JP2005162476A - 用紙の搬送路切換構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 材料コストおよび製造コストの低減化を図り、且つ廃棄物処理にも適正に対応し得るようにした上で、可動ガイドの変形を確実に防止することができるようにする。
【解決手段】 搬送路の幅と平行な支持軸412回りに回動可能で且つ用紙を分岐点より下流側の主搬送路31へ向かわせる主姿勢と、用紙を分岐搬送路32側へ向かわせる分岐姿勢との間で姿勢変更可能に構成された可動ガイド40と、分岐姿勢に姿勢設定された可動ガイド40が分岐搬送路32へ向かう用紙との干渉で変形するのを防止するように前記可動ガイド40の長手方向の略中央部で支持する前記装置本体11と一体の係合フック50とを備えている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、複写機やファクシミリ装置さらには各種のプリンタ等の画像形成装置で代表される用紙を取り扱う装置への適用が好適な用紙の搬送路切換構造に関するものである。
用紙を取り扱う装置の一種として、複写機やファクシミリ装置等の画像形成装置が知られている。この画像形成装置は、光学的に読み取った原稿画像を、感光体ドラムに静電潜像として形成させ、この静電潜像にトナーを供給してトナー画像を得た後、当該トナー画像を用紙に転写(現像)するようになされている。トナーの転写で現像された用紙は、定着装置で定着処理されたのち所定の排出搬送路を介して外部に排出される。
前記排出搬送路は、画像形成装置の筐体(装置本体)内の略中央位置で水平方向へ延びるように設けられた現像ユニットの直下位置から定着装置を介して用紙を受け取るように配設されている。かかる排出搬送路100は、例えば図11に示すように、略垂直に立ち上がる主搬送路101と、この主搬送路101の適所に設けられた分岐点103から水平方向に延びて画像形成装置の筐体の側面排紙口104へ向かう分岐搬送路102とを備えて構成されている場合がある。
主搬送路101は、下流端が筐体上面の図略の排紙トレイに臨むように開口された上部排紙口へ向かうように送路設定されている。そして、前記分岐点103には、現像ユニットから搬送されてきた用紙Pの搬送先を、主搬送路101での搬送継続と、分岐搬送路102への分岐との間で切り換える可動ガイド110が設けられている。
可動ガイド110は、搬送路を横断して前記搬送路の幅と平行な軸体111と、この軸体111に直交するように固定された複数枚の切換フィン112とからなっている。切換フィン112は、側面視で略三角形状を呈し、下縁部が斜め下に凹の円弧状に形成されている一方、筐体内方に向いた側縁部が斜め上に凸の円弧状に形成され、これら各縁部の下部は互いに交わって先鋭角部を形成している。
かかる可動ガイド110は、軸体111の両端部が分岐点103における筐体の内側面に軸心回りに回動可能に軸支され、正逆回動することで切換フィン112の側縁部が主搬送路101と干渉しない位置に退いた主姿勢と、下縁部が分岐搬送路102に臨んだ分岐姿勢(図11では分岐姿勢を示している)との間で姿勢変更可能になっている。
そして、可動ガイド110が主姿勢に姿勢設定されると、定着装置から主搬送路101へ送出された用紙Pは、切換フィン112の図11における右側縁部に誘導され引き続き主搬送路101を通り上部排紙口から排紙トレイへ排紙される一方、可動ガイド110が分岐姿勢に姿勢設定されると、用紙Pはフィンの下縁部に誘導されつつ分岐搬送路102を通り、側面排紙口104から系外へ排紙される。
このような可動ガイド110は、合成樹脂材料を原料とし、例えば射出成形法によって一体的に製造され、これによって材料コストおよび製造コストの低減化が図られているが、細い軸体111に所定の間隔で複数枚(通常10〜20枚)の切換フィン112が連凧状に設けられている構造であるため非常に撓み易くなっている。したがって、可動ガイド110が分岐姿勢に姿勢設定された状態で葉書のような厚手の用紙Pが分岐点103に供給されると、当該厚手の用紙Pは、切換フィン112の下縁部に誘導されつつ湾曲しながら略直角に方向転換することが困難であるため、切換フィン112の下縁部を上方に向けて押圧することになり、これによって軸体111が上に凸に湾曲してしまい、用紙Pの分岐搬送路102へ向かう移動が正常に行われなくなって紙詰まり等のトラブル発生の原因になる。
なお、可動ガイドについては、特許文献1および特許文献2に記載があるが、いずれの文献にも可動ガイドの湾曲対策については記載がない。これに対し、特許文献3には可動ガイドの湾曲防止についての記載がある。すなわち、特許文献3には、前記のようなトラブル発生を防止するために、軸体111の軸心位置に金属製の補強棒を内装し、これによって可動ガイド110の湾曲を防止するようにしたものが開示されている。
特開平11−130314号公報 特開2000−211773号公報 特開2001−316017号公報
しかしながら、特許文献3に記載された従来の金属製補強棒入りの可動ガイド110にあっては、補強棒を採用する分材料コストが高騰する他、一旦製造された合成樹脂製のものの軸心位置に長手方向の全長に亘って貫通孔を穿設し、この穿設孔に補強棒を挿入しなければならず、製造コストも嵩むという不都合が生じる。
また、かかる可動ガイドは、合成樹脂製の本体に金属製の補強棒が一体に混在した状態になっており、廃棄した際の廃棄物の分別が極めて困難になるため、廃棄物処理の観点からも好ましいものであるとは言い難い。
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、材料コストおよび製造コストの低減化を図り、且つ廃棄物処理にも適正に対応し得るようにした上で、可動ガイドの変形を確実に防止することができる用紙の搬送路切換構造を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、所定の装置本体内の用紙搬送路に設けられ、用紙を2方向へ振り分けるべく角度変更が可能な可動ガイドと、この可動ガイドの撓みを規制する規制部材とを備えて構成され、前記規制部材は、前記装置本体における前記可動ガイドの長手方向略中央部に対応する位置に設けられていることを特徴とするものである。
この構成によれば、可動ガイドが強度的に弱い材料で形成されていたとしても、可動ガイドの長手方向中央部に位置した規制部材の存在で当該可動ガイドが撓むことはない。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記可動ガイドは、基体部と、この基体部を貫通する孔を有する係合部とを備えてなり、前記規制部材は、前記装置本体に設けられ、かつ、前記貫通孔に挿入される係合フックであることを特徴とするものである。
この構成によれば、装置本体側の係合フックが基体部と干渉することにより可動ガイドの撓みが抑制される。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記可動ガイドは、基体部と、この基体部から突出して設けられた突起とを備えてなり、前記規制部材は、前記装置本体に設けられ、かつ、前記突起と係合する係合リブであることを特徴とするものである。
この構成によれば、装置本体側の突起が基体部と干渉することにより可動ガイドの撓みが抑制される。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記用紙搬送路は、装置本体内に形成された上下方向に延びる主搬送路と、所定の分岐点で主搬送路から分岐した分岐搬送路とを有し、前記可動ガイドは、前記主搬送路の幅方向と平行な軸心回りに回動可能で且つ用紙を分岐点より下流側の主搬送路へ向かわせる主姿勢と、用紙を分岐搬送路側へ向かわせる分岐姿勢との間で姿勢変更可能に構成された複数のガイド片が前記基体部に並設されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、上下方向に延びる主搬送路と、所定の分岐点で主搬送路から分岐した分岐搬送路とを備えたような用紙搬送路を対象として、たとえ腰の強い厚手の用紙が、分岐姿勢に姿勢設定された可動ガイドに到達し、当該可動ガイドを押圧しても、その軸心位置が係合フックによって規制されているため、分岐搬送路へ向かう用紙との干渉で可動ガイドが変形するのが有効に防止され、これによって用紙は、紙詰まりが生じることなく分岐搬送路へ向けて円滑に分岐される。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記主搬送路は、略鉛直に形成され、前記分岐搬送路は、略水平に形成されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、用紙を装置本体の上面側への排紙と、同側面側への排紙との間で切り換える必要があるとき、搬送路は、かかる排紙の要望に応え得るものになる。
請求項6記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記用紙搬送路は、装置本体内に形成された所定の分岐点から上方に延びる主搬送路と、前記分岐点から下方に延びる副搬送路とを有し、前記可動ガイドは、前記主搬送路の幅方向と平行な軸心回りに回動可能で且つ用紙を分岐点より下流側の主搬送路へ向かわせる主姿勢と、用紙を副搬送路側へ向かわせる副姿勢との間で姿勢変更可能に構成された複数のガイド片が前記基体部に並設されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、所定の分岐点から上方に延びる主搬送路と、前記分岐点から下方に延びる副搬送路とを有するような用紙搬送路を対象として、たとえ腰の強い厚手の用紙が、分岐姿勢に姿勢設定された可動ガイドに到達し、当該可動ガイドを押圧しても、その軸心位置が係合リブによって規制されているため、主搬送路または副搬送路へ向かう用紙との干渉で可動ガイドが変形するのが有効に防止され、紙詰まりが生じることなく用紙は主搬送路または副搬送路へ向けて円滑に分岐される。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記可動ガイドは、合成樹脂材料のみで形成されてなることを特徴とするものである。
この構成によれば、可動ガイドは、金属などの他の材料が併用されていないため、材料コストおよび製造コストの低減化に寄与するとともに、廃棄物として処理するに際しても当該処理に適したものになる。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記装置本体は、画像形成装置用のものであり、前記搬送路は、画像形成装置に内装された定着装置から導出される用紙を搬送するものであることを特徴とするものである。
この構成によれば、搬送路切換構造は、画像形成装置における定着処理後の用紙の排出処理に適したものになる。
請求項1記載の発明によれば、可動ガイドがたとえ強度的に弱い材料で形成されていたとしても、可動ガイドの長手方向中央部に位置した規制部材の存在で当該可動ガイドが撓むことがないため、厚紙や腰の強い用紙が可動ガイドに接触したとしても、所望の方向にスムーズに用紙を振り分けることが可能となる。これにより、用紙の破損やジャムを防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、装置本体側の係合フックが基体部と干渉することにより可動ガイドの撓みを抑制することができる。また、規制部材として係合フックを採用することにより撓み防止の各種の態様に対応可能とすることができる。
請求項3記載の発明によれば、装置本体側の突起が基体部と干渉することにより可動ガイドの撓みを抑制することができる。また、規制部材として係合リブを採用することにより規制部材の構造を簡単なものにすることができる。
請求項4記載の発明によれば、上下方向に延びる主搬送路と、所定の分岐点で主搬送路から分岐した分岐搬送路とを備えたような用紙搬送路を対象として、分岐搬送路へ向かう用紙との干渉で可動ガイドが変形するのを有効に防止することができる。
請求項5記載の発明によれば、主搬送路を略鉛直に形成する一方、分岐搬送路を略水平に形成することにより、用紙を装置本体の上面側への排紙と、同側面側への排紙との間で切り換えるような排紙方式の要望に応えることができる。
請求項6記載の発明によれば、所定の分岐点から上方に延びる主搬送路と、分岐点から下方に延びる副搬送路とを有するような用紙搬送路を対象として、主搬送路または副搬送路へ向かう用紙との干渉で可動ガイドが変形するのが有効に防止することができる。
請求項7記載の発明によれば、可動ガイドは、金属などの他の材料が併用されていないため、材料コストおよび製造コストの低減化に寄与することができるとともに、廃棄物として処理しなければならないときでも金属が混ざっていない分好適に処理することができる。
請求項8記載の発明によれば、搬送路切換構造を、画像形成装置における定着処理後の用紙の排出処理に好適に採用することができる。
図1は、本発明に係る第1実施形態の搬送路切換構造が適用された画像形成装置の概要を示す側面視の説明図である。図1に示すように、画像形成装置10は、装置本体11を有し、その内部に画像形成ユニット12と、この画像形成ユニット12へ用紙を送り込む給紙機構18と、画像形成ユニット12から送出された用紙に画像の定着処理を施す定着装置19とが内装された基本構成を有している。
画像形成ユニット12は、給紙機構18から給紙された用紙にトナー画像を形成させるものであり、本実施形態では、上流側(図1の紙面の右側)から下流側へ向けて順次配設されたイエロー用ユニット12Yと、マゼンタ用ユニット12Mと、シアン用ユニット12Cと、ブラック用ユニット12Kとが備えられている。
各ユニット12Y,12M,12C,12Kには、現像装置13および感光体ドラム14がそれぞれ備えられている。各感光体ドラム14は、対応した現像装置13からトナーの供給を受け、図1において時計方向へ向けて回転するようになっている。
各感光体ドラム14の図1における上方左寄りの位置には帯電部15がそれぞれ設けられているとともに、同上方右寄りの位置には露光部16がそれぞれ設けられている。そして、各感光体ドラム14は、前記帯電部15によって周面が一様に帯電され、図略の読取り装置から入力された画像データに基づくLED光が前記各露光部16から帯電後の感光体ドラム14の周面に照射されることにより、各感光体ドラム14の周面に静電潜像が形成されるようになっている。かかる静電潜像に現像装置13のトナー容器からトナーが供給されることにより、感光体ドラム14の周面にトナー像が形成される。
各感光体ドラム14の下方位置には搬送ユニット20が設けられている。この搬送ユニット20は、基台21と、この基台21に支持されて図1における反時計方向に周回する搬送ベルト22とを備えている。かかる搬送ベルト22は、基台21の図1における左端部に設けられた駆動ローラ23、同右端部に設けられた従動ローラ24、およびこれら駆動ローラ23および従動ローラ24間において等ピッチで配設された所定個数の転動ローラ25に掛け回され、駆動ローラ23の回転駆動によって周回するようになっている。
前記各転動ローラ25は、搬送ベルト22を介して対応した各感光体ドラム14に押し付けられ、これによって搬送ベルト22で搬送される用紙への感光体ドラム14からの転写が確実に行われるようになっている。また、各感光体ドラム14の図1における左方下部位置には感光体ドラム14の周面の残留トナーを除去してクリーニングするクリーニング機構17が設けられている。クリーニング機構17によって清浄化処理された感光体ドラム14の周面は、新たな帯電処理のために帯電部15へ向かうことになる。
そして、給紙機構18から矢印で示すように送り出された用紙は、搬送ベルト22の周回に案内されて各感光体ドラム14と転動ローラ25との間に送り込まれ、各ユニット12Y,12M,12C,12Kで順次転写処理が施され、ブラック用ユニット12Kでの転写処理が完了した後、ヒートローラ191およびこのヒートローラ191と対向配置された加圧ローラ192とを有する定着装置19に導入され、これらヒートローラ191および加圧ローラ192間で加熱されつつ押圧挟持されることによる熱定着処理によって定着され、用紙上に安定したカラー画像が形成される。定着処理の完了したカラー画像付の用紙は、搬送路30を通って系外へ排出される。
前記搬送路30は、定着装置19の直下流側から略水平に延びた後、カーブを介して上方へ略真っ直ぐに延びる主搬送路31と、この主搬送路31から分岐し外方(図1の左方)へ向かって延びる分岐搬送路32とからなっている。主搬送路31の下流端(上端)は、装置本体11の上面に形成された排紙トレイ33に臨み、主搬送路31を通って送り出される用紙は、排紙トレイ33へ向けて排紙されるようになっている一方、分岐搬送路32へ向かわされた用紙は、側部開口から外部へ向けて排紙されるようになっている。
装置本体11には、その背面側(図1の左側)に背面蓋体35が設けられている。この背面蓋体35は、幅方向(図1の紙面に直交する方向)へ延びる水平軸34回りに正逆回動して装置本体11内の背面部を塞ぐ閉止姿勢と、同背面部を開放する開放姿勢との間で姿勢変更可能になっている。前記分岐搬送路32は、かかる背面蓋体35に形成されている。
そして、本実施形態においては、主搬送路31から分岐搬送路32へ分岐する分岐点の位置であって、前記背面蓋体35の内面側に、可動ガイド40を備えた第1実施形態に係る搬送路切換構造が形成されている。
図2は、第1実施形態の搬送路切換構造に適用される可動ガイド40を示す図であり、(イ)は、斜視図、(ロ)は、(イ)のA−A線断面図である。図2の(イ)に示すように、可動ガイド40は、背面蓋体35の幅方向(図1の紙面に直交する方向)の全長より若干短めに寸法設定された断面視で十字状の十字軸41と、この十字軸41に外嵌状態で一体に固定された薄い板状の複数枚の回動ガイドフィン(ガイド片)44と、前記十字軸41の各端面に固定された一対の鍔片411と、各鍔片411から前記十字軸41と同心で互いに反対方向へ突設された一対の支持軸412とを備えて構成されている。
前記十字軸41は、長尺幅広板(基体部)42と、この長尺幅広板42の長手方向に延びる中心線に沿うように交差された長尺幅狭板43とからなっている。かかる構造の十字軸41は、軽量でありながら単なる円軸や角軸と比べて撓み難くなっている。
前記回動ガイドフィン44は、側面視で異形の三角形状に形成され、図2の(ロ)における右方の縁部に外方へ凸の円弧状に形成された主搬送路向けガイド縁部44aが設けられているとともに、同左方の略下半分の縁部に外方へ凹の円弧状に形成された分岐搬送路向けガイド縁部44bが設けられている。そして、各ガイド縁部44a,44bは、図2の(ロ)における下方位置で互いに交差し、この交差した部分で先鋭角部44cが形成されているとともに、先鋭角部44cの対辺部分に背面側縁部44dが形成されている。
前記主搬送路向けガイド縁部44aは、用紙を主搬送路31の下流側(図1の上方)へ向けてガイドするためのものであり、前記分岐搬送路向けガイド縁部44bは、用紙を分岐搬送路32へ向けてガイドするためのものである。
かかる回動ガイドフィン44は、本実施形態においては、背面側縁部44dが長尺幅広板42の一方(図2における上方)の縁部と対向するとともに、先鋭角部44cが長尺幅広板42の他方の縁部に対向した状態で十字軸41と一体化されている。これらの回動ガイドフィン44の内、十字軸41の中央部に設けられた2枚については、背面側縁部44dから十字軸41の長尺幅狭板43の近傍位置まで切り欠かれた小型回動ガイドフィン440が採用されている。かかる小型回動ガイドフィン440が採用されるのは、背面蓋体35内の図略の部品(例えば配線やセンサの検出路)との干渉を回避するためである。
そして、各小型回動ガイドフィン440と、当該小型回動ガイドフィン440の外方位置にそれぞれ設けられた回動ガイドフィン44との間には、長尺幅広板42の長尺幅狭板43寄りの位置に逃し孔(基体部を貫通する孔)421がそれぞれ穿設されているとともに、この部分の長尺幅狭板43は切り欠かれ、長尺幅狭板43に代えて円柱状の支点体422(図6参照)が設けられている。この支点体422は、前記支持軸412と同心に設定され、背面蓋体35に設けられた後述する係合フック(規制部材)50が外れ止め状態で係合される。なお、前記一対の逃し孔421は、可動ガイド40を背面蓋体35に装着した状態で、一対の係合フック50をそれぞれ貫通させるためのものである。そして、本発明に係る係合部は、第1実施形態においては、逃し孔421と支点体422とで構成されている。
かかる可動ガイド40は、背面蓋体35が閉じられた状態で、支持軸412回りに正逆回動することにより、定着装置19からの用紙を主搬送路31の下流側へ向けて送り込む主姿勢(図6の(イ)参照)と、分岐搬送路32へ送り込む分岐姿勢(図6の(ロ)参照)との間で姿勢変更し得るようになっている。
このように構成された可動ガイド40は、背面蓋体35の内面側に支持軸412回りに回動可能に装着されている。図3〜図5は、背面蓋体35の内面側を示す斜視図であり、図3は、可動ガイド40が装着されていない状態、図4は可動ガイド40が装着された状態をそれぞれ示している。また、図5は、図4の要部の部分拡大図である。
これらの図に示すように、背面蓋体35の内面側には、第1固定フィン35aと、第2固定フィン35bとが突設されている。第1固定フィン35aは、回動ガイドフィン44の分岐搬送路向けガイド縁部44bに対応して設けられ、回動ガイドフィン44が分岐姿勢に姿勢設定された状態(図5および図6の(ロ)参照)で、その分岐搬送路向けガイド縁部44bと第1固定フィン35aの縁部との間の隙間によって分岐搬送路32の基端側が形成されるようになっている。
第2固定フィン35bは、可動ガイド40より下流側の主搬送路31を形成するための一部材としての役割を果たすものであり、回動ガイドフィン44が主姿勢に姿勢設定された状態で、第2固定フィン35bの縁部が回動ガイドフィン44の主搬送路向けガイド縁部44aと略面一になるように形状設定されている(図6参照)。
また、背面蓋体35の各側板35cには、図4に示すように、支持軸412を嵌挿するための嵌挿孔35dが設けられ、これらの嵌挿孔35dに各支持軸412をそれぞれ嵌挿することにより、可動ガイド40が正逆回動して主姿勢と分岐姿勢との間で姿勢変更し得るようになっている。側板35c内には、支持軸412に回動操作を加える図略の回動機構が設けられ、装置本体11の適所に設けられた図略の切換スイッチを操作することによって前記回動機構の駆動で任意に可動ガイド40の姿勢変更を行い得るようになっている。
かかる背面蓋体35には、可動ガイド40が当該背面蓋体35に装着された状態で長尺幅狭板43の一対の逃し孔421に対向する位置に、各支点体422を支持するための一対の係合フック50が突設されている。
この係合フック50は、図3、図5および図6に示すように、背面蓋体35の裏面から当該裏面と略直交する方向へ突設された突起柱51と、この突起柱51の先端部から支点体422(図6)に覆いかぶさるように延設された係止片52とを備えて構成されている。背面蓋体35の裏面と突起柱51との間には側面視で三角形状の筋交い片53が介設され、これによって突起柱51が強度的に頑丈になっている。
かかる係合フック50は、可動ガイド40が背面蓋体35に装着された状態で、十字軸41の長尺幅広板42の逃し孔421に対向するように設置位置が設定されているとともに、前記突起柱51は、図6に示すように、その先端部が支点体422に当接し得るように長さ設定されている。
これによって、可動ガイド40が背面蓋体35に装着された状態(図4)においては、逃し孔421を貫通した係止片52が上方から抱き込むようにして支点体422に当止しているため、可動ガイド40の中央部が上方へ向けて撓むことが確実に防止されることになる。
以下、図6を基に本発明の作用について説明する。図6は、本発明の作用を説明するための背面蓋体35上部の側面視の断面図であり、(イ)は、可動ガイド40が主姿勢に姿勢設定された状態、(ロ)は、可動ガイド40が分岐姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
まず、可動ガイド40が主姿勢に姿勢設定された状態では、回動ガイドフィン44が主姿勢から支持軸412回り(すなわち支点体422回り)に時計方向へ所定量回動することでその先鋭角部44cが隣設された第1固定フィン35a間に嵌り込み、これによって搬送路30の分岐点位置における主搬送路31は開通状態になっている。したがって、この状態で定着装置19から送出された用紙は、回動ガイドフィン44の主搬送路向けガイド縁部44aにガイドされつつ主搬送路31を上昇し、排紙トレイ33(図1)へ排紙されることになる。
つぎに、図6の(イ)に示す可動ガイド40が主姿勢に姿勢設定された状態で、支持軸412の回動操作により可動ガイド40を支点体422回りに反時計方向へ所定量回動させると、当該可動ガイド40は、図6の(ロ)に示すように、分岐姿勢に姿勢設定された状態になる。そして、この状態においては、回動ガイドフィン44の分岐搬送路向けガイド縁部44bが主搬送路31を横断し、先鋭角部44cが主搬送路31の図6の(ロ)における右方位置に位置することによって第1固定フィン35aの円弧縁と、回動ガイドフィン44の分岐搬送路向けガイド縁部44bとの間に分岐搬送路32に連通した円弧状隙間32aが形成されることになる。
したがって、可動ガイド40が分岐姿勢に姿勢設定された状態で、定着装置19から主搬送路31へ向けて用紙が送り出されると、この用紙は、まず、回動ガイドフィン44の分岐搬送路向けガイド縁部44bに当接し、当該分岐搬送路向けガイド縁部44bの円弧形状に誘導されて方向転換しつつ分岐搬送路32を通過して外部へ排紙される。
そして、第1実施形態においては、可動ガイド40は、長手方向の中央部に設けられた支点体422が係合フック50の係止片52によって上方から押えられた状態になっているため、可動ガイド40が分岐姿勢に姿勢設定された状態(図6の(ロ))で、たとえ定着装置19から葉書のような厚手の用紙が送出され、この厚手の用紙が回動ガイドフィン44の分岐搬送路向けガイド縁部44bを上方に向けて押圧しても、可動ガイド40が上方へ撓むことはなく、用紙を正常に排紙し得なくなるという不都合は解消される。
以上詳述したように、第1実施形態の搬送路切換構造は、画像形成装置10の装置本体11内に設けられた略直線状に延びる主搬送路31と、分岐点で主搬送路31と交差する方向に分岐した分岐搬送路32との分岐点に設けられて用紙の搬送方向を主搬送路31側と分岐搬送路32側との間で切り換えるように構成されたものであり、前記搬送路の幅と平行な支持軸412回りに回動可能で且つ用紙を分岐点より下流側の主搬送路31へ向かわせる主姿勢と、用紙を分岐搬送路32側へ向かわせる分岐姿勢との間で姿勢変更可能に構成された可動ガイド40と、分岐姿勢に姿勢設定された可動ガイド40が分岐搬送路32へ向かう用紙との干渉で変形するのを防止するように前記可動ガイド40の長手方向の略中央部で支持する前記装置本体11と一体の係合フック50(本実施形態では係合フック50が背面蓋体35を介して装置本体11と一体に設けられている)とを備えてなるものである。
したがって、たとえ腰の強い厚手の用紙が、分岐姿勢に姿勢設定された状態の可動ガイド40に到達し、当該可動ガイド40を押圧しても、可動ガイド40は、その軸心位置の少なくとも長手方向の略中央部が装置本体11と一体の係合フック50によって支持されているため、分岐搬送路32へ向かう用紙との干渉で変形するのが有効に防止され、紙詰まりが生じることなく用紙を分岐搬送路32へ向けて円滑に送り出すことができる。
このように、装置本体11と一体の係合フック50によって可動ガイド40の変形が防止されるようにしているため、可動ガイド40は、従来のように金属製の補強棒を採用する必要がなくなり、その分材料コストおよび製造コストの低減化に貢献することができるとともに、その廃棄に際し金属製のものが装着されていない分廃棄物処理にも適したものとすることができる。
そして、上記の実施形態のように、主搬送路31を略鉛直に形成する一方、分岐搬送路32を略水平に形成すれば、用紙を装置本体11の上面側への排紙と、同側面側への排紙との間で切り換える必要があるとき、搬送路30は、かかる排紙の要望に応え得るものになる。
また、可動ガイド40を、合成樹脂材料のみで形成すれば、可動ガイド40は、金属などの他の材料が併用されていないため、材料コストおよび製造コストの低減化に寄与するとともに、可動ガイド40は、それを廃棄物として処理するに際し、当該処理に適したものになる。
以下、図7〜図10に基づき本発明の第2実施形態に係る搬送路切換構造について説明する。なお、図7〜図10において、第1実施形態と同様の部品については、同一の符号を付している。図7は、本発明に係る第2実施形態の搬送路切換構造が適用された画像形成装置の概要を示す側面視の説明図であり、図8は、その要部の部分拡大図である。この実施形態においては、画像形成装置として両面印刷機能を備えたタンデム式のカラープリンタを挙げている。
最初に、本発明の画像形成装置であるプリンタについて、図7を基にその構造の概略を説明する。図7は、画像形成装置10′の概略構造を示す模型的垂直断面図である。この画像形成装置10′は、外部コンピュータからの原稿画像データの色情報に応じてフルカラー画像出力とモノクロ画像出力とのいずれかが選択可能となっている。画像出力速度はフルカラーの場合でもモノクロの場合でもA4サイズで26枚/分とされている。
画像形成装置10′は、その装置本体11の内部に配設された搬送ベルト22が配置されている。搬送ベルト22は駆動ローラ23および従動ローラ24に巻き掛けられ、用紙Pを図7において右方から左方へと水平に搬送する。搬送ベルト22の用紙受入側には、給紙機構18、給紙用用紙搬送路181、およびレジストローラ182が配置されている。搬送ベルト22の用紙排出側には、定着装置19と、第2実施形態の可動ガイド40′と、反転用用紙搬送路60と、排出用用紙搬送路61と、フェイスダウン用用紙搬送路62と、フェイスアップ用用紙搬送路63と、排出部64とが配置されている。
前記排出部64は、装置本体11の上面の略全面に設けられた第1排出トレイ641と、図7において装置本体11の左方外側に設けられた第2排出トレイ642とを備えている。第1排出トレイ641には、印刷面が下方に向いた状態で用紙Pが排紙される一方、第2排出トレイ642には、印刷面が上方に向いた状態で用紙Pが排紙されるようになっている。
前記搬送ベルト22と給紙機構18との間には、両面印刷用用紙反転部70が配置されている。両面印刷用用紙反転部70には、中間トレイ71と両面印刷用用紙搬送路72とが設けられている。
また、搬送ベルト22の上方位置には画像形成ユニット12が設けられている。この画像形成ユニット12は、上流側(図7の左方)からマゼンタ用ユニット12M、シアン用ユニット12C、イエロー用ユニット12Yおよびブラック用ユニット12Kが順次配設されることによって構成されている。かかる画像形成ユニット12の構成および作用については、第1実施形態のものと同様であるため説明を省略する。
そして、画像形成ユニット12で未定着のカラートナー像を担持された用紙Pは、定着装置19でヒートローラ191により加熱されて定着処理が施される。定着装置19から排出された定着処理後の用紙Pは、片面印刷処理の場合、第2実施形態の可動ガイド40′で排出用用紙搬送路61へ向わせられ、第1実施形態の可動ガイド40(以下上部の可動ガイド40という)の切換操作でフェイスダウン用用紙搬送路62を介して第1排出トレイ641へ排紙されたり、あるいはフェイスアップ用用紙搬送路63を介して第2排出トレイ642へ排出されるようになっている。
また、両面印刷が行われる場合には、用紙Pの搬送方向が第2実施形態の可動ガイド40′によって下方へと切り替えられる。そして、第2実施形態の可動ガイド40′から下方へ送られた用紙Pは、反転用用紙搬送路60を通って、両面印刷用用紙反転部70に設けられた中間トレイ71に図7において左方から右方へと進入して一時的に保管され、引き続き左方へと逆送されて表裏が反転され、両面印刷用用紙搬送路72を通り、再度給紙用用紙搬送路181およびレジストローラ182を介して画像形成ユニット12へ送り込まれて裏面側の転写処理に供される。
ついで、画像形成装置10′の定着装置19、第2実施形態の可動ガイド40′周辺の詳細な構成について、図8を用いてさらに説明する。図8は、図7の要部の部分拡大図であり、定着装置19と可動ガイド40′との相対位置関係および定着装置19から排出された用紙Pの搬送経路を詳細に説明するためのものである。図中の実線矢印で用紙の搬送経路を示している。
前記定着装置19には、ヒートローラ191と加圧ローラ192とが備えられている。ヒートローラ191は、図略の駆動モータによって、その周速度が用紙搬送速度と同じになるように駆動回転する。ヒートローラ191の内部には、熱源であるハロゲンヒータ193が配置されている。そして、加圧ローラ192が、ヒートローラ191と当接することで用紙Pを挿通させるニップを形成する。加圧ローラ192は、ヒートローラ191と当接することにより、ヒートローラ191の回転に従動するようになっている。ヒートローラ191、および加圧ローラ192のすぐ下流側には定着下流部搬送ローラ194が備えられている。
そして、第2実施形態の可動ガイド40′は、定着下流部搬送ローラ194の直下流側に設けられている。この可動ガイド40′は、当該可動ガイド40′から上方と下方との2方向に分岐された用紙搬送路(すなわち、排出用用紙搬送路61および反転用用紙搬送路60)に用紙Pを振り分けるものである。図9は、可動ガイド40′を定着装置19側から見た斜視図であり、図10は、図8における可動ガイド40′が設けられている部分の拡大図である。図9および図10に示すように、排出用用紙搬送路61の外側搬送ガイド612には、この可動ガイド40′と係合する係合リブ615が備えられている(図9、図10参照)。そして、前記反転用用紙搬送路60は、かかる可動ガイド40′を介して下方へ向けて延設され、両面印刷用用紙反転部70へ到っている一方、前記排出用用紙搬送路61は、上部の可動ガイド40へ向うように配設されている。各可動ガイド40,40′は、図略のソレノイド等によって角度変更されるようになっている。
前記反転用用紙搬送路60には、内側搬送ガイド601と、外側搬送ガイド602と、反転用搬送ローラ603とが設けられている。内側搬送ガイド601および外側搬送ガイド602は固定ガイドであって、図8において下方に存在する両面印刷用用紙反転部70に向かって、外側に凸となるように形成されている。したがって、反転用用紙搬送路60を用紙Pが通過する時には、用紙Pの印刷面は外側搬送ガイド602の方を向く。反転用搬送ローラ603は、用紙Pを両面印刷用用紙反転部70へ送り込むためのものであって、内側搬送ガイド601、および外側搬送ガイド602の下流側に設けられ、図略のモータによって駆動回転されるようになっている。
前記排出用用紙搬送路61には、内側搬送ガイド611と、外側搬送ガイド612と、排出用搬送ローラ613とが設けられている。内側搬送ガイド611および外側搬送ガイド612は固定ガイドであって、図8において上方に存在する上部の可動ガイド40に向かって、外側に凸となるように形設されている。したがって、排出用用紙搬送路61を用紙Pが通過する時には、用紙Pの印刷面は内側搬送ガイド611の方を向く。排出用搬送ローラ613は、用紙Pを上部の可動ガイド40へ送り込むためのものであり、内側搬送ガイド611、および外側搬送ガイド612の下流側に設けられ、図略の駆動モータによって駆動回転するようになっている。
また、フェイスダウン用用紙搬送路62の固定ガイド621には、上部の可動ガイド40と係合する第1実施形態のものと同様の係合フック52(図6参照)が備えられている。上部の可動ガイド40の上方側には、排出部64の第1排出トレイ641へと続くフェイスダウン用用紙搬送路62が設けられているとともに、図8における同左方側には、第2排出トレイ642へと続くフェイスアップ用用紙搬送路63が設けられている。上部の可動ガイド40の詳細は上述したとおりである。
また、フェイスダウン用用紙搬送路62には、フェイスダウン用搬送ローラ622が備えられている。かかるフェイスダウン用搬送ローラ622は、用紙Pを排出部64の第1排出トレイ641へ送り込むためのものであって、図略のモータによって駆動回転するようになっている。
また、フェイスアップ用用紙搬送路63には、フェイスアップ用搬送ローラ631が設けられている。このフェイスアップ用搬送ローラ631は、用紙Pを排出部64の第2排出トレイ642へ送り込むためのものであり、図略の駆動モータによって駆動回転するようになっている。
第2実施形態の可動ガイド40′(以下下部の可動ガイド40′という)は、図10に示すように、第1実施形態の十字軸41と類似した十字軸45と、この十字軸45に外嵌状態で固定される、第1実施形態の回動ガイドフィン44と若干形状が異なる複数枚の回動ガイドフィン48とを備えて構成されている。前記十字軸45は、第1実施形態の長尺幅広板42と同様の長尺幅広板46と、この長尺幅広板46の略中央部から互いに反対方向に突設された、第1実施形態の長尺幅狭板43と対応する長尺幅狭板(基体部)47とを備えて構成されている。
長尺幅広板46は、図10の紙面と直交する方向において、反転用用紙搬送路60、および排出用用紙搬送路61と略同一寸法に設定されている。十字軸45の両端には支持軸451がそれぞれ設けられ、下部の可動ガイド40′は、各支持軸451が装置本体11に支持されることに当該支持軸451回りに回動して姿勢変更し得るようになっている。
前記複数枚の回動ガイドフィン(ガイド片)48は、長尺幅広板46の長手方向に沿って所定の間隔で配置されている。かかる回動ガイドフィン48は、用紙Pを振り分け易くするために、定着装置19と対向した側が先鋭に形成されてくさび形を呈し、その先端に先鋭角部48cが形成されている。
そして、前記回動ガイドフィン48の上縁部には、当該回動ガイドフィン48が下向き姿勢(図10に実線で表示)に姿勢設定された状態で定着下流部搬送ローラ194からの用紙Pを排出用用紙搬送路61へ導くための排出搬送路向けガイド縁部48aが形成されているとともに、同下縁部には、当該回動ガイドフィン48が上向き姿勢(図10に二点鎖線で表示)に姿勢設定された状態で定着下流部搬送ローラ194からの用紙Pを反転用用紙搬送路60へ導くための反転搬送路向けガイド縁部48bが形成されている。
かかる第2実施形態の可動ガイド40′は、この先鋭角部48cを上下に振るようにして角度変更することにより、先鋭角部48cが斜め下方に向いた下向き姿勢(この姿勢のときに用紙Pは排出用用紙搬送路61へ向う)と、先鋭角部48cが斜め上方に向いた上向き姿勢(この姿勢のときに用紙Pは反転用用紙搬送路60へ向う)との間で姿勢変更し得るようになっている。
そして、第2実施形態においては、可動ガイド40′の長手方向略中央部であって、回動ガイドフィン48の先鋭角部48cと対向する位置に上部の長尺幅狭板47から外方に向って突設された円弧突起471が設けられている一方、前記外側搬送ガイド612には、複数の固定フィン614が設けられているとともに、下部の可動ガイド40′の長手方向略中央部の、隣り合う2個の固定フィン614の間には、前記円弧突起471と対向した係合リブ(規制部材)615が設けられている。
この係合リブ615は、下部の可動ガイド40′の長手方向と直交する方向から見た形状が、図10に示すように、鉤形状を呈しており、下部の可動ガイド40′の回転角度を所定量に留める働きをする。すなわち、この係合リブ615は、下部の可動ガイド40′がその姿勢変更によって反転用用紙搬送路60または排出用用紙搬送路61に用紙Pを振り分けるに際し、下部の可動ガイド40′の支持軸451から先鋭角部48cにかけての部分(すなわち排出搬送路向けガイド縁部48aまたは反転搬送路向けガイド縁部48b)に力が作用した場合に、第2実施形態の可動ガイド40′の円弧突起471と係合し、これによって可動ガイド40′の湾曲を防止するとともに、第2実施形態の可動ガイド40′が、図10において時計方向および反時計方向にに所定量を超えて角度変更することを抑制する機能をも備えている。
第2実施形態の搬送路切換構造によれば、定着下流部搬送ローラ194の直下流側における反転用用紙搬送路60と排出用用紙搬送路61との分岐点に設けられた可動ガイド40′は、長手方向の略中央位置が装置本体11側に設けられた係合リブ615によって押えられた状態になっているため、たとえ厚手の用紙Pが定着下流部搬送ローラ194を介して可動ガイド40′へ供給されても、可動ガイド40′が撓んで変形するような不都合の発生は確実に防止され、これによって用紙Pを反転用用紙搬送路60および排出用用紙搬送路61のいずれか一方側に振り分けることが可能となり、可動ガイド40′の撓み変形に起因した用紙Pの破損やジャムを有効に防止することができる。
また、可動ガイド40′の撓み防止を、装置本体11側に設けた係合リブ615によって行うようにしているため、簡単な構成でありながら可動ガイド40′のたわみを抑制することができ、第2実施形態の搬送路切換構造の低コスト化を実現することができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の第1実施形態においては、係合フック50の係止片52を可動ガイド40の回動中心部分である支点体422に当接されているが、装置本体11内の各種の機器との相対的な位置関係で係合フック50を可動ガイド40の回動中心部分に当接させることが困難な場合がある。このような場合、少なくとも可動ガイド40が分岐姿勢に姿勢設定されたときのみ、係止片52が可動ガイド40の適所に当止するようにすればよい。すなわち、可動ガイド40が主姿勢に姿勢設定されているときは、可動ガイド40が用紙との干渉で変形するようなことがないため、このような場合まで可動ガイド40の変形防止の方策を立てる必要がないのである。
(2)上記の第1実施形態においては、係合フック50は一対で設けられているが、本発明は係合フック50が一対であることに限定されるものではなく、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
(3)上記の第1および第2実施形態においては、回動ガイドフィン44,48を支持する軸体として十字軸41,45が採用されているが、本発明は、前記軸体が十字軸41,45であることに限定されるものではなく、円柱体、三角柱体、四角柱体あるいは多角柱体等、各種の長尺物を採用することができる。
(4)上記の実施形態においては、搬送路切換構造が複写機やファクシミリ装置等の画像形成装置10に適用されているが、本発明は、搬送路切換構造がかかる画像形成装置10に適用されることに限定されるものではなく、印刷装置やソーティング装置等の用紙を取り扱う各種の装置に適用することができる。
本発明に係る第1実施形態の搬送路切換構造が適用された画像形成装置の概要を示す側面視の説明図である。 第1実施形態の搬送路切換構造に適用される可動ガイドの一実施形態を示す図であり、(イ)は、斜視図、(ロ)は、(イ)のA−A線断面図である。 背面蓋体の内面側を示す斜視図であり、可動ガイドが装着されていない状態を示している。 背面蓋体の内面側を示す斜視図であり、可動ガイドが装着された状態を示している。 図4の要部の部分拡大図である。 本発明の作用を説明するための背面蓋体上部の側面視の断面図であり、(イ)は、可動ガイドが主姿勢に姿勢設定された状態、(ロ)は、可動ガイドが分岐姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。 本発明に係る第2実施形態の搬送路切換構造が適用された画像形成装置の概要を示す側面視の説明図である。 図7の要部の部分拡大図である。 可動ガイドを定着装置側から見た斜視図である。 図8における可動ガイドが設けられている部分の拡大図である。 従来の用紙の搬送路切換構造を示す側面視の断面図である。
符号の説明
10,10′ 画像形成装置 11 装置本体
12 原稿読取装置 12Y イエロー用ユニット
12M マゼンタ用ユニット 12C シアン用ユニット
12K ブラック用ユニット 13 現像装置
14 感光体ドラム 15 帯電部
16 露光部 17 クリーニング機構
18 給紙機構 181 給紙用用紙搬送路
182 レジストローラ 19 定着装置
191 ヒートローラ 192 加圧ローラ
193 ハロゲンヒータ 194 定着下流部搬送ローラ
20 搬送ユニット
21 基台 22 搬送ベルト
23 駆動ローラ 24 従動ローラ
25 転動ローラ 30 搬送路
31 主搬送路 32 分岐搬送路
33 排紙トレイ 34 水平軸
35 背面蓋体 35a 第1固定フィン
35b 第2固定フィン 35c 第2固定フィン
40,40′ 可動ガイド 35d 嵌挿孔
41,45 十字軸 411 鍔片
412 支持軸 42,46 長尺幅広板(基体部)
421 逃し孔(係合部) 422 支点体
43,47 長尺幅狭板 44,48 回動ガイドフィン
440 小型回動ガイドフィン
44a,48a 主搬送路向けガイド縁部
44b,48b 分岐搬送路向けガイド縁部
44c,48c 先鋭角部 44d 背面側縁部
45 十字軸 46 長尺幅広板
50 係合フック(規制部材)51 突起柱
52 係止片 52 筋交い片
60 反転用用紙搬送路 601 内側搬送ガイド
602 外側搬送ガイド 603 反転用搬送ローラ
61 排出用用紙搬送路 611 内側搬送ガイド
612 外側搬送ガイド 613 排出用搬送ローラ
614 固定フィン 615 係合リブ
62 フェイスダウン用用紙搬送路
63 フェイスアップ用用紙搬送路
64 排出部 641 第1排出トレイ
642 第2排出トレイ 70 両面印刷用用紙反転部
71 中間トレイ 72 両面印刷用用紙搬送路

Claims (8)

  1. 所定の装置本体内の用紙搬送路に設けられ、用紙を2方向へ振り分けるべく角度変更が可能な可動ガイドと、この可動ガイドの撓みを規制する規制部材とを備えて構成され、前記規制部材は、前記装置本体における前記可動ガイドの長手方向略中央部に対応する位置に設けられていることを特徴とする用紙の搬送路切換構造。
  2. 前記可動ガイドは、基体部と、この基体部を貫通する孔を有する係合部とを備えてなり、前記規制部材は、前記装置本体に設けられ、かつ、前記貫通孔に挿入される係合フックであることを特徴とする請求項1記載の用紙の搬送路切換構造。
  3. 前記可動ガイドは、基体部と、この基体部から突出して設けられた突起とを備えてなり、前記規制部材は、前記装置本体に設けられ、かつ、前記突起と係合する係合リブであることを特徴とする請求項1記載の用紙の搬送路切換構造。
  4. 前記用紙搬送路は、装置本体内に形成された上下方向に延びる主搬送路と、所定の分岐点で主搬送路から分岐した分岐搬送路とを有し、前記可動ガイドは、前記主搬送路の幅方向と平行な軸心回りに回動可能で且つ用紙を分岐点より下流側の主搬送路へ向かわせる主姿勢と、用紙を分岐搬送路側へ向かわせる分岐姿勢との間で姿勢変更可能に構成された複数のガイド片が前記基体部に並設されていることを特徴とする請求項2記載の用紙の搬送路切換構造。
  5. 前記主搬送路は、略鉛直に形成され、前記分岐搬送路は、略水平に形成されていることを特徴とする請求項4記載の用紙の搬送路切換構造。
  6. 前記用紙搬送路は、装置本体内に形成された所定の分岐点から上方に延びる主搬送路と、前記分岐点から下方に延びる副搬送路とを有し、前記可動ガイドは、前記主搬送路の幅方向と平行な軸心回りに回動可能で且つ用紙を分岐点より下流側の主搬送路へ向かわせる主姿勢と、用紙を副搬送路側へ向かわせる副姿勢との間で姿勢変更可能に構成された複数のガイド片が前記基体部に並設されていることを特徴とする請求項3記載の用紙の搬送路切換構造。
  7. 前記可動ガイドは、合成樹脂材料のみで形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の用紙の搬送路切換構造。
  8. 前記装置本体は、画像形成装置用のものであり、前記搬送路は、画像形成装置に内装された定着装置から導出される用紙を搬送するものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の用紙の搬送路切換構造。
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