JP2023031983A - 液晶装置、および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン性不純物によるシミやムラを抑制できる液晶装置を提供する。【解決手段】液晶装置100は、表示領域Eに設けられ、液晶を構成する液晶分子50aを駆動するための電位が印加される第1電極としての画素電極9a及び第2電極としての対向電極21と、表示領域Eの外側の周辺領域Fに設けられ、第1方向である+X方向のX軸方向に沿って延在する辺に対応する第1部分と、第1方向と交差する第2方向である+Y方向に沿って延在する辺に対応する第2部分と、を有する第3電極と、を備え、液晶分子50aは、画素電極9a及び対向電極21への電位無印加時において、第1方向及び第2方向と交差する第3方向である配向方向Y1に沿って配向されており、第3電極108は、第1部分108aと第2部分108bとの交差領域F1において、表示領域E側が切りかかれている。【選択図】図1

Description

本発明は、液晶装置、および当該液晶装置を備えた電子機器に関する。
液晶装置に光が入射すると、当該入射光と、液晶材料または配向層との光化学反応によって、様々なイオン性不純物が発生することがある。また、液晶装置の製造過程で用いられる材料や装置などからイオン性不純物が液晶層に混じるおそれもある。
液晶層中のイオン性不純物が、液晶装置の駆動や熱によって表示領域に拡散したり、部分的に凝集したりすると、表示において、例えばシミやムラとして認識され、表示特性の劣化を招くことが知られている。
このようなイオン性不純物による不具合を改善するため、例えば、特許文献1には、表示領域とシール材との間に、第1電極と第2電極とを設け、当該第1電極と第2電極とに交流信号を印加することによって、液晶層中のイオン性不純物を、表示領域から周辺領域に引き寄せて捕集する技術が記載されている。
特開2018-124310号公報
周辺領域に捕集されたイオン性不純物は、液晶装置への通電がオフになった際、再び表示領域へ拡散して、シミやムラの原因となる。この点について特許文献1では、通電オフ時の表示領域へのイオン性不純物の再拡散は、第1電極と第2電極とを覆う無機配向膜によって抑制される、としている。
しかしながら、特許文献1の技術には改良の余地があり、さらなる表示特性の向上が求められている。つまり、イオン性不純物によるシミやムラを抑制できる液晶装置が求められている。
本開示の一態様における液晶装置は、表示領域に設けられ、液晶を駆動するための電位が印加される第1電極及び第2電極と、前記表示領域の外側に設けられ、第1方向に沿って延在する第1部分と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在する第2部分と、を有する第3電極と、を備え、前記液晶は、前記第1電極及び前記第2電極への電位無印加時において、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に沿って配向されており、前記第3電極は、前記第1部分と前記第2部分との交差領域において、前記表示領域側が切りかかれている。
本開示の一態様における液晶装置は、表示領域に設けられ、液晶を駆動するための電位が印加される第1電極及び第2電極と、前記表示領域の外側に設けられ、第1方向に沿って延在する第1部分と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在する第2部分と、を有する第3電極と、を備え、前記液晶は、前記第1電極及び前記第2電極への電位無印加時において、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に沿って配向されており、前記第1部分のうち、前記表示領域の前記第3方向にある角部に沿う第1領域と前記表示領域との間隔が、前記第1部分のうち前記第1領域以外の第2領域と前記表示領域との間隔よりも広い。
本開示の一態様における液晶装置は、表示領域に設けられ、液晶を駆動するための電位が印加される第1電極及び第2電極と、前記表示領域の外側の領域において、前記表示領域の第1辺に沿って設けられる第3電極と、前記表示領域の外側の領域において、前記第1辺に交差する前記表示領域の第2辺に沿って設けられる第4電極と、を備え、前記液晶は、前記第1電極及び前記第2電極への電位無印加時において、前記第1辺が延びる方向である第1方向及び前記第2辺が延びる方向である第2方向と交差する第3方向に沿って配向され、前記第1辺と前記第2辺とに挟まれた前記表示領域の角部が、前記表示領域における前記第3方向にある角部である場合、前記第3電極は、前記第2辺から延在する第2延在線と重ならないように設けられ、前記第4電極は、前記第1辺から延在する第1延在線と重ならないように設けられている。
本開示の一態様における電子機器は、上記記載の液晶装置を備える。
実施形態1にかかる液晶装置の概略的な構成を示す平面図。 図1のH-H’線に沿った断面図。 液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 無機配向層の形成状態と液晶分子の配向状態とを示す概略断面図。 液晶分子の挙動を示す説明図。 液晶装置の通電時におけるイオン性不純物の挙動を示す説明図。 液晶装置の通電オフ時におけるイオン性不純物の挙動を示す説明図。 比較例に係る液晶装置において、通電時におけるイオン性不純物の挙動を示す説明図。 比較例に係る液晶装置において、通電オフ時におけるイオン性不純物の挙動を示す説明図。 実施形態2にかかる液晶装置の概略的な構成を示す平面図。 実施形態3にかかる液晶装置の概略的な構成を示す平面図。 実施形態4にかかる電子機器としての投射型表示装置の概略構成図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここで、以下の各図においては、各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。また、以下の各図において、必要に応じて、相互に直交する座標軸としてXYZ軸を付し、各図において、軸に沿った各矢印が指す方向を+方向とし、+方向と反対の方向を-方向とする。なお、+X方向を第1方向、+Y方向を第2方向という。また、+Z方向を上方、-Z方向を下方ということもあり、+Z方向から見ることを平面視あるいは平面的という。さらに、以下の説明において、例えば基板に対して、「基板上に」との記載は、基板の上に接して配置される場合、基板の上に他の構造物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接して配置され、一部が他の構造物を介して配置される場合のいずれかを表すものとする。
1.実施形態1
図1は、液晶装置を、対向基板側から見た平面図である。
本実施形態では、液晶装置100として、画素ごとに画素スイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transistor)を備えたアクティブ駆動型の液晶装置100を例に挙げて説明する。この液晶装置100は、例えば、後述する電子機器としての投射型表示装置1000において、光変調装置として好適に用いることができるものである。
1.1.液晶装置の概要
図1に示すように、液晶装置100は、素子基板10と対向基板20とを備える。なお、破線で示す対向基板20の外縁の内側において、実線で記載された構成は、いずれも、対向基板20と素子基板10との間に設けられた構成である。
シール材60は、対向基板20と素子基板10との間において、対向基板20の外縁に沿って枠状に設けられている。シール材60は、光硬化樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材を含んでいる。
表示領域Eは、マトリクス状に配置された画素Pを有する。表示領域Eの形状は、長方形であり、図1において、長辺がX軸に沿って配置され、短辺がY軸に沿って配置される。
素子基板10と対向基板20との間には、後述する液晶層50が配置される。素子基板10において、液晶層50側の面には、第1配向層18が配置され、対向基板20において、液晶層50側の面には、第2配向層22が配置される。
表示領域Eの外側の領域であって、表示領域Eとシール材60との間は、遮光された周辺領域Fとなっている。周辺領域Fは、後述する見切り部24や図示しない遮光部材によって遮光されており、図示しない走査線駆動回路が配置される。
シール材60の外側の素子基板10の対向基板20から図面下側に張り出した部分には、データ線駆動回路101、と複数の外部端子104とが配置される。
対向基板20の4つの角部と重なる位置には、素子基板10と対向基板20との電気的な導通を取るための、基板間導通部106が配置される。
第1配向層18と第2配向層22とは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの無機材料を、斜め蒸着法によって形成した斜方蒸着層を含む。第1配向層18の斜め蒸着方向は、素子基板10側では、表示領域Eの表示面において矢印Y2で示す方向であって、図面右上から左下に向かって、Y軸と角度βで交差する方向であり、対向基板20側では、表示領域Eの表示面において、矢印Y1で示す方向であって、図面左下から右上に向かって、Y軸と角度αで交差する方向である。角度α,βは、例えば45度である。なお、図1に示す斜め蒸着方向は、液晶装置100を対向基板20側から見たときの方向である。また、角度α,βは、図1に示す角度に限定されない。なお、矢印Y1で示す方向は、第3方向の一例である。
液晶層50に電界が印加されると、後述する液晶を構成する液晶分子50aに挙動ないし振動が生じ、液晶層50内に、矢印Y1,Y2で示す斜め方向の流れが生じる。そして、液晶層50に負極性または正極性のイオン性不純物が含まれていると、当該イオン性不純物は、液晶層50内の流れによって、表示領域Eの角部C1,C2に向かって移動し、角部C1,C2の辺りで凝集する。ここで、イオン性不純物が、表示領域Eの角部C1,C2に凝集する理由は、遮光されている周辺領域Fにおけるイオン性不純物の移動度が、光が照射されている表示領域Eの移動度よりも低いことによって、周辺領域Fの手前の角部C1およびC2で、イオン性不純物が停滞しやすくなるため、と考えられる。
そして、角部C1,C2に、イオン性不純物が凝集することによって、角部C1,C2に位置する画素Pにおいて液晶層50の絶縁抵抗が低下すると、当該画素Pにおいて駆動電位の低下を招き、表示のムラやシミとして観測される。
第3電極108は、周辺領域Fにおいて、表示領域Eの外周を囲うように設けられている。第3電極108は、外部端子104に電気的に接続され、外部から直流電位が供給される。第3電極108は、当該直流電位により生じる電界によってイオン性不純物を第3電極108に引き寄せ、捕捉するイオントラップ電極として機能する。
直流電位として、例えば、後述する共通電位より高い正極性電位を印加する場合、液晶層50に含まれる負極性のイオン性不純物が、第3電極108に引き寄せられ、捕捉され、正極性のイオン性不純物が、第3電極108から遠ざけられる。他方、直流電位として、共通電位より低い負極性電位を印加する場合は、正極性のイオン性不純物が、第3電極108に引き寄せられ、捕捉され、負極性のイオン性不純物が、第3電極108から遠ざけられる。
第3電極108は、第1方向であるX軸方向に沿って延在する辺に対応する第1部分108aと、第2方向であるY軸方向に沿って延在する辺に対応する第2部分108bと、第1部分108aと第2部分108bとの交差領域F1において、表示領域E側が切りかかれた第3部分108cを備える。
第3部分108cは、第1部分108aと第2部分108bの一部であって、第1部分108aに属する第1領域108a1と、第2部分108bに属する第3領域108b1とを含む。
第1部分108aのうち、第1領域108a1を除く幅広の部分が、第2領域108a2である。第2部分108bのうち、第3領域108b1を除く幅広の部分が、第4領域108b2である。
第3部分108cは、第1部分108aおよび第2部分108bにおいて、表示領域Eの角部C1に対応する部分である。第3電極108において、表示領域Eの他の3つの角部C2,C3,C4に沿う側も、角部C1と同様に、切り欠かれている。
ここで、周辺領域Fにおいて、表示領域Eの長辺から延在する第1延在線h1と、表示領域Eの短辺から延在する第2延在線h2とに挟まれた領域を周辺領域F1とし、長辺と第2延在線h2とに挟まれた領域を周辺領域F2とし、短辺と第1延在線h1とに挟まれた領域を周辺領域F3とすると、交差領域F1は周辺領域F1に対応する。
第3電極108の第3部分108cと第1部分108aとの表示領域E側の境界B1,第3電極108の第3部分108cと第2部分108bとの表示領域E側の境界B2は、長辺側の境界B1および短辺側の境界B2のいずれとも、周辺領域F1に位置していない。すなわち、第3電極108の切り欠かれた部分において、第3部分108cと第1部分108aとの表示領域Eの長辺側の境界B1は、周辺領域F2に設けられ、第3部分108cと第2部分108bとの表示領域Eの短辺側の境界B2は、周辺領域F3に設けられている。
第1部分108aの第1領域108a1の幅w1は、第1部分108aの第2領域108a2の幅w2よりも狭く、第1領域108a1と表示領域Eとの間隔s1は、第2領域108a2と表示領域Eとの間隔s2よりも広い。なお、間隔s3は、矢印Y1に沿った方向において、表示領域Eの角部C1の頂点と、第3電極108の第3部分108cとの間隔であり、当該間隔s3は、間隔s1よりも広い。また、第2部分108bの第4領域108b2の幅は、第1部分108aの第2領域108a2の幅w2と同じであり、第2部分108bの第3領域108b1の幅は、第1部分108aの第1領域108a1の幅w1と同じある。また、第2部分108bの第3領域108b1および第4領域108b2と表示領域Eとの間隔も、第1部分108aの間隔s1,s2と同じである。
このように、第3電極108の第3部分108cと表示領域Eの角部C1,C2との間が、広く空いているため、表示領域の角部C1,C2周辺では、第3部分108cに生じる電界による影響が、第1部分108aに生じる電界よる影響よりも弱まる。よって、表示領域Eの角部C1,C2周辺に集まったイオン性不純物は、角部C1,C2から第3部分108cに引き寄せられにくくなる。
また、第3電極108の第3部分108cと表示領域Eの角部C1,C2との間が、広く空いているため、通電オフ時において、第3電極108の第3部分108cに引き寄せられ、捕捉されたイオン性不純物は、まず、第3部分108cと表示領域Eとの間の広く空いている部分に拡散し、その多くが、当該広く空いている部分に留まるため、表示領域Eにまで拡散するイオン性不純物の量を減らすことができる。
よって、通電オフ時におけるイオン性不純物の表示領域Eへの再拡散を低減することができる。
1.2.液晶装置の断面構成の概要
図2は、図1のH-H’線に沿った液晶装置の概略的な構成を示す断面図である。
図2に示すように、液晶装置100は、素子基板10と対向基板20とが、その外縁においてシール材60によって貼り合わされ、素子基板10と対向基板20とシール材60とに囲まれた空間に充填された液晶層50を有する。
素子基板10は、その基板10wと液晶層50との間に、画素Pごとに設けられた光透過性を有する画素電極9aと、第3電極108と、画素電極9aと第3電極108とを覆って配置された第1配向層18とを備える。画素電極9aは、第1電極の一例である。
対向基板20は、その基板20wと液晶層50との間に、見切り部24と、絶縁層25と、対向電極21と、対向電極21を覆って配置された第2配向層22とを備える。対向電極21は、第2電極の一例である。
見切り部24は、遮光性の材料からなる遮光層であり、周辺領域Fにおいて、表示領域Eを取り囲み、平面視で、第3電極108、第3電極108の第3部分108cと表示領域Eとの間の広く空いている部分、走査線駆動回路や検査回路などの周辺領域Fに配置される回路などと重なる位置に設ける。この見切り部24によって、対向基板20側から入射される光Lが遮蔽されて、回路の誤動作が防止される。
画素電極9aと対向電極21とは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料によって形成される。基板10wと基板20wは、それぞれ透光性を有する基板であり、例えば、ガラス基板、または、石英基板が用いられる。
液晶層50は、例えば、負の誘電異方性を有するネマティック液晶からなる。当該液晶を構成する液晶分子50aは、画素電極9aと対向電極21との間に、駆動電圧が印加されていない電圧無印加時、すなわち、画素電極9a及び対向電極21への電位無印加時において、第1配向層18および第2配向層22の法線方向に対して、所定のプレチルト角度を有して、略垂直になるように配向(VA;Vertical Alignment)している。また、液晶装置100の光の入射側と射出側とには、それぞれ図示しない偏光素子が配置される。
1.3.画素回路の概要
図3は、表示領域Eの電気的な構成を示す等価回路図である。
液晶装置100の表示領域Eには、走査線3とデータ線6と容量線8とが配置されている。走査線3とデータ線6との交差に対応して、画素Pが位置する。画素Pは、画素電極9aとTFT(thin film transistor)30と容量素子16とを備える。容量素子16の一方の電極は、画素電極9aに電気的に接続され、他方の電極は、容量線8に電気的に接続される。TFT30のゲート電極は走査線3に電気的に接続され、ソース電極はデータ線6に電気的に接続され、ドレイン電極は画素電極9aが接続される。
複数の走査線3には、走査線駆動回路からの走査信号が、所定の順番で供給される。同じ走査線3に電気的に接続された複数の画素Pは、同じ走査信号によって、一斉にオンまたはオフに制御される。
複数のデータ線6には、データ線駆動回路101から画像信号が所定の順番で供給され、走査信号で選択された画素Pの画素電極9aに、画像信号が供給される。画像信号は、表示する階調に応じて液晶分子50aを駆動するアナログ電圧信号であり、対向電極21に供給される共通電位との電位差に応じた駆動電圧によって、液晶を構成する液晶分子50aを駆動する。言い換えると、画素電極9aには、対向電極21に供給される共通電位に対して、表示される階調に応じた電位差となるような駆動電位が印加される。なお、画像信号は、デジタル電圧信号であってもよい。
1.4.配向層の概要
図4Aは、図1の液晶装置における無機配向層の形成状態と液晶分子の配向状態とを示す概略断面図である。
画素電極9aおよび対向電極21の表面には、酸化シリコンを物理気相成長法の一例である真空蒸着法によって斜め蒸着して得られた第1配向層18および第2配向層22が形成されている。具体的には、液晶層50に面した基板面10s,20sに対する蒸着方向の角度γはおよそ45°である。なお、基板面10s,20sの法線方向から見た蒸着方向は、図1に示すように、矢印Y1,Y2で示す方向である。
図4Aにおいて、このような斜め蒸着によって基板面10s,20sには蒸着方向に向って酸化シリコンの結晶体が柱状に成長する。この柱状結晶体をカラム18a,22aと呼ぶ。第1配向層18は、カラム18aの集合体であり、第2配向層22は、カラム22aの集合体である。
基板面10s,20sに対するカラム18a,22aの角度δは、蒸着方向の角度γと必ずしも一致しなくてもよい。なお、カラム18a,22aの基板面10s,20sの法線方向から見た方位角方向は、図1において矢印Y1,Y2で示す蒸着方向と同じである。
図4Aにおいて、画素電極9aと対向電極21との間に駆動電圧が印加されていない電圧無印加時における液晶分子50aのプレチルト角ρはおよそ85°である。また、基板面10s,20sの法線方向から見た液晶分子50aのプレチルトの方向、すなわち、プレチルトの方位角方向は、図1において、矢印Y1,Y2で示す第1配向層18および第2配向層22の蒸着方向と同じである。
図4Bは、液晶を構成する液晶分子の挙動を示す説明図である。
画素電極9aと対向電極21との間に、駆動電圧を印加すると、液晶分子50aがプレチルトの方位角方向に倒れ、高い透過率が得られ、駆動電圧の印加をオフすると、初期の配向状態に戻る。このように、液晶層50の駆動、すなわち、駆動電圧のON/OFFを繰り返すと、液晶分子50aはプレチルトの方位角方向に倒れたり、初期の配向状態に戻ったりする挙動を繰り返す。
このような液晶分子50aの挙動によって、液晶層50内に、図1において矢印Y1,Y2で示す方向の流れが生じる。そして、液晶層50内のイオン性不純物は、液晶層50内の流れに沿って、表示領域Eの角部C1,C2に向かって移動し、角部C1,C2の辺りで凝集する。
1.5.イオン性不純物の挙動の概要
次に、液晶装置の通電時と、通電オフ時におけるイオン性不純物の挙動について、説明する。
図5Aは、通電時において、第3電極に引き寄せられ、捕捉されるイオン性不純物の挙動を示す説明図であり、図5Bは、通電オフ時において、表示領域に再拡散するイオン性不純物の挙動を示す説明図である。
図5Aにおいて、イオン性不純物vは、矢印Y1,Y2で示す液晶層50内に生じた流れによって、表示領域Eの角部C1,C2に移動する。角部C1,C2に移動したイオン性不純物vは、第3電極108に生じる電界の影響を受ける。そして、上述したように、第3電極108に正極性の電位が印加される場合、マイナス電荷を持った負極性のイオン性不純物vが、第3電極108に引き寄せられ、捕捉される。
第3電極108の第3部分108cに生じる電界を矢印D1a,D2aで示し、第1部分108aのうち第2領域108a2に生じる電界を矢印D1b、対向する長辺の第2領域108a2に生じる電界を矢印D2bで示し、第2部分108bのうち第4領域108b2に生じる電界を矢印D1c、対向する短辺の第4領域108b2に生じる電界を矢印D2cで示す。なお、電界D1a,D1b,D1c,D2a,D2b,D2cは、いずれも同じ強さの電界である。
第3電極108の第1部分108aに生じる電界D1b,D1cは、表示領域Eの角部C1と重なっているが、第3部分108cに生じる電界D1aは、角部C1と重なっていない。このことから、表示領域Eの角部C1において、電界D1aによる影響は、電界D1b、D1cによる影響よりも小さい。よって、角部C1のイオン性不純物vは、第3部分108cよりも第1部分108aの第2領域108a2や第2部分108bの第4領域108b2に多く引き寄せられて、捕捉される。角部C2においても同様に、イオン性不純物vは、第3部分108cよりも第1部分108aの第2領域108a2や第2部分108bの第4領域108b2に多く引き寄せられて、捕捉される。
通電オフ時には、図5Bに示すように、第3電極108の電界D1a,D1b、D1cが消失するため、イオン性不純物vは時間とともに拡散する。
第3電極108の第1部分108aの第2領域108a2や第2部分108bの第4領域108b2に捕捉されたイオン性不純物vは、第1部分108aの第2領域108a2と表示領域Eとの間の周辺領域Fや第2部分108bの第4領域108b2と表示領域Eとの間の周辺領域Fを超えて表示領域Eに拡散している。他方、第3部分108cに捕捉されたイオン性不純物vは、第3部分108cと表示領域Eとの間において、第3電極108が切り欠かれて広く空いた部分に拡散しているものがあるが、表示領域Eにまで拡散しているものは、ほとんどない。
図6Aと図6Bは、比較例に係る液晶装置のイオン性不純物の挙動を示す説明図であり、図6Aは、通電時における周辺電極に引き寄せられ、捕捉されるイオン性不純物の挙動を示す説明図であり、図6Bは、通電オフ時において、表示領域に再拡散するイオン性不純物の挙動を示す説明図である。
比較例に係る液晶装置500において、イオントラップ電極である周辺電極109には、切り欠かれた部分は設けられていない。
図6Aに示すように、通電時には、本実施形態と同様に、イオン性不純物vは、矢印Y1,Y2で示す液晶層50内に生じた流れによって、表示領域Eの角部C1,C2に移動する。
周辺電極109の角部109aに生じる電界G1aは、表示領域Eの角部C1と重なっており、角部C1では、電界G1a,G1b,G1cの影響を同様に受ける。よって、角部C1のイオン性不純物vは、周辺電極109の角部109aに引き寄せられて、捕捉される。角部C2においても同様に、イオン性不純物vは、電界G2a,G2b,G2cの影響を受けて、周辺電極109の角部109aに引き寄せられて、捕捉される。
通電オフ時には、図6Bに示すように、周辺電極109の電界G1a,G1b、G1c,G2a,G2b,G2cが消失するため、イオン性不純物vは時間とともに拡散する。周辺電極109の角部109aに捕捉されたイオン性不純物vは、周辺電極109と表示領域Eとの間の周辺領域Fの幅が狭いため、周辺領域Fを超えて表示領域Eの角部C1,C2に再拡散している。
以上、述べたとおり、本実施形態の液晶装置100によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態における液晶装置100は、表示領域Eに設けられ、液晶を構成する液晶分子50aを駆動するための電位が印加される第1電極としての画素電極9a及び第2電極としての対向電極21と、表示領域Eの外側の周辺領域Fに設けられ、第1方向である+X方向のX軸方向に沿って延在する辺に対応する第1部分と、第1方向と交差する第2方向である+Y方向に沿って延在する辺に対応する第2部分と、を有する第3電極と、を備え、液晶分子50aは、画素電極9a及び対向電極21への電位無印加時において、第1方向及び第2方向と交差する第3方向である配向方向Y1に沿って配向されており、第3電極108は、第1部分108aと第2部分108bとの交差領域F1において、表示領域E側が切りかかれている。
この構成によれば、第3電極108は、第1部分108aと第2部分108bとの交差領域F1において、表示領域E側が切りかかれている。
すなわち、第3電極108が切りかかれることによって、第3電極108の第3部分108cと表示領域Eの角部C1,C2との間が、広く空いている。このため、表示領域Eの角部C1,C2では、第3電極108の第3部分108cに生じる電界D1a,D2aによる影響が弱くなり、イオン性不純物vは、第3電極108の第3部分108cに引き寄せられにくくなる。
さらには、通電オフ時において、当該切り欠かれた部分の第3電極108の第3部分108cに捕集されたイオン性不純物vは、電界D1a,D2aの消失によって拡散するが、第3電極108の第3部分108cと表示領域Eとの間が、広く空いているため、イオン性不純物vは、まず、第3電極108の第3部分108cと表示領域Eとの間の広く空いた周辺領域Fに拡散するので、表示領域Eにまで拡散するイオン性不純物vの量を減らすことができる。
よって、通電オフ時におけるイオン性不純物vの表示領域Eへの再拡散を低減することができる。したがって、表示特性の劣化を抑制できる液晶装置100を提供することができる。
液晶装置100において、第1部分108aは、表示領域Eの第3方向である配向方向Y1における角部C1に沿う第1領域108a1と、第1部分108aのうち第1領域108a1以外の第2領域108a2と、を有し、第1領域108a1の幅は、第2領域108a2の幅よりも狭い。
この構成によれば、第1領域108a1の幅w1を第2領域108a2の幅w2よりも狭くすることで、第3部分108cと表示領域Eとの間を広く空けているため、第3部分108cと表示領域Eとの間を広く空けた構成としても、周辺領域Fの幅が広がることがなく、液晶装置100の基板サイズが大きくなることがない。
液晶装置100において、第2部分108bは、表示領域Eの第3方向である配向方向Y1における角部C1に沿う第3領域108b1と、第2部分108bのうち第3領域108b1以外の第4領域108b2と、を有し、第3領域108b1の幅w1は、第4領域108b2の幅w2よりも狭い。
この構成によれば、第3領域108b1の幅w2を第4領域108b2の幅w2よりも狭くすることで、第3部分108cと表示領域Eとの間を広く空けているため、第3部分108cと表示領域Eとの間を広く空けた構成としても、周辺領域Fの幅が広がることがなく、液晶装置100の基板サイズが大きくなることがない。
本実施形態における液晶装置100は、表示領域Eに設けられ、液晶を構成する液晶分子50aを駆動するための電位が印加される第1電極としての画素電極9a及び第2電極としての対向電極21と、表示領域Eの外側の周辺領域Fに設けられ、第1方向である+X方向のX軸方向に沿って延在する辺に対応する第1部分と、第1方向と交差する第2方向である+Y方向に沿って延在する辺に対応する第2部分と、を有する第3電極と、を備え、液晶分子50aは、画素電極9a及び対向電極21への電位無印加時において、第1方向及び第2方向と交差する第3方向である配向方向Y1に沿って配向されており、第1部分108aのうち、表示領域Eの第3方向である配向方向Y1にある角部C1に沿う第1領域108a1と表示領域Eとの間隔s1が、第1部分108aのうち第1領域108a1以外の第2領域108a2と表示領域Eとの間隔s2よりも広い。
この構成によれば、第1部分108aの第1領域108a1と表示領域Eとの間隔s1が、第1部分108aの第2領域108a2と表示領域Eとの間隔s2よりも広いため、表示領域Eの角部C1,C2において、第3電極108の第3部分108cに生じる電界D1a,D2aによる影響が弱まる。よって、イオン性不純物vは、表示領域Eの角部C1,C2に引き寄せられにくくなる。
さらには、通電オフ時において、第3電極108の第3部分108cに捕集されたイオン性不純物vは、電界D1a,D2aの消失によって拡散をはじめるが、第3電極108の第3部分108cと表示領域Eとの間が、広く空いているため、イオン性不純物vは、まず、第3電極108の第3部分108cと表示領域Eとの間の広く空いた周辺領域Fに拡散するので、表示領域Eにまで拡散するイオン性不純物vの量を減らすことができる。
よって、通電オフ時におけるイオン性不純物vの表示領域Eへの再拡散を低減することができる。したがって、表示特性の劣化を抑制できる液晶装置100を提供することができる。
液晶装置100において、第3電極108の第1部分108aにおける第1領域108a1と第2領域108a2との表示領域側の境界B1は、表示領域Eの外側において、表示領域Eの第1辺である長辺と、第1辺に交差する表示領域の第2辺である短辺から延在する第2延在線h2と、に接する領域F2に位置する。
この構成によれば、境界B1は、周辺領域Fにおいて、第1延在線h1と第2延在線h2とに接する領域F1に位置しないため、第1部分108aの第1領域108a1の長さを長くすることができる。すなわち、第3電極108の第1部分108aにおいて、第1領域108a1の長さを長く確保することができる。よって、第3部分108cに捕集されるイオン性不純物vの量を減らすことができるとともに、通電オフ時において、第3部分108cから表示領域Eに拡散するイオン性不純物vの量も減らすことができる。
また、液晶装置100において、第3電極108の第2部分108bは、表示領域Eの第3方向である配向方向Y1における角部C1に沿う第3領域108b1と、第2部分108bのうち第3領域108b1以外の第4領域108b2と、を有し、第2部分108bのうち、第3領域108b1と表示領域Eとの間隔s1が、第4領域108b2と表示領域Eとの間隔s2よりも広い。
この構成によれば、第2部分108bの第3領域108b1と表示領域Eとの間隔s1が、第2部分108bの第4領域108b2と表示領域Eとの間隔s2よりも広いため、表示領域Eの角部C1,C2において、第3電極108の第3部分108cに生じる電界D1a,D2aによる影響が弱まる。よって、イオン性不純物vは、表示領域Eの角部C1,C2に引き寄せられにくくなる。
また、第3電極108の第2部分108bにおける第3領域108b1と第4領域108b2との表示領域E側の境界B2は、表示領域Eの外側において、表示領域Eの第1辺である長辺から延在する第1延在線h1と、表示領域Eの第2辺である短辺と、に接する領域F3に位置する。
この構成によれば、境界B2は、周辺領域Fにおいて、第1延在線h1と第2延在線h2とに接する領域F1に位置しないため、第2部分108bの第3領域108b1の長さを長く確保することができる。すなわち、第3電極108の第3部分108cの長さを長く確保することができる。よって、第3部分108cに捕集されるイオン性不純物vの量を減らすことができるとともに、通電オフ時において、第3部分108cから表示領域Eに拡散するイオン性不純物vの量も減らすことができる。
液晶装置100は、表示領域Eの外側に設けられ、平面視において、第3電極108と重なる遮光層としての見切り部24を備える。
2.実施形態2
図7は、液晶装置を、対向基板側から見た平面図である。
本実施形態の液晶装置200は、イオントラップ電極である第3電極208の4つのコーナーのうち、表示領域Eの角部C1,C2に対応する部分のみが切り欠かれ、角部C3,C4に対応する部分が切り欠かれていない点で、実施形態1の第3電極108と異なる。なお、以下の説明では、実施形態1と同一の構成には同一の符号を使用して、重複する説明は省略する。
本実施形態の液晶装置200によれば、実施形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
液晶装置200において、第3電極208は、画素Pへの駆動電圧の無印加時における液晶層50の配向方向Y1,Y2と交差する方向に対応する表示領域Eの角部C3,C4に沿う側が、切り欠かれていない。
この構成によれば、表示領域Eの角部C3,C4では、上述した比較例と同様に、第3電極208からの電界の影響を強く受けるため、液晶層50に含まれるイオン性不純物を、確実に、第3電極208に引き寄せ、捕捉することができる。したがって、表示領域Eの角部C3,C4でのシミやムラの発生を確実に抑制することができる。
3.実施形態3
図8は、液晶装置を、対向基板側から見た平面図である。
本実施形態の液晶装置300は、イオントラップ電極が、第3電極308a,第4電極308b,第5電極308c,第6電極308dに分かれている点で、実施形態1の第3電極108および実施形態2の第3電極208と異なる。なお、以下の説明では、実施形態1,2と同一の構成には同一の符号を使用して、重複する説明は省略する。
第3電極308a,第4電極308b,第5電極308c,第6電極308dは、それぞれ、平面視で長方形の形状に設けられている。第3電極308aの短辺M1は、周辺領域F2に位置しており、第4電極308bの短辺M2は、周辺領域F3に位置しており、第3電極308aおよび第4電極308bのいずれとも、周辺領域F1に位置していない。同様に、第3電極308a,第4電極308b,第5電極308c,第6電極308dのいずれの短辺も、周辺領域Fの四隅の周辺領域F1に対応する領域に位置していない。すなわち、第3電極308aは、第2延在線h2と重ならないように設けられ、第4電極308bは、第1延在線h1と重ならないように設けられている。
第3電極308aと第4電極308bとは、同じ外部端子104に接続され、同じ極性の直流電位が供給される。第5電極308cと第6電極308dとは、同じ外部端子104に接続され、同じ極性の直流電位が供給される。
配向方向Y1に対応する表示領域Eの角部C1を挟むように配置される第3電極308aと第4電極308bとに、同じ極性の直流電位を印加することで、第3電極308aと第4電極308bとに、異なる極性の直流電位を印加するよりも、シミやムラの抑制効果を高めることができる。同様に、配向方向Y2に対応する表示領域Eの角部C2を挟むように配置される第5電極308cと第6電極308dとに、同じ極性の直流電位を印加することで、異なる極性の直流電位を印加するよりも、シミやムラの抑制効果を高めることができる。
液晶層50に含まれるイオン性不純物は、負極性のイオン性不純物と正極性のイオン性不純物とが、同じような濃度で存在するのではなく、どちらか一方の極性のイオン性不純物の濃度が高いと考えられている。例えば、シール材60から負極性のイオン性不純物が、液晶層50中に溶け出して、負極性のイオン性不純物の濃度が高くなる場合がある。
この場合、第3電極308aと第4電極308bとに同じ正極性の直流電位を印加することで、液晶層50中の負極性のイオン性不純物を効率よく、第3電極308a,第4電極308bに引き寄せ、捕捉することができる。よって、シミやムラの抑制効果を高めることができる。
他方、第3電極308aに正極性の直流電位を印加し、第4電極308bに負極性の直流電位を印加した場合、負極性のイオン性不純物を引き寄せるイオントラップ電極が片方のみになるため、捕捉される負極性のイオン性不純物の量が減る。よって、シミやムラの抑制効果が低下する。さらには、正極性の直流電位が印加される第4電極308bの電界によって、負極性のイオン性不純物が、表示領域Eに押しやられて、シミやムラの原因となってしまう。
なお、第3電極308aおよび第4電極308b、第5電極308cおよび第6電極308dに供給する直流電位の極性を異ならせるとともに、定期的に、第3電極308aおよび第4電極308b、第5電極308cおよび第6電極308dに印加する直流電位の極性を入れ替えることで、焼き付きの発生を抑えることができる。
本実施形態の液晶装置300によれば、実施形態1,2の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
本実施形態における液晶装置300は、表示領域Eに設けられ、液晶を構成する液晶分子50aを駆動するための電位が印加される第1電極としての画素電極9a及び第2電極としての対向電極21と、表示領域Eの外側の領域である周辺領域Fにおいて、表示領域Eの第1辺である長辺に沿って設けられる第3電極308aと、表示領域Eの外側の領域である周辺領域Fにおいて、第1辺としての長辺に交差する表示領域Eの第2辺としての短辺に沿って設けられる第4電極308bと、を備え、液晶分子50aは、第1電極としての画素電極9a及び第2電極としての対向電極21への電位無印加時において、第1辺である長辺が延びる方向である第1方向として+X方向及び第2辺である短辺が延びる方向である第2方向としての+Y方向と交差する第3方向としての配向方向Y1に沿って配向され、第1辺と第2辺とに挟まれた表示領域Eの角部C1が、表示領域Eにおける第3方向としての配向方向Y1にある角部C1である場合、第3電極308aは、第2辺から延在する第2延在線h2と重ならないように設けられ、第4電極308bは、第1辺から延在する第1延在線h1と重ならないように設けられている。
この構成によれば、第3電極308aは、第2辺である短辺から延在する第2延在線h2と重ならないように設けられ、第4電極である第4電極308bは、第1辺である長辺から延在する第1延在線h1と重ならないように設けられている。
すなわち、周辺領域F1にイオントラップ電極がないため、表示領域Eの角部C1では、イオン性不純物を周辺領域F1に引き寄せる電界が生じないため、イオン性不純物は、周辺領域F1に引き寄せられにくくなる。
さらには、通電オフ時において、第3電極308a、第4電極308bに捕集されたイオン性不純物は、電界の消失によって拡散するが、周辺領域F1から再拡散してくるイオン性不純物はないため、表示領域Eの角部C1に拡散するイオン性不純物の量を減らすことができる。
よって、通電オフ時におけるイオン性不純物の表示領域Eへの再拡散を低減することができる。したがって、表示特性の劣化を抑制できる液晶装置300を提供することができる。
4.実施形態4
4.1.電子機器の概要
図9は、本実施形態に係る電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略構成図である。本実施形態では、上述した液晶装置としての液晶装置100を備えた電子機器について、投射型表示装置1000を例に挙げて説明する。
図9に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、光源としてのランプユニット1001、色分離光学系としてのダイクロイックミラー1011,1012、液晶パネルである3個の液晶装置100B,100G,100R、3個の反射ミラー1111,1112,1113、3個のリレーレンズ1121,1122,1123、色合成光学系としてのダイクロイックプリズム1130、投射光学系としての投射レンズ1140を備えている。
ランプユニット1001では、例えば、放電型の光源を採用している。光源の方式はこれに限定されず、発光ダイオード、レーザーなどの固体光源を採用してもよい。
ランプユニット1001から射出された光は、2個のダイクロイックミラー1011,1012によって、各々異なる波長域の3色の色光に分離する。3色の色光とは、略赤色の光、略緑色の光、略青色の光である。以降の説明において、上記略赤色の光を赤色光Rともいい、上記略緑色の光を緑色光Gともいい、上記略青色の光を青色光Bともいう。
ダイクロイックミラー1011は、赤色光Rを透過させると共に、赤色光Rよりも波長が短い、緑色光Gおよび青色光Bを反射させる。ダイクロイックミラー1011を透過した赤色光Rは、反射ミラー1111で反射され、液晶装置100Rに入射する。ダイクロイックミラー1011で反射された緑色光Gは、ダイクロイックミラー1012によって反射された後、液晶装置100Gに入射する。ダイクロイックミラー1011で反射された青色光Bは、ダイクロイックミラー1012を透過して、リレーレンズ系1120へ射出される。
リレーレンズ系1120は、リレーレンズ1121,1122,1123、反射ミラー1112,1113を有している。青色光Bは、緑色光Gや赤色光Rと比べて光路が長いため、光束が大きくなりやすい。そのため、リレーレンズ1122を用いて光束の拡大を抑えている。リレーレンズ系1120に入射した青色光Bは、反射ミラー1112で反射されると共に、リレーレンズ1121によってリレーレンズ1122の近傍で収束される。そして、青色光Bは、反射ミラー1113およびリレーレンズ1123を経て、液晶装置100Bに入射する。
投射型表示装置1000における、光変調装置である液晶装置100R,100G,100Bには、実施形態1にかかる液晶装置100が適用されている。また、光変調装置である液晶装置100R,100G,100Bに、実施形態2または実施形態3にかかる液晶装置200または液晶装置300を適用してもよい。
液晶装置100R,100G,100Bのそれぞれは、投射型表示装置1000の上位回路と電気的に接続される。これによって、赤色光R、緑色光G、青色光Bの階調レベルを指定する画像信号がそれぞれ外部回路から供給され、上位回路で処理される。これによって、液晶装置100R,100G,100Bが駆動されて、それぞれの色光が変調される。
液晶装置100R,100G,100Bによって変調された赤色光R、緑色光G、青色光Bは、ダイクロイックプリズム1130に3方向から入射する。ダイクロイックプリズム1130は、入射した赤色光R、緑色光G、青色光Bを合成する。ダイクロイックプリズム1130において、赤色光Rおよび青色光Bは90度に反射され、緑色光Gは透過する。そのため、赤色光R、緑色光G、青色光Bは、カラー画像を表示する表示光として合成され、投射レンズ1140に向かって射出される。
投射レンズ1140は、投射型表示装置1000の外側を向いて配置されている。表示光は、投射レンズ1140を介して拡大されて射出され、投射対象であるスクリーン1200に投射される。
本実施形態では、電子機器として投射型表示装置1000を例示したが、液晶装置100が適用される電子機器はこれに限定されない。例えば、HUD(Head-Up Display)、HMD(Head Mounted Display)、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、液晶テレビなどの電子機器に適用されてもよい。
以上述べた通り、本実施形態の投射型表示装置1000によれば、上記各実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
電子機器としての投射型表示装置1000は、上記各実施形態にかかる液晶装置100,200,300を備えることが好ましい。
この構成によれば、シミやムラの発生による表示特性の劣化を抑制できる液晶装置100を採用した、すぐれた電子機器を提供することができる。
また、上記実施形態では、液晶装置としての液晶装置100として、透過型の液晶装置を例示したが、液晶装置100としては、反射型の液晶装置またはLCOS(Liquid crystal on silicon)型の液晶装置としてもよい。
また、上記実施形態において、イオントラップ電極である第3電極108,208,308a、第4電極308b、第5電極308c、第6電極308dには、直流電位を印加しているが、直流電位の極性を、定期的に変える構成としてもよい。
また、上記実施形態において、液晶装置100に対する光Lは、対向基板20側から入射するが、素子基板10側から入射する構成としてもよい。また、光Lの入射側または射出側に位相差板などの光学補償素子を備える構成としてもよい。
また、上記実施形態において、対向基板20の対向電極21と基板20wとの間に、画素電極9aと1対1に対応するマイクロレンズを設けていてもよい。
また、上記実施形態において、素子基板10の画素電極9aと基板10wとの間に、画素電極9aと1対1に対応するマイクロレンズを設けていてもよい。
また、上記実施形態では、対向電極21を対向基板20側に配置した場合を例示したが、対向電極21を配置する位置は、これに限定されない。例えば、画素電極9aと基板10wとの間に配置する構成としてもよい。
9a…画素電極、10…素子基板、18…第1配向層、18a…カラム、20…対向基板、21…対向電極、22…第2配向層、22a…カラム、24…見切り部、50…液晶層、50a…液晶分子、60…シール材、100,200,300,500…液晶装置、104…外部端子、108,208,308a…第3電極,308b…第4電極、308c…第5電極,308d…第6電極、108a…第1部分、108a1…第1領域、108a2…第2領域、108b…第2部分、108b1…第3領域、108b2…第4領域、108c…第3部分、109…周辺電極、109a…角部、1000…投射型表示装置、B1,B2…境界、C1,C2,C3…角部、D1a,D1b,D1c…電界、E…表示領域、F,F1,F2,F3…周辺領域、G1a,G2a…電界、M1,M2…短辺、Y1,Y2…配向方向、h1…第1延在線、h2…第2延在線、s1,s2…間隔、w1,w2…幅。

Claims (11)

  1. 表示領域に設けられ、液晶を駆動するための電位が印加される第1電極及び第2電極と、
    前記表示領域の外側に設けられ、第1方向に沿って延在する第1部分と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在する第2部分と、を有する第3電極と、を備え、
    前記液晶は、前記第1電極及び前記第2電極への電位無印加時において、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に沿って配向されており、
    前記第3電極は、前記第1部分と前記第2部分との交差領域において、前記表示領域側が切りかかれている、
    ことを特徴とする液晶装置。
  2. 前記第1部分は、前記表示領域の前記第3方向における角部に沿う第1領域と、前記第1部分のうち前記第1領域以外の第2領域と、を有し、
    前記第1領域の幅は、前記第2領域の幅よりも狭い、
    請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記第2部分は、前記表示領域の前記第3方向における角部に沿う第3領域と、前記第2部分のうち前記第3領域以外の第4領域と、を有し、
    前記第3領域の幅は、前記第4領域の幅よりも狭い、
    請求項1に記載の液晶装置。
  4. 表示領域に設けられ、液晶を駆動するための電位が印加される第1電極及び第2電極と、
    前記表示領域の外側に設けられ、第1方向に沿って延在する第1部分と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在する第2部分と、を有する第3電極と、を備え、
    前記液晶は、前記第1電極及び前記第2電極への電位無印加時において、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に沿って配向されており、
    前記第1部分のうち、前記表示領域の前記第3方向にある角部に沿う第1領域と前記表示領域との間隔が、前記第1部分のうち前記第1領域以外の第2領域と前記表示領域との間隔よりも広い
    ことを特徴とする液晶装置。
  5. 前記第1部分における前記第1領域と前記第2領域との前記表示領域側の境界は、
    前記表示領域の外側において、前記表示領域の第1辺と、前記第1辺に交差する前記表示領域の第2辺から延在する第2延在線と、に接する領域に位置する、
    請求項2または3に記載の液晶装置。
  6. 前記第2部分は、前記表示領域の前記第3方向における角部に沿う第3領域と、前記第2部分のうち前記第3領域以外の第4領域と、を有し、
    前記第2部分のうち、前記第3領域と前記表示領域との間隔が、前記第4領域と前記表示領域との間隔よりも広い、
    請求項4または請求項5に記載の液晶装置。
  7. 前記第2部分における前記第3領域と前記第4領域との前記表示領域側の境界は、
    前記表示領域の外側において、前記表示領域の第1辺から延在する第1延在線と、前記表示領域の第2辺と、に接する領域に位置する、
    請求項6に記載の液晶装置。
  8. 前記第3電極において、前記第3方向に交差する方向の前記表示領域の角部側は、切り欠かれていない、
    請求項1ないし請求項7に記載の液晶装置。
  9. 表示領域に設けられ、液晶を駆動するための電位が印加される第1電極及び第2電極と、
    前記表示領域の外側の領域において、前記表示領域の第1辺に沿って設けられる第3電極と、
    前記表示領域の外側の領域において、前記第1辺に交差する前記表示領域の第2辺に沿って設けられる第4電極と、を備え、
    前記液晶は、前記第1電極及び前記第2電極への電位無印加時において、前記第1辺が延びる方向である第1方向及び前記第2辺が延びる方向である第2方向と交差する第3方向に沿って配向され、
    前記第1辺と前記第2辺とに挟まれた前記表示領域の角部が、前記表示領域における前記第3方向にある角部である場合、
    前記第3電極は、前記第2辺から延在する第2延在線と重ならないように設けられ、前記第4電極は、前記第1辺から延在する第1延在線と重ならないように設けられている、
    ことを特徴とする液晶装置。
  10. 前記表示領域の外側に設けられ、平面視において、前記第3電極と重なる遮光層をさらに備える、
    請求項1ないし請求項9に記載の液晶装置。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の液晶装置を備える電子機器。
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