JP2005097435A - 塗料用プライマー組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 塩素原子を含む化合物を使用することなく、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などの基材に対する密着性が良好な塗料用プライマー組成物を提供する。
【解決手段】 塗料用プライマー組成物として、ラジカル重合性単量体(A)を、重合性不飽和基を有するマクロモノマー(B)の存在下で重合させて得られる重合体組成物(C)を用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】 塗料用プライマー組成物として、ラジカル重合性単量体(A)を、重合性不飽和基を有するマクロモノマー(B)の存在下で重合させて得られる重合体組成物(C)を用いる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、主にポリオレフィン系樹脂やアクリル系樹脂からなる基材に塗装を行う際に、塗料の下地として用いられるプライマー組成物に関するものである。
オレフィン系単量体の重合体であるポリオレフィン系樹脂は、機械的性質や耐薬品性に優れる上に、低コストで成形加工が容易であることから、多種の用途に幅広く利用されている。さらに、ポリオレフィン系樹脂は、リサイクル性にも優れることから、近年の地球環境問題を背景としてその用途はさらに拡大しつつある。
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は非極性であることから、ポリオレフィン系樹脂成形物表面への塗装や接着が困難であることが知られている。よって、ポリオレフィン系樹脂成形物表面に塗装や接着を行う場合には、該樹脂成形物の表面にプラズマ処理、火炎処理、紫外線照射処理、クロム酸処理などの表面処理を施して、その表面を活性化させて、その付着性を改良する方法が一般に採用されている。
しかしながら、このような表面処理を行うことは、その付加的な処理のため、塗装工程が複雑となり、多大な設備費や時間的なロスを伴う。また、成形物の形や大きさ、樹脂中に含まれる顔料や添加物の影響により、表面処理効果にバラつきが生じやすいという不都合を有していた。
前述した表面処理を行わずポリオレフィン系樹脂に塗装する方法としては、ポリオレフィン系樹脂に対して強い付着力を有する塩素化ポリオレフィンをプライマー(塗装の下側の層)として用い、トップコート(塗装の上側の層)としてアクリル系樹脂などを使用する方法も知られている。例えば、ポリオレフィン系樹脂へ密着性良好な塗料として、塩素化ポリオレフィンとアクリル系共重合体との重量比が10:90〜90:10である樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、含塩素化合物を含む樹脂組成物は、昨今の環境問題への関心の高まりから、その使用が回避される傾向にある。そのため、近年では、塩素を含まない塗料用プライマー組成物に対する要求が急速に高まっている。
また、アクリル系樹脂などのポリオレフィン系樹脂以外の樹脂に対しても密着性が良好な塗料用プライマー組成物の提供が求められている。
特公昭63−24628号公報
また、アクリル系樹脂などのポリオレフィン系樹脂以外の樹脂に対しても密着性が良好な塗料用プライマー組成物の提供が求められている。
よって、本発明の目的は、塩素原子を含む化合物を使用することなく、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などの基材に対する密着性が良好な塗料用プライマー組成物を提供することにある。
すなわち、本発明の塗料用プライマー組成物は、ラジカル重合性単量体(A)を、重合性不飽和基を有するマクロモノマー(B)の存在下で重合させて得られる重合体組成物(C)を含むものである。
ここで、前記マクロモノマー(B)は、ラジカル重合性単量体(b)からなる単量体単位を含み、下記一般式(1)で表される重合性不飽和基を有するものであることが望ましい。
(R1 )(R2 )C=C(R3 )(R4 ) ・・・(1)
(式(1)中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、水酸基、シアノ基、カルボキシル基、およびエステル結合を有する基からなる群から選ばれた基であり、R1 〜R4 の少なくとも1つが単量体単位と結合する。)
ここで、前記マクロモノマー(B)は、ラジカル重合性単量体(b)からなる単量体単位を含み、下記一般式(1)で表される重合性不飽和基を有するものであることが望ましい。
(R1 )(R2 )C=C(R3 )(R4 ) ・・・(1)
(式(1)中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、水酸基、シアノ基、カルボキシル基、およびエステル結合を有する基からなる群から選ばれた基であり、R1 〜R4 の少なくとも1つが単量体単位と結合する。)
また、前記ラジカル重合性単量体(A)は、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を含むものであることが望ましい。
また、前記マクロモノマー(B)は、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含むものであることが望ましい。
また、前記脂環式炭化水素基は、シクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基から選ばれた少なくとも1種であることが望ましい。
また、前記マクロモノマー(B)は、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含むものであることが望ましい。
また、前記脂環式炭化水素基は、シクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基から選ばれた少なくとも1種であることが望ましい。
本発明の塗料用プライマー組成物は、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などの基材に対する密着性(接着性)が良好である。また、塩素を含まないので環境にも優しい。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明において、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを意味する。
[ラジカル重合性単量体(A)]
本発明におけるラジカル重合性単量体(A)としては、例えば、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロデカニル、メタクリル酸シクロペンタジエニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル(MA)、アクリル酸エチル、アタクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロデカニル、アクリル酸シクロペンタジエニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル等のアクリル酸エステル類;エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン及び1−エイコセン等の分岐、直鎖状の鎖状オレフィン類;シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン等の環状オレフィン類;フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等のα,β−不飽和カルボン酸類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド等のマレイミド類;カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル類;ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等の窒素含有単量体;アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン等のモノ若しくはポリアルキルスチレン等の芳香族ビニル化合物等を用いることができる。
本発明におけるラジカル重合性単量体(A)としては、例えば、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロデカニル、メタクリル酸シクロペンタジエニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル(MA)、アクリル酸エチル、アタクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロデカニル、アクリル酸シクロペンタジエニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル等のアクリル酸エステル類;エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン及び1−エイコセン等の分岐、直鎖状の鎖状オレフィン類;シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン等の環状オレフィン類;フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等のα,β−不飽和カルボン酸類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド等のマレイミド類;カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル類;ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等の窒素含有単量体;アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン等のモノ若しくはポリアルキルスチレン等の芳香族ビニル化合物等を用いることができる。
これらの中で、入手のしやすさ、基材に対する密着性の面から、環構造、多環構造を持つ(メタ)アクリル酸エステルを用いることが好ましい。例えば、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロデカニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル等の脂環式炭化水素基を持つメタクリル酸エステル単量体;アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロデカニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル等の脂環式炭化水素基を持つアクリル酸エステル単量体が挙げられる。
これらは、1種を単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
これらは、1種を単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合性単量体(A)中の脂環式炭化水素基を持つ(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量は、特に限定されないが、基材に対する密着性、機械強度の点から、ラジカル重合性単量体(A)(100質量%)中、30〜95質量%であることが好ましく、50〜95質量%であることがより好ましい。
[マクロモノマー(B)]
本発明における、重合性不飽和基を有するマクロモノマー(B)は、特に基材に対する密着性の点において重要な役割を果たす。例えば、マクロモノマー(B)を使用することによって、同じ単量体組成を有するランダム共重合体や異種ポリマーの単純ブレンド体を使用する場合と比較し、著しい密着性の向上を図ることができる。ここで、マクロモノマーとは、重合可能な官能基を持った高分子であり、別名マクロマーとも呼ばれるものである。
本発明における、重合性不飽和基を有するマクロモノマー(B)は、特に基材に対する密着性の点において重要な役割を果たす。例えば、マクロモノマー(B)を使用することによって、同じ単量体組成を有するランダム共重合体や異種ポリマーの単純ブレンド体を使用する場合と比較し、著しい密着性の向上を図ることができる。ここで、マクロモノマーとは、重合可能な官能基を持った高分子であり、別名マクロマーとも呼ばれるものである。
本発明におけるマクロモノマー(B)としては、例えば、ラジカル重合性単量体(b)からなる単量体単位を含み、かつ下記式(1)で表される重合性不飽和基を有するものが挙げられる。
(R1 )(R2 )C=C(R3 )(R4 ) ・・・(1)
(式(1)中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、水酸基、シアノ基、カルボキシル基、およびエステル結合を有する基からなる群から選ばれた基であり、R1 〜R4 の少なくとも1つが単量体単位と結合する。)
(R1 )(R2 )C=C(R3 )(R4 ) ・・・(1)
(式(1)中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、水酸基、シアノ基、カルボキシル基、およびエステル結合を有する基からなる群から選ばれた基であり、R1 〜R4 の少なくとも1つが単量体単位と結合する。)
例えば、R4 を介して単量体単位と結合する重合性不飽和基の場合、重合反応性の点から、R1 およびR2 が水素原子、R3 が水素原子、炭素数1から10の脂肪族炭化水素基、フェニル基、置換フェニル基、シアノ基、カルボキシル基またはエステル結合を有する炭素数1から20の炭化水素基であるものが好ましく、R1 およびR2 が水素原子、R3 がエステル結合を有する炭素数1から20の炭化水素基であるものがさらに好ましい。
マクロモノマー(B)に含まれる単量体単位を構成するラジカル重合性単量体(b)としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル等の上記ラジカル重合性単量体(A)として挙げたものを用いることができる。上述のラジカル重合性単量体(A)が、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を含まない場合、基材に対する密着性、塗料に対する密着性、機械強度の点から、マクロモノマー(B)は、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸トリシクロデカニル、メタクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸トリシクロデカニル、アクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシルを単量体単位として含むものであることが好ましい。
マクロモノマー(B)の分子量は、特に限定されないが、得られる塗料用プライマー組成物の強度および固形分濃度の点から、その数平均分子量が1000以上100000以下が好ましく、5000以上50000以下がより好ましい。
マクロモノマー(B)は、公知の方法で製造することが可能である。その製造方法は、特に限定されないが、塗膜性能、製造工程の経済性の点から、例えば、コバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法(例えば米国特許4680352号)、αブロモメチルスチレン等のα置換不飽和化合物を連鎖移動剤として用いる方法(例えばWO88/04304号)、重合性基を化学的に結合させる方法(例えば特開昭60−133007号公報、米国特許5147952号)、熱分解による方法(例えば特開平11−240854号公報)が好ましい。
本発明においては、マクロモノマー(B)は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
マクロモノマー(B)は、公知の方法で製造することが可能である。その製造方法は、特に限定されないが、塗膜性能、製造工程の経済性の点から、例えば、コバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法(例えば米国特許4680352号)、αブロモメチルスチレン等のα置換不飽和化合物を連鎖移動剤として用いる方法(例えばWO88/04304号)、重合性基を化学的に結合させる方法(例えば特開昭60−133007号公報、米国特許5147952号)、熱分解による方法(例えば特開平11−240854号公報)が好ましい。
本発明においては、マクロモノマー(B)は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[重合体組成物(C)]
本発明における重合体組成物(C)は、前記ラジカル重合性単量体(A)を、マクロモノマー(B)存在下で重合させて得られるものである。
このようにして得られる重合体組成物(C)には、通常、ラジカル重合性単量体(A)からなる重合体、ラジカル重合性単量体(A)とマクロモノマー(B)とからなる重合体、マクロモノマー(B)のみからなる重合体、未反応のマクロモノマー(B)が含まれるが、本発明においては、発明の趣旨を損なわない限り、これらを含めて重合体組成物(C)という。
本発明における重合体組成物(C)は、前記ラジカル重合性単量体(A)を、マクロモノマー(B)存在下で重合させて得られるものである。
このようにして得られる重合体組成物(C)には、通常、ラジカル重合性単量体(A)からなる重合体、ラジカル重合性単量体(A)とマクロモノマー(B)とからなる重合体、マクロモノマー(B)のみからなる重合体、未反応のマクロモノマー(B)が含まれるが、本発明においては、発明の趣旨を損なわない限り、これらを含めて重合体組成物(C)という。
重合体組成物(C)中における、ラジカル重合性単量体(A)からなる重合体、ラジカル重合性単量体(A)とマクロモノマー(B)とからなる重合体、マクロモノマー(B)のみからなる重合体、未反応のマクロモノマー(B)、各々の含有量は、特に限定されない。基材に対する密着性、機械強度の点から、未反応および重合されたマクロモノマー(B)の合計の含有量は、重合体組成物(C)(100質量%)中、1質量%以上70質量%以下であることが好ましく、5質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
重合体組成物(C)の数平均分子量は、特に限定されないが、得られる塗料用プライマー組成物の強度および固形分濃度の点から、1000以上500000以下が好ましく、3000以上300000以下がより好ましい。
[重合体組成物(C)の製造]
重合体組成物(C)の製造方法としては、一般的に知られる重合法、例えばバルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等を採用することができる。
その他、重合体の分子量を調節するために、メルカプタン類、水素、末端不飽和(メタ)アクリル酸オリゴマー類、αメチルスチレンダイマー、テルペノイド類等の連鎖移動剤を添加してもよい。
重合体組成物(C)の製造方法としては、一般的に知られる重合法、例えばバルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等を採用することができる。
その他、重合体の分子量を調節するために、メルカプタン類、水素、末端不飽和(メタ)アクリル酸オリゴマー類、αメチルスチレンダイマー、テルペノイド類等の連鎖移動剤を添加してもよい。
ラジカル重合開始剤の存在下で重合を行う場合、ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物あるいはアゾ化合物を使用することができる。有機過酸化物の具体例としては、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。アゾ化合物の具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)等が挙げられる。これらの中でも、ベンゾイルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)が好ましい。これらラジカル重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合開始剤は、ラジカル重合性単量体(A)の合計量100質量部に対して0.0001質量部以上10質量部以下の範囲内で用いることが好ましい。
重合温度については特に制限はなく、例えば、−100℃から250℃、好ましくは0℃から200℃の範囲である。
重合温度については特に制限はなく、例えば、−100℃から250℃、好ましくは0℃から200℃の範囲である。
[塗料用プライマー組成物]
本発明の塗料用プライマー組成物は、重合体組成物(C)を含むものである。
(溶剤)
本発明の塗料用プライマー組成物には、塗工性を良好とするため、重合体組成物(C)およびその他の成分が可溶な有機溶剤を配合することが好ましい。また、取り扱い性の観点から、有機溶剤を含む塗料用プライマー組成物中における重合体組成物(C)の濃度は50質量%以下とすることが好ましい。
なお、本発明の塗料用プライマー組成物は、固形成分のみにより構成し、使用前に有機溶剤と混合しても差し支えない。
本発明の塗料用プライマー組成物は、重合体組成物(C)を含むものである。
(溶剤)
本発明の塗料用プライマー組成物には、塗工性を良好とするため、重合体組成物(C)およびその他の成分が可溶な有機溶剤を配合することが好ましい。また、取り扱い性の観点から、有機溶剤を含む塗料用プライマー組成物中における重合体組成物(C)の濃度は50質量%以下とすることが好ましい。
なお、本発明の塗料用プライマー組成物は、固形成分のみにより構成し、使用前に有機溶剤と混合しても差し支えない。
有機溶剤としては、重合体組成物(C)およびその他の成分が溶解すればよく、例えば、トルエン、キシレン、スワゾール#1000(丸善石油化学(株)製)、ソルベッツ#100(エクソン化学(株)製)、ソルベッツ#150(エクソン化学(株)製)などのような芳香族系炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;DBE(デュポン(株)製)などのようなエステル類;n−ブタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノールなどのようなアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶剤;ミネラルターペン、アイソパーE(エクソン化学(株)製)などのような脂肪族炭化水素類が挙げられる。中でも、作業性の点から芳香族系炭化水素類、脂環式炭化水素類、エステル類が特に好ましい。これらの有機溶剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(その他添加剤)
本発明の塗料用プライマー組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、耐放射線剤、熱安定剤等の各種安定剤;無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤;カーボンブラック、フェライト等の導電性付与剤、無機充填剤、滑剤、可塑剤、有機過酸化物、中和剤、架橋剤等の他の成分を配合することもできる。
本発明の塗料用プライマー組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、耐放射線剤、熱安定剤等の各種安定剤;無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤;カーボンブラック、フェライト等の導電性付与剤、無機充填剤、滑剤、可塑剤、有機過酸化物、中和剤、架橋剤等の他の成分を配合することもできる。
(塗装)
本発明の塗料用プライマー組成物を用いた塗装は、公知慣用の方法で実施される。例えば、本発明の塗料用プライマー組成物、あるいは本発明の塗料用プライマー組成物を有機溶剤で希釈したものを、乾燥膜厚1〜80μm程度の範囲となるようにスプレーガン等を用いて基材表面に吹き付け塗装する方法、基板上へ塗布して塗装する方法などが挙げられる。
本発明の塗料用プライマー組成物を用いた塗装は、公知慣用の方法で実施される。例えば、本発明の塗料用プライマー組成物、あるいは本発明の塗料用プライマー組成物を有機溶剤で希釈したものを、乾燥膜厚1〜80μm程度の範囲となるようにスプレーガン等を用いて基材表面に吹き付け塗装する方法、基板上へ塗布して塗装する方法などが挙げられる。
(基材)
本発明の塗料用プライマー組成物は、従来のプライマー組成物では密着性が良好でなかったポリオレフィン系樹脂からなる基材表面への塗料の密着性を改善するのに有効である。ポリオレフィン系樹脂からなる基材としては、例えば、高圧法ポリエチレン、中低圧法ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリスチレン等のポリオレフィン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン系樹脂からなる自動車部品用成形品、家電製品用成形品などが挙げられる。
本発明の塗料用プライマー組成物は、従来のプライマー組成物では密着性が良好でなかったポリオレフィン系樹脂からなる基材表面への塗料の密着性を改善するのに有効である。ポリオレフィン系樹脂からなる基材としては、例えば、高圧法ポリエチレン、中低圧法ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリスチレン等のポリオレフィン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン系樹脂からなる自動車部品用成形品、家電製品用成形品などが挙げられる。
さらに、本発明の塗料用プライマー組成物は、ポリオレフィン系樹脂だけでなく、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂からなる樹脂板、ポリプロピレンと合成ゴムからなる成形品、ポリアミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂等からなる自動車用バンパー等の自動車部品用成形品、家電製品用成形品等の基材に対しても好適に用いることができる。
なお、本発明の塗料用プライマー組成物を用いて塗装を施す成形品は、射出成形、圧縮成形、中空成形、押出成形、回転成形など、公知のいずれの成形法によって成形されたものであっても良い。
以上説明した、本発明の塗料用プライマー組成物にあっては、かかる構成を採用することによって、含塩素化合物を使用することなく、溶剤溶解性に優れ、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等からなる基材に対する密着性(接着性)に優れる。本発明の塗料用プライマー組成物は、含塩素化合物を必須としないため、環境に優しい組成物である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。
実施例、比較例において、各種測定、評価は以下の方法により行った。
(重合体の数平均分子量)
ポリメタクリル酸メチルをスタンダードとしてGPC(Waters製、GPC150−C)を用いて決定した。
(密着性試験)
基材上の塗膜をゴバン目(1mm間隔、100マス)にカットし、塗膜のセロハン粘着テープによる剥離テストを行い、付着率(基材に残ったマスの数)により密着性を評価した(JIS K 5400)。
(重合体の数平均分子量)
ポリメタクリル酸メチルをスタンダードとしてGPC(Waters製、GPC150−C)を用いて決定した。
(密着性試験)
基材上の塗膜をゴバン目(1mm間隔、100マス)にカットし、塗膜のセロハン粘着テープによる剥離テストを行い、付着率(基材に残ったマスの数)により密着性を評価した(JIS K 5400)。
(製造例1)
COBF[ビス(ボロンジフルオロジメチルグリオキシメイト)Co(II)]の製造:
文献(Inorg.Chem.,Vol.25,4108(1986))に従い、以下のようにCOBF の合成を行った。
撹拌機、冷却管、窒素吹き込み口を備えた1リットルのフラスコに、ジエチルエーテル600ml、ジメチルグリオキシム7.6g(0.064モル)、酢酸コバルト(II)四水和物8.0g(0.032 モル)、三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体40mlを順次仕込み、窒素を吹き込みながら、室温で8時間撹拌した。生成した沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルとメタノールで数回洗浄後、室温で10時間真空乾燥したものをCOBFとして用いた。
COBF[ビス(ボロンジフルオロジメチルグリオキシメイト)Co(II)]の製造:
文献(Inorg.Chem.,Vol.25,4108(1986))に従い、以下のようにCOBF の合成を行った。
撹拌機、冷却管、窒素吹き込み口を備えた1リットルのフラスコに、ジエチルエーテル600ml、ジメチルグリオキシム7.6g(0.064モル)、酢酸コバルト(II)四水和物8.0g(0.032 モル)、三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体40mlを順次仕込み、窒素を吹き込みながら、室温で8時間撹拌した。生成した沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルとメタノールで数回洗浄後、室温で10時間真空乾燥したものをCOBFとして用いた。
(製造例2)
ポリメタクリル酸メチルマクロモノマーの製造:
攪拌機、冷却管、窒素吹き込み口を備えた0.3リットルのフラスコに、トルエン100質量部、メタクリル酸メチル20質量部を加え、窒素バブリングすることにより窒素置換した。ついで製造例1で得たCOBFをメタクリル酸メチルに対し2ppmの濃度で溶解させ、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を加えた後、昇温を行い、内温70℃にて8時間保持し重合を完結させた。重合溶液をヘキサン1000質量部に投じ、沈殿物をろ過して白色固体を得た。この白色固体を減圧乾燥し、精製したポリメタクリル酸メチルマクロモノマーを得た。得られたポリメタクリル酸メチルマクロモノマーの数平均分子量は8200、分子量分布は1.6であった(R1 、R2 は水素原子、R3 はCO2CH3基、R4 はメタクリル酸メチル単量体単位と結合)。
ポリメタクリル酸メチルマクロモノマーの製造:
攪拌機、冷却管、窒素吹き込み口を備えた0.3リットルのフラスコに、トルエン100質量部、メタクリル酸メチル20質量部を加え、窒素バブリングすることにより窒素置換した。ついで製造例1で得たCOBFをメタクリル酸メチルに対し2ppmの濃度で溶解させ、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を加えた後、昇温を行い、内温70℃にて8時間保持し重合を完結させた。重合溶液をヘキサン1000質量部に投じ、沈殿物をろ過して白色固体を得た。この白色固体を減圧乾燥し、精製したポリメタクリル酸メチルマクロモノマーを得た。得られたポリメタクリル酸メチルマクロモノマーの数平均分子量は8200、分子量分布は1.6であった(R1 、R2 は水素原子、R3 はCO2CH3基、R4 はメタクリル酸メチル単量体単位と結合)。
(製造例3)
ポリメタクリル酸グリシジルマクロモノマーの製造:
製造例2において、メタクリル酸メチルをメタクリル酸グリシジルとすること以外は、製造例2と同様に行った。得られたポリメタクリル酸グリシジルマクロモノマーの数平均分子量は7300、分子量分布は1.8であった(R1 、R2 は水素原子、R3 はグリシジル基、R4 はメタクリル酸グリシジル単量体単位と結合)。
ポリメタクリル酸グリシジルマクロモノマーの製造:
製造例2において、メタクリル酸メチルをメタクリル酸グリシジルとすること以外は、製造例2と同様に行った。得られたポリメタクリル酸グリシジルマクロモノマーの数平均分子量は7300、分子量分布は1.8であった(R1 、R2 は水素原子、R3 はグリシジル基、R4 はメタクリル酸グリシジル単量体単位と結合)。
(製造例4)
ポリ(メタクリル酸メチル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル)マクロモノマーの製造:
製造例2において、メタクリル酸メチル20質量部を、メタクリル酸メチル20質量部、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル80質量部とすること以外は、製造例2と同様に行った。得られたポリ(メタクリル酸メチル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル)マクロモノマーの数平均分子量は16500、分子量分布は1.9であった(R1 、R2 は水素原子、R3 はCO2CH3基あるいはCO2 (4−t−ブチルシクロヘキシル)基、R4 はメタクリル酸メチル単量体単位、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体単位と結合)。
ポリ(メタクリル酸メチル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル)マクロモノマーの製造:
製造例2において、メタクリル酸メチル20質量部を、メタクリル酸メチル20質量部、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル80質量部とすること以外は、製造例2と同様に行った。得られたポリ(メタクリル酸メチル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル)マクロモノマーの数平均分子量は16500、分子量分布は1.9であった(R1 、R2 は水素原子、R3 はCO2CH3基あるいはCO2 (4−t−ブチルシクロヘキシル)基、R4 はメタクリル酸メチル単量体単位、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体単位と結合)。
(実施例1)
撹拌機、冷却管、窒素吹き込み口を備えた1リットルのフラスコに、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル50質量部とトルエン100質量部を加え、窒素バブリングすることにより窒素置換した。ついで製造例2で得たポリメタクリル酸メチルマクロモノマー50質量部を溶解させ、2,2−アゾビスイソブチロニトリル1質量部を加えた後、昇温を行い、内温70℃にて7時間保持し重合を完結させた。重合溶液をメタノール1000質量部に投じ、沈殿物をろ過して白色固体を得た。この白色固体を、メタノールで洗浄し、減圧乾燥し、精製した共重合体(重合体組成物(C))を得た。得られた共重合体の数平均分子量は22000で、未反応および重合されたマクロモノマーの合計の含有量は48質量%であった。
撹拌機、冷却管、窒素吹き込み口を備えた1リットルのフラスコに、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル50質量部とトルエン100質量部を加え、窒素バブリングすることにより窒素置換した。ついで製造例2で得たポリメタクリル酸メチルマクロモノマー50質量部を溶解させ、2,2−アゾビスイソブチロニトリル1質量部を加えた後、昇温を行い、内温70℃にて7時間保持し重合を完結させた。重合溶液をメタノール1000質量部に投じ、沈殿物をろ過して白色固体を得た。この白色固体を、メタノールで洗浄し、減圧乾燥し、精製した共重合体(重合体組成物(C))を得た。得られた共重合体の数平均分子量は22000で、未反応および重合されたマクロモノマーの合計の含有量は48質量%であった。
この共重合体を5質量%となるようにトルエン中に溶解して塗工液を調製し、これを射出成形により作製したポリプロピレン樹脂板(PP基材)(日本ポリケム(株)製ノバテックFA3DA、平板、3mm厚)上にキャストして塗布を行った(膜厚10μm)。また、三菱レイヨン(株)製アクリペットVHを用い、射出成形により成形したアクリル系樹脂板(アクリル系基材)(平板、3mm厚)上に上記塗工液をキャストして塗布を行った(膜厚11μm)。密着性試験を行い、各基材に対する塗膜の密着性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、製造例2で得たマクロモノマーを製造例3で得たポリメタクリル酸グリシジルマクロモノマーとすること以外は、実施例1と同様に行った。得られた共重合体の数平均分子量は18900で、未反応および重合されたマクロモノマーの合計の含有量は51質量%あった。
実施例1において、製造例2で得たマクロモノマーを製造例3で得たポリメタクリル酸グリシジルマクロモノマーとすること以外は、実施例1と同様に行った。得られた共重合体の数平均分子量は18900で、未反応および重合されたマクロモノマーの合計の含有量は51質量%あった。
この共重合体を5質量%となるようにトルエン中に溶解して塗工液を調製し、これを射出成形により作製したポリプロピレン樹脂板(PP基材)(日本ポリケム(株)製ノバテックFA3DA、平板、3mm厚)上にキャストして塗布を行った(膜厚12μm)。また、三菱レイヨン(株)製アクリペットVHを用い、射出成形により成形したアクリル系樹脂板(アクリル系基材)(平板、3mm厚)上に上記塗工液をキャストして塗布を行った(膜厚12μm)。密着性試験を行い、各基材に対する塗膜の密着性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、製造例2で得たマクロモノマーを製造例4で得たポリ(メタクリル酸メチル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル)マクロモノマーとし、共重合体製造時に用いるアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシルをアクリル酸メチルとすること以外は、実施例1と同様に行った。得られた共重合体の数平均分子量は19000で、未反応および重合されたマクロモノマーの合計の含有量は42質量%あった。
実施例1において、製造例2で得たマクロモノマーを製造例4で得たポリ(メタクリル酸メチル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル)マクロモノマーとし、共重合体製造時に用いるアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシルをアクリル酸メチルとすること以外は、実施例1と同様に行った。得られた共重合体の数平均分子量は19000で、未反応および重合されたマクロモノマーの合計の含有量は42質量%あった。
この共重合体を5質量%となるようにトルエン中に溶解して塗工液を調製し、これを射出成形により作製したポリプロピレン樹脂板(PP基材)(日本ポリケム(株)製ノバテックFA3DA、平板、3mm厚)上にキャストして塗布を行った(膜厚11μm)。また、三菱レイヨン(株)製アクリペットVHを用い、射出成形により成形したアクリル系樹脂板(アクリル系基材)(平板、3mm厚)上に上記塗工液をキャストして塗布を行った(膜厚11μm)。密着性試験を行い、各基材に対する塗膜の密着性の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、マクロモノマーの代わりにメタクリル酸メチル単量体を用いること以外は、実施例1と同様に行った。得られた共重合体の数平均分子量は36000で、メタクリル酸メチル単位の含有量は52質量%あった。
実施例1において、マクロモノマーの代わりにメタクリル酸メチル単量体を用いること以外は、実施例1と同様に行った。得られた共重合体の数平均分子量は36000で、メタクリル酸メチル単位の含有量は52質量%あった。
この共重合体を5質量%となるようにトルエン中に溶解して塗工液を調製し、これを射出成形により作製したポリプロピレン樹脂板(PP基材)(日本ポリケム(株)製ノバテックFA3DA、平板、3mm厚)上にキャストして塗布を行った(膜厚10μm)。また、三菱レイヨン(株)製アクリペットVHを用い、射出成形により成形したアクリル系樹脂板(アクリル系基材)(平板、3mm厚)上に上記塗工液をキャストして塗布を行った(膜厚12μm)。密着性試験を行い、各基材に対する塗膜の密着性の評価を行った。結果を表1に示す。
本発明の塗料用プライマー組成物は、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などの基材に塗装を行う際のプライマーとして用いることができる。また、塩素を含まないので環境にも優しい。
Claims (5)
- ラジカル重合性単量体(A)を、重合性不飽和基を有するマクロモノマー(B)の存在下で重合させて得られる重合体組成物(C)を含む塗料用プライマー組成物。
- 前記マクロモノマー(B)が、ラジカル重合性単量体(b)からなる単量体単位を含み、下記一般式(1)で表される重合性不飽和基を有する請求項1記載の塗料用プライマー組成物。
(R1 )(R2 )C=C(R3 )(R4 ) ・・・(1)
(式(1)中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、水酸基、シアノ基、カルボキシル基、およびエステル結合を有する基からなる群から選ばれた基であり、R1 〜R4 の少なくとも1つが単量体単位と結合する。) - 前記ラジカル重合性単量体(A)が、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を含む請求項1または請求項2記載の塗料用プライマー組成物。
- 前記マクロモノマー(B)が、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含む請求項1ないし3いずれか一項に記載の塗料用プライマー組成物。
- 前記脂環式炭化水素基が、シクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基から選ばれた少なくとも1種である請求項3または請求項4記載の塗料用プライマー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003333485A JP2005097435A (ja) | 2003-09-25 | 2003-09-25 | 塗料用プライマー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-09-25 JP JP2003333485A patent/JP2005097435A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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