JP7106410B2 - 強誘電性液晶セルの製造方法 - Google Patents
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Description
図10は、液晶表示装置等で使用される従来からの強誘電性液晶セルの基本構造を示す断面図である。図10に示すように、強誘電性液晶セル1は、一対の基板110、120が球状のスペーサー101を含んだシール材102を介して互いに貼り合わされている。この基板110と基板120の狭小な隙間にFLC130が充填されている。
次によく知られているが、本発明を理解するためにFLCの分子配列、特に表面安定化強誘電性液晶(SSFLC)の分子配列について図11を用いて説明する。図11(a)は、FLCが等方相(ISO相)の状態であり、強誘電性液晶分子131(以下、FLC分子131と称する)は、ばらばらの方向に向いている。このISO相は、たとえば、温度が+110℃以上での状態である。
次に、FLCの液晶分子の基本動作について図12を用いて説明する。図12は、図10で示した強誘電性液晶セル1の液晶分子の動作を模式的に示している。図12に示すように、強誘電性液晶セル1は、クロスニコルに合わせた偏光板140a、140bの間に、FLC130が充填されている。
次に、強誘電性液晶セル1の内部電界の影響によってFLC分子の配向方向が不安定になると推測される原因について、図13に示すイオンの挙動によって説明する。図13(a)は、強誘電性液晶セル1の断面を模式的に示しており、強誘電性液晶セル1の完成直後の状態を表している。なお、強誘電性液晶セル1の基本構造は、前述した図10と同様であり、各要素には同一番号を付している。
実内部電界ER=内部電界E1+内部電界E2 [式1]
と考えられるので、実内部電界ER=10-8=+2となり、実内部電界ERはプラス電界となる。
上記課題を解決するために、従来では、完成した強誘電性液晶セルをスメクティックA相乃至等方相に相転移する温度に一定時間保持し、この温度を一定時間保持する間、強誘電性液晶セルに所定の交番電界を印加し、この交番電界を印加した状態で、強誘電性液晶セルを徐々に冷却し、温度を常温まで低下させた後に、所定の交番電界の印加を解除する配向処理方法が提案されていた(たとえば特許文献1参照)。
次に従来の配向処理を実施することで、強誘電性液晶セル1のFLC分子の配向方向がどのように変化するかについて図16を用いて説明する。図16(a)は、前述の図13(a)と同様に、強誘電性液晶セル1の断面を模式的に示しており、従来の配向処理を実施した場合の内部電界やイオンの状態を示している。
実内部電界ER=内部電界E1+内部電界E2+外部印加電界EO [式2]
となって、ER=10-8-3=-1となる。従って、交番電界の印加によって、強誘電性液晶セル1の実内部電界ERをわずかにマイナス電界にすることができる。
第1の実施形態は、特定環境処理工程を配向処理工程の前に実施する製造方法である。第2の実施形態は、特定環境処理工程と配向処理工程を同時に実施する製造方法である。
[第1の実施形態による製造方法のフロー説明:図1]
第1の実施形態による強誘電性液晶セルの製造方法のフローについて図1を用いて説明する。図1に示すように、強誘電性液晶セルの製造は、まず、ガラス基板とシリコン基板からなる一対の基板をシール材を介して貼り合わせる基板貼り合わせ工程を実施する(ステップST1)。
次に、基板貼り合わせ工程(ST1)と液晶充填工程(ST2)の詳細について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の強誘電性液晶セルの各製造工程を説明する断面図である。図2(a)に示すように、基板貼り合わせ工程(ST1)として、一対の基板であるガラス基板110とシリコン基板120の対向面のどちらか一方に、シール材102を塗布した状態で他方の基板を貼り合せる。これにより、ガラス基板110とシリコン基板120の隙間に空乏105が形成された強誘電性液晶セルの空セルが作られる。
次に、完成した第1の実施形態の強誘電性液晶セル100の詳細な構造について図3を用いて説明する。なお、強誘電性液晶セル100は、前述した従来例の強誘電性液晶セル1(図10参照)と基本構造は同一であるので、同一要素には同一番号を付し、重複する説明は一部を省略する。
次に、完成した強誘電性液晶セル100に回路基板を実装してFLCモジュールとする回路基板実装工程(ST3)について図4を用いて説明する。図4(a)は接着工程を示し、完成した強誘電性液晶セル100を回路基板150に固着する。すなわち、強誘電性液晶セル100の基板120の背面120aと回路基板150の上面150aとを向き合わせて、接着剤等(図示せず)によって貼り合わせ、強誘電性液晶セル100を回路基板150の所定の位置に固着する。
次に強誘電性液晶セル100に対して実施される本発明の特徴である特定環境処理工程(ST4)について図5を用いて説明する。なお、前述したように、強誘電性液晶セル100は、回路基板150が実装されてFLCモジュール200として完成するので、以降説明する特定環境処理工程(ST4)と配向処理工程(ST5)は、FLCモジュール200に対して実施する。
次に、前述した特定環境処理工程(ST4)によって生じる強誘電性液晶セル100内部のイオン量の変化と内部電界の変化、及び、その結果として生じるFLC分子の配向方向の変化について図6を用いて説明する。図6(a)は、強誘電性液晶セル100の断面の一部を模式的に示しており、各要素には前述した図3と同一番号を付している。なお、液晶充填工程(ST2)直後のイオンと内部電界の状態、及び、FLC分子131の配向方向は、前述した図13と同様であるので説明は省略する。
液晶セルを構成する各要素(配向膜等)の内部や界面から浸透して液晶セル内部に侵入する。
次に、配向処理工程(ST5)によって生じる強誘電性液晶セル100内部のイオン量の変化と内部電界の変化、及び、その結果として生じるFLC分子の配向方向の変化について図7を用いて説明する。図7(a)は、図6(a)と同様に強誘電性液晶セル100の断面の一部を模式的に示しており、各要素には前述した図3と同一番号を付している。
[第2の実施形態による製造方法のフロー説明:図8]
次に、第2の実施形態による強誘電性液晶セルの製造方法のフローについて図8を用いて説明する。なお、図8に示すフローのうち、ステップST11~ST13は、前述した第1の実施形態のフロー(図1:ST1~ST3)と同様であるので、説明は省略する。
次に、特定環境処理工程と配向処理工程が同時に実施されるステップST14について図9を用いて詳細に説明する。なお、図5、図6、図14等も参照する。ステップST14は、前述したように、特定環境処理工程と配向処理工程が同時に実施される工程である。このため、強誘電性液晶セル100と回路基板150から成るFLCモジュール200を恒温恒湿槽300に入れる(図5参照)。
101 スペーサー
102 シール材
103 液晶注入口
104 封止材
106 動作エリア
110 ガラス基板(基板)
111 透明電極
112、122 有機配向膜
120 シリコン基板(基板)
121 アルミ電極
123 パッド
130 強誘電性液晶(FLC)
131 強誘電性液晶分子(FLC分子)
140a、140b 偏光板
141 正イオン
142 負イオン
150 回路基板
151 電極
152 ワイヤー
160 ROM
161 コネクタ
200 強誘電性液晶モジュール(FLCモジュール)
300 恒温恒湿槽
Claims (2)
- シール材を介して互いに貼り合わされた一対の基板間に強誘電性液晶が充填され且つ封止された強誘電性液晶セルを90%以上の湿度環境に一定時間置く特定環境処理工程と、
前記強誘電性液晶セルをスメクティックA相乃至等方相に相転移する温度に加熱し、当該温度から徐々に冷却する間、前記強誘電性液晶セルに所定の電界を印加する配向処理工程と、
を備えることを特徴とする強誘電性液晶セルの製造方法。 - 前記特定環境処理工程において、前記強誘電性液晶セルを回路基板と電気的に接続した状態で前記強誘電性液晶セルを90%以上の湿度環境に一定時間置く、ことを特徴とする請求項1に記載の強誘電性液晶セルの製造方法。
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