JP2005154635A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、接着剤や構造用プラスチックス、特に機械部品、電気・電子部品、自動車部品用として、環境上問題のあるハロゲン系難燃剤を用いずに優れた難燃性を発現するだけでなく、成形加工時腐食性ガスの発生を抑制し、燃焼時の刺激性ガス、腐食性ガス、黒煙の発生を抑制し、しかも従来の難燃剤より少ない添加量で難燃性と機械特性、熱安定性に優れた難燃性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)リンを分子中に含有するポリエステル共重合体100質量部に対して、(B)リン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤1〜300質量部、(C)リンを分子中に含有しないポリエステル、および/またはポリカーボネート0〜2000質量部を含有せしめてなることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、非ハロゲン系難燃剤を使用した難燃性が良好でかつ機会的強度も優れた熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性樹脂は、その優れた諸特性を生かし、機械機構部品、電気部品、自動車部品、事務用部品、建築資材、繊維製品、雑貨等の幅広い分野に利用されているが、これらの用途において機械的性質は勿論のこと、「UL規格でV−0」等の高度な難燃性を有する材料が要求される場合が多い。
熱可塑性樹脂を難燃化するためには、従来、難燃剤としてハロゲン系有機化合物であるハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物であるアンチモン系難燃剤を樹脂に配合する方法が一般的である。しかしながら、この方法には熱分解によって発生するハロゲン化水素等で成型加工時に金型等を腐食させたり、火災発生時に多量の黒煙や有害なハロゲン含有ガスを発生させるという欠点を有している。さらに、ハロゲン化合物の熱分解生成物としてダイオキシン発生の危険性を指摘した報告もあり、ハロゲン化合物の使用を規制する方向に向かいつつある。そこで近年、これらハロゲン系難燃剤の環境への悪影響を排除する為、ハロゲンを全く含まない、即ちフリーの難燃剤(本明細書では非ハロゲン系難燃剤とも呼ぶ)を用いることが強く望まれるようになった。
ハロゲンフリーの難燃処方については、例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の含水無機化合物が用いられるが、樹脂に対して多量に添加する必要があり、そのために機械的性質が著しく低下する欠点を有している。また、これら含水無機化合物とは別に赤リン系難燃剤を用いる方法が特開平10−298395号公報等に開示されているが、赤燐は難燃効果に優れているもの、ペレットや成形品の着色、取り扱いの悪さ、加工時に発生する難燃剤由来のガス等の問題がある。
特開平10−298395号公報
さらにリン酸エステル系難燃剤やリン酸アンモニウム、含トリアジン環化合物を用いる方法が特公昭51−39271号公報、特公昭55−50506号公報、特開昭53−18660号公報、特開昭60−33850号公報、特開昭57−96039号公報、等により知られている。しかし、いずれも難燃性が必ずしも十分出なく、難燃性を付与するには、樹脂に多量に配合しなければならず、発煙性、機械特性、電気特性、経済性の点でも満足できるものはなかった。また場合によっては、分解ガスの生成を助成し、成形に支障をきたしたり、金型を汚染したりする欠点を有していたり、難燃剤がブリードアウトする問題も生じる。
そこで、リン化合物の共重合による難燃化技術が、特開昭53−128195号公報、特開昭63−150352号公報、等に提案されている。しかしながら、これらの技術は、難燃性発現の原理として、主に燃焼時に樹脂組成物の融液が滴下(ドリップ)することにより難燃性を付与するものなので、高度な難燃性を必要とする用途には、十分な難燃性を付与することができない。さらにリン共重合により熱安定性、耐熱性、および機械特性が低下するため、これらのリン化合物の共重合体をそのまま成形品に適用することはできなかった。さらに、特開2001−2932号公報では、リン化合物の共重合体にポリリン酸アンモニウムを配合する方法が開示されているが、十分な機械特性を得るにいたってはおらず、また、分解ガスの発生も十分に抑制されていない。以上のように、従来の技術では、ハロゲンフリーの条件で高度な難燃性を有し、かつ熱可塑性樹脂本来の特性を充分に満たす難燃性樹脂組成物は提案されていない。
特公昭51−39271号公報 特公昭55−50506号公報 特開昭53−18660号公報 特開昭60−33850号公報 特開昭57−96039号公報 特開昭53−128195号公報 特開昭63−150352号公報 特開2001−2932号公報
本発明は、構造用プラスチックスや接着用樹脂として、特に機械部品、電気・電子部品、自動車部品用として、環境上問題のあるハロゲン系難燃剤を用いずに優れた難燃性を発現するだけでなく、成形加工時腐食性ガスの発生を抑制し、燃焼時の刺激性ガス、腐食性ガス、黒煙の発生を抑制し、しかも従来の難燃剤より少ない添加量で難燃性と機械的特性、熱安定性に優れた難燃性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は上述の問題を解決するため鋭意研究をかさねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、(A)リンを分子中に含有するポリエステル共重合体100質量部に対して、(B)リン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤1〜300質量部、(C)熱可塑性樹脂0〜2000質量部を含有せしめてなることを特徴とする難燃性樹脂組成物である。
特に好ましい態様としては、リン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤(B)がリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンの中から選ばれた少なくとも1種からなる難燃性樹脂組成物である。また本発明は、前記難燃性樹脂組成物を成形して得られる成形品である。
本発明による樹脂組成物は、ハロゲン系難燃剤を使用することなく成形性、燃焼時の腐食性ガス、機械特性、熱安定性に優れた難燃性樹脂組成物を提供し、環境面、および廃棄、リサイクル時のコスト低減に優れた効果を発揮する。
本発明の難燃性樹脂組成物の構成成分として用いられる(A)リンを分子中に含有するポリエステル共重合体は、リンがポリエステルに化学結合していれば特に限定されるものではないが、下記の一般式(1)で表される構造単位を高分子側鎖あるいは高分子主鎖に含有するポリエステル共重合体が好ましい。
Figure 2005154635
(R1、R2、R3はハロゲンを含有しない1価または2価の有機残基を表す。)
上記一般式(1)で表される構造単位を高分子側鎖あるいは高分子主鎖に含有するポリエステル共重合体(A)としては、例えば、特開平09−235480号公報記載のリン化合物を用いる方法が好ましい。特に下記一般式(2)で示されるリンを分子中に含有するジカルボン酸を共重合成分として用いる方法が、分子量の高いポリエステル共重合体が得られる点で好ましい。
Figure 2005154635
特開平09−235480号公報
4、R5の具体例としては水素原子、メチル、エチル、プロピル、フェニルのような炭化水素基である。R4とR5とは同じであってもよいし、また相異なっていてもよい。R6、R7は水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドソキシブチル、2−ヒドロキシエチルオキシエチルのような炭化水素基またはヒドロキシ基置換炭化水素基等であるが、少なくともいずれか1つは共重合ポリエステル鎖に化学結合している。
リンを分子中に含有するポリエステル共重合体の重合に用いられるリンを分子中に含有する重合成分以外の二塩基酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族二塩基酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族や脂環族二塩基酸等通常のポリエステル樹脂に用いられるものが挙げられる。
リンを分子中に含有するポリエステル樹脂の重合に用いられるリンを分子中に含有する重合成分以外のグリコール成分としてはエチレングリコ−ル、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ−ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エステル、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサスド付加物、1,9−ノナンジオール、2−メチルオクタンジオール、1,10−ドデカンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル等通常のポリエステル樹脂に用いられるものが挙げられる。
また炭素数2(C2とも記載する)〜炭素数12(C12とも記載する)の脂肪族ジカルボン酸とC2〜C12の脂肪族グリコールから製造されるポリエステル、例えばポリエチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリネオペンチルセバケート、ポリテトラメチレンドデカネート、ポリテトラメチレンアゼレート、ポリヘキサメチレンアゼレート、ポリ−ε−カプロラクトンなどを示すことができる。さらに上記ポリエステルとポリエーテルを組み合わせたポリエステルポリエーテル共重合体なども示すことができる。
本発明で使用する(A)リンを分子中に含有するポリエステル共重合体は、リン原子として樹脂中に0.05〜3質量%含有されていればよいが、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上である。0.05質量%未満では、十分な難燃性が得られない。3質量%を超えると樹脂自身の加水分解や機械的特性低下等の問題が生じる。樹脂(A)単独でもそれなりの難燃性を得ることは可能であるが、高度の難燃性を付与する為には、大量にリン化合物を共重合しなければならず、樹脂自身の加水分解や機械的特性低下等の問題が生じる。そこで本発明においては、構成成分(B)としてリン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤を組み合わせることによって、単純に加成則でリンを配合する以上の効果が得られ、より効率的に難燃性を発現できた。
難燃剤を構成するリン酸系化合物としては、リン酸、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸、ポリリン酸(いわゆる縮合リン酸)等が挙げられる。特に、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸が難燃剤としての効果が高く望ましい。
また、難燃剤を構成するトリアジン系化合物としては、メラミン、メレム、メラム等の前記リン酸系化合物と反応可能なトリアジン系化合物が挙げられる。特に、メラミンが難燃剤としての効果が高く望ましい。
本発明で使用されるリン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤(B)としては、具体的には、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンが好適に使用される。
本発明で使用する(B)リン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤としては、公知の方法で製造されるが、リン酸系化合物とトリアジン系化合物が完全に反応している必要はなく、未反応のリン酸系化合物ないしトリアジン系化合物が残存していても良い。
本発明で使用されるリン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤(B)の形態としては、特に制限はないが微細な粉末状のものが、本発明の樹脂組成物から得られる成形品の機械的強度と表面性を良好にする点から好ましい。好ましくは、平均粒径が100μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは10μm以下の粉末である。
(B)リン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤の配合量はリンを分子中に含有する熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、1〜300質量部で効果が得られる。好ましくは2〜200質量部、さらに好ましくは3〜100質量部である。使用量が1質量部より少ないと難燃性の向上効果が認められず、100質量部を越えると耐熱性、機械的特性、表面外観等の樹脂特性が発現されにくい。これによって、樹脂本来の特性である機械的特性・耐熱性等と、高度の難燃性を両立することができた。さらに有効に難燃性を発現させる為に、(B)としてリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンなどを使用すれば、リンと窒素の異なる難燃機構の複合効果から、より好ましい結果が得られる。
本発明の(C)熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートおよびポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどのほか、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレートおよびポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタレートなどの共重合ポリエステル等が挙げられる。特に、機械的性質、成形性などのバランスのとれたポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびポリエチレンテレフタレート等が好ましく使用できる。
ポリカーボネートの具体例としては、芳香族ポリカーボネートが好ましく、特にビスフェノールAを主原料にした芳香族ポリカーボネート等が挙げられる。
ポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロンMXD6等が挙げられる。
本発明の難燃性樹脂組成物には必要に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で(C)リンを分子中に含有しないポリエステル、および/またはポリカーボネートを含有せしめることができる。(C)成分の使用量は、リンを分子中に含有するポリエステル共重合体(A)100質量部に対して、0〜2000質量部、好ましくは0〜1000質量部、さらに好ましくは0〜500質量部である。(C)成分が多すぎると高度な難燃性を有する樹脂組成物が得られなくなる。
本発明の難燃性樹脂組成物には必要に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で添加物として公知のヒンダートフェノール系、硫黄系、燐系等の酸化防止剤、熱安定剤、ヒンダートアミン系、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ニッケル系、サリチル系等の光安定剤、離型剤、帯電防止剤、滑剤、過酸化物等の分子調整剤、金属不活性化剤、有機及び無機系の核剤、中和剤、制酸剤、防菌剤、蛍光増白剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、および染料・顔料を含む着色剤等の通常の添加剤を必要に応じて添加することができる。
本発明の樹脂組成物中に配合することができるヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−トルエン、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキスメタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6’−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒイドロキシベンジル)ベンゼン、カルシウム(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−モノエチル−フォスフェート)、トリエチレングリコール−ビス、3,9−ビス2,4,8,10−テトラオキサスピロウンデカン、ビスグリコールエステル、トコフェロール、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、N,N’−ビスヒドラジン、2,2’−オキサミドビス、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミックアシドトリエステルウイズ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物中に配合することができる硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジオクタデシルサルファイド、ペンタエリストリトール−テトラ(β−ラウリル−チオプロピオネート)エステル等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物中に配合することができる燐系酸化防止剤としては、トリス(ミックスド、モノ及びジノリルフェニル)フォスファイト、トリス(2,3−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)フォスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルフォスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2、4ージ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンフォスファナイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストール−ジ−フォスファイト、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシル−フォスファイト、ビス(2,4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジデシルフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、トリドデシルトリチオホスファイト等を挙げることが出来る。
本発明の樹脂組成物中に配合することができるヒンダードアミン系光安定剤としては、琥珀酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペロジンとの重縮合物、ポリヘキサメチレン]、2−n−ブチルマロン酸のビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステル、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2−ジブロモエタンとの重縮合物、ポリウンデカン、1−−2,2,6,6−テトロメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物中に配合することができる光安定剤としては、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ニッケル系、サリチル酸系等の光安定剤が挙げられる。トリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ニッケル系、サリチル酸系等の光安定剤としては、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2’−ヒドオキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルーフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,5−ビス−−チオフェン、ニッケル塩、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキサリックアシッド−ビス−アニリド85〜90質量%と2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチル−4’−t−ブチルオキサリックアシッド−ビス−アニリド10〜15質量%の混合物、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−−2H−ベンゾトリアゾール、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−ベンゾトリアゾール、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−i−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2ーヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノン等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物中に配合することができる帯電防止剤としては、グリセリン脂肪酸(C8〜C22、以下脂肪酸あるいはアルキル基の炭素数nをCnとも略す)エステル、ソルビタン脂肪酸(C8〜C22)エステル、プロピレングリコール脂肪酸(C8〜C22)エステル、ショ糖酸脂肪酸(C8〜C22)エステル、クエン酸モノ(ジ又はトリ)ステアリルエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸(C8〜C18)エステル、トリメチロールプロパン脂肪酸(C8〜C18)エスエル、ポリグリセリン脂肪酸(C8〜C22)エステル、ポリオキシエチレン(20モル)グリセリン脂肪酸(C12〜C18)エステル、オイリオキシエチレン(20モル)ソルビタン脂肪酸(C12〜C18)エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸(C8〜C22)エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコール(C12〜C20)エーテル、ポリオキシエチレン(4〜50モル)アルキル(C4以上)フェニルエーテル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)脂肪(C8〜C18)アミン、脂肪酸とジエタノールアミンによる縮合生成物、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の非イオン性界面活性剤、アルキル(C10〜C20)スルホン酸塩(Na、K、NH4)、アルキルナフタリンスルホン酸塩(Na)、ソジウムジアルキル(C4〜C16)スルホンサクシネート、アルキル(C8〜C20)サルフェート塩(Na、K、NH4)、脂肪酸(C8〜C22)塩(Na、K、NH4)等の陰イオン性界面活性剤、N−アシル(C8〜C18)ザルコシネート等の両イオン性界面活性剤、ポリアクリル酸及びそのナトリウム塩等のその他の助剤等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物中に配合することができる滑剤としては、ヘキシルアミド、オクチルアミド、ステアリルアミド、オレイルアミド、エルシルアミド、エチレンビスステアリルアミド、ラウリルアミド、ベヘニルアミド、メチレンビスステアリルアミド、リシノールアミド等の炭素数3〜30の飽和或いは不飽和脂肪族アミド及びその誘導体;ブチルステアレート、イソブチルステアレート等の炭素数3〜30の飽和或いは不飽和脂肪族エステル及びその誘導体、市販のシリコーン離型剤シリコーンオイル、シリコーンガム等のシリコーン化合物、市販のフッ素系離型剤、4フっ化エチレン等のフッ素系化合物等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物中に配合することができる金属不活性剤としては、3−N’−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、サリチルアルデヒド、サリチルヒドラジン、N,N’−ビス−ヒドラジン、オキサリル−ビス−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、3,4,5,6−ジベンゾ−1,2−オキサフォスファン−2−オキサイド、トリスフェニルフォスファイト、2,2’−オキサミド−ビス−等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物中に配合することができる核剤としては、1,3,2,4−ジ−ベンジリデン−ソルビトール、1,3,2,4−ジ−ジ−(p−メチル−ベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ−(p−エチル−ベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ−(2’,4’−ジ−メチル−ベンジリデン)ソルビトール、1,3−p−クロロ−ベンジリデン−2,4−p−メチル−ベンジリデン−ソルビトール、1,3,2,4−ジ−(p−プロピル−ベンジリデン)ソルビトール、アルミニウム−モノ−ヒドロキシ−ジ−p−t−ブチルベンゾエート、ソジウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ソジウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチル−フェニル)フォスフェート、タルク、安息香酸ナトリウム、リチウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物中に配合することができる中和剤及び制酸剤としては、リチウムステアレート、1,2−ヒドロキシリチウムステアレート、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸カリウム、ベヘン酸リチウム、モンタン酸リチウム、ベヘン酸ナトリウム、モンタン酸ナトリウム、ステアリル乳酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム、モンタン酸カルシウム、ステアリン酸カドニウム、ラウリル酸カドミウム、リシノール酸カドミウム、ナフテン酸バリウム、2−エチルヘキソイン酸バリウム、ステアリン酸バリウム、2−エチルヘキソイン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリル酸カルシウム、リシノール酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、2−エチルヘキソイン酸亜鉛、ステアリン亜鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛、ステアリン酸錫、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸、アルキル乳酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩、塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシ・カーボネート・ハイドレート(ハイドロタルサイト)、塩基性ゼオライト、エピクロルヒドリンとビスフェノールA重合物類、エポキシ化大豆油類、エポキシ化脂肪化モノエスエル類、エポキシ化脂環式脂肪酸エステル類、ポリカルボジイミド類、イソシアネート系化合物等を挙げることができる。また、さらに難燃性を上げるため、公知の低分子量の難燃剤を添加することも可能である。
なお、本発明の難燃性樹脂組成物に対してさらに繊維状、および/または粒状の充填材を添加することにより、強度、剛性、耐熱性などを大幅に向上させることができるとともに、さらに燃焼時の樹脂融液の落下(ドリップ)を抑制することができる。
このような充填材の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、アスベスト、チタン酸カリウムウィスカ、ワラストナイト、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、および酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化クロム(3価)、酸化鉄、酸化亜鉛、シリカ、珪藻土、アルミナ繊維、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン等の酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム等の塩基性物又は水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム、ドロマイト、ドーソナイト等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム、塩基性硫酸マグネシウム等の(亜)硫酸塩、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、モンモリロライト、ガラスバルーン、ペントナイト等の珪酸塩、カオリン(陶土)、パーライト、鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化珪素繊維、黄銅繊維、チタン酸ジルコン酸鉛、硼酸亜鉛、硼酸アルミニウム、メタ硼酸バリウム、硼酸カルシウム、硼酸ナトリウム等が挙げられる。特にチョップドストランドタイプのガラス繊維が好ましく使用される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例で使用した材料および評価項目の測定法は以下の通りである。実施例中の部、及び%は特に記載がない場合は質量基準である。
(ポリエステルの還元粘度)
JIS K7390に準じてフェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)の混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度計を用いて30℃で測定し、還元粘度(ηsp/C)を計算した値である。
(リンを分子中に含有する熱可塑性樹脂中のリンの含有量)
蛍光X線法によって熱可塑性樹脂中のリンの含有量を測定した。蛍光X線の測定条件を示す。
<測定条件>
装置名 ; 理学電機工業(株)製 走査型蛍光X線分析装置 ZSX100e型
X線管球 ; Rh(ロジウム)
X線出力 ; 50kV、50mA
分光結晶 ; LiF
使用線種 ; Kα線
試料回転 ; 有り
(曲げ強度、曲げ弾性率)
ISO−178に準じて測定した。
(難燃性)
難燃性の評価は,米国のアンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)で規格化されたサブジェクト94号(UL94)に基づき、長さ125mm×幅12.5mm×厚み1.6mmの試験片を用いて評価した。難燃性レベルは、V−0>V−1>V−2>不合格の順に低下する。
また、UL94に定められた燃焼性レベルのほかに、UL94測定における5本の試験片で各二回接炎、合計10回の燃焼性評価のトータル燃焼時間を測定し、燃焼性の指標とした。なお、燃焼が止まらず燃え続ける場合は「全燃焼」と表示した。
また、燃焼時における溶融樹脂の滴下(ドリップ)性を以下の指標で測定した。UL94に定められる計10回の接炎でドリップした接炎回数をドリップ性のパラメーターとした。これが0に近いものほど燃焼時のドリップが抑制された高度な難燃性を有していることを示す。
(ブリードアウト性)
厚さ3mm平板を60℃95%RH下で7日間エージングし、成形品表面を観察した。ここで、ブリードアウトとは、組成物中の配合物の一部が成形品の表面にしみ出てくる現象である。
<リンを分子中に含有する熱可塑性樹脂(A):リン共重合ポリエステルの合成>
テレフタル酸、エチレングリコール、および下記(3)で示される化合物を原料として直重法によってリンを分子中に含有する共重合ポリエステルを得た。得られたリンを分子中に含有した共重合ポリエステルの還元粘度は0.69、リン含有量は0.60質量%であった。
(実施例1〜3、比較例1〜4)
予備乾燥した原料を表1に示した配合比に従い計量して、二軸押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM30)でシリンダー温度270℃、スクリュー回転数50rpmにて溶融混練し、水浴にストランド状に押出して冷却後、樹脂組成物のペレットを得た。(この際に発生するガスの量を目視観察し評価した。)得られた樹脂組成物を射出成形機(東芝機械株式会社製、IS80)でシリンダー温度270℃、金型温度40℃にて各種試験用テストピースを成形して評価に供した。評価結果を表1に示した。
Figure 2005154635
Figure 2005154635
*1)TPA:テレフタル酸(水島アロマ株式会社製)
*2)化4:下記式(3)で示される化合物(三光株式会社製)
*3)EG:エチレングリコール(株式会社日本触媒製)
*4)ポリリン酸メラミン(DSM社製、Melapur(R)200/70)
*5)PET:ポリエチレンテレフタレート(東洋紡績株式会社製、還元粘度=0.68)
*6)ポリリン酸アンモニウム(チッソ株式会社製、テラージュ(R)C60)
*7)芳香族リン酸エステル(大八化学工業株式会社製、PX−200)
*8)メラミンシアヌレート(日産化学工業株式会社製、MC440)
*9)離型剤(クラリアントジャパン株式会社製、ヘキストワックス(R)OP)
Figure 2005154635
実施例1〜3、比較例1〜4により明らかなように、本発明の樹脂組成物は、(A)成分と(B)成分を組み合わせることにより、優れた難燃性を有する。しかも溶融混練中の発生ガスが少なく、ブリードのない優れた成形体を得ることができた。比較例1〜3のとおり難燃剤が(A)成分のみ、ポリリン酸メラミンのみ、芳香族リン酸エステルのみの場合は十分な難燃性が得られなかった。また、難燃剤として(A)成分とポリリン酸アンモニウム、(A)成分とメラミンシアヌレートを組み合わせた場合には、十分な難燃性を得ると溶融混練中の発生ガスが多くなる問題や成形体表面にブリードが発生するという問題が生じた。
本発明は、従来使用されているハロゲン系難燃剤を含有する熱可塑性樹脂と同等の難燃性、機械特性を有し、しかも、ハロゲンを含有しないため、環境特性に優れた成形体が得られるため、構造用プラスチックスや接着用樹脂として、特に機械部品、電気・電子部品、自動車部品等の幅広い用途分野に利用することができ、産業界に寄与することが大である。

Claims (4)

  1. (A)リンを分子中に含有するポリエステル共重合体100質量部に対して、(B)リン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤1〜300質量部、(C)熱可塑性樹脂0〜2000質量部を含有せしめてなることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. (B)リン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤がリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンの中から選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. (A)リンを分子中に含有するポリエステル共重合体が、下記一般式(1)で表される構造単位を高分子側鎖あるいは高分子主鎖に含有するポリエステル共重合体であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか記載の難燃性樹脂組成物。
    Figure 2005154635
    (R1、R2、R3はハロゲンを含有しない1価または2価の有機残基を表す。)
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を成形して得られる成形体。
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