JP2005156752A - 液晶表示素子および投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】TFTアレイ基板11と対向基板12が所定間隙で対向するようにシール材15で貼り合わせた一対の基板間に液晶層16が挟持され、シール材15は、平均粒子径が0.5μm未満の非導電性の充填剤(フィラー)を含有し、液晶層16に用いる液晶材料は室温での屈折率異方性Δnが0.16以上に設定され、TFTアレイ基板11と対向基板12との間隔であるセルギャップdが3μm以下に設定される。
【選択図】 図1
Description
そして、液晶プロジェクタ等に搭載されるライトバルブとしては、一般に薄膜トランジスタ(以下TFTという)駆動によるアクティブマトリクス駆動方式のLCDが用いられる。
旋光モードのLCDで用いられるネマティック液晶は、90度捩れた分子配列を持つツイステッドネマティック(TN型)液晶であり、原理的に白黒表示で、高いコントラスト比と良好な階調表示性を示す。
配向膜が形成された2枚の電極が形成された基板は、各基板の配向膜が対向して配置されており、実際に画像が表示される画素表示領域の周囲に位置するシール領域において、シール材により貼り合わされる。基板間隙を制御するために、前述した貼り合わせ前にミクロパールとよばれる球状のスペーサが用いられる、もしくは、レジストにより形成される柱状スペーサが用いられる。
これらの工程を経ることで、空セルが製造される。その後、この空セル内に液晶が封入されて、液晶セルが製造される。
なお、前述した液晶は、数種類の単体液晶材料からなり、液晶組成物ともよばれる。製造された液晶セルに偏光板が取り付けられて液晶表示素子が製造される。
特許文献1のLCDにおいては、平均粒子径が2μm程度でシールの粘度調整を目的にフィラーが添加されている。
また、特許文献2のLCDにおいては、トランスファー材として6.0μmあるいは6.5μmの導電性ビーズを混合し、導電性ビーズを介して対向電極間の導通をとるために平均粒径が0.1〜0.5μmの導電性フィラーが添加されている。
たとえば、基板サイズが22.9mm(0.9インチ)XGA(extended graphics array)タイプの場合、画素数は1024×768であり、ピクセルピッチは18μmとなっている。
この横方向の電界の発生により、透明電極境界部の液晶分子の配向は乱れ、乱れた部分と正常な部分の境界に境界線(ディスクリネーションラインともいう)が表示欠陥として発生し、コントラストが低下するといった問題が起こる。さらに、高輝度化に伴い、この表示欠陥は目立つ方向に進んでいる。
したがって、TFT(薄膜トランジスタ)などのスイッチング素子を備えたマトリクス型液晶表示装置においては、高開口率と高コントラスト比とを両立させることが困難である。
また、充填剤の含有量が15wt%未満の場合、水分進入により発生する信頼性不良に効果が全く見られず、40wt%よりも多い場合は、粘度が上昇してしまい作業性が悪化してしまう。
また、シール材に含まれる充填剤の最大粒子径は1.5μm以下である根拠としては、大きな粒子径が混在したフィラーを用いるとプロジェクターのようなセルギャップ3μm以下の狭ギャップの液晶パネルにおいては、ギャップ不良が発生してしまうためである。
また、比表面積は単位重さあたりの表面積であるが、大きくなりすぎると微小粒子の割合が大きくなり、シール剤の粘度が急激に上昇する。実験によれば、30m2/g以下において、作業性に問題のないシール剤を得ることがた。これら充填剤のそれぞれの形状は球状が好ましい。理由は、球の比表面積が一番小さくシール剤に混合したときの粘度上昇が少ないからである。
また、配向膜とシールの一部が重なってしまうと、遮蔽性が低下し様々な問題が発生する。近年、スピンコートによる配向膜形成は、タクトタイムの縮小及び材料低減による低コストを目的として採用されているが、この場合、基板端部にまで膜が形成されるため、シールと配向膜が完全に重なってしまい、信頼性の低下は大きな問題となっている。本発明では、特にスピンコートにより形成した配向膜を採用した液晶表示素子に非常に有効である。
また、液晶層に用いる液晶材料は室温での屈折率異方性が0.16以上であり、セルギャップが3μm以下であることを特徴とする。
今後、高精細化が進展し、画素サイズが小さくなるに従い、狭セルギャップ化は進むと考えられる。特に0.5μm未満の微少なフィラーは非常に効果的であると考えられる。
投射型LCDにおいては、拡大投影するため画質異常が目立ちやすく、パネルが高温になり、微量の水分進入による劣化も見えやすい方向にある。本発明では、特に投射型の液晶表示素子に非常に有効である。
また、シール幅縮小が可能となり、パネル小型化もしくは有効画素領域拡大による高開口率化を実現できる。
また、プロジェクター等の投射型LCDにおいては、ランプ高照射量可能による高輝度化を実現でき、作業性の向上、セルギャップ異常防止による高生産性、高歩留まり化を実現できる利点がある。更に、狭セルギャップにより、応答速度が改善でき動画特性に有利であるという利点がある。
TFTアレイ基板11は、たとえば石英基板からなり、対向基板12は、たとえばガラス基板や石英基板からなる。TFTアレイ基板11には、画素電極13が設けられており、たとえばITO膜(インジウム・ティン・オキサイド膜)などの透明導電性薄膜からなる。対向基板12には、ITO膜14がTFTアレイ基板11との対向面側の全面に形成されている。
TFTアレイ基板11と対向基板12とには、後述するように液晶を所定方向に配向させるための図示しない配向膜が形成されており、配向膜が所定間隙で対向するようにシール材15で貼り合わせた一対の基板間に液晶層16が挟持されている(封入されている)。
そして、本実施形態に係る液晶表示素子10において、シール材15は、平均粒子径が0.5μm未満の非導電性の充填剤(フィラー)を含有している。
また、本実施形態に係る液晶表示素子10において、液晶層16に用いる液晶材料は室温での屈折率異方性Δnが0.16以上、たとえば0.16、0.17、0.18、0.20等に設定され、TFTアレイ基板11と対向基板12との間隔(実際には配向膜と配向膜の間隔)とであるセルギャップdが3μm以下に設定される。
液晶プロジェクタ等のライトバルブとして用いられる液晶表示素子10は、投射型表示装置の小型化に伴って小型化され、ピクセルピッチは20μm以下、たとえばXGAタイプで18μmと、高精細化が進んでいる。
このように、液晶プロジェクタ等の20μm以下の狭ピッチのデバイスにおいては、横電界によるリバースチルトドメイン(RTD)等の課題があり、この対策としては、狭ギャップ化、すなわちセルギャップを薄くして、TFTアレイ基板11と対向基板12の上下方向の電界を強め、横方向の電界の影響を防止することが効果的である。
図2において、横軸がセルギャップdを、縦軸が相対コントラスト比をそれぞれ表している。また、測定は、白黒表示の3板式プロジェクタを使用し、暗室で、パネル中央の一点という条件で行った。
すなわち、狭ギャップ化を実現すると、実効的な印加電圧が上昇することで、高コントラスト値を得ることが可能となり、応答速度の向上も図ることが可能となる。
図4において、横軸がリタデーション(Δnd)を、縦軸が透過率をそれぞれ表している。また、図4において、Aで示す曲線が波長450nmの青(Blue)色光の特性を、Bで示す曲線が波長550の緑(Green)色光の特性を、Cで示す曲線が波長650nmの赤(Red)色光の特性を示している。
すなわち、液晶材料の屈折率異方性Δn×セルギャップd=0.48μ(480nm)のときに最大の透過率が得られる設計となる。
この最大透過率を得るには、前述したセルギャップを薄くするといった対策を施した場合、液晶の屈折率異方性Δnを高くする必要がある。
すなわち、狭セルギャップdを実現するには、液晶の高Δn化が必要となる。
表1は、従来の液晶表示素子を環境試験機を用いて60°C,90%の環境下にて加速駆動試験を行った結果を示す。
このように、平均粒子径が0.5μm未満の非導電性のフィラーを添加させた本実施形態に係る液晶表示素子10に対して環境試験機を用いて60°C,90%の環境下にて加速駆動試験を行った結果を表2に示す。
なお、表2の結果は、後で詳述する具体的な実施例に基づくものである。
したがって、表2の結果で示すように、本実施形態に係る液晶表示素子10は、実際の厳しい条件下において使用されたとしても、経時変化に伴う表示異常が発生するおそれがない。
たとえば、高Δn液晶であるトラン系などは、Δn=0.2であるが、本実施形態に係る液晶表示素子10によれば、表2に示すように、Δn=0.2であっても経時変化に伴う表示異常が発生するおそれがないことから、液晶材料の選択幅が広がり、その結果、高Δn材料マージンが達成できる。
月刊ディスプレイ'02 1月号 高屈折率異方性液晶 住友化学工業 関根ら
逆にいうと、本実施形態のように、高Δn化が達成できると、狭ギャップ化が実現できるとこになり、リバースチルトドメイン(RTD)対策ができ、高画質化、高精度化を達成することが可能となる。
これにより、実効的な印加電圧が上昇し、電界強度が上昇し、より高いコントラストを達成できる。
今後、高精細、小型化の一層の進展により、ピクセルピッチが小さくなるに従い、リバースチルトドメイン(RTD)の影響がさらに厳しくなるが、本実施形態に係る液晶表示素子10は、これに十分に対応し得る。さらに、応答速度の向上も図ることができる。
本実施形態においては、シール材15に添加するフィラーについては、以下に示すような条件を設定している。なお、以下に示す条件は、後で詳述する複数の実施例により選択した理由(根拠)が明確に裏付けされる。
また、シール材15に含まれるフィラー(充填剤)の最大粒子径は1.5μm以下である。
また、シール材15に含まれるフィラー(充填剤)の比表面積が30m2/g以下である。
また、TFTアレイ基板11と対向基板12には、液晶を所定方向に配向させるための配向膜が形成されるが、本実施形態におていは、TFTアレイ基板11と対向基板12の少なくとも一方の基板のシール材下に配向膜が形成されている。
水分進入等の信頼性を目的としたフィラー(充填剤)の径は、より細かい方が効果がある。実験によれば、フィラーの平均粒子径は0.5μm未満、望ましくは0.3μm以下のものを用いないと水分進入により発生する信頼性不良が多発し、効果が全く見られなくなるおそれがあることがわかっている。
また、フィラーの含有量が15−40wt%の範囲に設定したのは、フィラー(充填剤)の含有量が15wt%未満の場合、水分進入により発生する信頼性不良に効果が全く見られず、40wt%よりも多い場合は、粘度が上昇してしまい作業性が悪化してしまう。
また、シール材15に含まれるフィラー(充填剤)の最大粒子径は1.5μm以下である根拠としては、大きな粒子径が混在したフィラーを用いるとプロジェクターのようなセルギャップ3μm以下の狭ギャップの液晶パネルにおいては、ギャップ不良が発生してしまうためである。
比表面積は単位重さあたりの表面積であるが、大きくなりすぎると微小粒子の割合が大きくなり、シール材の粘度が急激に上昇する。実験によれば、30m2/g以下において、作業性に問題のないシール材を得ることができた。
これらフィラー(充填剤)のそれぞれの形状は球状が好ましい。理由は、球の比表面積が一番小さくシール剤に混合したときの粘度上昇が少ないからである。
配向膜とシール材の一部が重なってしまうと、遮蔽性が低下し様々な問題が発生する。近年、スピンコートによる配向膜形成は、タクトタイムの縮小および材料低減による低コストを目的として採用されているが、この場合、基板端部にまで膜が形成されるため、シールと配向膜が完全に重なってしまい、信頼性の低下は大きな問題となっている。
本実施形態においては、特にスピンコートにより形成した配向膜を採用した液晶表示素子に非常に有効である。
無機配向膜は、代表的に蒸着で形成されるシリコン酸化物等があげられるが、蒸着可能な酸化物CaF2、MgF2などでも可能である。 その他に、印刷やスピンコート、インクジェット法で形成されるシロキ酸骨格を有する材料などもあげられる。
そして、画素電極13と保護膜19上、並びにこれと対向する対向電極14上に、液晶16を所定方向に配向させるための配向膜20,21が液晶パネル製造時に形成される。
液晶表示素子10の画像表示領域を構成するマトリクス状に複数形成された画素電極13には、隣接する位置に各画素電極13をスイッチング制御する画素スイッチング用TFT22が設けられている。
画素信号が供給される信号線23が前述したTFT22のソース24に電気的に接続されている。信号線23に書き込む画素信号を供給している。
また、TFT22のゲートに走査線25が電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線25にパルス的に走査信号を印加するように構成されている。
画素電極13を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号は、対向基板12に形成された対向電極14との間で一定期間保持される。
ここで、保持された画素信号がリークされるのを防ぐために、画素電極13と対向電極14との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量27を付加する。これにより、保持特性はさらに改善され、コントラスト比の高い液晶表示素子が実現できる。また、このような蓄積容量27を形成するために、抵抗化されたCs線28が設けられている。なお、29は層間絶縁膜を、30は半導体層を示してている。
次いで、前述した対向基板12に対して、図示しない柱状スペーサとなる透明レジスト層を形成した。
基板上にフォトレジストとして、PMER(東京応化工業株式会社製)をスピンコート法により3μmの厚さに塗布した後、フォトマスクを用いて紫外線照射による露光処理を行い、次いで現像して、図示しない柱状スペーサを形成した。
次に、本実施形態で作製したセルのプロセス(液晶パネルの製造プロセス)について、図7(A)〜(F)に関連付けて説明する。
まず、図7(A)に示すように、TFTアレイ基板11および対向基板12を中性洗剤または純水を用いて洗浄後120℃で20分間乾燥させた。基板の材質はともに石英基板を用いた。
次いで、図7(B)に示すように、各基板の配向膜形成を行った。ポリイミドからなる配向膜をスピンコート法により約50nmの厚さに塗布した後、100℃で1分間乾燥させた(仮焼成)。ポリイミドとしては、たとえば可溶性ポリイミド(日本合成ゴム(株)製)を用いた(スピンナーは2000rpmで30秒)
なお、本実施例においては、配向膜形成にスピンコート法を用いたが印刷法でもかまわないし、インクジェット法でもかまわない。また、配向膜材料の種類は、ポリイミドのような有機材料に限らず、シリコンのような無機材料を用いてもかまわない。無機材料の場合は、形成方法に蒸着を用いてもかまわない。
180℃で1時間ポストベークを行い、溶媒を乾燥させた。
その後、図7(C)に示すように、ラビング処理を行った。ラビングは、レーヨン布を用い、ラビング角度90°、ラビング回数2回の条件で行った。
ラビング後には、ラビングで使用した布のゴミやPIの削れたものを除去するために水による洗浄を行った。
本実施例で使用したシール材の一例としては、エポキシ樹脂を主成分とするシール材にシリカ充填剤(以下フィラー)を添加したものと、しないもの、とを用いた。
充填剤の例としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素等が好ましく、異なる種類の充填剤が混合されていてもかまわない。
フィラーは平均粒子径が0.3μm、0.5μm、1μm、2μmの4条件、比表面積を各々20m2/g以下にし、含有量を20wt%、最大粒子径1.0μm以下の球状のシリカを用いた。
平均粒子径は、SEMによる100個の抜き取り測定、比表面積はBET法による測定、含有率は電子天秤により測定し、最大粒子径は、倍率3万倍により最大粒径の粒子を確認した。これらのシール剤の粘度はコーンプレート型粘度計で室温にて測定したところ約20万mPa・sであった。
その後、図7(F)に示すように、液晶材料(Δn=0.16)を封入し、注入口を紫外線硬化樹脂により封止(図示せず)した。
本実施例の液晶表示素子を環境試験機を用いて60°C,90%の環境下にて加速駆動試験を行った。結果を表3に示す。
このように、本実施形態の液晶表示素子を用いることにより、より信頼性のよい高品質の液晶表示素子を得ることができる。
ラビングまでは、実施例1と同様に作成し、次いで注入口を除いて形成されるシールパターンを形成した。
本実施例で使用したシール材の一例としては、エポキシ樹脂を主成分とするシール材にシリカ充填剤(以下フィラー)を添加したものを用いた。
フィラーは平均粒子径が0.3μm、比表面積を各々20m2/g、含有量を10wt%、15wt%、20wt%、30wt%、40wt%、45wt%の6条件、最大粒子径1.0μm以下の球状のシリカを用いた。
平均粒子径は、SEMによる100個の抜き取り測定、比表面積はBET法による測定、含有率は電子天秤により測定し、最大粒子径は、倍率3万倍により最大粒径の粒子を確認した。
調整したシール材を対向基板の周辺部に、注入口を除くパターンでディスペンサーにより形成し、TFTアレイ基板1と対向基板2を重ね合わせ、セルギャップを3.0μmとした。シール幅は約0.7mmであった。
その後、液晶材料(Δn=0.16)を封入し、注入口を紫外線硬化樹脂により封止(図示せず)した。
次いで、本実施例の液晶表示素子を環境試験機を用いて60°C,90%の環境下にて加速駆動試験を行った。
結果を表3に示す。50時間経過後に観察したところ、含有量が10wt%において水分浸入による表示異常が発生した。15wt%以上のものは発生しなかった。傾向は、時間の経過とともに酷くなったが、15wt%以上のものは、100時間駆動後においても表示異常は発生しなかった。
このように、本実施例の液晶表示素子を用いることにより、より信頼性のよい高品質の液晶表示素子を得ることができる。
ラビングまでは、実施例1と同様に作成し、次いで注入口を除いて形成されるシールパターンを形成した。
本発明で使用したシール材の一例としては、エポキシ樹脂を主成分とするシール材にシリカ充填剤(以下フィラー)を添加したものを用いた。フィラーは平均粒子径が0.3μm、比表面積を各々20m2/g、含有量を20wt%、最大粒子径を各々0.5μm、1.0μm、1.5μm、2.0μm、3.0μm以下の5条件の球状のシリカを用いた。
平均粒子径は、SEMによる100個の抜き取り測定、比表面積はBET法による測定、含有率は電子天秤により測定し、最大粒子径は、倍率3万倍により最大粒径の粒子を確認した。
調整したシール材を対向基板の周辺部に、注入口を除くパターンでディスペンサーにより形成し、TFTアレイ基板1と対向基板2を重ね合わせ、セルギャップを3.0μmとした。シール幅は約0.7mmであった。
その後、液晶材料(Δn=0.16)を封入し、注入口を紫外線硬化樹脂により封止(図示せず)した。
このように、本実施例の液晶表示素子を用いることにより、より信頼性のよい高品質の液晶表示素子を得ることができる。
ラビングまでは、実施例1と同様に作成し、次いで注入口を除いて形成されるシールパターンを形成した。
本実施例で使用したシール材の一例としては、エポキシ樹脂を主成分とするシール材にシリカ充填剤(以下フィラー)を添加したものを用いた。フィラーは平均粒子径が0.3μm、比表面積を40m2/g、30m2/g、20m2/gの3条件、含有量を20wt%、最大粒子径を1.0μm以下の球状のシリカを用いた。
平均粒子径は、SEMによる100個の抜き取り測定、比表面積はBET法による測定、含有率は電子天秤により測定し、最大粒子径は、倍率3万倍により最大粒径の粒子を確認した。
調整したシール材を対向基板の周辺部に、注入口を除くパターンでディスペンサーにより形成し、作業性を評価した。
比表面積を40m2/gでは作業性が悪く、粘度上昇によりシール切れが発生した。30m2/g、20m2/gでは問題なく塗布することができた。
このように、本実施例の液晶表示素子を用いることにより、より信頼性のよい高品質の液晶表示素子を得ることができる。
ラビングまでは、実施例1と同様に作成し、次いで注入口を除いて形成されるシールパターンを形成した。
本実施例で使用したシール材の一例としては、エポキシ樹脂を主成分とするシール材にシリカ充填剤(以下フィラー)を添加したものと、しないものとを用いた。フィラーは平均粒子径が0.3μm、比表面積を各々20m2/g、含有量を20wt%、最大粒子径1.0μm以下の球状のシリカを用いた。
平均粒子径は、SEMによる100個の抜き取り測定、比表面積はBET法による測定、含有率は電子天秤により測定し、最大粒子径は、倍率3万倍により最大粒径の粒子を確認した。
調整したシール材を対向基板の周辺部に、注入口を除くパターンでディスペンサーにより形成し、TFTアレイ基板1と対向基板2を重ね合わせ、セルギャップは、2.65μm、2.4μmとした。シール幅は約0.7mmであった。
その後、液晶材料を2種類(Δn=0.18,0.20)の注入を行った。セルギャップ2.65μmのものにはΔn=0.18の液晶材料、セルギャップ2.4μmのものにはΔn=0.20の2種類を封入し、注入口を紫外線硬化樹脂により封止(図示せず)した。なお、Δnを上昇させる液晶単体の液晶組成物全体に占める割合は、0.16<0.18<0.20の順で大きくなる。
10時間経過後に観察したところ、フィラー無しの(従来例)かつΔn=0.20の液晶材料において、表示異常発生した。30時間経過後に観察したところ、フィラー無しの(従来例)かつΔn=0.18の液晶材料において、表示異常が発生した。表示異常発生時間は、Δnを上昇させる単体の量に依存すると考えられる。なお、傾向は、時間の経過とともに酷くなった。
フィラーを添加した本実施例の液晶表示素子においては、100時間駆動後においても表示異常は発生しなかった。
このように、本実施例の液晶表示素子を用いることにより、より信頼性のよい高品質の液晶表示素子を得ることができる。
図8に示すように、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)300は、光軸Cにそって光源301と透過型の液晶表示素子302と投射光学系303とが順に配設されて構成されている。
光源301を構成するランプ304から射出された光はリフレクタ305によって後方に放射される成分が前方に集光され、コンデンサレンズ306に入射される。コンデンサレンズ306は、光をさらに集中して、入射側偏光板307を介し液晶表示素子302へ導く。
導かれた光は、シャッタもしくはライトバルブの機能を有する液晶表示素子302および射出がエア偏光板308により画像に変換される。表示された画像は、投射光学系303を介してスクリーン310上に拡大投影される。
なお、光源301とコンデンサレンズ306との間にはフィルタ314が挿入されており、光源に含まれる不用な波長の光、たとえば赤外光および紫外光を除去する。
図9に示す投射型表示装置500は、上述した液晶表示素子を3個用意し、各々RGB用の液晶表示素子562R、562Gおよび562Bとして用いた投射型液晶装置の光学系の概略構成図を示す。
この均一照明光学系523から出射される光束Wを赤(R)、緑(G)、青(B)に分離する色分離手段である色分離光学系524と、各色光束R、G、Bを変調する変調手段である3つのライトバルブ525R、525G、525Bと、変調された後の色光束を再合成する色合成手段である色合成プリズム510と、合成された光束を投射面600の表面に拡大投射する投射手段である投射レンズユニット506とを備えている。さらに、青色光束Bを対応するライトバルブ525Bに導く導光系527を備えている。
そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板522の矩形レンズによって3つのライトバルブ525R、525G、525B付近で重なる。 したがって、均一照明光学系523を用いることにより、光源装置520が出射光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合でも、3つのライトバルブ525R、525G、525Bを均一な照明光で照明することが可能となる。
各色分離光学系524は、青緑反射ダイクロイックミラー541と、緑反射ダイクロイックミラー542と、反射ミラー543から構成される。
まず、青緑反射ダイクロイックミラー541では、光束Wに含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射され、緑反射ダイクロイックミラー542の側に向かう。赤色光束Rは、この青緑反射ダイクロイックミラー541を通過して、後方の反射ミラー543で直角に反射されて、赤色光束Rの射出部544からプリズムユニット510の側に射出される。
ここでは、均一照明光学系523の光束Wの射出部から、色分離光学系524における各色光束の射出部544、545、546までの距離がほぼ等しくなるように設定されている。色分離光学系524の赤色光束Rの出射部544および緑色光束Gの出射部545の各射出側には、それぞれ集光レンズ551および集光レンズ552が配置されている。したがって、各射出部から射出した赤色光束R、緑色光束Gは、これらの集光レンズ551、集光レンズ552に入射して平行化される。
集光レンズ546から射出された青色光束は、導光系527を介して液晶表示素子562Bに導かれて変調される。各色光束の光路長、すなわち、光束Wの射出部から各液晶表示素子562R、562G、562Bまでの距離は青色光束Bが最も長くなり、したがって、青色光束の光量損失が最も多くなる。
そして色合成プリズム510におよって合成された光が投射レンズユニット506を介して所定の位置にある投射面600の表面に拡大投射されるようになっている。
また、駆動内蔵型の液晶装表示素子、駆動回路を外付けする形の液晶表示素子、単純マトリクス方式、TFDアクティブマトリクス方式、パッシブマトリクス駆動方式、旋光モード、複屈折モードなど、いずれの方式の液晶表示素子に適用しても、上述した効果が期待できる。
Claims (16)
- 2枚の基板上に、液晶を所定方向に配向させるための配向膜が形成されており、上記配向膜が所定間隙で対向するようにシール材で貼り合わせた一対の基板間に液晶層が挟持された液晶表示素子であって、
上記シール材は、平均粒子径が0.5μm未満の充填剤を含有し、
上記液晶層に用いる液晶材料は室温での屈折率異方性が0.16以上であり、セルギャップが3μm以下である
液晶表示素子。 - 上記液晶層に用いる液晶材料は室温での屈折率異方性が0.18以上である
請求項1記載の液晶表示素子。 - 上記シール材に含まれる充填剤の含有量が15〜40wt%の範囲である
請求項1記載の液晶表示素子。 - 上記シール材に含まれる充填剤の最大粒子径は1.5μm以下である
請求項1記載の液晶表示素子。 - 上記シール材に含まれる充填剤の比表面積が30m2/g以下である
請求項1記載の液晶表示素子。 - 少なくとも一方の基板のシール下に配向膜がある
請求項1記載の液晶表示素子。 - 上記配向膜材料は無機系配向膜である
請求項1記載の液晶表示素子。 - 上記配向膜材料は無機系配向膜である
請求項3記載の液晶表示素子。 - 上記配向膜材料は無機系配向膜である
請求項4記載の液晶表示素子。 - 上記配向膜材料は無機系配向膜である
請求項5記載の液晶表示素子。 - 光源と、
上記光源から出射された光を液晶表示素子に導く集光光学系と、
上記液晶表示素子で光変調した光を拡大して投射する投射光学系と、を有し、
上記液晶表示素子は、
2枚の基板上に、液晶を所定方向に配向させるための配向膜が形成されており、上記配向膜が所定間隙で対向するようにシール材で貼り合わせた一対の基板間に液晶層が挟持され、
上記シール材は、平均粒子径が0.5μm未満の充填剤を含有し、
上記液晶層に用いる液晶材料は室温での屈折率異方性が0.16以上であり、セルギャップが3μm以下である
投射型表示装置。 - 上記シール材に含まれる充填剤の含有量が15〜40wt%の範囲である
請求項11記載の投射型表示装置。 - 上記シール材に含まれる充填剤の最大粒子径は1.5μm以下である
請求項11記載の投射型表示装置。 - 上記シール材に含まれる充填剤の比表面積が30m2/g以下である
請求項11記載の投射型表示装置。 - 少なくとも一方の基板のシール下に配向膜がある
請求項11記載の投射型表示装置。 - 上記配向膜材料は無機系配向膜である
請求項11記載の投射型表示装置。
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