JP5098752B2 - 宙吊り又は保定包装用フィルム、包装部材、包装体および包装方法 - Google Patents

宙吊り又は保定包装用フィルム、包装部材、包装体および包装方法 Download PDF

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Description

本発明は、宙吊り又は保定包装用フィルム、包装部材、包装体および包装方法に関するものである。
従来、オーディオ製品、ガラス製品、陶器などの被包装物を輸送・保管する場合には、発泡プラスチック等の緩衝材を被包装物の周囲に充填して、段ボール箱等の収納箱に収納する包装方法が用いられてきた。この包装方法では、大量の緩衝材を使用する必要があり、また、被包装物の輸送・保管後に、緩衝材が廃棄物となるために、経済的に十分満足のいくものではなかった。
そのため、昨今では、大量の緩衝材を使用しない包装方法として、樹脂フィルムが張着された支持枠を用い、被包装物を樹脂フィルム2枚で挟み込んで宙吊り状態で保持する包装、いわゆる「宙吊り包装」(例えば、特許文献1参照。)、樹脂フィルムが張着された支持枠と支持板とを用い、支持枠に張着された樹脂フィルムで被包装物を支持板上に押し付けること、あるいは、樹脂フィルムが張着された支持板を用い、支持板に張着された樹脂フィルムと支持板との間に被包装物を装入し、次いで、支持板を折り曲げて樹脂フィルムを緊張させて、被包装物を支持板上に押し付けることにより、被包装物を支持板上に固定する包装、いわゆる「保定包装」(例えば、特許文献2、3参照。)が提案されている。
この宙吊り又は保定包装に用いられる樹脂フィルムとしては、これまで、ポリウレタンフィルムが多用されてきた。しかし、ポリウレタンフィルムは高価であるため、宙吊り又は保定包装に用いるフィルムとして、より経済的なフィルム、例えば、ポリオレフィン系樹脂フィルムの検討がなされており、特許文献4には、特定のエチレン−α−オレフィン共重合体からなるフィルムが提案されている。
特開平11−268770号公報 特開平11−268768号公報 特開2001−213478公報 特開2002−103525号公報
しかしながら、上記のポリオレフィン系樹脂フィルムでは、輸送中の衝撃によるフィルムの破損、被包装物の突起部によるフィルムの裂けにおいて、十分満足のいくものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、宙吊り又は保定包装用フィルムであって、衝撃強度および引裂強度に優れるポリオレフィン系樹脂フィルム、該フィルムが張着されてなる包装部材、該包装部材を用いて被包装物を宙吊り又は保定包装してなる包装体および該包装部材を用いて被包装物を宙吊り又は保定包装する物品の包装方法を提供することにある。
本発明の第一は、炭素原子数2〜20の直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位と、下記ビニル化合物(X)に基づく単量体単位とを含有し、該直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量とビニル化合物(X)に基づく単量体単位の含有量との合計を100mol%として、該直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量が97〜90mol%であり、ビニル化合物(X)に基づく単量体単位の含有量が3〜10mol%であり、極限粘度[η]が0.9〜3dl/gであるビニル化合物共重合体を有する宙吊り又は保定包装用フィルムにかかるものである。
ビニル化合物(X):一般式CH2=CH−R(式中、Rは、2級アルキル基、3級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、芳香族基、または、置換芳香族基を表す。)で表されるビニル化合物。
本発明の第二は、上記フィルムが張着された支持枠部および/または上記フィルムが張着された支持板部を有する包装部材にかかるものである。
本発明の第三は、上記包装部材を用いて被包装物を宙吊り又は保定包装してなる包装体にかかるものである。
本発明の第四は、上記包装部材を用いて被包装物を宙吊り又は保定包装する物品の包装方法にかかるものである。
本発明により、宙吊り又は保定包装用フィルムであって、衝撃強度および引裂強度に優れるポリオレフィン系樹脂フィルム、該フィルムが張着されてなる包装部材、該包装部材を用いて被包装物を宙吊り又は保定包装してなる包装体および該包装部材を用いて被包装物を宙吊り又は保定包装する物品の包装方法を提供することができる。
[ビニル化合物共重合体]
本発明に用いられるビニル化合物共重合体は、炭素原子数2〜20の直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位と、下記ビニル化合物(X)に基づく単量体単位とを含有する共重合体である。
ビニル化合物(X):一般式CH2=CH−R(式中、Rは、2級アルキル基、3級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、芳香族基、または、置換芳香族基を表す。)で表されるビニル化合物。
炭素原子数2〜20の直鎖状α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等があげられ、これらは1種以上で使用される。該直鎖状α−オレフィンとして、好ましくは、エチレン、プロピレンであり、より好ましくはエチレンである。
ビニル化合物(X)は、一般式CH2=CH−Rで表される化合物であり、式中のRは、2級アルキル基、3級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、芳香族基、または、置換芳香族基を表す。置換シクロアルキル基としては、ハイドロカルビル基置換のシクロアルキル基が好ましく、置換芳香族基としては、ハイドロカルビル基置換の芳香族基が好ましい。
2級アルキル基の炭素原子数は、好ましくは3〜20であり、3級アルキル基の炭素原子数は、好ましくは4〜20であり、シクロアルキル基の炭素原子数は、好ましくは3〜20であり、置換シクロアルキル基の炭素原子数は、好ましくは3〜20であり、芳香族基の炭素原子数は、好ましくは6〜20であり、置換芳香族基の炭素原子数は、好ましくは6〜20である。シクロアルキル基としては、より好ましくは、3〜16員環を有するシクロアルキル基であり、更に好ましくは、3〜10員環を有するシクロアルキル基である。置換シクロアルキル基としては、より好ましくは、3〜16員環を有する置換シクロアルキル基であり、更に好ましくは、3〜10員環を有する置換シクロアルキル基である。置換基Rとしては、3〜10員環を有する炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、3〜10員環を有する炭素原子数3〜20の置換シクロアルキル基、炭素原子数4〜20の3級アルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、炭素原子数6〜20の置換芳香族基が好ましい。
ここで、2級アルキル基は、第2級炭素原子を有するアルカンから第2級炭素原子に結合した水素を除いた1価基であり、3級アルキル基は、第3級炭素原子を有するアルカンから第3級炭素原子に結合した水素を除いた1価基である。また、シクロアルキル基とは、シクロアルカンから炭素環に結合した水素を除いた1価基であり、置換シクロアルキル基は、シクロアルカンから炭素環に結合した水素を置換基で置換し、かつ、炭素環に結合した水素を除いた1価基である。芳香族基は、芳香族炭化水素から芳香環に結合した水素を除いた1価基であり、置換芳香族基は、芳香族炭化水素から芳香環に結合した水素を置換基で置換し、かつ、芳香環に結合した水素を除いた1価基である。ハイドロカルビル基は、炭化水素から水素を除いた1価基である。
ビニル化合物(X)の具体例として、Rが2級アルキル基であるビニル化合物(X)としては、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、3−メチル−1−ヘプテン、3−メチル−1−オクテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ヘプテン、3,4−ジメチル−1−オクテン、3,5−ジメチル−1−ヘキセン、3,5−ジメチル−1−ヘプテン、3,5−ジメチル−1−オクテン、3,6−ジメチル−1−ヘプテン、3,6−ジメチル−1−オクテン、3,7−ジメチル−1−オクテン、3,4,4−トリメチル−1−ペンテン、3,4,4−トリメチル−1−ヘキセン、3,4,4−トリメチル−1−ヘプテン、3,4,4−トリメチル−1−オクテンなどがあげられる。
Rが3級アルキル基であるビニル化合物(X)としては、3,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ヘプテン、3,3−ジメチル−1−オクテン、3,3,4−トリメチル−1−ペンテン、3,3,4−トリメチル−1−ヘキセン、3,3,4−トリメチル−1−ヘプテン、3,3,4−トリメチル−1−オクテンなどがあげられる。
Rがシクロアルキル基または置換シクロアルキル基であるビニル化合物(X)としては、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタン、5−ビニル−2−ノルボルネン、1−ビニルアダマンタン、4−ビニル−1−シクロヘキセンなどがあげられる。
Rが芳香族基または置換芳香族基であるビニル化合物(X)としては、スチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、o−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−sec−ブチルスチレンなどのアルキルスチレン;1−ビニルナフタレンなどのビニルナフタレンなどがあげられる。
ビニル化合物(X)としては、好ましくは、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、3,5−ジメチル−1−ヘキセン、3,4,4−トリメチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,3,4−トリメチル−1−ペンテン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタン、スチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1−ビニルナフタレンである。より好ましくは、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3,3,4−トリメチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、スチレン、1−ビニルナフタレンである。更に好ましくは、3,3−ジメチル−1−ブテン、ビニルシクロヘキサン、スチレンである。最も好ましくは、ビニルシクロヘキサンである。
ビニル化合物共重合体において、直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量とビニル化合物(X)に基づく単量体単位の含有量との合計を100mol%として、直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量が97〜90mol%であり、ビニル化合物(X)に基づく単量体単位の含有量が3〜10mol%であり、フィルムの引張破断強度、引裂強度の観点から、好ましくは、直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量が95〜92mol%であり、ビニル化合物(X)に基づく単量体単位の含有量が5〜8mol%である。α−オレフィン単位の含有量およびビニル化合物(X)単位の含有量は、プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルやカーボン核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトルにより求められる。
ビニル化合物重合体は、直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位とビニル化合物(X)に基づく単量体単位とに加え、本発明の効果を損なわない範囲において、他の単量体に基づく単量体単位を含有していてもよい。他の単量体としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;アクリロニトリル等の不飽和シアノ化合物;不飽和カルボン酸類等を例示することができる。
不飽和カルボン酸類の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ナジック酸、メチルナジック酸、ハイミック酸、アンゲリカ酸、テトラヒドロフタル酸、ソルビン酸、メサコン酸などの不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、無水ハイミック酸などの不飽和カルボン酸無水物;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−i−ブチル、メタクリル酸−i−ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジメチルエステルなどの不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N−ジエチルアミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、マレイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジブチルアミドなどの不飽和カルボン酸アミド;マレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどの不飽和カルボン酸イミド;塩化マレオイルなどの不飽和カルボン酸ハライド;アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウムなどの不飽和カルボン酸金属塩などがあげられる。また、上記の不飽和カルボン酸類を組み合わせて使用してもよい。不飽和カルボン酸類としては、無水マレイン酸が好ましい。
ビニル化合物共重合体の極限粘度[η]は0.9〜3dl/gであり、フィルムの衝撃強度、加工性の観点から、好ましくは、1.0〜2.5dl/gである。該極限粘度[η]はウベローデ型粘度計を用いて、テトラリンを溶媒として135℃で求められる。
ビニル化合物重合体の製造方法としては、(1)遷移金属錯体と助触媒成分(アルミニウム化合物、ホウ素化合物等)とを接触処理してなる重合触媒により、炭素原子数2〜20の直鎖状α−オレフィンとビニル化合物(X)と必要に応じ他の単量体とを共重合する方法、(2)該重合触媒により炭素原子数2〜20の直鎖状α−オレフィンとビニル化合物(X)とを共重合し、得られた共重合体に他の単量体をラジカル発生剤によりグラフト重合させる方法、(3)該重合触媒あるいはラジカル発生剤により炭素原子数2〜20の直鎖状α−オレフィンと他の単量体とを共重合し、得られた共重合体にビニル化合物(X)をラジカル発生剤によりグラフト重合させる方法などをあげることができる。
上記の遷移金属錯体としては、例えば、遷移金属がジルコニウムである遷移金属錯体として、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロマイド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジブロマイド、ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジブロマイド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジブロマイド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロマイド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、シクロペンタジエニルジメチルアミノジルコニウムジクロライド、シクロペンタジエニルフェノキシジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルアミノ)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルアミノ)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド等があげられる。
また、遷移金属がチタンである遷移金属錯体として、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリル(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリル(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリル(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジエチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリル(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリル(インデニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリル(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド等があげられる。
助触媒成分としては、アルミニウム化合物として、下記(a1)、(a2)および(a3)をあげることができる。
(a1)一般式 E1 aAlZ3-aで表される有機アルミニウム化合物
(a2)一般式 {−Al(E2)−O−}bで表される環状のアルミノキサン
(a3)一般式 E3{−Al(E3)−O−}cAlE3 2で表される線状のアルミノキサン
(式中、aは0<a≦3を満足する数を、bは2以上の整数を、cは1以上の整数を表す。E1、E2およびE3は、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、複数のE1、複数のE2および複数のE3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。Zは水素原子またはハロゲン原子を表し、複数のZは同じであっても異なっていてもよい。)
(a1)の有機アルミニウム化合物の一般式において、E1はハイドロカルビル基を表し、好ましくは炭素原子数1〜8のハイドロカルビル基であり、より好ましくはアルキル基である。
(a1)の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド等の有機アルミニウム化合物をあげることができる。
(a2)および(a3)のアルミノキサンの一般式において、E2およびE3はハイドロカルビル基を表し、好ましくは炭素原子数1〜8のハイドロカルビル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基等のアルキル基であり、更に好ましくは、メチル基、イソブチル基である。
(a2)および(a3)のアルミノキサンの一般式において、bは2以上の整数であり、cは1以上の整数である。好ましくは、bは2〜40、cは1〜40である。
また、助触媒成分としては、ホウ素化合物として、下記(c1)、(c2)および(c3)をあげることができる。
(c1)一般式 BQ123で表されるホウ素化合物
(c2)一般式 G+(BQ1234-で表されるホウ素化合物
(c3)一般式 (L−H)+(BQ1234-で表されるホウ素化合物
(式中、Bは3価の原子価状態のホウ素原子を表し、Q1、Q2、Q3およびQ4はそれぞれ独立にハロゲン原子、ハイドロカルビル基、ハロゲン化ハイドロカルビル基、置換シリル基、アルコキシ基または2置換アミノ基を表す。G+は無機または有機のカチオンを表し、Lは中性ルイス塩基を表し、(L−H)+はブレンステッド酸を表す。)
(c1)〜(c3)のホウ素化合物の一般式において、Q1、Q2、Q3およびQ4はそれぞれ独立にハロゲン原子、ハイドロカルビル基、ハロゲン化ハイドロカルビル基、置換シリル基、アルコキシ基または2置換アミノ基を表す。Q1、Q2、Q3およびQ4として、好ましくは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化ハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換シリル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基または炭素原子数2〜20のアミノ基であり、より好ましくは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化ハイドロカルビル基であり、更に好ましくは、炭素原子数1〜20のハロゲン化ハイドロカルビル基であり、特に好ましくは、炭素原子数1〜20のフッ素化ハイドロカルビル基であり、最も好ましくは、炭素原子数6〜20のフッ素化アリール基である。
(c2)のホウ素化合物の一般式において、G+は無機または有機のカチオンを表し、具体例としては、フェロセニウムカチオン、アルキル置換フェロセニウムカチオン、銀陽イオンなどの無機のカチオン;トリフェニルメチルカチオンなどの有機のカチオンがあげられる。好ましくはカルベニウムカチオンであり、より好ましくはトリフェニルメチルカチオンである。
(c2)および(c3)のホウ素化合物の一般式において、(BQ1234-としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボレート、フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどがあげられる。
(c3)のホウ素化合物の一般式において、Lは中性ルイス塩基であり、(L−H)+はブレンステッド酸であり、(L−H)+の具体例としては、トリアルキル置換アンモニウム、N,N−ジアルキルアニリニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアリールホスホニウムなどがあげられる。
(c1)のホウ素化合物の具体例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等があげられ、好ましくは、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである。
(c2)のホウ素化合物の具体例としては、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどをあげることができ、好ましくは、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
(c3)のホウ素化合物の具体例としては、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどをあげることができ、好ましくは、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
助触媒成分としてアルミニウム化合物を用いる場合、アルミニウム化合物の接触処理量としては、ビニル化合物共重合体を効率よく製造する観点から、アルミニウム化合物のアルミニウム原子換算として、遷移金属錯体の遷移金属原子1モルあたり、好ましくは1000〜15000モルであり、より好ましくは5000〜15000モルである。また、助触媒成分としてホウ素化合物を用いる場合、ホウ素化合物の接触処理量としては、ビニル化合物共重合体を効率よく製造する観点から、遷移金属錯体の遷移金属原子1モルあたり、好ましくは0.01〜100モルであり、より好ましくは0.5〜10モルである。
遷移金属錯体と助触媒成分(アルミニウム化合物、ホウ素化合物等)とを接触処理してなる重合触媒により、炭素原子数2〜20の直鎖状α−オレフィンとビニル化合物(X)と必要に応じ他の単量体とを共重合する方法としては、溶液重合法、スラリー重合法、気相重合法等を用いることができる。液相中で重合を行う場合は、重合溶媒として、ブタン、ヘキサン、ヘプタンなどの飽和炭化水素系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒があげられ、重合温度は、通常10〜120℃である。α−オレフィンとしてエチレンを用いる場合は、エチレンの圧力は、通常0.1〜5.0MPaである。また、気相中で重合を行う場合は、重合温度は、通常50〜100℃であり、α−オレフィンとしてエチレンを用いる場合は、エチレンの圧力は、通常0.1〜5.0MPaである。
また、重合法は、バッチ式であってもよく、連続式でもよい。重合体の分子量を調節するために水素などの連鎖移動剤を添加することもできる。
グラフト重合により使用されるラジカル発生剤としては、例えば、1,3−ビス(t−ブチルパーオキサイソプロピル)ベンゼンメチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、メチルアセトアセテートペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレイト、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロペルオキシド、クメンハイドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロペルオキシド、パラメンタンハイドロペルオキシド、2,5−ジメチルへキサン−2,5−ジハイドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、α,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、アセチルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、コハク酸ペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、m−トルノイルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネイト、ジ−2−エチルへキシルペルオキシジカーボネイト、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネイト、ビス(4−tert−ブチルシクロへキシル)ペルオキシジカーボネイト、ジミリスチルペルオキシジカーボネイト、ジ−2−エトキシエチルペルオキシジカーボネイト、ジメトキシイソプロピルペルオキシカーボネイト、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)ペルオキシジカーボネイト、ジアリルペルオキシジカーボネイト、tert−ブチルペルオキシアセテイト、tert−ブチルペルオキシイソブチレイト、tert−ブチルペルオキシピバレイト、tert−ブチルペルオキシネオデカノエイト、クミルペルオキシネオデカノエイト、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエイト、tert−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエイト、tert−ブチルペルオキシラウレイト、tert−ブチルペルオキシベンゾエイト、ジ−tert−ブチルペルオキシイソフタレイト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)−3−ヘキシン、tert−ブチルペルオキシマレイン酸、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネイト、クミルペルオキシオクトエイト、tert−へキシルペルオキシネオデカネイト、tert−へキシルペルオキシピバレイト、tert−ブチルペルオキシネオヘキサノエイト、tert−へキシルペルオキシネオヘキサノエイト、クミルペルオキシネオヘキサノエイト、アセチルシクロへキシルスルフォニルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシアリルカーボネイトなどの有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソプロピオニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどのアゾ化合物などがあげられる。
グラフト重合の温度は、通常、200〜250℃であり、ラジカル発生剤の使用量は、グラフト重合の原料に用いる重合体1kgあたり、通常、0.1〜10gである。
グラフト重合を行う方法としては、原料に用いる重合体と単量体とラジカル発生剤とを溶融混練してグラフト重合せしめる方法、該共重合体をトルエン、キシレンなどの溶媒に溶解したのち、単量体とラジカル発生剤とを添加してグラフト重合せしめる方法などがあげられる。また、重合法は、バッチ式であってもよく、連続式でもよい。
ビニル化合物共重合体としては、エチレン−3,3−ジメチル−1−ブテン共重合体、プロピレン−3,3−ジメチル−1−ブテン共重合体、エチレン−ビニルシクロヘキサン共重合体、プロピレン−ビニルシクロヘキサン共重合体、エチレン−スチレン共重合体、プロピレン−スチレン共重合体などをあげることができる。
[宙吊り又は保定包装用フィルム]
本発明の宙吊り又は保定包装用フィルムは、上記ビニル化合物共重合体を有するフィルムである。該フィルムは、該ビニル化合物共重合体を有する層を有していればよく、単層フィルムであってもよく、他の樹脂層を有する多層フィルムであってもよい。
本発明のフィルムには、本発明の効果が損なわない範囲において、他の樹脂や公知の添加剤、例えば、相溶化剤、帯電防止剤、安定剤、顔料、染料、抗菌剤、防曇剤、滑剤、抗ブロッキング剤、可塑剤(ミネラルオイルなど)、ワックス、粘着付与剤、無機・有機充填剤、気化性防錆剤などが含有されていてもよい。
ビニル化合物共重合体を有する層に配合、あるいは、他の樹脂層に用いられる樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(エチレン単独重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体など)、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ポリスチレン系樹脂(スチレン−アクリル酸共重合体など)、アクリル系樹脂(アクリル酸エステル(例えばアクリル酸C1-4アルキルエステル)とメタクリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチル)とのコポリマーなど)、ポリアミド樹脂(例えばナイロン−11、ナイロン−12、ナイロン−610、ナイロン−612など)などがあげられる。これらの樹脂は、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
フィルムの厚みは、通常、10〜500μであり、強度および被包装物保護の観点から、好ましくは、50〜200μである。
フィルムの製造方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、単層のフィルムの製造方法としては、インフレーション成形法、Tダイキャスト成形法等をあげることができる。多層フィルムの製造方法としては、共押出インフレーション成形法、共押出Tダイキャスト成形法、共押出ラミネート成形法等をあげることができ、また、予め成形された複数のフィルムをドライラミネート法により貼合する方法;予め成形された複数のフィルムを積層したのち熱プレスする方法等もあげることができる。生産性の観点から、インフレーション成形法、または共押出インフレーション成形法が好ましい。また、フィルムの製造では、延伸処理、ヒートセット(アニール処理)、コロナ処理やプラズマ処理等の表面処理、γ線照射処理などを行ってもよい。
[包装方法]
本発明の包装方法では、本発明のフィルムが張着された支持枠部および/または本発明のフィルムが張着された支持板部を有する包装部材を用い、被包装物を宙吊り包装あるいは保定包装する。該包装部材としては、本発明のフィルムが張着された支持枠、本発明のフィルムが張着された支持板、本発明のフィルムが張着された支持枠部を有するシート、支持板部と本発明のフィルムが張着された支持枠部とを有するシート等があげられる。
本発明のフィルムが張着された支持枠又は本発明のフィルムが張着された支持板を包装部材として用い、あるいは、本発明のフィルムが張着された支持枠部と支持板部とを有する包装部材を用い、被包装物を宙吊り包装あるいは保定包装する。
支持枠部および支持板部の材料としては、輸送・保管中の外的な衝撃や振動により変形しないものが用いられる。例えば、ダンボール、板紙、強化耐水ボード、プラスチックシート、プラスチックダンボール、発泡プラスチック等があげられる。これらの材料としては、本発明のフィルムがビニル化合物共重合体を有する層を少なくとも一方の表面に有する場合、支持枠部あるいは支持板部と、本発明のフィルムとの接着性の観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
支持枠部への本発明のフィルムの張着については、宙吊り包装あるいは保定包装時に、被包装物が宙吊り状態で保持される、あるいは、被包装物を支持板上に固定されるものであればよく、通常、支持枠部の周縁に接着する方法が用いられる。また、支持板部への本発明のフィルムの張着については、支持板部とフィルムとの間に被包装物を装入でき、かつ、保定包装時に、フィルムが被包装物を支持板上に固定されるものであればよく、通常、支持板部とフィルムとで筒状の形状となるように、対向する2方向を接着する方法が用いられる。
支持枠部および支持板部に本発明のフィルムを張着する方法としては、ヒートシール、インパルスシール、接着剤、ホチキス止め等があげられる。支持枠および支持板がポリオレフィン系樹脂であり、本発明のフィルムがビニル化合物共重合体を有する層を少なくとも一方の表面に有する場合は、該層を支持枠あるいは支持板の接着面としたヒートシールが好適に用いられる。
宙吊り包装としては、被包装物を挟むように、本発明のフィルムが張着された支持枠を対向して一対に設ける等により、被包装物をフィルム2枚で挟み込んで宙吊り状態で保持して包装するものであればよく、公知の方法が用いられる。例えば、特開平11−268770号公報、特開平11−208727号公報、特開2006−288442号公報、特開平7−330034号公報等に記載の方法を用いることができる。
保定包装としては、支持板上に置載された被包装物を支持枠に張着されたフィルムで支持板上に押し付ける、あるいは、本発明のフィルムが張着された支持板を用い、支持板に張着されたフィルムと支持板との間に被包装物を装入し、次いで、支持板を折り曲げる等によりフィルムを緊張させる等により、被包装物を支持板上に固定するものであればよく、公知の方法が用いられる。例えば、特開平11−268768号公報、特開2001−213478公報等に記載の方法を用いることができる。
本発明が適用される被包装物としては、衝撃により破損しやすい物、例えば、パソコンやディスプレー等のコンピュータ機器、オーディオ製品、精密工業部品、ガラス製品、陶器などに好適に使用される。
本発明のフィルムは、衝撃強度および引裂強度に優れる。また、透明性も良好である。本発明の包装部材は、被包装物の保護に優れ、本発明の包装方法により包装されてなる包装体は、被包装物の輸送に好適に用いられる。また、該包装体は、被包装物の保管または展示にも用いることもできる。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
実施例における物性は次の方法で測定した。
(1)極限粘度([η]、単位:dL/g)
ウベローデ型粘度計を用い、テトラリンを溶媒として135℃で測定した。
(2)メルトフローレート(単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.2Nおよび温度190℃の条件で測定した。
(3)ビニルシクロヘキサン単位含有量(単位:mol%)
エチレン−ビニルシクロヘキサン共重合体中のビニルシクロヘキサン単位含有量は、カーボン核磁気共鳴法によって、次の測定条件により、カーボン核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトルを測定し、下記式より算出した。
<測定条件>
装置:Bruker社製 ARX400
測定溶媒:オルトジクロロベンゼンとオルトジクロロベンゼン−d4の4:1(容積比
)混合液
測定温度:408K
測定方法:Powergate Decouping法
パルス角度:45度
測定基準:トリメチルシラン
<算出式>
ビニルシクロヘキサン単位含有量(mol%)=100×A/(B−2A)
A:45ppm〜40ppmのシグナルの積分積算値
B:35ppm〜25ppmのシグナルの積分積算値
(4)衝撃強度(単位:kg・cm/cm2
フィルムから、ASTM D1822に規定のS型形状の試験片を打ち抜き、該試験片を東洋精機製作所(株)製デジタル衝撃試験機を用い、ASTM D1822に規定された方法で衝撃強度を測定した。
(5)引裂強度(単位:kg/cm)
フィルムから、JIS−6252に規定のアングル形切込み無し形状の試験片を打ち抜き、該試験片を速度300mm/分の速度で引っ張った時の荷重値を測定した。該荷重値の最大値を該試験片の厚みで除した数値を引裂強度とした。
(6)突刺強度(単位:g)
先端の曲率が1mmの球形状である突刺し針を、200mm/分の速度で、フィルムに突き刺し、突刺し針が貫通したときの荷重値を測定した。
実施例1
[重合体の調製]
エチレン−ビニルシクロヘキサン共重合体の合成
乾燥窒素で置換したSUS製リアクター中にビニルシクロへキサン15kgとトルエン292kgを投入し、密閉状態にて50℃に昇温した。次に、エチレンを0.9MPa導入した。次に、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製、トリイソブチルアルミニウム濃度 20wt%]3.4kgを仕込み、つづいてジエチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド 0.02gを脱水トルエン 0.2kgに溶解したものと、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート 3.4gを脱水トルエン 0.9kgに溶解したものを投入し、重合を開始した。重合中は、重合液を撹拌し、エチレンの圧力が0.9MPaに保持されるように、リアクター中にエチレンを供給した。重合開始してから4時間後に、重合液中にエタノールを0.4kg添加した。次に、重合液に対し0.4等量の0.1N水酸化ナトリウム水溶液を重合液に添加し、攪拌後、水層と有機層の分離を行い、有機層の液を回収した。回収した有機層の液に対して3倍量のアセトン中に該有機層の液を投入した。アセトン中に生成した白色固体をロ取し、該固体をアセトンで洗浄し、乾燥した結果、共重合体18kgを得た。該共重合体の[η]は1.3dL/g、メルトフローレートは2.7g/10分、エチレン単位の含有量は94.2mol%、ビニルシクロヘキサン単位の含有量は5.8mol%であった。
[フィルムの調製]
共重合体をプレス成形機により150℃で、厚み0.1mmフィルムに成形した。得られたフィルムの衝撃強度、引裂強度および突刺強度を測定した。測定結果を表1に示す。
比較例1
エチレン−ヘキセン共重合体(住友化学(株)製 商品名 エクセレンFX CX2001)をプレス成形機により150℃で、厚み0.1mmフィルムに成形した。得られたフィルムの衝撃強度、引裂強度および突刺強度を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0005098752

Claims (4)

  1. 炭素原子数2〜20の直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位と、下記ビニル化合物(X)に基づく単量体単位とを含有し、該直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量とビニル化合物(X)に基づく単量体単位の含有量との合計を100mol%として、該直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量が97〜90mol%であり、ビニル化合物(X)に基づく単量体単位の含有量が3〜10mol%であり、極限粘度[η]が0.9〜3dl/gであるビニル化合物共重合体を有する宙吊り又は保定包装用フィルム。
    ビニル化合物(X):一般式CH2=CH−R(式中、Rは、2級アルキル基、3級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、芳香族基、または、置換芳香族基を表す。)で表されるビニル化合物。
  2. 請求項1に記載のフィルムが張着された支持枠部および/または請求項1に記載のフィルムが張着された支持板部を有する包装部材。
  3. 請求項2に記載の包装部材を用いて被包装物を宙吊り又は保定包装してなる包装体。
  4. 請求項2に記載の包装部材を用いて被包装物を宙吊り又は保定包装する物品の包装方法。
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