JP2018180428A - 液晶装置、電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】画素領域においてイオン性不純物が不均一に分布し難い液晶装置を提供すること。
【解決手段】液晶装置は、複数の画素電極15と、複数の画素電極15が配置された画素領域E1を囲む周辺領域E2に配置された周辺電極と、少なくとも複数の画素電極15に対向するように配置された対向電極23と、複数の画素電極15と対向電極23との間に挟持された液晶層50と、を備え、液晶層50における液晶分子の配向は、1軸方向の略垂直配向であって、周辺電極は、画素領域E1における上記1軸方向と交差する方向に沿った対角に位置する第1角部に対応する周辺領域E2の部分に配置された第1周辺電極としての周辺電極17Aを含み、周辺電極17Aには、対向電極23に印加される対向電極電位と異なる固定電位が印加される。
【選択図】図7

Description

本発明は、液晶装置、該液晶装置を備えた電子機器に関する。
液晶装置は、一対の基板に挟持された液晶層を有する液晶パネルを備えている。液晶パネルに光が入射すると、液晶パネルを構成する例えば液晶材料や配向膜と入射光との光化学反応によって様々なイオン性不純物が発生することがある。これ以外にも、液晶パネルの製造過程で用いられる材料や装置などからイオン性不純物が液晶層に混じるおそれもある。
液晶層中のイオン性不純物は、液晶装置の駆動や熱によって表示領域に拡散したり、部分的に凝集したりして、表示において例えばシミやムラとして認識され表示特性の劣化を招くことが知られている。特に、投射型表示装置(プロジェクター)の光変調手段(ライトバルブ)に用いられる液晶装置では、入射光の光束密度が直視型の液晶装置に比べて高くなるので、光化学反応が生じ易くイオン性不純物が表示に影響を及ぼすことを抑制する必要がある。
このようなイオン性不純物に纏わる不具合を改善するため、例えば、特許文献1には、透明基板と駆動回路基板との間に保持された液晶層を備え、画素領域を囲む周辺領域に設けられた周辺領域電極に印加する駆動電圧の電圧値は、画素領域に設けられた画素領域電極に印加する駆動電圧の電圧値よりも高い液晶表示装置が開示されている。
上記特許文献1の液晶表示装置によれば、画素領域電極と周辺領域電極との間の駆動電圧の電圧値の差による電界効果でイオン性不純物を画素領域から周辺領域に掃き出すことができるとしている。
また、例えば、特許文献2には、複数の画素電極がマトリックス状に配置されてなる表示領域の周囲に略リング状の電子見切り領域が形成され、電子見切り領域は、非表示動作モードにおいて、液晶内部のイオン掃き寄せ手段として構成される液晶表示装置が開示されている。
上記特許文献2では、イオン性不純物が液晶層中を配向方向に沿って移動して表示領域の角部に集積し易いことから、当該角部のコントラストの変化を観察することで、電子見切り領域によるイオン性不純物の掃き寄せ効果を評価している。
特開2007−279172号公報 特開2007−316119号公報
しかしながら、上記特許文献1及び上記特許文献2に示されているように、イオン性不純物を掃き寄せる手段として周辺領域電極や電子見切り領域を画素領域(表示領域)を囲むように設けたとしても、上記特許文献2に示されているように、イオン性不純物が画素領域(表示領域)の配向方向における角部に集積し易いことから、掃き寄せ後のイオン性不純物の分布において不均一な状態となるおそれがある。不均一に分布したイオン性不純物の存在は表示ムラとして視認されるという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る液晶装置は、複数の画素電極と、前記複数の画素電極が配置された画素領域を囲む周辺領域に配置された周辺電極と、少なくとも前記複数の画素電極に対向するように配置された対向電極と、前記複数の画素電極と前記対向電極との間に挟持された液晶層と、を備え、前記液晶層における液晶分子の配向は、1軸方向の略垂直配向であって、前記周辺電極は、前記画素領域における前記1軸方向と交差する方向に沿った対角に位置する第1角部に対応する前記周辺領域の部分に配置された第1周辺電極を含み、前記第1周辺電極には、前記対向電極に印加される対向電極電位と異なる固定電位が印加されることを特徴とする。
本適用例によれば、液晶装置が駆動されると、液晶層中のイオン性不純物は、液晶分子の略垂直配向における1軸方向に移動して、画素領域の1軸方向に沿った対角の角部に集積され易い。その一方で、第1周辺電極は、画素領域における上記1軸方向と交差する方向に沿った対角に位置する第1角部に対応する周辺領域の部分に配置されているため、第1周辺電極に対向電極電位と異なる固定電位を与えることで、上記1軸方向に沿った対角の角部に集積しようとするイオン性不純物の一部を、当該角部と異なる第1角部に向かって掃き寄せることができる。つまり、掃き寄せられたイオン性不純物が液晶分子の配向における1軸方向の角部に集積されることを抑制して、イオン性不純物の分布が不均一になり難い液晶装置を提供することができる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記周辺電極は、前記画素領域における前記1軸方向に沿った対角に位置する第2角部に対応する前記周辺領域の部分に配置された第2周辺電極、を含み、前記第2周辺電極には、前記第1周辺電極に印加される前記固定電位よりも小さい固定電位が印加されることが好ましい。
この構成によれば、上述したように、液晶層中のイオン性不純物は、液晶分子の略垂直配向における1軸方向に移動して、画素領域の1軸方向に沿った対角の第2角部に集積され易い。第2角部に対応して配置された第2周辺電極に印加される固定電位よりも、画素領域の1軸方向に交差する方向に沿った対角の第1角部に対応して配置された第1周辺電極に印加される固定電位のほうが大きいので、第2周辺電極に向かって掃き寄せられるイオン不純物の一部を効率的に第1周辺電極に向かって掃き寄せることができる。つまり、第1周辺電極と第2周辺電極とにより液晶中のイオン性不純物をムラなく画素領域の外側の周辺領域に掃き寄せすることができる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記固定電位は、前記対向電極に印加される対向電極電位を基準とした正極性または負極性の直流電位であることを特徴とする。
この構成によれば、周辺電極に印加される固定電位を対向電極電位に対して正極性とすれば、アニオン系のイオン性不純物を周辺領域に掃き寄せることができる。また、周辺電極に印加される固定電位を対向電極電位に対して負極性とすれば、カチオン系のイオン性不純物を周辺領域に掃き寄せることができる。実際に表示不具合を引き起こすイオン性不純物の極性を見極めて固定電位を設定することができる。
また、周辺電極に対向電極電位を基準とする交流電位が印加される場合に比べて、効率的にアニオン系またはカチオン系のイオン性不純物を掃き寄せることができる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記周辺電極に印加される前記固定電位の極性や大きさを調整可能な調整手段を有することが好ましい。
この構成によれば、周辺領域に掃き寄せたいイオン性不純物に応じて、調整手段によって固定電位の極性を変えたり、周辺電極に過剰な固定電位が印加され、画素領域における表示に影響を及ぼさないように、調整手段によって固定電位の大きさを調整することができる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記対向電極は、前記液晶層を介して前記複数の画素電極と前記周辺電極とに対向するように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、対向電極は液晶層を介して複数の画素電極だけでなく、周辺電極にも対向しているため、対向電極と周辺電極との間にも電界効果が生ずる。したがって、一旦、周辺電極に掃き寄せられたイオン性不純物が再び画素領域に拡散することを抑制することができる。
上記適用例に記載の液晶装置において、1つの前記周辺電極と隣り合う画素電極の数は、100個以上であることが好ましい。
この構成によれば、液晶層中のイオン性不純物をより確実に周辺電極に掃き寄せて、画素領域におけるイオン性不純物の濃度を低減すると共に分布を均一化できる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記液晶層における光の射出側に、前記画素領域を囲み前記周辺領域と重なる遮光層が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、周辺電極にイオン性不純物が掃き寄せられて電荷が蓄積し、液晶分子の配向を乱したとしても、液晶分子の配向の乱れによる光漏れを遮光層で遮光することができる。つまり、周辺領域の光漏れを防止して表示品質を確保することができる。
[適用例]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、液晶層中のイオン性不純物が表示に与える影響を低減し、優れた表示品質における信頼性を実現可能な電子機器を提供することができる。
第1実施形態の液晶装置の構成を示す概略平面図。 図1に示すH−H’線に沿う液晶装置の構造を示す概略断面図。 第1実施形態の液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 画素における液晶分子の配向状態を示す概略断面図。 無機材料の斜め蒸着方向とイオン性不純物に起因する表示不具合との関係を示す概略平面図。 第1実施形態のイオントラップ機構の構成を示す概略平面図。 第1実施形態のイオントラップ機構の構造を示す概略断面図。 第2実施形態の液晶装置におけるイオントラップ機構の構成を示す概略平面図。 電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
本実施形態では、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば後述する投射型表示装置(プロジェクター)の光変調手段(ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
(第1実施形態)
<液晶装置>
まず、本実施形態の液晶装置について、図1〜図3を参照して説明する。図1は第1実施形態の液晶装置の構成を示す概略平面図、図2は図1に示すH−H’線に沿う液晶装置の構造を示す概略断面図、図3は第1実施形態の液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の液晶装置100は、対向配置された素子基板10及び対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された液晶層50とを有する。素子基板10の基材10s及び対向基板20の基材20sは、それぞれ透明な例えば石英基板やガラス基板が用いられている。
素子基板10は対向基板20よりも大きく、両基板は、対向基板20の外縁に沿って配置されたシール部40を介して間隔を置いて貼り合わされている。シール部40において途切れた部分が注入口41となっており、真空注入法により注入口41から上記間隔に正又は負の誘電異方性を有する液晶が注入され、封止剤42を用いて注入口41が封入されている。なお、上記間隔に液晶を封入する方法は、真空注入法に限定されるものではなく、例えば、額縁状に配置されたシール部40の内側に液晶を滴下して、減圧下で素子基板10と対向基板20とを貼り合わせるODF(One Drop Fill)法を採用してもよい。
シール部40は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール部40には、一対の基板の上記間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
シール部40の内側には、マトリックス状に配列した複数の画素Pを含む画素領域E1が設けられている。また、シール部40と画素領域E1との間の周辺領域E2に画素領域E1を取り囲んで遮光層としての見切り部21が設けられている。見切り部21は、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなる。なお、画素領域E1には、表示に寄与する画素Pの他に、画素領域E1の外縁に沿って配置された複数のダミー画素が含まれていてもよい。
素子基板10には、複数の外部接続用端子104が配列した端子部が設けられている。該端子部に沿った第1の辺部とシール部40との間にデータ線駆動回路101が設けられている。また、第1の辺部に対向する第2の辺部に沿ったシール部40と画素領域E1との間に検査回路103が設けられている。さらに、第1の辺部と直交し互いに対向する第3及び第4の辺部に沿ったシール部40と画素領域E1との間に走査線駆動回路102が設けられている。第2の辺部のシール部40と検査回路103との間に、2つの走査線駆動回路102を繋ぐ複数の配線105が設けられている。
これらデータ線駆動回路101、走査線駆動回路102に繋がる配線は、第1の辺部に沿って配列した複数の外部接続用端子104に接続されている。なお、検査回路103の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路101と画素領域E1との間のシール部40の内側に沿った位置に設けてもよい。
以降、第1の辺部に沿った方向をX方向とし、第3の辺部に沿った方向をY方向として説明する。また、対向基板20側から素子基板10側に向かう方向に沿って見ることを「平面視」または「平面的に」と言う。
図2に示すように、素子基板10の液晶層50側の表面には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極15及びスイッチング素子である薄膜トランジスター(以降、TFTと呼称する)30と、信号配線と、これらを覆う配向膜18とが形成されている。また、TFT30における半導体層に光が入射してスイッチング動作が不安定になることを防ぐ遮光構造が採用されている。素子基板10は、基材10sと、基材10s上に形成された画素電極15、TFT30、信号配線、配向膜18を含むものである。
素子基板10に対向配置される対向基板20は、基材20sと、基材20s上に形成された見切り部21と、これを覆うように成膜された平坦化層22と、平坦化層22を覆い、少なくとも画素領域E1に亘って設けられ、共通電極として機能する対向電極23と、対向電極23を覆う配向膜24とを含むものである。
見切り部21は、図1に示すように画素領域E1を取り囲むと共に、平面的に走査線駆動回路102、検査回路103と重なる位置に設けられている。これにより対向基板20側からこれらの回路に入射する光を遮蔽して、これらの回路が光によって誤動作することを防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が画素領域E1に入射しないように遮蔽して、画素領域E1の表示における高いコントラストを確保している。
平坦化層22は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して見切り部21を覆うように設けられている。このような平坦化層22の形成方法としては、例えばプラズマCVD法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
対向電極23は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなり、平坦化層22を覆うと共に、図1に示すように対向基板20の下方側の隅に設けられた上下導通部106に電気的に接続されている。上下導通部106は、素子基板10側の配線に電気的に接続している。
画素電極15を覆う配向膜18及び対向電極23を覆う配向膜24は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。配向膜18,24は、例えば、ポリイミドなどの有機材料を成膜して、その表面をラビングすることにより、正の誘電異方性を有する液晶分子に対して略水平配向処理が施された有機配向膜や、気相成長法を用いてSiOx(酸化シリコン)などの無機材料を成膜して、負の誘電異方性を有する液晶分子に対して略垂直配向させた無機配向膜が挙げられる。
このような液晶装置100は透過型であって、電圧無印加状態で画素Pの透過率が最大となるノーマリーホワイトモードや、電圧無印加状態で画素Pの透過率が最小となるノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。素子基板10と対向基板20とを含む液晶パネル110の光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
本実施形態では、以降、配向膜18,24として前述した無機配向膜と、負の誘電異方性を有する液晶とを用い、ノーマリーブラックモードの光学設計が適用された例について説明する。
次に、図3を参照して、液晶装置100の電気的な構成について説明する。液晶装置100は、少なくとも画素領域E1において互いに絶縁されて直交する信号配線としての複数の走査線3a及び複数のデータ線6aと、データ線6aに沿って平行に配置された容量線3bとを有する。走査線3aが延在する方向がX方向であり、データ線6aが延在する方向がY方向である。
走査線3a、データ線6a及び容量線3bと、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極15と、TFT30と、蓄積容量16とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
走査線3aはTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6aはTFT30のソースに電気的に接続されている。画素電極15はTFT30のドレインに電気的に接続されている。
データ線6aはデータ線駆動回路101(図1参照)に接続されており、データ線駆動回路101から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3aは走査線駆動回路102(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路102から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを画素Pに供給する。
データ線駆動回路101からデータ線6aに供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6a同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路102は、走査線3aに対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極15に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極15を介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極15と液晶層50を介して対向配置された対向電極23との間で一定期間保持される。画像信号D1〜Dnの周波数は例えば60Hzである。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極15と対向電極23との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量16が接続されている。蓄積容量16は、TFT30のドレインと容量線3bとの間に設けられている。
なお、図1に示した検査回路103には、データ線6aが接続されており、液晶装置100の製造過程において、上記画像信号を検出することで液晶装置100の動作欠陥などを確認できる構成となっているが、図3の等価回路では図示を省略している。
本実施形態における画素回路を駆動制御する周辺回路は、データ線駆動回路101、走査線駆動回路102、検査回路103を含んでいる。また、周辺回路は、画像信号D1〜Dnをサンプリングしてデータ線6aに供給するサンプリング回路、データ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号D1〜Dnに先行して供給するプリチャージ回路を含むものとしてもよい。
次に、図4を参照して、画素Pにおける配向膜18,24及び液晶分子の配向状態について説明する。図4は画素における液晶分子の配向状態を示す概略断面図である。
図4に示すように、素子基板10の画素電極15を覆う配向膜18は、例えば酸化シリコンを斜め蒸着して得られた酸化シリコンの柱状体18aの集合体である。基材10sの法線と実線の矢印で示した成膜方向とがなす角度θbは、例えば45度である。柱状体18aが基材10sの表面から成長する方向と法線とがなす角度θcは必ずしも上記角度θbと同じにならず、この場合は、およそ20度である。このような無機配向膜である配向膜18の膜面において負の誘電異方性を有する液晶分子LCは長軸が上記成膜方向側に傾いたプレチルトを有して略垂直配向している。基材10sの法線と液晶分子LCの長軸とがなすプレチルト角θpは例えば3度〜5度である。言い換えれば、液晶分子LCのプレチルト角θpが3度〜5度となるように、柱状体18aの基材10sに対する成長の角度θc、つまり成膜時の角度θbが制御されている。
同様に、対向基板20側の対向電極23を覆う配向膜24は、例えば酸化シリコンを斜め蒸着して得られた酸化シリコンの柱状体24aの集合体である。基材20sの法線と破線の矢印で示した成膜方向とがなす角度θbは、例えば45度である。無機配向膜である配向膜24の膜面(柱状体24a)に対して液晶分子LCは成膜方向側にプレチルトを有した状態で略垂直配向している。なお、図4では、柱状体18a,24aを一定の大きさで表したが、各柱状体18a,24aの大きさや成長方向は必ずしも同じではなく、ばらつきを有している。
配向膜18が形成された画素電極15を有する素子基板10と、配向膜24が形成された対向電極23を有する対向基板20とによって液晶層50が挟持されている。このような液晶パネル110の光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子81,82が配置されて用いられる。なお、本実施形態では、対向基板20側から液晶パネル110に光が入射する構成となっているが、これに限定されるものではなく、素子基板10側から光が入射する構成とすることも可能である。
液晶装置100において、画素電極15と対向電極23との間に交流電圧(駆動信号)を印加して液晶層50を駆動すると、液晶分子LCは画素電極15と対向電極23との間に生ずる電界方向に傾くように挙動(振動)する。言い換えれば、液晶分子LCはプレチルトの方向において振動する。
次に、図5を参照して、平面視における液晶分子LCの配向方向とイオン性不純物の拡散方向とについて説明する。図5は無機材料の斜め蒸着方向とイオン性不純物に起因する表示不具合との関係を示す概略平面図である。
シール部40で囲まれた領域には、複数の画素Pがマトリックス状に配置された画素領域E1と、周辺領域E2とが含まれている。本実施形態における液晶パネル110の光学設計は、前述したようにノーマリーブラックであることから、非駆動状態では、画素Pは黒表示となる。
配向膜18,24をなす柱状体18a,24aを無機材料の斜め蒸着で形成するときの斜め蒸着方向は、図5に示すように、例えば、素子基板10側では、破線の矢印で示したように右上から左下に向かって所定の角度θaでY方向と交差する方向である。素子基板10に対して対向配置される対向基板20側では、実線の矢印で示したように左下から右上に向かって所定の角度θaでY方向と交差する方向である。所定の角度θaは例えば45度である。図4において説明したように、液晶分子LCは斜め蒸着における成膜方向にプレチルトして略垂直配向することから、このような配向状態は、1軸方向の略垂直配向と呼ばれる。本実施形態における1軸方向は、Y方向に対して所定の角度θaで交差する、右上から左下、あるいは左下から右上に向かう方向である。なお、図5に示した斜め蒸着方向は、液晶装置100を対向基板20側から見たときの方向である。
液晶層50を駆動することにより、上述したように液晶分子LCの挙動(振動)が生じ、液晶層50と配向膜18,24との界面近傍に図5に示した破線あるいは実線の矢印で示した斜め蒸着方向(1軸方向)に液晶分子LCのフロー(流れ)が生ずる。仮に液晶層50にアニオン系またはカチオン系のイオン性不純物が含まれていると、イオン性不純物は液晶分子LCのフロー(流れ)に沿って画素領域E1の左下の角部に向かって移動し偏在(凝集)するおそれがある。イオン性不純物の偏在により角部に位置する画素Pにおいて液晶層50の絶縁抵抗が低下すると、当該画素Pにおいて駆動電位の低下を招き、図5に示すような例えば光漏れが生じた表示ムラや通電による焼き付き現象が顕著となる。特に、配向膜18,24に無機配向膜を用いた場合には、無機配向膜がイオン性不純物を吸着し易いので、有機配向膜に比べてイオン性不純物の偏在による表示のシミ、ムラや焼き付き現象が目立ち易い。
イオン性不純物は、液晶パネル110を製造する工程で用いられる例えば接着剤や封止剤42などの部材に含まれていたり、工程の環境から侵入したりすることが考えられる。また、本実施形態の液晶装置100は後述する投射型表示装置(プロジェクター)の光変調手段(ライトバルブ)として用いられることから、直視型の液晶装置に比べて入射する照明光の強度が強い。液晶層50に強い強度の照明光が入射することにより有機化合物である液晶分子LCの末端基が外れてイオン性不純物となるおそれがある。
<イオントラップ機構>
本実施形態の液晶装置100では、イオン性不純物の偏在による表示のシミ、ムラや焼き付き現象などの表示不具合を改善するため、画素領域E1を囲む周辺領域E2に、画素領域E1からイオン性不純物を掃き寄せて捕集するイオントラップ機構を設けている。以降、本実施形態におけるイオントラップ機構とその駆動方法について、図6及び図7を参照して説明する。
図6は第1実施形態のイオントラップ機構の構成を示す概略平面図、図7は第1実施形態のイオントラップ機構の構造を示す概略断面図である。詳しくは、図5のA−A’線に沿って切断したときの概略断面図である。
図6に示すように、本実施形態のイオントラップ機構117は、画素領域E1の液晶分子LCにおける略垂直配向の1軸方向と交差する方向に沿った対角に位置する第1角部に対応する周辺領域E2の部分に配置された第1周辺電極としての一対の周辺電極17A,17Bを有している。周辺電極17Aは画素領域E1の左上の第1角部に対応して設けられ、周辺電極17Bは画素領域E1の右下の第1角部に対応して設けられている。なお、本実施形態における略垂直配向の1軸方向は、Y方向に対して所定の角度θaで交差し、画素領域E1の左下と右上の角部に向かう方向である。
周辺電極17A,17Bのそれぞれは、画素領域E1の第1角部における辺部に沿って配置され、L字状を成している。周辺電極17A,17BのX方向の長さLxと、Y方向の長さLyとは、同じであって、周辺電極17A,17Bに沿った画素Pの数に置き換えると、100個の画素PがX方向及びY方向に配列したときの長さと同じか、それ以上の長さとなっている。周辺電極17A,17Bは、平面視で対向電極23と重なるように配置されている。言い換えれば、周辺電極17A,17Bは、平面視で対向電極23が設けられた領域からはみ出ないように周辺領域E2に配置されている。
対向電極23は、上下導通部106を介して素子基板10に設けられた外部接続用端子104(LCCOM)に接続されている。外部接続用端子104(LCCOM)には、対向電極電位LCCOMが与えられる。対向電極電位LCCOMは、例えば0Vである。
一方で、周辺電極17A,17Bは素子基板10側に設けられ、それぞれ外部接続用端子104(It1)に接続されている。外部接続用端子104(It1)には、対向電極電位LCCOMと異なるイオントラップ電位It1が与えられる。イオントラップ電位It1は、対向電極電位LCCOMを基準とした正極性または負極性の固定電位であって、例えばDC(直流)の+5Vまたは−5Vである。
外部接続用端子104は、図1に示すように対向基板20からはみ出た素子基板10の端子部に複数設けられている。素子基板10の端子部には、例えばドライバーIC(半導体装置)が平面実装されたフレキシブル配線基板(FPC)が実装される。ドライバーICはコントロール回路(制御回路)を含むものであって、外部から入力された電源を利用して、対向電極電位LCCOM、イオントラップ電位It1を生成して対応する外部接続用端子104に送出することができる。また、コントロール回路(制御回路)は、イオントラップ電位It1における固定電位の極性を変えたり、固定電位の大きさを調整することができる。言い換えれば、液晶装置100は、周辺電極17A,17Bに印加される固定電位の極性や大きさを調整可能な調整手段としてのコントロール回路(制御回路)を備えている。
図7に示すように、素子基板10において周辺領域E2に設けられた周辺電極17Aは、液晶層50を介して対向基板20の対向電極23と対向している。周辺電極17Aに、イオントラップ電位It1として、例えばDCの−5Vを印加すれば、周辺電極17Aに隣り合う画素電極15との間に横電界が発生し、液晶層50に含まれる正の電荷を帯びたカチオン系のイオン性不純物(図中ではプラス(+)の符号で示す)は、周辺電極17Aに引き付けられる。また、周辺電極17Aと対向電極23との間にも電界が発生するため、周辺電極17Aに引き付けられたカチオン系のイオン性不純物は、周辺電極17Aが設けられた周辺領域E2に捕集された状態で留まる。言い換えれば、周辺電極17Aに掃き寄せられたカチオン系のイオン性不純物が再び画素領域E1に拡散することが抑制される。
同様にして、周辺電極17Aに、イオントラップ電位It1として、例えばDCの+5Vを印加すれば、周辺電極17Aに隣り合う画素電極15との間に横電界が発生し、液晶層50に含まれる負の電荷を帯びたアニオン系のイオン性不純物(図中ではマイナス(−)の符号で示す)は、周辺電極17Aに引き付けられる。また、周辺電極17Aと対向電極23との間にも電界が発生するため、周辺電極17Aに引き付けられたアニオン系のイオン性不純物は、周辺電極17Aが設けられた周辺領域E2に捕集された状態で留まる。言い換えれば、周辺電極17Aに掃き寄せられたアニオン系のイオン性不純物が再び画素領域E1に拡散することが抑制される。
なお、もう一方の周辺電極17Bにも周辺電極17Aと同じイオントラップ電位It1が外部接続用端子104(It1)を介して印加される。画素電極15には、対向電極電位LCCOMを基準として極性が反転する交流信号が印加される。対向電極電位LCCOMを例えば0Vとしたときの交流信号の振幅は例えば±5Vである。
周辺電極17A,17Bは、液晶層50を介して遮光層である見切り部21と対向するように、素子基板10に形成されている。したがって、周辺電極17A,17Bは、透光性あるいは反射性の導電膜を用いて形成することが可能であるが、本実施形態では、画素電極15と同じ例えばITOなどの透明導電膜を用いて形成されている。言い換えれば、画素電極15の形成工程で、周辺電極17A,17Bとこれに接続される配線とを形成することができる。
上記第1実施形態の液晶装置100によれば、以下の効果が得られる。
(1)液晶装置100が駆動されると、液晶層50中のイオン性不純物は、液晶分子LCの略垂直配向における1軸方向に移動して、画素領域E1の1軸方向に沿った対角の角部に集積され易い。その一方で、第1周辺電極としての一対の周辺電極17A,17Bは、画素領域E1における上記1軸方向と交差する方向に沿った対角に位置する第1角部に対応する周辺領域E2の部分に配置されている。したがって、周辺電極17A,17Bに対向電極電位LCCOMと異なるイオントラップ電位It1(固定電位)を与えることで、上記1軸方向に沿った対角の角部に集積しようとするイオン性不純物の一部を、当該角部と異なる第1角部に向かって掃き寄せることができる。よって、掃き寄せられたイオン性不純物が液晶分子LCの配向における1軸方向の角部に集積されることを抑制して、画素領域E1におけるイオン性不純物の分布が不均一になり難い液晶装置100を実現できる。つまり、イオン性不純物の分布が不均一であることに起因する表示不具合が生じ難い液晶装置100を提供することができる。
(2)液晶装置100は、周辺電極17A,17Bに印加されるイオントラップ電位It1の極性や大きさを調整可能な調整手段としてのコントロール回路(制御回路)を含んで構成される。したがって、周辺電極17A,17Bに印加されるイオントラップ電位It1を対向電極電位LCCOMに対して正極性とすれば、アニオン系のイオン性不純物を周辺領域E2に掃き寄せることができる。また、周辺電極17A,17Bに印加されるイオントラップ電位It1を対向電極電位LCCOMに対して負極性とすれば、カチオン系のイオン性不純物を周辺領域E2に掃き寄せることができる。実際に表示不具合を引き起こす液晶層50に含まれるイオン性不純物の極性や量を想定して、イオントラップ電位It1の極性や電位の大きさを設定すればよい。
また、周辺電極17A,17Bに印加されるイオントラップ電位It1は、DCの固定電位であるため、対向電極電位LCCOMを基準とした交流電位が印加される場合に比べて、アニオン系またはカチオン系のイオン性不純物を効率的に掃き寄せることができる。
周辺電極17A,17Bに交流電位が印加された場合には、交流電位が正極性であるときにアニオン系のイオン性不純物を掃き寄せることが可能であるが、その一方でカチオン系のイオン性不純物は反発する。同様に、交流電位が負極性であるときにカチオン系のイオン性不純物を掃き寄せることが可能であるが、その一方でアニオン系のイオン性不純物は反発する。つまり、周辺電極17A,17Bに印加されるイオントラップ電位It1は、DCの固定電位であることが好ましい。
(3)対向電極23は、液晶層50を介して複数の画素電極15と周辺電極17A,17Bとに対向するように配置されている。したがって、周辺電極17A,17Bに隣り合う画素電極15との間だけでなく、対向電極23と周辺電極17A,17Bとの間にも電界効果が生ずる。よって、一旦、周辺電極17A,17Bに掃き寄せられたイオン性不純物が再び画素領域E1に拡散することを抑制することができる。
(4)1つの周辺電極17Aまたは周辺電極17Bと隣り合う画素電極15の数は、100個以上である。したがって、液晶層50中のイオン性不純物を確実に周辺電極17A,17Bに掃き寄せて、画素領域E1におけるイオン性不純物の量を低減すると共に、イオン性不純物の分布を均一化できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の液晶装置について、図8を参照して説明する。図8は第2実施形態の液晶装置におけるイオントラップ機構の構成を示す概略平面図である。
第2実施形態の液晶装置は、上記第1実施形態の液晶装置100に対して、イオントラップ機構における周辺電極の配置を異ならせたものであって、イオントラップ機構以外の構成は同じである。したがって、上記第1実施形態の液晶装置100と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図8に示すように、本実施形態の液晶装置200は、イオントラップ機構217を備えている。イオントラップ機構217は、画素領域E1における1軸方向と交差する方向に沿った対角に位置する第1角部に対応する周辺領域E2の部分に配置された第1周辺電極としての一対の周辺電極17A,17Bと、画素領域E1における1軸方向に沿った対角に位置する第2角部に対応する周辺領域E2の部分に配置された第2周辺電極としての一対の周辺電極17C,17Dと、を含んで構成されている。
周辺電極17Aは画素領域E1の左上の第1角部に対応して設けられ、周辺電極17Bは画素領域E1の右下の第1角部に対応して設けられている。周辺電極17Cは画素領域E1の左下の第2角部に対応して設けられ、周辺電極17Dは画素領域E1の右上の第2角部に対応して設けられている。なお、本実施形態における略垂直配向の1軸方向は、Y方向に対して所定の角度θaで交差し、画素領域E1の左下と右上の第2角部に向かう方向である。つまり、本実施形態の液晶装置200は、上記第1実施形態の液晶装置100に対して、液晶分子LCの略垂直配向における1軸方向にも一対の周辺電極を配置したものである。
周辺電極17A,17B,17C,17Dのそれぞれは、画素領域E1の4つの角部における辺部に沿って配置され、L字状を成している。周辺電極17A,17B,17C,17DのX方向の長さLxと、Y方向の長さLyとは、同じであって、周辺電極17A,17B,17C,17Dに沿った画素Pの数に置き換えると、100個の画素PがX方向及びY方向に配列したときの長さと同じか、それ以上の長さとなっている。周辺電極17A,17B,17C,17Dは、平面視で対向電極23と重なるように配置されている。言い換えれば、周辺電極17A,17B,17C,17Dは、平面視で対向電極23が設けられた領域からはみ出ないように周辺領域E2に配置されている。
対向電極23は、上下導通部106を介して素子基板10に設けられた外部接続用端子104(LCCOM)に接続されている。外部接続用端子104(LCCOM)には、対向電極電位LCCOMが与えられる。対向電極電位LCCOMは、例えば0Vである。
一方で、4つの周辺電極17A,17B,17C,17Dは素子基板10側に設けられ、このうち一対の周辺電極17A,17Bは外部接続用端子104(It1)に接続されている。外部接続用端子104(It1)には、対向電極電位LCCOMと異なるイオントラップ電位It1が与えられる。イオントラップ電位It1は、対向電極電位LCCOMを基準とした正極性または負極性の固定電位であって、例えばDC(直流)の+5Vまたは−5Vである。
他の一対の周辺電極17C,17Dは外部接続用端子104(It2)に接続されている。外部接続用端子104(It2)には、対向電極電位LCCOMと異なると共に、イオントラップ電位It1よりも電位が小さいイオントラップ電位It2が与えられる。イオントラップ電位It2は、対向電極電位LCCOMを基準とした正極性または負極性の固定電位であって、例えばDC(直流)の+3Vまたは−3Vである。
上記第2実施形態の液晶装置200によれば、以下の効果が得られる。
(1)液晶層50中のイオン性不純物は、液晶分子LCの略垂直配向における1軸方向に移動して、画素領域E1の1軸方向に沿った対角の第2角部に集積され易い。第2角部に対応して配置された第2周辺電極としての一対の周辺電極17C,17Dに印加されるイオントラップ電位It2よりも、画素領域E1の1軸方向に交差する方向に沿った対角の第1角部に対応して配置された第1周辺電極としての一対の周辺電極17A,17Bに印加されるイオントラップ電位It1のほうが大きいので、一対の周辺電極17C,17Dに向かって掃き寄せられるイオン不純物の一部を効率的に周辺電極17A,17Bに向かって掃き寄せることができる。つまり、4つの周辺電極17A,17B,17C,17Dにより液晶層50中のイオン性不純物をムラなく画素領域E1の外側の周辺領域E2に掃き寄せることができる。すなわち、周辺領域E2により確実にイオン性不純物を掃き寄せると共に、掃き寄せられたイオン性不純物が液晶分子LCの配向における1軸方向の第2角部に集積されることを抑制して、画素領域E1におけるイオン性不純物の量を低減させると共に、イオン性不純物の分布が不均一であることに起因する表示不具合が生じ難い液晶装置200を提供することができる。
(2)液晶装置200は、周辺電極17A,17B,17C,17Dに印加されるイオントラップ電位の極性や大きさを調整可能な調整手段としてのコントロール回路(制御回路)を含んで構成される。したがって、周辺電極17A,17B,17C,17Dに印加されるイオントラップ電位を対向電極電位LCCOMに対して正極性とすれば、アニオン系のイオン性不純物を周辺領域E2に掃き寄せることができる。また、周辺電極17A,17B,17C,17Dに印加されるイオントラップ電位を対向電極電位LCCOMに対して負極性とすれば、カチオン系のイオン性不純物を周辺領域E2に掃き寄せることができる。実際に表示不具合を引き起こす液晶層50に含まれるイオン性不純物の極性や量を想定して、イオントラップ電位の極性や電位の大きさを設定すればよい。
また、画素領域E1におけるイオン性不純物の偏在に起因する表示不具合の状態を考慮して、周辺電極17A,17Bに印加されるイオントラップ電位It1の大きさと、周辺電極17C,17Dに印加されるイオントラップ電位It2の大きさとを異ならせた状態で調整することができる。
(3)対向電極23は、液晶層50を介して複数の画素電極15と4つの周辺電極17A,17B,17C,17Dとに対向するように配置されている。したがって、周辺電極17A,17B,17C,17Dに隣り合う画素電極15との間だけでなく、対向電極23と周辺電極17A,17B,17C,17Dとの間にも電界効果が生ずる。よって、一旦、周辺電極17A,17B,17C,17Dに掃き寄せられたイオン性不純物が再び画素領域E1に拡散することを抑制することができる。
(4)周辺電極17A,17B,17C,17Dのそれぞれと隣り合う画素電極15の数は、100個以上である。したがって、液晶層50中のイオン性不純物を確実に周辺電極17A,17B,17C,17Dに掃き寄せて、画素領域E1におけるイオン性不純物の量をより低減すると共に、イオン性不純物の分布をより均一化できる。
(第3実施形態)
<電子機器>
次に、上記各実施形態の液晶装置を適用可能な電子機器として、投射型表示装置を例に挙げ、図9を参照して説明する。図9は電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図9に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投写され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述したイオントラップ機構を有する上記第1実施形態の液晶装置100が適用されたものである。液晶パネル110の色光の入射側と射出側とにクロスニコルに配置された一対の偏光素子が隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、上記液晶装置100が用いられているので、イオン性不純物に起因する表示不具合が改善され、優れた表示品質を長期に亘って維持することが可能な高い信頼性を有する投射型表示装置1000を提供することができる。なお、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、前述した第2実施形態の液晶装置200を用いても同様な効果が得られる。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う液晶装置及び該液晶装置を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記第2実施形態では、4つの周辺電極17A,17B,17C,17Dを同じ大きさとしたが、これに限定されず、例えば、液晶分子LCの1軸方向に位置する第2角部に対応して配置される一対の周辺電極17C,17Dの大きさと、上記1軸方向と交差する方向に位置する第1角部に対応して配置される一対の周辺電極17A,17Bの大きさとを異ならせてもよい。これにより、掃き寄せ可能なイオン性不純物の量を制御することで、画素領域E1におけるイオン性不純物の分布をより均一な状態とすることも可能である。
(変形例2)負の誘電異方性を有する液晶分子LCを1軸方向に略垂直配向させる配向膜18,24は、無機配向膜であることに限定されない。有機配向膜であってもよい。
(変形例3)上記実施形態のイオントラップ機構117(イオントラップ機構217)が適用される液晶装置100(液晶装置200)は、透過型であることに限定されず、画素電極15が光反射性の導電膜で構成される反射型の液晶装置にも適用可能である。
(変形例4)上記実施形態の液晶装置100,200を適用可能な電子機器は、上記第3実施形態の投射型表示装置1000に限定されない。例えば、液晶装置として画素に着色層を有するカラーフィルターを備える構成とすることで、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。
15…画素電極、17A,17B…第1周辺電極としての一対の周辺電極、17C,17D…第2周辺電極としての一対の周辺電極、23…対向電極、50…液晶層、100,200…液晶装置、1000…電子機器としての投射型表示装置、E1…画素領域、E2…周辺領域、It1…第1周辺電極に印加される固定電位としてのイオントラップ電位、It2…第2周辺電極に印加される固定電位としてのイオントラップ電位、LCCOM…対向電極電位。

Claims (8)

  1. 複数の画素電極と、
    前記複数の画素電極が配置された画素領域を囲む周辺領域に配置された周辺電極と、
    少なくとも前記複数の画素電極に対向するように配置された対向電極と、
    前記複数の画素電極と前記対向電極との間に挟持された液晶層と、を備え、
    前記液晶層における液晶分子の配向は、1軸方向の略垂直配向であって、
    前記周辺電極は、前記画素領域における前記1軸方向と交差する方向に沿った対角に位置する第1角部に対応する前記周辺領域の部分に配置された第1周辺電極を含み、
    前記第1周辺電極には、前記対向電極に印加される対向電極電位と異なる固定電位が印加される、液晶装置。
  2. 前記周辺電極は、前記画素領域における前記1軸方向に沿った対角に位置する第2角部に対応する前記周辺領域の部分に配置された第2周辺電極、を含み、
    前記第2周辺電極には、前記第1周辺電極に印加される前記固定電位よりも小さい固定電位が印加される、請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記固定電位は、前記対向電極に印加される対向電極電位を基準とした正極性または負極性の直流電位である、請求項1または2に記載の液晶装置。
  4. 前記周辺電極に印加される前記固定電位の極性や大きさを調整可能な調整手段を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶装置。
  5. 前記対向電極は、前記液晶層を介して前記複数の画素電極と前記周辺電極とに対向するように配置されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶装置。
  6. 1つの前記周辺電極と隣り合う画素電極の数は、100個以上である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶装置。
  7. 前記液晶層における光の射出側に、前記画素領域を囲み前記周辺領域と重なる遮光層が設けられている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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