JP2001279092A - 難燃性強化ポリアミド樹脂系組成物 - Google Patents

難燃性強化ポリアミド樹脂系組成物

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JP2001279092A
JP2001279092A JP2000096104A JP2000096104A JP2001279092A JP 2001279092 A JP2001279092 A JP 2001279092A JP 2000096104 A JP2000096104 A JP 2000096104A JP 2000096104 A JP2000096104 A JP 2000096104A JP 2001279092 A JP2001279092 A JP 2001279092A
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polyamide resin
polyamide
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retardant
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Sadayuki Yakabe
貞行 矢ケ部
Sadatsugu Goto
禎次 後藤
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性が極めて高く、燃焼時に腐食性の高い
ハロゲン化水素ガスの発生がなく、かつ成形加工時のモ
ールドデポジット現象の抑制された高剛性の強化された
難燃性ポリアミド樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (a)ヘキサメチレンアジパミド単位を
主たる構成成分とするポリアミド樹脂及び/又はメタキ
シリレンアジパミド単位を主たる構成成分とするポリア
ミド樹脂30〜85重量%、(b)リン酸メラミン、ピ
ロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンの群から選ばれ
た少なくとも1種のリン系難燃剤5〜40重量%、
(c)リン酸系化合物0.05〜5重量%、(d)アル
カリ土類金属酸化物、酸化アルミニウム、酸化亜鉛の群
から選ばれた少なくとも1種の酸化物0.01〜5重量
%、(e)無機質強化材5〜50重量%の各成分からな
る強化された難燃性ポリアミド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性ポリアミド樹
脂組成物に関する。特に、電気・電子分野のコネクター
等の部品、自動車分野の電装部品等の部品材料に好適に
用いられる難燃性ポリアミド樹脂組成物に関する。とり
わけ、本発明は難燃性が極めて高く、燃焼時に腐食性の
高いハロゲン化水素ガスが発生することがなく、かつモ
ールドデポジット現象が極めて少ない、成形性に優れた
難燃性ポリアミド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリアミド樹脂は、機械的強度、
耐熱性などに優れることから、自動車部品、機械部品、
電気・電子部品などの分野で使用されている。特に近
年、電気・電子部品用途において、ますます難燃性に対
する要求レベルが高くなり、本来ポリアミド樹脂の有す
る自己消火性よりもさらに高度な難燃性が要求され、こ
の為、アンダーライターズ・ラボラトリーのUL94V
−0規格に適合する難燃レベルの高度化への検討が数多
くなされ、そしてそれらは一般にやハロゲン系難燃剤や
トリアジン系難燃剤を添加する方法が取られている。
【0003】例えば、ポリアミド樹脂への塩素置換多環
式化合物の添加(特開昭48−29846号公報)や臭
素系難燃剤、例えば、デカブロモジフェニルエーテルの
添加(特開昭47−7134号公報)、臭素化ポリスチ
レンの添加(特開昭51−47044号公報、特開平4
−175371号公報)、臭素化ポリフェニレンエーテ
ルの添加(特開昭54−116054号公報)、臭素化
架橋芳香族重合体の添加(特開昭63−317552号
公報)、臭素化スチレン−無水マレイン酸重合体の添加
(特開平3−168246号公報)等が知られている。
特にこれらハロゲン系難燃剤をガラス繊維等で強化した
ポリアミド樹脂に配合した組成物は、高度の難燃性と高
い剛性から、電気・電子部品用途、特にプリント積層板
に搭載されたり接続されたりするコネクター用途に多用
されてきた。
【0004】しかしながら、ハロゲン系難燃剤は燃焼時
に腐食性のハロゲン化水素及び煙を発生したり、有毒な
物質を排出する疑いがもたれ、これら環境問題からハロ
ゲン系難燃剤の配合されたプラスチック製品の使用を規
制する動きがある。このことから、ハロゲンフリーのト
リアジン系難燃剤が注目され数多く検討がなされてい
る。例えば、難燃剤としてメラミンを使用する技術(特
公昭47−1714号公報)、シアヌル酸を使用する技
術(特開昭50−105744号公報)、シアヌル酸メ
ラミンを使用する技術(特開昭53−31759号公
報)が良く知られている。これらの技術で得られた非強
化のポリアミド樹脂組成物はUL94V−0規格に適合
する高度の難燃レベルを有するものの、ガラス繊維等の
無機強化材で強化し剛性を高めた組成においては、難燃
剤を多量に配合した場合であっても、燃焼時、綿着火現
象があり、UL94V−O規格に適合しない問題があ
る。
【0005】又、イントメッセント型難燃剤であるリン
酸メラミンをガラス繊維強化ポリアミド樹脂に使用する
技術(特表平10−505875号公報)が提案されて
いるが、単にリン酸メラミンを配合しただけでは1/1
6インチの成形品において難燃規格UL94V−0規格
を満足するするものの、ポリアミド樹脂との親和性が悪
いためか、1/32インチの薄肉成形品でUL94V−
0規格を満足するものを得難い。又、押出混練時の作業
性が困難であるばかりか、成形時に難燃剤が昇華して金
型に汚染物質が付着する、いわゆるモールドデポジット
現象を生じる問題が有り、成形性に優れ薄肉成形品でU
L94V−0規格を満足する非ハロゲンベースの難燃性
ポリアミド樹脂の出現が強く渇望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、難燃
性が極めて高く、燃焼時に腐食性の高いハロゲン化水素
ガスが発生することがなく、かつ成形加工時のモールド
デポジット現象が極めて少ない強化された難燃性ポリア
ミド樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を重ねた結果、無機質強化材、リン系難燃剤及びポリア
ミド樹脂を組合わせた系に特定のリン酸系化合物及び特
定の酸化物を配合した際に、前記目的を達成し得ること
を見い出し、この知見に基づき本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、(a)ヘキサメチレンアジパ
ミド単位を主たる構成成分とするポリアミド樹脂及び/
又はメタキシリレンアジパミド単位を主たる構成成分と
するポリアミド樹脂30〜85重量%、(b)リン酸メ
ラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンの群
から選ばれた少なくとも1種のリン系難燃剤5〜40重
量%、(c)リン酸系化合物0.05〜5重量%、
(d)アルカリ土類金属酸化物、酸化アルミニウム、酸
化亜鉛から選ばれた少なくとも1種の酸化物0〜5重量
%、(e)無機質強化材5〜50重量%の各成分からな
る強化された難燃性ポリアミド樹脂組成物である。
【0008】本発明について、以下に更に詳細に説明す
る。本発明で用いられるポリアミド樹脂(a)とは、ヘ
キサメチレンアジパミド単位を主たる構成成分とするポ
リアミド及び/又はメタキシリレンアジパミド単位を主
たる構成成分とするポリアミドであって、具体的にはポ
リアミド66およびポリアミド46、ポリアミド6、ポ
リアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、
ポリアミド12等の脂肪族ポリアミドやヘキサメチレン
テレフタルアミド、テトラメチレンイソフタルアミド、
ヘキサメチレンイソフタルアミド、メタキシリレンアジ
パミドなどのテレフタル酸、イソフタル酸、キシリレン
ジアミン等の芳香族成分を含む芳香族ポリアミドとポリ
アミド66とを共重合成分とする共重合ポリアミド、混
合ポリアミドやメタキシリレンアジパミド(MXD6ナ
イロン)及びポリアミド66、ポリアミド46、ポリア
ミド6、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリア
ミド11、ポリアミド12等の脂肪族ポリアミドやヘキ
サメチレンテレフタルアミド、テトラメチレンイソフタ
ルアミド、ヘキサメチレンイソフタルアミドなどのテレ
フタル酸、イソフタル酸等の芳香族成分を含む芳香族ポ
リアミドとMXD6ナイロンとを共重合成分とする共重
合体、混合ポリアミドを挙げることができる。
【0009】特に、これらポリアミドの中で薄肉成形品
において高い難燃性と優れた成形品外観が得られる点か
ら、ポリアミド66とポリアミド6I(ポリヘキサメチ
レンイソフタルアミド)との共重合体及びこれらの混合
ポリアミドが好ましく、殊にポリアミド66単位60〜
98重量%とポリアミド6I単位2〜40重量%との共
重合体(ポリアミド66/6I)が耐熱性、成形品外観
性及び成形加工性の点で最も好ましい。又、同様にMX
D6ナイロンとポリアミド66/6Iとを混合したポリ
アミド、殊にポリアミド66単位60〜98重量%とポ
リアミド6I単位2〜40重量%との共重合体との混合
物が高い難燃性、成形加工性の点でで最も好ましい。こ
れら共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体の
どちらであっても良い。又、これらポリアミド樹脂の分
子量は成形可能な範囲の物であれば良く、JIS−K6
810に示される硫酸相対粘度が1.6〜3.5の範囲
にあるポリアミド樹脂が成形流動性が良好でかつ高度な
難燃レベルを保持できるので特に好ましい。
【0010】本発明で用いられるリン系難燃剤(b)
は、メラミンとリン酸、ピロリン酸、またはポリリン酸
とから得られる反応生成物であるリン酸メラミン、ピロ
リン酸メラミン、ポリリン酸メラミンを挙げることが出
来る。これら難燃剤はシアヌル酸メラミンに代表される
トリアジン系難燃剤に比較して、ガラス繊維等の無機質
強化材と併用して使用した際に、高度の難燃化効果を発
揮すると言う驚くべき作用効果を有している。特にポリ
アミド66とポリアミド6Iとの共重合体及び、MXD
6ナイロン又はこれらの混合ポリアミド樹脂に当該リン
系難燃剤を配合した際には更に高度な難燃化効果を発現
する。
【0011】本発明で難燃剤として使用するリン酸メラ
ミンを構成するリン酸としては、具体的には、オルトリ
ン酸、亜リン酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン
酸、三リン酸、四リン酸、ポリリン酸等が挙げられる
が、特にオルトリン酸、ピロリン酸を用いた付加物が難
燃剤としての効果が高く、好ましい。又、本発明で難燃
剤として使用するポリリン酸メラミンを構成するポリリ
ン酸としては、いわゆる縮合リン酸と呼ばれるものであ
り、鎖状ポリリン酸、環状ポリメタリン酸が挙げられ
る。これらポリリン酸の縮合度は通常3〜50であるが
これら縮合度には特に制約はない。
【0012】本発明のリン系難燃剤とは、メラミンと上
記リン酸、ピロリン酸又はポリリン酸との実質的に等モ
ルから形成される反応生成物を意味し、酸官能基の一部
が遊離の状態にあっても良い。かかる反応生成物は、メ
ラミンと上記のリン酸又はポリリン酸との混合物を例え
ば水スラリーとなし、よく混合して両者の反応生成物を
微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、洗浄、
乾燥し、さらに必要であれば焼成し、得られた固形物を
粉砕して得られる粉末である。最終的に得られる本発明
組成物を成形して得られる成形品の機械的強度、成形品
外観の点でリン系難燃剤の粒径は100μm以下、好ま
しくは50μm以下に粉砕した粉末を用いるのが良い。
0.5〜20μmの粉末を用いると高い難燃性を発現す
るばかりでなく成形品の強度が著しく高くなるので特に
好ましい。又、リン系難燃剤は必ずしも完全に純粋であ
る必要はなく、未反応のメラミンあるいはリン酸、ポリ
リン酸が多少残存していても良いが、リン系難燃剤中に
リン原子を10〜18重量%含有するものが、成形加工
時に成形金型に汚染性物質が付着する現象が少なく特に
好ましい。又、これらリン系難燃剤は単独で用いても良
く、2種以上併用しても良い。
【0013】本発明におけるリン酸系化合物(c)と
は、モールドデポジット抑制剤として作用効果を発現す
るものであって、具体的には、オルトリン酸、亜リン
酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、
四リン酸及びこれらのポリリン酸等の無機リン酸やトリ
エチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−
2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシエチル
ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジ
ルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジ
ルフェニルホスフェート、トリス(2,6ジメチルフェ
ニル)ホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホ
スフェート等の有機リン酸エステルが挙げられる。特に
縮合型リン酸であるピロリン酸、三リン酸、四リン酸及
びこれらのポリリン酸や高沸点を有するトリフェニルホ
スフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシニレ
ルホスフェートが成形加工時のガス発生抑制効果もおお
きく好ましく用いられる。又、これらリン酸系化合物は
アルカリ金属やアルカリ土類金属との塩であっても良
い。
【0014】本発明に用いる金属酸化物(d)として
は、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ラジウム
等のアルカリ土類金属酸化物及び酸化アルミニウム、酸
化亜鉛が挙げられる。これら酸化物は、特に前記のリン
酸系化合物と併用して用いたときにモールドデポジット
現象を著しく抑制する作用効果を示す。本発明に用いる
無機質強化材(e)としては、ガラス繊維、炭素繊維、
チタン酸カリウム繊維、石膏繊維、黄銅繊維、ステンレ
ス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、ボロンウィ
スカ繊維、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、
カオリン、焼成カオリン、ウオラストナイト、ガラスビ
ーズ、ガラスフレーク、酸化チタン等の繊維状、粒状、
板状、あるいは針状の無機質強化材が挙げられる。これ
らの強化材は二種以上組み合わせて用いてもよい。特に
ガラス繊維、ウォラストナイト、タルク、焼成カオリ
ン、マイカが好ましく使用される。又、ガラス繊維は長
繊維タイプのロービング、短繊維タイプのチョップドス
トランド、ミルドファイバー等から選択して用いること
が出来る。ガラス繊維はポリアミド用に表面処理した物
を用いるのが好ましい。
【0015】本発明の成分(a)、成分(b)、成分
(c)、成分(d)及び成分(e)からなるポリアミド
樹脂組成物において、主体となるポリアミド樹脂(a)
の割合は30〜85重量%の範囲であることが必要であ
る。30重量%未満では成形加工性、機械的物性が損な
われ、85重量%を超えると難燃性、剛性の低下が生じ
る恐れがある。リン系難燃剤(b)の割合は5〜40重
量%、好ましくは10〜35重量%の範囲である。成分
(b)の量が5重量%未満では難燃効果が充分でなく、
40重量%を超えると混練時分解ガスが発生したり、成
形加工時に成形金型に汚染性物質が付着するなどの問題
が生じる。又、機械的物性の著しい低下や、成形品外観
の悪化の原因ともなる。
【0016】リン酸系化合物(c)の割合は0.05〜
5重量%、このましくは0.5〜3重量%である。成分
(c)の量が0.05重量%未満では成形加工時のモー
ルドデポジット現象抑制に効果がなく、5重量%を超え
るとポリアミド樹脂の分解を加速し、機械的物性低下の
原因となる。酸化物(d)の割合は0.01〜5重量
%、好ましくは0.05〜3重量%である。成分(d)
の量が0.01重量%未満ではリン酸系化合物と併用し
て用いてもモールドデポジット現象抑制に効果がなく、
5重量%を超えるとモールドデポジット現象抑制に効果
がないだけでなく、難燃性が著しく低下する。
【0017】無機質強化材(e)の割合は、5〜50重
量%、好ましくは10〜40重量%である。5重量%未
満では機械的強度・剛性の発現が認められず、50重量
%を超えると押出時や射出成形時の成形加工性の著しい
低下があるばかりか、量的な物性改良効果も認められな
い。本発明では、更に無機系の難燃助剤を機械的物性や
成形加工性に悪影響を与えない範囲に於いて添加するこ
ともできる。好ましい難燃助剤としては、硫化亜鉛、酸
化鉄、酸化硼素、硼酸亜鉛等が挙げられる。本発明の強
化された難燃性ポリアミド樹脂組成物の製造方法は、特
に制限はなく、ポリアミド樹脂、リン系難燃剤、リン酸
系化合物、酸化物及び無機充填材を常用の単軸または2
軸の押出機やニーダー等の混練機を用いて、200〜3
50℃の温度で溶融混練する方法等であってよい。
【0018】本発明の強化された難燃性ポリアミド樹脂
組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の成
分、例えば顔料、染料等の着色剤や、ポリアミド樹脂の
一般的な熱安定剤である銅系熱安定剤(例えば、ヨウ化
銅、酢酸銅等とヨウ化カリウム、臭化カルウムとの併
用)、ヒンダードフェノール系酸化劣化防止剤に代表さ
れる有機系耐熱安定剤、耐候性改良剤、核剤、可塑剤、
滑剤、帯電防止剤等の添加剤、他の樹脂ポリマー等を添
加することが出来る。本発明の組成物は、射出成形、押
出成形、ブロー成形など公知の方法によってコネクタ
ー、コイルボビン、ブレーカー、電磁開閉器、ホルダ
ー、プラグ、スイッチ等の電気、電子、自動車用途の各
種成形品に成形される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下の実施例などにより本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例など
により何ら限定されるものではない。なお、実施例及び
比較例に用いた測定方法を以下に示す。 [測定方法] (1)薄肉難燃性;UL94(米国Under Wri
ters Laboratories Incで定めら
れた規格)の方法に従って測定した。なお、試験片の厚
みは1/32インチとし射出成形機(東芝機械社製:I
S50EP)を用いて成形して得た。 (2)硫酸相対粘度 JIS−K6810に従って98%硫酸での相対粘度を
測定した。
【0020】(3)機械特性 射出成形機(東芝機械社製:IS50EP)を用いて、
ASTM−D790の曲げ試験片(厚さ3mm)を成形
しASTM−D790に準拠した方法で曲げ試験を実施
し、曲げ強度、曲げ弾性率を求めた。 (4)モールドデポジット性 射出成形機(東芝機械社製:IS50EP)を用いて、
ASTM−D790の曲げ試験片(厚さ3mm)を、樹
脂温度280℃、金型温度80℃で連続50ショット成
形し、成形後金型の表面の汚染の程度(モルドデポジッ
ト)を肉眼で観察し、次の評価基準で評価した。 ◎:金型の汚染がほとんど認められない。 ○:金型の汚染がわずかに見られる。 ×:金型に著しく白い汚染物が認められる。
【0021】
【実施例1】平均粒径約3μmのポリリン酸メラミン
[(株)三和ケミカル製:アピノンMPP−A;商品
名]を25重量%、トリクレジルホスフェート[大八化
学工業(株)製:商品名TPP]を1.0重量%、酸化
カルシウム[片山化学工業(株)製:1級試薬]を0.
5重量%、硫酸相対粘度2.3のポリアミド66/6I
共重合体(ポリアミド66の共重合比率80重量%、融
点241℃)を48.5重量%及びガラス繊維[旭ファ
イバーグラス(株)製:商品名03JA756]を25
重量%になるように2軸押出機(東芝機械社製:TEM
35)を用いてシリンダー設定温度260℃、スクリュ
ウ回転数200rpmの条件下で、ポリアミド樹脂、ポ
リリン酸メラミン、トリクレジルホスフェート及び酸化
カルシウムをトップフィードし、ガラス繊維はサイドフ
ィードして混練し、ストランド状に取り出し、冷却後カ
ッターで造粒しペレットを得た。得られたペレットを前
記した測定法によって諸特性を調べた。その結果を表1
に示す。
【0022】
【実施例2〜4、比較例1〜3】ポリアミド樹脂、ポリ
リン酸メラミン、トリクレジルホスフェート、酸化カル
シウム及びガラス繊維の配合割合を表1に示す割合にし
た以外は実施例1と同様にしてペレットを得て、諸特性
を調べた。その結果を表1に示す。
【実施例5】ポリアミド樹脂として硫酸相対粘度2.9
のポリアミド66(旭化成工業製:レオナ1300;商
品名)、リン酸系化合物としてポリリン酸[片山化学工
業(株)製:1級試薬]及び酸化物として酸化亜鉛[片
山化学工業(株)製:一級試薬]を用いた以外は実施例
1と同様にしてペレットを得て、諸特性を調べた。その
結果を表2に示す。
【0023】
【実施例6】ポリアミド樹脂として硫酸相対粘度2.4
のMXD6ナイロンを用いた以外は実施例5と同様にし
てペレットを得て、諸特性を調べた。その結果を表2に
示す。
【実施例7〜8】ポリアミド樹脂、ポリリン酸メラミ
ン、ポリリン酸、酸化亜鉛、ガラス繊維の配合割合を表
2に示す割合にした以外は実施例6と同様にしてペレッ
トを得て、諸特性を調べた。その結果を表2に示す。
【比較例4】ポリアミド樹脂として硫酸相対粘度2.6
のポリアミド6[宇部興産(株)製:SF1013A:
商品名]を用いた以外は実施例6と同様にしてペレット
を得て、諸特性を調べた。その結果を表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明の組成物は薄肉成形品においても
難燃性が極めて高く、更には燃焼時に腐食性の高いハロ
ゲン化水素ガスの発生がなく、かつ、成形加工時にモー
ルドデポジット現象がほとんど発現しない優れた成形材
料であり、家電部品、電子部品、自動車部品等の用途に
用いることが出来る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/14 C08K 7/14 Fターム(参考) 4J002 CL03W CL03X DE068 DE088 DE108 DE148 DJ009 DJ039 DJ049 DJ059 DL009 EW047 EW156 FA049 FA086 FD019 FD136 GN00 GQ00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ヘキサメチレンアジパミド単位を
    主たる構成成分とするポリアミド樹脂及び/又はメタキ
    シリレンアジパミド単位を主たる構成成分とするポリア
    ミド樹脂30〜85重量%、(b)リン酸メラミン、ピ
    ロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンの群から選ばれ
    た少なくとも1種のリン系難燃剤5〜40重量%、
    (c)リン酸系化合物0.05〜5重量%、(d)アル
    カリ土類金属酸化物、酸化アルミニウム、酸化亜鉛から
    選ばれた少なくとも1種の酸化物0.01〜5重量%、
    (e)無機質強化材5〜50重量%の各成分からなる強
    化された難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記(a)ポリアミド樹脂が、その硫酸
    相対粘度(JIS−K6810で測定)が1.5〜3.
    5であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリ
    アミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記(a)ポリアミド樹脂が、ポリアミ
    ド66とポリアミド6I(ポリヘキサメチレンイソフタ
    ルアミド)との共重合体及び/又はこれらの混合ポリア
    ミドであることを特徴とする請求項1又は2に記載の難
    燃性ポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記(a)ポリアミド樹脂が、ポリアミ
    ド66単位60〜98重量%とポリアミド6I単位2〜
    40重量%との共重合体であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記(a)ポリアミド樹脂が、ポリメタ
    キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)40〜10
    0重量%と、ポリアミド66とポリアミド6Iとの共重
    合体および/又はこれらの混合ポリアミド60〜0重量
    %とからなる混合ポリアミドであることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記(a)ポリアミド樹脂が、MXD6
    ナイロン40〜100重量%と、ポリアミド66:60
    〜0重量%とからなる混合ポリアミドであることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の難燃性ポリアミド樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】 前記(a)ポリアミド樹脂が、MXD6
    ナイロン40〜100重量%と、ポリアミド6I:60
    〜0重量%とからなる混合ポリアミドであることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の難燃性ポリアミド樹脂組
    成物。
  8. 【請求項8】 前記(b)リン系難燃剤が、リン原子を
    10〜18重量%含有していることを特徴とする請求項
    1〜7のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成
    物。
  9. 【請求項9】 前記(b)リン系難燃剤が、その平均粒
    径が0.5〜20μmであることを特徴とする請求項1
    〜8のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 前記(c)リン酸系化合物が、リン
    酸、ピロリン酸、ポリリン酸の群から選ばれた少なくと
    も1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜9の
    いずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 前記(c)リン酸系化合物が、トリエ
    チルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2
    −エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシエチルホ
    スフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジル
    ホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジル
    ジフェニルホスフェート、トリス(2,6ジメチルフェ
    ニル)ホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホ
    スフェートの群から選ばれた少なくとも1種のリン酸エ
    ステルであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 前記(d)酸化物が、酸化カルシウム
    であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記
    載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 前記(d)無機質強化材が、ガラス繊
    維、ウォラストナイト、タルク、焼成カオリン、マイカ
    の群から選ばれた少なくとも1種の強化材であることを
    特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の難燃性ポ
    リアミド樹脂組成物。
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