でも、無水マレイン酸、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル等が好ま
しい。
【0032】また、ポリエチレン系樹脂は上記樹脂成分
の他にフェノール系安定剤、フォスファイト系安定剤、
アミン系安定剤、アミド系安定剤、老化防止剤、耐候安
定剤などの各種安定剤、帯電防止剤、難燃剤などの各種
添加剤を含有してもよい。
【0033】被接着層に用いられる木材としては、例え
ばスギ材、マツ材、ヒノキ材、サクラ材、ナラ材などの
天然の木材からなる化粧単板、突板、各種合板、ファイ
バーボード、パーティクルボードなどが挙げられる。
【0034】また被接着層に用いられる銅としては、銅
箔が好ましく使用されるが、エチレンとアルケニル芳香
族炭化水素との共重合体と接着可能なものであれば、他
の金属でもよい。
【0035】多層積層体の製造方法として、例えば
(A)層にポリスチレン層、(B)層に銅箔層を使用し
た場合、銅箔にエチレンとアルケニル芳香族炭化水素と
の共重合体を溶融ラミネートあるいは予めシート化した
エチレンとアルケニル芳香族炭化水素との共重合体と銅
箔をヒートシールすることにより、エチレンとアルケニ
ル芳香族炭化水素との共重合体と銅箔の二層積層体を製
造し、その後、ポリスチレン系樹脂を射出成形するかポ
リスチレンシートを熱圧着することによりポリスチレン
系樹脂層とエチレンとアルケニル芳香族炭化水素との共
重合体層と銅箔層の多層積層体が製造可能である。また
例えば(A)層にポリスチレン層、(B)層に木材層を
使用した場合、木材シートにエチレン−スチレン共重合
体を溶融ラミネートあるいは予めシート化したエチレン
とアルケニル芳香族炭化水素との共重合体と木材シート
をヒートシールすることによりエチレンとアルケニル芳
香族炭化水素との共重合体と木材シートの二層積層体を
製造し、その後、ポリスチレン系樹脂を射出成形するか
ポリスチレンシートを熱圧着することによりポリスチレ
ン系樹脂層とエチレンとアルケニル芳香族炭化水素との
共重合体層と木材シートの多層積層体が製造可能であ
る。例えば(A)層にポリスチレン層、(B)層にポリ
エチレン系樹脂層を使用した場合、各樹脂を異なった押
出し機により溶融押出しし多層ダイにより製造する方法
や、各樹脂をそれぞれシート化しその後熱溶着する方法
により製造可能である。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、接着性樹脂層として、
エチレンとアルケニル芳香族炭化水素との共重合体層を
有する多層積層体を提供し得る。またエチレンとアルケ
ニル芳香族炭化水素との共重合体はそれ単独でも高い接
着力を示すので、エチレンとアルケニル芳香族炭化水素
との共重合体を単独で使用する場合は、本発明の多層積
層体は、より有利となる。
【0037】本発明の多層積層体は、例えば一方の被接
着層(A)層をポリスチレン系樹脂層とした場合、もう
一方の(B)層にポリスチレン系樹脂を選択した時には
テレビジョン受信機又はオーディオ装置等のAV機器の
ポリスチレン製筺体とポリスチレン製表示板の接着に利
用可能である。(B)層に銅を選択した時は、工場、事
務所、一般家屋等の天井材、床材、壁材等に使用し得、
電磁波シールド機能を備えた断熱遮音建材に利用可能で
ある。(B)層に木材を選択した時には、木材の厚みを
変えることにより床下地材、自動車の内層パネル、家電
製品、オーディオ製品、家具などの木材表面を有する成
形品等に利用可能である。(B)層にポリエチレン系樹
脂を選択した時には、包装分野、開封容器の製造に好適
に用いられる多層積層体、食品、薬品、化粧剤等の収
納、包装用の容器に利用可能である。
【0038】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
【0039】((A)層)ポリスチレン(日本ポリスチ
レン社製、商品名:日本ポリスチG490N)を使用
し、東芝社製5.5オンス射出成形機(IS100E)
にて2mm厚みの成形シートを得た。
【0040】((B)層) (B)-層:ポリエチレン系樹脂(エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、酢酸ビニル共重合量=10wt%、住友化学
工業社製、商品名:エバテートD3010)を使用し、東芝
社製5.5オンス射出成形機(IS100E)にて2mm厚
みの成形シートを得た。 (B)-層:木材(ラワン合板、JAS1類 完全耐水合
板(3層)) (B)-層:銅板(りん脱酸銅、厚み=100μm) (B)-層:ポリプロピレン層(住友化学工業社製、商
品名:ノーブレンAY564) (B)-層:(A)層と同じポリスチレン
【0041】接着性樹脂の製造例 (1)接着性樹脂 アルゴンで置換した400mlのオートクレーブ中に予め
スチレン46ml、脱水したトルエン124mlを投入後、
エチレンを0.8MPa仕込んだ。トリイソブチルアルミ
ニウムのトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製、1m
ol/l]2.5mlとイソプロピリデン(シクロペンタ
ジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−
フェノキシ)チタニウムジクロリド 6.2mgを脱水ト
ルエン12mlに溶解したものを予め混合後仕込み、つづ
いて、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート73.8mgを脱水トルエン16mlに溶
解したものを加え、60℃で1時間攪拌した。その後、反
応液を塩酸(12N)5mlとアセトン1000mlの混合物中
に投じ、沈殿した白色固体を濾取した。該固体をアセト
ンで洗浄後、減圧乾燥した結果、重合体22.43gを得
た。この重合体の数平均分子量は245000、分子量分布
(重量平均分子量/数平均分子量)は2.2、ガラス転移
点は13℃、スチレン単位の含量は36mol%であった。
また、固体の動的粘弾性を測定したところ、tanδの
極大値は1.86であった。この重合体のプレスシートは非
常に透明性が高く、柔軟で、シートの両端を引張ったの
ちにはなすと、伸びはゆっくりと回復し、ほぼ100%元
に戻った。この樹脂を用い、熱プレス成形にて50μmの
接着性樹脂を得た。
【0042】(2)接着性樹脂:接着性樹脂の製造方
法において、予め投入したスチレンの量を46mlから11
4mlに、予め投入した脱水トルエンの量を124mlから
55mlに変えた以外は接着性樹脂の製造方法と同様に
操作したところ、重合体13.73gを得た。この重合体の
数平均分子量は249000、分子量分布(重量平均分子量/
数平均分子量)は2.3、ガラス転移点は31℃、スチレン
単位の含量は49mol%であった。また、固体の動的粘
弾性を測定したところ、tanδの極大値は1.95であっ
た。この重合体のプレスシートは非常に透明性が高く、
柔軟で、シートの両端を引張ったのちにはなすと、伸び
はゆっくりと回復し、ほぼ100%元に戻った。この樹
脂を用い、熱プレス成形にて50μmの接着性樹脂を得
た。
【0043】(3)樹脂物性の測定方法 (イ)ガラス転移点は、DSC(セイコー電子工業社製
SSC−5200)を用いて、以下の条件で測定し、そ
の変曲点より求めた。 昇温 20℃〜200℃(20℃/分)10分間保
持、 冷却 200℃〜−50℃(20℃/分)10分間保持 測定 −50℃〜300℃(20℃/分)
【0044】(ロ)分子量および分子量分布は、ゲル・パ
ーミュエーション・クロマトグラフ(日本分光社製 800
シリーズ)を用い、以下の条件にて求めた。なお、分子
量分布は重量平均分子量と数平均分子量との比(重量平
均分子量/数平均分子量)で評価した。 カラム s
hodex A806M、測定温度 45℃、測定溶媒テ
トラヒドロフラン、測定濃度 0.5mg/ml
【0045】(ハ)重合体中のスチレン単位の含量(mo
l%)やモノマーのシーケンスなどの重合体の構造は、
13C−NMR(日本電子社製JNM−EX270)解析に
より求めた。 測定溶媒 オルトジクロロベンゼン、測
定温度 135℃
【0046】(ニ)重合体の屈折率は、180℃で3分間予
熱後180℃で30〜50kg/cm2の圧力下3分間熱プレス
することにより成形した厚さ100μmのフィルムを、10
mm×30mmの大きさに切り取り試験片として、アッベ
屈折計 3型(株式会社アタゴ製)を用いて調べた。
【0047】(ホ)重合体の固体動的粘弾性は、スペクト
ロメ−タ(セイコー電子工業製の測定解析装置レオステ
ーションSDM5600HにテンションモジュールDMS20
0を接続)を用い、以下の条件にて求めた。 試験片 20mm×3.0mm×0.3mmのプレスシート、
周波数 5Hz、昇温速度 2℃/分、変位振幅 10
μm
【0048】実施例1〜9 テスター産業社製ヒートシーラーを用いて、接着性樹脂
及びに、それぞれ(A)層、(B)層の各層を180
℃、0.3MPaの圧力で3秒間保持し接着した。得られ
た積層体を10mm巾の短冊状に切り出し、温度23℃、剥
離速度100mm/秒、剥離角度180°で剥離試験を実施し
た。剥離強度(g/10mm巾)を表1に示した。
【0049】
【表1】 (A)層 接着層 (B)層 剥離強度 実施例1 ポリスチレン 接着性樹脂 (B)- 410 実施例2 ポリスチレン 接着性樹脂 (B)- 790 実施例3 ポリスチレン 接着性樹脂 (B)- 400 実施例4 ポリスチレン 接着性樹脂 (B)- 350 実施例5 ポリスチレン 接着性樹脂 (B)- 340 実施例6 ポリスチレン 接着性樹脂 (B)- 550 実施例7 ポリスチレン 接着性樹脂 (B)- 330 実施例8 ポリスチレン 接着性樹脂 (B)- 990 実施例9 ポリスチレン 接着性樹脂 (B)- 240
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB17A AB17B AB33A AB33B AK04A AK04B AK04G AK11G AK12A AK12B AK25A AK25B AL01A AL01B AL01G AP00A AP00B AP01A AP01B AP02A AP02B AP03A AP03B BA02 DJ01A DJ01B GB07 GB15 GB33 GB48 GB81 JL11 4J040 DA031 DB041 MA08 MA10 MA11

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接着性樹脂層を有する多層積層体であっ
    て、接着性樹脂層がエチレンとアルケニル芳香族炭化水
    素との共重合体樹脂層であることを特徴とする多層積層
    体。
  2. 【請求項2】エチレンとアルケニル芳香族炭化水素との
    共重合体におけるアルケニル炭化水素の配座が、立体規
    則性を実質的に有しないことを特徴とする請求項1記載
    の多層積層体。
  3. 【請求項3】エチレンとアルケニル芳香族炭化水素との
    共重合体におけるアルケニル芳香族炭化水素単位の含量
    S(mol%)と、共重合体の損失正接(tanδ)の
    極大値xとの関係が、下記式(イ)を満足すること特徴
    とする請求項1、2いずれかに記載の多層積層体。 x>−0.0005×S2+0.06×S+0.04 (イ)
  4. 【請求項4】一方の被接着層である(A)層、もう一方
    の被接着層である(B)層が、それぞれ独立にポリスチ
    レン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、木
    材、銅から選ばれる層であることを特徴とする請求項1
    〜3いずれかに記載の多層積層体。
  5. 【請求項5】(A)層がポリスチレン系樹脂層である請
    求項4に記載の多層積層体。
  6. 【請求項6】ポリスチレン系樹脂がポリスチレン又は発
    泡ポリスチレンである請求項4、5いずれかに記載の多
    層積層体。
  7. 【請求項7】ポリエチレン系樹脂がエチレン50〜95重量
    %、エチレン系不飽和エステル、エポキシ基含有単量
    体、不飽和カルボン酸から選ばれる一種以上の単量体5
    〜50重量%からなるエチレン共重合体である請求項4〜
    6いずれかに記載の多層積層体。
  8. 【請求項8】木材が合板、ファイバーボード、パーティ
    クルボード、スギ材、マツ材、ヒノキ材、サクラ材、ナ
    ラ材から選ばれる請求項4〜7いずれかに記載の多層積
    層体。
  9. 【請求項9】銅が銅箔である請求項4〜8いずれかに記
    載の多層積層体。
  10. 【請求項10】接着性樹脂層として、エチレンとアルケ
    ニル芳香族炭化水素の共重合体樹脂を使用ることを特徴
    とする多層積層体の製造方法。
  11. 【請求項11】エチレンとアルケニル芳香族炭化水素と
    の共重合体におけるアルケニル炭化水素の配座が立体規
    則性を実質的に有しないことを特徴とする請求項10記
    載の製造方法。
  12. 【請求項12】エチレンとアルケニル芳香族炭化水素と
    の共重合体におけるアルケニル芳香族炭化水素単位の含
    量S(mol%)と、共重合体の損失正接(tanδ)
    の極大値xとの関係が、 下記式(イ)を満足すること
    特徴とする請求項10、11いずれかに記載の製造方
    法。 x>−0.0005×S2+0.06×S+0.04 (イ)
  13. 【請求項13】一方の被接着層である(A)層、もう一
    方の被接着層である(B)層が、それぞれ独立にポリス
    チレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、
    木材、銅から選ばれる層であることを特徴とする請求項
    10〜12いずれかに記載の製造方法。
  14. 【請求項14】(A)層がポリスチレン系樹脂層である
    請求項13に記載の多層積層体。
  15. 【請求項15】ポリスチレン系樹脂がポリスチレン又は
    発泡ポリスチレンである請求項13、14いずれかに記
    載の製造方法。
  16. 【請求項16】ポリエチレン系樹脂がエチレン50〜95重
    量%、エチレン系不飽和エステル、エポキシ基含有単量
    体、不飽和カルボン酸から選ばれる一種以上の単量体5
    〜50重量%からなるエチレン共重合体である請求項13
    〜15いずれかに記載の製造方法。
  17. 【請求項17】木材が合板、ファイバーボード、パーテ
    ィクルボード、スギ材、マツ材、ヒノキ材、サクラ材、
    ナラ材から選ばれる請求項13〜16いずれかに記載の
    製造方法。
  18. 【請求項18】銅が銅箔である請求項13〜17いずれ
    かに記載の製造方法。
  19. 【請求項19】エチレンとアルケニル芳香族炭化水素と
    の共重合体を有効成分とする接着剤。
  20. 【請求項20】エチレンとアルケニル芳香族炭化水素と
    の共重合体におけるアルケニル炭化水素の配座が、立体
    規則性を実質的に有しないことを特徴とする請求項19
    記載の接着剤。
  21. 【請求項21】エチレンとアルケニル芳香族炭化水素と
    の共重合体におけるアルケニル芳香族炭化水素単位の含
    量S(mol%)と、共重合体の損失正接(tanδ)
    の極大値xとの関係が、下記式(イ)を満足すること特
    徴とする請求項19、20いずれかに記載の接着剤。 x>−0.0005×S2+0.06×S+0.04 (イ)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005187496A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Tosoh Corp アルミ接着用接着剤及びそれを用いた接着性フィルム
JP2008519174A (ja) * 2004-11-08 2008-06-05 アズデル,インコーポレイティド 天然繊維を含む複合熱可塑性シート

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