JP2952982B2 - ミシンの布送り機構 - Google Patents

ミシンの布送り機構

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JP2952982B2 JP19148590A JP19148590A JP2952982B2 JP 2952982 B2 JP2952982 B2 JP 2952982B2 JP 19148590 A JP19148590 A JP 19148590A JP 19148590 A JP19148590 A JP 19148590A JP 2952982 B2 JP2952982 B2 JP 2952982B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明はミシンの布送り機構に関し、詳しくは加工布
を前後方向に移送することに加えて、左右方向の横送り
ができる布送り機構に関する。
[従来の技術] この種のミシンの布送り機構は、加工布の送り歯を前
後方向に移動する前後駆動機構と、上下方向に移動する
上下駆動機構と、左右方向に移動する左右駆動機構とを
備える。
従来の左右駆動機構は、前後駆動機構の全体を左右に
移動することにより、送り歯に左右の運動を与えるとい
うものであった。
前後駆動機構は、例えば、第4図(ミシンベッド内部
の側面概略図)に示すように、複数の部材からなってい
た。なお、図示の機構は、主軸の駆動モータとは別個に
設けたモータP1により、前後動を行なおうとするもので
ある。
図示するように、前後駆動機構は、モータP1の駆動ギ
ヤP2と噛合する従動ギヤP3を備え支軸P4を中心に矢印a
方向に揺動可能な揺動腕P5と、揺動腕P5の自由端側に設
けられた連結軸P6と、連結軸P6に回転可能に支持され、
自由端側が水平支持面P7に摺動可能に支持された水平送
り腕P8とからなる。水平送り腕P8には、上下両面にガイ
ド軸P9が垂設されており、ガイド軸P9が送り台P10(上
部に送り歯P11が形成される)に上下動可能に挿通され
る。従って、布送りモータP1の正逆回転により揺動腕P5
が支軸P4を中心に摺動すると、連結軸P6に支持された水
平送り腕P8が矢印b方向(前後方向)に運動し、送り台
P10がガイド軸P9を介して前後方向に駆動される。
一方、上下駆動機構は、主軸(図示略)と同期して回
転する偏心カムP12の回転により、送り台P10に矢印c方
向の運動を付与して、送り台P10をガイド軸P9に沿って
上下動させる。
このような上下,前後方向の運動を組み合わせて送り
台P10に与えることにより、前後方向の加工布の移送が
行なわれる。
左右移動機構は、上述した前後駆動機構の全体を左右
方向に移動することにより、上下駆動機構の上下方向の
運動と組み合わせて、加工布を左右方向に移送する横送
りを実現する。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来のミシンの布送り機構には、前後
動に伴って左右方向へ動力を伝達する接触面で摺動が発
生し、この摺動が原因で接触面が摩耗すると、左右方向
の送り量の制御精度が低下するという問題があった。
本発明のミシンの布送り機構は上記課題を解決し、送
り量の制御精度の向上を図ることを目的とする。
発明の構成 [課題を解決するための手段] 本発明のミシンの布送り機構は、 加工布を移送するための送り歯が形成された送り台
を、上下、前後、左右方向に組み合わせて移動すること
により、加工布を所定送り量ずつ、前後左右に移送する
ミシンの布送り機構において、 左右方向へ延びる第1の軸線を中心に揺動可能に配設
され、前後往復動用のアクチュエータから伝達される動
力により、前後方向への変位を伴って往復駆動される前
後揺動部材と、 左右往復動用のアクチュエータから伝達される動力に
より、左右方向への変位を伴って往復駆動される左右変
位部材と、 前記第1の軸線を中心に揺動可能、且つ該第1の軸線
上をスライド可能に配設され、揺動方向へは前記前後揺
動部材との接触により該前後揺動部材に対する相対変位
が規制され、且つ左右方向については前記左右変位部材
との接触により該左右変位部材に対する相対変位が規制
された状態にあり、その状態のまま前記前後揺動部材お
よび前記左右変位部材に従動して前後、左右方向へ変位
して、前記送り台に付与するための前後、左右方向への
動きを発生させる第1前後左右変位部材とを備え、 特に、前記第1前後左右変位部材が、前記第1の軸線
の周囲において前記左右変位部材に接している ことを特徴とする。
このミシンの布送り機構は、請求項2に記載のよう
に、 前記第1の軸線を軸中心とする1本の支軸が、前記前
後揺動部材および前記第1前後左右変位部材のそれぞれ
に形成された軸受穴を貫通するように配置されていて、 前記前後揺動部材は、前記支軸を中心に揺動し、前記
第1前後左右変位部材は、前記支軸を中心に揺動すると
ともに前記支軸に沿ってスライドする ことを特徴とするものであってもよい。
また、請求項3に記載のミシンの布送り機構のよう
に、 前記前後揺動部材に対し相対変位しない位置で前記第
1の軸線と平行をなす位置にある第2の軸線を中心に回
動可能、且つ該第2の軸線上をスライド可能に配設さ
れ、前記第1前後左右変位部材の変位に伴って前後、左
右方向へ変位するように当該第1前後左右変位部材に連
結された第2前後左右変位部材と、 前記前後揺動部材の揺動に伴って前記第2前後左右変
位部材が前後方向へ変位する際に、前記第2の軸線を中
心にして前記前後揺動部材の揺動方向とは逆方向へ前記
第2前後左右変位部材を回動させることにより、該第2
前後左右変位部材の傾きの変化を抑制する傾き変化抑制
手段とを備え、 特に、前記第2前後左右変位部材が、前記第2の軸線
の周囲において前記第1前後左右変位部材に接している ことを特徴とするものであってもよい。
また、請求項4に記載のミシンの布送り機構のよう
に、 前記前後揺動部材の揺動時に前記前後揺動部材から前
記第2前後左右変位部材へ動力を伝達する連結軸が、前
記第2の軸線を軸中心とする位置において前記前後揺動
部材と前記第2前後左右変位部材との間に介在している ことを特徴とするものであってもよい。
さらに、請求項5に記載のミシンの布送り機構のよう
に、 前記連結軸を介して、前記第1,第2前後左右変位部材
が連結されており、 前記第1前後左右変位部材の左右方向へのスライド時
には、前記第1前後左右変位部材から前記連結軸を介し
て前記第2前後左右変位部材へ動力を伝達する ことを特徴とするものであってもよい。
[作用] 上記構成を有する本発明のミシンの布送り機構におい
て、前後揺動部材は前後に変位し、左右変位部材は左右
に変位し、第1前後左右変位部材は前後揺動部材および
左右変位部材に駆動されて前後左右に変位する。これら
の内、左右変位部材は、第1前後左右変位部材が前後に
変位しても追従して前後に変位することはなく、しか
も、第1前後左右変位部材の左右方向への動きを規制し
ている。そのため、第1前後左右変位部材が前後に変位
すると、左右変位部材と第1前後左右変位部材は、互い
の接触面で摺動する。
ここで、この摺動が原因で左右変位部材と第1前後左
右変位部材との接触面が摩耗すれば、左右変位部材と第
1前後左右変位部材との間で左右方向の遊びが生じ、こ
の遊びが拡大するほど、左右変位部材による第1前後左
右変位部材の左右方向への送り精度が低下する。
その点、本発明のように、第1前後左右変位部材が、
第1の軸線を中心に揺動する構造になっている場合は、
「第1前後左右変位部材が送り歯へ付与するための変位
を発生させる部分」よりも第1の軸線に近い位置におい
て左右変位部材と第1前後左右変位部材を接触させるこ
とで、「左右変位部材と第1前後左右変位部材との間の
摺動距離」を、「第1前後左右変位部材が発生させる前
後方向への変位量」よりも小さくすることが可能であ
る。
そこで、本発明においては、特に、第1前後左右変位
部材が、第1の軸線の周囲において左右変位部材に接し
ている構造として、上記摺動距離を小さくした。これに
より、「第1前後左右変位部材が発生させる変位量」と
「左右変位部材と第1前後左右変位部材との間の摺動距
離」とが同程度になるものに比べ、左右変位部材と第1
前後左右変位部材との間における摩耗が抑制される。
したがって、本願発明によれば、より長期にわたっ
て、第1前後左右変位部材の左右方向への送り精度が低
下しなくなる。
なお、送り歯は、第1前後左右変位部材の変位が伝達
されて前後左右に動くものなので、上記のような第1前
後左右変位部材の送り精度の改善は、送り歯の左右方向
への送り精度向上に寄与する。
なお、請求項2に記載の構成を採用した場合は、1本
の支軸を用いた簡単な構造により、前後揺動部材および
第1前後左右変位部材を第1の軸線を中心に揺動可能と
することができる。
また、請求項3に記載の構成を採用した場合、第2前
後左右変位部材は、第1前後左右変位部材よりも、第1
の軸線を中心とする回転方向への変位が抑制されるの
で、前後方向への変位を発生させる際に同時に発生する
上下方向への変位を低減することができる。なお、第1,
第2前後左右変位部材は、両者の相対的な回動中心であ
る第2の軸線の周囲で接しているので、その摺動距離は
小さくなり、ここでも長期間にわたって遊びが発生しな
い。
さらに、請求項4に記載の構成を採用した場合は、前
後揺動部材から連結軸を介して第2前後左右変位部材へ
動力を伝達できる。
加えて、請求項5に記載の構成を採用した場合は、上
記連結軸により第1前後左右変位部材と第2前後左右変
位部材との間で左右方向への動きをも伝達できる。
[実施例] 以下本発明のミシンの布送り機構の一実施例を説明す
る。
実施例のミシンの布送り機構は、第1図の斜視図に示
すように、送り歯Hが固定された送り台Dを前後方向に
運動する前後駆動機構1と、送り台Dを上下方向に運動
する上下駆動機構3と、送り台Dを左右方向に運動する
横送り機構5とを備える。また、第3図のブロック図に
示す電子制御装置9を備える。
前後駆動機構1は、第1図に示すように、パルスモー
タ11、揺動レバー13、支軸15、揺動腕17、連結軸19、水
平送り腕21、送り腕支持部23などからなる。なお、図で
は、これら各部構成の配置の理解の便宜を図るため、か
まKを二点鎖線で示す。
パルスモータ11は、ミシン針の上下動に連動する主軸
Sの駆動系から独立しており、後述する電子制御装置9
(第3図)により、主軸Sに同期して駆動制御される。
その出力軸には駆動ギヤ11Aが固定される。駆動ギヤ11A
には遮光板11Bが取り付けられる。また、ホトインタラ
プタ25が遮光板11Bの通過する位置に設置される。
揺動レバー13は、略L字形状に屈曲した2つのレバー
を有する板材である。その屈曲部分に支軸15が挿通さ
れ、もって揺動レバー13が支軸15に揺動自在に支持され
る。手前(図面右斜め前)に延出するレバーの先端部に
は、上記駆動ギヤ11Aに噛合する従動ギヤ13Aが取り付け
られる。従動ギヤ13Aのピッチ円中心は、支軸15の軸心
に一致する。なお、実施例では、従動ギヤ13Aは樹脂製
品からなり、駆動ギヤ11Aと密に噛み合うように組み付
けられる。この密な組み付けにより、従動ギヤ13Aの歯
が駆動ギヤ11Aの歯の形状にあわせて塑性変形する。こ
の結果、バックラッシが極めて小さな歯車伝達機構が実
現されている。
他方、屈曲部分から上方に延出するレバーには、揺動
腕17の側面が固定される。
揺動腕17は、略H字形状の部材である。その両脇の縦
軸の下部には各々、軸受部17Aが形成されており、支軸1
5が挿通される。揺動腕17は、こうして揺動レバー13と
一体に支軸15に揺動自在に支持される。なお、支軸15
は、その両端部が軸支部15A,15Bによって、図示しない
基台上方に若干のすきまを空けて懸架される。
一方、揺動腕17の両脇の縦軸の上部には各々、軸受部
17Bが形成される。各軸受部17Bは、連結軸19を左右方向
に摺動自在に架け渡す。
連結軸19に支持される水平送り腕21は、略三角形状の
厚肉の板材である。三角形の頂点に相当する前端部の側
面には、ローラ21Aを備える。三角形の底辺に相当する
後端部の両脇には、軸受部21B,21Cを備える。そのう
ち、軸受部21Bには連結軸19が貫通する。軸受部21Cには
貫通した連結軸19が途中まで挿入する。こうして、水平
送り腕21は連結軸19に回動自在に支持される。
また、軸受部21Bの両脇には、連結軸19に固定したカ
ラー22がセットされる。カラー22は、水平送り腕21を連
結軸19の左右方向に移動不能に止める。
さらに、水平送り腕21の側面には、引張ばね27が下方
のフレームFとの間に張設される。引張ばね27は水平送
り腕21を下方に付勢することにより、ローラ21Aを、後
述する送り腕支持部23の表面23Aに常時、密接させる。
加えて、後部の軸受部21Cにはガイドロッド29が、貫
通した状態で固定される。ガイドロッド29の軸線と、水
平送り腕21の板面とは垂直に交わる。ガイドロッド29の
上部につきでた部分は、送り台D本体に貫通し、下部に
つきでた部分は、送り台Dの下方に延出する案内部D1に
貫通する。即ち、送り台Dはガイドロッド29によって、
水平送り腕21の板面に垂直方向に移動自在に支持され
る。
送り腕支持部23は、フレームFにねじ止めされる。ロ
ーラ21Aが摺動する表面23Aの形状は、前後方向に円弧状
に形成される。実施例では、表面23Aの曲率半径とロー
ラ21Aの半径とを加算した寸法が、支軸15と連結軸19と
の中心軸間距離と同一に設計される。上述した水平送り
腕21は、この表面23Aに摺動自在に支持され、連結軸19
の移動にともなって、略水平を維持したまま前後に移動
する。
以上の前後駆動機構1の動作について、概略を説明す
る。
第1図に示すように、パルスモータ11が正逆回転し
て、駆動ギヤ11Aが従動ギヤ13Aを上下方向に送ると、そ
の送りにより、揺動レバー13が支軸15を中心に揺動す
る。すると、揺動レバー13に一体に固定された揺動腕17
が、同様に支軸15を中心に揺動する。揺動腕17の揺動に
より、連結軸19が前後方向に往復移動する。この連結軸
19の往復移動にそろって、連結軸19と送り腕支持部23と
の間に架け渡された水平送り腕21が、略水平を維持しな
がら前後方向に往復運動する。そして、後部のガイドロ
ッド29により、送り台Dを前後方向に引っ張り、送り歯
Hを前後方向に移動する。
次に上下駆動機構3を説明する。
上下駆動機構3は、第1図に示すように主軸S、偏心
カム31、上下動レバー33などからなる。
主軸SはプーリS1にタイミングベルトがかけられて、
ミシン針の上下動等のための上軸(図示せず)に同期し
て回転される。
偏心カム31は主軸Sに偏心して設けられたカムであ
る。その偏心量は、送り歯Hの上下動のストロークに対
応して決められる。
上下動レバー33は、前端部がロッド33Aに揺動自在に
支持されており、その腹部下面が偏心カム31に当接す
る。
上下動レバー33の後端部の側面にはローラ35が回動自
在に支持される。ローラ35には、送り台Dの下面に設け
た支持面37が摺接する。一方、送り台Dの案内部D1と水
平送り腕21との間には、圧縮ばね39が配置されており、
送り台Dが下方に付勢される。以上の構成により、支持
面37はローラ35に常時密接し、かつ上下動レバー33が偏
心カム31に常時密接する。したがって、偏心カム31の形
状にあわせて、ローラ35が正確に上下動し、さらに送り
台Dが正確に追従して上下動する。
次に、横送り機構5を説明する。
横送り機構5は、連結軸19に固定した左右摺動腕51
と、パルスモータ59と、左右運動付与機構60とを備え
る。
左右摺動腕51は、略H字形状の部材である。第2図に
その正面図を示す。図示するように、両脇の縦軸の下部
には各々、軸受部51A,51Bが形成されており、支軸15が
挿通される。軸受部51A,51Bに形成された孔の寸法精度
は、支軸15に対して摺動に適度な、はめあい関係になる
ように決められる。左右摺動腕15は、こうした構成によ
り、支軸15に精密に摺動自在に支持されて、左右方向に
案内される。
一方、左右摺動腕51の両脇の縦軸の上部には、軸固定
部51Cと、補助支持部51Dとが形成される。軸固定部51C
と補助支持部51Dとのそれぞれには挿通孔51Eが形成され
ており、連結軸19が挿通される。挿通孔51Eの内径は、
連結軸19の外径より若干大きく形成される。挿通孔51E
の加工精度は、通常の精度でよく、精度の良い加工は不
要である。また、軸固定部51Cの両端面は、連結軸19に
対する直角度がでるように、通常の精度の加工が施され
ている。この両端面についても、精度の良い加工は不要
である。
軸固定部51Cは、カラー53と、止め輪55と、圧縮ばね5
7とにより、連結軸19に固定される。止め輪55は軸固定
部51Cの端面に当接される。カラー53は圧縮ばね57を最
小長に圧縮した状態で連結軸19に固定される。圧縮ばね
57は最小長に圧縮されているので、その長さを変えず
に、常時、軸固定部51Cを止め輪55の側に、しっかり付
勢する。
軸固定部51Cに設けられるこの連結軸19の固定構造
は、左右摺動腕51の寸法誤差を吸収する役割を果たす。
例えば、軸固定部51Cおよび補助支持部51Dの挿通孔51E
の芯と、軸受部51A,51Bの孔の芯との間の寸法が、わず
かにずれて形成されている場合を考える。この場合、左
右摺動腕51がわずかに傾斜して支軸15に支持されること
がある。上記構造では、左右摺動腕51が傾斜していて
も、挿通孔51Eの内径は大きいので、挿通孔51Eには連結
軸19が無理なく挿通される。かといって、軸固定部51と
連結軸19との固定は不安定にならない。圧縮ばね57が常
時、軸固定部51Cを止め輪55に向かってしっかり付勢す
るからである。
つまり、左右摺動腕51の加工は、軸受部51A,51Bを適
切な精度で加工すれば足りる。上述の固定構造とするこ
とにより、左右摺動腕51に特に高い精度の加工を施さな
くても、左右摺動腕51は所定の機能、即ち支軸15に精密
に摺動自在であって、連結軸19にしっかり固定されると
いう機能を発揮するのである。
以上説明した左右摺動腕51の駆動源であるパルスモー
タ59は、第1図に示すように、既述した前後駆動機構1
などが構成されるフレームF1の底面に取り付けられてお
り、後述する電子制御装置9により、主軸Sに同期して
駆動制御される。出力軸には駆動ギヤ59Aが固定され
る。
左右運動付与機構60は、上述した左右摺動腕51の下部
を挟持する挟持板61,63、作動ピン65、水平揺動レバー6
7、支持ピン69、止め輪71、引張ばね73などからなる。
挟持板61,63は、第2図に示すように、左右摺動腕51
の軸受部51Aを挟持する。これらのうち一方の挟持板61
には、下面に作動ピン65が下方に向けて突設されてい
る。この挟持板61の両端部は直角に立ちあげられ、立ち
あげられた両端部に支軸15が挿通される。右側で立ちあ
げられた端部は、軸受部51Aの左端面に当接する。この
右側で立ちあげられた端部の右端面は、支軸15(支軸15
を挿通する図示しない穴)に対する直角度がでるよう
に、精度の良い加工が施されている。また、上記端部の
右端面が当接する軸受部51Aの左端面には、軸受部51Aに
形成された孔の軸方向(支軸15の軸方向)に対する直角
度がでるように、精度の良い加工が施されている。この
結果、支軸15の軸方向に直交する左端面に、挟持板61の
右端部が当接することにより、挟持板61は、支軸15の軸
方向に精密に平行に配置され、支軸15にこじらず、スム
ースに案内される。
他方の挟持板63は、略L字形状の板材であって、挟持
板61にねじ止めされ、挟持板61との間で軸受部51Aを挟
持する。軸受部51Aの右端面と挟持板63との間には、球
面ブッシュ75が介在される。球面ブッシュ75の外形にあ
わせて、挟持板61には球面状の凹部75Aが形成される。
挟持板63で挟まれる軸受部51Aの右端面は、その左端面
と同様に、軸受部51Aに形成された孔の軸方向(支軸15
の軸方向)に対する直角度がでるように、精度の良い加
工が施される。一方、挟持板63の左端面の直角度は、板
材の曲げ精度と、挟持板61の取付面の精度とに依存して
おり、ばらつきが生ずる。上記球面ブッシュ75を介在す
る構成とすることにより、このばらつきが吸収される。
次に、水平揺動レバー67を説明する。
第1図に示すように、水平揺動レバー67は、略L字形
状に屈曲した2つのレバーを有する板材であって、フレ
ームF1の底面側に配置される。2つのレバーのうち、パ
ルスモータ59に向かって延出する長尺のレバーの先端に
は、従動ギヤ67Aが形成される。従動ギヤ67Aはパルスモ
ータ59の駆動ギヤ59Aに噛合する。
一方、短尺のレバーの先端には、切欠部67Bが設けら
れる。この切欠部67Bの切欠内には、挟持板61下面の作
動ピン65が係合する。
水平揺動レバー67の屈曲部分に設けた孔67Cには、上
方から支持ピン69が挿通される。支持ピン69は、フレー
ムF1の上面からフレームF1に差し込まれ、ついで、孔67
Cに挿通される。支持ピン69の上側の溝69Aには、水平揺
動レバー67の裏面にて止め輪71が付けられる。こうして
水平揺動レバー67は支持ピン69により、フレームF1の底
面に揺動自在に支持される。
また、支持ピン69の下端部には溝69Bが形成されてい
る。さらに、挟持板61の作動ピン65の下端部には溝65A
(第2図参照)が形成されている。これらの支持ピン69
の溝69Bと、作動ピン65の溝65Aとの間には、引張ばね73
が張設される。引張ばね73は、水平揺動レバー67の切欠
部67Bを作動ピン65に常時密接させる。
以上説明した横送り機構5の動作の概略を説明する。
第1図に示すように、パルスモータ59が正逆回転し、
駆動ギヤ59Aが従動ギヤ67Aを水平に前後方向に送ると、
その送りにより、水平揺動レバー67が支持ピン69を中心
に揺動する。すると、切欠部67Bのある短尺のレバーが
略左右方向に往復運動する。短尺のレバーの運動は、切
欠部67Bに係合する作動ピン65に伝えられる。この結
果、作動ピン65が取り付けられた挟持板61と、挟持板61
にねじ止めされた挟持板63は、支軸15に案内されて左右
方向に直線的に往復運動し、左右摺動腕51を左右方向に
往復運動させる。したがって、左右摺動腕51に固定され
た連結軸19は、前後駆動機構1の揺動腕17に支持された
まま、摺動して左右方向に往復運動し、水平送り腕21を
同じく左右方向に往復運動させる。以上の各部の運動の
結果、ガイドロッド29が送り台Dを左右方向に引っ張
り、送り歯Hを左右方向に移動させる。
次に、上述の機構を制御する電子制御装置9につい
て、第3図に基づき説明する。電子制御装置9は、周知
のCPU91,ROM93,RAM95,入出力インタフェース97,99等を
備える算術論理演算回路である。入力インタフェース97
には、電源等の操作スイッチ101や、ホトインタラプタ2
5が接続される。出力インタフェース99には、主軸Sを
回転する主軸モータ103の駆動回路105が接続される。ま
た、前後駆動機構1のパルスモータ11の駆動回路107
と、左右移動機構5のパルスモータ59の駆動回路109と
が接続される。
以上説明したミシンの布送り装置は、以下のように動
作する。
電子制御装置9は、操作スイッチ101の操作に応じ
て、公知の手法により、縫製を行なう。第1図に示すよ
うに、例えば、前進送りあるいは後進送りの場合は、パ
ルスモータ11の駆動ギヤ11Aを正逆回転して、従動ギヤ1
3Aを上方あるいは下方に送ることにより、連結軸19,水
平送り腕21等を介し送り歯Hに前後方向の往復運動をさ
せる。この送り歯Hの前後方向の往復運動を、主軸Sの
回転のタイミング(上下駆動機構3の動作のタイミン
グ)にあわせて行なうことにより、送り歯Hは、矢印K1
で示す前進送りの軌跡を描き、あるいは矢印K2で示す後
進送りの軌跡を描く運動をする。
一方、横送りの場合は、パルスモータ59の駆動ギヤ59
Aを正逆回転して、従動ギヤ67Aを水平に前後方向に往復
運動させる。すると、既述したように、水平揺動レバー
67や、挟持板61,63等を介して左右摺動腕51が左右方向
に往復運動する。この結果、連結軸19が左右方向に往復
運動し、送り歯Hが左右方向に往復運動する。この送り
歯Hの左右方向の往復運動を、主軸Sの回転のタイミン
グにあわせて行なうことにより、送り歯Hは、矢印K3で
示す右方向の横送りのための軌跡を描き、あるいは矢印
K4で示す左方向の横送りのための軌跡を描く運動をす
る。
以上説明したように、実施例のミシンの布送り機構
は、横送り機構5により連結軸19を左右に移動できるか
ら、横送り機構5の制御対象の慣性質量が小さくなり、
移動量の制御精度が安定する。加えて、前後駆動機構1
は、連結軸19と水平送り腕21を除いて、左右に移動され
ないから長期の使用を経ても、がたつかない。したがっ
て、加工布の送り量の制御精度の向上を図ることができ
るという優れた効果を奏する。
さらに、実施例では、左右摺動腕51の軸受部51Aを、
挟持板61,63で挟持する構造において、球面ブッシュ75
を用いたり、左右摺動腕51の軸固定部51Cと連結軸19と
の固定構造に、圧縮ばね57等から構成される構造を用い
たりしたから、各部品の加工に特に高い精度が要求され
ない。したがって、製造や組付作業が容易になるという
利点がある。
加えて、実施例では、左右摺動腕51が、支軸15を中心
に揺動する構造になっていて、その支軸15の周囲におい
て挟持板61,63に接しているので、左右摺動腕51が送り
歯Hのために発生させる前後変位量に比べ、左右摺動腕
51と挟持板61,63との摺動距離は格段に小さくなり、両
者間における摩耗が抑制される。したがって、より長期
にわたって、左右摺動腕51の左右方向への送り精度が低
下しなくなり、このような左右摺動腕51の送り精度の改
善は、送り歯Hの左右方向への送り量の制御精度の向上
に寄与する。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこ
うした実施例に何等限定されるものではなく、例えば送
り歯Hの前後方向の運動が、主軸Sによって付与される
構成に適用するなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲に
おいて、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
発明の効果 以上詳述したように、本発明のミシンの布送り機構に
よれば、前後動に伴って部品間で発生する摺動距離が小
さいので、左右方向へ動力を伝達する接触面の摩耗を抑
制することができ、長期にわたって左右方向の送り量の
制御精度を維持できる。したがって、加工布の送り量の
制御精度の向上を図ることができるという優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のミシンの布送り機構の一実施例を示す
斜視図、第2図はその左右移動機構の一部を示す正面
図、第3図は電子制御装置のブロック図、第4図は従来
機構の説明図。 1……前後駆動機構、3……上下駆動機構 5……横送り機構、9……電子制御装置 11……パルスモータ、13……揺動レバー 15……支軸、17……揺動軸 19……連結軸、21……水平送り腕 23……送り腕支持部、51……左右摺動腕 59……パルスモータ、65……作動ピン 67……水平揺動レバー、69……支持ピン D……送り台、H……送り歯 S……主軸

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加工布を移送するための送り歯が形成され
    た送り台を、上下、前後、左右方向に組み合わせて移動
    することにより、加工布を所定送り量ずつ、前後左右に
    移送するミシンの布送り機構において、 左右方向へ延びる第1の軸線を中心に揺動可能に配設さ
    れ、前後往復動用のアクチュエータから伝達される動力
    により、前後方向への変位を伴って往復駆動される前後
    揺動部材と、 左右往復動用のアクチュエータから伝達される動力によ
    り、左右方向への変位を伴って往復駆動される左右変位
    部材と、 前記第1の軸線を中心に揺動可能、且つ該第1の軸線上
    をスライド可能に配設され、揺動方向へは前記前後揺動
    部材との接触により該前後揺動部材に対する相対変位が
    規制され、且つ左右方向については前記左右変位部材と
    の接触により該左右変位部材に対する相対変位が規制さ
    れた状態にあり、その状態のまま前記前後揺動部材およ
    び前記左右変位部材に従動して前後、左右方向へ変位し
    て、前記送り台に付与するための前後、左右方向への動
    きを発生させる第1前後左右変位部材とを備え、 特に、前記第1前後左右変位部材が、前記第1の軸線の
    周囲において前記左右変位部材に接している ことを特徴とするミシンの布送り機構。
  2. 【請求項2】前記第1の軸線を軸中心とする1本の支軸
    が、前記前後揺動部材および前記第1前後左右変位部材
    のそれぞれに形成された軸受穴を貫通するように配置さ
    れていて、 前記前後揺動部材は、前記支軸を中心に揺動し、前記第
    1前後左右変位部材は、前記支軸を中心に揺動するとと
    もに前記支軸に沿ってスライドする ことを特徴とする請求項1に記載のミシンの布送り機
    構。
  3. 【請求項3】前記前後揺動部材に対し相対変位しない位
    置で前記第1の軸線と平行をなす位置にある第2の軸線
    を中心に回動可能、且つ該第2の軸線上をスライド可能
    に配設され、前記第1前後左右変位部材の変位に伴って
    前後、左右方向へ変位するように当該第1前後左右変位
    部材に連結された第2前後左右変位部材と、 前記前後揺動部材の揺動に伴って前記第2前後左右変位
    部材が前後方向へ変位する際に、前記第2の軸線を中心
    にして前記前後揺動部材の揺動方向とは逆方向へ前記第
    2前後左右変位部材を回動させることにより、該第2前
    後左右変位部材の傾きの変化を抑制する傾き変化抑制手
    段とを備え、 特に、前記第2前後左右変位部材が、前記第2の軸線の
    周囲において前記第1前後左右変位部材に接している ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のミシ
    ンの布送り機構。
  4. 【請求項4】前記前後揺動部材の揺動時に前記前後揺動
    部材から前記第2前後左右変位部材へ動力を伝達する連
    結軸が、前記第2の軸線を軸中心とする位置において前
    記前後揺動部材と前記第2前後左右変位部材との間に介
    在している ことを特徴とする請求項3に記載のミシンの布送り機
    構。
  5. 【請求項5】前記連結軸を介して、前記第1,第2前後左
    右変位部材が連結されており、 前記第1前後左右変位部材の左右方向へのスライド時に
    は、前記第1前後左右変位部材から前記連結軸を介して
    前記第2前後左右変位部材へ動力を伝達する ことを特徴とする請求項4に記載のミシンの布送り機
    構。
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