JP3083021B2 - 強誘電性液晶素子 - Google Patents

強誘電性液晶素子

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JP3083021B2 JP9774293A JP9774293A JP3083021B2 JP 3083021 B2 JP3083021 B2 JP 3083021B2 JP 9774293 A JP9774293 A JP 9774293A JP 9774293 A JP9774293 A JP 9774293A JP 3083021 B2 JP3083021 B2 JP 3083021B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子や液晶光
シャッター等で用いる液晶素子、特に強誘電性液晶素子
に関し、詳しくは液晶の配向状態に起因した非対称性を
改善することにより優れた電気光学特性を示す強誘電性
液晶素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶分子の屈折率異方性を利用
して偏光子との組み合わせにより透過光量を制御する型
の表示素子がクラーク(Clark)およびラガーヴァ
ル(Lagerwall)により提案されている(特開
昭56−107216号公報、米国特許第436792
4号明細書等)。この強誘電性液晶は、一般に特定の温
度領域においての非螺旋構造のカイラルスメクティック
C相(Sm* C相)(あるいはH相(Sm* H相))を
示し、これらの相状態において、印加される電界に対し
て第1の光学的安定状態と第2の光学的安定状態のいず
れか一方の状態をとり、かつ電界を取り外してもその状
態を保持する性質、即ち双安定性を有する。さらに、強
誘電性液晶は電界の変化に対する応答が速やかであると
いう特徴を有することから、高速駆動の記憶型表示媒体
として大画面で高精細なディスプレーへの応用が期待さ
れている。
【0003】この双安定性を有する強誘電性液晶を用い
た素子が所望の電気光学特性を発揮するためには、基板
間の液晶が2つの安定状態を安定で再現性良くスイッチ
ングするような配向状態にあり、かつその配向状態が画
素ないし表示画面全域で均一であることが必要である。
【0004】一般に強誘電性液晶を配向させるには、基
板表面にポリイミド(PI)、ポリビニルアルコール
(PVA)、ポリアミド(PA)等の水平配向性(ある
いは傾斜配向性)の高分子膜を形成し、ほぼ同方向にラ
ビング処理した一対の基板を用いる。この場合、使用す
る液晶が温度降下により、等方(Iso)相→コレステ
リック(Ch)相(カイラルネマティック(N* )相)
→スメクティックA(SmA)相→Sm* C相の相変化
をするものであれば、配向はCh相において均一化され
るため、Sm* C相での配向が均一になりやすい。しか
しながら、相転移がIso相→SmA相→Sm* C相の
順で起こる液晶を用いた場合は、Iso相→SmA相の
転移(I/A転移)の際、バトネ(一種の液晶核)の発
生・成長・結合の過程を経るため、スメクティック相で
の層法線方向のずれやバトネ結合部の欠陥等が生じ、均
一配向を得にくい。
【0005】本発明者らの実験によれば、このようなC
h相の欠如した液晶に対しては、対向する基板の一方の
みをラビングし、ラビングを行わない側の基板表面は配
向膜を形成せずに垂直配向処理することによって均一配
向が得られることが判明した。これは、I/A転移温度
近傍でラビングを行った側の基板表面から液晶が成長
し、対向基板に到達する転移過程を経るためである。事
実、両面を水平配向膜としたセルにおけるI/A転移温
度は、両面を垂直配向処理したセルのI/A転移温度に
比べ0.5℃以上高いことが確かめられている。
【0006】
【本発明が解決しようとする技術課題】以上のように、
強誘電性液晶を均一に配向させるためには、特に液晶が
Ch相をもたない場合、水平配向膜のラビング処理と垂
直配向処理との非対称構成が有効である。しかしなが
ら、対向基板表面の性質がそれぞれ異なる場合、以下に
説明するように強誘電性液晶の双安定状態が崩れ、2つ
の安定状態間の電気光学的スイッチング特性(駆動しき
い値特性)が非対称となることがある。
【0007】図8に、対向基板表面の性質が異なる場合
の液晶の配向状態を摸式的に示す。図中、701、70
7はガラス基板、702、706はITO等の透明電
極、703はラビング処理された水平配向能力を有する
高分子膜、704は強誘電液晶層、705は垂直配向処
理剤、708、709、710はカイラルスメクティッ
ク相での液晶分子を特徴付けるコーンを正面から見たも
のであり、708、709はユニフォーム配向における
2つの安定状態を示し、710はスプレイ配向状態の一
例を示している。ここで便宜上、708の安定状態をU
1、709の安定状態をU2と呼ぶ。
【0008】今、703の高分子膜としてポリイミド等
の薄膜を用いた場合、液晶分子の双極子モーメント(図
中液晶コーンに描かれた矢印)と高分子表面の電気的相
互作用(dipole−dipole interac
tion)により、矢印が配向膜側を向いた状態(アウ
トワード)に規制力が働くと考えられている。一方、垂
直配向剤705の側は液晶分子に対する基板表面の規制
力は無視できるので、配向膜側に液晶の双極子モーメン
トが規制されたU1(図中708)はより安定である。
これに対し、液晶コーンの矢印が液晶内部側(インワー
ド)を向いたU2(図中709)の状態は、配向膜表面
の規制力に逆らっているため、U1に比べて不安定であ
る。従って、外部電場によって2つの安定状態間をスイ
ッチングさせる場合、U1からU2とU2からU1のし
きい値電圧は異なり、非対称しきい値となりやすい。ま
た、配向膜と液晶の組み合わせ等によっては、U1→U
2のスイッチングは起きずU1から710の配向状態と
思われるスプレイ配向となる場合もある。
【0009】さて、このようにしきい値非対称性のある
系では、原則として片側からのみ書き込み動作を行う必
要があるため、駆動方法に制限を与えることになる。更
には、しきい値非対称性のある系特有の劣化現象が生じ
やすいことも判明した。
【0010】
【技術課題を解決するための手段】そこで本発明は、上
記技術課題を解決し、しきい値の非対称性を緩和するこ
とを目的とするものである。その為に、一方の基板上は
垂直配向処理を施し、もう一方の基板上は配向膜を形成
した構成における強誘電性液晶の2つの安定状態の非対
称性を補償するために、安定性の低い側(図7中の70
9)の液晶分子の長軸方向にあらかじめ適当な配向規制
力を付与させておくものである。具体的には、液晶の配
向を成すための配向処理の前に、あらかじめ別の方向に
配向処理を施しておくものである。即ち、本発明は強誘
電性液晶と該強誘電性液晶を間に保持し、該強誘電性液
晶に電圧を印加するための電極が形成された一対の基板
とを有する液晶素子であって、前記一対の基板のうち一
方の基板上には垂直配向処理を施し、他方には配向膜を
形成して一方向に一回目の配向処理を施した後、前記方
向と異なる方向に二回目の配向処理を施すものである。
また、より配向を均一にするために、あらかじめ配向処
理を施した配向膜表面を垂直配向処理した後、改めて別
方向に配向処理を行ってもよい。
【0011】
【作用】本発明によれば液晶素子の2つの反転しきい値
の差が小さくなり、良好な光学変調ないしは表示を行う
ことができる。
【0012】
【実施例】
(好適な実施態様の説明)図1は、本発明における概念
を摸式的に示したものである。図中、11はハイブリッ
ド配向膜15を形成した側の基板、11′は垂直配向処
理を施した配向膜15′を有する基板、12は配向膜1
5に一回目の配向処理の向きを示す矢印、13は二回目
の配向処理の向きを示す矢印、14は液晶のスメクティ
ック相での液晶分子の層構造を示している。なお、図1
は図7と同様の構成のセルを上部から見たものである。
【0013】以下、配向処理は、ポリイミド等の高分子
配向膜15をラビング処理する方法として説明するが、
SiO2 等の酸化物の傾斜蒸着技術やLB膜の引き上げ
方向による配向技術、またグレーティング形成等の形状
配向技術などの他の配向技術を用いることも可能であ
り、これに限定されるものではない。
【0014】図1に示すように一回目の配向処理の方向
としてのラビング方向12と二回目の配向処理の方向と
してのラビング方向13は角度θmだけずらしてある。
ここで、θmは時計周りを正として、負のPsの液晶を
用いた場合は正、正のPsの液晶を用いた場合は負に、
ほぼ液晶の見かけのチルト角θa程度とするのが好まし
い。また、この角度θmの最適値は、一回目のラビング
と二回目のラビングの強度比によっても変化する。
【0015】本発明者らの実験によれば、同じ強度で異
なる方向に複数回のラビング処理を施した場合、最後の
処理の効果が配向に関して最も支配的で、実質上、最後
のラビング処理によって配向軸の方向が決定され、一回
のラビング処理で得られる配向と同様な均一配向が得ら
れることがわかった。即ち、図1に示すようにスメクテ
ィック相での層構造は最後(ここでは二回目)のラビン
グ方向と垂直な方向に形成された一軸配向となる。この
ような効果は、対向基板を垂直配向処理した場合に顕著
である。これに対して、対向基板に通常の配向処理(一
方向のラビング処理)を施した基板を用いると、軸性の
異なる微小な領域が発生して、均一な配向は得難い。
【0016】以上説明した図1に示した配向状態での2
つの安定状態U1、U2(図7参照)の安定性を考え
る。まず、U1状態は、前に述べたように液晶の永久双
極子モーメントと配向膜表面との電気的相互作用によっ
てより安定性が強い。図2に配向膜の極性エネルギーを
考慮した双安定ポテンシャルのモデルを示す。次に、U
2状態では、液晶分子の長軸方向(nダイレクタ)の向
きは一回目のラビングによる配向規制力をより強く感じ
るために安定性が向上している。図3は配向規制力を考
慮した双安定ポテンシャルのモデルを示している。この
一回目のラビングによる配向規制力を最適に調整すれ
ば、図2の双安定ポテンシャルと図3の双安定ポテンシ
ャルの合成として図4に示すような安定性の等しい双安
定ポテンシャルを形成することができる。即ち、本発明
は配向処理の方法を改良して図4のようなポテンシャル
を示す液晶素子を提供するものである。
【0017】なお、二回目のラビングによる配向規制力
は、U1、U2の二状態に対して等しく作用するため安
定状態の対称性には原則的には寄与しない。
【0018】但し、一回目のラビング強度が二回目のラ
ビング強度に比べてある程度以上(約3倍以上)強い場
合、スメクティック相の層法線方向が二回目のラビング
方向から一回目のラビング方向の方に傾くため、二回目
のラビングによる規制力の影響も対称性に寄与すること
がある。
【0019】本発明では、液晶に対する配向規制力を調
節することが重要であるが、配向規制力そのものは評価
・検出するのが難しい。従って、以下に述べるような評
価法を用いて最適な条件を定める。
【0020】1)配向膜の屈折率異方性の評価 一般に、ラビングした高分子膜はそのラビング方向を長
軸とする屈折率異方性(楕円)を示し、配向した強誘電
性液晶の層法線方向はラビング方向と一致するため、液
晶の2つの安定状態の分子長軸方向に対応する配向膜の
屈折率は等しい。本発明では、2つの異なる方向にラビ
ングを施すため、屈折率の異方性は長軸方向の異なる2
つの楕円の合成(2つの長軸をもつ)となるか、楕円の
長軸方向がラビング方向からずれるので、液晶の2つの
安定状態の分子長軸方向に対応する配向膜の屈折率は互
いに異なる。よってこの2方向の屈折率の差を評価基準
にして最適な条件を定めることができる。
【0021】2)配向膜の形状評価 一般に、ラビングした高分子膜にはそのラビング方向に
微細な溝構造が形成されることが知られている。本発明
では、2つの異なる方向にラビングを施すため、2方向
の溝構造の合成として菱形状の溝の格子が形成される。
これを原子間力顕微鏡(AFM)等で観測し、画像処理
的手法で2つの方向の溝のピッチや深さを評価すること
によって最適な条件を定めることができる。
【0022】本発明に用いられる基板としては、少なく
とも一方の基板として、透光性の基板を用いる。具体的
にはプラスチック、ガラスや石英等である。一方、非透
光性の基板としては、金属、半導体、絶縁体等あらゆる
ものが用いられる。
【0023】本発明に用いられる配向膜としては、無機
材料又は有機材料が用いられ、具体的には酸化シリコ
ン、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等
であり、施される配向処理に応じて適切な材料を選択す
る。
【0024】本発明に用いられる強誘電性液晶として
は、カラルスメクチックC相及び、H相、I相などをと
る液晶が好ましく用いられ、特にカイラルスメクチック
C相が好ましい。
【0025】本発明に用いられる液晶セル即ち画素を形
成する一対の電極としては、少なくとも一方が透明導電
体で形成されることが望ましく、そのような材料として
は、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム錫(IT
O)等が好適に用いられる。
【0026】そして、本発明に用いられる配向処理を施
された配向膜は、二回目の配向処理性方向から、時計回
りに+θ°だけ回転した方向の配向膜の屈折率n1が、
二回目の配向処理方向から−θ°だけ回転した方向の配
向膜の屈折率n2とは異なる。同様に液晶素子とした時
に非螺旋配向した強誘電性液晶の形成する分子層の層法
線方向から時計回りに+θ°だけ回転した方向の配向膜
の屈折率n1′が、二回目の配向処理方向から−θ°だ
け回転させた方向の配向膜の屈折率n2′とは異なる。
【0027】そして、非螺旋配向した液晶素子の見かけ
のチルト角θaがコーン角Θに対して、Θ/2<θa≦
Θとなっている。
【0028】又、本発明の液晶素子は、明(白)状態と
暗(黒)状態の2値以外に単位画素内の液晶の反転領域
の面積に応じた中間調状態をとる諧調表示用の素子とし
て好ましいものである。
【0029】つまり。液晶の反転しきい値が安定するの
で、中間調用の電気信号に応じた反転領域の面積が常に
得られ、再現性が高く、長時間同じ表示状態に保つこと
ができる。
【0030】また、本発明に用いられる中間調信号とし
ては、波高値のみが変調された信号や、パルス幅が変調
された信号あるいは、波高値とパルス幅の両方が変調さ
れた信号のいずれでもよい。このような中間調信号を発
生する中間調信号発生手段は半導体集積回路などにより
作製される。より好ましくは一対の電極の各々に独立し
た信号を印加してそれらの組み合わせにより中間調信号
とすることが望ましい。
【0031】そして、液晶材料、電極材料、液晶セル内
での配向状態を適宜選択設計して、中間調信号に応じた
面積の分極反転領域を発現させる。
【0032】(実施例1)本発明の実施例1では、以下
に述べる液晶素子を以下の手順で作製した。
【0033】まず、透明電極としてスパッタ法により7
0nmの厚さITO(酸化インジウム:錫)膜を形成し
た一対のガラス基板を用意し、一方の基板のITO膜上
にポリイミドの前駆体であるポリアミック酸LP−64
(東レ株式会社製)のNMP(Nメチルピロリドン):
n−BC(ブチルセロソルブ)混合溶液をスピンコート
した。ここで塗布溶液はNMP:n−BC=2:1の混
合溶媒にLP−64を1重量%となるように調製し、ス
ピン条件は、45回転/秒、20秒で行った。この基板
を、80℃のオーブン中で5分の溶媒乾燥を行った後、
200℃のオーブン中で1時間の加熱焼成を行いイミド
化した。得られたポリイミド膜は約10nmの厚さで、
この膜をラビング処理して配向膜とした。ラビングは、
直径10cmのローラーに巻き付けたナイロン製の布を
用い、16.7回転/秒、配向膜表面に対する布の押し
込み0.4mm、基板の送り速度10mm/秒で、二回
のラビングを行った。ここで、ラビングの方向として、
二回目のラビング方向を一回目のラビング方向に対して
反時計周りに角度θm(度)として5°回転させ同じ強
度でラビングを行った。その後、この基板表面に平均粒
径2.0μmのシリカビーズを0.008重量%で分散
させたIPA(イソプロピルアルコール)溶液を、25
回転/秒、10秒の条件でスピン塗布し、分布密度30
0個/mm2程度のビーズスペーサを散布した。
【0034】対向側のもう一方の基板は、基板のITO
膜上にシランカップリング剤(ODS−E)の0.5重
量%エチルアルコール溶液を45回転/秒、20秒の条
件でスピン塗布し、垂直配向処理した。その後、この基
板上に熱硬化型の液状接着剤を印刷により塗工した。
【0035】こうして得られた2枚の基板を対向して貼
り合わせ、150℃のオーブン中で90分間熱硬化さ
せ、空セルとした。
【0036】この空セルに、以下に述べる液晶混合物を
減圧下(10Pa)、等方相温度(100℃)で注入
し、Sm* C相まで徐冷することにより液晶素子とし
た。
【0037】ここで用いた液晶混合物は、下記の化合物
を下記の比率で混合したものである。
【0038】
【外1】
【0039】
【外2】
【0040】この液晶混合物の相転移系列は以下のとお
りで、30℃における物性定数は、自然分極Ps=2.
5nC/cm2 、コーン角Θ=12.2°、誘電率異方
性Δε〜0、上述のセルに注入した状態での見かけのチ
ルト角θa=10.8°であった。
【0041】
【外3】
【0042】なお、一般にスメクティックC相の非螺旋
状態での液晶の層構造は、屈曲構造(シェブロン構造)
を示すが、この液晶混合物の性質として、屈曲部をもた
ないいわゆるブックシェルフ構造を示し、双安定な2状
態を有していた。
【0043】又、上記ラビングの際に一回目のラビング
と二回目のラビング方向のなす角度θmを1°から15
°まで変化させて多数種類の液晶素子の試料をも作製し
た。
【0044】こうして得られた3種類の液晶素子をクロ
スニコル下におき、実験駆動波形を印加してU1状態か
らU2状態とU2状態からU1状態への反転しきい値を
測定した。図5に実験駆動波形を示す。図中51は補助
パルス、52はバイポーラリセットパルス、53は書き
込みパルスである。補助パルス51は書き込みパルス5
3の逆極性パルスであり、駆動波形のDC成分をゼロに
するためのものである。リセットパルス52は書き込み
前に表示状態を一度リセット(黒状態)するためのもの
である。書き込みパルス53及び補助パルス51の電圧
値を変化させて。観測エリアの50%が反転してメモリ
状態になるパルス電圧値を記録した。
【0045】そして、θmに対してU1状態からU2状
態への反転しきい値V1とU2状態からU1状態への反
転しきい値V2の差を測定した。
【0046】前述した実施例1と基本的にほぼ同じ作製
工程により比較例による液晶素子の試料を作製した。実
施例1と異なる点は2回のラビングの方向を同一方向と
し、即ち、θm=0とした点であり、その他の構成は実
施例1と同じである。
【0047】そして、各試料においてU1状態からU2
状態への反転しきい値V1と、U2状態からU1状態へ
の反転しきい値V2と、の差を測定した。
【0048】上記測定の結果を図6に示す。図6には代
表的な4試料の値のみ黒印でプロットした。このように
2回のラビングの方向を変えると反転しきい値の差が小
さくなる。そして、好ましくは、θmを2°以上、より
好ましくは2°以上15°以下、最適には5°以上15
°以下とすることが望ましい。
【0049】(実施例2)本発明の第2の実施例を以下
に説明する。本実施例でのセルは、第1の実施例で用い
たセルとほぼ同様な工程で作製した。但し、本実施例で
は、一回目のラビングの後、配向膜表面を対向基板と同
様の手法で垂直配向処理し、その後、二回目のラビング
を行った。ここでやはりラビングの方向はθmだけ回転
させた。このようにして作製されたセルは配向の均一性
が第の実施例に比べてさらに良く、しきい値差の低減に
対して同様の効果があった。
【0050】(実施例3)図7に上述した本発明の実施
例による液晶素子を有する画像表示装置の構成を示す。
装置は、液晶表示素子としての500×500のマトリ
クスのパネル1801、クロック1802、同期回路1
803、及びシフトレジスタ1804、アナログスイッ
チ1805などからなる走査波形発生器1806、及び
例えばフレームメモリ1807などからの映像情報を駆
動信号に変換出力する情報信号発生器1808とからな
る。これらは実装上、マトリスク基板の上下の片側もし
くは両側、左右の片側ないしは両側に振り分けられて結
合されても良い。中間調信号としての情報信号波形の印
加方法としては、階調情報を付与する方法として電圧変
調を用いた。
【0051】その結果、中間調の表示特性は、安定性再
現性に優れたものであった。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特にCh相の欠如した強誘電性液晶を均一に配向させる
ことができ、かつ双安定な二状態間の反転しきい値をよ
り等しく対称にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための模式図である。
【図2】配向膜の極性エネルギーを考慮した双安定ポテ
ンシャルの模式図である。
【図3】配向規制力を考慮した双安定ポテンシャルの模
式図である。
【図4】対称化された双安定ポテンシャルの模式図であ
る。
【図5】本発明で用いた駆動波形を示す図である。
【図6】本発明の効果を説明する為の配向処理方向の角
度と反転しきい値電圧差の関係を示す図である。
【図7】本発明による液晶素子を有する表示装置を示す
ブロック図である。
【図8】液晶素子の状態を説明する為の模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−131913(JP,A) 特開 昭63−208825(JP,A) 特開 昭61−94029(JP,A) 特開 平4−121711(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337 G02F 1/1335 G02F 1/141

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電性液晶と、該強誘電性液晶を間に
    保持し、該強誘電性液晶に電圧を印加するための電極が
    形成された一対の基板とを有する強誘電性液晶素子であ
    って、 前記一対の基板のうち一方の基板上には垂直配向処理が
    施されており、前記一対の基板のうち他方の基板上には
    配向膜を形成して一方向に一回目の配向処理を施したの
    ち前記方向と異なる方向に二回目の配向処理を施し、且
    つ、前記配向処理が高分子膜をラビング処理したもので
    あり、二回目の配向処理方向から時計回りに+θだけ回
    転した方向の屈折率n1が、二回目の配向処理方向から
    −θだけ回転した方向の屈折率n2と異なることを特徴
    とする強誘電性液晶素子。
  2. 【請求項2】 強誘電性液晶と、該強誘電性液晶を間に
    保持し、該強誘電性液晶に電圧を印加するための電極が
    形成された一対の基板とを有する強誘電性液晶素子であ
    って、 前記一対の基板のうち一方の基板上には垂直配向処理が
    施されており、前記一対の基板のうち他方の基板上には
    配向膜を形成して一方向に一回目の配向処理を施したの
    ち前記方向と異なる方向に二回目の配向処理を施し、前
    記強誘電性液晶は、非螺旋配向状態における強誘電性液
    晶が少なくとも2つの安定状態を示す強誘電性液晶であ
    り、前記非螺旋配向状態における強誘電性液晶の形成す
    る層構造の層法線方向から時計回りに+θだけ回転した
    方向の屈折率n1が、二回目の配向処理方向から−θだ
    け回転した方向の屈折率n2と異なることを特徴とする
    強誘電性液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記強誘電性液晶が温度を降下させるに
    従い、等方相、スメクティックA相、カイラルスメクテ
    ィック相の順に相転移するものであることを特徴とする
    請求項1及び2に記載の強誘電性液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記強誘電性液晶の非螺旋配向状態にお
    ける2つの安定状態間の見かけのチルト角θaが、該強
    誘電性液晶のカイラルスメクティック相での螺旋状態の
    液晶のコーン角Θに対して、Θ/2<θa≦Θの関係に
    あることを特徴とする請求項2に記載の強誘電性液晶素
    子。
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