JP2005172139A - 動作伝達機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 回転揺動の出力を行う駆動軸12と、駆動軸12から略半径方向に沿って延出されたガイド腕51と、ガイド腕51に沿って滑動可能に支持された調節駒52と、その一端部が調節駒に連結され、他端部は当該他端部が往復運動を行うための駆動力が入力されるリンク体54,55と、調節駒52に作用してガイド腕51上の位置調節を行う伝達変位量調節機構70と、を備え、リンク体54,55は、調節駒52を駆動軸12の中心線の中心線に対する垂直面に交差する方向の両側から支持してる。
【選択図】図2
Description
かかる従来のミシン100は、図6に示すように、主送り歯101に揺動動作を付与する主送り軸102と、差動送り歯103に揺動動作を付与する差動送り軸104と、ミシンモータにより回転駆動される下軸105から主送り軸102に揺動駆動力を付与する動作変換機構106と、主送り軸102から差動送り軸104に揺動駆動力を伝達すると共にその伝達揺動角度を設定調節可能な動作伝達機構とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
また、下軸105から主送り軸102に揺動動力を伝達する途中の過程で設けられたリンク体108に連結された送り軸107がガイド腕109を揺動せしめ、ガイド腕109の途中に支持された調節駒110を介して差動送りリンク111が差動送り軸腕112に対して揺動動作を伝達する。これにより、差動送り軸104は揺動駆動して差動送り歯103に布送りのための往復動作の付与を行う。
そして、調節駒110は、調整用リンク体113によってガイド腕109に沿って移動調節されることで、送り軸107に対して接離し、送り軸107を中心とする揺動半径が変動するので、差動送りリンク体111を介して差動送り軸腕112に伝達するストロークも変動し、これにより、差動送り軸104の揺動駆動量が変動調節されるようになっている。
本発明は、運動量伝達効率の向上をその目的とする。また、耐久性の向上を図ることを他の目的とし、騒音の低減をさらに他の目的とする。
そして、伝達変位量調節機構がガイド腕における調節駒の位置を移動調節することで、リンク体の他端部の移動量を調節することが可能である。この伝達変位量調節機構は、調節駒をガイド腕に沿って移動位置決めを行うことで、リンク体の一端部から駆動軸までの距離の調節を行う。即ち、調節駒が駆動軸から近い位置にあれば、小半径の円弧軌跡を描くため、リンク体の他端部の移動量出力も小さくなり、調節駒が駆動軸から遠い位置にあれば、大半径の円弧軌跡を描くため、リンク体の他端部の移動量出力も大きくなる。
そして、上記リンク体が、調節駒を駆動軸の中心線に対する垂直面に交差する方向の両側から支持することから、調節駒がガイド腕と共に往復揺動を行う際に、ガイド腕を挟んで両側から調節駒は支持されて、片持ち支持のように振れ運動を生じない。
なお、駆動軸の中心線に対する垂直面に交差する方向とは、当該垂直面に直交する方向(駆動軸に沿った方向)に限らず、その垂直面に交差する方向(垂直面に沿った方向以外の方向)全般を含むものとする。但し、調節駒を、駆動軸の中心線に沿った方向における両端部でリンク体が支持することがバランスの面からは最も好ましい。
上記構成によれば、調節駒は面対称となる二つのリンク部材により支持されることから、その両側においてバランス良く支持されることとなる。
上記構成にあっては、単一のリンク体の二又形状部分により調節駒をその両側から支持することができる。
さらに、調節駒の振れ運動が抑制されることから、偏った摩耗による劣化や破損の発生を抑制し、機構の長寿命化を図ることが可能となる。また、振れ運動による摺接を低減するので、騒音の発生を抑制することが可能となる。
また、調節駒の振れ運動の抑制により、摩耗劣化や破損を抑制し、長寿命化を図ることが可能となる。また、振れ運動による騒音の発生を抑制することが可能となる。
請求項4記載の発明は、リンク体は二又形状部分により、単一部材でありながら調節駒をその両側から支持することができる。このため、部品点数の軽減を図ることができ、機構の生産性の向上を図ることが可能となる。
図1は、本発明の実施形態たる動作伝達機構としての差動送り量調節機構50を搭載適用したミシンの送り機構10の斜視図である。このミシンの送り機構10は、ミシンのベッド部内に内蔵されており、縫製時において、針板上に載置された被縫製物たる布地を所定の方向に向けて送る動作を実行する。
なお、以下の説明において、図示しない針板に垂直となる方向をZ軸方向とし、針板に平行であって布の送りと平行な方向をX軸方向とし、針板に平行であってX軸方向に直交する方向をY軸方向とする。
主送り歯1及び差動送り歯2は、いずれも針板の下方において、X軸方向に沿った往復運動とZ軸方向に沿った往復運動の組み合わせからなる長円運動を行い、当該長円の上部の軌跡を通過するときのみにおいて、針板に設けられた送り歯の出没穴から上方に突出するように配置されている。
そして、主送り歯1は主送り軸11により、また、差動送り歯2は差動送り軸12により、各軸11,12の揺動から長円運動のX軸方向成分の往復駆動力が付与される。また、主送り歯1と差動送り歯2とはいずれも、Z軸方向成分の往復駆動力については下軸13から付与される。
なお、主送り軸11、差動送り軸12及び下軸13は、いずれもY軸方向に沿った状態で図示しないミシンフレームに回転可能に支持されている。
送り量調節機構20は、下軸13に固定装備された偏心カム21にその一端部が係合する偏心コンロッド22と、偏心コンロッド22の他端部にその一端部が連結された伝達リンク体23と、伝達リンク体23の他端部にその揺動端部が連結されると共にその基端部が主送り軸11に固定支持された主送り揺動腕24と、偏心コンロッド22の他端部にやはりその一端部が連結された伝達変位量調整リンク体25と、伝達変位量調整リンク体25の他端部を保持すると共に当該他端部位置25aから下軸13までの距離を調節する調節手段30とを備えている。
調節手段30は、その一端部が伝達変位量調整リンク体25の他端部25aに連結されたL字状の調節部材31と、調節部材31の他端部に連結された調節軸32と、調節部材31の屈曲部において当該調節部材31をミシンフレーム(図示略)に対して回動可能に軸支する支軸33と、当該支軸33に連結されると共に調節手段30により設定される送り量を示す指針34とを備えている。
また、指針34は、送り量の変更調節の際の調節部材31の回動に伴って支軸33を介して回動することから、指針34の先端位置にゲージ等を併設することで、その送り量を認識させることが可能である。
図1乃至図5に基づいて差動送り量調節機構50について説明する。図2は差動送り量調節機構50の要部の拡大斜視図であり、図3は差動送り量調節機構の要部をX軸方向に沿って見た正面図であり、図4は差動送り量調節機構50の一部を省略した分解斜視図であり、図5は図3におけるW−W線に沿った部分断面図である。
差動送り量調節機構50は、差動送り軸12にその基端部が固定支持され、差動送り軸12の半径方向に延設されたガイド腕51と、ガイド腕51に支持されると共に当該ガイド腕51に沿って移動可能な調節駒52と、主送り軸11にその基端部が固定支持され、主送り軸11の半径方向に延設された揺動伝達腕53と、その一端部が揺動伝達腕53の揺動端部に連結され、その他端部で調節駒52を支持する一対の支持リンク部材54,55と、調節駒52に作用してガイド腕51上の位置調節を行う伝達変位量調節機構としての調節手段70とを備えている。
さらに、この揺動伝達腕53は、主送り軸11に沿った方向(Y軸方向)におけるその両端側にいずれもY軸方向に平行であって互いに同一軸上となる支軸53a,53bが固着されている。各支軸53a,53bは、それぞれ、各支持リンク部材54、55の一端部に設けられた貫通穴54b,55bに挿通される。これにより、揺動伝達腕53は、その揺動端部においてY軸方向を中心として各支持リンク部材54,55を揺動可能に支持した状態となっている。
このガイド腕51は、その形状が湾曲している。この湾曲の曲率半径は、支持リンク部材54(55)の両端部における各貫通穴54a,54b(55a,55b)の中心間距離にほぼ等しく設定されている。ガイド腕51には調節駒52が支持され、この調節駒52は、ガイド腕51に沿って移動させてその位置を変えることで、主送り軸11から差動送り軸12への伝達揺動角度量の調節が行われる。そして、調節駒52は、各支持リンク部材54,55に支持されていることから、ガイド腕51に沿って移動する場合に、揺動伝達腕53の先端部に対しては支持リンク部材54,55の各貫通穴の中心間距離を半径とする円弧に沿って移動することとなる。
したがって、ガイド腕51を揺動伝達腕53に対する調節駒52の移動軌跡と一致させることで、調節駒52の移動による伝達揺動角度調節の前後において、主送り軸11に対する差動送り軸12の位相の変化を抑制することが可能となる。
さらに、この調節駒52は、差動送り軸12に沿った方向(Y軸方向)におけるその両端側にいずれもY軸方向に平行であって互いに同一軸上となる支軸56,57が固着されている。各支軸56,57は、それぞれ個別に、各支持リンク部材54、55の他端部に設けられた貫通穴54a,55aに挿通される。これにより、調節駒52は、そのY軸方向両端部、即ち、差動送り軸12の中心線に対する垂直面(X−Z平面)に交差する方向における両端部であって調節駒52が差動送り軸12の揺動により描く揺動軌跡を含む平面を挟んで各支持リンク部材54,55に支持されると共に、各支持リンク部材54,55に対してY軸方向を中心として回動することが可能となっている。
そして、これにより、揺動伝達腕53からの揺動駆動力が、各支持リンク部材54,55及びこの調節駒52を介してガイド腕51に伝達される。
また、支軸57は、支軸56に比して長く設定されており、その先端部において後述する調節手段70に係合している。
また、各支持リンク部材54,55は、互いの長手方向中間部において連結軸58により、貫通穴54bと55b、貫通穴54bと55bとが、それぞれ互いの中心線が同一軸上となるように連結されている。そして、支持リンク部材54と支持リンク部材55とは、互いにX−Z平面を基準とする面対称形状に形成されている。これにより、調節駒52のY軸方向両側においてバランス良く当該調節駒52を支持することができる。
伝達アーム78はその揺動端部において伝達リンク体79を介して上下移動軸73と連結されていることから、当該伝達アーム78の揺動により、Z軸方向成分の変位のみを上下移動軸73に伝達することができる。
従って、調節操作ネジ75又は調節操作アーム76に操作を加えることにより、上下移動軸73を介してガイド枠72をZ軸方向に移動調節することが可能となっている。
一方、ガイド枠72は、Z軸方向に移動させて調節駒52の位置決めを行うことから、差動送り軸12から角駒71間までの距離は一定ではない。従って、ガイド枠72のガイド溝72aのZ軸方向幅は、角駒71に対してある程度の余裕を持たせることにより、ガイド枠72のZ軸方向移動を行っても、調節駒52と共に行われる角駒71の差動送り軸12を中心とする揺動移動を許容することを可能としている。
差動送り量調節機構50では、調節操作ネジ75又は調節操作アーム76に操作を加えることにより、上下移動軸73を介してガイド枠72をZ軸方向に移動調節することができる。
そして、ガイド枠72がZ軸方向に移動すると、角駒71を介して調節駒52がガイド腕に沿って移動位置決めされる。主送り軸11と差動送り軸12とは、揺動伝達腕53とガイド腕51とを各支持リンク部材54,55により連結することで揺動回転を連動して行うようになっている。そして、主送り軸11から差動送り軸12に伝達される揺動角度の割合は、主送り軸11の中心から揺動伝達腕53の各支持リンク54,55との連結点までの距離と、差動送り軸12の中心からガイド腕51の各支持リンク54,55との連結点までの距離との割合に起因する。
具体的には、調節駒52をガイド腕51に沿って差動送り軸12から離れる方向に移動させると、差動送り軸12に伝達される揺動角度量は小さくなり、調節駒52を差動送り軸12に近づく方向に移動させると、差動送り軸12に伝達される揺動角度量は大きくなるように調節される。
上記構成からなるミシンの送り機構10の動作説明を行う。
ミシンモータにより下軸13が回転駆動を行うと、送り量調節機構20を介して主送り軸11に回転揺動力が伝達される。このとき、送り量調節機構20では、調節軸32により予め設定された伝達変位量調整リンク体25の他端部位置25aに応じて揺動角度量が決定され、主送り軸11の揺動駆動が行われる。
そして、主送り歯1は、設定された主送り軸11の揺動角度量に応じた送り幅で長円運動を行い、送り動作が行われる。
この時、主送り軸11から差動送り軸12には、調節手段70により設定された調節駒52の位置に応じた比率の揺動角度量で伝達が行われ、差動送り歯2は、差動送り軸12の揺動角度量に応じた送り幅で長円運動を行い、送り動作が行われる。
上記ミシンの送り機構10に適用した差動送り量調節機構50では、各支持リンク部材54,55が調節駒52をY軸方向の両端側から支持することから、調節駒52がガイド腕51により描く揺動動作の軌跡を含む平面(X−Z平面)を挟んで当該平面に対する交差方向における両側から支持された状態となり、ガイド腕51を中心とした振れ運動の発生を抑制することが可能となる。従って、振れ運動による運動量損失を抑制し、効率的に運動量の伝達を行うことが可能となる。
また、調節駒52の振れ運動の抑制により、摩耗劣化や破損を抑制し、耐久性の向上による長寿命化を図ることが可能となる。また、振れ運動による騒音の発生を抑制することが可能となる。
なお、上記差動送り量調節機構50では、調節駒52を、その揺動中心となる差動送り軸12に平行な方向(Y軸方向)における両端部でそれぞれ支持リンク部材54,55により支持させているが、Y軸方向から傾斜した方向(X−Z平面に対して交差する方向)における両端部で角リンク体54,55により支持しても良い。
なお、揺動中心となるY軸方向における両端部で調節駒を支持することが、そのバランス面からは、最も好ましい。
各支持リンク部材54,55は、連結軸58により一体的に連結されているが、特にこのような構成に限定されるものでない。例えば、その両端部がそれぞれ二又に分かれた形状であって、揺動伝達軸53と調節駒52とにそれぞれ両側から係合する一つのリンク体により、揺動伝達軸53と調節駒52とを連結する構成としても良い。この場合、一体のリンク体を使用することで、部品点数の軽減を図り生産性の向上を図ることが可能となる。
また、ガイド腕を備える駆動軸が構成に含まれていれば良く、当該駆動軸が動力を伝える側でも伝えられる側であっても良い。
さらに、上記動作伝達機構は、ミシンに限らず、少なくとも入力側又は出力側が回転揺動動作となる他の機構に適用しても良い。
11 主送り軸
12 差動送り軸(駆動軸)
50 差動送り量調節機構(動作伝達機構)
51 ガイド腕
52 調節駒
54,55 支持リンク部材
70 調節手段(伝達変位量調節機構)
Claims (4)
- 回転揺動を行うための駆動力が外部から入力される駆動軸と、
前記駆動軸から略半径方向に沿って延出されたガイド腕と、
前記ガイド腕に沿って滑動可能に支持された調節駒と、
その一端部が前記調節駒に連結され、他端部が往復運動の出力を行うリンク体と、
前記調節駒に作用して前記ガイド腕上の位置調節を行う伝達変位量調節機構と、を備え、
前記リンク体は、前記調節駒を前記駆動軸の中心線に対する垂直面に交差する方向の両側から支持することを特徴とする動作伝達機構。 - 外部に回転揺動の出力を行う駆動軸と、
前記駆動軸から略半径方向に沿って延出されたガイド腕と、
前記ガイド腕に沿って滑動可能に支持された調節駒と、
その一端部が前記調節駒に連結され、他端部は当該他端部が往復運動を行うための駆動力が入力されるリンク体と、
前記調節駒に作用して前記ガイド腕上の位置調節を行う伝達変位量調節機構と、を備え、
前記リンク体は、前記調節駒を前記駆動軸の中心線に対する垂直面に交差する方向の両側から支持することを特徴とする動作伝達機構。 - 前記リンク体は、前記調節駒の前記駆動軸の中心線方向の両側にそれぞれ連結される二つのリンク部材からなり、
前記各リンク部材は、互いに面対称となる形状であることを特徴とする請求項1又は2記載の動作伝達機構。 - 前記リンク体は少なくとも前記調節駒との連結端部が二又形状であることを特徴とする請求項1又は2記載の動作伝達機構。
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