JPH1143674A - 液晶素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶素子およびその製造方法

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JPH1143674A
JPH1143674A JP9216954A JP21695497A JPH1143674A JP H1143674 A JPH1143674 A JP H1143674A JP 9216954 A JP9216954 A JP 9216954A JP 21695497 A JP21695497 A JP 21695497A JP H1143674 A JPH1143674 A JP H1143674A
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crystal device
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JP9216954A
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Inventor
Tomoko Maruyama
朋子 丸山
Yasushi Asao
恭史 浅尾
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング特性の劣化を防ぎ、再現性に優
れた表示を可能にした液晶素子を提供する。 【解決手段】 一対の基板間に液晶組成物を挟持した液
晶素子であって、該一対の基板の少なくとも一方の前記
液晶組成物と接する側の面に、水と、水以外の水酸基、
カルボキシル基、アミノ基、カルボニル基、スルホ基か
ら選ばれる極性基及び/又は該極性基の解離基を有する
分子とからなる含水分子層を有する液晶素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子や液
晶光シャッター等で用いる液晶素子、特に電気光学特性
を改善した液晶素子、その製造方法及びそれを使用した
液晶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、最も広範に用いられてきたデ
ィスプレイとしてCRTがあったが、近年CRTに変わ
ってパソコンモニター等を中心にテレビやVTR等の動
画出力としても液晶表示素子が幅広く用いられるように
なってきた。
【0003】液晶表示素子の代表的なものとしては、例
えばエム・シャット(M.Schadt)とダブリュー
・ヘルフリッヒ(W.Helfrich)著アプライド
・フィジックス・レターズ(Applied Phys
ics Letters)第18巻、第4号(1971
年2月15日)第127〜第128頁において示された
ツイステッド・ネマチック(twisted nema
tic:TN)液晶を用いたものが知られている。この
TN液晶を用いた液晶素子は、コスト面で優位な単純マ
トリックスタイプのものや、各画素にトランジスタを作
成し応答速度に優れたTFTタイプのものがある。
【0004】さらにTN−TFTタイプよりも高速応答
が可能で低消費電力、かつ大面積化の低コスト化が容易
な液晶素子として強誘電性液晶の屈折率異方性を利用し
て、偏光素子との組み合わせにより透過光線を制御する
型の表示素子がクラーク(Clark)及びラガーウォ
ル(Lagerwall)により提案されている(特開
昭56−107216号公報、米国特許第436792
4号明細書等)。この強誘電性液晶は、一般に特定の温
度域において、カイラルスメクチックC相(SmC*
またはH相(SmH* )を有し、この状態において、加
えられる電界に応答して第一の光学的安定状態と第二の
光学的安定状態のいずれかをとり、かつ電界の印加の無
いときはその状態を維持する性質、すなわち双安定性を
有し、また電界の変化に対する応答も速やかであり、高
速ならびに記憶型の表示素子として幅広い利用が期待さ
れている。
【0005】この双安定を有する液晶を用いた光学変調
素子が所定の素子特性を発揮するためには、一対の平行
基板間に配列される液晶が欠陥のない均一な配向状態で
あり、電界の印加による上記2つの安定状態間での変換
が効率的に起こり、かつ電界を印加していないときはそ
の状態を保持する様な分子配列状態であることが必要で
ある。
【0006】一般に液晶を配向させるには、基板表面に
ポリイミド(PI)、ポリビニルアルコール(PV
A)、ポリアミド(PA)等の水平配向性、或いは傾斜
配向性の高分子膜を形成し、ほぼ同方向にラビング処理
した一対の基板を用いる。特に使用する液晶が強誘電性
液晶である場合、温度降下により、等方相(Iso)→
コレステリック相(Ch)→スメクチックA相(SmA
* )→スメクチックC相(SmC* )の相変化をするも
のであれば配向はCh相において均一化されるため、S
mC* 相での配向が均一になりやすい。
【0007】さらに、相転移がIso相→SmA* 相→
SmC* 相の順で起こる液晶を用いた場合は、Iso相
→SmA* 相の転移(I/A転移)の際、バトネ(一種
の核生成)の発生、成長、結合の過程を踏むため、スメ
クチック相での層法線方向のずれやバトネの結合部に欠
陥等が生じ均一配向を得にくいが、この様なCh層の欠
如した液晶に対しては対向する基板の一方のみを一軸配
向処理し、もう一方の基板は垂直配向処理を施すことで
均一良好な配向が得られる。
【0008】以上のように、液晶の種類によって均一配
向させるのに適した基板構成は異なり、特に用いる液晶
が強誘電性液晶でCh相を持たない場合、一方の基板は
ラビング処理し、他方は垂直配向処理するといった非対
称構成がより有効である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、TN、
TN−TFT、強誘電性液晶と表示素子のタイプが異な
っても共通の課題として焼き付き等に代表されるスイッ
チング特性の経時変化がある。TN、TN−TFTに於
いては原理的に表示中は常に素子に電圧が印加された状
態であり、強誘電性液晶素子ではメモリ状態で自発分極
が液晶内部に電圧を形成するという特性から、保持され
た状態での電界の方向と保持時間に依存したスイッチン
グ特性の変化があり、安定した表示性能を確保できない
という経時劣化の問題がある。
【0010】さらに、従来の表示素子のなかで低消費電
力・高速応答可能な強誘電性液晶に於いて、上述のよう
な上下非対称構成で良好な均一配向を得た表示素子の場
合は2つの安定状態の電気光学的スイッチング特性が非
対称となる(初期の非対称性)問題がある。さらに基板
構成の一層の最適化により初期の非対称性をなくした場
合でも、2つの安定状態の内の一方の状態に放置、ある
いは駆動し続けることによって、スイッチング特性が次
第に非対称となり、著しく表示性能を損なうという問題
がある(非対称性の経時変化)。また、初期の非対称性
を避けるため、対向する基板の両側に同一の配向処理層
を設け、ラビング条件・注入プロセス等のさらなる最適
化により配向性をほぼ均一良好に得られた場合でも経時
的に充分な表示性能を確保するのが極めて困難になる問
題がある(経時劣化)。
【0011】一般には上述の様な駆動特性の変化を引き
起こす理由として以下のように考えられている。
【0012】液晶として強誘電性液晶を用いた場合、強
誘電性液晶素子のスイッチング過程では、外部電界印加
直後の素子の誘電緩和過程、自発分極Psの反転過程、
強誘電性液晶中ないし配向膜中の不純物イオンの変位過
程、外部電界オフ後の素子の緩和過程、反転した自発分
極Psの安定化(ラッチ)過程、不純物イオンの緩和過
程等、様々な時間領域での緩和現象が互いに干渉しあっ
て複雑な時定数系を構成している。また、強誘電性液晶
に電界を印加するためのITOの様な電極と液晶を配向
させるための配向膜としてのラビングされたポリイミド
のような配向膜との界面、及び配向膜と強誘電性液晶層
との界面には、電子、イオン等の電荷に対する障壁、ト
ラップ準位が存在している。その結果、強誘電性液晶素
子の電気光学特性は、光学応答不安定性、初期の非対称
性、経時変化などの改善すべき課題を抱えている。
【0013】図10は、従来の構成の液晶素子に於ける
セル内のイオン電流を示す線図であり、ポリイミド配向
膜を用いた対称構成の強誘電性液晶素子に電圧10V、
周波数1Hzの連続矩型波を印加したときの自発分極に
よる反転電流を観測した後、msecオーダーの時間で
現われる微小な電気変位電流を示したものである。これ
らの電流は一般に自発分極(数十nC/cm2 以下)の
比較的小さい値を持つ強誘電性液晶に共通して観測さ
れ、これは強誘電体の内部に含まれる不純物イオンが液
晶内の一端から他の電極方向に移動する電気変位(電束
密度)の時間微分として検出されたものである。この電
流特性から、イオンが動き出すまでは一般的な指数関数
的に低下する誘電体による吸収電流が観測され(符号I
1 参照)、続いて何らかの発生メカニズムによりイオン
数が増加し(符号I2 参照)、生成したイオンは一方の
端に行き着いた後、その場に留まるため次第に電気変位
電流を低下させるように一つのピークppを伴って観測
される。もしイオンが無限に存在するか、あるいは化学
反応により無限に生成されるならば、この電気変位電流
は一つのピークを持たず、単調増加あるいは一定値を示
すはずである。このことから液晶内のイオンは有限量で
あると仮定すると、何らかの発生メカニズムとは、半導
体の表面や、接合界面に存在する欠陥に類似した準位に
トラップされたイオンが電界によるエネルギーを得て束
縛から開放されるために生じるものと仮定できる。また
この発生メカニズムと同様に電界により移動したイオン
は一方の端に行き着いた後に、発生レートよりも早いレ
ートで上述の準位にトラップされ、その場にイオンが堆
積するものと思われる。
【0014】このようなイオンの生成及びトラップの場
としては、自発分極の電荷が束縛電荷として現われる液
晶−配向制御層界面及び液晶−対向膜(一軸配向処理が
施されていない層)界面が最も大量のイオン生成、消滅
の場となり、また異なる配向の接合点であるシェブロン
構造近辺の領域や配向の不均一な領域(欠陥領域)や配
向膜上に形成したラビング溝の特に乱れた領域や基板上
に形成した等の膜の凹凸部分等が考えられる。
【0015】このイオントラップ現象による空間電荷の
形成はイオンの移動度に関連する電流波形のピーク位置
を示す時間の逆数を印加電圧でプロットすることで調べ
ることができる。この方法を用いると、各電圧でのピー
ク時間の逆数は一本の直線にのり、この直線の傾きが移
動するイオンの移動度を示し、電圧軸の切片が液晶素子
内に形成された空間電場を示している。この方法により
求められた空間電場は温度によって変化するが、−2V
〜+2Vまで変化することが観測されている。
【0016】また、他の要因としては配向膜等の基板界
面に液晶の動きにくい層が存在し、この層に誘電体的な
性質が存在するため、この層が配向膜と同様な反電場を
生じさせていると考えられる。本発明者らの詳細な実験
と検討の結果、この場合の液晶の動きにくい層の厚さは
本発明者らの計算では数〜数十nmの厚さになると予想
される。さらに、TIR(Total Interna
l Reflection)法等の界面液晶層の全反射
による測定を可視光領域(例えばHe−Neレーザー)
(N.A.Clark et.al.“Appl.Ph
ys.Lett.”53,2397,1988)から数
Å領域(X線)(Near−Surface alig
nment of polymers in rubb
ed films/Michael F.Toney
et.al.“NATURE.”vol.374,2
0.1995年4月)まで行うことでより、具体的に界
面の動きにくい液晶層の厚さを数千Åから数十Åのオー
ダーで求めることが出来る。この影響をなくすためには
キャンセルするのに充分なイオンが界面近傍に存在する
こと、あるいはこの層の抵抗値を下げることで時定数を
減少させ駆動時の影響を軽減することが考えられる。ま
た前述の界面近傍の動きにくい液晶層の時定数はインピ
ーダンス・アドミッタンスを用いた集中定数回路法を用
いて同定することができる。
【0017】以上のようにイオンの生成レートとイオン
のトラップレー卜に差があり、さらに上述の生成レート
およびトラップレートにそれぞれ電界依存性が存在する
ことにより、駆動電圧及びリフレッシュ周期のちがいに
よって2カ所存在する強誘電性液晶−配向膜・対向膜界
面に堆積するイオン量に差が生じ、見かけ上液晶内にD
Cバイアスが印加されたようになる。さらに液晶そのも
のも界面近傍の動きにくい層の形成する反電場が見かけ
上液晶内の電界を小さくしスイッチングを妨げ、かつリ
フレッシュ駆動等ではこの層の時定数に応じてやはり見
かけ上液晶内にDCバイアスが印加されたようになる。
【0018】従って、イオンが界面にトラップされるこ
とによる不均一な空間電場を低減すること、さらに界面
の動きにくい液晶層近傍にイオンを充分存在させること
が重要である。例えばITOを平坦化するためにITO
に非晶質材料を用いたり、ラビング溝の乱れに対しては
配向させる手段としての機械的なラビングを用いずに、
光配向を用いる等の方法が考えられる。しかしながらこ
れらの方法ではトラップを若干低減することはできて
も、界面近傍の動きにくい液晶層の時定数を変化させる
ことは出来ず、更に、経時的に液晶内部のイオンが増減
する、あるいは経時的な配向変化により配向膜及び対向
膜と液晶間のトラップ準位そのものが変化する等の影響
を充分に除去することは出来ない。
【0019】しかしながら、上述の課題に対してはイオ
ン性分子及び/または中性分子からなる吸着層を設けて
著しく駆動特性を改善するという優れた発明(特開平6
−342163号公報)がある。その発明によると、ト
ラップ界面となりうる配向膜及び/又は対向膜上に中性
を保つように外部から添加したイオンあるいは中性分子
は深いトラップ準位から浅いトラップ準位へと順にトラ
ップ(吸着)されることで、この電気的な中性条件によ
り、液晶注入後においても両界面で電荷が正あるいは負
の片寄りがないため空間電荷は形成されない。また、ト
ラップ準位は予め埋められているので、駆動による液晶
内の不純物イオンの偏在が生じてもこのイオンはトラッ
プされないかあるいはトラップレートが極めて遅いため
空間電荷を形成するには至らない。また、液晶注入後、
前述の界面近傍の動きにくい液晶層の時定数はイオン性
分子及び/又は中性分子の存在により低下し、同時に、
配向制御層及び/又は対向膜直上よりさらに液晶の内部
に存在すると思われる配向状態微小領域に起因するトラ
ップ準位に関しても、該分子の寄与で駆動による不純物
イオンの移動による影響を極めて少なく押さえることが
出来る。さらに、前記配向状態そのものが徐々にエネル
ギー的に安定化するため配向状態に起因するトラップ準
位及びその分布状態が変化したとしても前述同様イオン
性分子及び/又は中性分子の寄与で駆動による不純物イ
オンの移動による影響を抑制する力を保持できる。以上
述べた様にこのイオン性分子/又は中性分子付与の発明
は原理的にトラップの影響を除去する非常に優れた発明
である。なかでも水分子を用いることは特に化学汚染等
に関しても非常に優れており、且つコストの面でも特に
優位な物質であるといえる。
【0020】しかしながら、配向膜あるいは対向膜とし
て用いる材料によっては単純に加湿あるいは浸水等の手
法で水分子を膜表面に保持しにくいものがあること、ま
た作製直後は保持されているもののその後周囲の環境の
影響を受けやすく蒸発等により膜表面が変化しやすいこ
と、また作製自体も2度3度と同様の手法で同様の環境
を保ち行ったつもりでも、結果がばらつき再現性に劣る
という問題点があった。
【0021】本発明は上述した技術課題に鑑みなされた
ものであり、電気光学的スイッチング特性の劣化を抑制
し、耐久性に優れた再現性の好い高品位の表示を行うこ
とのできる液晶素子を安定して再現性良く提供すること
にある。また、本発明は、その液晶素子の製造方法及び
該液晶素子を用いた液晶装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、一対の
基板間に液晶組成物を挟持した液晶素子であって、該一
対の基板の少なくとも一方の前記液晶組成物と接する側
の面に、水と水以外の分子とからなる含水分子層を有す
ることを特徴とする液晶素子である。
【0023】また、本発明は、一対の基板間に液晶組成
物を挟持した液晶素子の製造方法であって、前記一対の
基板の少なくとも一方に水以外の分子を付着させる工程
と、該付着させた水以外の分子を含水させる工程と、を
少なくとも有することを特徴とする液晶素子の製造方法
である。
【0024】本発明において、前記水以外の分子は、水
酸基、カルボキシル基、アミノ基、カルボニル基、スル
ホ基から選ばれる極性基及び/又は該極性基の解離基を
有する分子であることが好ましい。
【0025】加えて、本発明は、上記液晶素子と該液晶
素子を駆動する手段とを少なくとも有する液晶装置であ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の液晶素子は、一対の基板
間に液晶組成物を挟持した液晶素子であって、該一対の
基板の少なくとも一方の前記液晶組成物と接する側の面
に、水と水以外の分子とからなる含水分子層を有するこ
とを特徴とする。
【0027】本発明の液晶素子によれば、液晶組成物と
基板の界面に親水性に富んだ、水と水以外の分子とから
なる含水分子層を形成することにより、例えば強誘電性
液晶組成物の2つの安定状態の電気光学的スイッチング
特性が非対称となる初期の非対称性を低減するととも
に、電気光学的スイッチング特性の経時劣化が極めて少
なく再現性に優れた表示を行うことができる。また、液
晶組成物と基板の界面に水分子だけを直接付着させる場
合より、含水分子層の形成工程後の基板表面の変化が低
減し、生産性が向上する。
【0028】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。図1は、本発明の液晶素子の一例のセル断面構造を
示す模式図である。図1において、一対の基板1,1a
上にはそれぞれ電極2,2aが設けられており、一方の
電極上には、例えば一軸配向処理が施された配向制御膜
からなる配向膜3が、他方の電極上には、例えば一軸配
向処理が施されていない配向制御膜からなる対向膜4が
それぞれ設けられ、該配向膜3と対向膜4を対面させる
よう基板1,1aを配置してその間に液晶材料6が注入
されている。そして、配向膜3と対向膜4の表面には、
水と水以外の分子とからなる含水分子層5が付着してい
る。また、含水分子層5は配向膜3の表面にのみ付着し
ているものでもよい。
【0029】含水分子層は、水と水以外の分子とからな
り、全体的な分子構造及び立体配置等によってもたらさ
れる包水性となればよく、材料及び特定の結合部位の有
無によって必ずしも決定されるものではないが、特に水
以外の分子の構成分子としてはとりわけ親水基、つまり
静電的相互作用や水素結合等によって水分子と弱い結合
をつくり、水に対して親和性を示す原子団を有するもの
がよい。特に、水以外の分子は、例えば、水酸基(−O
H)、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−N
2 )、カルボニル基(>CO)、スルホ基(−SO3
H)等の極性基及び/又は該極性基の解離基を有する分
子が好ましい。また、前記水以外の分子は、前記極性基
及び/又は該極性基の解離基を2種以上有するものが好
ましい。
【0030】水以外の分子の具体例を示すと、アセト
ン、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、エタ
ノール、ブタノール、プロパノール、ギ酸、酢酸、ジメ
チルアミン、ジエチルアミン、メタンスルホン酸等が挙
げられる。
【0031】また、配向膜3としては、ポリアニリン、
ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリイミド等の有
機化合物が好ましく用いられる。
【0032】また、対向膜4としては、金属酸化物、金
属のシリサイド、酸化シリコン、ポリシロキサン等の無
機化合物あるいは有機化合物が好ましく用いられる。
【0033】更に、一対の基板1,1aとしては、少な
くとも一方が透光性の基板を用いる。透光性の基板とし
てはガラス、石英、樹脂等があり、不透光性の基板とし
ては金属、シリコンウエハー、着色樹脂等がある。
【0034】電極2,2aとしては、酸化錫、酸化イン
ジウム等の透明導電体が好ましく用いられるが、透光性
が要求されないのであれば、Cr、Al、Ta等の金属
であってもよい。
【0035】液晶材料6としては、カイラルスメクチッ
ク相を呈するカイラルスメクチック液晶組成物、ネマチ
ック液晶や強誘電性液晶が好ましく用いられる。
【0036】前記カイラルスメクチック相を呈する液晶
組成物は、コレステリック相を呈さない液晶組成物、お
よび強誘電性を示す液晶組成物において有効である。と
りわけ、ラビング処理を少なくとも一方の基板の表面に
施すことで、得られた液晶素子の層傾斜角8°以下と
し、スメクチック相が屈折しないいわゆるブックシェル
フ配向をもつ液晶素子、あるいはプレチルト角を10°
以上とし、スメクチック相が屈折するいわゆるシェブロ
ン配向をもつ液晶素子に特に有効である。
【0037】代表的液晶材料はフッ素系の液晶材料であ
り、後者の代表例はフェニルピリミジン(Phenyl
pyrimidine)骨格の液晶及びこれを主成分と
する混合液晶である。
【0038】本発明において用いられるカイラルスメク
ティック液晶組成物には、コレステリック相を持たず、
且つスメクティックA相からカイラルスメクティックC
相に移る温度近傍で層間隔が減少し始める第1の変移点
における層間隔(d)と、該第1の変移点からの温度
降下に伴って上記層間隔が減少し再び増加に転ずる第2
の変移点における層間隔の極小値(dmin)との関係
【0039】
【数1】0.990≦dmin /d を満たす液晶組成物が用いられ、該カイラルスメクティ
ック液晶組成物を用いることにより、ブックシェルフ或
いはそれに近い層傾き角の小さな構造を発現することが
できる。このカイラルスメクティック液晶組成物の具体
例としては、例えば、「次世代液晶ディスプレイと液晶
材料」((株)シーエムシー、福田敦夫編、1992
年)等に記載されているものが挙げられる。
【0040】また、本発明において用いられるカイラル
スメクティック液晶組成物としては、好ましくはフルオ
ロカーボン末端部分及び炭化水素末端部分を有し、該両
末端部分が中心核によって結合され、スメクティック中
間相又は潜在的スメクティック中間相を持つフッ素含有
液晶化合物を含有するものが望ましい。
【0041】前記フッ素含有液晶化合物としては、フル
オロカーボン末端部分が、−D1−Cxa2xa−Xで表わ
される基、(但し、上記式中xaは1〜20であり、X
は−H又は−Fを表わし、D1は、−CO−O−(C
2ra−、−O−(CH2ra−、−(CH2ra−、
−O−SO2−、−SO2−、−SO2−(CH2ra−、
−O−(CH2ra−O−(CH2rb−、−(CH2
ra−N(Cpa2pa+1)−SO2−、又は−(CH2ra
−N(Cpa2pa+1)−CO−を表わす。raおよびr
bは、独立に1〜20であり、paは0〜4であ
る。)、或いは、−D2−(Cxb2xb−O)za−Cya
2ya+1で表わされる基、(但し、上記式中xbはそれぞ
れの(Cxb2xb−O)に独立に1〜10であり、ya
は1〜10であり、zaは1〜10であり、D2は、−
CO−O−Crc2rc−、−O−Crc2rc−、−Crc
2rc−、−O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−
O−SO2−、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−C
rc2rc−N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc
N(Cpb2pb+1)−CO−、単結合から選ばれ、rc
及びrdは独立に1〜20であり、saはそれぞれの
(Csa2sa−O)に独立に1〜10であり、taは1
〜6であり、pbは0〜4である。)であるような化合
物を用いることができる。
【0042】特に好ましくは、下記の一般式(I)、或
いは(II)で表わされるフッ素含有液晶化合物を用い
ることができる。
【0043】
【化5】 式中、A1、A2、A3は、それぞれ独立に、
【0044】
【化6】 を表わす。
【0045】ga、ha、iaは独立に0〜3の整数
(但し、ga+ha+iaは少なくとも2である)を表
わす。夫々のL1とL2は独立に、単結合、−CO−O
−、−O−CO−、−COS−、−S−CO−、−CO
−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−Te−
CO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C
−、−CH=N−、−N=CH−、−CH2−O−、−
O−CH2−、−CO−又は−O−を表わす。
【0046】夫々のX1、Y1、Z1はA1、A2、A3の置
換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
I、−OH、−OCH3、−CH3、−CN、又は−NO
2を表わし、夫々のja、ma、naは独立に0〜4の
整数を表わす。J1は、−CO−O−(CH2ra−、−
O−(CH2ra−、−(CH2ra−、−O−SO
2−、−SO2−、−SO2−(CH2ra−、−O−(C
2ra−O−(CH2rb−、−(CH2ra−N(C
pa2pa+1)−SO2−、又は−(CH2ra−N(Cpa
2pa+1)−CO−を表わす。ra及びrbは、独立に
1〜20であり、paは0〜4である。
【0047】R1は、−O−Cqa2qa−O−Cqb
2qb+1、−Cqa2qa−O−Cqb2qb+1、−Cqa2qa
3、−O−Cqa2qa−R3、−CO−O−Cqa2qa
3、又は−O−CO−Cqa2qa−R3を表わし、直鎖
状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R3は、−
O−CO−Cqb2qb+1、−CO−O−Cqb2qb+1、−
H、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−CNを表わ
し、qa及びqbは独立に1〜20である)。R2はC
xa2xa−Xを表わす(Xは−H又は−Fを表わし、x
aは1〜20の整数である)。
【0048】
【化7】 式中、A4、A5、A6は、それぞれ独立に、
【0049】
【化8】 を表わす。
【0050】gb、hb、ibはそれぞれ独立に0〜3
の整数(但し、gb+hb+ibは少なくとも2であ
る)を表わす。夫々のL3、L4は独立に、単結合、−C
O−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO
−、−CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te
−、−Te−CO−、−(CH2CH2ka−(kaは1
〜4)、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、
−N=CH−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO
−又は−O−を表わす。
【0051】夫々のX2、Y2、Z2はA4、A5、A6の置
換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
I、−OH、−OCH3、−CH3、−CF3、−OC
3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々のjb、m
b、nbは独立に0〜4の整数を表わす。
【0052】J2は、−CO−O−Crc2rc−、−O−
rc2rc−、−Crc2rc−、−O−(Csa2sa
O)ta−Crd2rd−、−O−SO2−、−SO2−、−
SO2−Crc2rc−、−Crc2rc−N(Cpb2pb+1
−SO2−、−Crc2rc−N(Cpb2pb+1)−CO−
であり、rc及びrdは独立に1〜20であり、saは
それぞれの(Csa2sa−O)に独立に1〜10であ
り、taは1〜6であり、pbは0〜4である。
【0053】R4は、−O−(Cqc2qc−O)wa−Cqd
2qd+1、−(Cqc2qc−O)wa−Cqd2qd+1、−C
qc2qc−R6、−O−Cqc2qc−R6、−CO−O−C
qc2qc−R6、又は−O−CO−Cqc2qc−R6を表わ
し、直鎖状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R
6は−O−CO−Cqd2qd+1、−CO−O−Cqd
2qd+1、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−CN、又
は−Hを表わし、qc及びqdは独立に1〜20の整
数、waは1〜10の整数である)。R5は(Cxb2xb
−O)za−Cya2ya+1で表わされる(但し、上記式中
xbはそれぞれの(Cxb2xb−O)に独立に1〜10
であり、yaは1〜10であり、zaは1〜10であ
る)。
【0054】上記一般式(I)で表わされる化合物は、
特開平2−142753号公報、米国特許第5,08
2,587号に記載の方法によって得ることができる。
かかる化合物の具体例を以下に列挙する。
【0055】
【化9】
【0056】
【化10】
【0057】
【化11】
【0058】
【化12】
【0059】
【化13】
【0060】
【化14】
【0061】
【化15】
【0062】
【化16】
【0063】
【化17】
【0064】
【化18】
【0065】
【化19】
【0066】
【化20】
【0067】上記一般式(II)で表わされる化合物
は、国際公開WO93/22396、特表平7−506
368号公報に記載の方法によって得ることができる。
かかる化合物の具体例を以下に列挙する。
【0068】
【化21】
【0069】
【化22】
【0070】
【化23】
【0071】
【化24】
【0072】
【化25】
【0073】本発明においては、特にカイラルスメクテ
ィック液晶組成物はフルオロカーボン未端部分中に少な
くとも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶
化合物を50重量%以上含有する液晶組成物が好まし
い。
【0074】さらに、その他の構成成分としての光学活
性の液晶性化合物の具体例として、以下の構造のものが
挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0075】○ 下記の一般式(III)で表される化
合物。
【0076】
【化26】
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】上述した一般式(III)の化合物の具体
例において用いた略号は以下の通りである。
【0083】
【化27】
【0084】
【化28】
【0085】○ 下記の一般式(IV)で表される化合
物。
【0086】
【化29】
【0087】
【表6】
【0088】
【表7】
【0089】
【表8】
【0090】
【表9】
【0091】
【表10】
【0092】上述した一般式(IV)の化合物の具体例
において用いた略号は以下の通りである。
【0093】
【化30】
【0094】
【化31】
【0095】
【化32】
【0096】
【化33】
【0097】
【化34】
【0098】
【化35】
【0099】 n=6,2R,5R n=6,2S,5R n=4,2R,5R n=4,2S,5R n=3,2R,5R n=2,2R,5R n=2,2S,5R n=1,2R,5R n=1,2S,5R
【0100】
【化36】
【0101】 n=1 n=2 n=3 n=4 n=6 n=10
【0102】
【化37】
【0103】 n=8 n=10
【0104】
【化38】
【0105】
【化39】
【0106】
【化40】
【0107】
【化41】
【0108】
【化42】
【0109】
【化43】
【0110】次に本発明の好適な実施形態とその製造方
法について述べる。本発明の液晶素子の製造方法は、一
対の基板間に液晶組成物を挟持した液晶素子の製造方法
であって、前記一対の基板の少なくとも一方に水以外の
分子を付着させる工程と、該付着させた水以外の分子を
含水させる工程と、を少なくとも有することを特徴とす
る。
【0111】その具体的な方法は、まず、一対の基板上
に電極及び、それぞれ配向膜(配向制御層)と対向膜
(対向層)を形成する。次に、必要に応じてスペーサや
接着用ビーズを各々の基板の配向膜と対向膜上に分散さ
せた後、2枚の基板を貼合せる。こうして、液晶の配置
されていない「空セル」を用意する。そして、空セル内
部に、水に対して親和性を示す原子団を有するもの、す
なわち前述の水酸基、カルボキシル基、アミノ基、カル
ボニル基、スルホ基から選ばれる極性基及び/又は該極
性基の解離基を有する水以外の分子を付着させる。付着
させる工程は、配向膜と対向膜を形成した後、あるいは
スペーサや接着用ビーズを分散させた後、或いは空セル
を作成した後のいずれでもよい。
【0112】付着方法としては、基板に所望の配向膜あ
るいは対向膜を形成した後、溶媒中に溶かした付着分子
をスピンコート法等で塗布する、あるいは付着させる分
子を例えば加熱して液体状態で塗布する、あるいは付着
させる分子が室温付近で液状であればそのまま塗布す
る、あるいは分子を水で希釈した溶液に浸水するととも
に必要に応じて加熱する、あるいは加熱・減圧等によっ
て蒸発・揮発させることで付着・吸着させる、さらには
空セルの状態で加熱・減圧等によって付着・吸着させる
等の方法がある。また、含水させる工程は前述の水以外
の分子層形成後、基板あるいは空セルの状態で例えば飽
和水蒸気中に保つ、あるいは水以外の分子の材料によっ
ては付着前に適量の水を溶かす、あるいは水蒸気にさら
す等の方法で含水させた後、スピンコート法等によって
含水分子層を形成しても良い。
【0113】こうして、水以外の分子の付着及び該分子
の含水処理を行った後に、液晶材料を注入口より空セル
内に注入する。注入工程に於いては、まず液晶材料を加
熱して等方相(Iso相)又はコレステリック相(Ch
相)に保持したものを注入口より空セル内に注入する。
注入環境としての気圧は工程を加速するために減圧注入
をしてもよいが、付着した水以外の分子そのもの及び含
水させた水分子が脱離する恐れがあるので、常圧で注入
を行うのがより望ましい。その後、空セルを徐々に降温
させてスメクチック相(Sm相)に転移させる。
【0114】以上、スメクチック液晶素子を得る注入工
程を説明したが、TN液晶等に関しても同様な方法でネ
マチック液晶素子を得られる。
【0115】以上は強誘電性液晶を用いた液晶素子を例
に挙げてそのメカニズム及び好ましい実施形態、製造方
法を詳細に説明したが、本発明の水以外の分子層を含水
した含水分子層によって、膜のトラップ準位の消滅及び
界面近傍のイオン偏在の緩和を安定して実現する技術思
想は強誘電性液晶に限定されることはなく、様々な液晶
材料とその液晶を配向させるための配向膜及び/又は配
向能を持たない対向膜を用いた液晶素子に適応が可能で
ある。
【0116】本発明の液晶素子は種々の機能をもった液
晶装置を構成するが、そのもっとも適した例が該液晶素
子を表示パネル部に使用し、図2および図3に示した走
査線アドレス情報を持つ画像情報からなるデータフォー
マット及びSYN信号による通信同期手段をとることに
より、液晶表示装置を実現するものである。
【0117】図中の符号はそれぞれ以下の通りである。 101 カイラルスメクチック液晶表示装置 102 グラフィックコントローラー 103 表示パネル 104 走査線駆動回路 105 情報線駆動回路 106 デコーダ 107 走査線信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
【0118】画像情報の発生は本体装置のグラフィック
コントローラー102にて行われ、図2及び図3に示し
た信号伝達手段に従って表示パネル103へと転送され
る。グラフィックコントローラー102はCPU(中央
演算装置、GCPU 112と略す。)及びVRAM
(画像情報格納用メモリ)114を核にホストCPU1
13と液晶表示装置101間の画像情報の管理や通信を
司っている。なお、該表示パネルの裏面には、光源が配
置されている。
【0119】本発明における表示装置は表示媒体である
液晶素子が前述したように良好なスイッチング特性を有
するため、優れた駆動特性、信頼性を発揮し、高精細、
高速、大面積の表示画像を得ることができる。
【0120】本発明の液晶素子の一例であるカイラルス
メクティック液晶素子の駆動法としては、たとえば特開
昭59−193426号公報、特開昭59−19342
7号公報、特開昭60−156046号公報、特開昭6
0−156047号公報などに開示された駆動法を適用
することができる。
【0121】図6は、駆動法の波形図の1例を示す図で
ある。また、図5は、マトリクス電極を配置した強誘電
性液晶パネルの一例を示す平面図である。図5の液晶パ
ネル51には、走査電極群52の走査線と情報電極群5
3のデータ線とが互いに交差して配線され、その交差部
の走査線とデータ線との間には強誘電性液晶が配置され
ている。
【0122】図6(A)中のSは選択された走査線に
印加する選択走査波形を、Sは選択されていない非選
択走査波形を、Iは選択されたデータ線に印加する選
択情報波形(黒)を、Iは選択されていないデータ線
に印加する非選択情報信号(白)を表している。また、
図中(I−S)と(I−S)は選択された走査
線上の画素に印加する電圧波形で、電圧(I−S
が印加された画素は黒の表示状態をとり、電圧(I
)が印加された画素は白の表示状態となる。
【0123】図6(B)は図6(A)に示す駆動波形
で、図4に示す表示を行った時の時経列波形である。図
6に示す駆動例では、選択された走査線上の画素に印加
される単一極性電圧の最小印加時間Δtが書き込み位相
の時間に相当し、1ラインクリアt位相の時間2
Δtに設定されている。さて、図6に示した駆動波形の
各パラメータV、V、Δtの値は使用する液晶材料
のスイッチング特性によって決定される。
【0124】図7は後述するバイアス比を一定に保った
まま駆動電圧(V+V)を変化させた時の透過率T
の変化、すなわちV−T特性を示したものである。ここ
ではΔt=50μsec、バイアス比V/(V+V
)=1/3に固定されている。図7の正側は図6で示
した(I−S)、負側は(I−S)で示した波
形が印加された際の(V+V)と最終的な透過率の
関係を示す。
【0125】ここで、V、Vをそれぞれ実駆動閾値
電圧及びクロストーク電圧と呼ぶ。また、V<V
の時に、(V−V)/(V+V)を電圧可
変マージン(ΔV)と呼び、マトリックス駆動可能な電
圧幅の重要なパラメーターとなる。
【0126】Vは強誘電性液晶表示素子駆動上、一般
的に存在すると言ってよい。具体的には図6(A)(I
−S)の波形におけるVによるスイッチングを起
こす電圧値である。もちろん、バイアス比を大きくする
ことにより、Vの値を大きくすることは可能である
が、バイアス比を増すことは情報信号の振幅を大きくす
ることを意味し、画質的にはちらつきの増大、コントラ
ストの低下を招き好ましくない。
【0127】本発明者らの検討ではバイアス比1/3〜
1/4程度が適当であった。ところでバイアス比を固定
すれば、電圧マージンΔVは液晶材料のスイッチング特
性及び素子構成に強く依存し、ΔVの大きい素子がマト
リクス駆動上非常に有利であることは言うまでもない。
【0128】また同様に、駆動電圧を固定し、電圧印加
時間Δtを変化させていくときには、電圧印加時間閾値
をΔtとし、電圧印加時間クロストーク値をΔt2
して、(Δt−Δt)/(Δt+Δt)を電圧
印加時間マージンとする。
【0129】ある一定温度においては、このように情報
信号の2通りの向きによって選択画素に黒及び白の2状
態を書き込むことが可能であり、非選択画素はその黒ま
たは白の状態を保持することが可能である電圧マージン
または電圧印加時間マージンは液晶材料及び素子構成に
よって差があり、特有なものである。また、環境温度の
変化によってもそれら駆動マージンは異なるため、実際
の表示装置の場合、液晶材料、素子構成や環境温度に対
して最適な駆動条件を設定しておく必要がある。
【0130】
【実施例】次に本発明の実施例について具体的に述べ
る。
【0131】実施例1 本実施例は図1に示した断面図と同じ構成のセルを以下
の通り作製した。
【0132】各々透明電極2、2aを表面に有する厚さ
lmmの2枚のガラス基板1、1aを洗浄した後、一枚
の基板1には下記の繰り返し単位を有するポリイミド前
駆体
【0133】
【化44】
【0134】をスピナーにて塗布し、約80℃で5分間
の前乾燥を行ったのち、200℃で1時間加熱焼成して
約50Åの厚さにポリイミド配向膜3を形成しナイロン
布によるラビングによって一軸配向処理を施した。
【0135】もう一枚の基板1aには対向膜4をラダー
型のポリシロキサンの母材中にSnOxの酸化物微粒子
(平均粒径100Å)を分散した固形分濃度10wt%
のエタノール溶液をスピンコート法により塗布し、80
℃、5分間の前乾燥を行った後、200℃で1時間加熱
焼成して約2000Åの厚さに形成した。この配向膜上
に水以外の分子としてアセトンをスピンコート法によっ
て塗布し、次に平均粒径2.4μmのシリカビーズを散
布した後、2枚の基板を配向膜と対向膜が向かい合うよ
うに配置し、ギャップ2.0μmの空セルを作製した。
【0136】次に、こうして作製した空セルと、水を適
量含むビーカーを同一オーブン内にいれ、8時間、約1
00℃に保持しセル内の配向膜及び対向膜上に水分子を
付着させた。次に、液晶相が等方液体相になる温度に上
記液晶材料を保持してセル内に液晶を注入した。
【0137】用いた液晶材料はフッ素系液晶材料(液晶
組成物M)で、下記の相転移系列を示す。
【0138】
【化45】
【0139】
【化46】
【0140】本液晶組成物Mの物性パラメーターを以下
に示す。
【0141】
【数2】
【0142】
【表11】
【0143】その後、徐冷してカイラルスメクチックC
相を発現させ、プレチルト3°以下のブックシェルフ配
向が得られた。
【0144】〈非対称性の測定〉本実施例により作製し
たセルの電極に可変電圧の駆動パルスを印加して透過率
を測定する。
【0145】2つのスイッチング方向について全暗(全
黒)状態から全明(全白)状態となる向きの印加電圧・
透過率特性(V−T特性)を測定し、透過率がそれぞれ
50%となる電圧値を求め、その電圧差を非対称性とす
る。図8(b)は上記V−T特性の測定に用いるパルス
波形であり、初期状態が全暗(あるいは全明)状態とな
るようにするためのリセットパルス、図8(a)は所定
の透過率を呈するための可変電圧の駆動パルスである。
まず、セルの電極に全黒状態となるように図2(b)の
リセットパルスを繰り返し5秒間印加した後、所定の電
圧値Vdをもつ駆動パルス(a)を印加してそのときの
透過率を求めた。同様にして電圧値Vdを徐々に大きく
なるように設定された駆動パルスをそれぞれ印加して透
過率を0%から100%までの範囲で測定した。その結
果を図8(c)のカーブClに示す。
【0146】次に電界印加方向を逆にして(b)のパル
スが印加された状態が全暗になるようにセルを配置し直
し、上記と同様にVdを徐々に大きくして透過率を0%
から100%までの範囲で測定した。その結果を図8
(c)のカーブC2に示す。この様にして得られた透過
率50%における両カーブCl、C2の電圧値の差分
h、即ち非対称性は0.lVという小さな値だった。ま
たClカーブ測定時の全暗、即ち50%透過率を得るた
めの電界しきい値の高い方の安定状態のまま1週間放置
した後、同様の測定を行ったところ非対称性は0.2V
となりあまり変わらなかった。後日3回に渡って、同様
の製造方法で液晶素子を作製し同様の測定を行ったとこ
ろ、初期の非対称性及び1週間後の非対称性は各々、
0.1±0.lV、0.2±0.lVの範囲であった。
【0147】比較例1 分子付着工程及び含水工程を行わず、他は実施例1と同
じ構成のセルを作製し、上述の方法で非対称性を求め
た。その結果は0.7Vという大きな値だった。
【0148】さらに上記と同様に、電界しきい値の高い
方の安定状態のまま1週間放置したのち同様の測定を行
ったところ、非対称性は1.2Vとなり変化も大きかっ
た。実施例1と同様に、後3回に渡って、同様の製造方
法で液晶素子を作製し同様の測定を行ったところ、初期
の非対称性及び1週間後の非対称性は各々、0.7±
0.3V、1.2±0.4Vとなり実施例1に比較して
再現性に劣った。
【0149】実施例2 図9は図1と同様な配向膜3を上下に有する上下対称な
空セルを、成膜工程は実施例1と同様にして作製した。
次にこの空セルを脱ガスした後、下記の構造式(A)に
示す構造の分子をガラス皿に適量乗せたものを空セルと
同一オーブン内に入れ、約5時間、140℃に保持し、
空セル内の対向する2枚の配向膜上に水以外の分子とし
て付着させた。
【0150】
【化47】
【0151】次に、実施例1と同様にして、該付着分子
に含水処理を施し、次に液晶相が等方液体相になる温度
に上記の液晶材料を保持してセル内に液晶を注入した。
次に前述の方法で初期の非対称性を測定したところ0.
0Vだった。
【0152】さらに一方の安定状態に1週間放置したの
ち、同様の測定を行ったところ非対称性は0.2Vとな
り極めて変化が小さかった。後日3回に渡って、同様の
製造方法で液晶素子を作製し同様の測定を行ったとこ
ろ、初期の非対称性及び1週間後の非対称性は各々、
0.0±0.0V、0.2±0.lVの範囲であった。
【0153】比較例2 付着工程を除いて実施例2と同様の構成の上下対称な液
晶素子を作製し、上述の方法で初期の非対称性を測定し
たところ0.0Vだった。さらに一方の安定状態に1週
間放置したのち、同様の測定を行ったところ0.7Vと
なり変化が大きかった。実施例2と同様に、後3回に渡
って、同様の製造方法で液晶素子を作製し同様の測定を
行ったところ、初期の非対称性及び1週間後の非対称性
は各々、0.0±0.3V、1.2±0.4Vとなり実
施例2に比較して再現性に劣った。
【0154】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の液晶素子に
よれば、トラップ領域となりうる配向膜及び/又は対向
膜と液晶の界面に液晶中に混入されたとしても液晶の特
性には影響を与えないだけでなく、化学汚染を起こさず
低コストの水と水以外の分子とからなる含水分子層を安
定に存在させ、これによって液晶内部の経時的な不純物
イオンの増減、あるいは配向変化等に由来すると思われ
る、液晶素子のスイッチング特性の劣化を防ぎ、再現性
に優れた表示を可能にした効果が得られる。
【0155】また、本発明の製造方法によれば、上記の
液晶素子を容易に得ることができる効果がある。さら
に、本発明の液晶素子を用いることによって表示品位、
信頼性の高い表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による液晶素子のセルの断
面構成を示す模式図である。
【図2】本発明のカイラルスメクチック液晶組成物を用
いた液晶素子を備えた表示装置とグラフィックコントロ
ーラを示すブロック図である。
【図3】表示装置とグラフィックコントローラとの間の
画像情報通信タイミングチャートを示す図である。
【図4】図6に示す時系列駆動波形で実際の駆動を行っ
たときの表示パターンの模式図である。
【図5】マトリクス電極を配置した強誘電性液晶パネル
の一例の平面図である。
【図6】本発明で用いた駆動法の波形図の一例である。
【図7】本発明にかかる、駆動電圧を変化させたときの
透過率の変化を示すグラフ(V−T特性図)である。
【図8】非対称性の測定に用いられる印加パルスの波形
を示す線図である。
【図9】本発明の別の一実施例の形態による液晶素子の
セルの断面構成を示す模式図である。
【図10】従来の構成の液晶素子に於けるセル内のイオ
ン電流を示す線図である。
【符号の説明】
1,1a 基板 2,2a 電極 3 配向膜 4 対向膜 5 含水分子層 6 液晶材料 51 液晶パネル 52 走査電極群 53 情報電極群 101 カイラルスメクチック液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動回路 105 情報線駆動回路 106 デコーダ 107 走査信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板間に液晶組成物を挟持した液
    晶素子であって、該一対の基板の少なくとも一方の前記
    液晶組成物と接する側の面に、水と水以外の分子とから
    なる含水分子層を有することを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 前記水以外の分子は、水酸基、カルボキ
    シル基、アミノ基、カルボニル基、スルホ基から選ばれ
    る極性基及び/又は該極性基の解離基を有する分子であ
    ることを特徴とする請求項1記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記水以外の分子は、前記極性基及び/
    又は該極性基の解離基を2種以上有することを特徴とす
    る請求項2記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記液晶組成物が、カイラルスメクチッ
    ク相を呈する液晶組成物である請求項1乃至3のいずれ
    かの項に記載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 前記液晶組成物が、コレステリック相を
    呈さない液晶組成物である請求項4記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記液晶組成物が、強誘電性を示す液晶
    組成物である請求項1乃至5のいずれかの項に記載の液
    晶素子。
  7. 【請求項7】 前記液晶組成物が、フルオロカーボン末
    端部分及び炭化水素末端部分を有し、該両末端部分が中
    心核によって結合され、スメクチック中間相又は潜在的
    スメクチック中間相を持つフッ素含有液晶化合物を含有
    する請求項1乃至6のいずれかの項に記載の液晶素子。
  8. 【請求項8】 前記フッ素含有液晶化合物におけるフル
    オロカーボン末端部分が、−D1−Cxa2xa−Xで表わ
    される基である請求項7記載の液晶素子。(但し、上記
    式中xaは1〜20であり、Xは−H又は−Fを表わ
    し、D1は、−CO−O−(CH2ra−、−O−(CH
    2ra−、−(CH2ra−、−O−SO2−、−SO
    2−、−SO2−(CH2ra−、−O−(CH2ra−O
    −(CH2rb−、−(CH2ra−N(Cpa2pa+1
    −SO2−、又は−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−
    CO−を表わす。raおよびrbは、独立に1〜20で
    あり、paは0〜4である。)
  9. 【請求項9】 前記フッ素含有液晶化合物におけるフル
    オロカーボン末端部分が、−D2−(Cxb2xb−O)za
    −Cya2ya+1で表わされる基である請求項7記載の液
    晶素子。(但し、上記式中xbはそれぞれの(Cxb
    2xb−O)に独立に1〜10であり、yaは1〜10で
    あり、zaは1〜10であり、D2は、−CO−O−C
    rc2rc−、−O−Crc2rc−、−Crc2rc−、−O
    −(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−O−SO
    2−、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−Crc2rc
    −N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc−N(C
    pb2pb+1)−CO−、単結合から選ばれ、rc及びr
    dは独立に1〜20であり、saはそれぞれの(Csa
    2sa−O)に独立に1〜10であり、taは1〜6であ
    り、pbは0〜4である。)
  10. 【請求項10】 前記フッ素含有液晶化合物が、下記の
    一般式(I)で表わされる請求項7記載の液晶素子。 【化1】 [式中、A1、A2、A3は、それぞれ独立に、 【化2】 を表わす。ga、ha、iaは独立に0〜3の整数(但
    し、ga+ha+iaは少なくとも2である)を表わ
    す。夫々のL1とL2は独立に、単結合、−CO−O−、
    −O−CO−、−COS−、−S−CO−、−CO−S
    e−、−Se−CO−、−CO−Te−、−Te−CO
    −、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−
    CH=N−、−N=CH−、−CH2−O−、−O−C
    2−、−CO−又は−O−を表わす。夫々のX1
    1、Z1はA1、A2、A3の置換基であり、独立に−
    H、−Cl、−F、−Br、−I、−OH、−OC
    3、−CH3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々の
    ja、ma、naは独立に0〜4の整数を表わす。J1
    は、−CO−O−(CH2ra−、−O−(CH2
    ra−、−(CH2ra−、−O−SO2−、−SO2−、
    −SO2−(CH2ra−、−O−(CH2ra−O−
    (CH2rb−、−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−
    SO2−、又は−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−C
    O−を表わす。ra及びrbは、独立に1〜20であ
    り、paは0〜4である。R1は、−O−Cqa2qa−O
    −Cqb2qb+1、−Cqa2qa−O−Cqb2qb+1、−C
    qa2qa−R3、−O−Cqa2qa−R3、−CO−O−C
    qa2qa−R3、又は−O−CO−Cqa2qa−R3を表わ
    し、直鎖状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R
    3は、−O−CO−Cqb2qb+1、−CO−O−Cqb
    2qb+1、−H、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−C
    Nを表わし、qa及びqbは独立に1〜20である)。
    2はCxa2xa−Xを表わす(Xは−H又は−Fを表わ
    し、xaは1〜20の整数である)。]
  11. 【請求項11】 前記フッ素含有液晶化合物が、下記の
    一般式(II)で表わされる請求項7記載の液晶素子。 【化3】 [式中、A4、A5、A6は、それぞれ独立に、 【化4】 を表わす。gb、hb、ibはそれぞれ独立に0〜3の
    整数(但し、gb+hb+ibは少なくとも2である)
    を表わす。夫々のL3、L4は独立に、単結合、−CO−
    O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−
    CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−T
    e−CO−、−(CH2CH2ka−(kaは1〜4)、
    −CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−N=C
    H−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO−又は−
    O−を表わす。夫々のX2、Y2、Z2はA4、A5、A6
    置換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
    I、−OH、−OCH3、−CH3、−CF3、−OC
    3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々のjb、m
    b、nbは独立に0〜4の整数を表わす。J2は、−C
    O−O−Crc2rc−、−O−Crc2rc−、−Crc
    2rc−、−O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−
    O−SO2−、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−C
    rc2rc−N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc
    N(Cpb2pb+1)−CO−であり、rc及びrdは独
    立に1〜20であり、saはそれぞれの(Csa2sa
    O)に独立に1〜10であり、taは1〜6であり、p
    bは0〜4である。R4は、−O−(Cqc2qc−O)wa
    −Cqd2qd+1、−(Cqc2qc−O)wa−C
    qd2qd+1、−Cqc2qc−R6、−O−Cqc2qc
    6、−CO−O−Cqc2qc−R6、又は−O−CO−
    qc2qc−R6を表わし、直鎖状、分岐状のいずれであ
    っても良い(但し、R6は−O−CO−Cqd2qd+1、−
    CO−O−Cqd2qd+1、−Cl、−F、−CF3、−N
    2、−CN、又は−Hを表わし、qc及びqdは独立
    に1〜20の整数、waは1〜10の整数である)。R
    5は、(Cxb2xb−O)za−Cya2ya+1で表わされる
    (但し、上記式中xbはそれぞれの(Cxb2xb−O)
    に独立に1〜10であり、yaは1〜10であり、za
    は1〜10である)。]
  12. 【請求項12】 一対の基板間に液晶組成物を挟持した
    液晶素子の製造方法であって、前記一対の基板の少なく
    とも一方に水以外の分子を付着させる工程と、該付着さ
    せた水以外の分子を含水させる工程と、を少なくとも有
    することを特徴とする液晶素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記水以外の分子は、水酸基、カルボ
    キシル基、アミノ基、カルボニル基、スルホ基から選ば
    れる極性基及び/又は該極性基の解離基を有する分子で
    あることを特徴とする請求項12記載の液晶素子の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至11のいずれかの項に記
    載の液晶素子と該液晶素子を駆動する手段とを少なくと
    も有する液晶装置。
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