JP2020042293A - 液晶装置、液晶装置の駆動方法、電子機器 - Google Patents

液晶装置、液晶装置の駆動方法、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶層中のイオン性不純物に起因する表示ムラなどが生じ難く、低消費電力で駆動可能な液晶装置、液晶装置の駆動方法を提供すること。【解決手段】液晶装置100は、イオントラップ用の3つの電極を含む周辺電極120と、3つの電極のそれぞれに接続されたトランジスター130と、を備え、対向電極23に第1の電位と第2の電位との間で第1の周期で変位するコモン信号(COM信号)が印加され、トランジスター130には、第3の電位と第4の電位との間で変位する駆動信号が入力され、駆動信号は、トランジスター130により、第1の周期の1/2以下の期間を単位として周辺電極120に接続または非接続され、周辺電極120の3つの電極には、コモン信号の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号が互いに位相がずれた状態で印加される。【選択図】図5

Description

本発明は、液晶装置、液晶装置の駆動方法、液晶装置を備えた電子機器に関する。
液晶装置は、一対の基板の間に狭持された液晶層を有している。このような液晶装置の駆動方法としては、液晶層に同極性の直流電圧が印加され続けると、液晶材料が劣化して例えば比抵抗が変化し適正に表示ができなくなることから、液晶層に印加される電圧を一定周期、例えば1水平期間または1フィールド期間の周期で極性反転させる交流駆動が用いられる。
このような交流駆動において、画素電極に対して液晶層を挟んで配置された対向電極の電位を固定して、画素電極に印加される交流信号の電位を振幅させる駆動方法とすると、交流信号を生成する駆動回路において高耐圧が必要となる場合がある。そこで、例えば、特許文献1には、対向電極の電位を例えば上述した1水平期間または1フィールド期間の周期で極性反転させて、画素電極に印加される交流信号の電位の振幅を低減するコモン反転駆動法が提案されている。
また、液晶層に光が入射すると、液晶材料と例えば配向膜とが光化学反応を起こし、反応生成物としてイオン性不純物が発生することがある。また、液晶装置の製造過程で、シール材や封止材などに含まれるイオン性不純物が液晶層に拡散することもある。液晶層中に存在するイオン性不純物が表示領域において部分的に偏析すると、表示ムラとして認識されるおそれがある。そこで、例えば、特許文献2には、表示領域とシール材との間の周辺領域に、表示領域側から順に第1電極、第2電極、第3電極を配置して、第1電極〜第3電極に互いに位相がずれた同一周波数の交流信号を印加する液晶装置の駆動方法が提案されている。
上記特許文献2の液晶装置の駆動方法によれば、互いに位相がずれた同一周波数の交流信号を印加することによって表示領域側の第1電極からシール材側の第3電極に向かって電界が移動することから、電界の移動に伴ってイオン性不純物を表示領域から外側に掃き寄せて、イオン性不純物に起因する表示ムラを改善できるとしている。
特開平11−119193号公報 特開2015−1634号公報
上記特許文献2の液晶装置の駆動方法では、基準電位に対して正極性と負極性とに変位する交流信号を第1電極から第3電極に互いに位相がずれた状態で印加している。該基準電位は、対向電極に与えられる電位と同じであるとしていることから、上記特許文献2の液晶装置の駆動方法に上記特許文献1のコモン反転駆動法を組み合わせた場合には、基準電位の反転時に上記交流信号の電位が変化することになる。そうすると、上記交流信号の電圧範囲が大きくなるため、コモン反転駆動法を採用することによる駆動回路の低電圧化、低電圧化による低消費電力化や駆動回路の耐圧を抑えて低コスト化するといったメリットを享受できなくなるという課題があった。
本願の液晶装置は、表示領域に複数の画素電極が配置された第1基板と、第1の電位と第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位するコモン信号が与えられる共通電極が配置された第2基板と、シール材を介して対向配置された第1基板と第2基板との間に挟持された液晶層と、液晶層を介して共通電極と対向し、第1基板の表示領域とシール材との間に、互に間隔をおいて配置されたイオントラップ用の少なくとも3つの電極と、少なくとも3つの電極のそれぞれに接続されたスイッチング素子と、を備え、スイッチング素子には、第3の電位と第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する駆動信号が入力され、駆動信号は、スイッチング素子により、第1の周期の1/2以下の期間を単位として少なくとも3つの電極のそれぞれに接続または非接続され、少なくとも3つの電極には、コモン信号の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号が互いに位相がずれた状態で印加されることを特徴とする。
本願の他の液晶装置は、表示領域に複数の画素電極が配置された第1基板と、第1の電位と第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位するコモン信号が与えられる共通電極が表示領域に亘って配置された第2基板と、シール材を介して対向配置された第1基板と第2基板との間に挟持された液晶層と、第1基板の表示領域とシール材との間に、互に間隔をおいて配置されたイオントラップ用の少なくとも3つの電極と、少なくとも3つの電極のそれぞれに接続されたスイッチング素子と、少なくとも3つの電極のそれぞれと、コモン信号が与えられる配線との間に接続された保持容量と、を備え、スイッチング素子には、第3の電位と第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する駆動信号が入力され、駆動信号は、スイッチング素子により、第1の周期の1/2以下の期間を単位として少なくとも3つの電極のそれぞれに接続または非接続され、少なくとも3つの電極には、コモン信号の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号が互いに位相がずれた状態で印加されることを特徴とする。
上記の液晶装置において、スイッチング素子は、コモン信号が第1の電位、且つ交流信号が負極性の電位である第1の期間、あるいは、コモン信号が第2の電位、且つ交流信号が正極性の電位である第2の期間の、全てまたは一部の期間は接続状態、それ以外の期間は、非接続状態であり、コモン信号が第1の期間であって、スイッチング素子が接続状態であるときは、駆動信号は、第4の電位であり、コモン信号が第2の期間であって、スイッチング素子が接続状態であるときは、駆動信号は、第3の電位であることを特徴とする。
上記の液晶装置において、イオントラップ用の3つの電極を有し、交流信号の第2の周期の平均がコモン信号の第1の周期の6の整数(n)倍であり、3つの電極に印加される交流信号は、n×(6+1)の周期とn×(6−1)の周期とを繰り返すことが好ましい。
上記の液晶装置において、コモン信号の周波数が60Hz〜240Hzであり、交流信号の周波数が0.1mHz〜5mHzであることが好ましい。
上記の液晶装置において、少なくとも3つの電極は、第1基板において表示領域を囲んで配置されていることが好ましい。
本願の液晶装置の駆動方法は、表示領域に複数の画素電極が配置された第1基板と、第1の電位と第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位するコモン信号が与えられる共通電極が配置された第2基板と、シール材を介して対向配置された第1基板と第2基板との間に挟持された液晶層と、液晶層を介して共通電極と対向し、第1基板の表示領域とシール材との間に、互に間隔をおいて配置されたイオントラップ用の少なくとも3つの電極と、少なくとも3つの電極のそれぞれに接続されたスイッチング素子と、を備えた液晶装置の駆動方法であって、スイッチング素子に、第3の電位と第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する駆動信号を入力し、スイッチング素子により、第1の周期の1/2以下の期間を単位として少なくとも3つの電極のそれぞれに駆動信号を接続または非接続して、少なくとも3つの電極に、コモン信号の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号を互いに位相がずれた状態で印加することを特徴とする。
本願の他の液晶装置の駆動方法は、表示領域に複数の画素電極が配置された第1基板と、第1の電位と第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位するコモン信号が与えられる共通電極が表示領域に亘って配置された第2基板と、シール材を介して対向配置された第1基板と第2基板との間に挟持された液晶層と、第1基板の表示領域とシール材との間に、互に間隔をおいて配置されたイオントラップ用の少なくとも3つの電極と、少なくとも3つの電極のそれぞれに接続されたスイッチング素子と、少なくとも3つの電極のそれぞれと、コモン信号が与えられる配線との間に接続された保持容量と、を備えた液晶装置の駆動方法であって、スイッチング素子に、第3の電位と第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する駆動信号を入力し、スイッチング素子により、第1の周期の1/2以下の期間を単位として少なくとも3つの電極のそれぞれに駆動信号を接続または非接続して、少なくとも3つの電極に、コモン信号の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号を互いに位相がずれた状態で印加することを特徴とする。
上記の液晶装置の駆動方法において、コモン信号が第1の電位、且つ交流信号が負極性の電位である第1の期間、あるいは、コモン信号が第2の電位、且つ交流信号が正極性の電位である第2の期間の、全てまたは一部の期間は、スイッチング素子を接続状態とし、それ以外の期間はスイッチング素子を非接続状態とし、コモン信号が第1の期間であって、スイッチング素子が接続状態であるときは、駆動信号は、第4の電位であり、コモン信号が第2の期間であって、スイッチング素子が接続状態であるときは、駆動信号は、第3の電位であることが好ましい。
上記の液晶装置の駆動方法において、イオントラップ用の3つの電極を有し、交流信号の第2の周期の平均がコモン信号の第1の周期の6の整数(n)倍であり、n×(6+1)の周期とn×(6−1)の周期とを繰り返す交流信号を3つの電極に印加することが好ましい。
本願の電子機器は、上記の液晶装置を備えたことを特徴とする。
第1実施形態の液晶装置の構成を示す概略平面図。 図1に示すH−H’線に沿う液晶装置の構造を示す概略断面図。 第1実施形態の液晶装置の画素における液晶分子の配向状態を示す概略断面図。 無機材料の斜め蒸着方向とイオン性不純物に起因する表示不具合との関係を示す概略平面図。 第1実施形態の液晶装置の電気的な構成を示すブロック図。 第1実施形態のイオントラップ機構における周辺電極の配置を示す概略断面図。 第1実施形態の液晶装置の駆動方法における実施例1のコモン信号、制御信号、駆動信号を示すタイミングチャート。 第1実施形態の液晶装置の駆動方法における実施例1の交流信号を示すタミングチャート。 比較例の液晶装置の駆動方法におけるコモン信号、駆動信号、交流信号のタイミングチャート。 第1実施形態の液晶装置の駆動方法における実施例2のコモン信号、制御信号、駆動信号を示すタイミングチャート。 第1実施形態の液晶装置の駆動方法における実施例2の交流信号を示すタミングチャート。 第2実施形態の液晶装置のイオントラップ機構における周辺電極の配置を示す概略断面図。 第2実施形態の液晶装置における電気的な構成を示すブロック図。 第2実施形態の液晶装置の駆動方法における実施例3のコモン信号、制御信号、駆動信号、交流信号のタイミングチャート。 第2実施形態の液晶装置の駆動方法における実施例4のコモン信号、制御信号、駆動信号、交流信号のタイミングチャート。 第3実施形態の電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、説明する部分が認識可能な程度の大きさとなるように、適宜拡大または縮小して表示している。
本実施形態では、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば後述する投射型表示装置(プロジェクター)の光変調手段(ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
(第1実施形態)
<液晶装置>
まず、本実施形態の液晶装置について、図1〜図3を参照して説明する。図1は第1実施形態の液晶装置の構成を示す概略平面図、図2は図1に示すH−H’線に沿う液晶装置の構造を示す概略断面図、図3は第1実施形態の液晶装置の画素における液晶分子の配向状態を示す概略断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の液晶装置100は、対向配置された素子基板10及び対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された液晶層50とを有する。素子基板10の基材10s及び対向基板20の基材20sは、それぞれ透明な例えば石英基板やガラス基板が用いられている。
素子基板10は対向基板20よりも大きく、両基板は、対向基板20の外縁に沿って配置されたシール材40を介して間隔を置いて貼り合わされている。シール材40によって封止された間隔に液晶層50を構築する方法としては、例えば、額縁状に配置されたシール材40の内側に液晶を滴下して、減圧下で素子基板10と対向基板20とを貼り合わせるODF(One Drop Fill)法などが挙げられる。
シール材40は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール材40には、一対の基板の上記間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
シール材40の内側には、マトリックス状に配列した複数の画素Pを含む表示領域E1が設けられている。また、シール材40と表示領域E1との間の周辺領域E2に表示領域E1を取り囲んで見切り部21が設けられている。見切り部21は、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなる。なお、表示領域E1には、表示に寄与する画素Pの他に、複数のダミー画素が含まれていてもよい。
対向基板20から外側にはみ出した素子基板10の部分には、複数の外部接続用端子101が配列した端子部10aが設けられている。端子部10aには、外部駆動回路との電気的な接続を図るためのフレキシブル回路基板(FPC)102が実装される。FPC102には液晶装置100の駆動に係る駆動用IC103が搭載されており、FPC102は例えば異方性導電膜(ACF)を介して複数の外部接続用端子101に電気的に接続される。
以降、素子基板10の端子部10aにおいて外部接続用端子101が配列した方向をX方向とし、同一面内でX方向に直交する方向をY方向とする。また、X方向及びY方向に直交し、素子基板10側から対向基板20側に向かう方向をZ方向とする。また、Z方向の反対方向、すなわち、対向基板20側から素子基板10側に向って見ることを「平面視」あるいは「平面的に」と言う。本実施形態では、画素Pは、表示領域E1においてX方向とY方向とにマトリックス状に配置されている。
図2に示すように、素子基板10の液晶層50側の表面には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極15及びスイッチング素子である薄膜トランジスター(以降、TFTと呼称する)30と、信号配線と、これらを覆う配向膜18とが形成されている。また、TFT30における半導体層に光が入射してスイッチング動作が不安定になることを防ぐ遮光構造が採用されている。素子基板10は、本発明における第1基板の一例であって、基材10sと、基材10s上に形成された画素電極15、TFT30、信号配線、配向膜18を含むものである。
素子基板10に対向配置される対向基板20は、本発明における第2基板の一例であって、基材20sと、基材20s上に形成された見切り部21と、これを覆うように成膜された平坦化層22と、平坦化層22を覆い、少なくとも表示領域E1に亘って設けられ、共通電極として機能する対向電極23と、対向電極23を覆う配向膜24とを含むものである。
見切り部21は、図1に示すように表示領域E1を取り囲んで設けられている。これにより対向基板20側から不必要な迷光が表示領域E1に入射しないように遮蔽して、表示領域E1の表示における高いコントラストを確保している。
平坦化層22は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して見切り部21を覆うように設けられている。このような平坦化層22の形成方法としては、例えばプラズマCVD法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
対向電極23は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなり、平坦化層22を覆うと共に、図1に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部104に電気的に接続されている。上下導通部104は、素子基板10側の配線に電気的に接続している。
画素電極15を覆う配向膜18及び対向電極23を覆う配向膜24は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。配向膜18,24は、例えば、ポリイミドなどの有機材料を成膜して、その表面をラビングすることにより、正の誘電異方性を有する液晶分子に対して略水平配向処理が施された有機配向膜や、気相成長法を用いてSiOx(酸化シリコン)などの無機材料を成膜して、負の誘電異方性を有する液晶分子に対して略垂直配向させた無機配向膜が挙げられる。
このような液晶装置100は透過型であって、電圧無印加状態で画素Pの透過率が最大となるノーマリーホワイトモードや、電圧無印加状態で画素Pの透過率が最小となるノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。素子基板10と対向基板20とを含む液晶パネル110の光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
本実施形態では、以降、配向膜18,24として前述した無機配向膜と、負の誘電異方性を有する液晶とを用い、ノーマリーブラックモードの光学設計が適用された例について説明する。
次に、図3を参照して、画素Pにおける配向膜18,24及び液晶分子の配向状態について説明する。図3に示すように、素子基板10の画素電極15を覆う配向膜18は、例えば酸化シリコンを斜め蒸着して得られた酸化シリコンの柱状体18aの集合体である。基材10sの法線と実線の矢印で示した成膜方向とがなす角度θbは、例えば45度である。柱状体18aが基材10sの表面から成長する方向と法線とがなす角度θcは必ずしも上記角度θbと同じにならず、この場合は、およそ20度である。このような無機配向膜である配向膜18の膜面において負の誘電異方性を有する液晶分子LCは長軸が上記成膜方向側に傾いたプレチルトを有して略垂直配向している。基材10sの法線と液晶分子LCの長軸とがなすプレチルト角θpは例えば3度〜5度である。言い換えれば、液晶分子LCのプレチルト角θpが3度〜5度となるように、柱状体18aの基材10sに対する成長の角度θc、つまり成膜時の角度θbが制御されている。
同様に、対向基板20側の対向電極23を覆う配向膜24は、例えば酸化シリコンを斜め蒸着して得られた酸化シリコンの柱状体24aの集合体である。基材20sの法線と破線の矢印で示した成膜方向とがなす角度θbは、例えば45度である。無機配向膜である配向膜24の膜面(柱状体24a)に対して液晶分子LCは成膜方向側にプレチルトを有した状態で略垂直配向している。なお、図3では、柱状体18a,24aを一定の大きさで表したが、各柱状体18a,24aの大きさや成長方向は必ずしも同じではなく、ばらつきを有している。
配向膜18が形成された画素電極15を有する素子基板10と、配向膜24が形成された対向電極23を有する対向基板20とによって液晶層50が挟持されている。このような液晶パネル110の光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子81,82が配置されて用いられる。なお、本実施形態では、対向基板20側から液晶パネル110に光が入射する構成となっているが、これに限定されるものではなく、素子基板10側から光が入射する構成とすることも可能である。
液晶装置100において、画素電極15と対向電極23との間に交流電圧(駆動信号)を印加して液晶層50を駆動すると、液晶分子LCは画素電極15と対向電極23との間に生ずる電界方向に傾くように挙動(振動)する。言い換えれば、液晶分子LCはプレチルトの方向において振動する。
次に、図4を参照して、平面視における液晶分子LCの配向方向とイオン性不純物の拡散方向とについて説明する。図4は無機材料の斜め蒸着方向とイオン性不純物に起因する表示不具合との関係を示す概略平面図である。
シール材40で囲まれた領域には、前述したように、複数の画素Pがマトリックス状に配置された表示領域E1と、周辺領域E2とが含まれている。本実施形態における液晶パネル110の光学設計は、前述したようにノーマリーブラックであることから、非駆動状態では、画素Pは黒表示となる。
配向膜18,24をなす柱状体18a,24aを無機材料の斜め蒸着で形成するときの斜め蒸着方向は、図4に示すように、例えば、素子基板10側では、破線の矢印で示したように右上から左下に向かって所定の角度θaでY方向と交差する方向である。素子基板10に対して対向配置される対向基板20側では、実線の矢印で示したように左下から右上に向かって所定の角度θaでY方向と交差する方向である。所定の角度θaは例えば45度である。図3において説明したように、液晶分子LCは斜め蒸着における成膜方向にプレチルトして略垂直配向することから、このような配向状態は、1軸方向の略垂直配向と呼ばれる。本実施形態における1軸方向は、Y方向に対して所定の角度θaで交差する、右上から左下、あるいは左下から右上に向かう方向である。なお、図4に示した斜め蒸着方向は、液晶装置100を対向基板20側から見たときの方向である。
液晶層50を駆動することにより、上述したように液晶分子LCの挙動(振動)が生じ、液晶層50と配向膜18,24との界面近傍に図4に示した破線あるいは実線の矢印で示した斜め蒸着方向(1軸方向)に液晶分子LCのフロー(流れ)が生ずる。仮に液晶層50にアニオン(−)系またはカチオン(+)系のイオン性不純物が含まれていると、イオン性不純物は液晶分子LCのフロー(流れ)に沿って表示領域E1の左下の角部あるいは右上の角部に向かって移動し偏在(凝集)するおそれがある。イオン性不純物の偏在により角部に位置する画素Pにおいて液晶層50の絶縁抵抗が低下すると、当該画素Pにおいて駆動電位の低下を招き、図4に示すような例えば光漏れが生じた表示ムラや通電による焼き付き現象が顕著となる。特に、配向膜18,24に無機配向膜を用いた場合には、無機配向膜がイオン性不純物を吸着し易いので、有機配向膜に比べてイオン性不純物の偏在による表示のシミ、ムラや焼き付き現象が目立ち易い。なお、イオン性不純物の偏在による表示のシミ、ムラや焼き付きの発生場所は、図4に示したように、左下の角部あるいは右上の角部に限定されるものではない。上述したように液晶分子LCの配向方向やイオン性不純物の侵入経路や拡散の状態によって発生場所が変わる。
イオン性不純物は、液晶パネル110を製造する工程で用いられる例えば接着剤や封止剤などの部材に含まれていたり、工程の環境から侵入したりすることが考えられる。また、本実施形態の液晶装置100は後述する投射型表示装置(プロジェクター)の光変調手段(ライトバルブ)として用いられることから、直視型の液晶装置に比べて入射する照明光の強度が強い。液晶層50に強い強度の照明光が入射することにより有機化合物である液晶分子LCの末端基が外れてイオン性不純物となるおそれがある。
本実施形態の液晶装置100では、イオン性不純物の偏在による表示のシミ、ムラや焼き付き現象などの表示不具合を改善するため、表示領域E1を囲む周辺領域E2に、表示領域E1からイオン性不純物を掃き寄せて捕集するイオントラップ機構を設けている。以降、本実施形態におけるイオントラップ機構と液晶装置100の駆動方法について説明する。
<液晶装置の電気的な構成>
図5は第1実施形態の液晶装置の電気的な構成を示すブロック図、図6は第1実施形態のイオントラップ機構における周辺電極の配置を示す概略断面図である。
図5に示すように、液晶装置100は、その駆動に係る回路として、表示信号出力回路111、マルチプレクサ112、信号発生回路113、制御回路114、駆動回路115を有している。液晶装置100の液晶パネル110には、表示領域E1において複数の画素Pが設けられている。画素Pは、前述したように、画素電極15(図2参照)と、画素電極15のスイッチング素子であるTFT30(図2参照)と、画素電極15に与えられた電位を保持するための保持容量(図示省略)とが設けられている。表示領域E1を囲む周辺領域E2(図1参照)には、表示領域E1を囲むように額縁状の第1電極121、第2電極122、第3電極123が設けられている。第1電極121、第2電極122、第3電極123を総称してイオントラップ用の周辺電極120と呼ぶ。あるいはイオントラップ用の3つの電極121,122,123と呼ぶこともある。対向電極23は平面視で周辺電極120と重なるように配置されている。本実施形態のイオントラップ機構は、液晶層50を介して対向して配置された周辺電極120と対向電極23とを含むものである。
第1電極121と駆動回路115との間には、第1トランジスター131が設けられている。第2電極122と駆動回路115との間には、第2トランジスター132が設けられている。第3電極123と駆動回路115との間には、第3トランジスター133が設けられている。第1トランジスター131、第2トランジスター132、第3トランジスター133の各ゲートは、制御回路114に接続されている。第1トランジスター131、第2トランジスター132、第3トランジスター133は、いずれも例えばN型のTFTで構成されている。以降、第1トランジスター131、第2トランジスター132、第3トランジスター133を総称してトランジスター130と呼ぶこともある。
本実施形態では、マルチプレクサ112と、これらの第1トランジスター131、第2トランジスター132、第3トランジスター133が液晶パネル110の素子基板10に設けられている。表示信号出力回路111、信号発生回路113、制御回路114、駆動回路115は、前述したFPC102に搭載された駆動用IC103(図1参照)に含まれている。表示信号出力回路111、信号発生回路113、制御回路114、駆動回路115のうちのいずれか、あるいはこれらの回路の一部を素子基板10に設けることも可能である。
液晶装置100には、表示データ(Vi)、水平同期信号(Hsync)、垂直同期信号(Vsync)、基準クロック信号(DCLK)が供給される。図5では図示を省略しているが、これらの信号の他にも、上述した各回路を駆動するための基準電圧(VSS)や駆動電圧(VDD)などが供給される。
表示信号出力回路111には、表示データ(Vi)、水平同期信号(Hsync)、垂直同期信号(Vsync)、基準クロック信号(DCLK)が入力される。表示信号出力回路111は、これらの信号に基づいて表示に係る走査信号(図5では図示を省略)やデータ信号などを生成する。データ信号はマルチプレクサ112を介して、各画素P(TFT30)に供給される。
信号発生回路113には、垂直同期信号(Vsync)と基準クロック信号(DCLK)とが入力される。信号発生回路113は、これらの信号に基づいて、コモン信号(COM信号)と極性信号とを生成する。COM信号は、第1の電位と第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位する信号であって、対向電極23に供給される。極性信号は、後述する液晶装置100の駆動方法に係る交流信号の極性を制御するためのロジック信号であって、表示信号出力回路111、制御回路114、駆動回路115のそれぞれに供給される。
制御回路114には、垂直同期信号(Vsync)と、基準クロック信号(DCLK)と、極性信号とが入力される。制御回路114は、これらの信号に基づいて、第1トランジスター131、第2トランジスター132、第3トランジスター133のスイッチング制御(接続/非接続)に係る制御信号を生成する。
駆動回路115には、垂直同期信号(Vsync)と、基準クロック信号(DCLK)と、極性信号とが入力される。駆動回路115は、これらの信号に基づいて、第1トランジスター131、第2トランジスター132、第3トランジスター133ごとに、駆動信号を生成する。駆動信号は、後述する液晶装置100の駆動方法に係る信号であって、第3の電位と第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する信号である。
駆動回路115によって生成された駆動信号は、第1トランジスター131、第2トランジスター132、第3トランジスター133を介して、周辺電極120の第1電極121、第2電極122、第3電極123のそれぞれに位相がずれた状態で供給される。言い換えれば、駆動回路115は、イオントラップ用の3つの電極121,122,123のそれぞれに印加される同一周波数で位相がずれた駆動信号を生成する。
図6に示すように、液晶パネル110(液晶装置100)の素子基板10において、周辺電極120を構成する第1電極121、第2電極122、第3電極123は、表示領域E1の外縁からシール材40の間の周辺領域E2に互いに間隔を置いて配置されている。周辺領域E2では、素子基板10の周辺電極120と、対向基板20の対向電極23とが液晶層50を介して対向配置されている。表示領域E1では、素子基板10の画素電極15と、対向基板20の対向電極23とが液晶層50を介して対向配置されている。つまり、液晶装置100は、表示領域E1において画素Pごとに液晶容量(画素電極15/液晶層50/対向電極23)を有すると共に、周辺領域E2においても周辺電極120の3つの電極121,122,123ごとに液晶容量(第1電極121、第2電極122、第3電極123/液晶層50/対向電極23)を有している。
本実施形態では、トランジスター130を介して駆動回路115で生成された駆動信号を周辺電極120に印加することより、周辺電極120と対向電極23との間に、COM信号の電位を基準として正極性の電位と負極性の電位との間で、第1の周期よりも長い第2の周期で変位する交流信号を与える。また、周辺電極120の第1電極121、第2電極122、第3電極123には、互いに位相がずれた状態の駆動信号が与えられる。
これにより、第1電極121、第2電極122、第3電極123のうち隣り合う電極間に電界を生じさせる。電界は、時間の経過と共に表示領域E1側の第1電極121から第2電極122へ、さらに第2電極122からシール材40側の第3電極123へと移動する。また、このような電界の移動が周期的に繰り返される。このようなイオントラップ機構の電界の移動を本明細書では電界のスクロールと呼ぶ。
仮に液晶層50中にカチオン(+)系やアニオン(−)系のイオン性不純物が含まれていても、これらのイオン性不純物は周辺電極120に生じた電界に引き寄せられると共に、当該電界のスクロールに伴って、表示領域E1からシール材40側に掃き寄せられる。
このように、イオン性不純物を周辺電極120に引き寄せ、さらに表示領域E1から遠ざかるように掃き寄せるために、周辺電極120を電気的に駆動することを本明細書では、イオンサーフ(Ion−Surf)駆動と呼ぶ。
<液晶装置の駆動方法>
次に、本実施形態の液晶装置100の駆動方法について、図7〜図8を参照して説明する。図7は第1実施形態の液晶装置の駆動方法における実施例1のコモン信号、制御信号、駆動信号を示すタイミングチャート、図8は第1実施形態の液晶装置の駆動方法における実施例1の交流信号を示すタミングチャートである。図7及び図8における横軸は、コモン信号(COM信号)の第1の周期の1/2の期間(1垂直期間)を単位としたt0〜t30の時間軸である。また、各信号における縦軸は電位を表すものである。本実施形態の液晶装置の駆動方法は、上述したイオンサーフ駆動とコモン反転駆動とを組み合わせた場合の、液晶装置100の低消費電力化を図ったものである。
本実施形態の液晶装置100の駆動方法は、共通電極としての対向電極23に第1の電位と第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位するCOM信号を与える。スイッチング素子としてのトランジスター130に、第3の電位と第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する駆動信号を入力し、トランジスター130により、COM信号の第1の周期の1/2以下の期間を単位として周辺電極120の第1電極121、第2電極122、第3電極123のそれぞれに駆動信号を接続または非接続して、第1電極121、第2電極122、第3電極123に、COM信号の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号を互いに位相がずれた状態で印加する。以降、具体的な実施例と比較例とを挙げて、液晶装置100の駆動方法について説明する。
(実施例1)
図7に示した、実施例1のCOM信号における第1の電位は例えば5Vであり、第2の電位は例えば0Vである。COM信号の周波数は例えば120Hzである。したがって、COM信号の電位が第2の電位から第1の電位に変位し、第1の電位から第2の電位となって、再び第1の電位に変位するまでの第1の周期は、8.4ms(ミリ秒)であり、COM信号の電位が第1の電位または第2の電位である1垂直期間は、およそ4.2ms(ミリ秒)である。
制御回路114によって生成され、第1トランジスター131のゲートに入力される制御信号をC1とする。また、駆動回路115によって生成され、第1トランジスター131のソースに入力される駆動信号をS1とする。同様に、第2トランジスター132のゲートに入力される制御信号をC2とし、ソースに入力される駆動信号をS2とする。また、第3トランジスター133のゲートに入力される制御信号をC3とし、ソースに入力される駆動信号をS3とする。
駆動信号S1,S2,S3における第3の電位は例えば5Vであって、第4の電位は例えば0Vである。実施例1における駆動信号S1,S2,S3の周期は、COM信号の第1の周期の6倍であって、50.4msである。したがって、駆動信号S1,S2,S3の周波数はおよそ20Hzである。駆動信号S1,S2,S3は互いに1周期の1/3ずつ位相がずれている。図7では、3つの駆動信号S1,S2,S3における電位の変位状態がわかるように、駆動信号S1,S2,S3の周波数を20Hzとしているが、これに限定されるものではない。
トランジスター130のゲートに入力される制御信号C1,C2,C3は、COM信号の第1の周期の1/2の期間(1垂直期間)を単位として、トランジスター130をON(接続状態)またはOFF(非接続状態)とする信号であり、駆動信号S1,S2,S3における電位と、COM信号の電位とを考慮して予め設定される。
次に、制御信号C1と駆動信号S1との関係、及び第1トランジスター131を介して印加される駆動信号S1による第1電極121のCOM信号の電位(COM電位)に対する電位の変化について、図7及び図8を参照して具体的に説明する。
図7に示すように、COM信号は、時間t0で第2の電位(0V)から第1の電位(5V)に変位して、時間t0〜時間t1で第1の電位(5V)が維持される。また、時間t1で第1の電位(5V)から第2の電位(0V)に変位して時間t1〜時間t2で第2の電位(0V)が維持される。時間t0〜時間t2が第1の周期であって、前述したように8.4ms(ミリ秒)である。以降、第1の周期で第1の電位(5V)と第2の電位(0V)との間で電位が変位する。
駆動信号S1は、時間t0〜時間t1では第4の電位(0V)であり、時間t1で第4の電位(0V)から第3の電位(5V)に変位して時間t1〜時間t7では第3の電位(5V)が維持される。また、時間t7で第3の電位(5V)から第4の電位(0V)に変位して時間t7〜時間t13では第4の電位(0V)が維持される。時間t1〜時間t13が駆動信号S1の周期であって、前述したように50.4ms(ミリ秒)である。以降、この周期に基づいて、駆動信号S1は、第4の電位(0V)と第3の電位(5V)との間で変位する。
駆動信号S1が第4の電位(0V)から第3の電位(5V)に変化する時間t0〜時間t2において制御信号C1がONとなり、駆動信号S1が第3の電位(5V)である時間t2〜時間t6の間では、制御信号C1はCOM信号の1垂直期間を単位としてOFFとONとを繰り返す。そして、駆動信号S1が第3の電位(5V)から第4の電位(0V)に変化する時間t7〜時間t8では制御信号C1はOFFとなる。また、駆動信号S1が第4の電位(0V)である時間t8〜時間t12の間では、制御信号C1はCOM信号の1垂直期間を単位としてONとOFFとを繰り返す。そして、駆動信号S1が第4の電位(0V)から第3の電位(5V)に変化する時間t12〜時間t13では制御信号C1は再びONとなる。以降、このような駆動信号S1の電位の変位に応じて、制御信号C1のONまたはOFFの状態が繰り返される。
第1電極121に接続された第1トランジスター131は、制御信号C1によってON(接続状態)とOFF(非接続状態)とが制御される。したがって、図7に示すように、時間t0〜時間t1の間ではCOM信号の電位(COM電位)は第1の電位(5V)であり、制御信号C1がONであるため、第1トランジスター131を介して第1電極121に駆動信号S1が印加される。このときの駆動信号S1の電位は第4の電位(0V)であるから、図8に示すように、第1電極121のCOM電位に対する電位は−5Vとなる。図7に示すように、時間t1〜時間t2の間ではCOM電位は第2の電位(0V)であり、制御信号C1がONであるため、第1トランジスター131を介して第1電極121に駆動信号S1が印加される。このときの駆動信号S1の電位は第3の電位(5V)であるから、図8に示すように、第1電極121のCOM電位に対する電位は+5Vとなる。図7に示すように、時間t2〜時間t3の間ではCOM電位は第1の電位(5V)であり、制御信号C1がOFFであるため、第1電極121には駆動信号S1が印加されない。このときの第1電極121の電位は、第1電極121に液晶層50を介して対向配置された対向電極23を含む液晶容量によって時間t1〜時間t2の間で充電された電位に維持されるので、図8に示すように、第1電極121のCOM電位に対する電位は+5Vとなる。
図7に示すように、時間t3〜時間t7では、COM信号が第2の電位(0V)である垂直期間に制御信号C1がONとなり、COM信号が第1の電位(5V)である垂直期間に制御信号C1がOFFとなることを繰り返すことから、この期間における第1電極121のCOM電位に対する電位は、制御信号C1がONとなって印加された駆動信号S1の電位が液晶容量に充電されて、制御信号C1がOFFとなっても維持されるので、図8に示すように+5Vとなる。
図7に示すように、時間t7〜時間t8では、COM信号は第2の電位(0V)であり、制御信号C1がOFFであることから、第1電極121のCOM電位に対する電位は、液晶容量に充電された時間t6〜時間t7までの電位となるので、図8に示すように+5Vとなる。図7に示すように、時間t8〜時間t9では、COM信号は第1の電位(5V)であり、制御信号C1がONとなり、駆動信号S1が第4の電位(0V)となることから、第1電極121のCOM電位に対する電位は、図8に示すように−5Vとなる。図7に示すように、時間t9〜時間t13では、COM信号が第2の電位(0V)である垂直期間に制御信号C1がOFFとなり、COM信号が第1の電位(5V)である垂直期間に制御信号C1がONとなることを繰り返すことから、この期間における第1電極121のCOM電位に対する電位は、制御信号C1がONとなって印加された駆動信号S1の第4の電位(0V)が液晶容量に充電されて、制御信号C1がOFFとなっても維持されるので、図8に示すように−5Vとなる。
つまり、駆動信号S1の時間t1〜時間t13の1周期において、第1電極121のCOM電位に対する電位は、時間t1〜時間t8の7垂直期間で正極性の+5Vとなり、時間t8〜時間t13の5垂直期間で負極性の−5Vとなる。すなわち、第1電極121には、COM信号の第1の周期よりも長い第2の周期で、COM電位を基準として正極性の電位(+5V)と負極性の電位(−5V)との間で変位する交流信号が印加される。
第2トランジスター132を介して駆動信号S2が印加される第2電極122のCOM電位に対する電位も、上述した第1電極121の場合と同様に、制御信号C2と駆動信号S2とによって制御される。図7に示すように、駆動信号S2は駆動信号S1に対して位相が1/3周期ずれていることから、図8に示すように、駆動信号S2の時間t5〜時間t17の1周期において、第2電極122のCOM電位に対する電位は、時間t5〜時間t12の7垂直期間で正極性の+5Vとなり、時間t12〜時間t17の5垂直期間で負極性の−5Vとなる。すなわち、第2電極122には、COM信号の第1の周期よりも長い第2の周期で、COM電位を基準として正極性の電位(+5V)と負極性の電位(−5V)との間で変位する交流信号が第1電極121に印加される交流信号に対して位相が1/3周期ずれた状態で印加される。
第3トランジスター133を介して駆動信号S3が印加される第3電極123のCOM電位に対する電位も、上述した第2電極122の場合と同様に、制御信号C3と駆動信号S3とによって制御される。図7に示すように、駆動信号S3は駆動信号S2に対して位相が1/3周期ずれていることから、図8に示すように、駆動信号S3の時間t9〜時間t21の1周期において、第3電極123のCOM電位に対する電位は、時間t9〜時間t16の7垂直期間で正極性の+5Vとなり、時間t16〜時間t21の5垂直期間で負極性の−5Vとなる。すなわち、第3電極123には、COM信号の第1の周期よりも長い第2の周期で、COM電位を基準として正極性の電位(+5V)と負極性の電位(−5V)との間で変位する交流信号が第2電極122に印加される交流信号に対して位相が1/3周期ずれた状態で印加される。
つまり、第1電極121のCOM電位に対する電位の極性が正極性である期間に、第1電極121に隣り合う第2電極122のCOM電位に対する電位の極性が負極性から正極性に変化する。また、第2電極122のCOM電位に対する電位の極性が正極性である期間に、第2電極122に隣り合う第3電極123のCOM電位に対する電位の極性が負極性から正極性に変化する。そして、第1電極121のCOM電位に対する電位の極性が負極性である期間に、第1電極121に隣り合う第2電極122のCOM電位に対する電位の極性が正極性から負極性に変化する。また、第2電極122のCOM電位に対する電位の極性が負極性である期間に、第2電極122に隣り合う第3電極123のCOM電位に対する電位の極性が正極性から負極性に変化する。すなわち、3つの電極121,122,123の間においてCOM電位に対する電位の極性が周期的に遷移することにより、周辺電極120において前述した電界のスクロールが生ずる。
(比較例)
次に、比較例の液晶装置の駆動方法について、図9を参照して説明する。図9は比較例の液晶装置の駆動方法におけるコモン信号、駆動信号、交流信号のタイミングチャートである。比較例の液晶装置の駆動方法は、実施例1に対して、トランジスター130を介さずに、駆動信号を直接に周辺電極120に印加する例である。以降、周辺電極120のうち第1電極121に印加される駆動信号S1を例に挙げて説明する。具体的には、図9に示すように、比較例の液晶装置の駆動方法おける、COM信号は、第1の電位(5V)と第1の電位よりも小さい第2の電位(0V)との間で第1の周期で変位する信号である。第1の周期は、実施例1のCOM信号と同じ8.4ms(ミリ秒)である。すなわち、COM信号の周波数は120Hzである。
第1電極121に印加される比較例の駆動信号S1は、電位が−5Vと+5Vとの間で変位する信号である。駆動信号S1の周期は、実施例1と同じで第1の周期の6倍の50.4ms(ミリ秒)である。
比較例では、コモン反転駆動が反映されたCOM信号の電位を基準として、電位が−5Vと+5Vとの間で変位する駆動信号S1を第1電極121に印加する。したがって、図9に示すように、時間t0〜時間t1ではCOM信号が第1の電位(5V)となり、駆動信号S1の電位が−5Vとなることから、第1電極121のCOM電位に対する電位は、0Vとなる。時間t1〜時間t7では、COM信号が1垂直期間を単位として第2の電位(0V)と第1の電位(5V)との間で変位する。これに対して、駆動信号S1の電位は+5Vで一定であることから、第1電極121の電位は、COM信号の1垂直期間を単位として+5Vと+10Vとの間で変位する。時間t7〜時間t13では、COM信号が1垂直期間を単位として第2の電位(0V)と第1の電位(5V)との間で変位する。これに対して、駆動信号S1の電位は−5Vで一定であることから、第1電極121の電位は、COM信号の1垂直期間を単位として−5Vと0Vとの間で変位する。時間t13〜時間t14ではCOM信号が第2の電位(0V)となり、駆動信号S1の電位が+5Vとなることから、第1電極121のCOM電位に対する電位は、+5Vとなる。つまり、比較例の第1電極121に印加される交流信号は、COM電位を基準として正極性側に最大で10V、負極性側に最大で−5V、COM信号の1垂直期間を単位として電位が変動する交流信号となる。
すなわち、比較例の液晶装置の駆動方法は、実施例1の液晶装置の駆動方法に比べて周辺電極120に印加される交流信号の電位幅が大きくなる。したがって、比較例の方が実施例1に比べて消費電力が大きくなる。言い換えれば、イオンサーフ駆動とコモン反転駆動とを単純に組み合わせる比較例に比べて、周辺電極120にスイッチング素子としてのトランジスター130を介して駆動信号を断続的に印加する形態の実施例1の方が駆動信号の電圧幅を小さくして低消費電力化を図ることができる。
(実施例2)
次に、実施例2の液晶装置の駆動方法について、図10及び図11を参照して説明する。図10は第1実施形態の液晶装置の駆動方法における実施例2のコモン信号、制御信号、駆動信号を示すタイミングチャート、図11は第1実施形態の液晶装置の駆動方法における実施例2の交流信号を示すタミングチャートである。実施例2の液晶装置の駆動方法は、実施例1に対して駆動信号の形態を異ならせたものである。
図10に示すように、実施例2の液晶装置の駆動方法における、COM信号は、第1の電位(5V)と第1の電位よりも小さい第2の電位(0V)との間で第1の周期で変位する信号である。第1の周期は、実施例1のCOM信号と同じ8.4ms(ミリ秒)である。すなわち、COM信号の周波数は120Hzである。
駆動信号S1は、時間t0〜時間t1の間で第4の電位(0V)であり、時間t1で第4の電位(0V)から第3の電位(5V)に変位し、時間t1〜時間t8の間で第3の電位(5V)に維持される。また、時間t8で第3の電位(5V)から第4の電位(0V)に変位し、時間t8〜時間t13の間で第4の電位(0V)に維持される。時間t13で第4の電位(0V)から第3の電位(5V)に変位し、時間t13〜時間t18の間で第3の電位(5V)に維持される。また、時間t18で第3の電位(5V)から第4の電位(0V)に変位し、時間t18〜時間t25の間で第4の電位(0V)に維持される。
前述した実施例1の駆動信号S1は、第3の電位(5V)に維持される期間と第4の電位(0V)に維持される期間とが、それぞれCOM信号における6垂直期間で繰り返されていた(図7参照)。このような駆動信号S1を制御信号C1によってONまたはOFFが制御される第1トランジスター131を介して第1電極121に印加すると、第1電極121のCOM電位に対する電位(すなわち、実質的に第1電極121に印加される交流信号)は、正極性の電位(+5V)がCOM信号の7垂直期間維持された後に、負極性の電位(−5V)がCOM信号の5垂直期間維持されることが繰り返される。よって、交流信号の周期において、正極性の電位に維持される期間と負極性の電位に維持される期間とが同じではなく異なっていた。具体的には、交流信号の周期において、正極性の電位に維持される期間の方が負極性の電位に維持される期間よりも長かった。
このような実施例1に対して、実施例2の駆動信号S1は、第3の電位(5V)がCOM信号の7垂直期間続いた後に、第4の電位(0V)がCOM信号の5垂直期間続く。さらに、第3の電位(5V)がCOM信号の5垂直期間続いた後に、第4の電位(0V)がCOM信号の7垂直期間続くことが繰り返されている。
このような実施例2の駆動信号S1の形態によれば、図11に示すように、第1電極121のCOM電位に対する電位は、時間t1〜時間t8(COM信号の(6+1)垂直期間)で正極性の電位(+5V)となり、時間t8〜時間t13(COM信号の(6−1)垂直期間)で負極性の電位(−5V)となり、続く、時間t13〜時間t18(COM信号の(6−1)垂直期間)で正極性の電位(+5V)となり、時間t18〜時間t25(COM信号の(6+1)垂直期間)で負極性の電位(−5V)となる。つまり、実質的に第1電極121に印加される交流信号において、1周期の2倍の期間を単位として、電位が正極性となる期間と負極性となる期間とが同じになる。言い換えれば、第1電極121に印加される交流信号の周期の平均がCOM信号の第1の周期の6の整数(n)倍であり、n×(6+1)の周期とn×(6−1)の周期とを繰り返す交流信号を第1電極121に印加する。なお、イオントラップ用の周辺電極120において第1電極121以外の第2電極122、第3電極123に印加される交流信号は、第1電極121に印加される交流信号に対して位相がずれているものの、同様に、交流信号の周期の2倍の期間を単位として、電位が正極性となる期間と負極性となる期間とが同じになる。
このような実施例2の液晶装置の駆動方法によれば、周辺電極120に印加される交流信号において、交流信号の周期の2倍の期間を単位として、電位が正極性となる期間と負極性となる期間とが同じになって、周辺電極120における電位の極性の偏りが無くなる。周辺電極120に引き付けられたカチオン(+)系やアニオン(−)系のイオン性不純物が、周辺電極120における電位の極性の偏りによって滞留することが抑制され、第1電極121から第3電極123への電界のスクロールによって、イオン性不純物が表示領域E1からシール材40側に円滑に掃き寄せられる。
なお、実施例1の液晶装置の駆動方法のように、交流信号の周期において周辺電極120の電位が正極性となる期間と負極性となる期間とが異なっていたとしても、双方の期間が充分に長くなるように駆動信号を設定することで、カチオン(+)系やアニオン(−)系のイオン性不純物を表示領域E1から外側に掃き寄せることは可能である。
実施例1及び実施例2に示したように、COM信号が第1の電位(例えば5V)、且つ交流信号が負極性の電位(−5V)である第1の期間、あるいは、COM信号が第2の電位(例えば0V)、且つ交流信号が正極性の電位(+5V)である第2の期間の、全てまたは一部の期間はトランジスター130を接続状態とし、それ以外の期間はトランジスター130を非接続状態とする。また、COM信号が上記第1の期間であって、トランジスター130が接続状態であるときは、駆動信号は、第4の電位であり、COM信号が上記第2の期間であって、トランジスター130が接続状態であるときは、駆動信号は、第3の電位であることが好ましい。
これによれば、COM信号における第1の周期の1/2の期間を単位として、駆動信号によって周辺電極120に与えられる電位を制御できる。つまり、COM信号の電位を基準として周辺電極120に印加される交流信号の電位が正極性である期間や負極性である期間を適宜調整することができる。特に、周辺電極120の電位は、液晶層50を挟んで対向配置された周辺電極120と対向電極23とによる液晶容量に交流信号の電位が充電されて維持される。したがって、液晶容量に交流信号の電位が充電される期間が短いほど、あるいは液晶容量の電気容量が小さいほど周辺電極120において正極性の電位あるいは負極性の電位を維持することが難しくなる。ゆえに、イオン性不純物を電界のスクロールによって掃き寄せる観点から、周辺電極120において正極性の電位あるいは負極性の電位を所定の期間維持する必要があり、COM信号が第1の電位(例えば5V)、且つ交流信号が負極性の電位(−5V)である第1の期間の全て、及び、COM信号が第2の電位(例えば0V)、且つ交流信号が正極性の電位(+5V)である第2の期間の全てにおいてトランジスター130を接続状態とすることがより好ましい。
また、実施例2に示したように、交流信号の周期の平均がCOM信号の第1の周期の6の整数(n)倍であり、n×(6+1)の周期とn×(6−1)の周期とを繰り返す交流信号を周辺電極120に印加することが好ましい。
これによれば、周辺電極120である第1電極121、第2電極122、第3電極123のそれぞれにおいて、交流信号により電位が正極性となる期間と負極性となる期間とを平均化して、周辺電極120における電位の極性の偏りをなくすことができる。周辺電極120における電位の極性の偏りをなくすことによって、周辺電極120に引き寄せられるイオン性不純物を滞留させることなく表示領域E1よりも外側に向って掃き寄せることができる。
また、比較例に示した交流信号を、例えば駆動用IC103から出力しようすると、比較例における交流信号の電位は、最大で+10V、最小で−5Vであることから、交流信号の電位幅は、10V−(−5V)=15Vとなる。さらに、駆動用IC103において、回路マージンとして3Vを見込むと、実質で18Vの耐圧が必要となる。
これに対して、実施例1及び実施例2では、COM信号の振幅、駆動信号の振幅、データ信号の振幅は、いずれも5Vでよく、5Vに回路マージンの3Vを見込んだとしても、駆動用IC103は8Vの耐圧でよい。したがって、比較例に対して1/3から1/4へ消費電力を削減することが可能である。合わせて駆動用IC103の小型化に貢献できる。
上記の実施例1及び実施例2では、トランジスター130を導通(ON)、非導通(OFF)とするためにゲートに与えられる制御信号は、−5V〜8Vの振幅が必要となる。直接に制御回路114から−5V〜8Vの振幅の制御信号を発生する場合は、別の高耐圧のICに制御回路114を内蔵させる方が合理的である。また、液晶パネル110の素子基板10に0V〜5Vの振幅を−5V〜8Vの振幅に変換するレベルシフタを設けることで、駆動用IC103に制御回路114を内蔵させることができる。このように素子基板10側にレベルシフタを設けることで、駆動用IC103の総合的な小型化、省電力化に貢献できる。
(第2実施形態)
<液晶装置>
次に、第2実施形態の液晶装置について、図12〜図13を参照して説明する。図12は第2実施形態の液晶装置のイオントラップ機構における周辺電極の配置を示す概略断面図、図13は第2実施形態の液晶装置における電気的な構成を示すブロック図である。第2実施形態の液晶装置200は、上記第1実施形態の液晶装置100に対して、イオントラップ機構における液晶パネルの電気的な構成を一部で異ならせたものであり、上記第1実施形態の液晶装置100と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図12に示すように、本実施形態の液晶装置200は、シール材40を介して対向配置された素子基板210と対向基板220との間に挟持された液晶層50を有する液晶パネル250を備えている。素子基板210の表示領域E1には、複数の画素電極15が配置されている。また、表示領域E1とシール材40との間の周辺領域E2には、表示領域E1側から順に間隔をおいて第1電極121、第2電極122、第3電極123が配置されている。第1電極121、第2電極122、第3電極123は、イオントラップ用の周辺電極120として機能するものである。
液晶パネル250の対向基板220は、基材20sと、基材20sの液晶層50側において周辺領域E2に設けられた見切り部21と、平坦化層22と、共通電極として機能する対向電極23Bとを有している。対向電極23Bは表示領域E1に亘って設けられ、液晶層50を介して素子基板210の複数の画素電極15と対向している。表示領域E1よりも外側の周辺領域E2では、対向電極23Bは液晶層50を介して素子基板210の周辺電極120と対向していない。なお、本実施形態では、素子基板210が本発明における第1基板の一例であり、対向基板220が本発明における第2基板の一例である。
図13に示すように、本実施形態の液晶装置200は、上記第1実施形態の液晶装置100と同様に、その駆動に係る回路として、表示信号出力回路111、マルチプレクサ112、信号発生回路113、制御回路114、駆動回路115を有している。液晶装置200の液晶パネル250には、表示領域E1において複数の画素Pが設けられている。画素Pは、前述したように、画素電極15(図2参照)と、画素電極15のスイッチング素子であるTFT30(図2参照)と、画素電極15に与えられた電位を保持するための保持容量(図示省略)とが設けられている。表示領域E1を囲む周辺領域E2(図12参照)には、表示領域E1を囲むように額縁状の第1電極121、第2電極122、第3電極123が設けられている。対向電極23Bは前述したように表示領域E1において平面視で画素Pの画素電極15と重なるように配置されている。本実施形態のイオントラップ機構は、液晶層50を介して対向電極23Bと対向していない周辺電極120を含むものである。
第1電極121と駆動回路115との間には、第1トランジスター131が設けられている。第2電極122と駆動回路115との間には、第2トランジスター132が設けられている。第3電極123と駆動回路115との間には、第3トランジスター133が設けられている。第1トランジスター131、第2トランジスター132、第3トランジスター133の各ゲートは、制御回路114に接続されている。
第1トランジスター131の第1電極121が接続されるドレインとコモン信号(COM信号)が与えられる配線116との間に第1保持容量141が設けられている。第2トランジスター132の第2電極122が接続されるドレインと配線116との間に第2保持容量142が設けられている。第3トランジスター133の第3電極123が接続されるドレインと配線116との間に第3保持容量143が設けられている。第1保持容量141、第2保持容量142、第3保持容量143を単に、3つの保持容量141,142,143と呼ぶこともある。
第1トランジスター131、第2トランジスター132、第3トランジスター133は、いずれも例えばN型のTFTで構成されている。以降、第1トランジスター131、第2トランジスター132、第3トランジスター133を総称してトランジスター130と呼ぶこともある。あるいは、3つのトランジスター131,132,133と呼ぶこともある。
本実施形態では、マルチプレクサ112と、これらの3つのトランジスター131,132,133と、COM信号が与えられる配線116と、3つの保持容量141,142,143とが液晶パネル250の素子基板210に設けられている。表示信号出力回路111、信号発生回路113、制御回路114、駆動回路115は、上記第1実施形態の液晶装置100と同様に、FPC102に搭載された駆動用IC103(図1参照)に含まれている。表示信号出力回路111、信号発生回路113、制御回路114、駆動回路115のうちのいずれか、あるいはこれらの回路の一部を素子基板210に設けることも可能である。
液晶装置200には、表示データ(Vi)、水平同期信号(Hsync)、垂直同期信号(Vsync)、基準クロック信号(DCLK)が供給される。図13では図示を省略しているが、これらの信号の他にも、上述した各回路を駆動するための基準電圧(VSS)や駆動電圧(VDD)などが供給される。
表示信号出力回路111には、表示データ(Vi)、水平同期信号(Hsync)、垂直同期信号(Vsync)、基準クロック信号(DCLK)が入力される。表示信号出力回路111は、これらの信号に基づいて表示に係る走査信号(図13では図示を省略)やデータ信号などを生成する。データ信号はマルチプレクサ112を介して、各画素P(TFT30)に供給される。
信号発生回路113には、垂直同期信号(Vsync)と基準クロック信号(DCLK)とが入力される。信号発生回路113は、これらの信号に基づいて、コモン信号(COM信号)と極性信号とを生成する。COM信号は、第1の電位と第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位する信号であって、対向電極23Bに供給される。極性信号は、後述する液晶装置200の駆動方法に係る交流信号の極性を制御するためのロジック信号であって、表示信号出力回路111、制御回路114、駆動回路115のそれぞれに供給される。
制御回路114には、垂直同期信号(Vsync)と、基準クロック信号(DCLK)と、極性信号とが入力される。制御回路114は、これらの信号に基づいて、第1トランジスター131、第2トランジスター132、第3トランジスター133のスイッチング制御(接続/非接続)に係る制御信号を生成する。
駆動回路115には、垂直同期信号(Vsync)と、基準クロック信号(DCLK)と、極性信号とが入力される。駆動回路115は、これらの信号に基づいて、第1トランジスター131、第2トランジスター132、第3トランジスター133ごとに、駆動信号を生成する。駆動信号は、後述する液晶装置200の駆動方法に係る信号であって、第3の電位と第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する信号である。
駆動回路115によって生成された駆動信号は、第1トランジスター131、第2トランジスター132、第3トランジスター133を介して、周辺電極120の第1電極121、第2電極122、第3電極123のそれぞれに位相がずれた状態で供給される。言い換えれば、駆動回路115は、イオントラップ用の3つの電極121,122,123のそれぞれに印加される同一周波数で位相がずれた駆動信号を生成する。また、駆動信号の電位は、第1トランジスター131、第2トランジスター132、第3トランジスター133のそれぞれと配線116との間に設けられた、第1保持容量141、第2保持容量142、第3保持容量143により、後述する制御信号で規定される期間、維持される。
<液晶装置の駆動方法>
本実施形態の液晶装置200の駆動方法は、対向基板220の共通電極として機能する対向電極23Bに第1の電位と第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位するコモン信号(COM信号)を与え、スイッチング素子としてのトランジスター130に、第3の電位と第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する駆動信号を入力し、トランジスター130により、COM信号における第1の周期の1/2以下の期間を単位として、イオントラップ用の周辺電極120である、第1電極121、第2電極122、第3電極123のそれぞれに駆動信号を接続または非接続して、第1電極121、第2電極122、第3電極123に、コモン信号(COM信号)の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で、正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号を互いに位相がずれた状態で印加する。第1電極121、第2電極122、第3電極123に印加された交流信号の電位は、第1保持容量141、第2保持容量142、第3保持容量143によって維持される。以降、具体的な実施例3の液晶装置の駆動方法を示して説明する。
(実施例3)
図14は実施例3の液晶装置の駆動方法におけるコモン信号、制御信号、駆動信号、交流信号のタイミングチャートである。なお、図14の制御信号、駆動信号、交流信号は、周辺電極120のうち第1電極121に対応するものである。実施例3の液晶装置の駆動方法は、実施例2の液晶装置の駆動方法に対して制御信号の形態を異ならせたものである。
図14に示すように、実施例3の液晶装置の駆動方法における、コモン信号(COM信号)は、前述した実施例1と同様に、第1の電位(5V)と第1の電位よりも小さい第2の電位(0V)との間で第1の周期で変位する信号である。第1の周期は、実施例1のCOM信号と同じ8.4ms(ミリ秒)である。すなわち、COM信号の周波数は120Hzである。
駆動信号S1は、前述した実施例2と同様に、時間t0〜時間t1の間で第4の電位(0V)であり、時間t1で第4の電位(0V)から第3の電位(5V)に変位し、時間t1〜時間t8の間で第3の電位(5V)に維持される。また、時間t8で第3の電位(5V)から第4の電位(0V)に変位し、時間t8〜時間t13の間で第4の電位(0V)に維持される。時間t13で第4の電位(0V)から第3の電位(5V)に変位し、時間t13〜時間t18の間で第3の電位(5V)に維持される。また、時間t18で第3の電位(5V)から第4の電位(0V)に変位し、時間t18〜時間t25の間で第4の電位(0V)に維持される。つまり、駆動信号S1の周期は、COM信号の第1の周期の6倍であって、駆動信号S1の周期の倍の期間で、第3の電位(5V)に維持される期間と、第4の電位(0V)に維持される期間とが同じになっている。この場合は、第3の電位(5V)に維持される期間と、第4の電位(0V)に維持される期間とは、それぞれCOM信号の12垂直期間である。なお、実施例3では駆動信号S1の周期は、COM信号における第1の周期の6の整数(n)倍であればよい。
このような駆動信号S1に対して、第1電極121に接続された第1トランジスター131のON/OFF制御に係る実施例3の制御信号C1は、時間t1〜時間t2において、COM信号が第2の電位(0V)であって、駆動信号S1が第3の電位(5V)のときに、ON状態となり、時間t8〜時間t9において、COM信号が第1の電位(5V)であって、駆動信号S1が第4の電位(0V)のときに、ON状態となる。また、時間t13〜時間t14において、COM信号が第2の電位(0V)であって、駆動信号S1が第3の電位(5V)のときに、ON状態となり、時間t18〜時間t19において、COM信号が第1の電位(5V)であって、駆動信号S1が第4の電位(0V)のときに、ON状態となる。さらに、時間t25〜時間t26において、COM信号が第2の電位(0V)であって、駆動信号S1が第3の電位(5V)のときに、ON状態となる。つまり、駆動信号S1の電位が第4の電位(0V)から第3の電位(5V)に変位するタイミング、あるいは第3の電位(5V)から第4の電位(0V)に変位するタイミングで制御信号C1がON状態となり、それ以外の第4の電位(0V)あるいは第3の電位(5V)に維持されている期間では制御信号C1はOFF状態となっている。
したがって、実施例3では、COM信号の(6+1)垂直期間または(6−1)垂直期間に制御信号C1が1回ON状態となって、駆動信号S1が第1トランジスター131を介して第1電極121に印加される。つまり、上述した実施例1や実施例2よりも駆動信号S1が第1電極121に印加される期間が短くなる。ところが、本実施形態の液晶装置200では、第1トランジスター131の第1電極121が接続されるドレインとCOM信号が与えられる配線116との間に第1保持容量141が設けられていることから、駆動信号S1が印加されたときの第1電極121の電位は、第1保持容量141によって保持される。
ゆえに、COM電位に対する第1電極121の電位は、図14に示すように、時間t1〜時間t8では正極性の電位(+5V)となり、時間t8〜時間t13では負極性の電位(−5V)となり、時間t13〜時間t18では正極性の電位(+5V)となり、時間t18〜時間t25では負極性の電位(−5V)となる。すなわち、第1電極121には、COM電位を基準として、COM信号の第1の周期よりも長い第2の周期で、正極性の電位(+5V)と負極性の電位(−5V)との間で変位する交流信号が印加される。また、交流信号における周期の倍の期間で、第1電極121の電位が正極性となる期間と負極性となる期間とが同じになる。すなわち、交流信号が印加されたときの、第1電極121の電位における極性の偏りが解消される。なお、イオントラップ用の電極の数が3つである場合は、駆動信号S1における周期は、6の整数(n)倍であればよい。また、周辺電極120の第2電極122、第3電極123には、第1電極121に印加される交流信号に対して互いに位相が1/3周期ずれた交流信号が印加される。
実施例3の液晶装置200とその駆動方法によれば、実施例1や実施例2のように周辺電極120に対応して液晶容量を構成せずに、周辺電極120における3つの電極121,122,123のそれぞれに対応してCOM信号が与えられる配線116との間に保持容量が設けられている。したがって、該保持容量の電気容量を該液晶容量よりも大きくすることが可能となることから、制御信号がON状態(トランジスター130が接続状態)となる期間を短くしても、周辺電極120の3つの電極121,122,123のそれぞれにおいて駆動信号が与えられたときの電位が維持される。つまり、イオントラップ用の周辺電極120に対して実質的に駆動信号が印加される期間が短くなることから、実施例1や実施例2に比べて、イオンサーフ駆動とコモン反転駆動とを組み合わせたときの消費電力をより小さくすることができる。
(実施例4)
図15は実施例4の液晶装置の駆動方法におけるコモン信号、制御信号、駆動信号、交流信号のタイミングチャートである。なお、図15の制御信号、駆動信号、交流信号は、周辺電極120のうち第1電極121に対応するものである。実施例4の液晶装置の駆動方法は、実施例3の液晶装置の駆動方法に対して駆動信号の形態を異ならせたものである。
第2実施形態の液晶装置200では、図13に示したように、イオントラップ用の周辺電極120において、第1電極121とCOM電位が与えられる配線116との間に第1保持容量141が設けられている。同様に、第2電極122と配線116との間に第2保持容量142が設けられ、第3電極123と配線116との間に第3保持容量143が設けられている。したがって、実施例3で説明したように、制御信号がOFF状態であっても、制御信号がON状態のときにトランジスター130を介して、3つの電極121,122,123のそれぞれに印加された駆動信号の電位が、3つの保持容量141,142,143のそれぞれによって保持される。ゆえに、3つの電極121,122,123に、COM電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で、正極性の電位と負極性の電位との間で変位する同一周波数の交流信号を互いに位相がずれた状態で印加するには、制御信号がON状態のときに、3つの電極121,122,123のそれぞれに駆動信号が与えられて所定の電位が維持される状態であればよい。言い換えれば、制御信号がOFF状態である期間の駆動信号の電位は、実施例3で示したように、一定の電位(第3の電位または第4の電位)で維持されることに限定されない。実施例4の液晶装置の駆動方法は、制御信号がOFF状態のときの駆動信号の他の例を示すものである。
図15に示すように、実施例4の液晶装置の駆動方法における、コモン信号(COM信号)は、前述した実施例1と同様に、第1の電位(5V)と第1の電位よりも小さい第2の電位(0V)との間で第1の周期で変位する信号である。第1の周期は、実施例1のCOM信号と同じ8.4ms(ミリ秒)である。すなわち、COM信号の周波数は120Hzである。
実施例4の駆動信号S1は、制御信号C1がON状態となる時間t1〜時間t2の間で、第4の電位(0V)から第3の電位(5V)に変位して維持される。制御信号C1がOFF状態となる時間t2〜時間t8の間では、駆動信号S1は、COM信号の第1の周期の1/4の期間を単位として、第4の電位(0V)と第3の電位(5V)との間で周期的に変位する。制御信号C1が再びON状態となる時間t8〜時間t9の間で、駆動信号S1は第3の電位(5V)から第4の電位(0V)に変位して維持される。そして、制御信号C1が再びOFF状態となる時間t9〜時間t13の間で、駆動信号S1は、COM信号の第1の周期の1/4の期間を単位として、第4の電位(0V)と第3の電位(5V)との間で周期的に変位する。次に、制御信号C1がON状態となる時間t13〜時間t14の間で、駆動信号S1は第3の電位(5V)で維持される。そして、制御信号C1がOFF状態となる時間t14〜時間t18の間では、駆動信号S1は、COM信号の第1の周期の1/4の期間を単位として、第4の電位(0V)と第3の電位(5V)との間で周期的に変位する。次に、制御信号C1が再びON状態となる時間t18〜時間t19の間で、駆動信号S1は第3の電位(5V)から第4の電位(0V)に変位して維持される。そして、制御信号C1が再びOFF状態となる時間t19〜時間t25の間で、駆動信号S1は、COM信号の第1の周期の1/4の期間を単位として、第4の電位(0V)と第3の電位(5V)との間で周期的に変位する。以降、COM信号の(6+1)垂直期間の周期と、(6−1)垂直期間の周期とに対応して、上述した駆動信号S1における電位の周期的な変位が繰り返される。
制御信号C1がON状態である時間t1〜時間t2において、COM信号は第2の電位(0V)であり、駆動信号S1は第3の電位(5V)であることから、COM電位に対する第1電極121の電位は、正極性の+5Vとなり、制御信号C1がOFF状態である時間t2〜時間t8までの期間、+5Vで維持される。再び制御信号C1がON状態となる時間t8〜時間t9において、COM信号は第1の電位(5V)であり、駆動信号S1は第4の電位(0V)であることから、COM電位に対する第1電極121の電位は、負極性の−5Vとなり、制御信号C1がOFF状態である時間t9〜時間t13までの期間、−5Vで維持される。次に、制御信号C1がON状態となる時間t13〜時間t14において、COM信号は第2の電位(0V)であり、駆動信号S1は第3の電位(5V)であることから、COM電位に対する第1電極121の電位は、正極性の+5Vとなり、制御信号C1がOFF状態である時間t14〜時間t18までの期間、+5Vで維持される。再び制御信号C1がON状態となる時間t18〜時間t19において、COM信号は第1の電位(5V)であり、駆動信号S1は第4の電位(0V)であることから、COM電位に対する第1電極121の電位は、負極性の−5Vとなり、制御信号C1がOFF状態となる時間t19〜時間t25までの期間、−5Vで維持される。以降、COM信号の電位と、駆動信号S1の電位とに対応して、第1電極121における交流信号の電位の周期的な変位が繰り返される。
まとめると、COM電位に対する第1電極121の電位は、図15に示すように、時間t1〜時間t8では正極性の電位(+5V)となり、時間t8〜時間t13では負極性の電位(−5V)となり、時間t13〜時間t18では正極性の電位(+5V)となり、時間t18〜時間t25では負極性の電位(−5V)となる。すなわち、第1電極121には、COM電位を基準として、COM信号の第1の周期よりも長い第2の周期で、正極性の電位(+5V)と負極性の電位(−5V)との間で変位する交流信号が印加される。また、交流信号における周期の倍の期間で、第1電極121の電位が正極性となる期間と負極性となる期間とが同じになる。すなわち、交流信号が印加されたときの、第1電極121の電位における極性の偏りが解消される。なお、イオントラップ用の電極の数が3つである場合は、駆動信号S1における周期は、6の整数(n)倍であればよい。また、周辺電極120の第2電極122、第3電極123には、第1電極121に印加される交流信号に対して互いに位相が1/3周期ずれた交流信号が印加される。
このような実施例3及び実施例4の液晶装置の駆動方法を実現するための3つの保持容量141,142,143の電気容量としては、周辺電極120における隣り合う電極間のフリンジ容量の10倍以上とすることが好ましく、50倍以上とすることがより好ましい。具体的には、上記フリンジ容量が2pF(ピコファラッド)である場合には、20pF以上とすることが好ましく、100pF以上とすることがより好ましい。
また、第2実施形態では、対向電極23Bは液晶層50を介して周辺電極120に対向していないため、周辺電極120と対向電極23Bとの間には電界が生じ難い。したがって、周辺電極120をイオンサーフ駆動することによる電界のスクロールでイオン性不純物を効率的に表示領域E1から外側に掃き寄せることができる。
なお、第2実施形態の液晶装置200に対して、上記第1実施形態の液晶装置100の実施例1や実施例2と同様に、COM信号が第1の電位(例えば5V)、且つ交流信号が負極性の電位(−5V)である第1の期間の全て、あるいは、COM信号が第2の電位(例えば0V)、且つ交流信号が正極性の電位(+5V)である第2の期間の全てにおいてトランジスター130を接続状態としてもよい。
<交流信号の周波数(第2の周期)>
次に、周辺電極120に印加される交流信号の周波数(第2の周期)について述べる。
上記第1実施形態の実施例1及び実施例2、上記第2実施形態の実施例3及び実施例4では、駆動信号及び交流信号の周期をCOM信号の第1の周期の6倍としたが、これは駆動信号及び交流信号を分かり易く図示するための設定である。
イオントラップ用の3つの電極121,122,123を含む周辺電極120に発生させた電界のスクロールに伴って確実にイオン性不純物を第3電極123に掃き寄せるためには、イオン性不純物の移動速度を考慮して交流信号の周波数を決める必要がある。イオン性不純物の移動速度よりも電界のスクロールの速度が速いと、イオン性不純物が電界のスクロールに付いて行けずに、イオン性不純物を掃き寄せる効果が低下するおそれがある。
上記実施形態の周辺電極120などを含むイオントラップ機構における好ましい交流信号の周波数f(Hz)は以下のように導かれる。
イオン性不純物の液晶層50中の移動速度v(m/s(秒))は、数式(1)に示すように、隣り合うイオントラップ用の電極間の電界強度e(V/m)と、イオン性不純物の移動度μ(m2/V・s(秒))との積で与えられる。
つまり、v=e×μ・・・(1)である。
電界強度e(V/m)は、数式(2)で示すように、隣り合うイオントラップ用の電極間の電位差Vnをイオントラップ用の電極の配置ピッチp(m)で除した値となる。
つまり、e=Vn/p・・・(2)である。
隣り合うイオントラップ用の電極間の電位差Vnは、交流信号における実効電圧VEの2倍に相当することから、次の数式(3)が導かれる。
つまり、e=2VE/p・・・(3)となる。なお、図8に示した実施例1のように、矩形波の交流信号における実効電圧VEは、矩形波のCOM電位に対する電位に相当し、5Vである。
数式(3)を数式(1)に当てはめることにより、イオン性不純物の移動速度v(m/s)は、数式(4)となる。
つまり、v=2μVE/p・・・(4)である。
隣り合うイオントラップ用の電極間をイオン性不純物が移動する時間tdは、数式(5)に示すように、隣り合うイオントラップ用の電極の配置ピッチpをイオン性不純物の移動速度vで除した値となる。
つまり、td=p/v=p2/2μVE・・・(5)である。
したがって、好ましい周波数f(Hz)は、隣り合うイオントラップ用の電極間をイオン性不純物が移動する時間tdに合わせて電界をスクロールすることで求められる。電界のスクロール時間は交流信号の位相の差Δtに相当するので、Δtを1/n周期とすると、好ましい周波数f(Hz)は次の数式(6)によって導かれる。nはイオントラップ用の電極の数である。
すなわち、f=1/n/td=2μVE/np2・・・(6)となる。
隣り合うイオントラップ用の電極に印加される交流信号の位相の差Δtを、前述した実施例1,2,3,4に示したように1/3周期とすると、隣り合うイオントラップ用の電極間の電位差Vnは、COM電位を基準として+5Vと−5Vとに遷移する矩形波の交流信号の場合、10Vとなる。また、イオントラップ用の電極の配置ピッチpを例えば8μmとし、イオン性不純物の移動度μを2.2×10-10(m2/V・s)すると、好ましい周波数fは、数式(6)によれば、およそ12Hzとなる。
なお、イオン性不純物の移動度μの値は、例えば、A.Sawada,A.Manabe and S.Naemura,“ A Comparative Study on the Attributes of Ions in Nematic and Isotropic Phases”,Jpn.J.Appl Phys Vol.40,p220−p224(2001)に記載されている。また、液晶材料や液晶パネルの構成によっては、移動度μがさらに3桁程度小さいイオン性不純物が存在する場合も確認されている。
液晶層50中に含まれるイオン性不純物の移動度μの値が、上述したように2.2×10-10(m2/V・s)であった場合は、交流信号の周波数fを12Hzよりも大きくすると電界のスクロールにイオン性不純物が付いて行けなくなるので、周波数fは12Hzよりも小さいことが好ましい。
また、上述したように液晶層50中に含まれるイオン性不純物の移動度μの値がさらに小さい2.2×10-13(m2/V・s)であった場合は、交流信号の周波数fを12mHzよりも大きくすると電界のスクロールにイオン性不純物が付いて行けなくなるので、周波数fは12mHzよりも小さいことが好ましい。そのため、イオン性不純物における移動度μの値に合わせて周波数fを設定するのが望ましいが、汎用性を持たせるためには、想定される移動度μの値が最小のイオン性不純物に対応した周波数fとすることが望ましい。この例では、12mHzがそれにあたる。
また、周波数fをあまりに小さくするとイオントラップ用の電極間に直流が印加される状態となって、例えば液晶の分解や、焼き付き、シミなどの表示不良が起るなど好ましくない。イオントラップ用の電極の配置ピッチを8μmよりも小さくすると、好ましい周波数fを大きくすることができる。その上で、イオン性不純物を表示領域E1からより遠くに掃き寄せるには、イオントラップ用の電極の数を3本からさらに増やすことが好ましい。
また、イオントラップ用の電極の幅をL、電極の隙間をSとするとき、幅Lは隙間Sと同じ又は隙間Sよりも小さいことが好ましい。幅Lを隙間Sよりも大きくすると、電極間における電界の移動によってイオン性不純物が電極間を移動する時間よりも、電界の移動が生じ難い電極上で移動する時間のほうが大きくなるため、イオン性不純物の掃き寄せ効果が低下するおそれがあるからである。
上記各実施形態において、上述したイオンサーフ駆動とコモン反転駆動とを組み合わせて低消費電力化を図ると共に、効率的にイオン性不純物を表示領域E1から外側に掃き寄せるには、コモン信号(COM信号)の周波数を60Hz〜240Hzとした場合、交流信号の周波数は、上述したイオン性不純物の移動度μの値を考慮した12mHzよりも小さい0.1mHz〜5mHzであることが好ましい。なお、コモン信号(COM信号)の周波数が60Hzのとき第1の周期は16.7ms(ミリ秒)となり、コモン信号の周波数が240Hzのとき第1の周期は4.2ms(ミリ秒)となる。これに対して、交流信号の周波数が0.1mHzのとき第2の周期は10000秒となり、交流信号の周波数が5mHzのとき第2の周期は200秒となる。
上記各実施形態において、イオントラップ用の3つの電極121,122,123(周辺電極120)は、表示領域E1を囲むように額縁状(リング状)に配置されることが好ましい。これによれば、液晶分子LCの配向制御に係らず、液晶層50中に様々な方向から侵入して拡散したイオン性不純物を表示領域E1の外側に掃き寄せられる。
(第3実施形態)
<電子機器>
次に、本実施形態の液晶装置が適用された電子機器について、投射型表示装置を例に挙げ、図16を参照して説明する。図16は第3実施形態の電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図16に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸Lsに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投写され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述したイオントラップ機構を有する上記第1実施形態の液晶装置100が適用されたものである。液晶パネル110の色光の入射側と射出側とにクロスニコルに配置された一対の偏光素子が隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、上記液晶装置100が用いられているので、低消費電力化が図られていると共に、イオン性不純物に起因する表示不具合が改善され、優れた表示品質を長期に亘って維持することが可能な高い信頼性を有する投射型表示装置1000を提供することができる。なお、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、前述した第2実施形態の液晶装置200を用いても同様な効果が得られる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)上記実施形態のイオントラップ機構において、イオントラップ用の3つの電極121,122,123はいずれも表示領域E1を囲むように額縁状に配置することに限定されない。図4に示したように、液晶分子LCの配向制御の仕方によって、イオン性不純物が偏析する場所(図4では表示領域E1の左下の角部と右上の角部)が限定される場合には、偏析する場所に対応させて、イオントラップ用の少なくとも3つの電極121,122,123を互いに間隔を置いて配置すればよい。
(変形例2)上記実施形態のイオントラップ機構が適用される液晶装置100または液晶装置200は、透過型であることに限定されず、画素電極15が光反射性の導電膜で構成される反射型の液晶装置にも適用可能である。
(変形例3)上記実施形態の液晶装置100,200を適用可能な電子機器は、上記第3実施形態の投射型表示装置1000に限定されない。例えば、液晶装置として画素に着色層を有するカラーフィルターを備える構成とすることで、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。
以下に、上述した実施形態から導き出される内容を記載する。
本願の液晶装置は、表示領域に複数の画素電極が配置された第1基板と、第1の電位と第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位するコモン信号が与えられる共通電極が配置された第2基板と、シール材を介して対向配置された第1基板と第2基板との間に挟持された液晶層と、液晶層を介して共通電極と対向し、第1基板の表示領域とシール材との間に、互に間隔をおいて配置されたイオントラップ用の少なくとも3つの電極と、少なくとも3つの電極のそれぞれに接続されたスイッチング素子と、を備え、スイッチング素子には、第3の電位と第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する駆動信号が入力され、駆動信号は、スイッチング素子により、第1の周期の1/2以下の期間を単位として少なくとも3つの電極のそれぞれに接続または非接続され、少なくとも3つの電極には、コモン信号の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号が互いに位相がずれた状態で印加されることを特徴とする。
本願の構成によれば、スイッチング素子により、イオントラップ用の電極に、接続時には駆動信号が与えられ、非接続時には駆動信号が与えられない。液晶層を介して対向するイオントラップ用の電極と共通電極とにより液晶容量が構成されることから、非接続時であっても該電極の電位は、接続時に与えられた駆動信号による電位が維持される。コモン信号は第1の周期で第1の電位と第2の電位との間で変位することから、第1の周期の1/2以下の期間を単位として、イオントラップ用の電極に駆動信号が接続される接続状態と接続されない非接続状態とを発生させると、常時接続状態とする場合、言い換えれば、スイッチング素子を設けずに該電極に駆動信号を入力する場合と比べて、コモン信号の電位を基準として正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号の電圧範囲を小さくすることができる。よって、コモン反転駆動法を採用しても、交流信号の電圧範囲を一定の範囲に収めた状態で、イオントラップ用の少なくとも3つの電極に、コモン信号の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号を互いに位相がずれた状態で印加することができる。すなわち、コモン反転駆動法に基づいて、イオントラップ用の少なくとも3つの電極間に交流信号による電界を発生させて液晶層中のイオン性不純物を表示領域よりも外側に引き寄せ、イオン性不純物に起因する表示ムラの発生を抑制し、且つ低消費電力で駆動が可能であると共に、駆動信号を生成する回路における耐圧の上昇を抑えることが可能な液晶装置を提供することができる。
本願の他の液晶装置は、表示領域に複数の画素電極が配置された第1基板と、第1の電位と第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位するコモン信号が与えられる共通電極が表示領域に亘って配置された第2基板と、シール材を介して対向配置された第1基板と第2基板との間に挟持された液晶層と、第1基板の表示領域とシール材との間に、互に間隔をおいて配置されたイオントラップ用の少なくとも3つの電極と、少なくとも3つの電極のそれぞれに接続されたスイッチング素子と、少なくとも3つの電極のそれぞれと、コモン信号が与えられる配線との間に接続された保持容量と、を備え、スイッチング素子には、第3の電位と第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する駆動信号が入力され、駆動信号は、スイッチング素子により、第1の周期の1/2以下の期間を単位として少なくとも3つの電極のそれぞれに接続または非接続され、少なくとも3つの電極には、コモン信号の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号が互いに位相がずれた状態で印加されることを特徴とする。
本願の構成によれば、スイッチング素子により、イオントラップ用の電極に、接続時には駆動信号が与えられ、非接続時には駆動信号が与えられない。該電極には保持容量が接続されていることから、非接続時であっても該電極の電位は、接続時に与えられた駆動信号による電位が維持される。コモン信号は第1の周期で第1の電位と第2の電位との間で変位することから、第1の周期の1/2以下の期間を単位として、イオントラップ用の電極に駆動信号が接続される接続状態と接続されない非接続状態とを発生させると、常時接続状態とする場合、言い換えれば、スイッチング素子や保持容量を設けずに該電極に駆動信号を入力する場合と比べて、コモン信号の電位を基準として正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号の電圧範囲を小さくすることができる。よって、コモン反転駆動法を採用しても、交流信号の電圧範囲を一定の範囲に収めた状態で、イオントラップ用の少なくとも3つの電極に、コモン信号の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号を互いに位相がずれた状態で印加することができる。すなわち、コモン反転駆動法に基づいて、イオントラップ用の少なくとも3つの電極間に交流信号による電界を発生させて液晶層中のイオン性不純物を表示領域よりも外側に引き寄せ、イオン性不純物に起因する表示ムラの発生を抑制し、且つ低消費電力で駆動が可能であると共に、駆動信号を生成する駆動回路における耐圧の上昇を抑えることが可能な液晶装置を提供することができる。
また、少なくとも3つの電極に対して液晶層を介して共通電極は対向していないことから、イオントラップ用の少なくとも3つの電極によりイオン性不純物が掃き寄せられる作用が共通電極に与えられるコモン信号の影響を受け難くなる。つまり、イオン性不純物を円滑に表示領域から外側に掃き寄せることができる。
上記の液晶装置において、スイッチング素子は、コモン信号が第1の電位、且つ交流信号が負極性の電位である第1の期間、あるいは、コモン信号が第2の電位、且つ交流信号が正極性の電位である第2の期間の、全てまたは一部の期間は接続状態、それ以外の期間は、非接続状態であり、コモン信号が第1の期間であって、スイッチング素子が接続状態であるときは、駆動信号は、第4の電位であり、コモン信号が第2の期間であって、スイッチング素子が接続状態であるときは、駆動信号は、第3の電位であることを特徴とする。
この構成によれば、第1の周期の1/2の期間を単位として、駆動信号によってイオントラップ用の電極に与えられる電位を制御できる。つまり、コモン信号の電位を基準として該電極に印加される交流信号の電位が正極性である期間や負極性である期間を適宜調整することができる。
上記の液晶装置において、イオントラップ用の3つの電極を有し、交流信号の第2の周期の平均がコモン信号の第1の周期の6の整数(n)倍であり、3つの電極に印加される交流信号は、n×(6+1)の周期とn×(6−1)の周期とを繰り返すことが好ましい。
この構成によれば、3つの電極のそれぞれにおいて、交流信号により電位が正極性となる期間と負極性となる期間とを平均化して電位の極性の偏りをなくすことができる。イオントラップ用の3つの電極のそれぞれにおける電位の極性の偏りをなくすことによって、該電極に引き寄せられるイオン性不純物を滞留させることなく表示領域よりも外側に向って掃き寄せることができる。
上記の液晶装置において、コモン信号の周波数が60Hz〜240Hzであり、交流信号の周波数が0.1mHz〜5mHzであることが好ましい。
少なくとも3つの電極間に発生させた電界によって移動するイオン性不純物の移動速度は、イオン性不純物の移動度による。この構成によれば、コモン信号の周波数が60Hz〜240Hzであり、交流信号の周波数が0.1mHz〜5mHzであることから、移動度が小さいイオン性不純物であっても表示領域の外側に掃き寄せすることができる。なお、コモン信号の周波数が60Hzのとき第1の周期は16.7ms(ミリ秒)となり、コモン信号の周波数が240Hzのとき第1の周期は4.2ms(ミリ秒)となる。これに対して、交流信号の周波数が0.1mHzのとき第2の周期は10000秒となり、交流信号の周波数が5mHzのとき第2の周期は200秒となる。
上記の液晶装置において、少なくとも3つの電極は、第1基板において表示領域を囲んで配置されていることが好ましい。
液晶層におけるイオン性不純物の移動方向は、液晶層における液晶分子の配向状態の影響を受ける。この構成によれば、イオントラップ用の少なくとも3つの電極は表示領域を囲んで設けられていることから、液晶層における液晶分子の配向状態に係らず、イオン性不純物を表示領域の外側に掃き寄せることができる。
本願の液晶装置の駆動方法は、表示領域に複数の画素電極が配置された第1基板と、第1の電位と第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位するコモン信号が与えられる共通電極が配置された第2基板と、シール材を介して対向配置された第1基板と第2基板との間に挟持された液晶層と、液晶層を介して共通電極と対向し、第1基板の表示領域とシール材との間に、互に間隔をおいて配置されたイオントラップ用の少なくとも3つの電極と、少なくとも3つの電極のそれぞれに接続されたスイッチング素子と、を備えた液晶装置の駆動方法であって、スイッチング素子に、第3の電位と第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する駆動信号を入力し、スイッチング素子により、第1の周期の1/2以下の期間を単位として少なくとも3つの電極のそれぞれに駆動信号を接続または非接続して、少なくとも3つの電極に、コモン信号の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号を互いに位相がずれた状態で印加することを特徴とする。
本願の方法によれば、スイッチング素子により、イオントラップ用の電極に、接続時には駆動信号が与えられ、非接続時には駆動信号が与えられない。液晶層を介して対向するイオントラップ用の電極と共通電極とにより液晶容量が構成されることから、非接続時であっても当該電極の電位は、接続時に与えられた駆動信号による電位が維持される。コモン信号は第1の周期で第1の電位と第2の電位との間で変位することから、第1の周期の1/2以下の期間を単位として、イオントラップ用の電極に駆動信号を接続する接続状態と接続しない非接続状態とを発生させると、常時接続状態とする場合、言い換えれば、スイッチング素子を設けずに当該電極に駆動信号を入力する場合と比べて、コモン信号の電位を基準として正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号の電圧範囲を小さくすることができる。よって、コモン反転駆動法を採用しても、交流信号の電圧範囲を一定の範囲に収めた状態で、イオントラップ用の少なくとも3つの電極に、コモン信号の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号を互いに位相がずれた状態で印加することができる。すなわち、コモン反転駆動法に基づいて、イオントラップ用の少なくとも3つの電極間に交流信号による電界を発生させて液晶層中のイオン性不純物を表示領域よりも外側に引き寄せ、イオン性不純物に起因する表示ムラの発生を抑制し、且つ低消費電力で駆動が可能であると共に、駆動信号を生成する駆動回路における耐圧の上昇を抑えることが可能な液晶装置の駆動方法を提供することができる。
本願の他の液晶装置の駆動方法は、表示領域に複数の画素電極が配置された第1基板と、第1の電位と第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位するコモン信号が与えられる共通電極が表示領域に亘って配置された第2基板と、シール材を介して対向配置された第1基板と第2基板との間に挟持された液晶層と、第1基板の表示領域とシール材との間に、互に間隔をおいて配置されたイオントラップ用の少なくとも3つの電極と、少なくとも3つの電極のそれぞれに接続されたスイッチング素子と、少なくとも3つの電極のそれぞれと、コモン信号が与えられる配線との間に接続された保持容量と、を備えた液晶装置の駆動方法であって、スイッチング素子に、第3の電位と第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する駆動信号を入力し、スイッチング素子により、第1の周期の1/2以下の期間を単位として少なくとも3つの電極のそれぞれに駆動信号を接続または非接続して、少なくとも3つの電極に、コモン信号の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号を互いに位相がずれた状態で印加することを特徴とする。
本願の方法によれば、スイッチング素子により、イオントラップ用の電極に、接続時には駆動信号が与えられ、非接続時には駆動信号が与えられない。イオントラップ用の電極には保持容量が接続されていることから、非接続時であっても当該電極の電位は、接続時に与えられた駆動信号による電位が維持される。コモン信号は第1の周期で第1の電位と第2の電位との間で変位することから、第1の周期の1/2以下の期間を単位として、イオントラップ用の電極に駆動信号を接続する接続状態と接続しない非接続状態とを発生させると、常時接続状態とする場合、言い換えれば、スイッチング素子と保持容量とを設けずに当該電極に駆動信号を入力する場合と比べて、コモン信号の電位を基準として正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号の電圧範囲を小さくすることができる。よって、コモン反転駆動法を採用しても、交流信号の電圧範囲を一定の範囲に収めた状態で、イオントラップ用の少なくとも3つの電極に、コモン信号の電位を基準として、第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号を互いに位相がずれた状態で印加することができる。すなわち、コモン反転駆動法に基づいて、イオントラップ用の少なくとも3つの電極間に交流信号による電界を発生させて液晶層中のイオン性不純物を表示領域よりも外側に引き寄せ、イオン性不純物に起因する表示ムラの発生を抑制し、且つ低消費電力で駆動が可能であると共に、駆動信号を生成する駆動回路における耐圧の上昇を抑えることが可能な液晶装置の駆動方法を提供することができる。
上記の液晶装置の駆動方法において、コモン信号が第1の電位、且つ交流信号が負極性の電位である第1の期間、あるいは、コモン信号が第2の電位、且つ交流信号が正極性の電位である第2の期間の、全てまたは一部の期間は、スイッチング素子を接続状態とし、それ以外の期間はスイッチング素子を非接続状態とし、コモン信号が第1の期間であって、スイッチング素子が接続状態であるときは、駆動信号は、第4の電位であり、コモン信号が第2の期間であって、スイッチング素子が接続状態であるときは、駆動信号は、第3の電位であることが好ましい。
この方法によれば、第1の周期の1/2の期間を単位として、駆動信号によってイオントラップ用の電極に与えられる電位を制御できる。つまり、コモン信号の電位を基準としてイオントラップ用の電極に印加される交流信号の電位が正極性である期間や負極性である期間を適宜調整することができる。
上記の液晶装置の駆動方法において、イオントラップ用の3つの電極を有し、交流信号の第2の周期の平均がコモン信号の第1の周期の6の整数(n)倍であり、n×(6+1)の周期とn×(6−1)の周期とを繰り返す交流信号を3つの電極に印加することが好ましい。
この方法によれば、3つの電極のそれぞれにおいて、交流信号により電位が正極性となる期間と負極性となる期間とを平均化して電位の極性の偏りをなくすことができる。イオントラップ用の3つの電極における電位の極性の偏りをなくすことによって、当該電極に引き寄せられるイオン性不純物を滞留させることなく表示領域よりも外側に向って掃き寄せることができる。
本願の電子機器は、上記の液晶装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、イオン性不純物に起因する表示ムラの発生を抑制すると共に、低消費電力で駆動することが可能な液晶装置を備えた電子機器を提供することができる。
10…第1基板としての素子基板、15…画素電極、20…第2基板としての対向基板、23,23B…共通電極としての対向電極、40…シール材、50…液晶層、100,200…液晶装置、116…コモン信号が与えられる配線、121,122,123…イオントラップ用の3つの電極、131,132,133…スイッチング素子としてのトランジスター、141,142,143…保持容量、1000…電子機器としての投射型表示装置、E1…表示領域。

Claims (11)

  1. 表示領域に複数の画素電極が配置された第1基板と、
    第1の電位と前記第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位するコモン信号が与えられる共通電極が配置された第2基板と、
    シール材を介して対向配置された前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶層と、
    前記液晶層を介して前記共通電極と対向し、前記第1基板の前記表示領域と前記シール材との間に、互に間隔をおいて配置されたイオントラップ用の少なくとも3つの電極と、
    前記少なくとも3つの電極のそれぞれに接続されたスイッチング素子と、を備え、
    前記スイッチング素子には、第3の電位と前記第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する駆動信号が入力され、
    前記駆動信号は、前記スイッチング素子により、前記第1の周期の1/2以下の期間を単位として前記少なくとも3つの電極のそれぞれに接続または非接続され、
    前記少なくとも3つの電極には、前記コモン信号の電位を基準として、前記第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号が互いに位相がずれた状態で印加される、液晶装置。
  2. 表示領域に複数の画素電極が配置された第1基板と、
    第1の電位と前記第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位するコモン信号が与えられる共通電極が前記表示領域に亘って配置された第2基板と、
    シール材を介して対向配置された前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶層と、
    前記第1基板の前記表示領域と前記シール材との間に、互に間隔をおいて配置されたイオントラップ用の少なくとも3つの電極と、
    前記少なくとも3つの電極のそれぞれに接続されたスイッチング素子と、
    前記少なくとも3つの電極のそれぞれと、前記コモン信号が与えられる配線との間に接続された保持容量と、を備え、
    前記スイッチング素子には、第3の電位と前記第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する駆動信号が入力され、
    前記駆動信号は、前記スイッチング素子により、前記第1の周期の1/2以下の期間を単位として前記少なくとも3つの電極のそれぞれに接続または非接続され、
    前記少なくとも3つの電極には、前記コモン信号の電位を基準として、前記第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号が互いに位相がずれた状態で印加される、液晶装置。
  3. 前記スイッチング素子は、前記コモン信号が前記第1の電位、且つ前記交流信号が負極性の電位である第1の期間、あるいは、前記コモン信号が前記第2の電位、且つ前記交流信号が正極性の電位である第2の期間の、全てまたは一部の期間は接続状態、それ以外の期間は、非接続状態であり、
    前記コモン信号が前記第1の期間であって、前記スイッチング素子が接続状態であるときは、前記駆動信号は、前記第4の電位であり、前記コモン信号が前記第2の期間であって、前記スイッチング素子が接続状態であるときは、前記駆動信号は、前記第3の電位である、請求項1または2に記載の液晶装置。
  4. イオントラップ用の3つの電極を有し、
    前記交流信号の前記第2の周期の平均が前記コモン信号の前記第1の周期の6の整数(n)倍であり、
    前記3つの電極に印加される前記交流信号は、n×(6+1)の周期とn×(6−1)の周期とを繰り返す、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶装置。
  5. 前記コモン信号の周波数が60Hz〜240Hzであり、前記交流信号の周波数が0.1mHz〜5mHzである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶装置。
  6. 前記少なくとも3つの電極は、前記第1基板において前記表示領域を囲んで配置されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶装置。
  7. 表示領域に複数の画素電極が配置された第1基板と、第1の電位と前記第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位するコモン信号が与えられる共通電極が配置された第2基板と、シール材を介して対向配置された前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶層と、前記液晶層を介して前記共通電極と対向し、前記第1基板の前記表示領域と前記シール材との間に、互に間隔をおいて配置されたイオントラップ用の少なくとも3つの電極と、前記少なくとも3つの電極のそれぞれに接続されたスイッチング素子と、を備えた液晶装置の駆動方法であって、
    前記スイッチング素子に、第3の電位と前記第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する駆動信号を入力し、
    前記スイッチング素子により、前記第1の周期の1/2以下の期間を単位として前記少なくとも3つの電極のそれぞれに前記駆動信号を接続または非接続して、前記少なくとも3つの電極に、前記コモン信号の電位を基準として、前記第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号を互いに位相がずれた状態で印加する、液晶装置の駆動方法。
  8. 表示領域に複数の画素電極が配置された第1基板と、第1の電位と前記第1の電位よりも小さい第2の電位との間で第1の周期で変位するコモン信号が与えられる共通電極が前記表示領域に亘って配置された第2基板と、シール材を介して対向配置された前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶層と、前記第1基板の前記表示領域と前記シール材との間に、互に間隔をおいて配置されたイオントラップ用の少なくとも3つの電極と、前記少なくとも3つの電極のそれぞれに接続されたスイッチング素子と、前記少なくとも3つの電極のそれぞれと、前記コモン信号が与えられる配線との間に接続された保持容量と、を備えた液晶装置の駆動方法であって、
    前記スイッチング素子に、第3の電位と前記第3の電位よりも小さい第4の電位との間で変位する駆動信号を入力し、
    前記スイッチング素子により、前記第1の周期の1/2以下の期間を単位として前記少なくとも3つの電極のそれぞれに前記駆動信号を接続または非接続して、前記少なくとも3つの電極に、前記コモン信号の電位を基準として、前記第1の周期よりも長い第2の周期で正極性の電位と負極性の電位との間で変位する交流信号を互いに位相がずれた状態で印加する、液晶装置の駆動方法。
  9. 前記コモン信号が前記第1の電位、且つ前記交流信号が負極性の電位である第1の期間、あるいは、前記コモン信号が前記第2の電位、且つ前記交流信号が正極性の電位である第2の期間の、全てまたは一部の期間は、前記スイッチング素子を接続状態とし、それ以外の期間は前記スイッチング素子を非接続状態とし、
    前記コモン信号が前記第1の期間であって、前記スイッチング素子が接続状態であるときは、前記駆動信号は、前記第4の電位であり、前記コモン信号が前記第2の期間であって、前記スイッチング素子が接続状態であるときは、前記駆動信号は、前記第3の電位である、請求項7または8に記載の液晶装置の駆動方法。
  10. イオントラップ用の3つの電極を有し、
    前記交流信号の前記第2の周期の平均が前記コモン信号の前記第1の周期の6の整数(n)倍であり、
    n×(6+1)の周期とn×(6−1)の周期とを繰り返す前記交流信号を前記3つの電極に印加する、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の液晶装置の駆動方法。
  11. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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