JP5114656B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、ハロゲン元素及び赤リンを含有しない難燃剤(以下、ノンハロゲンノン赤リン系難燃剤ともいう)を使用した難燃性が良好でかつ機械的強度も優れ、更に臭気が少なく室内でも使用可能な熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性樹脂は、その優れた諸特性を生かし、機械機構部品、電気部品、自動車部品、事務用部品、建築資材、繊維製品、雑貨等の幅広い分野に利用されているが、これらの用途において機械的性質は勿論のこと、「UL規格でV−0」等の高度な難燃性を有する材料が要求される場合が多い。
熱可塑性樹脂を難燃化するためには、従来、難燃剤としてハロゲン系有機化合物であるハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物であるアンチモン系難燃剤を樹脂に配合する方法が一般的である。しかしながら、この方法には熱分解によって発生するハロゲン化水素等で成型加工時に金型等を腐食させたり、火災発生時に多量の黒煙や有害なハロゲン含有ガスを発生させるという欠点を有している。さらに、ハロゲン化合物の熱分解生成物としてダイオキシン発生の危険性を指摘した報告もあり、ハロゲン化合物の使用を規制する方向に向かいつつある。そこで近年、これらハロゲン系難燃剤の環境への悪影響を排除する為、ハロゲンを全く含まない難燃剤を用いることが強く望まれるようになった。
さらにリン酸エステル系難燃剤やリン酸アンモニウム、含トリアジン環化合物を用いる方法が知られている(特許文献1〜5参照)。しかし、いずれも難燃性が必ずしも十分ではなく、難燃性を付与するには、樹脂に多量に配合しなければならず、発煙性、機械特性、電気特性、経済性の点でも満足できるものはなかった。また場合によっては、分解ガスの生成を助成し、成形性が不安定になったり、金型汚染や金型摩耗を促進する等の欠点を有しており、また難燃剤がブリードアウトする問題も生じる。
さらに、ノンハロノン赤リン系のみならずハロゲン系においても押出時、成形時、成形品を高温加熱した時に、刺激臭や不快な臭気が発生するため、特に室内用部品等においては問題となっている。
このような問題を解決した環境に限りなく易しい難燃性樹脂組成物は提案されていない。
特公昭51−39271号公報 特公昭55−50506号公報 特開昭53−18660号公報 特開昭60−33850号公報 特開昭57−96039号公報
本発明は、構造用プラスチックスや接着用樹脂として、特に機械部品、電気・電子部品、自動車部品用として、環境上問題のあるハロゲン系難燃剤を用いずに優れた難燃性を発現するだけでなく、成形加工時腐食性ガスの発生を抑制し、燃焼時の刺激性ガス、腐食性ガス、黒煙の発生を抑制、さらには加熱時に刺激臭、不快臭を低減、しかも従来の難燃剤より少ない添加量で難燃性と機械的特性、熱安定性に優れた難燃性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は上述の問題を解決するため鋭意研究をかさねた結果、本発明に到達した。ガラス繊維強化成形品の熱可塑性樹脂成分としてポリエステルを使用する場合、通常ガラス繊維おしてはエポキシシラン系カップリング剤で処理したものを使用する。しかし、ポリエステル樹脂及び(B)リン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤の組み合わせにより難燃化すると紙の焦げたような臭気が発生するため、室内用成形品等の用途では臭気が問題となってしまう。
そこで本発明では、通常ポリアミド樹脂に添加されているアミノシラン系カップリング剤で処理したガラス繊維を使用すると、この不快臭の発生を抑えられることを発見し、本発明に至った。
すなわち本発明は、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、(B)リン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤10〜100質量部、(C)アミノシラン系カップリング剤を含む集束剤が少なくとも一部に付着しているガラス繊維1〜150質量部を含有せしめてなる難燃性樹脂組成物。
特に好ましい態様としては、リン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤(B)がリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン及びポリリン酸メラミンいずれかから選ばれた少なくとも1種である難燃性樹脂組成物である。また本発明は、前記難燃性樹脂組成物を成形して得られる成形品である。
本発明による樹脂組成物は、ハロゲン系難燃剤を使用することなく成形性、燃焼時の腐食性ガス、機械特性、熱安定性に優れた難燃性樹脂組成物を提供し、環境面、及び廃棄、リサイクル時のコスト低減に優れ、さらには臭気低減の効果を発揮する。
本発明の(A)熱可塑性ポリエステル樹脂としては芳香族ポリエステル、半芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステルいずれでも構わないが、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレートが好ましく使用できる。具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート及びポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート等が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート/エチレンテレフタレート、ポリネオペンチレンテレフタレート/エチレンテレフタレート等の共重合ポリエステルが挙げられる。特に、機械的性質、成形性等のバランスのとれたポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレート等が好ましく使用できる。
また、これらのポリエステル及び/又は共重合ポリエステルの混合物であってもよく、例えばポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートの混合物が好ましく使用できる。
難燃剤を構成するリン酸系化合物としては、リン酸、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸、ポリリン酸(いわゆる縮合リン酸)等が挙げられる。特に、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸が難燃剤としての効果が高く望ましい。
また、難燃剤を構成するトリアジン系化合物としては、メラミン、メレム、メラム等の前記リン酸系化合物と反応可能なトリアジン系化合物が挙げられる。特に、メラミンが難燃剤としての効果が高く望ましい。
本発明で使用されるリン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤(B)としては、具体的には、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンが好適に使用される。
本発明で使用する(B)リン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤としては、公知の方法で製造されるが、リン酸系化合物とトリアジン系化合物が完全に反応している必要はなく、未反応のリン酸系化合物ないしトリアジン系化合物が残存していても良い。
本発明で使用されるリン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤(B)の形態としては、特に制限はないが微細な粉末状のものが、本発明の樹脂組成物から得られる成形品の機械的強度と表面性を良好にする点から好ましい。好ましくは、平均粒径が100μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは10μm以下の粉末である。
(B)リン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤の配合量はリンを分子中に含有する熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、1〜300質量部で効果が得られる。好ましくは2〜200質量部、さらに好ましくは3〜100質量部である。使用量が1質量部より少ないと難燃性の向上効果が認められず、100質量部を越えると耐熱性、機械的特性、表面外観等の樹脂特性が発現されにくい。これによって、樹脂本来の特性である機械的特性・耐熱性等と、高度の難燃性を両立することができた。さらに有効に難燃性を発現させる為に、(B)としてリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン等を使用すれば、リンと窒素の異なる難燃機構の複合効果から、より好ましい結果が得られる。
本発明で使用される(C)ガラス繊維はアミノシラン系カップリング剤を含む集束剤が少なくとも一部に付着している(塗布された状態)。この集束剤にエポキシ系を用いると臭気に問題がある(ペレタイズ時、成形時の作業環境や成形品の臭気)。従って、本発明で使用する集束剤はアミノ系シランカップリング剤を用いており、主にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい例として挙げられる。集束剤の成分としてエポキシ樹脂を使用すると悪臭が発生する場合があり好ましくなく、ポリウレタン樹脂を使用するのが好ましい。本発明で使用される(C)ガラス繊維はアミノシラン系カップリング剤とポリウレタン樹脂を含む集束剤が少なくとも一部に付着していることが好ましい。
ここにあるガラス繊維の形状は特に定めるものではなく、公知のガラス繊維を広く採用することができる。例えば、長繊維(ロービング)や短繊維(チョップドストランド)タイプ等から選択して用いることができる。繊維径は6〜16μmが好ましく、10〜13μmがより好ましい。このような繊維径を用いることにより機械的性質をより効果的に改善することができる。
また、ガラス繊維の平均繊維長は0.1〜20mmが好ましく、1〜10mmがより好ましい。平均繊維長を0.1mm以上とすることにより、ガラス繊維による補強効果がより効果的に発現され、平均繊維長を20mm以下とすることにより、ポリエステル樹脂との溶融混練やガラス繊維強化ポリエステル樹脂組成物の成形がより容易になる。
本発明で使用するガラス繊維の配合量は、(A)ポリエステル樹脂100重量部に対して1〜150質量部が好ましい。1質量部未満では十分な補強効果が得られなく、150質量部より多い場合、成形性が悪くなる場合や成形品の表面が荒れる場合がある。
本発明で使用するガラス繊維の材質に特に制限はなく、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、S−2ガラス等の各種ガラス繊維が使用可能である。特にコスト・物性面からEガラスが好ましい例として挙げられる。
なお、本発明の難燃性樹脂組成物に対してガラス繊維以外に、さらに繊維状、及び/又は粒状の充填材を添加することにより、強度、剛性、耐熱性等を大幅に向上させることができるとともに、さらに燃焼時の樹脂融液の滴下(ドリップともいう)を抑制することができる。
このような充填材の具体例としては、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、アスベスト、チタン酸カリウムウィスカ、ワラストナイト、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、及び酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化クロム(3価)、酸化鉄、酸化亜鉛、シリカ、珪藻土、アルミナ繊維、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン等の酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム等の塩基性物又は水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム、ドロマイト、ドーソナイト等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム、塩基性硫酸マグネシウム等の(亜)硫酸塩、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、モンモリロライト、ガラスバルーン、ペントナイト等の珪酸塩、カオリン(陶土)、パーライト、鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化珪素繊維、黄銅繊維、チタン酸ジルコン酸鉛、硼酸亜鉛、硼酸アルミニウム、メタ硼酸バリウム、硼酸カルシウム、硼酸ナトリウム等が挙げられる。特にチョップドストランドタイプのガラス繊維が好ましく使用される。
本発明の難燃性樹脂組成物には必要に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で添加物として公知のヒンダートフェノール系、硫黄系、燐系等の酸化防止剤、熱安定剤、ヒンダートアミン系、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ニッケル系、サリチル系等の光安定剤、離型剤、帯電防止剤、滑剤、過酸化物等の分子調整剤、金属不活性化剤、有機及び無機系の核剤、中和剤、制酸剤、防菌剤、蛍光増白剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、及び染料・顔料を含む着色剤等の通常の添加剤を必要に応じて添加することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例で使用した材料及び評価項目の測定法は以下の通りである。実施例中の部、及び%は特に記載がない場合は質量基準である。
1.ポリエステルの還元粘度
JIS K7390に準じてフェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)の混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度計を用いて30℃で測定し、還元粘度(ηsp/C)を計算した値である。
2.リンを分子中に含有する熱可塑性樹脂中のリンの含有量)
蛍光X線法によって熱可塑性樹脂中のリンの含有量を測定した。蛍光X線の測定条件を示す。
<測定条件>
装置名 ; 株式会社リガク製、走査型蛍光X線分析装置 ZSX100e型
X線管球 ; Rh(ロジウム)
X線出力 ; 50kV、50mA
分光結晶 ; LiF
使用線種 ; Kα線
試料回転 ; 有り
3.曲げ強度、曲げ弾性率
ISO−178に準じて測定した。
4.難燃性
難燃性の評価は,米国のアンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)で規格化されたサブジェクト94号(UL94)に基づき、長さ125mm×幅12.5mm×厚さ1.6mmの試験片を用いて評価した。難燃性レベルは、V−0>V−1>V−2>不合格の順に低下する。
また、UL94に定められた燃焼性レベルのほかに、UL94測定における5本の試験片で各二回接炎、合計10回の燃焼性評価のトータル燃焼時間を測定し、燃焼性の指標とした。なお、燃焼が止まらず燃え続ける場合は「全燃焼」と表示した。
また、燃焼時における溶融樹脂の滴下(ドリップ性ともいう)を以下の指標で測定した。UL94に定められる計10回の接炎でドリップした接炎回数をドリップ性のパラメーターとした。これが0に近いものほど燃焼時のドリップが抑制された高度な難燃性を有していることを示す。
5.ブリードアウト性
厚さ3mm平板を60℃、95%RH下で7日間エージングし、成形品表面を目視で観察し、ブリードアウト物の有無を確認した。ここで、ブリードアウトとは、組成物中の配合物の一部が成形品の表面にしみ出てくる現象である。
6.臭気評価方法
臭気評価は6名以上で行い、臭気の強度、不快度、臭質を数値化するため下記6段階評価で臭気指数と定め、評価を行った。
0:無臭 1:かすかに感知する 2:臭質がやっと分かる
3:楽に感知できる 4:強い臭い 5:強烈な臭い
二軸押出機で溶融混練し、水浴にストランド状に押出してペレタイズ時の臭気を上記判定方法で行う。さらに射出成形機にてパージ時も同様の判定方法を実施した。次に金型温度50℃の成形品を切削し、サンプル約10gを容積10Lのガラス秤量瓶へ投入し、密閉状態で140℃、3時間熱処理を行い、容器内の臭気判定を実施した。
(実施例1〜8、比較例1〜3)
予備乾燥した原料を表1に示した配合比に従い計量して、二軸押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM30)でシリンダー温度270℃、スクリュー回転数50rpmにて溶融混練し、水浴にストランド状に押出して冷却後、樹脂組成物のペレットを得た。(この際に発生するガスの量を目視観察し評価した。)得られた樹脂組成物を射出成形機(東芝機械株式会社製、IS80)でシリンダー温度270℃、金型温度50℃にて各種試験用テストピースを成形して評価に供した。評価結果を表1に示した。
Figure 0005114656
Figure 0005114656
*1)PET:ポリエチレンテレフタレート(東洋紡績株式会社製、還元粘度=0.68dl/g)
*2)PBT:ポリブチレンテレフタレート(東洋紡績株式会社製、還元粘度=1.23dl/g)
*3)ポリリン酸メラミン(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社、Melapur(商品名)200/70)
*4)アミノシランカップリング処理ガラス繊維(エヌエスジー・ヴェトロテックス株式会社、TP57E):アミノシラン系カップリング剤とポリウレタン樹脂を含む集束剤が少なくとも一部に付着しているガラス繊維である。
*5)ポリリン酸アンモニウム(チッソ株式会社製、テラージュ(商品名)C60)
*6)リン酸エステルアミド(四国化成工業株式会社製、SP307)
*7)芳香族リン酸エステル(大八化学工業株式会社製、PX−200)
*8)メラミンシアヌレート(日産化学工業株式会社製、MC440)
*9)離型剤(クラリアントジャパン株式会社製、ヘキストワックス(商品名)OP)
*10)2官能基エポキシシラン系カップリング処理ガラス繊維(旭ファイバーグラス株式会社製、03JA429T)
*11)多官能基エポキシシラン系カップリング処理ガラス繊維(旭ファイバーグラス株式会社製、03JA592T)
*12)無処理ガラス繊維(旭ファイバーグラス株式会社製)
*13)アミノシランカップリング処理ガラス繊維(旭ファイバーグラス株式会社製、03MAFT2A):アミノシラン系カップリング剤とポリウレタン樹脂を含む集束剤が少なくとも一部に付着しているガラス繊維である。
実施例1〜8から明らかなように、本発明の樹脂組成物は、(A)成分と(B)成分と(C)成分を組み合わせることにより、優れた難燃性及び臭気低減を有する。しかも溶融混練中の発生ガスが少なく、ブリードのない優れた成形体を得ることができた。比較例4〜7のとおり、難燃剤としてポリリン酸アンモニウム、メラミンシアヌレート、リン酸エステルアミド、芳香族リン酸エステルを使用した場合には、難燃性は低かった。また、これらの難燃剤を難燃性が得られる量使用すると溶融混練中の発生ガスが多くなる問題や成形体表面にブリードが発生するという問題が生じた。
また、比較例1〜3より(A)成分と(B)成分とエポキシシラン系カップリング処理ガラス繊維の組み合わせた組成物の場合は、ペレタイズ時、成形時の作業環境や成形品に臭気があり、エポキシ成分を低減したガラス繊維においても臭気があり改善されなかった。これにより臭気の主な要因は、エポキシ成分を添加した場合であると考えられる。
本発明は、従来使用されているハロゲン系難燃剤を含有する熱可塑性樹脂と同等の難燃性、機械特性を有し、しかも、ハロゲンを含有しないため、環境特性に優れた成形体が得られるため、構造用プラスチックスや接着用樹脂として、特に機械部品、電気・電子部品、自動車部品等の幅広い用途分野に利用することができ、産業界に寄与することが大である。

Claims (5)

  1. (A)熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、(B)リン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤10〜100質量部、(C)アミノシラン系カップリング剤を含む集束剤が少なくとも一部に付着しているガラス繊維1〜150質量部を含有せしめてなる難燃性樹脂組成物。
  2. (A)熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリアルキレンテレフタレート及び/又はその共重合ポリエステルである請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. (B)リン酸系化合物とトリアジン系化合物との反応により得られる難燃剤が、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン及びポリリン酸メラミンいずれかから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  4. さらにヒンダートフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系安定剤のいずれかから選択された少なくとも1種類を含む請求項1〜3いずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 電気・電子部品、OA機器、家電機器部品、自動車部品又は機械機構部品である請求項1〜4いずれかに難燃性樹脂組成物からなる成形体。
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