JP2005183828A - 多層基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】寸法制度に優れ、平面方向の収縮率が0に近く、その収縮率のばらつきの小さい多層基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】異なる結晶化ガラス粉末を含む第1及び第2絶縁シートをそれぞれ複数積層してなり、該第1絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末の結晶化温度が、前記第2絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末の軟化点よりも低く、且つ(a)第1スリップ及び第2スリップの作製工程、(b)第1又は/及び第2絶縁シートの形成工程、(c)前記第1又は/及び第2絶縁シートの光硬化工程、(d)前記第1又は/及び第2絶縁シートの剥離工程、(e)前記第1又は/及び第2絶縁シートの積層工程、(f)積層成形体の焼成工程を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回路基板に適した多層基板の製造方法に関するものであり、特に、通信機器や電子機器等に高周波用途の部品として搭載される多層基板であり、焼成における収縮曲線(挙動)が異なる絶縁シート同士を一体して焼成することにより、互いのX−Y方向の焼成収縮を抑制した寸法精度に優れた多層基板の製造方法に関するものである。
従来より、セラミックスを絶縁基板とする多層基板が用いられているが、近年、多層基板に対して種々の機能の付加が求められ、異種セラミックスを組み合わせた多層基板が提案されている。例えば、低強度の絶縁層を高強度の絶縁層で補強する、または、多層基板の中に容量値の高いキャパシタを内臓するために、低誘電率の絶縁層中に高誘電率の絶縁層などを積層した多層基板が知られている。
このような多層基板では、セラミックスのクラックやデラミネーション(層間剥離)を防止するために、異種の絶縁層間で焼成収縮率及び熱膨張係数を一致させるように絶縁層材料の特性を選択、制御することが通常行われている。
しかしながら、近年においては、多層基板の低コスト化や、多層基板上に形成された電極の寸法精度向上のため、焼成時のX−Y方向における多層基板の収縮率を小さくすることが要求されており、上記従来の多層基板では、この要求を達成することができなかった。
このような要求を満足するため、近年では、未焼成の絶縁グリーンシートの積層成形体に対して、Al焼結板を介して加圧しながら焼成して厚み方向への焼成収縮を増大させる加圧焼成法や、積層成形体の表面に、該積層体の焼成温度では焼結しない未焼成セラミック層によって拘束し、厚み方向にのみ収縮させた後、未焼成セラミック層を取り除く方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前者の加圧焼成法では、反りのないAl焼結板が必要であるとともに特殊な加圧手段が必要であった。また、未焼成セラミック層によって拘束する方法では、焼成終了後に未焼成セラミック層を取り除く必要があるために製造工程が増える、という問題があった。
そこで、焼成収縮開始温度の異なる2種のセラミック成形体を積層して同時焼成することによって焼成の収縮による寸法変化を抑制することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第2554415号 特開平2002−261443号公報
しかしながら、特許文献2に記載の回路基板の製造方法は、焼成収縮開始温度の異なる2種のセラミック成形体を積層して同時焼成するにあたり、焼成収縮開始温度が高温側の絶縁層が収縮開始する時、焼成収縮開始温度が低温側の絶縁層が、すでに最終焼成体積収縮量の90%以上焼成収縮しているように設定することにより、回路基板の寸法変化を抑制することはできるものの、焼成収縮開始温度のみの制御であるため、収縮抑制の挙動にばらつきが大きく、また収縮率も十分に小さくないという問題があった。
従って、本発明は、寸法制度に優れ、平面方向の収縮率が0に近く、その収縮率のばらつきの小さい多層基板及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の多層基板の製造方法は、以下の(a)〜(f)の工程を具備する多層基板の製造方法において、
(a)少なくとも第1絶縁性無機材料及び光硬化性樹脂を含有する第1スリップと、第2絶縁性無機材料及び光硬化性樹脂を含有する第2スリップとを作製する工程
(b)支持基板上に、前記第1又は/及び第2スリップを塗布、乾燥して第1又は/及び第2絶縁シートを形成する工程
(c)前記第1又は/及び第2絶縁シートを露光し、硬化させる工程
(d)前記成形体を前記支持基板から剥離して、前記第1又は/及び第2絶縁シートを作製する工程
(e)前記(d)工程で得られた前記第1及び第2絶縁シートをそれぞれ複数積層して積層成形体を作製する工程
(f)前記積層成形体を焼成する工程
前記第1及び第2絶縁シートが異なる結晶化ガラス粉末を含み、前記第1絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末の結晶化温度が、前記第2絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末の軟化点よりも低いことを特徴とする多層基板の製造方法。
前記絶縁シートの積層成形体における前記第1絶縁シートと前記第2絶縁シートの間には、膜厚が20μm以上の内部導体パターンが形成されていることが好ましい。
前記支持基板が透明であることが好ましい。
前記第1及び第2絶縁シートが、それぞれ結晶化ガラス粉末を30質量%以上含むことが好ましい。
前記第1及び第2絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末が、ディオプサイド粉末、ハーディストナイト粉末、セルシアン粉末、コージェライト粉末、アノーサイト粉末、ガーナイト粉末、ウィレマイト粉末、スピネル粉末、ムライト粉末、フォルステライト粉末及びスーアナイト粉末のうち少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の多層基板は、上記の多層基板の製造方法によって得られ、少なくとも2種のガラスをそれぞれ含む絶縁層の積層体からなり、該絶縁層のうち第1絶縁層に含まれるガラスの結晶化温度が、第2絶縁層に含まれるガラスの軟化点よりも低いことを特徴とする。
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層の熱膨張係数差が2×10−6/℃以下であることが好ましい。
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層が、いずれも結晶化ガラスを30質量%以上含むことが好ましい。
前記第1及び第2絶縁層の残留ガラス量が、いずれも10体積%以下であることが好ましい。
前記積層体の内部に内部導体パターンが形成されていることが好ましい。
前記第1及び第2絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末が、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト、(スーアナイト)のうち少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の多層基板の製造方法は、焼成収縮挙動の異なる第1及び第2絶縁シートを一体焼成することによって、一方の第1絶縁シートが収縮を開始する際に第2絶縁シート2がX−Y方向における収縮を抑制し、第1絶縁シートが収縮を完了し、結晶化中に、第2絶縁シートの焼結が開始されるため、X−Y方向における第2絶縁シートの収縮が第1絶縁シートによって抑制される結果、お互いの収縮抑制効果を安定して発揮することができ、多層基板全体として焼結前後でのX−Y方向の焼成収縮を抑制することができる。よって、焼成収縮のばらつきを抑制し、かつ収縮率を0に近づけることができ、寸法制度の高い多層基板を提供することができる。
特に、第1の絶縁層に含まれるガラスの結晶化温度が、第2の絶縁層に含まれるガラスの軟化点よりも低いため、寸法制度に優れ、平面方向の収縮率が0に近く、その収縮率のばらつきが小さい多層基板を作製することができる。
前記絶縁シートの積層成形体における前記第1絶縁シートと前記第2絶縁シートの間には、膜厚が20μm以上の内部導体パターンが形成されている場合、導体抵抗がより低くなり、高機能素子を内蔵することが容易になる。
前記支持基板が透明である場合、支持基板の裏面から光を照射して露光処理を行うことができ、支持基板から一定の厚みの絶縁シートを硬化させることができる。
前記第1及び第2絶縁シートが、それぞれ結晶化ガラス粉末を30質量%以上含む場合、より安定した焼結性及び接着性を得ることができる。
前記第1及び第2絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末が、ディオプサイド粉末、ハーディストナイト粉末、セルシアン粉末、コージェライト粉末、アノーサイト粉末、ガーナイト粉末、ウィレマイト粉末、スピネル粉末、ムライト粉末、フォルステライト粉末及びスーアナイト粉末のうち少なくとも1種である場合、誘電特性または強度をさらに改善することができる。
本発明の多層基板は、上記の製造方法によって得られ、少なくとも2種のガラスをそれぞれ含む絶縁層の積層体からなり、該絶縁層のうち第1絶縁層に含まれるガラスの結晶化温度が、第2絶縁層に含まれるガラスの軟化点よりも低いことを特徴とするものであり、寸法制度に優れ、平面方向の収縮率が0に近く、その収縮率のばらつきが小さい多層基板を提供することができる。
特に、前記第1及び第2絶縁層の熱膨張係数の差が、2×10−6/℃以下である場合、多層基板中にクラックやデラミネーションの発生を抑制する点で望ましい。
前記第1及び第2絶縁層が、いずれも結晶化ガラスを30質量%以上含む場合、より安定した焼結性及び接着性を得ることができる。
前記第1及び第2絶縁層の残留ガラス量が、いずれも10体積%以下である場合、X−Y方向の収縮抑制効果や基板の曲げ強度、誘電損失の観点から望ましい。
前記積層体の内部に内部導体パターンが形成されている場合、各種の機能を内蔵した回路の設計が容易になるという効果がある。
前記第1及び第2絶縁層に含まれる結晶化ガラスが、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト、(スーアナイト)のうち少なくとも1種ある場合、誘電特性または強度をさらに改善することができる。
図1は、本発明に基づく多層基板の一実施形態の概略断面図を示すものである。
図1によれば、多層基板1は、絶縁層2が積層されたセラミック絶縁基板と、配線導体層3、チップ部品4、ビアホール導体5を有する。
第1絶縁層及び第2絶縁層は、収縮開始温度が異なる絶縁シートによって形成されてなるものであり、絶縁シート2のうち、少なくとも1層、例えば第1絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末の結晶化温度が、他の絶縁シート、例えば第2絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末の軟化点よりも低いことが重要である。例えば、一層毎に交互に収縮開始温度が異なる絶縁シートを配置した構造を取ることができる。このような関係にある2種類の絶縁シートを組み合わせることによって、収縮挙動を顕著に制御することができる。
ここで、絶縁シート2に含まれる結晶化ガラスの熱特性について説明する。低温から収縮が開始する絶縁シート1に含まれる結晶化ガラスの結晶化温度は、それより高温で収縮開始する絶縁シート2に含まれる結晶化ガラスの軟化点より低く、この特徴ゆえに絶縁シートBが収縮開始するときには、絶縁シートAの焼成収縮はほとんど終了しており(最終焼成体積収縮量の90%以上)、お互いのX−Y方向の収縮を抑制しあうことが可能である。とりわけ、より効果的にX−Y方向の収縮を抑制しあうためには、一方のガラスの軟化点と他方のガラスの結晶化温度の差は10℃以上あることが望ましい。
前記絶縁シートの積層成形体における前記第1絶縁シートと前記第2絶縁シートの間には、膜厚が20μm以上の内部導体パターンが形成されていることが好ましい。このように、内部導体パターンが形成されていると、導体の低抵抗化ができるため、例えばインサーションロスが低いバンドパスフィルター等の高機能な素子を基板に内蔵することが容易になる。
また、上記絶縁シートAと絶縁シートBの焼成後の熱膨張係数差が2×10−6/℃以下であることが望ましい。これは、上記の熱膨張係数差が2×10−6/℃を超えると、最高焼成温度からの冷却時において、熱収縮の差が生じ絶縁シートと異種材料絶縁シートの界面にクラックやデラミネーションが生じるからである。とりわけ、クラックやデラミネーションの観点から、熱膨張係数の差は1×10−6/℃以下が望ましい。
本発明によれば、前記2種の絶縁シートが、いずれも結晶化ガラス粉末30〜100重量部とセラミック粉末0〜70重量部からなることが、焼結性の観点からのぞましい。
セラミック粉末としては、Al,SiO,MgTiO,CaZrO,CaTiO,MgSiO,BaTi,ZrTiO,SrTiO,BaTiO,TiO,AlN,SiNなどが挙げられる。
また、焼成収縮開始温度が異なる2種の未焼成の絶縁シートの焼成後に形成される結晶がディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト、(スーアナイト)から選ばれる1種以上が挙げられ、残留ガラス量がいずれも10体積%以下であることが、X−Y方向の収縮抑制効果や基板の曲げ強度、誘電損失の観点から望ましい。
本発明の多層基板に用いられる絶縁シートは、1000℃以下での焼成が可能であり、導体層としてCu,Ag,Alなどの低抵抗導体を用いて形成することが可能となり、また、低誘電率化も可能であり、高速伝送化に適している。しかも、上記の範囲で種々組成を制御することによって、焼成収縮挙動を容易に制御、変更することができる。
次に、本発明の多層基板の製造方法について、具体的に説明する。
まず、第1及び第2絶縁シートに使用する原料粉末を準備する。結晶化ガラス粉末及びセラミック粉末を準備する。結晶化ガラス粉末としては、ディオプサイド粉末、ハーディストナイト粉末、セルシアン粉末、コージェライト粉末、アノーサイト粉末、ガーナイト粉末、ウィレマイト粉末、スピネル粉末、ムライト粉末、フォルステライト粉末及びスーアナイト粉末のうち少なくとも1種が焼成後に形成されることが誘電特性または強度の観点で好ましい。
また、セラミック粉末として、Al粉末、SiO粉末、MgTiO粉末、CaZrO粉末、CaTiO粉末、MgSiO粉末、BaTi粉末、ZrTiO粉末、SrTiO粉末、BaTiO粉末、TiO粉末、AlN粉末、Si粉末のうち少なくとも1種であることが、誘電特性または強度の観点で好ましい。
ここで、第1絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末の結晶化温度が、前記第2絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末の軟化点よりも低いことが重要である。このような結晶化ガラスの組み合わせにすると、寸法制度に優れ、平面方向の収縮率が0に近く、その収縮率のばらつきが小さい多層基板を提供することができる。
即ち、低温から収縮が開始する第1絶縁シートに含まれる結晶化ガラスの結晶化温度は、それより高温で収縮開始する第2絶縁シートに含まれる結晶化ガラスの軟化点より低いため、第2絶縁シートが収縮開始するときには、第2絶縁シートの焼成収縮はほとんど終了しており(最終焼成体積収縮量の97%以上、特に98%以上、更には99%以上)、お互いのX−Y方向の収縮を抑制しあうことが可能である。とりわけ、より効果的にX−Y方向の収縮を抑制しあうためには、一方のガラスの軟化点と他方のガラスの結晶化温度の差は10℃以上あることが望ましい。
また、本発明によれば、6つの工程を具備することが重要である。まず、第1に、少なくとも第1絶縁性無機材料及び光硬化性樹脂を含有する第1スリップと、第2絶縁性無機材料及び光硬化性樹脂を含有する第2スリップとを作製する工程を具備することが重要である。絶縁性無機材料としては、上記のセラミックスを使用することができる。
ここで、第1及び第2スリップの結晶化ガラスとセラミックスとの組成は、第1及び第2絶縁シートが、それぞれ結晶化ガラス粉末を30質量%以上、特に40〜90質量%、更には50〜80質量%含むように設定することが、焼結性を高める点で好ましい。
上記の粉末を用いて、第1及び第2スリップを作製する。これらのスリップは、上記の粉末に代表される所定の結晶化ガラス粉末及びセラミック粉末からなる絶縁性向き材料と、焼成途中で容易に揮発する光硬化性樹脂と、有機溶剤及び必要に応じて可塑剤とを混合し、スリップを作成することができる。
第2の工程として、支持基板上に、前記第1又は/及び第2スリップを塗布、乾燥して第1又は/及び第2絶縁シートを形成する工程を具備することが重要である。上記のスリップを用いて、リップコーター法やドクターブレード法などによってテープ成形を行い、透明な支持基板上に、2種のスリップを塗布、乾燥して第1又は/及び第2絶縁シートを形成し、所望により切断し、グリーンシートからなる第1又は第2絶縁シートを作製する。なお、必要に応じて第1又は第2絶縁シートは絶縁体ペーストとして、後に形成することも可能である。
支持基板は透明であることが好ましい。透明であることによって、支持基板の裏面から光を照射して露光処理を行うことができ、支持基板から一定の厚みの絶縁シートを硬化させることができ、一様な厚みの絶縁シートを形成することができる
透明な支持基板上には、スリップ塗布に先立ち、あらかじめビアホール用導体、表面導体層、内部導体層、裏面導体層を導体ペーストを用いてスクリーン印刷法やオンコンタクト印刷法、インクジェット印刷法などによって被着形成することができる。
第3の工程として、前記第1又は/及び第2絶縁シートを露光し、硬化させる工程を具備することが重要である。上記の第1又は/及び第2絶縁シートを露光し、硬化させてグリーンシートを作製する。
次いで、第4の工程として、前記成形体を前記支持基板から剥離して、前記第1又は/及び第2絶縁シートを作製する工程を具備することが重要である。上記のグリーンシートを第1及び第2絶縁シートとして前記支持基板から剥離する。
第5の工程として、前工程で得られた第1及び第2絶縁シートをそれぞれ複数積層して積層成形体を作製する工程を具備することが重要である。このようにして得られた各グリーンシート又は絶縁体ペーストを所定の積層順序に応じて積層して積層成形体を作製することができる。
ここで、積層成形体における第1絶縁シートと第2絶縁シートとの間には、膜厚が20μm以上の内部導体パターンが形成されていることが好ましい。このように、20μm以上の厚みの内部導体パターンが形成されていると、導体抵抗をより低くすることができる。
最後に、第6の工程として、得られた積層成形体を焼成する。焼成にあたっては、低温側で収縮が開始する絶縁シートの収縮開始温度とその絶縁シートに含まれるガラスの結晶化温度の間の温度で一旦保持する多段焼成でも可能であるが、通常の単一キープ温度においても同時焼成することでX−Y方向への焼成収縮が抑制されZ方向に焼成収縮した寸法精度の高い基板を作製することができる。
なお、焼成収縮開始温度が異なる2種のセラミックスは、例えば、焼結収縮挙動の相違のみならず、目的に応じて、比誘電率、曲げ強度、誘電損失、熱伝導率、嵩密度、温度係数などの他の特性が同じでも良いし、異なっていてもよい。
また、焼成収縮挙動が異なる2種のセラミック絶縁シートA−Bの積層形態としては、配置例として、ABBBBBA、ABABABA、AAABAAA、AABBBAA、AABABAA、AABBAAA、ABAAAAA、ABAAABA、ABBABBA、AABAAAA、ABBAAAA、ABBBAAA、ABBBBAAでもよく、また、AとBとを反対に入れ替えてもよい。
まず、第1及び第2絶縁シートを作製した。即ち、表1に示す結晶化ガラス粉末と、セラミック粉末と、光硬化可能なモノマーとして、ポリオキシエチル化トリメチロール及びプロパントリアクリレートと、有機バインダとしてアルキルメタクリレートと、有機溶剤としてエチルカルビトールアセテートと、を混合し、ボールミルで混練してそれぞれ第1及び第2スリップを作製した。
次に、導体パターンを作製するため、透明なキャリアシートの所定の位置にAg粉末を含む導電性ペーストをオンコンタクト印刷し、乾燥させた。なお、キャリアシートとしては、ガラス板やPETフィルム等を用い、焼成工程前には取り外した。
導体パターンが形成されたキャリアシート上に、リップコーター法によって塗布・乾燥して第1及び第2絶縁シートを形成した。得られた第1及び第2絶縁シートに露光処理、現像処理、洗浄、乾燥処理を行って、電極パターンが形成されたグリーンシートである第1及び第2絶縁シートを得た。
なお、露光処理は、支持基板裏側より、超高圧水銀灯(10mW/cm)を光源として用いて露光を行った。これにより、配線パターンが形成された領域は遮光され、光硬化可能なモノマーの光重合反応は起こらず、それ以外の領域で光重合反応が起こった。ここで光重合反応が起こった部位を不溶化部といい、光重合反応が起こらない部位を溶化部という。
現像処理は、第1及び第2絶縁シートの溶化部を現像液で除去するもので、トリエタノールアミン水溶液を現像液として用いてスプレー現像を行い、その後、現像により生じる不要なカスなどを洗浄、乾燥工程により完全に除去した。
なお、各絶縁シートの焼成収縮開始温度及び収縮終了温度を表1に示した。これらの測定は、表1に示した各絶縁シートの組成物についてワックスを添加して、100MPaでプレスすることにより圧粉体を別途形成し、この圧粉体に対して空気中でTMA(熱機械分析)による室温〜1000℃の温度範囲により各セラミックスの収縮開始温度S、収縮終了温度E、室温〜900℃における熱膨張係数を評価した。
第1及び第2絶縁シートをキャリアシートから剥離した後、それぞれ5枚の第1及び第2絶縁シートを位置あわせしながら、交互に重ね合わせ一括して圧着することによって積層成形体を形成した。なお、圧着時には、絶縁シート中の有機バインダのガラス転移点以上の温度をかけながら行った。なお、最下面と最上面のみは、キャリアフィルムから剥がすことなく、積層、圧着した後に、キャリアフィルムを剥がすことによって、積層成形体を形成した。
得られた積層成形体を、大気中400℃で脱バインダ処理し、さらに910℃で焼成し、図1に示すような多層基板を作製した。なお、各絶縁シートの厚みは0.02mmであり、多層基板の大きさは、縦10mm、横10mm、厚み0.6mmであった。
次に、焼成前の積層成形体と焼成後の多層基板に対して、所定のポイント間の長さを測定することにより、X−Y方向の多層基板の収縮率を測定した。なお、収縮率は、各試料番号について10個の試料を作製してそれぞれ収縮率測定し、平均値を収縮率とするとともに、10個の試料のうち、最大収縮率と最小収縮率との差を収縮バラツキとして評価した。
また、多層基板の表面を研磨して光学顕微鏡で表面観察することにより、多層基板におけるクラック、デラミネーションの有無を調べ、これを欠陥として評価した。
なお、第1絶縁層に含まれる結晶化ガラスの結晶化温度Tと、第2絶縁層に含まれる結晶化ガラスの軟化点Tは、DTA(示唆熱分析)により、10℃/分で昇温して得られた曲線から決定した。結果を表1、2に示した。
Figure 2005183828
Figure 2005183828
本発明の試料No.1〜4、7〜10の多層基板は、収縮率が4%以下と小さく、また、収縮バラツキが0.3%以下であり、多層基板にクラックやデラミネーションなどの欠陥は観察されなかった。このように、本発明の多層基板は、寸法制度に優れ、平面方向の収縮率が0に近く、収縮率のばらつきが小さいものであった。
一方、第1絶縁層に含まれる結晶化ガラスの結晶化温度が、第2絶縁層に含まれる結晶化ガラスの軟化点よりも高い本発明の範囲外の試料No.5及び6は、収縮率が8.5%以上、収縮バラツキが0.7%以上であった。
本発明のセラミック多層基板の一例を示す概略断面図を示す。
符号の説明
1・・・・多層基板
2・・・・絶縁シート1又は2
3・・・・配線導体層
4・・・・チップ部品
5・・・・ビアホール導体

Claims (11)

  1. 以下の(a)〜(f)の工程を具備する多層基板の製造方法において、
    (a)少なくとも第1絶縁性無機材料及び光硬化性樹脂を含有する第1スリップと、第2絶縁性無機材料及び光硬化性樹脂を含有する第2スリップとを作製する工程
    (b)支持基板上に、前記第1又は/及び第2スリップを塗布、乾燥して第1又は/及び第2絶縁シートを形成する工程
    (c)前記第1又は/及び第2絶縁シートを露光し、硬化させる工程
    (d)前記成形体を前記支持基板から剥離して、前記第1又は/及び第2絶縁シートを作製する工程
    (e)前記(d)工程で得られた前記第1及び第2絶縁シートをそれぞれ複数積層して積層成形体を作製する工程
    (f)前記積層成形体を焼成する工程
    前記第1及び第2絶縁シートが異なる結晶化ガラス粉末を含み、前記第1絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末の結晶化温度が、前記第2絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末の軟化点よりも低いことを特徴とする多層基板の製造方法。
  2. 前記積層成形体における前記第1絶縁シートと前記第2絶縁シートとの間には、膜厚が20μm以上の内部導体パターンが形成されていることを特徴とする請求項1記載の多層基板の製造方法。
  3. 前記支持基板が透明であることを特徴とする請求項1又は2記載の多層基板の製造方法。
  4. 前記第1及び第2絶縁シートが、それぞれ結晶化ガラス粉末を30質量%以上含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多層基板の製造方法。
  5. 前記第1及び第2絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末が、ディオプサイド粉末、ハーディストナイト粉末、セルシアン粉末、コージェライト粉末、アノーサイト粉末、ガーナイト粉末、ウィレマイト粉末、スピネル粉末、ムライト粉末、フォルステライト粉末及びスーアナイト粉末のうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多層基板の製造方法。
  6. 前記1〜4のいずれかに記載の多層基板の製造方法によって得られ、少なくとも2種の結晶化ガラスをそれぞれ含む絶縁層の積層体からなり、該絶縁層のうち第1絶縁層に含まれる結晶化ガラスの結晶化温度が、第2絶縁層に含まれる結晶化ガラスの軟化点よりも低いことを特徴とする多層基板。
  7. 前記第1絶縁層と前記第2絶縁層の熱膨張係数差が2×10−6/℃以下であることを特徴とする請求項6記載の多層基板。
  8. 前記第1絶縁層と前記第2絶縁層が、いずれも結晶化ガラスを30質量%以上含むことを特徴とする請求項6又は7記載の多層基板。
  9. 前記第1及び第2絶縁層の残留ガラス量が、いずれも10体積%以下であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の多層基板。
  10. 前記積層体の内部に内部導体パターンが形成されていることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の多層基板。
  11. 前記第1及び第2絶縁層に含まれる結晶化ガラスが、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト、(スーアナイト)のうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項6〜10記載の多層基板。

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