JPH09169976A - 液晶素子及び液晶装置 - Google Patents

液晶素子及び液晶装置

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JPH09169976A
JPH09169976A JP8276395A JP27639596A JPH09169976A JP H09169976 A JPH09169976 A JP H09169976A JP 8276395 A JP8276395 A JP 8276395A JP 27639596 A JP27639596 A JP 27639596A JP H09169976 A JPH09169976 A JP H09169976A
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JP
Japan
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liquid crystal
independently
smectic
fluorine
compound
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JP8276395A
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English (en)
Inventor
Masahiro Terada
匡宏 寺田
Koichi Sato
公一 佐藤
Nobutsugu Yamada
修嗣 山田
Kenji Shinjo
健司 新庄
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カイラルスメクチック液晶を用いてなる液晶
素子において、ブックシェルルあるいはそれに近い傾き
角の小さな構造を発現し、高コントラスト、高輝度の液
晶素子を実現し、高信頼性、温度安定性を実現する。 【解決手段】 少なくとも一方の基板にポリイミドから
なる厚みが200Å以下の配向制御層を設け、カイラル
スメクチック液晶として、スメクティックC相を持ち、
且つ該スメクティックC相の上限温度から15℃低い温
度におけるティルト角の大きさが30°以上である、フ
ルオロカーボン末端部分中に少なくとも一つの連鎖中エ
ーテル酸素を含むフッ素含有液晶化合物を含有する液晶
組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフラットパネルディ
スプレイ、プロジェクションディスプレイ、プリンター
等に用いられるライトバルブに使用される液晶素子及び
それを使用した液晶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から最も広範に用いられてきている
ディスプレイとしては、CRTが知られている。CRT
は、テレビやVTRなどの動画出力、あるいはパソコン
のモニターとして広く用いられている。しかしながら、
CRTはその特性上、静止画像に対してはフリッカや解
像度不足による走査縞等が視認性を低下させたり、焼き
つきによる蛍光体の劣化が起こったりする。また、最近
ではCRTが発生する電磁波が人体に悪影響を与えるこ
とが分かり、VDT作業者の健康を害する恐れがある。
そして、構造上、画面後方に広く体積を有するため、オ
フィス、家庭の省スペース化を阻害し、ひいては、高度
情報社会におけるディスプレイとしての責任を果たし得
ない可能性がある。
【0003】このようなCRTの欠点を解決するものと
して液晶表示素子がある。例えばエム・シャット(M.
Schadt)とダブリュー・ヘルフリッヒ(W.He
lfrich)著”アプライド・フィジックス・レター
ズ”(Applied Physics Letter
s”)第18巻、第4号(1971年2月15日発行)
第127頁〜128頁において示されたツイステッド・
ネマティック(twisted nematic)液晶
を用いたものが知られている。ひとつにはコスト面で優
位性を持つ単純マトリクスタイプの液晶素子がある。こ
の液晶素子は画素密度を高くしたマトリクス電極構造を
用いた時分割駆動の時、クロストークを発生する問題点
があるため、画素数が制限されていた。また、応答速度
が数十ミリ秒以上と遅いため、ディスプレイとしての用
途も制限されていた。近年このような単純マトリクスタ
イプのものに対して、TFTといわれる液晶素子の開発
が行われている。このタイプは一つ一つの画素にトラン
ジスタを作成するため、クロストークや応答速度の問題
は解決される反面、大面積になればなるほど、不良画素
なく液晶素子を作成することが工業的に非常に困難であ
り、また可能であっても多大なコストが発生する。
【0004】このような従来型の液晶素子の欠点を改善
するものとして、液晶が双安定性を示すような液晶素子
の使用がクラーク(Clark)およびラガウェル(L
agerwall)により提案されている。(特開昭5
6−107216、米国特許第4367924号明細
書)この双安定性を示す液晶としては、一般にカイラル
スメクティックC相またはカイラルスメクティックH相
を呈する強誘電性液晶が用いられている。この強誘電性
液晶は、自発分極により反転スイッチングを行うため、
非常に早い応答速度からなる上にメモリー性のある少な
くとも二つの安定状態を発現させることができる。さら
に視野角特性も優れていることから、高速、高精細、大
面積の表示素子あるいはライトバルブとして適している
と考えられる。また、最近では、チャンダニ、竹添らに
より、3つの安定状態を有するカイラルスメクティック
反強誘電液晶素子も提案されている(ジャパニーズ ジ
ャーナル オブ アプライド フィジックス(Japa
nese Journalof Applied Ph
ysics)27巻、1988年L729頁)。
【0005】このようなカイラルスメクティック液晶素
子においては、例えば「強誘電液晶の構造と物性」(コ
ロナ社、福田敦夫、竹添秀男著、1990年)に記載さ
れているように、ジグザグ状の配向欠陥が発生してコン
トラストを著しく低下させるという問題があった。この
欠陥は、上下一対の基板間に担持されたカイラルスメク
ティック液晶の層状構造が2種類のシェブロン状の構造
を形成していることに起因している。最近、低コントラ
ストの原因であるシェブロン構造を解消し、ブックシェ
ルフといわれる層状構造(以下該構造をブックシェルフ
と記す)あるいはそれに近い構造を現出させ、高コント
ラストを実現しようという動きがある(例えば「次世代
液晶ディスプレイと液晶材料」(株)シーエムシー、福
田敦夫編、1992年)。ひとつには、ナフタレン系液
晶材料を用いる方法があるが、この場合、ティルト角が
10°程度であり、理想的な最大の透過率を得られる2
2.5°と比べ非常に小さく、低透過率という問題があ
り、さらにはブックシェルフ構造を温度に対して可逆的
に現出させることができないという問題もある。今一つ
の代表的な例としてはシェブロン構造を取っている液晶
素子に外部から高電場を加えてブックシェルフ構造を誘
起する方法があるが、この方法も温度等の外部刺激に対
しての不安定性が問題となっている。これらのブックシ
ェルフタイプのものに関してはいまだ発見されたばかり
であり、実用に供するためにはこの他にさまざまな問題
が存在する。
【0006】更にブックシェルフあるいはそれに近い構
造をもつ液晶としてパーフルオロエーテル側鎖をもつ液
晶性化合物(米国特許5,262,082、国際出願特
許WO93/22396、1993年第4回強誘電液晶
国際会議P−46、MarcD.Radcliffe
ら)が開示されている。この液晶は、電場等の外部場を
用いずともブックシェルフあるいはそれに近い層傾き角
の小さな構造を現出することができ、高速、高精細、大
面積の液晶素子、表示装置に適している。しかしなが
ら、液晶素子のスピード、配向、コントラスト、駆動安
定性等の面でさらなる改良が求められている。しかも諸
特性それぞれの改善はもちろんのこと、より高性能化へ
向けて、複数特性の改良が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ブッ
クシェルフ或いはそれに近い層傾き角の小さい液晶構造
を有する配向状態を示し、高速、高コントラスト、大面
積、高精細、高輝度、高信頼性であり、且つそれらの構
造及び特性が広い温度範囲にわたって、温度変化の履歴
が現れない液晶素子、及び、該液晶素子を用いて高輝
度、高コントラストの液晶装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題を解決すべく下記第一及び第二の液晶素子が提供され
る。
【0009】本発明の第一の液晶素子は、少なくとも電
極を有する一対の基板間に少なくとも二つの状態を示す
液晶を挟持した液晶素子であって、少なくとも一方の基
板に厚みが200Å以下の配向制御層を有し、且つ上記
液晶が、フルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端部
分を有し、該両末端部分が中心核によって結合され、ス
メクティック中間相又は潜在的スメクティック中間相を
持つフッ素含有液晶化合物群を70重量%以上含有する
液晶組成物であり、該フッ素含有液晶化合物のうち、フ
ルオロカーボン末端部分中に少なくとも一つの連鎖中エ
ーテル酸素を含む化合物を組成物総量中の比率で30重
量%以上含有し、少なくとも一種以上の、スメクティッ
クC相を持ち、且つ少なくとも該スメクティックC相の
上限温度から15℃低い温度におけるティルト角の大き
さが30°以上である、フルオロカーボン末端部分中に
少なくとも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有
液晶化合物を組成物総量中の比率で5重量%以上含有す
ることを特徴とする。
【0010】本発明の第二の液晶素子は、少なくとも電
極を有する一対の基板間に少なくとも二つの状態を示す
液晶を挟持した液晶素子であって、少なくとも一方の基
板にポリイミドからなる配向制御層を有し、且つ上記液
晶が、フルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端部分
を有し、該両末端部分が中心核によって結合され、スメ
クティック中間相又は潜在的スメクティック中間相を持
つフッ素含有液晶化合物群を70重量%以上含有する液
晶組成物であり、該フッ素含有液晶化合物のうち、フル
オロカーボン末端部分中に少なくとも一つの連鎖中エー
テル酸素を含む化合物を組成物総量中の比率で30重量
%以上含有し、少なくとも一種以上の、スメクティック
C相を持ち、且つ少なくとも該スメクティックC相の上
限温度から15℃低い温度におけるティルト角の大きさ
が30°以上である、フルオロカーボン末端部分中に少
なくとも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液
晶化合物を組成物総量中の比率で5重量%以上含有する
ことを特徴とする。
【0011】また、本発明によれば上述した第一乃至第
二の液晶素子を備えた液晶装置が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者等は、鋭意検討を重ねた
結果、一対の基板に少なくとも電極と配向制御層を有
し、これら基板間に液晶を挟持した液晶素子において、
液晶として、前述したようなフルオロカーボン末端部分
中に少なくとも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素
含有液晶化合物であって、ティルト角がある一定以上の
値となるスメクティックC相を示すフッ素含有液晶化合
物を含む特定の処方のカイラルスメクティック液晶組成
物を用い、且つ、少なくとも一方の基板において該液晶
に対する配向制御層として厚みが200Å以下の薄膜乃
至はポリイミド膜を適用することで、非常に高速の応答
性を実現し、且つブックシェルフ或いはそれに近い層傾
き角の小さな構造の液晶配向状態を発現せしめ、高速、
高コントラスト、高輝度なカイラルスメクティック液晶
素子の特性の実現を可能とし、特に、広い温度範囲にわ
たってそれらの構造及び特性に関して、温度変化の履歴
が生じない、高い信頼性、駆動安定性が付与されること
を見出した。
【0013】本発明における液晶のティルト角につい
て、図8を参照して説明する。本発明において液晶、特
に強誘電性を示すカイラルスメクティック液晶では、液
晶分子は複数のスメクティック液晶層82を形成し、さ
らに一液晶分子は状態81,81’をとる。かかる二つ
の状態の液晶分子のなす角度を2θとして規定される角
度θをティルト角とする。
【0014】そして、本発明で定義されるスメクティッ
クC相を示すフッ素含有液晶化合物単独のティルト角と
は、その化合物がカイラル化合物ではない場合に限って
は、下記構造式Aに示されるカイラル化合物を1〜3重
量%、具体的には1重量%、2重量%、3重量%ドープ
して得られる各組成物のティルト角から、カイラル化合
物が含まれない、即ち、カイラル化合物の比率が0%と
した時の、上記カイラル化合物ではないフッ素含有液晶
化合物単体でのティルト角を推算し、その値を該フッ素
含有液晶化合物特有のティルト角とする。
【0015】
【化8】
【0016】本発明の液晶素子の一構造例を、図1を参
照して説明する。
【0017】当該液晶素子は、2枚のガラス、プラスチ
ック等からなる基板2を備えており、これらの基板の表
面には所定のパターン状に透明電極3がそれぞれ形成さ
れている(図では詳細なパターン形状については省
略)。この透明電極3は、In23 ・SnO2 或いは
ITO(インジウム ティン オキサイド:Indiu
m−Tin Oxide)等の薄膜からなっている。
【0018】透明電極3は、必要に応じて絶縁膜(図示
せず)を介して配向制御層4によって被覆されている。
【0019】そして、これら一対の基板間に、後述する
フッ素含有液晶化合物を必須成分とするカイラルスメク
ティック相を呈する液晶組成物1が挟持されている。
【0020】配向制御層4は、少なくとも一方の基板上
に形成することが必要である。かかる配向制御層4の材
料としては、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化アルミ
ニウム、ジルコニア、フッ化マグネシウム、酸化セリウ
ム、フッ化セリウム、シリコン窒化物、シリコン炭化
物、ホウ素窒化物などの無機物質やポリビニルアルコー
ル、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリエステルイミド、ポリパラキシレン、ポ
リカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリビニルク
ロライド、ポリスチレン、ポリシロキサン、セルロース
樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂などの
有機物質が用いられる。
【0021】かかる配向制御層の形成方法としては、例
えば基板上(透明電極や絶縁層上)に溶液塗工又は蒸着
或いはスパッタリング等により、上記材料を被膜形成し
た後、必要に応じて所定の配向処理を施す。かかる配向
処理としては、例えば、被膜表面をビロード、布、紙等
の繊維状材料で摺擦(ラビング)する処理が用いられ
る。また、配向制御層の形成方法としてSiO等の酸化
物或いは窒化物などを基板の斜め方向から蒸着する、斜
方蒸着法なども用いられ得る。
【0022】また、上記配向制御層とは別に一対の基板
のショート防止層としての絶縁層や他の有機物層、無機
物層が形成されていてもよい。5がシール剤で一対の基
板の周縁部において、これらを接着固定している。ま
た、かかる一対の基板は偏光板8により挟持され、さら
に一方の外面に光源9が配置されている。かかる構成に
なる液晶素子は、信号電源からのスイッチング信号に応
じてスイッチングが行われ、表示素子等のライトバルブ
として機能する。また、透明電極3を上下クロスにマト
リクス構造とすば、パターン表示、パターン露光が可能
となり、例えばパーソナルコンピューター、ワードプロ
セッサー等のディスプレイ、プリンター用ライトバルブ
として用いられる。
【0023】一方、一対の基板2の間には、スペーサー
(不図示)が散布されており、これによって両基板を所
定間隔に、好ましくは挟持されるカイラルスメクティッ
ク相を呈する液晶が少なくとも二つの安定状態をとるべ
く5μm以下、より好ましくは0.5〜3μm程度に保
持する。
【0024】本発明の液晶素子では、フッ素含有液晶化
合物を含有する液晶組成物を最適に配向制御すべく、好
ましくは、特に初期配向性を良好にすべく、一対の基板
の夫々における配向処理を無処理を含め異なったものと
する。例えば、上記の例においては、一方の基板側にラ
ビング処理を施した配向制御層4を設け、他方の基板に
一方の基板と同材料又は異種材料からなる膜であってラ
ビング処理がなされていない配向制御層4を設ける。
【0025】特に、本発明で用いられるフッ素含有液晶
化合物を必須成分として含有する液晶は、コレステリッ
ク相が無い場合がある。特にこの場合、降温下で液晶が
等方相からスメクティック相に移転するため、一対の基
板の夫々で異なる配向制御をしてなる構成、特に、一方
の基板においてのみ一軸配向処理を施した構成におい
て、等方相から液晶相への相転移温度でバトネと言われ
る液晶の核が一軸配向制御層側から発生し、徐々に核が
もう一方の配向制御層側へスムーズに成長していく。こ
のため最終的に基板間で液晶がより均一に配向し、駆動
上においても良い特性を発現する。
【0026】本発明の液晶素子では少なくとも一方の配
向制御層(4)の厚みを前述したように200Å以下と
する。特に広い温度範囲で良好な駆動特性、高い信頼
性、駆動安定性を得られる点で配向制御層4の厚みは1
00Å以下が好ましい。50Å以下であるとき、さらに
好ましい。
【0027】この厚みの範囲の理由としては、一つに
は、配向制御層の誘電率が確保され自発分極による反電
場の緩和が促進され、いわゆるスイッチング不良が改善
される。本発明で用いるカイラルスメクティック相を示
す液晶化合物の場合、良好且つ、高速のスイッチング特
性が望まれる際、自発分極が10nC/cm2 以上にな
る場合が多いので、この面でも効果がある。また、配向
制御層を薄膜化することにより、電極と配向制御層界面
で起きる接触帯電が抑制されるため、帯電によるスイッ
チング異常及び配向異常を抑制できる点があると考えら
れる。この点は一対の基板で異なる配向処理をしてなる
素子構成において特に大きな効果がある。
【0028】もしくは、少なくとも一方の配向制御層
(4)として、ポリイミド膜を用いることが好ましい。
【0029】その形成方法としては、例えば通常基板上
に溶液塗工により、ポリイミド前駆体であるポリアミッ
ク酸を被覆形成した後、加熱処理し、ポリイミド被膜と
する。さらにかかる被膜の表面をビロード、布或いは紙
等の繊維状のもので摺擦(ラビング)することによりポ
リイミド配向制御層が得られる。
【0030】本発明ではポリイミド配向制御層を有し、
一対の基板の夫々に異なる配向処理が施される構成の素
子中に前記フッ素含有液晶化合物を必須成分とするカイ
ラルスメクティック液晶組成物を用いた時、非常に広い
温度範囲で良好な駆動特性を有し、高い信頼性、駆動安
定性の良好な素子とすることが可能である。特に好まし
くは、一方の基板において、薄膜(好ましくは200Å
以下)のポリイミドにラビング処理を施したものを用
い、他方は異なる材料の配向制御層を用いることで、最
も安定した配向制御能及び駆動特性を得ることができ
る。配向制御層として特性における観点から用いられる
ポリイミドの具体的な構造としては、以下の一般式(I
II)で表される繰り返し単位からなるポリイミドが好
ましい。
【0031】一般式P(III) (−K−P1−L5−M1−(L6e−P2−)
【0032】
【化9】 または炭素数1から20のアルキレン基を表し、P1
2はイミド結合を表す。M1は単結合または−O−を表
し、eは0,1,2を表す。)
【0033】また、これらのポリイミドの具体的構造と
してはたとえば以下の繰り返し単位構造が挙げられる。
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】本発明の液晶素子において用いる液晶組成
物は、前述したようにフルオロカーボン末端部分及び炭
化水素末端部分を含み、該両末端部分が中心核によって
結合されており、スメクティック中間相又は潜在的スメ
クティック中間相を持つフッ素含有液晶化合物群を主成
分として含有する。特に本発明において、かかる組成物
は、ブックシェルフ構造或いはそれに近い層傾き角の小
さな構造を安定的に現出させるためには、該化合物群を
組成物の総量中70重量%以上含有する。
【0037】本発明の液晶素子で液晶組成物の主成分と
して用いるフッ素含有液晶化合物の構造において、一般
的には、前記中心核は、少なくとも二つの芳香環、脂肪
族環、又は置換芳香族環、置換複素芳香族環から選ば
れ、これら環は、互いに−COO−、−COS−、−H
C=N−、−COSe−からなる群より選ばれる官能基
によって結合されていてもよい。これらの環は、縮合し
ていても、縮合していないくても良い。複素芳香族環中
のヘテロ原子は、N、O又はSから選ばれる少なくとも
一つの原子を含む。脂肪族環中の隣接していないメチレ
ン基はOによって置換されていても良い。
【0038】ここで言う潜在的スメクティック中間相を
持つ化合物とはそれ自身でスメクティック中間相を示し
ていなくても、スメクティック中間相を持つ化合物又は
他の潜在的スメクティック中間相を持つ化合物との混合
物において、適当な条件下スメクティック中間相を発現
する化合物を言う。
【0039】本発明では、さらに液晶組成物中に、フル
オロカーボン末端部分及び炭化水素末端部分を含み、該
両末端部分が中心核によって結合されており、スメクテ
ィック中間相又は潜在的スメクティック中間相を持つ化
合物であって、且つ該フルオロカーボン末端部分中に少
なくとも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液
晶化合物(パーフルオロエーテル液晶性化合物)を、好
ましくは米国特許第5,262,082、国際出願特許
WO93/22396,1993年第4回強誘電液晶国
際会議P−46(Marc D.Radeliffe
ら)に記載された化合物を、ブックシェルフ或いはそれ
に近い層傾き角の小さな構造をより安定的に現出するた
めに組成物総量中30重量%以上、さらに好ましくは5
0重量%以上含有させる点で特徴的である。
【0040】本発明において、液晶組成物中に主成分と
して配合する前記フッ素含有液晶化合物、特に組成物の
総量中30重量%以上の量で配合するフルオロカーボン
末端部分中に少なくとも一つの連鎖中エーテル酸素を含
むフッ素含有液晶化合物として、好ましくは該フルオロ
カーボン末端部分が、−D2−(Cxb2xb−O)za−C
ya2ya+1で表わされる基、〔但し、上記式中xbはそ
れぞれの(Cxb2xb−O)に独立に1〜10であり、
yaは、1〜10であり、zaは1〜10であり、D2
は、−CO−O−Crc2rc、−O−Crc2rc−、−C
rc2rc−、−O−(Csa2sa−O)ta−Crd
2rd−、−O−SO2−、−SO2−、−SO2−Crc
2rc−、−Crc2rc−N(Cpb2pb+1)−SO2−、−
rc2rc−N(Cpb2pb+1)−CO−、単結合から選
ばれ、rc及びrdはそれぞれ独立に1〜20であり、
saはそれぞれの(Csa2sa−O)に独立に1〜10
であり、taは1〜6であり、pbは0〜4である。〕
であるような化合物を用いることができる。
【0041】さらにフルオロカーボン末端部分に少なく
とも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶化
合物として、より好ましくは下記一般式(II)で表さ
れるものが用いられる。
【0042】
【化12】 を表わす。
【0043】gb、hb、ibはそれぞれ独立に0〜3
の整数(但し、gb+hb+ibは少なくとも2であ
る)を表わす。
【0044】夫々のL3、L4は独立に、単結合、−CO
−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、
−CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−
Te−CO−、−(CH2CH2ka−(kaは1〜
4)、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−
N=CH−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO−
又は−O−を表わす。
【0045】夫々のX2、Y2、Z2はA4、A5、A6の置
換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
I、−OH、−OCH3、−CH3、−CF3、−O−C
3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々のjb、m
b、nbは独立に0〜4の整数を表わす。
【0046】J2は、−CO−O−Crc2rc−、−O−
rc2rc−、−Crc2rc−、−O−(Csa2sa
O)ta−Crd2rd−、−O−SO2−、−SO2−、−
SO2−Crc2rc−、−Crc2rc−N(Cpb2pb+1
−SO2−、−Crc2rc−N(Cpb2pb+1)−CO−
であり、rc及びrdは独立に1〜20であり、saは
それぞれの(Csa2sa−O)に独立に1〜10であ
り、taは1〜6であり、pbは0〜4である。
【0047】R4は、−O−(Cqc2qc−O)wa−Cqd
2qd+1、−(Cqc2qc−O)wa−Cqd2qd+1、−C
qc2qc−R6、−O−Cqc2qc−R6、−CO−O−C
qc2qc−R6、又は−O−CO−Cqc2qc−R6を表わ
し、直鎖状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R
6は−O−CO−Cqd2qd+1、−CO−O−Cqd
2qd+1、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−CN、又
は−Hを表わし、qc及びqdは独立に1〜20の整
数、waは1〜10の整数である)。
【0048】R5は、(Cxb2xb−O)za−Cya
2ya+1で表わされる(但し、上記式中xbはそれぞれの
(Cxb2xb−O)に独立に1〜10であり、yaは1
〜10であり、zaは1〜10である)。
【0049】上記一般式(II)で表わされる化合物
は、国際公開WO93/22396、特表平7−506
368号公報に記載の方法によって得ることができる。
かかる化合物の具体例を以下に列挙する。
【0050】
【化13】
【0051】
【化14】
【0052】
【化15】
【0053】
【化16】
【0054】
【化17】 本発明においては、液晶組成物中に上記フルオロカーボ
ン末端部分中に少なくとも一つの連鎖中エーテル酸素を
含むフッ素含有液晶化合物であって、スメクティックC
相を持ち、且つ少なくとも該スメクティックC相の上限
温度から15℃低い温度におけるティルト角の大きさが
30°以上である化合物を5重量%以上用いる点で特徴
的である。該化合物は本発明で用いる液晶組成物におい
て特徴的に層構造の温度履歴、即ち層構造の温度に対す
る安定性を向上させる。従って、かかる化合物を含有す
る組成物を用いた液晶素子では、広い温度範囲にわたっ
て温度履歴が生じずに、安定してブックシェルフ構造、
或いはそれに近い層構造が保たれ、且つ、双安定性が良
好な配向状態が得られ、高速駆動、高輝度、高コントラ
ストで高信頼性が確保される。
【0055】かかるスメクティックC相を持ち、且つ少
なくとも該スメクティックC相の上限温度から15℃低
い温度におけるティルト角の大きさが30°以上であ
る、フルオロカーボン末端部分中に少なくとも一つの連
鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶化合物のカイラ
ルスメクティック液晶組成物中に含有される割合は特性
における効果を鑑みて組成物中5重量%以上であり、よ
り好ましくは10重量%以上である。
【0056】上記特定のティルト角を示す少なくとも一
つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶化合物と
しては、例えば前記一般式(II)の化合物であって、
4が−O−(Cqc2qc −O)wa−Cqd2qd+1 、−
qc2qc −R6 、−O−CO−Cqc2qc −R6 の化
合物を使用することが好ましい。具体的には、例えば、
以下のものが挙げられる。
【0057】
【化18】
【0058】本発明においてカイラルスメクティック液
晶組成物に、フッ素含有液晶化合物として特徴的に用い
られる、フルオロカーボン末端部分中に少なくとも一つ
の連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶化合物、特
にスメクティックC相を持ち、且つ少なくとも該スメク
ティックC相の上限温度から15℃低い温度におけるテ
ィルト角の大きさが30°以上である化合物の他に、こ
れらパーフルオロエーテル液晶性化合物との相溶性が良
好であるという観点でフルオロカーボン末端部分として
パーフルオロアルキルを有するフッ素含有液晶化合物を
用いることができる。該フッ素含有液晶化合物として好
ましくは、フルオロカーボン末端部分が、−D1−Cxa
2xa−Xで表わされる基、〔但し、上記式中xaは1
〜20であり、Xは−H又は−Fを表わし、D1は、−
CO−O−(CH2ra−、−O−(CH2ra−、−
(CH2ra−、−O−SO2−、−SO2−、−SO2
(CH2ra−、−O−(CH2ra−O−(CH2rb
−、−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−SO2−、又
は−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−CO−を表わ
す。ra及びrbは、独立に1〜20であり、paは0
〜4である。〕であるような化合物(パーフルオロアル
キル化合物)が用いられる。
【0059】上記パーフルオロアルキル化合物としてよ
り好ましくは。下記式(I)で表わされるものが用いら
れる。
【0060】
【化19】 を表わす。
【0061】ga、ha、iaは独立に0〜3の整数
(但し、ga+ha+iaは少なくとも2である)を表
わす。
【0062】夫々のL1とL2は独立に、単結合、−CO
−O−、−O−CO−、−COS−、−S−CO−、−
CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−T
e−CO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡
C−、−CH=N−、−N=CH−、−CH2−O−、
−O−CH2−、−CO−又は−O−を表わす。
【0063】夫々のX1、Y1、Z1はA1、A2、A3の置
換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
I、−OH、−OCH3、−CH3、−CN、又は−NO
2を表わし、夫々のja、ma、naは独立に0〜4の
整数を表わす。
【0064】J1は、−CO−O−(CH2ra−、−O
−(CH2ra−、−(CH2ra−、−O−SO2−、
−SO2−、−SO2−(CH2ra−、−O−(CH2
ra−O−(CH2rb−、−(CH2ra−N(Cpa
2pa+1)−SO2−、又は−(CH2ra−N(Cpa
2pa+1)−CO−を表わす。ra及びrbは、独立に1
〜20であり、paは0〜4である。
【0065】R1は、−O−Cqa2qa−O−Cqb
2qb+1、−Cqa2qa−O−Cqb2qb+1、−Cqa2qa
3、−O−Cqa2qa−R3、−CO−O−Cqa2qa
3、又は−O−CO−Cqa2qa−R3を表わし、直鎖
状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R3は、−
O−CO−Cqb2qb+1、−CO−O−Cqb2qb+1、−
H、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−CNを表わ
し、qa及びqbは独立に1〜20である)。
【0066】R2はCxa2xa−Xを表わす(Xは−H又
は−Fを表わし、xaは1〜20の整数である)。
【0067】上記一般式(I)で表わされる化合物は、
特開平2−142753号公報、米国特許第5,08
2,587に記載の方法によって得ることができる。か
かる化合物の具体例を以下に列挙する。
【0068】
【化20】
【0069】
【化21】
【0070】
【化22】
【0071】
【化23】
【0072】
【化24】
【0073】
【化25】
【0074】
【化26】
【0075】
【化27】
【0076】
【化28】
【0077】
【化29】
【0078】
【化30】
【0079】
【化31】
【0080】本発明で用いる液晶組成物では、さらにフ
ッ素含有液晶化合物以外の他の構成成分として、配合制
御等を考慮してパーフルオロカーボン鎖を持たない、い
わゆるハイドロカーボンタイプの液晶性化合物を配合せ
しめることが可能である。そして本発明で用いる液晶組
成物には少なくとも一種の光学活性化合物を配合する。
【0081】さらにその他の構成成分としてのパーフル
オロカーボン鎖を持たない、いわゆるハイドロカーボン
タイプの液晶性化合物の具体例として、以下の構造のも
のが挙げられる。
【0082】
【化32】
【0083】
【化33】
【0084】
【化34】
【0085】
【化35】
【0086】
【化36】
【0087】
【化37】
【0088】
【化38】
【0089】
【化39】
【0090】
【化40】
【0091】
【化41】
【0092】
【化42】
【0093】
【化43】
【0094】
【化44】
【0095】
【化45】
【0096】
【化46】
【0097】
【化47】
【0098】
【化48】
【0099】さらに光学活性化合物の具体例としては以
下の構造のものが挙げられるが本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】
【表5】
【0105】
【化49】
【0106】
【化50】
【0107】
【表6】
【0108】
【表7】
【0109】
【表8】
【0110】
【表9】
【0111】
【表10】
【0112】
【化51】
【0113】
【化52】
【0114】
【化53】
【0115】
【化54】
【0116】
【化55】
【0117】
【化56】 D−1:n=6,2R,5R D−2:n=6,2S,5R D−3:n=4,2R,5R D−4:n=4,2S,5R D−5:n=3,2R,5R D−6:n=2,2S,5R D−7:n=2,2R,5R D−8:n=1,2S,5R D−9:n=1,2R,5R
【0118】
【化57】 D−10:n=1 D−11:n=2 D−12:n=3 D−13:n=4 D−14:n=6 D−15:n=10
【0119】
【化58】 D−16:n=8 D−17:n=10
【0120】
【化59】
【0121】
【化60】
【0122】
【化61】
【0123】
【化62】
【0124】
【化63】
【0125】
【化64】
【0126】また、本発明で用いるカイラルスメクティ
ック液晶組成物中には、その他の化合物、例えば染料、
顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加物も含むこと
が可能である。
【0127】本発明の液晶素子は種々の機能をもった液
晶装置を構成するが、図2、図3に示した走査線アドレ
ス情報をもつ画像情報なるデータフォーマット及びSY
N信号による通信同期手段を取ることにより液晶表示装
置を実現する。図中の符号はそれぞれ以下の通りであ
る。
【0128】 101 カイラルスメクティック液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動装置 105 情報線駆動装置 106 デコーダ 107 走査信号発生装置 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生装置 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
【0129】画像情報の発生は、本体装置側のグラフィ
ックコントローラ102にて行われ、図2及び図3に示
した信号転送手段にしたがって表示パネル103へと転
送される。グラフィックコントローラ102は、CPU
(中央演算処理装置、GCPUと略す。)及びVRAM
(画像情報格納用メモリ)114を核にホストCPU1
13と液晶表示装置101間の画像情報の管理や通信を
つかさどっている。尚、該表示パネルの裏面には、光源
が配置されている。
【0130】本発明の表示装置は表示媒体である液晶素
子が前述したように良好なスイッチング特性を有するた
め、優れた駆動特性、信頼性を発揮し、高精細、高速、
大面積の表示画像を得ることができる。
【0131】本発明の液晶素子の駆動法としては、例え
ば特開昭59−193426号公報、特開昭59−19
3427号公報、特開昭60−156046号公報、特
開昭60−156047号公報などに開示された駆動法
を適用することができる。
【0132】図6は、上記駆動法の波形図の一例であ
る。また、図5は、マトリクス電極を配置したカイラル
スメクティック液晶パネルの一例の平面図である。図5
の液晶パネル51には、走査電極群52の走査線と情報
電極群53のデータ線とが互いに交差して配線され、そ
の交差部の走査線とデータ線との間にはカイラルスメク
ティック液晶が配置されている。
【0133】図6(A)中のSは選択された走査線に
印加する選択走査波形を、Sは選択されていない非選
択走査波形を、Iは選択されたデータ線に印加する選
択情報波形(黒)を、Iは選択されていないデータ線
に印加する非選択情報信号(白)を表わしている。ま
た、図中(I−S)と(I−S)は選択された
走査線上の画素に印加する電圧波形で、電圧(I−S
)が印加された画素は黒の表示状態をとり、電圧(I
−S)が印加された画素は白の表示状態をとる。
【0134】図6(B)は図6(A)に示す駆動波形
で、図4に示す表示を行ったときの時系列波形である。
【0135】図6に示す駆動例では、選択された走査線
上の画素に印加される単一極性電圧の最小印加時間Δt
が書込み位相tの時間に相当し、1ラインクリヤt
位相の時間が2Δtに設定されている。
【0136】さて、図6に示した駆動波形の各パラメー
タV,V,Δtの値は使用する液晶材料のスイッチ
ング特性によって決定される。
【0137】図7は後述するバイアス比を一定に保った
まま駆動電圧(V+V)を変化させた時の透過率T
の変化、即ちV−T特性を示したものである。ここでは
Δt=50μsec、バイアス比V/(V+V
=1/3に固定されている。図7の正側は図6で示した
(I−S)、負側は(I−S)で示した波形が
印加された後の最終的な状態の透過率を示す。正側は前
状態が黒(透過率が小さい状態)であり、負側は前状態
が白(透過率が大きい状態)であり、いずれもリセット
により白状態になる。
【0138】ここで、V,Vをそれぞれ実駆動閾値
電圧及びクロストーク電圧と呼ぶ。また、V<V
の時M2(V)=(V−V)/(V3+V1)を
電圧マージンパラメータと呼び、マトリクス駆動可能な
電圧幅のパラメータとなる。Vはカイラルスメクティ
ック液晶表示素子駆動上、一般的に存在すると言ってよ
い。具体的には、図6(A)(I−S)の波形にお
けるVによるスイッチングを起こす電圧値である。勿
論、バイアス比を大きくすることによりVの値を大き
くすることは可能であるが、バイアス比を増すことは情
報信号の振幅を大きくすることを意味し、画質的にはち
らつきの増大、コントラストの低下を招き好ましくな
い。
【0139】我々の検討ではバイアス比1/3〜1/4
程度が実用的であった。ところで、バイアス比を固定す
れば、電圧マージンパラメータM2(V)は液晶材料の
スイッチング特性及び素子構成に強く依存し、M2
(V)の大きい素子がマトリクス駆動上非常に有利であ
ることは言うまでもない。
【0140】また、同様に上述した電圧を一定に保ち、
電圧印加時間Δtを変化させていくことにより、駆動を
することも可能である。上述した電圧をそのまま電圧印
加時間とすればよく、その際電圧印加時間閾値をΔt1
とし、電圧印加時間クロストーク値をΔt2とし、(Δ
2−Δt1)/(Δt2+Δt1)=M2(Δt )を電圧
印加時間マージンパラメータという。
【0141】この様なある一定温度において、情報信号
の2通りの向きによって選択画素に「黒」及び「白」の
2状態を書き込むことが可能であり、非選択画素はその
「黒」又は「白」の状態を保持することが可能である電
圧マージンまたは電圧印加時間マージンは液晶材料及び
素子構成によって差が有り、特有なものである。また、
環境温度の変化によっても駆動マージンはズレていくた
め、実際の表示装置の場合、液晶材料、素子構成や環境
温度に対して最適な駆動条件にしておく必要がある。
【0142】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0143】実施例で用いた化合物を以下に記載する。
【0144】
【化65】
【0145】
【化66】
【0146】また、上記化合物の内、フルオロカーボン
末端部分及び炭化水素末端部分を含み、該両末端部分が
中心核によって結合されており、スメクティック相又は
潜在的スメクティック相を持つ(特にスメクティックC
相を持つ)フッ素含有液晶化合物で、且つ、該フルオロ
カーボン末端部分中に少なくとも一つの連鎖中エーテル
酸素を含む化合物は、化合物〜の4つである。
【0147】さらに、これら4つのフッ素含有液晶化合
物のスメクティックC相の上限温度から15℃低い温度
におけるティルト角の大きさについて測定した。
【0148】具体的には化合物〜の夫々について前
記した構造式Aで表されるカイラル化合物を1重量%、
2重量%、3重量%ドープして3種の組成物を調製し、
これら組成物をITOからなる電極を備えた一対の基板
を約1μmのギャップを隔てて対向させた空セルに注入
して素子を作成した。
【0149】続いて、素子中の液晶組成物の温度をスメ
クティックC相の上限温度から15℃低い温度に設定
し、±30〜±50V、1〜100HzのAC(交流)
を各液晶素子の上下基板間に電極を介して印加しなが
ら、直交クロスニコル下、その間に配置された液晶素子
を偏光板と平行に回転させると同時に、フォトマル(浜
松フォトニクス(株)製)で光学応答を検知しながら、
第1の消光位(透過率が最も低くなる位置)及び第2の
消光位を求めた。そしてこの時の第1の消光位から第2
の消光位までの角度の1/2をティルト角θとし、カイ
ラル化合物1重量%、2重量%、3重量%を夫々ドープ
した組成物についてのティルト角の値からカイラル化合
物が0%とした時のティルト角を外挿して求め、フッ素
含有液晶化合物単体のティルト角とした。
【0150】各化合物のティルト角について下記表11
に示す。
【0151】
【表11】
【0152】本発明における最も特徴的であるスメクテ
ィックC相を持ち、且つ該スメクティックC相の上限温
度から15℃低い温度におけるティルト角の大きさが3
0°以上である、フルオロカーボン末端鎖中に少なくと
も一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶化合
物としては、化合物、が相当する。
【0153】[実施例1]所定パターンを有するITO
付きガラス基板(1.1mm厚)にナイロン6,6の蟻
酸溶液をスピンコートした後乾燥し、厚さ50Åの膜を
成膜した。かかるナイロン膜にラビング処理を施した。
一方ITOパターンを有する別のガラス基板にシランカ
ップリング剤(オクタデシルトリエトキシシラン)をス
ピンコートした(厚み約20Å)。続いて熱処理した基
板にシリカビーズスペーサー(平均粒径約2μm)を散
布した。
【0154】これら2枚の基板をITO側(ナイロン膜
及びシランカップリング剤側)を対向面としてセルギャ
ップ約1.8μmの液晶セルを形成した。
【0155】一方、上記化合物を用いて、下記の組成
(重量部)でカイラルスメクティック液晶組成物を調整
した。
【0156】
【表12】
【0157】これら組成物の夫々を等方相の状態にて上
述した液晶セル(空セル)に注入し、カイラルスメクテ
ィック相を示す温度域まで徐冷せしめ(0.5℃/
分)、液晶素子(サンプル1−1〜1−3)を形成し
た。
【0158】かかる液晶素子について、液晶組成物の2
5℃の注入直後の配向性、透過率(T%)、コントラス
ト(C/R)、温度履歴を受けない温度幅、即ち上述し
た特性(特にコントラスト)がほぼ保たれる温度幅(O
K幅と呼ぶ)を下記のように評価した。
【0159】配向性…前述したセルに対する液晶組成物
の注入及び冷却(降温速度0.5℃/分)後における液
晶の配向状態を観察して、ランダム配向領域が存在しな
いものを”良い”とした。
【0160】透過率…光電子増倍管(浜松フォトニクス
社製)を用い、クロスニコル下において得られた液晶素
子サンプル(セル)を配置し、さらに光源(バックライ
ト)を配置し、該液晶素子を介したバックライト光と、
直接のバックライト光(クロスニコル下)の透過強度を
測定し、その比率を透過率とした。
【0161】コントラスト…クロスニコル下の液晶素子
に対して、図6に示すような駆動波形を用い、バイアス
比1/3.0、駆動電圧(VS +VI )を10Vとし
て、25℃で駆動を行い、白表示及び黒表示の際の透過
率を測定しコントラストを評価した。尚、一定の光量の
光源を用い、特に液晶素子を無電界印加時の一方の消光
位(透過率が最も低くなる位置)にクロスニコル間で配
置した上で上記の駆動を行った。
【0162】温度履歴を受けない温度幅…液晶素子につ
いて室温でコントラストを測定した後、1℃/分で液晶
組成物を冷却し、所定温度に到達させ1時間放置した
後、昇温して室温に戻して再度コントラストを測定す
る。そして、降温後の温度を変えてこの操作をくり返
し、初期の室温でのデータ及び降温及び昇温後の再度測
定したデータが20%以上の差異を生じるような温度
(冷却後の温度)と、スメクティックC相/A相の相転
移点との温度幅を温度履歴を受けない温度幅の評価値と
して求めた。
【0163】また、上述した液晶素子(サンプル1−1
〜1−3)の構成について、層構造のブックシェルフ性
(BS性)を評価すべく、基板として80μmのガラス
基板を用い、それ以外は上記サンプルと同様の材料及び
設計にて素子を作成し、ジャパンディスプレイ86(J
apan Display 86)1986、p456
〜458或いは大内等の方法(Jpn J.Appl.
Phys.27(5)(1988)p725〜728)
に記載の方法に沿ってX線回折測定により、各サンプル
でのスメクティック層と基板法線方向とのなす角度を測
定した。そして、当該角度が8°以下のものを”良い”
と評価した。
【0164】上記評価についての結果を下記表13に示
す。
【0165】
【表13】
【0166】[実施例2]所定パターンのITO膜付き
ガラス基板に、下記繰り返し単位のポリイミドの前駆体
のNMP/nBC(N−メチルピロリドン/n−ブチル
セロソルブ)=2/1溶液をスピンコートし(膜厚10
0Å)、焼成した後、得られたポリイミド被膜上にラビ
ング処理を施した。一方、所定パターンのITO膜を有
する別のガラス基板にシランカップリング剤(オクタデ
シルトリエトキシシラン)をスピンコートした(膜厚2
0Å)。続いて熱処理した基板にシリカビーズスペーサ
ー(平均粒径約2μm)を散布した。
【0167】
【化67】
【0168】これら2枚の基板をITO側(ポリイミド
膜及びシランカップリング剤層側)を対向膜として、セ
ルギャップが1.8μmの液晶セルを形成した。
【0169】かかる液晶セルを3個用意し、夫々に実施
例1で調整した組成物A、B及びCの夫々を等方相を状
態で注入し、カイラルスメクティック相を示す温度域ま
で徐冷し、液晶素子(サンプル2−1、2−2、2−
3)を形成した。
【0170】これら液晶素子(サンプル2−1〜2−
3)について、実施例1と同様に配向性、層構造のブッ
クシェルフ性(BS性)、透過率(T%)、コントラス
ト(C/R)、温度履歴を受けない温度幅、即ち前記の
特性がほぼ保たれる温度幅(OK幅)を評価した。結果
を下表14に示した。
【0171】
【表14】
【0172】尚、ポリイミド被膜の厚みを50Åとする
こと以外は、上記サンプル同様に液晶素子を形成し、評
価したところ、各特性についてサンプル2−1及び2−
2の評価結果と同様の傾向であった。
【0173】[参考例1]上記化合物を用い、下記の組
成でカイラルスメクティック液晶組成物を調整した。
【0174】
【表15】
【0175】これら組成物を実施例1のセルに注入及び
徐冷して液晶素子(サンプル1−4〜1−6)を形成
し、同実施例と同じ方法で評価した。その結果を以下に
示す。
【0176】
【表16】
【0177】[参考例2]実施例1のナイロンからなる
配向制御層の代わりに厚みが250Åのポリビニルアル
コール(Aldrich社)の膜を用いる以外は同様に
液晶セルを作成した。かかるセルに対し、実施例1で調
整した組成物A,Bを用いて注入及び徐冷して液晶素子
サンプル1−7を形成し、実施例1と同様に評価したと
ころ、いずれも配向性が極端に悪く、他の特性評価を有
意義には行うことができなかった。
【0178】[参考例3]実施例2において、両基板に
ポリイミド被膜(50Å)を設け、ラビング処理を施
し、セルを形成した。かかるセルに実施例1の組成物E
を等方相で注入及びカイラルスメクティック相の温度域
まで徐冷し、液晶素子を形成し(サンプル2−4)、実
施例1と同様に評価した。結果を下表に示す。
【0179】
【表17】
【0180】[参考例4]一方の基板に設けたポリイミ
ドを膜厚300Åとしたことを除いて、実施例2と同様
に液晶セルを形成した。かかるセルに組成物A,Bを等
方相で注入し、カイラルスメクティック相の温度域まで
徐冷して液晶素子を形成した(サンプル2−5、2−
6)。かかる液晶素子について実施例1と同様に評価し
たところ、双安定性が悪く、コントラストは5以下であ
った。
【0181】[実施例3]ポリイミド被膜を有する一方
の基板において、下記繰り返し単位を有するポリイミド
被膜(厚み100Å)を用いて実施例2と同様にセルを
形成し、組成物A及びBを等方相で注入した後徐冷し、
セルギャップ1.8μmの素子を作成した(サンプル3
−1、3−2)。かかる素子について実施例1と同様に
配向性、層構造のブックシェルフ性(BS性)、透過率
(T%)、コントラスト(C/R)、温度履歴を受けな
い温度幅、即ち前記特性がほぼ保たれる温度幅(OK
幅)を評価した。結果を下表に示した。
【0182】
【化68】
【0183】
【表18】
【0184】[参考例5]実施例2で作成したセルに対
し、参考例1で調整した組成物D〜Fを夫々等方相で注
入した後、カイラルスメクティック相を示す温度域に徐
冷し、セルギャップ1.8μmの素子を作成した(サン
プル2−7〜2−9)。かかる液晶素子について、実施
例1と同様に各特性について評価した結果を下記表19
に示す。
【0185】
【表19】
【0186】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明の液晶素
子によれば、ブックシェルフあるいはそれに近い層傾き
角の小さな構造を発現し、高輝度(高透過率)、高コン
トラストが実現された。さらには少なくとも一方の基板
側で薄膜配向膜及至はポリイミドを配向膜として有し、
より好ましくは一方の基板側のみラビング処理を施した
ような両基板で異なる配向処理の施された構成の素子に
おいて高い信頼性、特に広い温度範囲で温度履歴のな
い、温度安定性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の一例を示す断面構造図であ
る。
【図2】本発明の液晶素子を備えた表示装置とグラフィ
ックスコントローラを示すブロック図である。
【図3】表示装置とグラフィクスコントローラとの間の
画像情報通信タイミングチャートを示す図である。
【図4】図6に示す時系列駆動波形で実際の駆動を行な
った時の表示パターンの模式図である。
【図5】マトリクス電極を配置した液晶パネルの平面図
である。
【図6】本発明の液晶素子の駆動に用いられる駆動波形
の一例を示す図である。
【図7】本発明にかかる、駆動電圧を変化させた時の透
過率の変化を表すグラフ(V−T特性図)である。
【図8】本発明で規定する液晶のティルト角を説明する
図。
【符号の説明】
1 液晶層 2 基板 3 透明電極 4 配向制御層 5 シール材 8 偏光板 9 光源 81 液晶分子 82 カイラルスメクティック液晶層 101 カイラルスメクティック液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動装置 105 情報線駆動装置 106 デコーダ 107 走査信号発生装置 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生装置 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新庄 健司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも電極を有する一対の基板間に
    少なくとも二つの状態を示す液晶を挟持した液晶素子で
    あって、 少なくとも一方の基板に厚み200Å以下の配向制御層
    を有し、且つ上記液晶が、フルオロカーボン末端部分及
    び炭化水素末端部分を有し、該両末端部分が中心核によ
    って結合され、スメクティック中間相又は潜在的スメク
    ティック中間相を持つフッ素含有液晶化合物群を70重
    量%以上含有する液晶組成物であり、該フッ素含有液晶
    化合物のうち、フルオロカーボン末端部分中に少なくと
    も一つの連鎖中エーテル酸素を含む化合物を組成物総量
    中の比率で30重量%以上含有し、少なくとも一種以上
    の、スメクティックC相を持ち、且つ少なくとも該スメ
    クティックC相の上限温度から15℃低い温度における
    ティルト角の大きさが30°以上である、フルオロカー
    ボン末端部分中に少なくとも一つの連鎖中エーテル酸素
    を含むフッ素含有液晶化合物を組成物総量中の比率で5
    重量%以上含有することを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 一対の基板の夫々に異なる配向処理がな
    されている請求項1記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 少なくとも一方の基板側にのみ一軸配向
    処理がなされている請求項2記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方の基板側にのみラビング
    処理が施された請求項3記載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 少なくとも厚み200Å以下の配向制御
    層にのみ一軸配向処理がなされている請求項3記載の液
    晶素子。
  6. 【請求項6】 少なくとも厚み200Å以下の配向制御
    層にのみラビング処理がなされている請求項3記載の液
    晶素子。
  7. 【請求項7】 前記フルオロカーボン末端部分及び炭化
    水素末端部分を有し、該両末端部分が中心核によって結
    合され、スメクティック中間相又は潜在的スメクティッ
    ク中間相を持つフッ素含有液晶化合物において、フルオ
    ロカーボン末端部分が、−D1−Cxa2xa−Xで表わさ
    れる基〔但し、上記式中xaは1〜20であり、Xは−
    H又は−Fを表わし、D1は、−CO−O−(CH2ra
    −、−O−(CH2ra−、−(CH2ra−、−O−S
    2−、−SO2−、−SO2−(CH2ra−、−O−
    (CH2ra−O−(CH2rb−、−(CH2ra−N
    (Cpa2pa+1)−SO2−、又は−(CH2ra−N
    (Cpa2pa+1)−CO−を表わす。ra及びrbは、
    独立に1〜20であり、paは0〜4である。〕、又
    は、−D2−(Cxb2xb−O)za−Cya2ya+1で表わ
    される基〔但し、上記式中xbはそれぞれの(Cxb
    2xb−O)に独立に1〜10であり、yaは、1〜10
    であり、zaは1〜10であり、D2は、−CO−O−
    rc2rc−、−O−Crc2rc−、−Crc2rc−、−
    O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−O−SO2
    −、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−Crc2rc
    N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc−N(Cpb
    2pb+1)−CO−、単結合から選ばれ、rc及びrd
    はそれぞれ独立に1〜20であり、saはそれぞれの
    (Csa2sa−O)に独立に1〜10であり、taは1
    〜6であり、pbは0〜4である。〕である請求項1に
    記載の液晶素子。
  8. 【請求項8】 前記フルオロカーボン末端部分及び炭化
    水素末端部分を有し、該両末端部分が中心核によって結
    合され、スメクティック中間相又は潜在的スメクティッ
    ク中間相を持つフッ素含有液晶化合物が、下記一般式
    (I)又は(II)で表わされる化合物である請求項1
    記載の液晶素子。 【化1】 を表わす。ga、ha、iaは独立に0〜3の整数(但
    し、ga+ha+iaは少なくとも2である)を表わ
    す。夫々のL1とL2は独立に、単結合、−CO−O−、
    −O−CO−、−COS−、−S−CO−、−CO−S
    e−、−Se−CO−、−CO−Te−、−Te−CO
    −、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−
    CH=N−、−N=CH−、−CH2−O−、−O−C
    2−、−CO−又は−O−を表わす。夫々のX1
    1、Z1はA1、A2、A3の置換基であり、独立に−
    H、−Cl、−F、−Br、−I、−OH、−OC
    3、−CH3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々の
    ja、ma、naは独立に0〜4の整数を表わす。J1
    は、−CO−O−(CH2ra−、−O−(CH2
    ra−、−(CH2ra−、−O−SO2−、−SO2−、
    −SO2−(CH2ra−、−O−(CH2ra−O−
    (CH2rb−、−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−
    SO2−、又は−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−C
    O−を表わす。ra及びrbは、独立に1〜20であ
    り、paは0〜4である。R1は、−O−Cqa2qa−O
    −Cqb2qb+1、−Cqa2qa−O−Cqb2qb+1、−C
    qa2qa−R3、−O−Cqa2qa−R3、−CO−O−C
    qa2qa−R3、又は−O−CO−Cqa2qa−R3を表わ
    し、直鎖状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R
    3は、−O−CO−Cqb2qb+1、−CO−O−Cqb
    2qb+1、−H、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−C
    Nを表わし、qa及びqbは独立に1〜20である)。
    2はCxa2xa−Xを表わす(Xは−H又は−Fを表わ
    し、xaは1〜20の整数である)。〕 【化2】 を表わす。gb、hb、ibはそれぞれ独立に0〜3の
    整数(但し、gb+hb+ibは少なくとも2である)
    を表わす。夫々のL3、L4は独立に、単結合、−CO−
    O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−
    CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−T
    e−CO−、−(CH2CH2ka−(kaは1〜4)、
    −CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−N=C
    H−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO−又は−
    O−を表わす。夫々のX2、Y2、Z2はA4、A5、A6
    置換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
    I、−OH、−OCH3、−CH3、−CF3、−OC
    3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々のjb、m
    b、nbは独立に0〜4の整数を表わす。J2は、−C
    O−O−Crc2rc−、−O−Crc2rc−、−Crc
    2rc−、−O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−
    O−SO2−、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−C
    rc2rc−N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc
    N(Cpb2pb+1)−CO−であり、rc及びrdは独
    立に1〜20であり、saはそれぞれの(Csa2sa
    O)に独立に1〜10であり、taは1〜6であり、p
    bは0〜4である。R4は、−O−(Cqc2qc−O)wa
    −Cqd2qd+1、−(Cqc2qc−O)wa−C
    qd2qd+1、−Cqc2qc−R6、−O−Cqc2qc
    6、−CO−O−Cqc2qc−R6、又は−O−CO−
    qc2qc−R6を表わし、直鎖状、分岐状のいずれであ
    っても良い(但し、R6は−O−CO−Cqd2qd+1、−
    CO−O−Cqd2qd+1、−Cl、−F、−CF3、−N
    2、−CN、又は−Hを表わし、qc及びqdは独立
    に1〜20の整数、waは1〜10の整数である)。R
    5は、(Cxb2xb−O)za−Cya2ya+1で表わされる
    (但し、上記式中xbはそれぞれの(Cxb2xb−O)
    に独立に1〜10であり、yaは1〜10であり、za
    は1〜10である)。〕
  9. 【請求項9】 前記フルオロカーボン末端部分に少なく
    とも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶化
    合物におけるフルオロカーボン末端部分が、−D2
    (Cxb2xb−O)za−Cya2ya+1で表わされる基であ
    る請求項1記載の液晶素子。〔但し、上記式中xbはそ
    れぞれの(Cxb2xb−O)に独立に1〜10であり、
    yaは、1〜10であり、zaは1〜10であり、D2
    は、−CO−O−Crc2rc−、−O−Crc2rc−、−
    rc2rc−、−O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd
    −、−O−SO2−、−SO2−、−SO2−Crc
    2rc−、−Crc2rc−N(Cpb2pb+1)−SO2−、−
    rc2rc−N(Cpb2pb+1)−CO−、単結合から選
    ばれ、rc及びrdはそれぞれ独立に1〜20であり、
    saはそれぞれの(Csa2sa−O)に独立に1〜10
    であり、taは1〜6であり、pbは0〜4である。〕
  10. 【請求項10】 前記フルオロカーボン末端部分に少な
    くとも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶
    化合物が、下記一般式(II)で表わされる化合物であ
    る請求項1記載の液晶素子。 【化3】 を表わす。gb、hb、ibはそれぞれ独立に0〜3の
    整数(但し、gb+hb+ibは少なくとも2である)
    を表わす。夫々のL3、L4は独立に、単結合、−CO−
    O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−
    CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−T
    e−CO−、−(CH2CH2ka−(kaは1〜4)、
    −CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−N=C
    H−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO−又は−
    O−を表わす。夫々のX2、Y2、Z2はA4、A5、A6
    置換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
    I、−OH、−OCH3、−CH3、−CF3、−OC
    3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々のjb、m
    b、nbは独立に0〜4の整数を表わす。J2は、−C
    O−O−Crc2rc−、−O−Crc2rc−、−Crc
    2rc−、−O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−
    O−SO2−、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−C
    rc2rc−N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc
    N(Cpb2pb+1)−CO−であり、rc及びrdは独
    立に1〜20であり、saはそれぞれの(Csa2sa
    O)に独立に1〜10であり、taは1〜6であり、p
    bは0〜4である。R4は、−O−(Cqc2qc−O)wa
    −Cqd2qd+1、−(Cqc2qc−O)wa−C
    qd2qd+1、−Cqc2qc−R6、−O−Cqc2qc
    6、−CO−O−Cqc2qc−R6、又は−O−CO−
    qc2qc−R6を表わし、直鎖状、分岐状のいずれであ
    っても良い(但し、R6は−O−CO−Cqd2qd+1、−
    CO−O−Cqd2qd+1、−Cl、−F、−CF3、−N
    2、−CN、又は−Hを表わし、qc及びqdは独立
    に1〜20の整数、waは1〜10の整数である)。R
    5は、(Cxb2xb−O)za−Cya2ya+1で表わされる
    (但し、上記式中xbはそれぞれの(Cxb2xb−O)
    に独立に1〜10であり、yaは1〜10であり、za
    は1〜10である)。〕
  11. 【請求項11】 前記フルオロカーボン末端部分中に少
    なくとも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液
    晶化合物のうち、スメクティックC相を持ち、且つ少な
    くとも該スメクティックC相の上限温度から15℃低い
    温度におけるティルト角の大きさが30°以上である化
    合物が、前記一般式IIにおいてR4が−O−(Cqc
    2qc −O)wa−Cqd2qd+1 、−Cqc2qc −R6 、−
    O−CO−Cqc2qc −R6 で表される化合物である請
    求項10記載の液晶素子。
  12. 【請求項12】 前記一般式I乃至IIで表される化合
    物がフェニルピリミジンコアを有する化合物である請求
    項8記載の液晶素子。
  13. 【請求項13】 前記一般式IIで表される化合物がフ
    ェニルピリミジンコアを有する化合物である請求項10
    記載の液晶素子。
  14. 【請求項14】 前記フルオロカーボン末端部分中に少
    なくとも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液
    晶化合物を50重量%以上含有する液晶組成物を使用し
    た請求項1記載の液晶素子。
  15. 【請求項15】 前記スメクティックC相を持ち、且つ
    少なくとも該スメクティックC相の上限温度から15℃
    低い温度におけるティルト角の大きさが30°以上であ
    る、フルオロカーボン末端部分中に少なくとも一つの連
    鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶化合物を10重
    量%以上含有する液晶組成物を使用した請求項1記載の
    液晶素子。
  16. 【請求項16】 前記スメクティックC相を持ち、且つ
    少なくとも該スメクティックC相の上限温度から15℃
    低い温度におけるティルト角の大きさが30°以上であ
    る、フルオロカーボン末端部分中に少なくとも一つの連
    鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶化合物におい
    て、スメクティックC相の上限温度から15℃低い温度
    におけるティルト角の大きさが35°以上である請求項
    1記載の液晶素子。
  17. 【請求項17】 前記配向制御層の厚みが100Å以下
    である請求項1記載の液晶素子。
  18. 【請求項18】 前記配向制御層の厚みが50Å以下で
    ある請求項1記載の液晶素子。
  19. 【請求項19】 前記配向制御層がポリイミドの膜であ
    る請求項1記載の液晶素子。
  20. 【請求項20】 少なくとも電極を有する一対の基板間
    に少なくとも二つの状態を示す液晶を挟持した液晶素子
    であって、 少なくとも一方の基板にポリイミドからなる配向制御層
    を有し、且つ上記液晶が、フルオロカーボン末端部分及
    び炭化水素末端部分を有し、該両末端部分が中心核によ
    って結合され、スメクティック中間相又は潜在的スメク
    ティック中間相を持つフッ素含有液晶化合物群を70重
    量%以上含有する液晶組成物であり、該フッ素含有液晶
    化合物のうち、フルオロカーボン末端部分中に少なくと
    も一つの連鎖中エーテル酸素を含む化合物を組成物総量
    中の比率で30重量%以上含有し、少なくとも一種以上
    の、スメクティックC相を持ち、且つ少なくとも該スメ
    クティックC相の上限温度から15℃低い温度における
    ティルト角の大きさが30°以上である、フルオロカー
    ボン末端部分中に少なくとも一つの連鎖中エーテル酸素
    を含むフッ素含有液晶化合物を組成物総量中の比率で5
    重量%以上含有することを特徴とする液晶素子。
  21. 【請求項21】 前記ポリイミドが、下記一般式(II
    I)で表される繰り返し単位を有する請求項20記載の
    液晶素子。 一般式(III) (−K−P1−L5−M1−(L6e−P2−) 【化4】 または炭素数1から20のアルキレン基を表し、P1
    2はイミド結合を表す。M1は単結合又は−O−を表
    し、eは0,1,2を表す。)
  22. 【請求項22】 一対の基板の夫々に異なる配向処理が
    なされている請求項20記載の液晶素子。
  23. 【請求項23】 少なくとも一方の基板側にのみ一軸配
    向処理がなされている請求項22記載の液晶素子。
  24. 【請求項24】 少なくとも一方の基板側にのみラビン
    グ処理が施された請求項23記載の液晶素子。
  25. 【請求項25】 少なくともポリイミドからなる配向制
    御層にのみ一軸配向処理がなされている請求項23記載
    の液晶素子。
  26. 【請求項26】 少なくともポリイミドからなる配向制
    御層にのみラビング処理がなされている請求項23記載
    の液晶素子。
  27. 【請求項27】 前記フルオロカーボン末端部分及び炭
    化水素末端部分を有し、該両末端部分が中心核によって
    結合され、スメクティック中間相又は潜在的スメクティ
    ック中間相を持つフッ素含有液晶化合物において、フル
    オロカーボン末端部分が、−D1−Cxa2xa−Xで表わ
    される基〔但し、上記式中xaは1〜20であり、Xは
    −H又は−Fを表わし、D1は、−CO−O−(CH2
    ra−、−O−(CH2ra−、−(CH2ra−、−O−
    SO2−、−SO2−、−SO2−(CH2ra−、−O−
    (CH2ra−O−(CH2rb−、−(CH2ra−N
    (Cpa2pa+1)−SO2−、又は−(CH2ra−N
    (Cpa2pa+1)−CO−を表わす。ra及びrbは、
    独立に1〜20であり、paは0〜4である。〕、又
    は、−D2−(Cxb2xb−O)za−Cya2ya+1で表わ
    される基〔但し、上記式中xbはそれぞれの(Cxb
    2xb−O)に独立に1〜10であり、yaは、1〜10
    であり、zaは1〜10であり、D2は、−CO−O−
    rc2rc−、−O−Crc2rc−、−Crc2rc−、−
    O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−O−SO2
    −、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−Crc2rc
    N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc−N(Cpb
    2pb+1)−CO−、単結合から選ばれ、rc及びrd
    はそれぞれ独立に1〜20であり、saはそれぞれの
    (Csa2sa−O)に独立に1〜10であり、taは1
    〜6であり、pbは0〜4である。〕である請求項20
    に記載の液晶素子。
  28. 【請求項28】 前記フルオロカーボン末端部分及び炭
    化水素末端部分を有し、該両末端部分が中心核によって
    結合され、スメクティック中間相又は潜在的スメクティ
    ック中間相を持つフッ素含有液晶化合物が、下記一般式
    (I)又は(II)で表わされる化合物である請求項2
    0記載の液晶素子。 【化5】 を表わす。ga、ha、iaは独立に0〜3の整数(但
    し、ga+ha+iaは少なくとも2である)を表わ
    す。夫々のL1とL2は独立に、単結合、−CO−O−、
    −O−CO−、−COS−、−S−CO−、−CO−S
    e−、−Se−CO−、−CO−Te−、−Te−CO
    −、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−
    CH=N−、−N=CH−、−CH2−O−、−O−C
    2−、−CO−又は−O−を表わす。夫々のX1
    1、Z1はA1、A2、A3の置換基であり、独立に−
    H、−Cl、−F、−Br、−I、−OH、−OC
    3、−CH3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々の
    ja、ma、naは独立に0〜4の整数を表わす。J1
    は、−CO−O−(CH2ra−、−O−(CH2
    ra−、−(CH2ra−、−O−SO2−、−SO2−、
    −SO2−(CH2ra−、−O−(CH2ra−O−
    (CH2rb−、−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−
    SO2−、又は−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−C
    O−を表わす。ra及びrbは、独立に1〜20であ
    り、paは0〜4である。R1は、−O−Cqa2qa−O
    −Cqb2qb+1、−Cqa2qa−O−Cqb2qb+1、−C
    qa2qa−R3、−O−Cqa2qa−R3、−CO−O−C
    qa2qa−R3、又は−O−CO−Cqa2qa−R3を表わ
    し、直鎖状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R
    3は、−O−CO−Cqb2qb+1、−CO−O−Cqb
    2qb+1、−H、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−C
    Nを表わし、qa及びqbは独立に1〜20である)。
    2はCxa2xa−Xを表わす(Xは−H又は−Fを表わ
    し、xaは1〜20の整数である)。〕 【化6】 を表わす。gb、hb、ibはそれぞれ独立に0〜3の
    整数(但し、gb+hb+ibは少なくとも2である)
    を表わす。夫々のL3、L4は独立に、単結合、−CO−
    O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−
    CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−T
    e−CO−、−(CH2CH2ka−(kaは1〜4)、
    −CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−N=C
    H−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO−又は−
    O−を表わす。夫々のX2、Y2、Z2はA4、A5、A6
    置換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
    I、−OH、−OCH3、−CH3、−CF3、−OC
    3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々のjb、m
    b、nbは独立に0〜4の整数を表わす。J2は、−C
    O−O−Crc2rc−、−O−Crc2rc−、−Crc
    2rc−、−O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−
    O−SO2−、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−C
    rc2rc−N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc
    N(Cpb2pb+1)−CO−であり、rc及びrdは独
    立に1〜20であり、saはそれぞれの(Csa2sa
    O)に独立に1〜10であり、taは1〜6であり、p
    bは0〜4である。R4は、−O−(Cqc2qc−O)wa
    −Cqd2qd+1、−(Cqc2qc−O)wa−C
    qd2qd+1、−Cqc2qc−R6、−O−Cqc2qc
    6、−CO−O−Cqc2qc−R6、又は−O−CO−
    qc2qc−R6を表わし、直鎖状、分岐状のいずれであ
    っても良い(但し、R6は−O−CO−Cqd2qd+1、−
    CO−O−Cqd2qd+1、−Cl、−F、−CF3、−N
    2、−CN、又は−Hを表わし、qc及びqdは独立
    に1〜20の整数、waは1〜10の整数である)。R
    5は、(Cxb2xb−O)za−Cya2ya+1で表わされる
    (但し、上記式中xbはそれぞれの(Cxb2xb−O)
    に独立に1〜10であり、yaは1〜10であり、za
    は1〜10である)。〕
  29. 【請求項29】 前記フルオロカーボン末端部分に少な
    くとも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶
    化合物におけるフルオロカーボン末端部分が、−D2
    (Cxb2xb−O)za−Cya2ya+1で表わされる基であ
    る請求項20記載の液晶素子。〔但し、上記式中xbは
    それぞれの(Cxb2xb−O)に独立に1〜10であ
    り、yaは、1〜10であり、zaは1〜10であり、
    2は、−CO−O−Crc2rc−、−O−Crc
    2rc−、−Crc2rc−、−O−(Csa2sa−O)ta
    rd2rd−、−O−SO2−、−SO2−、−SO2−C
    rc2rc−、−Crc2rc−N(Cpb2pb+1)−SO
    2−、−Crc2rc−N(Cpb2pb+1)−CO−、単結
    合から選ばれ、rc及びrdはそれぞれ独立に1〜20
    であり、saはそれぞれの(Csa2sa−O)に独立に
    1〜10であり、taは1〜6であり、pbは0〜4で
    ある。〕
  30. 【請求項30】 前記フルオロカーボン末端部分に少な
    くとも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶
    化合物が、下記一般式(II)で表わされる化合物であ
    る請求項20記載の液晶素子。 【化7】 を表わす。gb、hb、ibはそれぞれ独立に0〜3の
    整数(但し、gb+hb+ibは少なくとも2である)
    を表わす。夫々のL3、L4は独立に、単結合、−CO−
    O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−
    CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−T
    e−CO−、−(CH2CH2ka−(kaは1〜4)、
    −CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−N=C
    H−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO−又は−
    O−を表わす。夫々のX2、Y2、Z2はA4、A5、A6
    置換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
    I、−OH、−OCH3、−CH3、−CF3、−OC
    3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々のjb、m
    b、nbは独立に0〜4の整数を表わす。J2は、−C
    O−O−Crc2rc−、−O−Crc2rc−、−Crc
    2rc−、−O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−
    O−SO2−、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−C
    rc2rc−N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc
    N(Cpb2pb+1)−CO−であり、rc及びrdは独
    立に1〜20であり、saはそれぞれの(Csa2sa
    O)に独立に1〜10であり、taは1〜6であり、p
    bは0〜4である。R4は、−O−(Cqc2qc−O)wa
    −Cqd2qd+1、−(Cqc2qc−O)wa−C
    qd2qd+1、−Cqc2qc−R6、−O−Cqc2qc
    6、−CO−O−Cqc2qc−R6、又は−O−CO−
    qc2qc−R6を表わし、直鎖状、分岐状のいずれであ
    っても良い(但し、R6は−O−CO−Cqd2qd+1、−
    CO−O−Cqd2qd+1、−Cl、−F、−CF3、−N
    2、−CN、又は−Hを表わし、qc及びqdは独立
    に1〜20の整数、waは1〜10の整数である)。R
    5は、(Cxb2xb−O)za−Cya2ya+1で表わされる
    (但し、上記式中xbはそれぞれの(Cxb2xb−O)
    に独立に1〜10であり、yaは1〜10であり、za
    は1〜10である)。〕
  31. 【請求項31】 前記フルオロカーボン末端部分中に少
    なくとも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液
    晶化合物のうち、スメクティックC相を持ち、且つ少な
    くとも該スメクティックC相の上限温度から15℃低い
    温度におけるティルト角の大きさが30°以上である化
    合物が、前記一般式IIにおいてRが−O−(Cqc
    2qc−O)wa−Cqd2qd+1、−Cqc
    2qc−R、−O−CO−Cqc2qc−Rで表
    される化合物である請求項30記載の液晶素子。
  32. 【請求項32】 前記一般式I乃至IIで表される化合
    物がフェニルピリミジンコアを有する化合物である請求
    項28記載の液晶素子。
  33. 【請求項33】 前記一般式IIで表される化合物がフ
    ェニルピリミジンコアを有する化合物である請求項30
    記載の液晶素子。
  34. 【請求項34】 前記フルオロカーボン末端部分中に少
    なくとも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液
    晶化合物を50重量%以上含有する液晶組成物を使用し
    た請求項20記載の液晶素子。
  35. 【請求項35】 前記スメクティックC相を持ち、且つ
    少なくとも該スメクティックC相の上限温度から15℃
    低い温度におけるティルト角の大きさが30°以上であ
    る、フルオロカーボン末端部分中に少なくとも一つの連
    鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶化合物を10重
    量%以上含有する液晶組成物を使用した請求項20記載
    の液晶素子。
  36. 【請求項36】 前記スメクティックC相を持ち、且つ
    少なくとも該スメクティックC相の上限温度から15℃
    低い温度におけるティルト角の大きさが30°以上であ
    る、フルオロカーボン末端部分中に少なくとも一つの連
    鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶化合物におい
    て、スメクティックC相の上限温度から15℃低い温度
    におけるティルト角の大きさが35°以上である請求項
    20記載の液晶素子。
  37. 【請求項37】 請求項1記載の液晶素子を備えたこと
    を特徴とする液晶装置。
  38. 【請求項38】 請求項20記載の液晶素子を備えたこ
    とを特徴とする液晶装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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