JP2018087947A - 液晶装置、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶層の電荷の偏りを低減して、フリッカーや焼き付きなどが改善された液晶装置を提供すること。
【解決手段】液晶装置100の複数の画素電極15を覆う第1配向膜18及び共通電極23を覆う第2配向膜24は、それぞれ基板面に対して斜め方向に堆積させた無機の柱状体18aあるいは柱状体24aの集合体であって、第1配向膜18の表面状態と、第2配向膜24の表面状態とがほぼ同じであり、共通電極23には、複数の画素電極15の配置に対応した切欠き部23aが設けられている。
【選択図】図7
【解決手段】液晶装置100の複数の画素電極15を覆う第1配向膜18及び共通電極23を覆う第2配向膜24は、それぞれ基板面に対して斜め方向に堆積させた無機の柱状体18aあるいは柱状体24aの集合体であって、第1配向膜18の表面状態と、第2配向膜24の表面状態とがほぼ同じであり、共通電極23には、複数の画素電極15の配置に対応した切欠き部23aが設けられている。
【選択図】図7
Description
本発明は、液晶装置及び該液晶装置を備えた電子機器に関する。
液晶装置として、複数の画素ごとに、画素電極と、画素電極の電位を制御するスイッチング素子とを備えたアクティブ駆動型の液晶装置が知られている。アクティブ駆動型の液晶装置では、画素電極と対向電極との間に配置された液晶層を交流駆動している。交流駆動は、例えば、対向電極を所定の電位に保持しておき、連続する2フレームの期間で画素電極の電位を上記所定の電位に対して高電位(正極性)と低電位(負極性)とに切り替える。このような交流駆動によれば、例えば高電位(正極性)に偏らせて駆動する場合に比べて、液晶層に印加される電界の向きが反転するので、液晶層における電荷の偏りを減らすことができるとしている。
液晶層に電荷の偏りが生ずると、液晶層に直流電圧成分が印加されることになり、これに起因して液晶層の透過率が表示状態によって変化するフリッカーと呼ばれる現象が生ずる。また、直流電圧成分により液晶層に定常的に電界が印加されることにより、定常的なパターンの焼き付きが起こることが知られている。
このようなフリッカーや焼き付きなどを引き起こす、液晶層の電荷の偏りを低減する方法として、例えば、特許文献1には、画素電極に高電位が印加されているときのスイッチング素子の寄生容量による画素電極の電位の変化量と、画素電極に低電位が印加されているときのスイッチング素子の寄生容量による画素電極の電位の変化量との平均値の分だけ、高電位と低電位との平均電位をシフトさせた電位を基準電位としたときに、対向電極電位を基準電位よりも低くする液晶装置の駆動方法が開示されている。
上記特許文献1によれば、画素電極と液晶層との間には、第1誘電体層と第1配向膜とが設けられ、対向電極と液晶層との間には、第2誘電体層と第2配向膜が設けられるとしている。また、第1誘電体層及び第2誘電体層は、酸化シリコンからなり、第2誘電体層の厚みは第1誘電体層よりも薄いとしている。このような液晶装置では、画素電極側に比べて、対向電極側に電荷が蓄積され易いが、上記特許文献1の駆動方法を採用することで、第1誘電体層と第2誘電体層との厚みの違いに起因する電荷の偏りを打ち消すように電荷を移動させることができるとしている。
上記特許文献1の液晶装置によれば、表示領域には、複数の画素電極が配置され、対向電極は液晶層を挟んで複数の画素電極に対向するように配置される。したがって、複数の画素電極を覆う第1配向膜には、画素電極の配置に対応した凹凸が生ずる。一方で、対向電極を覆う第2配向膜には、第1配向膜のような凹凸は生じない。ゆえに、第1誘電体層と第2誘電体層との厚みの違いに起因する電荷の偏りだけでなく、第1配向膜と第2配向膜との表面状態の違いによる電荷の偏りが発生するおそれがある。つまり、第1配向膜と第2配向膜との表面状態の違いによる電荷の偏りもまた改善する必要があるという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る液晶装置は、複数の画素電極と、前記複数の画素電極を覆う第1配向膜とが設けられた第1基板と、共通電極と、前記共通電極を覆う第2配向膜とが設けられた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶層と、を備え、前記第1配向膜及び前記第2配向膜は、それぞれ基板面に対して斜め方向に堆積させた無機の柱状体の集合体であって、前記第1配向膜の表面状態と、前記第2配向膜の表面状態とがほぼ同じであることを特徴とする。
基板面に対して斜め方向に堆積させた無機の柱状体の集合体を用いて配向膜を構成した場合、基板面に凹凸があると、上記斜め方向に対して凹凸の影になる部分には、柱状体が形成され難く、配向膜に欠損した部分(欠損部)が生ずる。とりわけ、複数の画素電極を覆う第1配向膜は、上記斜め方向に対して隣り合う画素電極のうち一方の画素電極の端部が影となることから、該端部に柱状体が形成され難く、第1配向膜に欠損部が生ずる。本実施形態では、共通電極を覆う第2配向膜の表面状態が、複数の画素電極を覆う第1配向膜の表面状態とほぼ同じであることから、第1配向膜の表面状態と第2配向膜の表面状態との違いによる電荷の偏りが生じ難くなる。それゆえに、当該電荷の偏りに起因するフリッカーや焼き付きなどが生じ難い液晶装置を提供することができる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記共通電極は、前記複数の画素電極の配置に対応した切欠き部を有することが好ましい。
この構成によれば、上記斜め方向に対して共通電極の切欠き部の影になる部分には柱状体が形成され難く、共通電極を覆う第2配向膜には、複数の画素電極を覆う第1配向膜と同様な欠損部が生ずるため、第2配向膜の表面状態を第1配向膜の表面状態に近づけることができる。
この構成によれば、上記斜め方向に対して共通電極の切欠き部の影になる部分には柱状体が形成され難く、共通電極を覆う第2配向膜には、複数の画素電極を覆う第1配向膜と同様な欠損部が生ずるため、第2配向膜の表面状態を第1配向膜の表面状態に近づけることができる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記共通電極は、前記複数の画素電極の配置に対応した凹部を有するとしてもよい。
この構成によれば、上記斜め方向に対して共通電極の凹部における影になる部分には柱状体が形成され難く、共通電極を覆う第2配向膜には、複数の画素電極を覆う第1配向膜と同様な欠損部が生ずるため、第2配向膜の表面状態を第1配向膜の表面状態に近づけることができる。
この構成によれば、上記斜め方向に対して共通電極の凹部における影になる部分には柱状体が形成され難く、共通電極を覆う第2配向膜には、複数の画素電極を覆う第1配向膜と同様な欠損部が生ずるため、第2配向膜の表面状態を第1配向膜の表面状態に近づけることができる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記共通電極は、前記複数の画素電極の配置に対応して分割され、前記共通電極の下層に、分割された前記共通電極を電気的に接続させる配線を有するとしてもよい。
この構成によれば、上記斜め方向に対して分割された共通電極の端部における影となる部分には柱状体が形成され難く、分割された共通電極を覆う第2配向膜には、複数の画素電極を覆う第1配向膜と同様な欠損部が生ずるため、第2配向膜の表面状態を第1配向膜の表面状態に近づけることができる。
この構成によれば、上記斜め方向に対して分割された共通電極の端部における影となる部分には柱状体が形成され難く、分割された共通電極を覆う第2配向膜には、複数の画素電極を覆う第1配向膜と同様な欠損部が生ずるため、第2配向膜の表面状態を第1配向膜の表面状態に近づけることができる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記第2配向膜は、前記複数の画素電極の配置に対応した切欠き部を有するとしてもよい。
この構成によれば、第2配向膜の表面状態を複数の画素電極を覆う第1配向膜の表面状態とほぼ同じとすることができる。
この構成によれば、第2配向膜の表面状態を複数の画素電極を覆う第1配向膜の表面状態とほぼ同じとすることができる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記第2配向膜は、前記複数の画素電極の配置に対応して分割されているとしてもよい。
この構成によれば、第2配向膜の表面状態を複数の画素電極を覆う第1配向膜の表面状態とほぼ同じとすることができる。
この構成によれば、第2配向膜の表面状態を複数の画素電極を覆う第1配向膜の表面状態とほぼ同じとすることができる。
[適用例]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の液晶装置を備えることが好ましい。
本適用例によれば、第1配向膜の表面状態と第2配向膜の表面状態との違いによる電荷の偏りに起因するフリッカーや焼き付きなどが生じ難い液晶装置を備えているので、優れた表示品質を有する電子機器を提供することができる。
本適用例によれば、第1配向膜の表面状態と第2配向膜の表面状態との違いによる電荷の偏りに起因するフリッカーや焼き付きなどが生じ難い液晶装置を備えているので、優れた表示品質を有する電子機器を提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
本実施形態では、画素ごとにスイッチング素子としての薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;以降TFTと称す)を備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調手段(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
(第1実施形態)
<液晶装置>
まず、本実施形態の液晶装置の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は液晶装置の構成を示す概略平面図、図2は図1に示す液晶装置のH−H’線に沿った概略断面である。
<液晶装置>
まず、本実施形態の液晶装置の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は液晶装置の構成を示す概略平面図、図2は図1に示す液晶装置のH−H’線に沿った概略断面である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の液晶装置100は、互いに対向配置された素子基板10及び対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された液晶層50とを有する。素子基板10の基材10s及び対向基板20の基材20sは、透光性を有する例えば石英基板やガラス基板などが用いられている。
素子基板10は、対向基板20よりも一回り大きい。素子基板10と対向基板20とは、対向基板20の外縁部に沿って額縁状に配置されたシール40を介して貼り合わされている。本実施形態では、素子基板10と対向基板20との隙間に負の誘電異方性を有する液晶が封入されて、液晶層50が構成されている。シール40は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール40には、一対の基板の間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
シール40の内側には、複数の画素Pがマトリックス状に配列した表示領域E1が設けられている。また、対向基板20には、シール40と表示領域E1との間に表示領域E1を取り囲む見切り部21が設けられている。見切り部21は、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物などで構成されている。なお、表示領域E1は、表示に寄与する複数の画素Pに加えて、複数の画素Pを囲むように配置されたダミー画素を含むとしてもよい。
素子基板10には、複数の外部接続端子104が配列した端子部が設けられている。素子基板10の上記端子部に沿った第1の辺部とシール40との間にデータ線駆動回路101が設けられている。また、第1の辺部に対向する第2の辺部に沿ったシール40と表示領域Eとの間に検査回路103が設けられている。さらに、第1の辺部と直交し互いに対向する第3の辺部及び第4の辺部に沿ったシール40と表示領域E1との間に走査線駆動回路102が設けられている。第2の辺部のシール40と検査回路103との間には、2つの走査線駆動回路102を繋ぐ複数の配線105が設けられている。
これらデータ線駆動回路101、走査線駆動回路102に繋がる配線は、第1の辺部に沿って配置された複数の外部接続端子104に接続されている。以降、第1の辺部に沿った方向をX方向とし、第3の辺部及び第4の辺部に沿った方向をY方向として説明する。また、本明細書では、X方向およびY方向と直交する方向から素子基板10や対向基板20を見ることを「平面視」あるいは「平面的」という。
図2に示すように、素子基板10は、基材10s、並びに基材10sの液晶層50側の面に形成されたスイッチング素子としてのTFT30や画素電極15、及び複数の画素電極15を覆う第1配向膜18などを有している。TFT30や画素電極15は、画素Pの構成要素である。本実施形態の素子基板10が本発明の第1基板の一例である。
対向基板20は、基材20s、並びに基材20sの液晶層50側の面に順に積層された見切り部21、平坦化層22、共通電極23、及び第2配向膜24などを有している。本実施形態の対向基板20が本発明の第2基板の一例である。
見切り部21は、図1に示すように表示領域E1を取り囲むと共に、平面的に走査線駆動回路102、検査回路103と重なる位置に設けられている。これにより対向基板20側からこれらの駆動回路を含む周辺回路に入射する光を遮り、周辺回路が光によって誤動作することを防止する役割を有している。また、不必要な迷光が表示領域E1に入射しないように遮光して、表示領域E1の表示における高いコントラストを確保している。
平坦化層22は、例えばシリコン酸化物などの無機材料からなり、透光性を有して見切り部21を覆うように設けられている。このような平坦化層22は、例えばプラズマCVD法などを用いて形成されたシリコン酸化膜であり、平坦化層22上に形成される共通電極23の表面凹凸を緩和可能な程度の膜厚を有している。
共通電極23は、例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなり、平坦化層22を覆うと共に、図1に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部106を介して素子基板10側の配線に電気的に接続されている。
複数の画素電極15を覆う第1配向膜18及び共通電極23を覆う第2配向膜24は、液晶装置100の光学設計に基づいて設定されており、シリコン酸化物などの無機材料からなる無機配向膜が採用されている。液晶層50における負の誘電異方性を有する液晶分子の配向状態及び無機配向膜については後述する。
このような液晶装置100は透過型であって、画素Pが非駆動時に明表示となるノーマリーホワイトモードや、非駆動時に暗表示となるノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
<液晶分子の配向状態と無機配向膜>
次に、図3及び図4を参照して液晶分子の配向状態と無機配向膜について説明する。図3は液晶装置の液晶層における液晶分子の配向状態を示す概略断面図、図4は無機配向膜の成膜の仕方を示す概略平面図である。なお、図3では、説明の都合上、液晶分子を楕円体として視認可能な大きさで模式的に図示している。
次に、図3及び図4を参照して液晶分子の配向状態と無機配向膜について説明する。図3は液晶装置の液晶層における液晶分子の配向状態を示す概略断面図、図4は無機配向膜の成膜の仕方を示す概略平面図である。なお、図3では、説明の都合上、液晶分子を楕円体として視認可能な大きさで模式的に図示している。
図3に示すように、第1配向膜18は、複数の画素電極15が形成された基板面に対して、シリコン酸化物などの無機材料を斜め方向に堆積させた柱状体18aの集合体である。同じく、第2配向膜24は、共通電極23が形成された基板面に対して、シリコン酸化物などの無機材料を斜め方向に堆積させた柱状体24aの集合体である。図3及び以降の説明に用いる図では、柱状体18a,24aを視認可能な大きさとして示しているが、実際には、成膜方法や成膜条件によって、柱状体18a,24aの大きさは変化し、すべての柱状体18a,24aが同じ大きさであるとは限らない。本実施形態における第1配向膜18の平均膜厚と、第2配向膜24の平均膜厚とはほぼ同じである。
素子基板10と対向基板20との間に挟持された液晶層50において、負の誘電異方性を有する液晶分子LCは、第1配向膜18及び第2配向膜24の配向膜面の法線に対して液晶分子LCの長軸が所定の角度θpで傾斜した状態で配向している。このような液晶分子LCの配向状態を、プレチルトを有する略垂直配向と言い、上記所定の角度θpはプレチルト角と呼ばれる。本実施形態における液晶分子LCのプレチルト角θpはおよそ3度〜5度である。
略垂直配向した負の誘電異方性を有する液晶分子LCは、画素電極15と共通電極23との間に駆動電位が印加され電界が発生すると、電界方向と直交する方向に傾く。液晶層50を透過する偏光の透過率は、液晶分子LCの傾きの変化、すなわち配向状態の変化に依存する。画素Pごとに液晶層50を透過する偏光の透過率を電気的に制御することで表示が行われる。
液晶分子LCの長軸の傾斜方向、すなわちプレチルトの方向は、基板面に対して斜め方向に堆積させた柱状体18a,24aの傾斜方向と同方向である。柱状体18a,24aは、基板面に対してシリコン酸化物などの無機材料を斜め方向から蒸着あるいはスパッタすることで形成される。このような成膜方法は斜め蒸着あるいは斜めスパッタと呼ばれている。本実施形態では、無機材料の蒸着源に対して基板を傾けて蒸着する斜め蒸着により、第1配向膜18、第2配向膜24を形成している。
なお、基板面の法線に対する柱状体18a,24aの傾斜角度θbは、プレチルト角θpと必ずしも一致しない。また、基板面の法線に対する斜め蒸着の角度とも必ずしも一致しない。液晶分子LCのプレチルト角θpは、液晶装置100の光学特性(視野角特性や応答速度など)に影響するため、所望のプレチルト角θpとなるように、柱状体18a,24aを基板面の法線に対して斜め方向に形成する。無機配向膜の材料や形成方法にもよるが、この場合、基板面の法線に対する斜め蒸着の角度はおよそ40度〜50度であり、基板面の法線に対する柱状体18a,24aの傾斜角度θbはおよそ20度である。すなわち、柱状体18a,24aの傾斜角度θbよりも斜め蒸着の角度のほうが大きい。
図4に示すように、表示領域E1には、複数の画素PがX方向とY方向とにマトリックス状に配置されている。前述したように、複数の画素Pはそれぞれ画素電極15を有している。共通電極23は、複数の画素電極15と対向するように、少なくとも表示領域E1に亘って設けられている。
本実施形態における無機材料の斜め蒸着方向は、図4に示すように、例えば画素電極15が形成された素子基板10側では、実線の矢印で示したように右上から左下に向かって所定の角度θaでY方向と交差する方向である。素子基板10に対して対向配置され、共通電極23が設けられた対向基板20側では、破線の矢印で示したように左下から右上に向かって所定の角度θaでY方向と交差する方向である。なお、図4に示した斜め蒸着方向は、液晶装置100を対向基板20側から見たときの方向である。
基板面の法線方向から見た平面視における液晶分子LCのプレチルトの方向は、図4に示した斜め蒸着方向と同じである。このような液晶分子LCの配向処理は、1軸垂直配向処理と呼ばれ、液晶装置100の光学設計条件に基づいて斜め蒸着方向が適宜設定される。本実施形態では、液晶装置100の光の入射側と出射側とに配置される一対の偏光素子はクロスニコルとなっており、一方の偏光素子の透過軸または吸収軸は、例えばX方向に延在している。これに対して、上記斜め蒸着方向は、45度の角度で交わっている(角度θa=45度)。このような1軸垂直配向処理とすることで、表示におけるコントラストが最大となるように設定されている。
なお、平面視における素子基板10及び対向基板20の斜め蒸着方向は、図4に示した方向であることに限定されず、液晶装置100の光の入射側と出射側とに配置される一対の偏光素子の透過軸または吸収軸に対して45度の角度で交わっていればよい。したがって、例えば、素子基板10側では左上から右下に向かって45度でY方向と交差する方向を斜め蒸着方向とし、対向基板20側では右下から左上に向かって45度でY方向と交差する方向を斜め蒸着方向としてもよい。
次に、斜め蒸着による無機配向膜の成膜の状態について、図5を参照して説明する。
図5は複数の画素電極を覆う第1配向膜の成膜の状態を説明する概略平面図である。なお、図5の矢印が示す方向は、上述した平面視における斜め蒸着方向の一例を示すものである。
図5は複数の画素電極を覆う第1配向膜の成膜の状態を説明する概略平面図である。なお、図5の矢印が示す方向は、上述した平面視における斜め蒸着方向の一例を示すものである。
図5に示すように、所定の配置ピッチでX方向とY方向とに配置された画素電極15に対して、例えば、平面視で右上から左下に向かって斜め蒸着を行って第1配向膜18を成膜する。そうすると、四角形(本実施形態では正方形)の画素電極15において、斜め蒸着方向に抗する辺15aに対向する辺15cに沿った部分が斜め蒸着における影になる。同様に、斜め蒸着方向に抗する辺15bに対向する辺15dに沿った部分が斜め蒸着における影になる。つまり、斜め蒸着における影が、画素電極15の直交する辺15cと辺15dに沿った部分に発生する。画素電極15に対する斜め蒸着の影は、平面視でL字状になる。そうすると、斜め蒸着の影になった部分では、図3に示すように、無機材料が堆積しないので柱状体18aが形成されず、第1配向膜18に欠損した部分(以降、「欠損部」と呼ぶ)が生ずる。なお、図3では、画素電極15の端部において、柱状体18aがまったく形成されていない状態を「欠損部」として示したが、「欠損部」は、柱状体18aがわずかに形成され膜厚が所定の値となっていない状態も含まれる。
一方で、複数の画素電極15に液晶層50を介して対向配置される共通電極23には、斜め蒸着における影が生じないことから、図3に示すように、共通電極23を覆う第2配向膜24には成膜における欠損部が生じない。したがって、第1配向膜18の成膜における欠損部の発生状態(表面状態)と、第2配向膜24の成膜における欠損部の発生状態(表面状態)とは違った状態となる。
発明者は、このような第1配向膜18の表面状態と、第2配向膜24の表面状態との違いが、液晶層50を交流駆動する場合の電荷の偏りの一因となっていることを付き止めた。液晶層50における電荷の偏りは、フリッカーや焼き付きなどを招くため、発明者は第1配向膜18の表面状態と第2配向膜24の表面状態とをほぼ同じとする手段を開発した。以降、第1配向膜18の表面状態と第2配向膜24の表面状態とをほぼ同じとする手段の一例について説明する。
図6は共通電極を示す概略平面図、図7は図6のA−A’線に沿った液晶装置の構造を示す概略断面図である。詳しくは、図6は複数の画素電極15に対向配置されたときの共通電極23を示すものである。また、図7に示した矢印の方向は、基板面に対する斜め蒸着方向を示すものである。
図6に示すように、本実施形態の液晶装置100では、共通電極23に複数の画素電極15の配置に対応した切欠き部23aを設けた。具体的には、複数の画素電極15に対向配置される共通電極23において、隣り合う画素電極15の間の領域に対応する領域内に、画素電極15の四隅に沿った部分を切り欠いて切欠き部23aを形成した。平面視における切欠き部23aの形状は、十字状である。このように共通電極23を切り欠いても、共通電極23は分割されていないので、電気的には共通電極23としての機能を確保している。
なお、本実施形態の液晶装置100は、透過型であることから、画素電極15及び共通電極23は、例えばITOやIZOなどの透明導電膜からなる。素子基板10において、隣り合う画素電極15の間の領域は、遮光領域となっており、当該遮光領域にTFT30やTFT30に接続される配線などが設けられている。このような素子基板10に対して共通電極23を有する対向基板20が対向配置される。素子基板10と対向基板20とが所定の位置からずれて対向配置され、切欠き部23aの一部と画素電極15とが平面視で重なると表示に影響を及ぼす。したがって、共通電極23に切欠き部23aを設けるにあたり、素子基板10と対向基板20との対向配置における位置精度を考慮し、切欠き部23aが平面視で隣り合う画素電極15の間の遮光領域内に収まるように形成することが好ましい。
図7に示すように、共通電極23の切欠き部23aには、斜め蒸着方向に対して影の部分が生じ、柱状体24aの形成が阻害される部分となる。したがって、共通電極23を覆う第2配向膜24には、切欠き部23aにおいて成膜における欠損部が生ずる。ゆえに、第2配向膜24の表面状態(欠損部の発生状態)は、複数の画素電極15を覆う第1配向膜18の表面状態(欠損部の発生状態)に近づいてほぼ同じとなる。
<液晶層の電荷の偏り>
次に、液晶層50における電荷の偏りの計測方法と、電荷の偏りの評価結果について、図8及び図9を参照して説明する。図8は液晶層の電荷の偏りの計測方法を示す概略図、図9は液晶層の電荷の偏りの評価結果を示すグラフである。
次に、液晶層50における電荷の偏りの計測方法と、電荷の偏りの評価結果について、図8及び図9を参照して説明する。図8は液晶層の電荷の偏りの計測方法を示す概略図、図9は液晶層の電荷の偏りの評価結果を示すグラフである。
本実施形態の液晶層50の電荷の偏りの計測方法は、図8に示すように、画素電極15と共通電極23との間に、電圧が例えば0±5Vの範囲で変化する三角波を印加する。具体的には、共通電極23の電位を0Vとして、画素電極15に印加される電位を0V→5V→0V→−5V→0Vの順で変化させる。三角波の周波数は、例えば、0.01Hz〜1Hzである。このような三角波を発生させる装置としては、例えば、東洋テクニカ社製の液晶物性評価システム6254型が挙げられる。
共通電極23の電位(0V)を基準とした画素電極15の電位の変化によって、画素電極15と共通電極23との間の液晶層50に電流が流れる。液晶層50を流れる電流の大きさは、液晶層50自体の抵抗に加えて、画素電極15側の抵抗と、共通電極23側の抵抗とに係る。画素電極15側の抵抗は、画素電極15自体の抵抗に加えて、画素電極15と液晶層50との間に形成された第1配向膜18の抵抗も含まれる。
同様に、共通電極23側の抵抗は、共通電極23自体の抵抗に加えて、第2配向膜24の抵抗も含まれる。
画素電極15と共通電極23との間に上述した三角波を印加することで、液晶層50を流れる電流の向きが、画素電極15の電位の極性によって変化する。本実施形態では、画素電極15の電位が正極性であるときの印加電圧の変化に対する電流値の変化と、画素電極15の電位が負極性であるときの印加電圧の変化に対する電流値の変化とを比較することで、液晶層50における電荷の偏りの状態を求めるものである。
図9において、実線で示したグラフは、本実施形態の液晶装置100であって、先に説明したように、共通電極23に切欠き部23aを設けたものである。一方、図9において、破線で示したグラフは、共通電極23に切欠き部23aを設けない従来の構成としたものである。なお、グラフの縦軸である電流値は、共通電極23の電位を0Vとして、画素電極15に5Vを印加したときの電流値を「1.0」として数値化したものである。
図9に示すように、画素電極15の電位が正極性であるときは、印加電位が0V→5V→0Vに変化したとしても、液晶層50を流れる電流の大きさ(電流値)は、本実施形態の構成と従来の構成とでほとんど同じである。これに対して、画素電極15の電位が負極性であるときは、印加電位が0V→−5V→0Vに変化すると、液晶層50に流れる電流の大きさ(電流値)は、従来の構成のほうが本実施形態の構成に比べて小さくなっている。
言い換えれば、従来の構成では、画素電極15の電位が正極性であるときの、印加電圧と電流値との相関関係を示す実線で表した直線の傾きに対して、画素電極15の電位が負極性であるときの、印加電圧と電流値との相関関係を示す破線で表した直線の傾きの方が小さくなっている。これは、液晶層50を交流駆動したときに印加電位の極性が正極性か負極性かで液晶層50を流れる電流の大きさが変わる、すなわち電荷の偏りがあることを示すものである。
これに対して、本実施形態の構成では、画素電極15の電位が正極性であるときの、印加電圧と電流値との相関関係を示す実線で表した直線の傾きと、画素電極15の電位が負極性であるときの、印加電圧と電流値との相関関係を示す実線で表した直線の傾きとがほぼ同じになっている。これは、液晶層50を交流駆動したときに印加電位の極性が正極性か負極性かで電流値の大きさに差がない、すなわち電荷の偏りが低減されたことを示すものである。
また、画素電極15の電位が正極性であるときの、印加電圧と電流値との相関関係を示す実線あるいは破線で表した直線の傾きの大きさは、本実施形態の構成と従来の構成とでほぼ同じであることから、複数の画素電極15を覆う第1配向膜18における欠損部の発生状態に係り、当該欠損部でリーク電流が流れることに起因していると考えられる。
一方、画素電極15の電位が負極性であるときの、印加電圧と電流値との相関関係を示す実線あるいは破線で表した直線の傾きの大きさは、従来の構成に比べて本実施形態の構成のほうが大きくなっていることから、共通電極23を覆う第2配向膜24における欠損部の発生状態に係り、当該欠損部でリーク電流が流れることに起因していると考えられる。
本実施形態の構成によれば、共通電極23に切欠き部23aを設けることにより、共通電極23を覆う第2配向膜24の欠損部の発生状態(表面状態)が、複数の画素電極15を覆う第1配向膜18の欠損部の発生状態(表面状態)に近づいてほぼ同じ状態となり、液晶層50を交流駆動する際の電荷の偏りを低減できる。液晶層50の交流駆動における電荷の偏りが低減されることにより、当該電荷の偏りに起因するフリッカーや焼き付きなどが改善された液晶装置100を実現することができる。
以降、液晶層50の交流駆動における電荷の偏りを低減可能な他の実施形態について、それぞれ図を参照して説明する。なお、上記第1実施形態に示した液晶装置100と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
(第2実施形態)
第2実施形態の液晶装置について、図10及び図11を参照して説明する。図10は第2実施形態の液晶装置における共通電極を示す概略平面図、図11は図10のB−B’線に沿った第2実施形態の液晶装置の構造を示す概略断面図である。詳しくは、図10は複数の画素電極15に対向配置されたときの第2実施形態における共通電極23を示すものである。また、図11に示した矢印の方向は、基板面に対する斜め蒸着方向を示すものである。第2実施形態の液晶装置は、上記第1実施形態の液晶装置100に対して、共通電極23の形態を異ならせたものである。
第2実施形態の液晶装置について、図10及び図11を参照して説明する。図10は第2実施形態の液晶装置における共通電極を示す概略平面図、図11は図10のB−B’線に沿った第2実施形態の液晶装置の構造を示す概略断面図である。詳しくは、図10は複数の画素電極15に対向配置されたときの第2実施形態における共通電極23を示すものである。また、図11に示した矢印の方向は、基板面に対する斜め蒸着方向を示すものである。第2実施形態の液晶装置は、上記第1実施形態の液晶装置100に対して、共通電極23の形態を異ならせたものである。
図10に示すように、本実施形態の液晶装置200における共通電極23には、複数の画素電極15の配置に対応した凹部23bを有する。具体的には、複数の画素電極15に対向配置される共通電極23において、隣り合う画素電極15の間の遮光領域に対応する領域内の画素電極15の四隅に沿った部分に凹部23bを形成した。平面視における凹部23bの形状は、十字状である。
図11に示すように、共通電極23の凹部23bには、斜め蒸着方向に対して影の部分が生じ、柱状体24aの形成が阻害される部分となる。したがって、共通電極23を覆う第2配向膜24には、凹部23bにおいて成膜における欠損部が生ずる。ゆえに、第2配向膜24の表面状態(欠損部の発生状態)は、複数の画素電極15を覆う第1配向膜18の表面状態(欠損部の発生状態)に近づいてほぼ同じとなる。
なお、凹部23bを有する共通電極23の形成方法としては、共通電極23の下層の平坦化層22をパターニングすることで平坦化層22に平面視で十字状の切欠き部22aを形成し、切欠き部22aを含む平坦化層22の表面に透明導電膜を成膜して共通電極23とする方法が挙げられる。
本実施形態の液晶装置200によれば、上記第1実施形態の液晶装置100と同様に、液晶層50の電荷の偏りを低減し、フリッカーや焼き付きなどが改善された液晶装置200を提供できる。また、上記第1実施形態では、共通電極23に切欠き部23aを設けるにあたり、素子基板10と対向基板20との対向配置における位置精度を考慮する必要があったが、本実施形態では、共通電極23は切り欠かれていないので、上記位置精度の影響を受け難くなる。さらに、上記第1実施形態では、共通電極23に切欠き部23aを設けることで、共通電極23自体の抵抗が上昇するおそれがあったが、本実施形態では、凹部23bを設けても共通電極23の抵抗上昇を招かないという利点がある。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の液晶装置について、図12及び図13を参照して説明する。図12は第3実施形態の液晶装置における共通電極を示す概略平面図、図13は図12のC−C’線に沿った第3実施形態の液晶装置の構造を示す概略断面図である。詳しくは、図13に示した矢印の方向は、基板面に対する斜め蒸着方向を示すものである。第3実施形態の液晶装置は、上記第1実施形態の液晶装置100に対して、共通電極23を分割したものである。
次に、第3実施形態の液晶装置について、図12及び図13を参照して説明する。図12は第3実施形態の液晶装置における共通電極を示す概略平面図、図13は図12のC−C’線に沿った第3実施形態の液晶装置の構造を示す概略断面図である。詳しくは、図13に示した矢印の方向は、基板面に対する斜め蒸着方向を示すものである。第3実施形態の液晶装置は、上記第1実施形態の液晶装置100に対して、共通電極23を分割したものである。
図12に示すように、本実施形態の液晶装置300は、表示領域E1において、X方向とY方向とに所定の配置ピッチでマトリックス状に配置された複数の対向電極23dを有する。対向電極23dは、素子基板10における画素電極15と対向する位置に設けられている。対向電極23dの形状と大きさは、画素電極15と同じである。
Y方向に隣り合う対向電極23dの間に、X方向に延在する配線25が設けられている。配線25は、対向基板20において対向電極23dの下層に設けられ(図13参照)、Y方向の上方側と下方側とに延びる突出部を有している。該突出部の一部は平面視で対向電極23dの角部と重なっており、重なった部分に配線25と対向電極23dとを電気的に接続するコンタクト部26が設けられている。つまり、配線25を挟んでY方向の両側に設けられた対向電極23dはコンタクト部26によって配線25に接続されている。
図12には配線25を1本だけ表示したが、表示領域E1には、複数の対向電極23dに対応して複数の配線25が設けられている。複数の配線25のそれぞれは、表示領域E1の外側の周辺領域に引き出されて互いに接続されている。つまり、複数の配線25に接続され、同じ電位が与えられる複数の対向電極23dによって共通電極23が構成されている。言い換えれば、複数の画素電極15の配置に対応して共通電極23が分割されて複数の対向電極23dとなっている。
なお、本実施形態では、複数の対向電極23dを電気的に繋ぐ配線25をX方向に延在させたが、これに限定されず、Y方向に延在させてもよい。また、X方向とY方向の両方に格子状に配線25を配置してもよい。また、配線25の本線部分は、素子基板10における隣り合う画素電極15の間の遮光領域内に平面視で収まるように配置される。
図13に示すように、隣り合う対向電極23dの端部には、斜め蒸着方向に対して影の部分が生じ、柱状体24aの形成が阻害される部分となる。したがって、複数の対向電極23d(共通電極23)を覆う第2配向膜24には、隣り合う対向電極23d間において成膜における欠損部が生ずる。ゆえに、第2配向膜24の表面状態(欠損部の発生状態)は、複数の画素電極15を覆う第1配向膜18の表面状態(欠損部の発生状態)とほぼ同じになる。
本実施形態の液晶装置300によれば、上記第1実施形態の液晶装置100と同様に、液晶層50の電荷の偏りを低減し、フリッカーや焼き付きなどが改善された液晶装置300を提供できる。複数の画素電極15の配置に対応して共通電極23を分割して複数の対向電極23dとしていることから、第2配向膜24の表面状態(欠損部の発生状態)を、複数の画素電極15を覆う第1配向膜18の表面状態(欠損部の発生状態)とほぼ同じにすることができる。すなわち、上記第1実施形態に比べて、液晶層50の電荷の偏りをより低減可能である。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の液晶装置について、図14及び図15を参照して説明する。図14は第4実施形態の液晶装置における第2配向膜を示す概略平面図、図15は図14のD−D’線に沿った第4実施形態の液晶装置の構造を示す概略断面図である。詳しくは、図14は複数の画素電極15に対向配置されたときの第4実施形態における共通電極23及び第2配向膜24を示すものである。図15に示した矢印の方向は、基板面に対する斜め蒸着方向を示すものである。第4実施形態の液晶装置は、上記第1実施形態の液晶装置100に対して、共通電極23を覆う第2配向膜24の形態を異ならせたものである。
次に、第4実施形態の液晶装置について、図14及び図15を参照して説明する。図14は第4実施形態の液晶装置における第2配向膜を示す概略平面図、図15は図14のD−D’線に沿った第4実施形態の液晶装置の構造を示す概略断面図である。詳しくは、図14は複数の画素電極15に対向配置されたときの第4実施形態における共通電極23及び第2配向膜24を示すものである。図15に示した矢印の方向は、基板面に対する斜め蒸着方向を示すものである。第4実施形態の液晶装置は、上記第1実施形態の液晶装置100に対して、共通電極23を覆う第2配向膜24の形態を異ならせたものである。
図14に示すように、本実施形態の液晶装置400では、第2配向膜24に複数の画素電極15の配置に対応した切欠き部24cを設けた。具体的には、共通電極23を覆う第2配向膜24において、隣り合う画素電極15の間の遮光領域に対応する領域内に、画素電極15の四隅に沿った部分を切り欠いて切欠き部24cを形成した。平面視における切欠き部24cの形状は、十字状である。
無機配向膜である第2配向膜24にこのような切欠き部24cを形成する方法としては、例えば、共通電極23を覆うように無機材料を斜め方向から堆積させて柱状体24aの集合体である第2配向膜24を形成する。次に、第2配向膜24を覆うように感光性レジスト層を形成して、露光・現像することにより、切欠き部24cに相当する開口を有するレジストパターンを形成する。その後に、第2配向膜24を例えばウェットエッチングして切欠き部24cを形成して、レジストパターンを剥離する方法が挙げられる。このようにすれば、図15に示すように、柱状体24aを部分的に除去した切欠き部24cを形成することができる。なお、切欠き部24cの形成方法は、ウェットエッチングに限定されず、エッチング異方性を有する、ドライエッチングを用いてもよい。
図15に示すように、本実施形態の液晶装置400によれば、共通電極23を覆う第2配向膜24には、複数の画素電極15を覆う第1配向膜18の欠損部と同様な切欠き部24cが形成されている。したがって、第2配向膜24の表面状態(欠損部の発生状態)が、複数の画素電極15を覆う第1配向膜18の表面状態(欠損部の発生状態)に近づいてほぼ同じとなることから、上記第1実施形態の液晶装置100と同様に、液晶層50の電荷の偏りを低減し、フリッカーや焼き付きなどが改善された液晶装置400を提供できる。
なお、第2配向膜24に形成される切欠き部24cの形態は、平面視で十字状であることに限定されず、画素電極15に対する斜め蒸着あるいは斜めスパッタにおける影の発生の仕方と同様に、平面視でL字状としてもよい。また、隣り合う画素電極15の間の遮光領域内に収まるように、X方向とY方向とに延びる格子状に切欠き部24cを形成してもよい。言い換えれば、複数の画素電極15の配置に対応して第2配向膜24を分割してもよい。
(第5実施形態)
<電子機器>
次に、上記実施形態の液晶装置が適用された電子機器としての投射型表示装置について、図16を参照して説明する。図16は投射型表示装置の構成を示す概略図である。
<電子機器>
次に、上記実施形態の液晶装置が適用された電子機器としての投射型表示装置について、図16を参照して説明する。図16は投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図16に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、を備えている。また、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、を備えている。さらに、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207と、を備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上記第1実施形態の液晶装置100(図1参照)が適用されたものである。液晶装置100の色光の入射側と射出側とにクロスニコルに配置された一対の偏光素子が隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、上記第1実施形態の液晶装置100が用いられているので、液晶層50を交流駆動する際の電荷の偏りが低減され、フリッカーや焼き付きなどが改善され、見栄えのよい表示状態が得られる投射型表示装置1000を提供することができる。
なお、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、上記第1実施形態の液晶装置100に限らず、上記第2実施形態の液晶装置200、上記第3実施形態の液晶装置300、上記第4実施形態の液晶装置400を適用してもよい。
なお、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、上記第1実施形態の液晶装置100に限らず、上記第2実施形態の液晶装置200、上記第3実施形態の液晶装置300、上記第4実施形態の液晶装置400を適用してもよい。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う液晶装置及び該液晶装置を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記各実施形態の液晶装置において、第1配向膜18と第2配向膜24とは、平均膜厚が同じであるとしたが、平均膜厚は異なっていてもよい。また、背景技術において例示した特開2011−209386号公報のように、画素電極15と第1配向膜18との間、あるいは共通電極23と第2配向膜24との間に誘電体膜が存在していてもよい。つまり、画素電極15側における電荷の蓄積のし易さと、共通電極23側における電荷の蓄積のし易さとを、無機配向膜の成膜における欠損部の発生状態を調整することでバランスを取るようにしてもよい。
(変形例2)本発明は、透過型の液晶装置に適用されることに限定されず、反射型あるいは半透過反射型の液晶装置にも適用可能である。
(変形例3)上記実施形態の液晶装置が適用される電子機器は、上記第5実施形態の投射型表示装置1000に限定されない。例えば、液晶装置において、液晶層50を介して対向配置される一対の基板のうちの一方に、少なくとも赤(R)、緑(G)、青(B)に対応するカラーフィルターを有し、投射型表示装置1000を単板構成としてもよい。また、例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として上記各実施形態の液晶装置を好適に用いることができる。
10…第1基板としての素子基板、15…画素電極、18…第1配向膜、18a…柱状体、20…第2基板としての対向基板、23…共通電極、23a…共通電極の切欠き部、23b…共通電極の凹部、23d…共通電極が分割された対向電極、24…第2配向膜、24a…柱状体、24c…第2配向膜の切欠き部、25…配線、50…液晶層、100,200,300,400…液晶装置、1000,1500…電子機器としての液晶プロジェクター。
Claims (7)
- 複数の画素電極と、前記複数の画素電極を覆う第1配向膜とが設けられた第1基板と、
共通電極と、前記共通電極を覆う第2配向膜とが設けられた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶層と、を備え、
前記第1配向膜及び前記第2配向膜は、それぞれ基板面に対して斜め方向に堆積させた無機の柱状体の集合体であって、
前記第1配向膜の表面状態と、前記第2配向膜の表面状態とがほぼ同じである、液晶装置。 - 前記共通電極は、前記複数の画素電極の配置に対応した切欠き部を有する、請求項1に記載の液晶装置。
- 前記共通電極は、前記複数の画素電極の配置に対応した凹部を有する、請求項1に記載の液晶装置。
- 前記共通電極は、前記複数の画素電極の配置に対応して分割され、
前記共通電極の下層に、分割された前記共通電極を電気的に接続させる配線を有する、請求項1に記載の液晶装置。 - 前記第2配向膜は、前記複数の画素電極の配置に対応した切欠き部を有する、請求項1に記載の液晶装置。
- 前記第2配向膜は、前記複数の画素電極の配置に対応して分割されている、請求項1に記載の液晶装置。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶装置を備えた、電子機器。
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