JP2009241954A - 宙吊り又は保定包装用フィルム、包装部材、包装体および包装方法 - Google Patents
宙吊り又は保定包装用フィルム、包装部材、包装体および包装方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】炭素原子数2〜20の直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位と、下記ビニル化合物(X)に基づく単量体単位とを含有し、該直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量が97〜90mol%、ビニル化合物(X)に基づく単量体単位の含有量が3〜10mol%、極限粘度が0.9〜3dl/gであるビニル化合物共重合体を有する宙吊り又は保定包装用フィルム。
ビニル化合物(X):一般式CH2=CH−R(式中、Rは、2級アルキル基、3級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、芳香族基、または、置換芳香族基を表す。)で表されるビニル化合物。
【選択図】なし
Description
そのため、昨今では、大量の緩衝材を使用しない包装方法として、樹脂フィルムが張着された支持枠を用い、被包装物を樹脂フィルム2枚で挟み込んで宙吊り状態で保持する包装、いわゆる「宙吊り包装」(例えば、特許文献1参照。)、樹脂フィルムが張着された支持枠と支持板とを用い、支持枠に張着された樹脂フィルムで被包装物を支持板上に押し付けること、あるいは、樹脂フィルムが張着された支持板を用い、支持板に張着された樹脂フィルムと支持板との間に被包装物を装入し、次いで、支持板を折り曲げて樹脂フィルムを緊張させて、被包装物を支持板上に押し付けることにより、被包装物を支持板上に固定する包装、いわゆる「保定包装」(例えば、特許文献2、3参照。)が提案されている。
この宙吊り又は保定包装に用いられる樹脂フィルムとしては、これまで、ポリウレタンフィルムが多用されてきた。しかし、ポリウレタンフィルムは高価であるため、宙吊り又は保定包装に用いるフィルムとして、より経済的なフィルム、例えば、ポリオレフィン系樹脂フィルムの検討がなされており、特許文献4には、特定のエチレン−α−オレフィン共重合体からなるフィルムが提案されている。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、宙吊り又は保定包装用フィルムであって、衝撃強度および引裂強度に優れるポリオレフィン系樹脂フィルム、該フィルムが張着されてなる包装部材、該包装部材を用いて被包装物を宙吊り又は保定包装してなる包装体および該包装部材を用いて被包装物を宙吊り又は保定包装する物品の包装方法を提供することにある。
ビニル化合物(X):一般式CH2=CH−R(式中、Rは、2級アルキル基、3級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、芳香族基、または、置換芳香族基を表す。)で表されるビニル化合物。
本発明に用いられるビニル化合物共重合体は、炭素原子数2〜20の直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位と、下記ビニル化合物(X)に基づく単量体単位とを含有する共重合体である。
ビニル化合物(X):一般式CH2=CH−R(式中、Rは、2級アルキル基、3級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、芳香族基、または、置換芳香族基を表す。)で表されるビニル化合物。
(a1)一般式 E1 aAlZ3-aで表される有機アルミニウム化合物
(a2)一般式 {−Al(E2)−O−}bで表される環状のアルミノキサン
(a3)一般式 E3{−Al(E3)−O−}cAlE3 2で表される線状のアルミノキサン
(式中、aは0<a≦3を満足する数を、bは2以上の整数を、cは1以上の整数を表す。E1、E2およびE3は、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、複数のE1、複数のE2および複数のE3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。Zは水素原子またはハロゲン原子を表し、複数のZは同じであっても異なっていてもよい。)
(c1)一般式 BQ1Q2Q3で表されるホウ素化合物
(c2)一般式 G+(BQ1Q2Q3Q4)-で表されるホウ素化合物
(c3)一般式 (L−H)+(BQ1Q2Q3Q4)-で表されるホウ素化合物
(式中、Bは3価の原子価状態のホウ素原子を表し、Q1、Q2、Q3およびQ4はそれぞれ独立にハロゲン原子、ハイドロカルビル基、ハロゲン化ハイドロカルビル基、置換シリル基、アルコキシ基または2置換アミノ基を表す。G+は無機または有機のカチオンを表し、Lは中性ルイス塩基を表し、(L−H)+はブレンステッド酸を表す。)
本発明の宙吊り又は保定包装用フィルムは、上記ビニル化合物共重合体を有するフィルムである。該フィルムは、該ビニル化合物共重合体を有する層を有していればよく、単層フィルムであってもよく、他の樹脂層を有する多層フィルムであってもよい。
本発明の包装方法では、本発明のフィルムが張着された支持枠部および/または本発明のフィルムが張着された支持板部を有する包装部材を用い、被包装物を宙吊り包装あるいは保定包装する。該包装部材としては、本発明のフィルムが張着された支持枠、本発明のフィルムが張着された支持板、本発明のフィルムが張着された支持枠部を有するシート、支持板部と本発明のフィルムが張着された支持枠部とを有するシート等があげられる。
本発明のフィルムが張着された支持枠又は本発明のフィルムが張着された支持板を包装部材として用い、あるいは、本発明のフィルムが張着された支持枠部と支持板部とを有する包装部材を用い、被包装物を宙吊り包装あるいは保定包装する。
実施例における物性は次の方法で測定した。
ウベローデ型粘度計を用い、テトラリンを溶媒として135℃で測定した。
JIS K7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.2Nおよび温度190℃の条件で測定した。
エチレン−ビニルシクロヘキサン共重合体中のビニルシクロヘキサン単位含有量は、カーボン核磁気共鳴法によって、次の測定条件により、カーボン核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトルを測定し、下記式より算出した。
<測定条件>
装置:Bruker社製 ARX400
測定溶媒:オルトジクロロベンゼンとオルトジクロロベンゼン−d4の4:1(容積比
)混合液
測定温度:408K
測定方法:Powergate Decouping法
パルス角度:45度
測定基準:トリメチルシラン
<算出式>
ビニルシクロヘキサン単位含有量(mol%)=100×A/(B−2A)
A:45ppm〜40ppmのシグナルの積分積算値
B:35ppm〜25ppmのシグナルの積分積算値
フィルムから、ASTM D1822に規定のS型形状の試験片を打ち抜き、該試験片を東洋精機製作所(株)製デジタル衝撃試験機を用い、ASTM D1822に規定された方法で衝撃強度を測定した。
フィルムから、JIS−6252に規定のアングル形切込み無し形状の試験片を打ち抜き、該試験片を速度300mm/分の速度で引っ張った時の荷重値を測定した。該荷重値の最大値を該試験片の厚みで除した数値を引裂強度とした。
先端の曲率が1mmの球形状である突刺し針を、200mm/分の速度で、フィルムに突き刺し、突刺し針が貫通したときの荷重値を測定した。
[重合体の調製]
エチレン−ビニルシクロヘキサン共重合体の合成
乾燥窒素で置換したSUS製リアクター中にビニルシクロへキサン15kgとトルエン292kgを投入し、密閉状態にて50℃に昇温した。次に、エチレンを0.9MPa導入した。次に、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製、トリイソブチルアルミニウム濃度 20wt%]3.4kgを仕込み、つづいてジエチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド 0.02gを脱水トルエン 0.2kgに溶解したものと、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート 3.4gを脱水トルエン 0.9kgに溶解したものを投入し、重合を開始した。重合中は、重合液を撹拌し、エチレンの圧力が0.9MPaに保持されるように、リアクター中にエチレンを供給した。重合開始してから4時間後に、重合液中にエタノールを0.4kg添加した。次に、重合液に対し0.4等量の0.1N水酸化ナトリウム水溶液を重合液に添加し、攪拌後、水層と有機層の分離を行い、有機層の液を回収した。回収した有機層の液に対して3倍量のアセトン中に該有機層の液を投入した。アセトン中に生成した白色固体をロ取し、該固体をアセトンで洗浄し、乾燥した結果、共重合体18kgを得た。該共重合体の[η]は1.3dL/g、メルトフローレートは2.7g/10分、エチレン単位の含有量は94.2mol%、ビニルシクロヘキサン単位の含有量は5.8mol%であった。
共重合体をプレス成形機により150℃で、厚み0.1mmフィルムに成形した。得られたフィルムの衝撃強度、引裂強度および突刺強度を測定した。測定結果を表1に示す。
エチレン−ヘキセン共重合体(住友化学(株)製 商品名 エクセレンFX CX2001)をプレス成形機により150℃で、厚み0.1mmフィルムに成形した。得られたフィルムの衝撃強度、引裂強度および突刺強度を測定した。測定結果を表1に示す。
Claims (4)
- 炭素原子数2〜20の直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位と、下記ビニル化合物(X)に基づく単量体単位とを含有し、該直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量とビニル化合物(X)に基づく単量体単位の含有量との合計を100mol%として、該直鎖状α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量が97〜90mol%であり、ビニル化合物(X)に基づく単量体単位の含有量が3〜10mol%であり、極限粘度[η]が0.9〜3dl/gであるビニル化合物共重合体を有する宙吊り又は保定包装用フィルム。
ビニル化合物(X):一般式CH2=CH−R(式中、Rは、2級アルキル基、3級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、芳香族基、または、置換芳香族基を表す。)で表されるビニル化合物。 - 請求項1に記載のフィルムが張着された支持枠部および/または請求項1に記載のフィルムが張着された支持板部を有する包装部材。
- 請求項2に記載の包装部材を用いて被包装物を宙吊り又は保定包装してなる包装体。
- 請求項2に記載の包装部材を用いて被包装物を宙吊り又は保定包装する物品の包装方法。
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