JP2614227B2 - 強誘電性液晶素子およびその製造方法 - Google Patents
強誘電性液晶素子およびその製造方法Info
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- JP2614227B2 JP2614227B2 JP62109264A JP10926487A JP2614227B2 JP 2614227 B2 JP2614227 B2 JP 2614227B2 JP 62109264 A JP62109264 A JP 62109264A JP 10926487 A JP10926487 A JP 10926487A JP 2614227 B2 JP2614227 B2 JP 2614227B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、対向する2枚の基板の間に強誘電性液晶が
封入されているとともにこの強誘電性液晶が存在してい
る部分で前記2枚の基板がエポキシ系ビーズ状粉末接着
剤を介して固着されている強誘電性液晶素子およびその
製造方法に関する。
封入されているとともにこの強誘電性液晶が存在してい
る部分で前記2枚の基板がエポキシ系ビーズ状粉末接着
剤を介して固着されている強誘電性液晶素子およびその
製造方法に関する。
強誘電性液晶は、応答速度が速く、界面効果による双
安定性(メモリ性)を有する等のすぐれた性質をもち、
表示容量の大きい大型表示素子への応用が期待されてい
る。
安定性(メモリ性)を有する等のすぐれた性質をもち、
表示容量の大きい大型表示素子への応用が期待されてい
る。
しかし、大型表示素子を実現するには、均一な2μm
程度の基板間隔の制御、分子配向の一様性、コントラス
ト比の向上、書き込み時間の短縮等いくつかの問題を解
決しなければならない。
程度の基板間隔の制御、分子配向の一様性、コントラス
ト比の向上、書き込み時間の短縮等いくつかの問題を解
決しなければならない。
特に、強誘電性液晶においては、分子配向の一様性
は、従来のTN液晶と比較して、配向膜、配向処理の影響
を受けやすく、表示に際してコントラスト比、応答速
度、双安定性(メモリ性)等の多くの特性に大きな影響
を及ぼす重要な要素である。
は、従来のTN液晶と比較して、配向膜、配向処理の影響
を受けやすく、表示に際してコントラスト比、応答速
度、双安定性(メモリ性)等の多くの特性に大きな影響
を及ぼす重要な要素である。
この意味において、本発明は、特にμmオーダーの均
一な基板間隔を有する強誘電性液晶素子において、微小
配向欠陥(zig−zag dislocation)をなくし、双安定性
(メモリ性)を向上する技術に関する。
一な基板間隔を有する強誘電性液晶素子において、微小
配向欠陥(zig−zag dislocation)をなくし、双安定性
(メモリ性)を向上する技術に関する。
[発明の概要] 上記のように構成された強誘電性液晶素子において、
強誘電性液晶内の微小配向欠陥(zig−zag dislocatio
n)の個数密度を適当な範囲に設定し、かつ、点灯・非
点灯の最大コントラスト比が得られる最大駆動周波数f
maxの変動幅と、半選択時に印加される電圧±Vhでコン
トラスト比が変化し始める駆動周波数fminの変動幅との
重なりの周波数範囲を適当に設定することにより、エポ
キシ系ビーズ状粉末接着剤の近傍において強誘電性液晶
に生じやすい微小配向欠陥の発生を防止し、双安定性に
すぐれた強誘電性液晶素子を得た。
強誘電性液晶内の微小配向欠陥(zig−zag dislocatio
n)の個数密度を適当な範囲に設定し、かつ、点灯・非
点灯の最大コントラスト比が得られる最大駆動周波数f
maxの変動幅と、半選択時に印加される電圧±Vhでコン
トラスト比が変化し始める駆動周波数fminの変動幅との
重なりの周波数範囲を適当に設定することにより、エポ
キシ系ビーズ状粉末接着剤の近傍において強誘電性液晶
に生じやすい微小配向欠陥の発生を防止し、双安定性に
すぐれた強誘電性液晶素子を得た。
また、このような強誘電性液晶素子を製造する方法と
して、液晶をスメクティックA相からカイラルスメクテ
ィックC相へ冷却する際に、徐冷すると同時に適当な値
の電圧を印加して液晶を配向させればよいことを見出し
た。
して、液晶をスメクティックA相からカイラルスメクテ
ィックC相へ冷却する際に、徐冷すると同時に適当な値
の電圧を印加して液晶を配向させればよいことを見出し
た。
[従来の技術] 強誘電性液晶素子は駆動用の透明電極膜および液晶分
子整列用の配向膜をガラス板の表面に形成してなる2枚
の基板を一定間隔で対向配置し、間隔部分に液晶を封入
して構成されている。
子整列用の配向膜をガラス板の表面に形成してなる2枚
の基板を一定間隔で対向配置し、間隔部分に液晶を封入
して構成されている。
ところで、近年カイラルスメクティックC相を呈する
強誘電性液晶を利用した強誘電性液晶素子が開発された
(例えば特開昭56−107216号公報参照)。すなわち、p
−デシロキシベンジリデン−p′−アミノ−2−メチル
ブチルシンナメート、p−ヘキシロキシベンジリデン−
p′−アミノ−2−クロロプロピルシンナメート等のカ
イラルスメクティックC相を有する液晶物質は、液晶分
子配列が螺旋層構造をもっている。この螺旋周期よりも
狭い間隙をもって対向配置された2枚の基板間に強誘電
性液晶を注入すると、液晶分子は螺旋構造を消失すると
ともに、配向膜の影響により双安定状態(メモリ性)を
生じる。すなわち、液晶分子の有する強誘電性を利用し
て電圧印加により双安定状態を相互に高速で切り換えて
駆動させるのであるが、電圧を取り去っても液晶分子は
いずれか一方の安定位置を保持するためメモリ性を有す
る。
強誘電性液晶を利用した強誘電性液晶素子が開発された
(例えば特開昭56−107216号公報参照)。すなわち、p
−デシロキシベンジリデン−p′−アミノ−2−メチル
ブチルシンナメート、p−ヘキシロキシベンジリデン−
p′−アミノ−2−クロロプロピルシンナメート等のカ
イラルスメクティックC相を有する液晶物質は、液晶分
子配列が螺旋層構造をもっている。この螺旋周期よりも
狭い間隙をもって対向配置された2枚の基板間に強誘電
性液晶を注入すると、液晶分子は螺旋構造を消失すると
ともに、配向膜の影響により双安定状態(メモリ性)を
生じる。すなわち、液晶分子の有する強誘電性を利用し
て電圧印加により双安定状態を相互に高速で切り換えて
駆動させるのであるが、電圧を取り去っても液晶分子は
いずれか一方の安定位置を保持するためメモリ性を有す
る。
また、他の公知例としては、特開昭57−29031号公報
のようにカプセル化した接着剤を使用してガラス板を接
着固定する技術がある。しかしながら、この接着剤では
接着力が低く、液晶に悪影響を与えるため好ましいもの
ではなかった。
のようにカプセル化した接着剤を使用してガラス板を接
着固定する技術がある。しかしながら、この接着剤では
接着力が低く、液晶に悪影響を与えるため好ましいもの
ではなかった。
ところで、カイラルスメクティックC相をもつ液晶物
質の双安定状態を実現するためには、2枚の基板を数μ
m以下の間隔で一定に保持することが必須の条件となる
が、基板自体に歪みや反りが存在するために、基板間の
間隙長を小さくすることが困難であった。
質の双安定状態を実現するためには、2枚の基板を数μ
m以下の間隔で一定に保持することが必須の条件となる
が、基板自体に歪みや反りが存在するために、基板間の
間隙長を小さくすることが困難であった。
例えば、第1の基板の表面に目的とする間隙長と同一
の直径を有するスペーサ粒子を散布し、反りのため凹凸
のある第2の基板を重ね、シール材を用いて接着した場
合、加圧加熱接着させた後には第2の基板の凸部におい
てはスペーサ粒子が破壊され、凹部においてはスペーサ
粒子が第1の基板から遊離してしまう結果、均一な基板
間隔を実現することがむずかしい。
の直径を有するスペーサ粒子を散布し、反りのため凹凸
のある第2の基板を重ね、シール材を用いて接着した場
合、加圧加熱接着させた後には第2の基板の凸部におい
てはスペーサ粒子が破壊され、凹部においてはスペーサ
粒子が第1の基板から遊離してしまう結果、均一な基板
間隔を実現することがむずかしい。
そこで、本発明者は2枚の基板を可及的に狭い間隔を
もってきわめて正確に平行に配設できる強誘電性液晶素
子の構造を提案した(特願昭61−219273号(昭和61年9
月19日出願)参照)。
もってきわめて正確に平行に配設できる強誘電性液晶素
子の構造を提案した(特願昭61−219273号(昭和61年9
月19日出願)参照)。
そのうちの1つが強誘電性液晶素子の改良に係るもの
で、強誘電性液晶を挟持するためにシール材により対向
配置されている2枚の基板と、基板間隔を一定に保つた
めに基板間隙に分散配置されているスペーサ粒子と、強
誘電性液晶と基板の界面に存在し液晶分子を整列させる
配向膜よりなる強誘電性液晶素子において、基板間隔に
分散配置されている潜在型硬化剤を配合したエポキシ系
ビーズ状粉末接着剤により2枚の基板を接合したもので
ある。
で、強誘電性液晶を挟持するためにシール材により対向
配置されている2枚の基板と、基板間隔を一定に保つた
めに基板間隙に分散配置されているスペーサ粒子と、強
誘電性液晶と基板の界面に存在し液晶分子を整列させる
配向膜よりなる強誘電性液晶素子において、基板間隔に
分散配置されている潜在型硬化剤を配合したエポキシ系
ビーズ状粉末接着剤により2枚の基板を接合したもので
ある。
以下、その提案された強誘電性液晶素子について説明
する。
する。
第7図は提案例の基本構造を示す一部破断斜視図であ
る。図中、1および3はそれぞれ透明電極(図示せず)
および配向膜7が表面に形成されたガラス基板で、これ
らの2枚の基板1および3は、一様に分散された耐熱性
のある球状または多角形状の微粒子(以下スペーサ粒子
と呼ぶ)2によって基板間隙長が規定されているととも
に、基板1の周縁部に配設されたシール材4および分散
配合した潜在型硬化剤含有のエポキシ系ビーズ状粉末接
着剤8により加熱接着されて対向方向側へ引き寄せられ
た状態で強誘電性液晶素子に構成されている。
る。図中、1および3はそれぞれ透明電極(図示せず)
および配向膜7が表面に形成されたガラス基板で、これ
らの2枚の基板1および3は、一様に分散された耐熱性
のある球状または多角形状の微粒子(以下スペーサ粒子
と呼ぶ)2によって基板間隙長が規定されているととも
に、基板1の周縁部に配設されたシール材4および分散
配合した潜在型硬化剤含有のエポキシ系ビーズ状粉末接
着剤8により加熱接着されて対向方向側へ引き寄せられ
た状態で強誘電性液晶素子に構成されている。
エポキシ系ビーズ状粉末接着剤8は押しつぶされた形
状となり、歪みや反りのある基板の凸部のためにスペー
サ粒子が破壊されるのを防止するクッションの役割を果
たし、かつ、基板の凹部を接着により対向基板側に引き
寄せる働きをするため、基板間隔が全面にわたって均一
となっている。
状となり、歪みや反りのある基板の凸部のためにスペー
サ粒子が破壊されるのを防止するクッションの役割を果
たし、かつ、基板の凹部を接着により対向基板側に引き
寄せる働きをするため、基板間隔が全面にわたって均一
となっている。
潜在型硬化剤として、フェノール系硬化剤、特にビス
フェノール類のジグリジジルエーテルまたはその縮合体
と多価フェノール化合物、なかでもビスフェノール類と
の付加物を用いる場合は、エポキシ樹脂と良く相溶し、
高い接着力を発現する。また、配向膜の汚染、破壊を防
止するのに有効である。
フェノール類のジグリジジルエーテルまたはその縮合体
と多価フェノール化合物、なかでもビスフェノール類と
の付加物を用いる場合は、エポキシ樹脂と良く相溶し、
高い接着力を発現する。また、配向膜の汚染、破壊を防
止するのに有効である。
このようなセル構造体にカイラルスメクティックC相
をもつ強誘電性液晶を注入すると、スペーサ粒子2とエ
ポキシ系ビーズ状粉末接着剤8の間隙に強誘電性液晶が
流れ込んで、空間部を充填させ、セルに外力が作用して
もスペーサ粒子2とエポキシ系ビーズ状粉末接着剤8が
一定間隔を保持するとともにこれら粒子が障害体となる
ため、強誘電性液晶の流動が阻止される。もとより、ス
ペーサ粒子2およびエポキシ系ビーズ状粉末接着剤8は
強誘電性液晶の挙動に影響を及ぼさない材料の中から選
定されており、また、その分布密度もきわめて小さいた
め、表示画面に悪影響を与えるようなことはない。
をもつ強誘電性液晶を注入すると、スペーサ粒子2とエ
ポキシ系ビーズ状粉末接着剤8の間隙に強誘電性液晶が
流れ込んで、空間部を充填させ、セルに外力が作用して
もスペーサ粒子2とエポキシ系ビーズ状粉末接着剤8が
一定間隔を保持するとともにこれら粒子が障害体となる
ため、強誘電性液晶の流動が阻止される。もとより、ス
ペーサ粒子2およびエポキシ系ビーズ状粉末接着剤8は
強誘電性液晶の挙動に影響を及ぼさない材料の中から選
定されており、また、その分布密度もきわめて小さいた
め、表示画面に悪影響を与えるようなことはない。
次に上述した強誘電性液晶素子の製造方法を第8図に
基づいて説明する。
基づいて説明する。
透明電極9および配向膜7を形成したガラス基板1の
配向膜面側を表面にして水平に配置し、その周縁部に熱
溶着性シール材4をセル厚より厚い一定の厚さに塗布す
る。このシール材4により取り囲まれた領域の基板表面
に目的とするセル厚に等しい直径をもつスペーサ粒子2
と、目的とするセル厚より大きくかつシール厚程度の直
径をもつ潜在型硬化剤含有エポキシ系ビーズ状粉末接着
剤8′を分散させる(同図(A))。次に配向膜面7側
を下にして他方の基板3を重ねて下部基板1のシール材
4と、エポキシ系ビーズ状粉末接着剤8′により2枚の
基板1および3を一定の間隔をもって平行に配置する
(同図(B))。
配向膜面側を表面にして水平に配置し、その周縁部に熱
溶着性シール材4をセル厚より厚い一定の厚さに塗布す
る。このシール材4により取り囲まれた領域の基板表面
に目的とするセル厚に等しい直径をもつスペーサ粒子2
と、目的とするセル厚より大きくかつシール厚程度の直
径をもつ潜在型硬化剤含有エポキシ系ビーズ状粉末接着
剤8′を分散させる(同図(A))。次に配向膜面7側
を下にして他方の基板3を重ねて下部基板1のシール材
4と、エポキシ系ビーズ状粉末接着剤8′により2枚の
基板1および3を一定の間隔をもって平行に配置する
(同図(B))。
このような状態において、上下2枚の基板1および3
に圧力Pを加えてシール材4および潜在型硬化剤含有エ
ポキシ系ビーズ状粉末接着剤8′が軟化する温度に加熱
すると、シール材4およびエポキシ系ビーズ状粉末接着
剤8′が軟化し始める。エポキシ系ビーズ状粉末接着剤
8′は圧力Pを均一に受けてガラス基板1と3の両方に
またがって溶着しつつ偏平に押しつぶされる。このよう
にして上側のガラス基板3がスペーサ粒子2に当接する
と、2枚の基板1および3はスペーサ粒子2により支え
られてスペーサ粒子2の直径に一致する間隔を保って平
行な状態でその移動を停止する(同図(C))。このと
きガラス基板1および3に多少の凹凸(通常20〜30μm
程度)があっても、加熱下に押圧しつつ接着させること
により、ガラス基板間の間隔は一定の間隔に保たれる。
すなわち、前記20〜30μm程度の凹凸は矯正される。
に圧力Pを加えてシール材4および潜在型硬化剤含有エ
ポキシ系ビーズ状粉末接着剤8′が軟化する温度に加熱
すると、シール材4およびエポキシ系ビーズ状粉末接着
剤8′が軟化し始める。エポキシ系ビーズ状粉末接着剤
8′は圧力Pを均一に受けてガラス基板1と3の両方に
またがって溶着しつつ偏平に押しつぶされる。このよう
にして上側のガラス基板3がスペーサ粒子2に当接する
と、2枚の基板1および3はスペーサ粒子2により支え
られてスペーサ粒子2の直径に一致する間隔を保って平
行な状態でその移動を停止する(同図(C))。このと
きガラス基板1および3に多少の凹凸(通常20〜30μm
程度)があっても、加熱下に押圧しつつ接着させること
により、ガラス基板間の間隔は一定の間隔に保たれる。
すなわち、前記20〜30μm程度の凹凸は矯正される。
このような状態で加熱を続けると、偏平に押しつぶさ
れたエポキシ系ビーズ状粉末接着剤8は2枚の基板1お
よび3に溶着した状態で硬化する。
れたエポキシ系ビーズ状粉末接着剤8は2枚の基板1お
よび3に溶着した状態で硬化する。
これにより、2枚の基板1および3はスペーサ粒子2
により内側方向への移動を規制されつつシール材4とエ
ポキシ系ビーズ状粉末接着剤8により引き寄せられる力
を受けた状態で固定されてセルを形成する。
により内側方向への移動を規制されつつシール材4とエ
ポキシ系ビーズ状粉末接着剤8により引き寄せられる力
を受けた状態で固定されてセルを形成する。
エポキシ系ビーズ状粉末接着剤8はまた圧着工程時に
クッションの役割を果たし、うねりのある基板の凸部に
よりスペーサ粒子2がすりつぶされ破壊されるのを防止
する。
クッションの役割を果たし、うねりのある基板の凸部に
よりスペーサ粒子2がすりつぶされ破壊されるのを防止
する。
さらにエポキシ系ビーズ状粉末接着剤8は潜在型硬化
剤を含有しているので、硬化反応時汚染性の反応ガスが
発生せず、したがって、配向膜を劣化させない。その結
果、コントラスト比の良い強誘電性液晶素子が得られ
る。さらにエポキシ系ビーズ状粉末接着剤8は化学的に
安定であるので、長時間使用しても液晶体を変質劣化な
どすることがなく耐寿命性にすぐれている。
剤を含有しているので、硬化反応時汚染性の反応ガスが
発生せず、したがって、配向膜を劣化させない。その結
果、コントラスト比の良い強誘電性液晶素子が得られ
る。さらにエポキシ系ビーズ状粉末接着剤8は化学的に
安定であるので、長時間使用しても液晶体を変質劣化な
どすることがなく耐寿命性にすぐれている。
以上説明したように提案例によれば、2枚の基板1お
よび3の間に目的とする間隙値を直径にもってスペーサ
粒子を分散させた状態で2枚の基板を潜在型硬化剤を含
むエポキシ系ビーズ状粉末接着剤により固着したので、
多数のエポキシ系ビーズ状粉末接着剤により内側に引き
合う応力をかけた状態で多くの箇所でスペーサ粒子によ
り間隙が規定できて、基板固有の歪みを矯正して平行な
セル構造を形成することができるばかりでなく、外力の
作用を受けても一定間隙を保持して液晶物質の下側の流
動を防止することができる。また、基板の間隙をスペー
サ粒子とエポキシ系ビーズ状粉末接着剤により規定する
ため、基板面積にかかわらず、微小な間隙を一定に保持
することができ、さらにフェノール系硬化剤を用いてい
るので汚染ガスが出ず液晶体の配向が乱されないという
効果がある。
よび3の間に目的とする間隙値を直径にもってスペーサ
粒子を分散させた状態で2枚の基板を潜在型硬化剤を含
むエポキシ系ビーズ状粉末接着剤により固着したので、
多数のエポキシ系ビーズ状粉末接着剤により内側に引き
合う応力をかけた状態で多くの箇所でスペーサ粒子によ
り間隙が規定できて、基板固有の歪みを矯正して平行な
セル構造を形成することができるばかりでなく、外力の
作用を受けても一定間隙を保持して液晶物質の下側の流
動を防止することができる。また、基板の間隙をスペー
サ粒子とエポキシ系ビーズ状粉末接着剤により規定する
ため、基板面積にかかわらず、微小な間隙を一定に保持
することができ、さらにフェノール系硬化剤を用いてい
るので汚染ガスが出ず液晶体の配向が乱されないという
効果がある。
また、強誘電性液晶は、応答速度が速く、界面効果に
よる双安定性(メモリ性)を有する等のすぐれた性質を
もち、表示容量の大きい大型表示素子への応用が期待さ
れている。
よる双安定性(メモリ性)を有する等のすぐれた性質を
もち、表示容量の大きい大型表示素子への応用が期待さ
れている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、強誘電性液晶素子においては、2枚の
基板を接着するために強誘電性液晶が存在する部分に介
在させたエポキシ系ビーズ状粉末接着剤の周辺に微小配
向欠陥(zig−zag dislocation)が発生するおそれがあ
り、この微小配向欠陥が生じると、双安定性(メモリ
性)が損なわれ、強誘電性液晶素子をその全面にわたっ
て均一に駆動することができないという根本的な問題が
あることが判った。
基板を接着するために強誘電性液晶が存在する部分に介
在させたエポキシ系ビーズ状粉末接着剤の周辺に微小配
向欠陥(zig−zag dislocation)が発生するおそれがあ
り、この微小配向欠陥が生じると、双安定性(メモリ
性)が損なわれ、強誘電性液晶素子をその全面にわたっ
て均一に駆動することができないという根本的な問題が
あることが判った。
本発明は、このような従来の欠点を解消するものであ
って、強誘電性液晶の配向性および双安定性(メモリ
性)にすぐれ、大型表示素子として好適な強誘電性液晶
素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
って、強誘電性液晶の配向性および双安定性(メモリ
性)にすぐれ、大型表示素子として好適な強誘電性液晶
素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、このような問題点を解決するために次のよ
うな手段を採用するものである。
うな手段を採用するものである。
すなわち、本第1発明は強誘電性液晶素子に係るもの
であって、 強誘電性液晶と、該液晶を挟持するためにシール材に
より対向配置されている2枚の基板と、基板間隔を一定
に保つために基板間隙に分散配置されているスペーサ粒
子と、基板上に形成され、該液晶を配向させるための配
向膜と、該液晶に電圧を印加するための駆動手段よりな
る強誘電性液晶素子において、 2枚の基板は、基板間隙に分散配置されている、潜在
型硬化剤を含有するエポキシ樹脂を主成分とする粒子状
接着剤により、点状に接合されており、 前記強誘電性液晶をスメクティックA相からカイラル
スメクティックC相へ冷却する際に、徐冷すると同時に
2〜8ボルトの電圧を印加して液晶を配向させることに
よって、 前記強誘電性液晶内の微小配向欠陥(zig−zag dislo
cation)の個数密度を15個/0.16mm2以下にしたことを特
徴とするものである。
であって、 強誘電性液晶と、該液晶を挟持するためにシール材に
より対向配置されている2枚の基板と、基板間隔を一定
に保つために基板間隙に分散配置されているスペーサ粒
子と、基板上に形成され、該液晶を配向させるための配
向膜と、該液晶に電圧を印加するための駆動手段よりな
る強誘電性液晶素子において、 2枚の基板は、基板間隙に分散配置されている、潜在
型硬化剤を含有するエポキシ樹脂を主成分とする粒子状
接着剤により、点状に接合されており、 前記強誘電性液晶をスメクティックA相からカイラル
スメクティックC相へ冷却する際に、徐冷すると同時に
2〜8ボルトの電圧を印加して液晶を配向させることに
よって、 前記強誘電性液晶内の微小配向欠陥(zig−zag dislo
cation)の個数密度を15個/0.16mm2以下にしたことを特
徴とするものである。
また、本第2発明は強誘電性液晶素子の製造方法に係
るものであって、 強誘電性液晶を用いた液晶素子の製造方法において、
液晶の存在している部分においてエポキシ系ビーズ状粉
末接着剤を用いて2枚の基板を接着し、かつ、液晶をス
メクティックA相からカイラルスメクティックC相へ冷
却する際に、徐冷すると同時に2〜8ボルトの電圧を印
加して液晶を配向させることを特徴とするものである。
るものであって、 強誘電性液晶を用いた液晶素子の製造方法において、
液晶の存在している部分においてエポキシ系ビーズ状粉
末接着剤を用いて2枚の基板を接着し、かつ、液晶をス
メクティックA相からカイラルスメクティックC相へ冷
却する際に、徐冷すると同時に2〜8ボルトの電圧を印
加して液晶を配向させることを特徴とするものである。
本発明に係る強誘電性液晶素子においては、螺旋分子
配列構造を有する強誘電性液晶としてはスメクティック
液晶であることが好ましい。電圧に対する応答速度が高
く、画像が明瞭だからである。強誘電性液晶としては、
先に記載したp−デシロキシベンジリデン−p′−アミ
ノ−2−メチルブチルシンナメート、p−ヘキシロキシ
ベンジリデン−p′−アミノ−2−クロロプロピルシン
ナメートの他に、本発明者の一部が提案した「テレビジ
ョン学会技術報告」(ED917 IPD104−1、昭和61年2
月3日)に記載されている下記の構造のものも好適であ
る。
配列構造を有する強誘電性液晶としてはスメクティック
液晶であることが好ましい。電圧に対する応答速度が高
く、画像が明瞭だからである。強誘電性液晶としては、
先に記載したp−デシロキシベンジリデン−p′−アミ
ノ−2−メチルブチルシンナメート、p−ヘキシロキシ
ベンジリデン−p′−アミノ−2−クロロプロピルシン
ナメートの他に、本発明者の一部が提案した「テレビジ
ョン学会技術報告」(ED917 IPD104−1、昭和61年2
月3日)に記載されている下記の構造のものも好適であ
る。
ここでR1、R2は次の表に示される。なお、表中C*は
不斉炭素(カイラル基)を示す。
不斉炭素(カイラル基)を示す。
また、トレパール AD(東レ株式会社製)は、エポキ
シ系ビーズ状粉末接着剤として特にすぐれている。
シ系ビーズ状粉末接着剤として特にすぐれている。
強誘電性液晶の場合、基板間隔は1〜3μmであるこ
とが最も好ましい。
とが最も好ましい。
本発明においては、エポキシ系ビーズ状粉末接着剤は
球状であり、接着後は2枚の基板1および3の圧力によ
り球状を押圧された形状を呈することが好ましい。配向
膜や導電膜を傷めないからである。また、本発明の液晶
電気光学素子においてはエポキシ系ビーズ状粉末接着剤
の存在割合が、基板100cm2当たり0.1〜50mgの範囲であ
ることが好ましい。あまりに少なくては接着力が発揮さ
れず、逆に多すぎては画素の鮮明さが悪くなるからであ
る。
球状であり、接着後は2枚の基板1および3の圧力によ
り球状を押圧された形状を呈することが好ましい。配向
膜や導電膜を傷めないからである。また、本発明の液晶
電気光学素子においてはエポキシ系ビーズ状粉末接着剤
の存在割合が、基板100cm2当たり0.1〜50mgの範囲であ
ることが好ましい。あまりに少なくては接着力が発揮さ
れず、逆に多すぎては画素の鮮明さが悪くなるからであ
る。
本発明において、基板は好ましくはガラスである。透
明性、硬さなどにすぐれるからである。なお、基板はプ
ラスチック板であってもよい。安全で、かつ軽いという
特徴を有するからである。プラスチック板は、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリカーボネートなどの透明性のす
ぐれたものが好ましい。プラスチック板の外気に当たる
表面部は、耐摩擦性を向上するためシリカ、エポキシシ
ラン、有機ポリシロキサン、架橋ポリアクリレートなど
のハードコート層が設けられていることが好ましい。
明性、硬さなどにすぐれるからである。なお、基板はプ
ラスチック板であってもよい。安全で、かつ軽いという
特徴を有するからである。プラスチック板は、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリカーボネートなどの透明性のす
ぐれたものが好ましい。プラスチック板の外気に当たる
表面部は、耐摩擦性を向上するためシリカ、エポキシシ
ラン、有機ポリシロキサン、架橋ポリアクリレートなど
のハードコート層が設けられていることが好ましい。
本発明においてはまた、少なくとも上板(一方の基
板)に無配向または一軸配向のフィルムを使用してもよ
い。この理由は、パネル(ディスプレイ)の表面を凸状
に湾曲させて構成した場合、斜めから見ても虹模様が見
えないからである。一軸配向の方向は縦でも横でもよ
い。配向の程度は、延伸倍率が1.5〜7倍程度であれば
いかなるものでもよい。好ましくは5〜6倍である。
板)に無配向または一軸配向のフィルムを使用してもよ
い。この理由は、パネル(ディスプレイ)の表面を凸状
に湾曲させて構成した場合、斜めから見ても虹模様が見
えないからである。一軸配向の方向は縦でも横でもよ
い。配向の程度は、延伸倍率が1.5〜7倍程度であれば
いかなるものでもよい。好ましくは5〜6倍である。
フィルムについては、無配向フィルムではアセテート
系フィルムが、また、樹脂を延伸したものでは公知のい
かなるものでもよいが、好ましくはポリエチレンテレフ
タレートフィルムを使用することである。融点が高く液
晶などに安定で、長時間使用することができるからであ
る。その上、コストが安いという良い点もある。フィル
ムの厚さはパネルにできる程度の厚さであればいかなる
厚さでもよい。
系フィルムが、また、樹脂を延伸したものでは公知のい
かなるものでもよいが、好ましくはポリエチレンテレフ
タレートフィルムを使用することである。融点が高く液
晶などに安定で、長時間使用することができるからであ
る。その上、コストが安いという良い点もある。フィル
ムの厚さはパネルにできる程度の厚さであればいかなる
厚さでもよい。
次にフィルム表面には導電膜が設けられていることが
必要である。液晶体に電荷を与えるためである。導電膜
は公知のいかなるものでもよいが、好ましくは酸化イン
ジウムと酸化スズからなるものである。この膜は、酸化
性雰囲気で金属蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング(イオンアシスト法を含む)などにより形成でき
る。そして、導電膜の上に配向膜が形成される。
必要である。液晶体に電荷を与えるためである。導電膜
は公知のいかなるものでもよいが、好ましくは酸化イン
ジウムと酸化スズからなるものである。この膜は、酸化
性雰囲気で金属蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング(イオンアシスト法を含む)などにより形成でき
る。そして、導電膜の上に配向膜が形成される。
次に、電圧を印加しながら徐冷する配向処理法を用い
たときの強誘電性液晶の配向の一様性に関する実験結果
を報告する。
たときの強誘電性液晶の配向の一様性に関する実験結果
を報告する。
(a)配向の一様性の評価方法 配向の一様性は、主に偏光顕微鏡による光学的観察に
より行った。
より行った。
また、配向の一様性の影響を強く受けると考えられる
駆動特性も同時に測定した。
駆動特性も同時に測定した。
駆動特性は第1図に示すような点灯・非点灯を繰り返
す実駆動波形を印加したとき、次の2つの駆動周波数を
測定した。
す実駆動波形を印加したとき、次の2つの駆動周波数を
測定した。
ただし、実駆動波形は電圧、バイアスは固定とし、駆
動周波数のみ可変とした。
動周波数のみ可変とした。
Vs=20ボルト Vh=10ボルト 1/4バイアス Vn=5ボルト fmax:点灯・非点灯の最大コントラスト比が得られる最
大駆動周波数 fmin:半選択時に印加される電圧±Vhでコントラスト比
が変化し始める駆動周波数 fmax〜fminは、電圧を固定した場合の、駆動可能な周波
数範囲を示していると考えられる。実際の強誘電性液晶
素子パネルが、全面駆動可能であるためには、全画素中
のfmaxの最小値とfminの最大値とが、 fmaxの最大値》≫fminの最小値となることが条件とな
る。
大駆動周波数 fmin:半選択時に印加される電圧±Vhでコントラスト比
が変化し始める駆動周波数 fmax〜fminは、電圧を固定した場合の、駆動可能な周波
数範囲を示していると考えられる。実際の強誘電性液晶
素子パネルが、全面駆動可能であるためには、全画素中
のfmaxの最小値とfminの最大値とが、 fmaxの最大値》≫fminの最小値となることが条件とな
る。
(b)配向の一様性改善実験 (実験1) 〔初期配向〕 実験には第1表の条件で製作した640×400ドット、A4
サイズの強誘電性液晶素子パネルを用いた。
サイズの強誘電性液晶素子パネルを用いた。
第1表に示すように、初期配向はPI両面ラビングで行
った。
った。
初期配向処理における配向状態を偏光顕微鏡で観察し
てみると、エポキシ系ビーズ状粉末接着剤の周辺に微小
配向欠陥(zig−zag dislocation)が多数見られた。ま
た、このときfmax,fminを測定し、かつその駆動領域と
平均の微小配向欠陥の数(n)との関係を調べると、第
2図のようになった。
てみると、エポキシ系ビーズ状粉末接着剤の周辺に微小
配向欠陥(zig−zag dislocation)が多数見られた。ま
た、このときfmax,fminを測定し、かつその駆動領域と
平均の微小配向欠陥の数(n)との関係を調べると、第
2図のようになった。
なお、第1表において、SmAはスメクティックA相、S
mC*はカイラルスメクティックC相を表す。
mC*はカイラルスメクティックC相を表す。
平均的な微小配向欠陥の数nと駆動周波数領域は、以
下のような相関があることがわかる。
下のような相関があることがわかる。
微小配向欠陥の少ない部分は、高周波で応答し、か
つ駆動周波数領域が広い。
つ駆動周波数領域が広い。
微小配向欠陥が多い部分では、fmaxが下がり、かつ
駆動可能領域が狭まる。
駆動可能領域が狭まる。
(実験2) 配向の一様性を改善するために、徐冷と同時に直流電
圧を印加する方法を用いた。
圧を印加する方法を用いた。
初期配向処理後、スメクティックA相SmA(60℃)に
おいて約1hr放置後、電圧を印加しながら徐冷した。
おいて約1hr放置後、電圧を印加しながら徐冷した。
実験では、10℃/hrの徐冷条件において、直流印加電
圧を変化させ、配向の一様性を光学的観察と駆動特性か
ら調べた。
圧を変化させ、配向の一様性を光学的観察と駆動特性か
ら調べた。
印加電圧は、以下の5値を選んだ。
印加電圧:2V,4V,6V,8V,16V その後、印加電圧を4Vに固定し、徐冷条件を5℃/hr,
10℃/hr,20℃/hrとしたときの効果を調べた。測定は、
強誘電性液晶素子パネル内の12点について行った。
10℃/hr,20℃/hrとしたときの効果を調べた。測定は、
強誘電性液晶素子パネル内の12点について行った。
徐冷条件10℃/hrにおいて、印加電圧を変化させたと
きの駆動特性の変化と配向状態を第3図,第4図および
第5図に示す。
きの駆動特性の変化と配向状態を第3図,第4図および
第5図に示す。
第3図はfmax,fminを12点で測定した値の平均値とバ
ラツキを、各直流電圧に対して示した図である。第4図
は直流電圧と微小配向欠陥の平均数との関係を示してい
る。第5図はfmaxのバラツキの範囲と、fminのバラツキ
の範囲を示し、互いに重なり合う領域を斜線で表した。
ラツキを、各直流電圧に対して示した図である。第4図
は直流電圧と微小配向欠陥の平均数との関係を示してい
る。第5図はfmaxのバラツキの範囲と、fminのバラツキ
の範囲を示し、互いに重なり合う領域を斜線で表した。
これらの結果から次のことが判る。
電圧を印加せず、徐冷のみの場合、fmaxは、 14k Hz≧fmax≧7.6k Hz に分布し、fminは、 12.2k Hz≧fmin≧6.0k Hz に分布する。fmaxのバラツキの範囲は、fminのバラツキ
の範囲と重なり合い、強誘電性液晶素子パネル全体を単
一駆動条件で駆動できないことを示している。
の範囲と重なり合い、強誘電性液晶素子パネル全体を単
一駆動条件で駆動できないことを示している。
印加電圧を4Vまで上げるにつれてfmax,fminのバラ
ツキの範囲は狭まり、駆動特性が一様化に近づくことを
示している。このときの配向状態は、fmax,fminのバラ
ツキが小さくなるのと対応して、微小配向欠陥の減少が
観察された。
ツキの範囲は狭まり、駆動特性が一様化に近づくことを
示している。このときの配向状態は、fmax,fminのバラ
ツキが小さくなるのと対応して、微小配向欠陥の減少が
観察された。
さらに、印加電圧を上昇させると、fmaxの上限が下
がり、バラツキの範囲が広がっていく。配向状態は、微
小配向欠陥が再び出現し、16Vにおいては、エポキシ系
ビーズ状粉末接着剤の周辺に黒色の反転領域が現れた。
がり、バラツキの範囲が広がっていく。配向状態は、微
小配向欠陥が再び出現し、16Vにおいては、エポキシ系
ビーズ状粉末接着剤の周辺に黒色の反転領域が現れた。
第5図からも明らかなように、4Vにおいてfmaxとf
minのバラツキの領域の重なる部分が最も小さい。
minのバラツキの領域の重なる部分が最も小さい。
4V直流電圧を印加しながら徐冷条件を5℃/hr,10℃
/hr,20℃/hrにしたときのfmax,fminのバラツキの様子を
第6図に示した。
/hr,20℃/hrにしたときのfmax,fminのバラツキの様子を
第6図に示した。
10℃/hrで、オーバーラップ領域が最小となり、最適
徐冷条件が存在することを示している。
徐冷条件が存在することを示している。
以上の結果をまとめると、 〔1〕4V、10℃/hrの電圧値および徐冷条件において、
一様な配向状態が得られた。
一様な配向状態が得られた。
しかし、このときの駆動特性は、まだ強誘電性液晶素
子パネル全面を完全には単一駆動できる特性になってい
ないが、ほぼ満足できる特性を得ることができた。
子パネル全面を完全には単一駆動できる特性になってい
ないが、ほぼ満足できる特性を得ることができた。
〔2〕電圧印加による微小配向欠陥の減少と駆動特性の
均一化とが非常に良く対応し、微小配向欠陥と駆動特性
との間に深い関連があることを示唆している。
均一化とが非常に良く対応し、微小配向欠陥と駆動特性
との間に深い関連があることを示唆している。
〔3〕2枚の基板を接着するために用いたエポキシ系ビ
ーズ状粉末接着剤の周辺に顕著に微小配向欠陥の発生が
見られた。
ーズ状粉末接着剤の周辺に顕著に微小配向欠陥の発生が
見られた。
駆動特性の均一化と微小配向欠陥の減少とがほぼ対応
していることが前述の実験から判った。また、パルスに
よる反転過程を調べると、微小配向欠陥内に完全に反転
しない部分が残り、駆動特性が微小配向欠陥の内外で異
なっていることを示している。この点はK.Nakagawaらが
微小配向欠陥の内外領域でオフセット電圧が異なるとい
う指摘と対応しているように思われる。微小配向欠陥
は、Clarkらが指摘するように、内部と微小配向欠陥を
挟んだ外部とは、配向状態が異なっている可能性が高い
と考えられる。Clarkらは、微小配向欠陥は、2つの異
なった層のベンディング等のlocal layer structure(L
LS)の境界に存在するとしている。この観点から考える
と、4V以下で微小配向欠陥が減少し、一方の配向状態に
吸収されるのは、層のベンディング等のLLS構造がその
電圧の極性に対して安定なLLSが成長し、不安定なLLSが
吸収されていくことが考えられる。また、微小配向欠陥
が、エポキシ系ビーズ状粉末接着剤の周辺に多く発生す
るということを考えると、その配向状態はエポキシ側面
の効果により、周辺の領域の配向状態と異なったLLS構
造を示すのではないかと思われる。また、微小配向欠陥
は、4V以上で再び増加し始めるという特性ももってい
る。
していることが前述の実験から判った。また、パルスに
よる反転過程を調べると、微小配向欠陥内に完全に反転
しない部分が残り、駆動特性が微小配向欠陥の内外で異
なっていることを示している。この点はK.Nakagawaらが
微小配向欠陥の内外領域でオフセット電圧が異なるとい
う指摘と対応しているように思われる。微小配向欠陥
は、Clarkらが指摘するように、内部と微小配向欠陥を
挟んだ外部とは、配向状態が異なっている可能性が高い
と考えられる。Clarkらは、微小配向欠陥は、2つの異
なった層のベンディング等のlocal layer structure(L
LS)の境界に存在するとしている。この観点から考える
と、4V以下で微小配向欠陥が減少し、一方の配向状態に
吸収されるのは、層のベンディング等のLLS構造がその
電圧の極性に対して安定なLLSが成長し、不安定なLLSが
吸収されていくことが考えられる。また、微小配向欠陥
が、エポキシ系ビーズ状粉末接着剤の周辺に多く発生す
るということを考えると、その配向状態はエポキシ側面
の効果により、周辺の領域の配向状態と異なったLLS構
造を示すのではないかと思われる。また、微小配向欠陥
は、4V以上で再び増加し始めるという特性ももってい
る。
全面を同じ駆動条件で駆動するためには、分子配向の
一様化、特に微小配向欠陥の減少が重要な課題である。
一様化、特に微小配向欠陥の減少が重要な課題である。
今回の実験では、第5図から明らかなように、徐冷中
での印加直流電圧の値が2〜8ボルトのときに、fmax,f
minのバラツキの範囲が狭くなって強誘電性液晶素子パ
ネル全体についての駆動条件がほぼ一様になることが判
った。また、このとき、点灯・非点灯の最大コントラス
ト比が得られる最大駆動周波数fmaxの変動幅と、半選択
時に印加される電圧±Vhでコントラスト比が変化し始め
る駆動周波数fminの変動幅との重なりが2k Hz以下であ
ることと、第4図から明らかなように、強誘電性液晶内
の微小配向欠陥(zig−zag dislocation)の個数密度が
15個/0.16mm2以下であれば、強誘電性液晶素子パネル全
体についての駆動条件がほぼ一様になることが判った。
での印加直流電圧の値が2〜8ボルトのときに、fmax,f
minのバラツキの範囲が狭くなって強誘電性液晶素子パ
ネル全体についての駆動条件がほぼ一様になることが判
った。また、このとき、点灯・非点灯の最大コントラス
ト比が得られる最大駆動周波数fmaxの変動幅と、半選択
時に印加される電圧±Vhでコントラスト比が変化し始め
る駆動周波数fminの変動幅との重なりが2k Hz以下であ
ることと、第4図から明らかなように、強誘電性液晶内
の微小配向欠陥(zig−zag dislocation)の個数密度が
15個/0.16mm2以下であれば、強誘電性液晶素子パネル全
体についての駆動条件がほぼ一様になることが判った。
さらに、第6図から明らかなように、このときの徐冷
条件が5〜20℃/hrであれば、前記と同様にパネル全体
についての駆動条件がほぼ一様になることが判った。
条件が5〜20℃/hrであれば、前記と同様にパネル全体
についての駆動条件がほぼ一様になることが判った。
特に、10℃/hrの徐冷条件で、4V直流電圧を印加した
ときに最も微小配向欠陥が少なく、駆動特性のバラツキ
の小さい一様な配向状態が得られることが判った。ま
た、直流電圧に限らず、交流電圧による一様化も可能で
ある。
ときに最も微小配向欠陥が少なく、駆動特性のバラツキ
の小さい一様な配向状態が得られることが判った。ま
た、直流電圧に限らず、交流電圧による一様化も可能で
ある。
[実施例] 以下、本発明の実施例を述べる。
実施例1 表面に透明電極膜およびラビングされたまたはされな
いポリイミドフィルムよりなる配向膜を形成した外気の
表面周辺部に、エポキシ系ビーズ状粉末接着剤を約7μ
mの厚さに塗布してシール部を形成し、この内部に直径
5.5μmのエポキシ系ビーズ状粉末接着剤(組成につい
ては後述する)と直径2μmのアルミナ性微粒子を所望
の密度(例えば、エポキシ系ビーズ状粉末接着剤とアル
ミナ性微粒子をともに、80個/mm2以下の密度、即ち15個
/0.16mm2以下の密度)で分散させる。これに下方の基板
を重ねて圧力(例えば0.3〜5kg/cm2)を加えながら加熱
する(例えば80〜200℃)。これで基板が2μmの間隔
で平行な状態に固定されたセル構造体を得ることができ
る。
いポリイミドフィルムよりなる配向膜を形成した外気の
表面周辺部に、エポキシ系ビーズ状粉末接着剤を約7μ
mの厚さに塗布してシール部を形成し、この内部に直径
5.5μmのエポキシ系ビーズ状粉末接着剤(組成につい
ては後述する)と直径2μmのアルミナ性微粒子を所望
の密度(例えば、エポキシ系ビーズ状粉末接着剤とアル
ミナ性微粒子をともに、80個/mm2以下の密度、即ち15個
/0.16mm2以下の密度)で分散させる。これに下方の基板
を重ねて圧力(例えば0.3〜5kg/cm2)を加えながら加熱
する(例えば80〜200℃)。これで基板が2μmの間隔
で平行な状態に固定されたセル構造体を得ることができ
る。
完成されたセルに強誘電性カイラルスメクティック液
晶(例えば先に挙げた材料である、p−デシロキシベン
ジリデン−p′−アミノ−2−メチルブチルシンナメー
ト)を加熱してスメクティックA相として注入した。そ
のスメクティックA相をカイラルスメクティックC相へ
冷却する際に、5〜20℃/hrで徐冷すると同時に2〜8
ボルトの電圧を印加して液晶を均一に配向させた。
晶(例えば先に挙げた材料である、p−デシロキシベン
ジリデン−p′−アミノ−2−メチルブチルシンナメー
ト)を加熱してスメクティックA相として注入した。そ
のスメクティックA相をカイラルスメクティックC相へ
冷却する際に、5〜20℃/hrで徐冷すると同時に2〜8
ボルトの電圧を印加して液晶を均一に配向させた。
このようにして強誘電性液晶素子を作ったところ、強
誘電性液晶内の微小配向欠陥(zig−zag dislocation)
の個数密度は15個/0.16mm2以下であった。また、点灯・
非点灯の最大コントラスト比が得られる最大駆動周波数
fmaxの変動幅と、半選択時に印加される電圧±Vhでコン
トラスト比が変化し始める駆動周波数fminの変動幅との
重なりを調べたところ、その重なりの周波数範囲は2k H
z以下であった。
誘電性液晶内の微小配向欠陥(zig−zag dislocation)
の個数密度は15個/0.16mm2以下であった。また、点灯・
非点灯の最大コントラスト比が得られる最大駆動周波数
fmaxの変動幅と、半選択時に印加される電圧±Vhでコン
トラスト比が変化し始める駆動周波数fminの変動幅との
重なりを調べたところ、その重なりの周波数範囲は2k H
z以下であった。
また、この強誘電性液晶素子を駆動させ光透過時と光
遮断時のコントラスト比を測定すると、5.5〜6.5を得る
ことができた。これは、充分大きなコントラスト比であ
り、配向状態は乱されていない。
遮断時のコントラスト比を測定すると、5.5〜6.5を得る
ことができた。これは、充分大きなコントラスト比であ
り、配向状態は乱されていない。
次にエポキシ系ビーズ状粉末接着剤の具体例を2,3挙
げる。
げる。
その1 エポキシ樹脂“エピコート"828を20gと“エピコート"
1001(いずれも油化シェルエポキシ製商品名)を20gを3
00ccポリカップにとり、界面活性剤“エマルジット"9
(第一工業製薬株式会社製)を4g加えた。さらにビスフ
ェノールA型ジグリシジルエーテルとビスフェノールA
の付加物である潜在型硬化剤である“エピキュア"171N
(油化シェルエポキシ製商品名)を4g(約0.12当量)を
加え、全体を95℃に加熱し、素早く掻き混ぜて透明な相
溶体とした。
1001(いずれも油化シェルエポキシ製商品名)を20gを3
00ccポリカップにとり、界面活性剤“エマルジット"9
(第一工業製薬株式会社製)を4g加えた。さらにビスフ
ェノールA型ジグリシジルエーテルとビスフェノールA
の付加物である潜在型硬化剤である“エピキュア"171N
(油化シェルエポキシ製商品名)を4g(約0.12当量)を
加え、全体を95℃に加熱し、素早く掻き混ぜて透明な相
溶体とした。
テフロン製の板状翼を先端に付けた攪拌装置を容器内
にセットし、50℃の保温状態で800rpmの条件で攪拌し
た。注射器に入れた50℃の水6ccを加え、40秒間攪拌す
る操作を4回繰り返し、計24ccの水により、上記エポキ
シ樹脂とエポキュア171N混合物を乳化した。
にセットし、50℃の保温状態で800rpmの条件で攪拌し
た。注射器に入れた50℃の水6ccを加え、40秒間攪拌す
る操作を4回繰り返し、計24ccの水により、上記エポキ
シ樹脂とエポキュア171N混合物を乳化した。
このエマルジョンに0.44当量のピペラジンを32ccの水
で希釈した硬化液を加えゆるやかに攪拌して均一化し
た。
で希釈した硬化液を加えゆるやかに攪拌して均一化し
た。
25℃で6日間放置し平均粒子径約6μmの部分硬化球
状粒子を得た。
状粒子を得た。
5.5±2μm内に95wt%の粒子が入るような粒径分布
に湿式分級(水ヒ法)した。分級後の粒子懸濁液に、シ
リカゾル“Snowtex"N(日産化学株式会社製)を固形分
ベースで粒子に対して1wt%を加え、30分間攪拌して、
シリカゾルを粒子に吸着させた。
に湿式分級(水ヒ法)した。分級後の粒子懸濁液に、シ
リカゾル“Snowtex"N(日産化学株式会社製)を固形分
ベースで粒子に対して1wt%を加え、30分間攪拌して、
シリカゾルを粒子に吸着させた。
吸引濾過後、常温で減圧乾燥した。
スライドガラスの15mm四方の中に0.5mgの上記粒子を
均一に散布し、同じスライドガラスでカバーし、クリッ
プで押さえ付けたまま170℃の熱風乾燥機に入れ2時間
キュアリング処理した。その後乾燥機から取り出して測
定した割裂強度は40kg/15mmであった。
均一に散布し、同じスライドガラスでカバーし、クリッ
プで押さえ付けたまま170℃の熱風乾燥機に入れ2時間
キュアリング処理した。その後乾燥機から取り出して測
定した割裂強度は40kg/15mmであった。
その2 “エピコート"828の40gとフェノール系潜在型硬化剤
“エピキュア"171Nの12g(約0.26当量)および界面活性
剤“ノイゲン”(第一工業製薬製)EA 137の4gを300cc
ポリカップにとり、95℃で加熱混合し、透明な相溶体に
した。乳化温度が常温である以外は、その1と同様の方
法でこれを乳化した。
“エピキュア"171Nの12g(約0.26当量)および界面活性
剤“ノイゲン”(第一工業製薬製)EA 137の4gを300cc
ポリカップにとり、95℃で加熱混合し、透明な相溶体に
した。乳化温度が常温である以外は、その1と同様の方
法でこれを乳化した。
このエマルジョンに0.3当量のピペラジンを32ccの水
で希釈した硬化液を加えゆるやかに攪拌して均一化し
た。
で希釈した硬化液を加えゆるやかに攪拌して均一化し
た。
25℃で1〜3rpm程度のゆるやかな攪拌をしながら4日
間放置し、平均粒子径6.5μmの部分硬化球状粒子を得
た。
間放置し、平均粒子径6.5μmの部分硬化球状粒子を得
た。
その1と同様に5.5μm±2μm内に95wt%の粒子が
入るように湿式分級し、その1と同様にシリカゾル“Sn
owtex"Nを固形分で1wt%吸着させた。
入るように湿式分級し、その1と同様にシリカゾル“Sn
owtex"Nを固形分で1wt%吸着させた。
減圧乾燥後の割裂強度は35kg/15mmであった。
その3 エポキシ樹脂接着粒子に含まれるフェノール糸硬化剤
として以下のものが用いられ、いずれも良好なコントラ
スト比を得た。
として以下のものが用いられ、いずれも良好なコントラ
スト比を得た。
メチロン(METHYLON)75/08 G−E社 レジメン(RESIMENE)P97 モンサント社 バルカム(VARCOM) 1281B バルカム社 スーパーベッカサイト 1001 日本ライヒ ホールド社 ヒタノール 4010,4020 日立化成社 実施例2 厚さ100μmの一軸配向ポリエチレンテレフタレート
フィルム(延伸倍率5.5倍)を用いて、片方の表面に高
真空下(2×10-2Toor)、かつ酸素雰囲気下でタングス
テンボートに装填された金属インジウムと金属スズとか
らなる蒸発源(金属スズ12重量%)を抵抗加熱によって
真空蒸着した。得られた導電膜の厚さは850Åであっ
た。次いで150℃で20分間酸化熱処理し、シート抵抗50
Ω、かつ透明なフィルムとした。続いてポリイミド製の
配向膜を形成し、ラビング処理した。
フィルム(延伸倍率5.5倍)を用いて、片方の表面に高
真空下(2×10-2Toor)、かつ酸素雰囲気下でタングス
テンボートに装填された金属インジウムと金属スズとか
らなる蒸発源(金属スズ12重量%)を抵抗加熱によって
真空蒸着した。得られた導電膜の厚さは850Åであっ
た。次いで150℃で20分間酸化熱処理し、シート抵抗50
Ω、かつ透明なフィルムとした。続いてポリイミド製の
配向膜を形成し、ラビング処理した。
以上のようにして得られたフィルムを上板に用い、エ
ポキシ硬化粒子(平均粒子直径2μm)をスペーサに用
い、実施例1のその1のエポキシ系ビーズ状粉末接着剤
を接着剤として用い150℃で2μm間隔で硬化接着させ
た。完成されたセルに強誘電性カイラルスメクティック
液晶を加熱してスメクティックA相として注入した。そ
のスメクティックA相をカイラルスメクティックC相へ
冷却する際に、5〜20℃/hrで徐冷すると同時に2〜8
ボルトの電圧を印加して液晶を均一に配向させた。
ポキシ硬化粒子(平均粒子直径2μm)をスペーサに用
い、実施例1のその1のエポキシ系ビーズ状粉末接着剤
を接着剤として用い150℃で2μm間隔で硬化接着させ
た。完成されたセルに強誘電性カイラルスメクティック
液晶を加熱してスメクティックA相として注入した。そ
のスメクティックA相をカイラルスメクティックC相へ
冷却する際に、5〜20℃/hrで徐冷すると同時に2〜8
ボルトの電圧を印加して液晶を均一に配向させた。
そして第7図のように液晶表示セルを作ったところ、
強誘電性液晶内の微小配向欠陥(zig−zag dislocatio
n)の個数密度は15個/0.16mm2以下であった。また、点
灯・非点灯の最大コントラスト比が得られる最大駆動周
波数fmaxの変動幅と、半選択時に印加される電圧±Vhで
コントラスト比が変化し始める駆動周波数fminの変動幅
との重なりを調べたところ、その重なりの周波数範囲は
2k Hz以下であった。
強誘電性液晶内の微小配向欠陥(zig−zag dislocatio
n)の個数密度は15個/0.16mm2以下であった。また、点
灯・非点灯の最大コントラスト比が得られる最大駆動周
波数fmaxの変動幅と、半選択時に印加される電圧±Vhで
コントラスト比が変化し始める駆動周波数fminの変動幅
との重なりを調べたところ、その重なりの周波数範囲は
2k Hz以下であった。
また、導電膜やフィルムに傷がつくことなく、かつ表
面を湾曲させても虹模様が生じず従来にない良好な液晶
セルが得られた。
面を湾曲させても虹模様が生じず従来にない良好な液晶
セルが得られた。
参考例1 比較例としてアミン系の硬化剤を含むBステージエポ
キシ樹脂粒子を用いて強誘電性液晶電気光学素子を作製
し、コントラスト比を測ってみた。すると、コントラス
ト比は3.0〜4.0に低下しており、配向が乱されているこ
とが判った。
キシ樹脂粒子を用いて強誘電性液晶電気光学素子を作製
し、コントラスト比を測ってみた。すると、コントラス
ト比は3.0〜4.0に低下しており、配向が乱されているこ
とが判った。
アミン系硬化剤含有Bステージエポキシ樹脂粒子とし
て、三井東圧株式会社製商品名“ストラクトボンド"X−
7479−50を90℃で30分加熱してBステージの状態にした
後粉砕して分級して粒径7μmにそろえた不定形の粒子
を用いた。
て、三井東圧株式会社製商品名“ストラクトボンド"X−
7479−50を90℃で30分加熱してBステージの状態にした
後粉砕して分級して粒径7μmにそろえた不定形の粒子
を用いた。
なお、上述した実施例においては、スペーサ粒子およ
びエポキシ樹脂接着粒子を球形に形成しているが楕円球
体や多面体粒子を用いても同様の作用を奏することはい
うまでもない。
びエポキシ樹脂接着粒子を球形に形成しているが楕円球
体や多面体粒子を用いても同様の作用を奏することはい
うまでもない。
また、上述の実施例1においては、基板をガラスによ
り形成しているが、硬質耐熱性の高分子樹脂板材を使用
しても同様の作用を奏する。
り形成しているが、硬質耐熱性の高分子樹脂板材を使用
しても同様の作用を奏する。
[発明の効果] 本第1発明は、強誘電性液晶と、該液晶を挟持するた
めにシール材により対向配置されている2枚の基板と、
基板間隔を一定に保つために基板間隙に分散配置されて
いるスペーサ粒子と、基板上に形成され、該液晶を配向
させるための配向膜と、該液晶に電圧を印加するための
駆動手段よりなる強誘電性液晶素子において、2枚の基
板は、基板間隙に分散配置されている、潜在型硬化剤を
含有するエポキシ樹脂を主成分とする粒子状接着剤によ
り、点状に接合されており、前記強誘電性液晶をスメク
ティックA相からカイラルスメクティックC相へ冷却す
る際に、徐冷すると同時に2〜8ボルトの電圧を印加し
て液晶を配向させることによって、前記強誘電性液晶内
の微小配向欠陥(zig−zag dislocation)の個数密度を
15個/0.16mm2以下にしたものであるから、スペーサ粒子
周辺における微小欠陥がなく、したがって、双安定性
(メモリ性)が非常にすぐれたものとなった。
めにシール材により対向配置されている2枚の基板と、
基板間隔を一定に保つために基板間隙に分散配置されて
いるスペーサ粒子と、基板上に形成され、該液晶を配向
させるための配向膜と、該液晶に電圧を印加するための
駆動手段よりなる強誘電性液晶素子において、2枚の基
板は、基板間隙に分散配置されている、潜在型硬化剤を
含有するエポキシ樹脂を主成分とする粒子状接着剤によ
り、点状に接合されており、前記強誘電性液晶をスメク
ティックA相からカイラルスメクティックC相へ冷却す
る際に、徐冷すると同時に2〜8ボルトの電圧を印加し
て液晶を配向させることによって、前記強誘電性液晶内
の微小配向欠陥(zig−zag dislocation)の個数密度を
15個/0.16mm2以下にしたものであるから、スペーサ粒子
周辺における微小欠陥がなく、したがって、双安定性
(メモリ性)が非常にすぐれたものとなった。
また、本第2発明は、強誘電性液晶およびエポキシ形
ビーズ状粉末接着剤を用いた液晶素子の製造方法におい
て、液晶をスメクティックA相からカイラルスメクティ
ックC相へ冷却する際に、徐冷すると同時に2〜8ボル
トの電圧を印加して液晶を配向させることを特徴とする
ものであるから、前記のように微小配向欠陥がなく双安
定性(メモリ性)がすぐれた強誘電性液晶素子を歩留り
良く効率的に製造することができる。
ビーズ状粉末接着剤を用いた液晶素子の製造方法におい
て、液晶をスメクティックA相からカイラルスメクティ
ックC相へ冷却する際に、徐冷すると同時に2〜8ボル
トの電圧を印加して液晶を配向させることを特徴とする
ものであるから、前記のように微小配向欠陥がなく双安
定性(メモリ性)がすぐれた強誘電性液晶素子を歩留り
良く効率的に製造することができる。
第1図ないし第6図は本発明に係り、第1図は駆動特性
測定用波形図、第2図は微小配向欠陥数と駆動可能周波
数領域との関係を示す図、第3図はfmaxとfminの平均値
とバラツキの直流電圧による変化を示す図、第4図は微
小配向欠陥の平均数と直流電圧との関係を示す図、第5
図は駆動特性の一様性と直流電圧との関係を示す図、第
6図は駆動特性の一様性と徐冷条件の関係を示す図であ
る。また、第7図は従来例の強誘電性液晶素子の一部破
断の斜視図、第8図はその従来例の製造過程を示す図で
ある。
測定用波形図、第2図は微小配向欠陥数と駆動可能周波
数領域との関係を示す図、第3図はfmaxとfminの平均値
とバラツキの直流電圧による変化を示す図、第4図は微
小配向欠陥の平均数と直流電圧との関係を示す図、第5
図は駆動特性の一様性と直流電圧との関係を示す図、第
6図は駆動特性の一様性と徐冷条件の関係を示す図であ
る。また、第7図は従来例の強誘電性液晶素子の一部破
断の斜視図、第8図はその従来例の製造過程を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩佐 浩二 松戸市高塚新田563 セイコー電子工業 株式会社高塚事業所内 (72)発明者 下田 貞之 松戸市高塚新田563 セイコー電子工業 株式会社高塚事業所内 (72)発明者 田口 雅明 松戸市高塚新田563 セイコー電子工業 株式会社高塚事業所内 (72)発明者 岡 紘一郎 大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会 社滋賀事業場内 (56)参考文献 特開 昭62−299815(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】強誘電性液晶と、該液晶を挟持するために
シール材により対向配置されている2枚の基板と、基板
間隔を一定に保つために基板間隙に分散配置されている
スペーサ粒子と、基板上に形成され、該液晶を配向させ
るための配向膜と、該液晶に電圧を印加するための駆動
手段よりなる強誘電性液晶素子において、 2枚の基板は、基板間隙に分散配置されている、潜在型
硬化剤を含有するエポキシ樹脂を主成分とする粒子状接
着剤により、点状に接合されており、 前記強誘電性液晶をスメクティックA相からカイラルス
メクティックC相へ冷却する際に、徐冷すると同時に2
〜8ボルトの電圧を印加して液晶を配向させることによ
って、 前記強誘電性液晶内の微小配向欠陥(zig−zag disloca
tion)の個数密度を15個/0.16mm2以下にしたことを特徴
とする強誘電性液晶素子。 - 【請求項2】強誘電性液晶を用いた液晶素子の製造方法
において、液晶の存在している部分においてエポキシ系
ビーズ状粉末接着剤を用いて2枚の基板を接着し、か
つ、液晶をスメクティックA相からカイラルスメクティ
ックC相へ冷却する際に、徐冷すると同時に2〜8ボル
トの電圧を印加して液晶を配向させることを特徴とする
強誘電性液晶素子の製造方法。 - 【請求項3】特許請求の範囲第(2)項において、液晶
の徐冷速度が、5〜20℃/hrの範囲であることを特徴と
する強誘電性液晶素子の製造方法。 - 【請求項4】特許請求の範囲第(2)項において、印加
する電圧が直流電圧であることを特徴とする強誘電性液
晶素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62109264A JP2614227B2 (ja) | 1987-05-01 | 1987-05-01 | 強誘電性液晶素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62109264A JP2614227B2 (ja) | 1987-05-01 | 1987-05-01 | 強誘電性液晶素子およびその製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8168649A Division JP2690885B2 (ja) | 1996-06-06 | 1996-06-06 | 強誘電性液晶素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63273835A JPS63273835A (ja) | 1988-11-10 |
JP2614227B2 true JP2614227B2 (ja) | 1997-05-28 |
Family
ID=14505762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62109264A Expired - Fee Related JP2614227B2 (ja) | 1987-05-01 | 1987-05-01 | 強誘電性液晶素子およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2614227B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2803786B2 (ja) * | 1989-05-11 | 1998-09-24 | オプトレックス株式会社 | 液晶表示素子 |
JP2690885B2 (ja) * | 1996-06-06 | 1997-12-17 | セイコーインスツルメンツ株式会社 | 強誘電性液晶素子 |
JP7106410B2 (ja) * | 2018-09-24 | 2022-07-26 | シチズンファインデバイス株式会社 | 強誘電性液晶セルの製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62299815A (ja) * | 1986-06-19 | 1987-12-26 | Fujitsu Ltd | 強誘電性液晶表示素子の製造方法 |
-
1987
- 1987-05-01 JP JP62109264A patent/JP2614227B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63273835A (ja) | 1988-11-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |