JP2005179580A - エポキシ樹脂用の硬化剤、エポキシ樹脂組成物、及びその硬化物 - Google Patents
エポキシ樹脂用の硬化剤、エポキシ樹脂組成物、及びその硬化物 Download PDFInfo
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Abstract
Description
このうちフェノールノボラック型樹脂は硬化時にエーテル結合を形成するため信頼性の面では最も優れている。しかしながら、一般にフェノールノボラック型樹脂は比較的高軟化点の固形樹脂であり、低粘度が要求される分野には適していない。
これを解決するために、アリル基含有ノボラック型フェノール樹脂を硬化剤に用いる例(特許文献1)が提案されている。また、アミン化合物や酸無水物は液状や粉末状での使用が可能であり、エポキシ樹脂組成物の低粘度化という面では適している。
また、本発明に用いる化合物は、特許文献2に記載されている。
また、アミン化合物や酸無水物はアミン化合物は一般に低温から硬化反応が始まるためエポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性の面で問題がある。また、酸無水物は硬化時にエステル結合を形成するため、加水分解されやすく信頼性の面で問題がある。
本発明者らはこうした実状に鑑み、液状もしくは粉末状で容易に液状エポキシ樹脂に溶解し、耐熱性、信頼性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂用の硬化剤、エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
(1)下記式(1)で表されるエポキシ樹脂用の硬化剤、
(3)エポキシ樹脂と、(1)または(2)に記載のエポキシ樹脂用の硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物、
(4)硬化促進剤を含有する(3)に記載のエポキシ樹脂組成物、
(5)(3)または(4)に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物、
(6)下記式(3)で表されるビスフェノール化合物とグリシドールとを反応させることにより得る、式(1)の化合物の製造方法、
を提供するものである。
また、本発明のエポキシ樹脂用の硬化剤はアルコール性水酸基を有するため、エポキシ樹脂と混合して得られるエポキシ樹脂組成物は液晶等への溶出も妨げられ、液晶シール剤等の用途にも有用である。
本発明において式(1)で表される化合物は通常、下記式(3)
で表されるビスフェノール化合物とグリシドールとを反応させることにより得ることが出来る。反応における仕込み比率は、通常ビスフェノール化合物の水酸基1当量に対してグリシドール1〜2モルであり、好ましくは1.05〜1.5モルである。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用い得るエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に制限はなく、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル−フェノール類縮合型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン・フェノール重縮合型エポキシ樹脂、フェノール・アラルキル重縮合型エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂用の硬化剤と併用し得る他の硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。用い得る硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノ−ルノボラック、及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらの併用可能な他の硬化剤は、本発明の効果を妨げない範囲、例えば本発明のエポキシ樹脂用の硬化剤の使用量を越えない範囲の割合が好ましい。
温度計、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに窒素パージを施しながら、4,4'−ビスフェノールF100部に対しグリシドール74部、アセトン44部を仕込み常温下で撹拌し、完全に溶解せしめた後、25%水酸化ナトリウム水溶液4部を加え、65℃まで昇温し還流下で6時間反応させた。反応終了後水300部を加え、析出した結晶を濾過し、更にアセトン、水で洗浄した後、乾燥させ下記式(4)
温度計、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに窒素パージを施しながら、ビスフェノールA114部に対しグリシドール74部、アセトン47部を仕込み常温下で撹拌し、完全に溶解せしめた後、トリエチルアミン1部を加え、65℃まで昇温し還流下で6時間反応させた。反応終了後、エバポレーターを用い加熱減圧下でアセトンやトリエチルアミンなどを除去し、下記式(5)
エポキシ樹脂としてRE−304S(日本化薬株式会社製、エポキシ当量170g/eq)100部に対し硬化剤として実施例1で得られた化合物(A)26部を、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)1部を配合し、均一に混合し、本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物は常温において液状であった。これらを金型に注型し80℃で2時間、120℃で2時間、180℃で4時間硬化せしめて試験片を作成し、下記の条件でガラス転移温度を測定した。結果を表1に示した。ガラス転移温度の測定は下記の機器、条件で行った。
熱機械測定装置(TMA):真空理工(株)製 TM−7000
昇温速度:2℃/min.
硬化剤として実施例1で得られた化合物(A)26部の代わりに実施例2で得られた化合物(B)28部を用いる以外は実施例3と同様にして本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物は常温において液状であった。さらに実施例3と同様にして硬化せしめて試験片を作成し、硬化物の物性を測定した。結果を表1に示した。
実施例3 実施例4
配合物の組成
RE−304S 100 100
化合物(A) 26
化合物(B) 28
2E4MZ 1 1
硬化物の物性
ガラス転移点(℃) 187 181
Claims (6)
- 式(1)においてmおよびnが0であり、Xが式(2−1)または式(2−2)である請求項1に記載のエポキシ樹脂用の硬化剤
- エポキシ樹脂と、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂用の硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物
- 硬化促進剤を含有する請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物
- 請求項3または4に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物
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JP2014194014A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-09 | Nan Ya Plast Corp | ハロゲンフリー、不燃性及び高ガラス転移温度のフェノール樹脂系硬化剤並びにその製造方法 |
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JPH01221342A (ja) * | 1988-02-29 | 1989-09-04 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | 新規なヒドロキシ化合物およびその製造方法 |
JP2003238661A (ja) * | 2002-02-19 | 2003-08-27 | Taiyo Ink Mfg Ltd | エポキシ樹脂硬化剤及びそれを含有するレジスト組成物 |
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- 2003-12-22 JP JP2003424916A patent/JP4565489B2/ja not_active Expired - Fee Related
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