JP2003160621A - オレフィン系共重合体変性物 - Google Patents
オレフィン系共重合体変性物Info
- Publication number
- JP2003160621A JP2003160621A JP2002227031A JP2002227031A JP2003160621A JP 2003160621 A JP2003160621 A JP 2003160621A JP 2002227031 A JP2002227031 A JP 2002227031A JP 2002227031 A JP2002227031 A JP 2002227031A JP 2003160621 A JP2003160621 A JP 2003160621A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- olefin
- vinyl compound
- copolymer
- substituent
- adhesive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
をさらに向上せしめた樹脂、該樹脂を有効成分とする接
着剤、該接着剤を使用する基材の接着方法および該接着
剤と基材とを積層してなる積層体を提供すること。 【解決手段】 炭素数3以上の直鎖状α−オレフィン及
び/又はエチレンから誘導される繰り返し単位と、下記
ビニル化合物(I)又は(II)から誘導される繰り返し
単位とを含有するオレフィン系共重合体に、アルケニル
芳香族炭化水素及び/又は不飽和カルボン酸類をグラフ
ト重合せしめてなることを特徴とするオレフィン系共重
合体変性物。 ビニル化合物(I):CH2=CH−Rで表され、置換
基Rの立体パラメータEsが−1.64以下であり、か
つ置換基Rの立体パラメータB1が1.53以上である
ビニル化合物。 ビニル化合物(II):CH2=CH−R’で表され、置
換基R’が2級アルキル基または3級アルキル基である
ビニル化合物。
Description
合体変性物、該変性物を有効成分とする接着剤、該接着
剤を使用する基材の接着方法および該接着剤と基材とを
積層してなる積層体に関するものである。
レフィン系樹脂等の基材に対する接着性に優れた樹脂
は、家電製品のハウジング、自動車の外装用品等の接着
剤、塗料などに幅広く使用されている。本発明者らは、
既に、エチレン及び/又は直鎖状α−オレフィンと、嵩
高いアルキル基を有するビニル化合物とのオレフィン系
共重合体が優れた接着性を示すことを提案している(特
願2001−200548号)。
フィン系樹脂などの基材に対する接着性をさらに向上せ
しめた樹脂、該樹脂を有効成分とする接着剤、該接着剤
を使用する基材の接着方法および該接着剤と基材とを積
層してなる積層体を提供することである。
3以上の直鎖状α−オレフィン及び/又はエチレンから
誘導される繰り返し単位と、下記ビニル化合物(I)又
は(II)から誘導される繰り返し単位とを含有するオレ
フィン系共重合体に、アルケニル芳香族炭化水素及び/
又は不飽和カルボン酸類をグラフト重合せしめてなるこ
とを特徴とするオレフィン系共重合体変性物に係るもの
である。 ビニル化合物(I):CH2=CH−Rで表され、置換
基Rの立体パラメータEsが−1.64以下であり、か
つ置換基Rの立体パラメータB1が1.53以上である
ビニル化合物。 ビニル化合物(II):CH2=CH−R’で表され、置
換基R’が2級アルキル基または3級アルキル基である
ビニル化合物。本発明の第二は、上記オレフィン系共重
合体変性物を有効成分とする接着剤に係るものである。
本発明の第三は、上記接着剤を使用する基材の接着方法
に係るものである。本発明の第四は、上記接着剤と基材
とを積層してなる積層体に係るものである。
本発明のオレフィン系共重合体変性物は、炭素数3以上
の直鎖状α−オレフィン及び/又はエチレンから誘導さ
れる繰り返し単位と、下記ビニル化合物(I)又は(I
I)から誘導される繰り返し単位とを含有するオレフィ
ン系共重合体に、アルケニル芳香族炭化水素及び/又は
不飽和カルボン酸類をグラフト重合せしめてなるオレフ
ィン系共重合体変性物である。 ビニル化合物(I):CH2=CH−Rで表され、置換
基Rの立体パラメータEsが−1.64以下であり、か
つ置換基Rの立体パラメータB1が1.53以上である
ビニル化合物。 ビニル化合物(II):CH2=CH−R’で表され、置
換基R’が2級アルキル基または3級アルキル基である
ビニル化合物。
タEsおよびB1は、置換基Rの立体的嵩高さを表すパ
ラメータ(Esは三次元的な広がりを、B1は二次元的
な広がりを表す)であり、文献(C.Hansch a
nd A.Leo:“Exploring QSAR
Fundamentals and Applicat
ions in Chemistry and Bio
logy”Chapter3(ACS Profess
ional Reference Book,Wasi
ngton,DC(1995))に記載されている方法
で求める。
の立体パラメータ示す。
有するビニル化合物を例示し、その立体パラメータを示
す。
ル化合物に対しより好適に用いられる。得られるオレフ
ィン系共重合体変性物の弾性回復性や遅延回復性を高め
る観点から、ビニル化合物(I)の置換基Rの立体パラ
メータEsは、−1.64以下であり、好ましくは−
1.70以下であり、より好ましくは−1.72以下で
あり、特に好ましくは、−1.75以下であり、ビニル
化合物(I)の置換基Rの立体パラメータB1は、1.
53以上であり、好ましくは1.70以上であり、より
好ましくは1.91以上である。また、本発明のオレフ
ィン系共重合体変性物の前駆体であるオレフィン系共重
合体の重合活性をより高める観点から、ビニル化合物
(I)の置換基Rの立体パラメータEsは、好ましくは
−3.10以上であり、より好ましくは−2.80以上
であり、特に好ましくは−2.35以上であり、最も好
ましくは−2.10以上であり、ビニル化合物(I)の
置換基Rの立体パラメータB1は、好ましくは2.90
以下であり、より好ましくは2.70以下であり、特に
好ましくは2.60以下である。
炭化水素基であることが好ましく、飽和炭化水素基であ
ることがより好ましく、さらに、環状アルキル基である
ことが好ましい。置換基Rが環状アルキル基であるビニ
ル化合物(I)の具体例としては、ビニルシクロペンタ
ン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロオクタンなど
があげられる。中でも置換基Rがシクロヘキシル基であ
るビニル化合物(I)が最も好適である。
ルキル基または3級アルキル基であり、2級アルキル基
としては炭素原子数3〜20の2級アルキル基が好まし
く、3級アルキル基としては炭素原子数4〜20の3級
アルキル基が好ましい。R’はシクロアルキル基であっ
てもよく、シクロアルキル基としては、3〜16員環を
有するシクロアルキル基が好ましく、3〜10員環を有
する炭素原子数3〜20のシクロアルキル基がより好ま
しい。置換基R’としては、3〜10員環を有する炭素
原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数4〜2
0の3級アルキル基が好ましい。
ニルシクロプロパン、ビニルシクロブタン、ビニルシク
ロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプ
タン、ビニルシクロオクタン、3−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキ
セン、3−メチル−1−ヘプテン、3−メチル−1−オ
クテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメ
チル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ヘキセ
ン、3,3−ジメチル−1−ヘプテン、3,3−ジメチ
ル−1−オクテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、
3,4−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−
1−ヘプテン、3,4−ジメチル−1−オクテン、3,
5−ジメチル−1−ヘキセン、3,5−ジメチル−1−
ヘプテン、3,5−ジメチル−1−オクテン、3,6−
ジメチル−1−ヘプテン、3,6−ジメチル−1−オク
テン、3,7−ジメチル−1−オクテン、3,3,4−
トリメチル−1−ペンテン、3,3,4−トリメチル−
1−ヘキセン、3,3,4−トリメチル−1−ヘプテ
ン、3,3,4−トリメチル−1−オクテン、3,4,
4−トリメチル−1−ペンテン、3,4,4−トリメチ
ル−1−ヘキセン、3,4,4−トリメチル−1−ヘプ
テン、3,4,4−トリメチル−1−オクテン、5−ビ
ニル−2−ノルボルネン、1−ビニルアダマンタン、4
−ビニル−1−シクロヘキセンなどがあげられる。
クロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘ
プタン、ビニルシクロオクタン、5−ビニル−2−ノル
ボルネン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−
ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチ
ル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、
3,4−ジメチル−1−ペンテン、3,5−ジメチル−
1−ヘキセン、3,3,4−トリメチル−1−ペンテ
ン、3,4,4−トリメチル−1−ペンテンである。よ
り好ましいビニル化合物(II)は、ビニルシクロヘキサ
ン、ビニルノルボルネン、3−メチル−1−ブテン、3
−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテ
ン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、3,3,4−ト
リメチル−1−ペンテンである。更に好ましいビニル化
合物(II)は、ビニルシクロヘキサン、3,3−ジメチ
ル−1−ブテンである。最も好ましいビニル化合物(I
I)は、ビニルシクロヘキサンである。
において、ビニル化合物(I)の単量体単位の含有量と
しては、該オレフィン系共重合体を構成する全ての単量
体単位100モル%に対して、通常、0.1〜99モル
%であり、得られるオレフィン系共重合体変性物の柔軟
性及び接着性の観点から、好ましくは1〜90モル%、
とりわけ好ましくは1〜80モル%である。ビニル化合
物(I)の単量体単位の含有量は、1H−NMRスペク
トルや13C−NMRスペクトルを用いて求めることがで
きる。
は、炭素数3以上の直鎖状α−オレフィンであり、好ま
しくは、炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンであ
る。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、
1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタ
デセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等の直鎖状オ
レフィン類等が挙げられる。中でも、プロピレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが
好ましく、とりわけプロピレンが好適である。
において、エチレン単位および直鎖状α−オレフィン単
位の合計含有量としては、該オレフィン系共重合体を構
成する全ての単量体単位100モル%に対して、通常、
1〜99.9モル%であり、好ましくは10〜99モル
%、とりわけ好ましくは20〜99モル%である。
は、エチレン及び/又は直鎖状α−オレフィンと、ビニ
ル化合物(I)又は(II)とを共重合して得られるもの
であり、さらに付加重合可能な単量体を共重合せしめて
もよい。ここで、付加重合可能な単量体とは、エチレ
ン、直鎖状α−オレフィン、ビニル化合物(I)および
(II)を除く単量体であって、エチレン、直鎖状α−オ
レフィン、ビニル化合物(I)又は(II)と付加重合可
能な単量体であり、該単量体の炭素数は、通常、3〜2
0程度である。付加重合可能な単量体の具体例として
は、環状オレフィン、下記一般式(III) (式中、R''、R'''は、それぞれ独立に、直鎖状、分枝
状あるいは環状の炭素数1〜18程度のアルキル基、ま
たはハロゲン原子等を表す。)で表されるビニリデン化
合物、ジエン化合物、ハロゲン化ビニル、アルキル酸ビ
ニル、ビニルエーテル類、アクリロニトリル類などが挙
げられる。
ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオク
テン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペ
ンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−ノルボルネ
ン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−
ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−フ
ェニル−2−ノルボルネン、5−ベンジル−2−ノルボ
ルネン、2−テトラシクロドデセン、2−トリシクロデ
セン、2−トリシクロウンデセン、2−ペンタシクロペ
ンタデセン、2−ペンタシクロヘキサデセン、8−メチ
ル−2−テトラシクロドデセン、8−エチル−2−テト
ラシクロドデセン、5−アセチル−2−ノルボルネン、
5−アセチルオキシ−2−ノルボルネン、5−メトキシ
カルボニル−2−ノルボルネン、5−エトキシカルボニ
ル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカル
ボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボル
ネン、8−メトキシカルボニル−2−テトラシクロドデ
セン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−2−テト
ラシクロドデセン、8−シアノ−2−テトラシクロドデ
セン等が挙げられる。より好ましい環状オレフィンは、
シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、2
−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−
フェニル−2−ノルボルネン、2−テトラシクロドデセ
ン、2−トリシクロデセン、2−トリシクロウンデセ
ン、2−ペンタシクロペンタデセン、2−ペンタシクロ
ヘキサデセン、5−アセチル−2−ノルボルネン、5−
アセチルオキシ−2−ノルボルネン、5−メトキシカル
ボニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシ
カルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノル
ボルネンであり、特に好ましくは2−ノルボルネン、2
−テトラシクロドデセンである。
ブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペ
ンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−
ヘプテン、2−メチル−1−オクテン、2,3−ジメチ
ル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ペンテン、
2,3−ジメチル−1−ヘキセン、2,3−ジメチル−
1−ヘプテン、2,3−ジメチル−1−オクテン、2,
4−ジメチル−1−ペンテン、2,4,4−トリメチル
−1−ペンテン、塩化ビニリデン等が挙げられる。特に
好ましいビニリデン化合物はイソブテン、2,3−ジメ
チル−1−ブテン、2,4,4−トリメチル−1−ペン
テンである。
ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジ
エン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、
1,5−シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエ
ン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボル
ネン、5−アリル−2−ノルボルネン、4−ビニル−1
−シクロヘキセン、5−エチリデン−2−ノルボルネン
等が挙げられる。特に好ましいジエン化合物は1,4−
ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ノルボ
ルナジエン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−
ノルボルネン、4−ビニル−1−シクロヘキセン、5−
エチリデン−2−ノルボルネンである。
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどが挙げら
れ、ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエ
ーテルなどが挙げられる。ハロゲン化ビニルとしては、
例えば、塩化ビニルなどが挙げられ、アクリロニトリル
類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリルなどが挙げられる。
能な単量体単位の含有量としては、通常、得られる接着
剤のポリプロピレンに対する接着性を損なわない範囲で
あり、具体的な含有量としては、該オレフィン系共重合
体を構成するすべての単量体単位100モル%に対し
て、通常30モル%以下、好ましくは10モル%以下、
より好ましくは5モル%以下、更に好ましくは1モル%
以下である。
の製造方法としては、例えば、イソプロピリデンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリドおよびメチルア
ルモキサンを接触させて得られる触媒の存在下、エチレ
ン及び/又はα−オレフィンと、ビニル化合物(I)又
は(II)とを共重合する方法などが挙げられる。中でも
特願2000−311778号に記載の方法に準じて製
造する方法が好適である。
に、ビニル化合物(I)及び/又はビニル化合物(II)
由来の3級炭素原子同士が、ビニル化合物(I)及び/
又はビニル化合物(II)由来の1個のメチレン基により
隔てられた構造を有する。例えば、エチレンとビニルシ
クロヘキサンとの共重合体では、シクロヘキシル基が結
合した炭素原子同士が1個のメチレン基によって隔てら
れた構造を有する。もちろん、該炭素原子同士が2個や
3個以上のメチレン基によって隔てられた構造を有して
いてもよい。上記構造は、ビニル化合物重合体を13C−
NMR解析することにより確認できる。
の分子量分布(Mw/Mn=[重量平均分子量]/[数
平均分子量])は、通常、1.5〜10.0であり、好
ましくは1.5〜7.0、とりわけ好ましくは1.5〜
5.0である。該オレフィン系共重合体の分子量分布が
小さすぎる又は大きすぎると、得られる接着剤の機械的
強度および透明性が向上する傾向にあることから好まし
い。
ン系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、通常、5,00
0〜1,000,000であり、好ましくは10,000〜500,000であ
り、とりわけ好ましくは15,000〜400,000である。該オ
レフィン系共重合体の重量平均分子量が大きいと、得ら
れる接着剤の機械的強度が向上する傾向にあることから
好ましく、該オレフィン系共重合体の重量平均分子量が
小さいと、該オレフィン系共重合体の流動性が向上する
傾向にあることから好ましい。
は、機械的強度の観点から極限粘度[η]の値は、通
常、0.08〜10.0dl/g程度であり、好ましく
は0.10〜3.0dl/g程度であり、とりわけ好ま
しくは0.15〜2.0dl/g程度である。
物とは、かくして得られたオレフィン系共重合体にアル
ケニル芳香族炭化水素及び/又は不飽和カルボン酸類を
グラフト重合せしめてなるオレフィン系共重合体変性物
である。オレフィン系共重合体にアルケニル芳香族炭化
水素をグラフト重合せしめてなるオレフィン系共重合体
変性物についてまず説明すると、該変性物におけるアル
ケニル芳香族炭化水素の含有量は、本発明のオレフィン
系共重合体変性物100重量%に対して、通常、0.0
1〜30重量%であり、好ましくは0.05〜10重量
%、とりわけ好ましくは0.1〜5重量%である。アル
ケニル芳香族炭化水素のグラフト重合量が多いと、該変
性物の接着力が向上する傾向にあり、また、アルケニル
芳香族炭化水素のグラフト重合量が少ないと、該変性物
の熱安定性が向上する傾向にある。
水素としては、例えば、炭素数6〜25程度の芳香族炭
化水素基を有するアルケニル化合物が挙げられ、具体的
には、フェニル基、トリル基、キシリル基、第3級ブチ
ルフェニル基、ビニルフェニル基、ナフチル基、フェナ
ントリル基、アントラセニル基等を有するアルケニル化
合物が挙げられる。アルケニル芳香族炭化水素基の中で
も、フェニル基、トリル基、キシリル基、第3級ブチル
フェニル基、ビニルフェニル基、ナフチル基等が好まし
い。
は、スチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エ
チルスチレン、o−エチルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチ
ルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、3−メチル−
5−エチルスチレン、p−第3級ブチルスチレン、p−
第2級ブチルスチレンなどのアルキルスチレン;2−フ
ェニルプロピレン、2−フェニルブテン等のアルケニル
ベンゼン;1−ビニルナフタレン等のビニルナフタレン
などが挙げられる。アルケニル芳香族炭化水素として、
2種類以上のアルケニル芳香族炭化水素を用いてもよ
い。
レン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−
メチルスチレン、p−第3級ブチルスチレン、2−フェ
ニルプロピレン、1−ビニルナフタレンが好ましく、と
りわけスチレンが好適である。
ボン酸類をグラフト重合せしめてなるオレフィン系共重
合体変性物について説明すると、該変性物100重量%
に対する不飽和カルボン酸類のグラフト重合量として
は、通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.05
〜10重量%、とりわけ好ましくは0.1〜5重量%で
ある。不飽和カルボン酸類のグラフト重合量が多いと、
該変性物の接着力が向上する傾向にあり、また、不飽和
カルボン酸類のグラフト重合量が少ないと、該変性物の
熱安定性が向上する傾向にある。
しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、ナジック酸、メチルナジック酸、ハ
イミック酸、アンゲリカ酸、テトラヒドロフタル酸、ソ
ルビン酸、メサコン酸などの不飽和カルボン酸;無水マ
レイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ナ
ジック酸、無水メチルナジック酸、無水ハイミック酸な
どの不飽和カルボン酸無水物;アクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチ
ル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチ
ル、アクリル酸−i−ブチル、メタクリル酸−i−ブチ
ル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、
マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエ
ステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチ
ルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン
酸ジメチルエステルなどの不飽和カルボン酸エステル;
アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノア
ミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−N−モノエチ
ルアミド、マレイン酸−N,N−ジエチルアミド、マレ
イン酸−N−モノブチルアミド、マレイン酸−N,N−
ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミ
ド、フマル酸−N−モノエチルアミド、フマル酸−N,
N−ジエチルアミド、フマル酸−N−モノブチルアミ
ド、フマル酸−N,N−ジブチルアミドなどの不飽和カ
ルボン酸アミド;マレイミド、N−ブチルマレイミド、
N−フェニルマレイミドなどの不飽和カルボン酸イミ
ド;塩化マレオイルなどの不飽和カルボン酸ハライド;
アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アク
リル酸カリウム、メタクリル酸カリウムなどの不飽和カ
ルボン酸金属塩などが挙げられる。また、上記の不飽和
カルボン酸類を組み合わせて使用してもよい。不飽和カ
ルボン酸類としては、中でも無水マレイン酸が好まし
い。
しては、例えば、オレフィン系共重合体を溶融させたの
ち、アルケニル芳香族炭化水素及び/又は不飽和カルボ
ン酸類を添加してグラフト重合せしめる方法、オレフィ
ン系共重合体をトルエン、キシレンなどの溶媒に溶解し
たのち、アルケニル芳香族炭化水素及び/又は不飽和カ
ルボン酸類を添加してグラフト重合せしめる方法などが
挙げられる。上記の製造方法は、通常、約40〜350
℃程度の温度で行われる。
和カルボン酸類をオレフィン系重合体にグラフト重合さ
せるためには、通常、ラジカル開始剤の存在下に重合を
実施する。ラジカル開始剤の使用量としては、通常、オ
レフィン系共重合体1kgに対して0.001〜0.5
モル、好ましくは0.005〜0.1モルである。
エチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキ
シド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンペルオ
キシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、メチル
アセトアセテートペルオキシド、アセチルアセトンペル
オキシド、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサ
ン、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)オク
タン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペ
ルオキシ)バレレイト、2,2−ビス(tert−ブチ
ルペルオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロペル
オキシド、クメンハイドロペルオキシド、ジイソプロピ
ルベンゼンハイドロペルオキシド、パラメンタンハイド
ロペルオキシド、2,5−ジメチルへキサン−2,5−
ジハイドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルハイドロペルオキシド、ジ−tert−ブチル
ペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド、
ジクミルペルオキシド、α,α’−ビス(tert−ブ
チルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ter
t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、1,4−ビス
(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、アセチルペルオキシド、イソブチリルペルオキシ
ド、オクタノイルペルオキシド、デカノイルペルオキシ
ド、ラウロイルペルオキシド、3,5,5−トリメチル
ヘキサノイルペルオキシド、コハク酸ペルオキシド、ベ
ンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペ
ルオキシド、m−トルノイルペルオキシド、ジイソプロ
ピルペルオキシジカーボネイト、ジ−2−エチルへキシ
ルペルオキシジカーボネイト、ジ−n−プロピルペルオ
キシジカーボネイト、ビス(4−tert−ブチルシク
ロへキシル)ペルオキシジカーボネイト、ジミリスチル
ペルオキシジカーボネイト、ジ−2−エトキシエチルペ
ルオキシジカーボネイト、ジメトキシイソプロピルペル
オキシカーボネイト、ジ(3−メチル−3−メトキシブ
チル)ペルオキシジカーボネイト、ジアリルペルオキシ
ジカーボネイト、tert−ブチルペルオキシアセテイ
ト、tert−ブチルペルオキシイソブチレイト、te
rt−ブチルペルオキシピバレイト、tert−ブチル
ペルオキシネオデカノエイト、クミルペルオキシネオデ
カノエイト、tert−ブチルペルオキシ−2−エチル
ヘキサノエイト、tert−ブチルペルオキシ−3,
5,5−トリメチルヘキサノエイト、tert−ブチル
ペルオキシラウレイト、tert−ブチルペルオキシベ
ンゾエイト、ジ−tert−ブチルペルオキシイソフタ
レイト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペ
ルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ベンゾイルペルオキシ)−3−ヘキシン、tert−
ブチルペルオキシマレイン酸、tert−ブチルペルオ
キシイソプロピルカーボネイト、クミルペルオキシオク
トエイト、tert−へキシルペルオキシネオデカネイ
ト、tert−へキシルペルオキシピバレイト、ter
t−ブチルペルオキシネオヘキサノエイト、tert−
へキシルペルオキシネオヘキサノエイト、クミルペルオ
キシネオヘキサノエイト、アセチルシクロへキシルスル
フォニルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシア
リルカーボネイトなどの有機過酸化物;アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビスイソプロピオニトリル、ジメチ
ルアゾイソブチレートなどのアゾ化合物などが挙げられ
る。
物は、通常、分子量分布(Mw/Mn)が、1.5〜1
0であり、好ましくは1.5〜7、とりわけ好ましくは
1.5〜5である。分子量分布が小さいと、該変性物の
接着性が向上する傾向にあり、好ましい。該変性物の分
子量分布は、前記のオレフィン系共重合体の分子量分布
と同様に測定することができる。
物は、機械的強度の観点から極限粘度[η]の値は、通
常、0.08〜10.0dl/gであり、好ましくは
0.10〜3.0dl/gであり、とりわけ好ましくは
0.15〜2.0dl/gである。
性物は、例えば、接着剤、粘着剤、接着剤の改質剤、ヒ
ートシール剤、塗料、塗料用プライマー、フィルム、シ
ート、構造材料、建築材料、自動車部品、電気・電子製
品、包装材料などに使用し得る。中でも、その優れた接
着性から、接着剤、粘着剤、接着剤の改質剤、ヒートシ
ール剤、塗料、塗料用プライマーなどに好適に用いら
れ、とりわけ、接着剤に好適である。
性物を有効成分とする接着剤であり、接着性を損なわな
い範囲でフェノール系安定剤、フォスファイト系安定
剤、アミン系安定剤、アミド系安定剤、老化防止剤、耐
候安定剤、沈降防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定
剤などの安定剤;揺変剤、増粘剤、消泡剤、表面調整
剤、耐候剤、顔料、顔料分散剤、帯電防止剤、滑剤、核
剤、難燃剤、油剤、染料などの添加剤;酸化チタン(ル
チル型)、酸化亜鉛などの遷移金属化合物、カーボンブ
ラック等の顔料;ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリ
ウム繊維、ウオラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸カ
ルシウム、タルク、ガラスフレーク、硫酸バリウム、ク
レー、カオリン、微粉末シリカ、マイカ、珪酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化ア
ルミニウム、酸化マグネシウム、アルミナ、セライトな
どの無機、有機の充填剤等を本発明の接着剤に含有して
いてもよい。
ンなどの芳香族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水
素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
類、メタノ−ル、イソプロピルアルコール、エチレング
リコール、プロピレングリコールなどのアルコール類等
の溶剤を含有していてもよい。接着剤における溶媒の含
有量は、オレフィン系共重合体変性物1重量部に対し
て、通常、1.5〜30重量部程度、好ましくは2〜2
0重量部程度である。接着剤が溶媒を含有する場合に
は、オレフィン系共重合体変性物、安定剤、添加剤、顔
料、充填剤等が溶媒に溶解していても分散していてもよ
い。
を積層してなるものである。基材としては、例えば、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、エチレン・プロピレン共
重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチ
レン・ブタジエン・スチレン共重合体などのオレフィン
系樹脂;ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド樹
脂、(メタ)アクリレート樹脂、エチレン・(メタ)ア
クリレート共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等
の極性基含有熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、ユリア樹脂などの極性基含有熱硬化性樹脂;金属、
ガラス、セメントなどの無機材料;紙、木材などのセル
ロース系高分子材料などが挙げられる。また、積層体に
は、2種類以上の異なった種類の基材を使用してもよ
い。基材の中でも極性基含有熱可塑性樹脂およびポリオ
レフィン系樹脂が好ましく、とりわけ、ポリプロピレン
が好適である。
剤、顔料、充填剤、溶剤等を含有していてもよい。本発
明の基材の形状としては、例えば、極性基含有熱可塑性
樹脂または極性基含有熱硬化性樹脂に、顔料、溶剤など
を含有してなる溶液;加飾フィルムなどのフィルム、シ
ート等の形状が挙げられる。中でも、極性基含有熱可塑
性樹脂または極性基含有熱硬化性樹脂に、顔料、溶剤な
どを含有してなる溶液状の基材を塗料として積層せしめ
ることができる。塗料としては、極性基含有熱可塑性樹
脂または極性基含有熱硬化性樹脂を混合して使用しても
よい、また、得られた塗料を複数回塗装してもよい。ま
た、基材としては、オレフィン系樹脂および該樹脂の主
鎖オレフィン結合を水素添加した水添物などのシート又
はフィルムも好適である。
ば、基材、シート状の接着剤、基材とを順次積層したの
ち熱プレスする方法;基材の上に溶液状の接着剤を塗布
したのち溶媒を乾燥し他の基材を積層する方法;基材の
上に溶液状の接着剤、溶液状の基材を塗布したのち加熱
することにより接着、積層する方法;基材、シート状の
接着剤および基材とを共押出し成形により積層する方法
などが挙げられる。
に説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。例中の部および%は、特に断らないかぎり重
量基準を意味する。
用い、テトラリンを溶媒として135℃で測定した。
共重合体の変性物に係る分子量は、ゲル・パーミエーシ
ョン・クロマトグラフ(GPC)を用い、ポリスチレン
(分子量688〜400,000)標準物質で校正した
上で、下記条件にて求めた。なお、分子量分布は重量平
均分子量(以下、Mwという)と数平均分子量(以下、
Mnという)との比(Mw/Mn)で評価した。 機種 Waters製 150−C カラム shodex packed column
A−80M 測定温度 140℃ 測定溶媒 オルトジクロロベンゼン 測定濃度 1mg/ml
キサン単位の含有量は、下記13C−NMR装置により求
めた。13 C−NMR装置:BRUKER社製 DRX600 測定溶媒:オルトジクロロベンゼンとオルトジクロロベ
ンゼン−d4 4:1(容積比)混合液 測定温度 135℃
加熱キシレンに溶解させ、無水アセトンで沈澱させるこ
とにより精製した後、再度キシレン溶液とし、フェノー
ルフタレインを指示薬に用いて加温下(110から12
0℃)に、NaOHメタノール溶液により滴定して求め
た。なお、無水マレイン酸は二価の酸として、含有量の
算出を行った。
ーブレンAY564)を使用し、東洋精機(株)社製ラ
ボプラストミルφ20mm押出し機T−ダイス付にて1
00μm厚みの成形フィルムを得、基材とした。また、
同じポリプロピレンを使用し、東芝社製5.5オンス射
出成形機(IS100E)にて2mm厚みの成形シート
を得、基材とした。
で置換したオートクレーブ中にビニルシクロヘキサン
(以下、VCHという)441部、脱水トルエン124
1部を投入した。30℃に昇温後、プロピレンを0.4
MPa仕込んだ。メチルアルモキサンのトルエン溶液
[東ソー・アクゾ(株)製MMAO、Al原子換算濃度
6%]14部を仕込み、つづいてイソプロピリデンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジクロリド[Bould
er社製] 0.0087部を脱水トルエン 8部に溶
解したものと上記のメチルアルモキサンのトルエン溶液
1部とを予め混合したものを投入し40分攪拌した。
得られた反応液をメタノール 約5000部中に投じ、
沈殿した白色固体を濾取した。該固体をメタノールで洗
浄後、減圧乾燥した結果、プロピレン・ビニルシクロヘ
キサン共重合体(B−1) 243部を得た。該共重合
体(B−1)の[η]は0.18dl/gで、Mnは1
0,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.1、融点
(Tm)は116℃、ガラス転移点(Tg)は−5℃、
共重合体(B−1)におけるVCH単位の含有量は3モ
ル%であった。
圧反応容器にキシレン200部および共重合体(B−
1)25部を仕込み、反応容器内の窒素置換し、反応溶
液を140℃に昇温したのち1時間攪拌して、均一の共
重合体(B−1)/キシレン溶液を得た。続いて、無水
マレイン酸25部をキシレン200部に溶解した溶液
と、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン1.48部をキシレン30部に溶解
した溶液を別々の導管から4時間かけて反応容器内に供
給した。更に2時間攪拌を続けたのち、室温付近まで冷
却した。得られた反応液を多量のアセトン中に滴下し、
目的のプロピレン・ビニルシクロヘキサン共重合体無水
マレイン酸変性物(B−2)を含む濾取物を得た。濾取
物を80℃、12時間、減圧乾燥し、変性物(B−2)
を17.6部得た。この変性物(B−2)の無水マレイ
ン酸のグラフト重合量は2.12%、該変性物(B−
2)をGPCで測定した結果、重量平均分子量(Mw)
=20,000、数平均分子量(Mn)=10,00
0、および分子量分布(Mw/Mn)=2.0であっ
た。
形機にて、温度180℃、圧力5MPaの条件で、鋼板
(4mm厚み)/アルミ板(200μm)/ポリテトラ
フルオロエチレンシート(200μm)/(B−2)+
50μmPET(ポリエチレンテレフタレート)型枠/
ポリテトラフルオロエチレンシート(200μm)/ア
ルミ板(200μm)/鋼板(4mm厚み)の構成でプ
レス加工を実施し、ポリテトラフルオロエチレンシート
をはずして、(B−2)を有効成分とするシート状の接
着剤を得た。次に、上からアルミ箔、基材(100μm
厚みのポリプロピレンフィルム)、シート状の接着剤、
基材(2mm厚みのポリプロピレンシート)およびアル
ミ箔を順次積層し、ヒートシールテスター(テスター産
業社製)にて、上部より180℃、0.3MPaの圧力
で3秒間保持し積層体の一部(25mm幅)を接着し
た。得られた積層体のアルミ箔を剥がし、温度23℃、
湿度50%にて1時間静置した。その後、積層体を10
mm幅×100mm長さ(接着長さ25mm)に切り出
し、温度23℃、湿度50%にて接着していない部分を
つかみ、剥離速度100mm/秒、剥離角度180°で
ピール剥離試験を実施したところ、ポリプロピレンに対
する剥離強度は8.6(N/10mm)であった。結果
を表1にまとめる。
において、ビニルシクロヘキサン441部を110部
に、トルエン1241部を43部に、メチルアルモキサ
ンのトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製MMAO、
Al原子換算濃度 6%]14部を5部に、イソプロピ
リデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド[B
oulder社製] 0.0087部を脱水トルエン
8部に溶解したものをイソプロピリデンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド[Boulder社製]
0.0043部を脱水トルエン 8部に溶解したもの
に、攪拌時間40分を60分に変えた以外は実施例1と
同様に行なった。結果を表1に示す。なお、得られたプ
ロピレン・ビニルシクロヘキサン共重合体は45部であ
り、該共重合体の[η]は0.16dl/gで、Mnは
9,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.2、融点
(Tm)は93℃、ガラス転移点(Tg)は−8℃、該
共重合体におけるVCH単位の含有量は7.6モル%で
あった。
において、ビニルシクロヘキサン441部を110部
に、トルエン1241部を37部に、メチルアルモキサ
ンのトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製MMAO、
Al原子換算濃度 6%]14部を10部に、攪拌時間
40分を90分に変えた以外は実施例1と同様に行なっ
た。結果を表1に示す。なお、得られたプロピレン・ビ
ニルシクロヘキサン共重合体は83部であり、該共重合
体の[η]は0.14dl/gで、Mnは7,000、
分子量分布(Mw/Mn)は2.3、融点(Tm)は9
7℃、ガラス転移点(Tg)は3℃、該共重合体におけ
るVCH単位の含有量は13モル%であった。
ン系共重合体を実施例1と同様にシート状の接着剤とし
て製造した。続いて、実施例1と同様に積層体を製造
し、ポリプロピレンに対する剥離強度を測定した。結果
を表1に示す。
ン系共重合体を実施例1と同様にシート状の接着剤とし
て製造した。続いて、実施例1と同様に積層体を製造
し、ポリプロピレンに対する剥離強度を測定した。結果
を表1に示す。
ン系共重合体を実施例1と同様にシート状の接着剤とし
て製造した。続いて、実施例1と同様に積層体を製造
し、ポリプロピレンに対する剥離強度を測定した。結果
を表1に示す。
オートクレーブ(重合器)の内部温度を50℃に保ちな
がら、重合機下部からヘキサンを84.7部/時間、エ
チレン2.8部/時間、スチレン4.15部/時間の速
度で連続的に供給した。触媒としてイソプロピリデン
(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5
−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロリド、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレート、およびトリイソブチルアルミ
ニウムをそれぞれ0.000348部/時間、0.00
1081部/時間、0.006912部/時間の速度で
重合器下部から重合器中に連続的に供給した。一方、重
合器上部から重合器中の重合液が重合器内部容量となる
ように連続的に重合液を抜き出した。重合器から抜き出
した重合液に少量のエタノールを添加して重合反応を停
止させ、脱モノマー、水洗浄後、大量の水中でスチーム
により溶媒を除去してオレフィン系共重合体を取り出
し、80℃で昼夜減圧乾燥した。
施例1と同様にシート状の接着剤として製造した。続い
て、実施例1と同様に積層体を製造し、積層体のポリプ
ロピレンに対する剥離強度を測定した。結果を表1にま
とめた。
は、例えば、接着剤、粘着剤、接着剤の改質剤、ヒート
シール剤、塗料、塗料用プライマー、フィルム、シー
ト、構造材料、建築材料、自動車部品、電気・電子製
品、包装材料などに使用し得る。本発明の接着剤は、ポ
リプロピレンなどのオレフィン系樹脂などの基材に対し
て著しく優れた接着性を有する。また、本発明の接着剤
の上に、例えば、加飾フィルムを積層したり、塗料を塗
布することにより、包装用材料、建築用材料、家電製品
のハウジング、バンパー、ドアモール、ドアミラー、ド
アアンダーカバー等の自動車外装用ポリプロピレン系樹
脂積層体、電子部品などに利用し得る。
Claims (9)
- 【請求項1】炭素数3以上の直鎖状α−オレフィン及び
/又はエチレンから誘導される繰り返し単位と、下記ビ
ニル化合物(I)又は(II)から誘導される繰り返し単
位とを含有するオレフィン系共重合体に、アルケニル芳
香族炭化水素及び/又は不飽和カルボン酸類をグラフト
重合せしめてなることを特徴とするオレフィン系共重合
体変性物。 ビニル化合物(I):CH2=CH−Rで表され、置換
基Rの立体パラメータEsが−1.64以下であり、か
つ置換基Rの立体パラメータB1が1.53以上である
ビニル化合物。 ビニル化合物(II):CH2=CH−R’で表され、置
換基R’が2級アルキル基または3級アルキル基である
ビニル化合物。 - 【請求項2】ビニル化合物(I)の置換基Rが、環状ア
ルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のオレ
フィン系共重合体変性物。 - 【請求項3】ビニル化合物(I)が、ビニルシクロヘキ
サンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のオ
レフィン系共重合体変性物。 - 【請求項4】オレフィン系共重合体が、エチレンとビニ
ル化合物(I)とのオレフィン系共重合体であることを
特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン
系共重合体変性物。 - 【請求項5】直鎖状α−オレフィンがプロピレンである
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオレ
フィン系共重合体変性物。 - 【請求項6】アルケニル芳香族炭化水素がスチレンであ
り、不飽和カルボン酸類が無水マレイン酸であることを
特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のオレフィン
系共重合体変性物。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載のオレフィ
ン系共重合体変性物を有効成分とする接着剤。 - 【請求項8】請求項7に記載の接着剤を使用することを
特徴とする基材の接着方法。 - 【請求項9】請求項7に記載の接着剤と基材とを積層し
てなることを特徴とする積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002227031A JP2003160621A (ja) | 2001-08-08 | 2002-08-05 | オレフィン系共重合体変性物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001240720 | 2001-08-08 | ||
JP2001-240720 | 2001-08-08 | ||
JP2002227031A JP2003160621A (ja) | 2001-08-08 | 2002-08-05 | オレフィン系共重合体変性物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003160621A true JP2003160621A (ja) | 2003-06-03 |
Family
ID=26620185
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002227031A Pending JP2003160621A (ja) | 2001-08-08 | 2002-08-05 | オレフィン系共重合体変性物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003160621A (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005320400A (ja) * | 2004-05-07 | 2005-11-17 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 変性ビニルシクロヘキサン共重合体水性エマルジョン |
WO2007123071A1 (ja) | 2006-04-21 | 2007-11-01 | Sumitomo Chemical Company, Limited | オレフィン系共重合体またはその変性物の水性エマルジョン |
US7312280B2 (en) | 2003-01-07 | 2007-12-25 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Process for producing modified ethylene-vinylcyclohexane copolymer resin |
JP2008063557A (ja) * | 2006-04-21 | 2008-03-21 | Sumitomo Chemical Co Ltd | オレフィン系共重合体またはその変性物の水性エマルジョン |
WO2008072760A1 (ja) | 2006-12-15 | 2008-06-19 | Sumika Chemtex Company, Limited | オレフィン系共重合体の水性エマルジョン |
JP2008228884A (ja) * | 2007-03-19 | 2008-10-02 | Toyobo Co Ltd | 脱臭フィルタ |
WO2010030033A1 (ja) | 2008-09-12 | 2010-03-18 | 住友化学株式会社 | 水性エマルション |
WO2010143725A1 (ja) | 2009-06-11 | 2010-12-16 | 住友化学株式会社 | 水性エマルション |
WO2011002047A1 (ja) | 2009-06-30 | 2011-01-06 | 住友化学株式会社 | 積層体 |
JP2015105320A (ja) * | 2013-11-29 | 2015-06-08 | 日本ゼオン株式会社 | 環状オレフィン樹脂−銅接着用接着剤および積層体 |
JP2018008514A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-18 | 日本ポリプロ株式会社 | 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 |
JP2018016071A (ja) * | 2016-07-13 | 2018-02-01 | 日本ポリプロ株式会社 | 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 |
JP2018094923A (ja) * | 2017-12-15 | 2018-06-21 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 装飾積層シート、装飾積層シートを含む構造体およびその製造方法 |
-
2002
- 2002-08-05 JP JP2002227031A patent/JP2003160621A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7312280B2 (en) | 2003-01-07 | 2007-12-25 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Process for producing modified ethylene-vinylcyclohexane copolymer resin |
JP2005320400A (ja) * | 2004-05-07 | 2005-11-17 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 変性ビニルシクロヘキサン共重合体水性エマルジョン |
EP2014719A1 (en) * | 2006-04-21 | 2009-01-14 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Aqueous emulsion of olefin copolymer or modified product of the olefin copolymer |
JP2008063557A (ja) * | 2006-04-21 | 2008-03-21 | Sumitomo Chemical Co Ltd | オレフィン系共重合体またはその変性物の水性エマルジョン |
WO2007123071A1 (ja) | 2006-04-21 | 2007-11-01 | Sumitomo Chemical Company, Limited | オレフィン系共重合体またはその変性物の水性エマルジョン |
EP2014719A4 (en) * | 2006-04-21 | 2009-08-19 | Sumitomo Chemical Co | AQUEOUS COPOLYMER EMULSION OF OLEFINS OR MODIFIED OLEFIN COPOLYMER PRODUCT |
WO2008072760A1 (ja) | 2006-12-15 | 2008-06-19 | Sumika Chemtex Company, Limited | オレフィン系共重合体の水性エマルジョン |
JP2008228884A (ja) * | 2007-03-19 | 2008-10-02 | Toyobo Co Ltd | 脱臭フィルタ |
WO2010030033A1 (ja) | 2008-09-12 | 2010-03-18 | 住友化学株式会社 | 水性エマルション |
WO2010143725A1 (ja) | 2009-06-11 | 2010-12-16 | 住友化学株式会社 | 水性エマルション |
WO2011002047A1 (ja) | 2009-06-30 | 2011-01-06 | 住友化学株式会社 | 積層体 |
JP2015105320A (ja) * | 2013-11-29 | 2015-06-08 | 日本ゼオン株式会社 | 環状オレフィン樹脂−銅接着用接着剤および積層体 |
JP2018008514A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-18 | 日本ポリプロ株式会社 | 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 |
JP2018016071A (ja) * | 2016-07-13 | 2018-02-01 | 日本ポリプロ株式会社 | 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 |
JP2018094923A (ja) * | 2017-12-15 | 2018-06-21 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 装飾積層シート、装飾積層シートを含む構造体およびその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101716558B1 (ko) | 코팅제, 장식 필름 및 성형체 | |
JP2003160621A (ja) | オレフィン系共重合体変性物 | |
JP2009108181A (ja) | 重合体組成物、フィルム及び容器 | |
JP2003002930A (ja) | 非晶性オレフィン系重合体変性物、ならびに、該変性物と熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物 | |
JP2012144692A (ja) | 組成物 | |
US7160950B2 (en) | Modified olefin copolymer | |
BRPI0720756A2 (pt) | Emulsão aquosa de copolímero com base em olefina | |
WO2007123071A1 (ja) | オレフィン系共重合体またはその変性物の水性エマルジョン | |
US20070167568A1 (en) | Tie based on grafted polyethylene and on high-impact or crystal polystyrene with cohesive failure | |
KR20230160903A (ko) | 수지 조성물, 및 그 용도 및 제조 방법 | |
US7193003B2 (en) | Copolymer, adhesive containing the same and laminate | |
JP2012062423A (ja) | インサート成形用接着フィルムおよびインサート成形により得られる成形体 | |
JP2005097435A (ja) | 塗料用プライマー組成物 | |
JP4288952B2 (ja) | 樹脂組成物、塗料および成形体 | |
JP7505494B2 (ja) | ポリオレフィン系接着剤組成物及び積層体 | |
JP2004238428A (ja) | プライマーおよび成形体 | |
WO2010122966A1 (ja) | 水性エマルション | |
JP2022126143A (ja) | 加飾シート | |
JP2018039880A (ja) | オレフィン系樹脂組成物、その製造方法、成形体および積層体 | |
JP5098752B2 (ja) | 宙吊り又は保定包装用フィルム、包装部材、包装体および包装方法 | |
JP4388740B2 (ja) | 成形体 | |
WO2010143724A1 (ja) | 水性エマルション | |
EP2450186A1 (en) | Laminate | |
JP2008138024A (ja) | ビニル化合物共重合体、接着剤および積層体 | |
JP2006257229A (ja) | 成形体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061115 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061219 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070216 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080129 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080311 |