JP2005154443A - ウレトジオン基含有ポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 直接リンと結合している二環式の脂環式基少なくとも1つを有するホスフィンの存在下でイソシアネートを反応させることを含む、イソシアネート二量体の製造方法、又はa)NCO官能価≧2を有する少なくとも1種の有機イソシアネート、b)直接リンと結合している二環式の脂環式基少なくとも1つを有する少なくとも1種のホスフィンを含む触媒、およびc)任意に溶媒を含む混合物を反応させることを含む、イソシアネート二量体の製造方法。
【選択図】なし
Description
イソシアネートのオリゴマー化の概観は、J. Prakt. Chem./Chem. Ztg. 1994, 336, 185-200 で与えられている。
a)NCO官能価≧2を有する少なくとも1種の有機イソシアネート、
b)直接リンと結合している二環式の脂環式基少なくとも1つを有する少なくとも1種のホスフィンを含む触媒、および
c)任意に溶媒
を含む混合物を反応させることを含む、イソシアネート二量体の製造方法も提供する。
本発明は、上記の塗料物質、接着剤またはシーラント1つまたはそれ以上で被覆された基材も提供する。
本発明は、直接リンに結合している二環式の脂環式基少なくとも1つを有するホスフィンの、イソシアネート二量化における使用も規定する。
R1は、任意に単一または複数でC1〜C12アルキルまたはアルコキシ置換されている、二環式の脂環式C4〜C20基であり、
R2、R3は、相互に独立に、任意に単一または複数でC1〜C12アルキルまたはアルコキシ置換されている、単環式若しくは二環式の脂環式C4〜C20基または直鎖若しくは分枝脂肪族C1〜C20基である。〕
に相当する。
a)NCO官能価≧2を有する少なくとも1種の有機イソシアネート、
b)本発明に従い使用する少なくとも1種のホスフィンを含む触媒、および
c)任意に溶媒
d)任意に添加剤
が反応させられる。
本発明の方法において触媒b)を、ニートでまたは溶媒中の溶液で使用することができる。これに関して適当な溶媒は、ホスフィンと反応しないあらゆる化合物、例えば脂肪族または芳香族炭化水素、アルコール、ケトン、エステルおよびエーテルを含む。好ましくは、ホスフィンは本発明の方法においてニートで使用される。
好ましくは、NCO官能価≧2を有する脂肪族、脂環式または芳香脂肪族のジ-またはポリイソシアネートを使用する。
本発明の方法は、0℃〜150℃、好ましくは0℃〜80℃、より好ましくは0℃〜60℃、特に0℃〜40℃の温度範囲で行われる。
所望の転化率に達した後で反応を停止させるために適当な触媒毒は、原則、従来記載されているあらゆるもの(独国特許出願公開第1670667号、同第1670720号、同第1934763号、同第1954093号、同第3437635号、米国特許第4614785号)、例えばアルキル化剤(例えばジメチルスルフェート、メチルトルエンスルホネート)、有機または無機パーオキシド、酸塩化物およびまたは硫黄を含み、これらは、適切な場合に温度を上昇させて触媒と反応させられる(変法A、実施例1〜6も参照)。
変法Aに従い反応混合物を失活させた後、未反応モノマーおよび/または失活触媒を分離することができる。
触媒が分離されるのと同時に、またはその後に、未反応残留モノマーを、変法Bに従い処理される反応混合物から分離することができる。
変法Bに従い反応を停止させるために、蒸留により触媒を除去することが好ましく、その場合で、適切な場合に同時に未反応モノマーを除去することができる。
例えば粉末塗料分野のための、例えばNCOブロック化生成物または低NCO若しくはNCO無含有ポリウレトジオン硬化剤にさらに加工するために重要であるように、本発明に従い製造されるポリイソシアネートがなお遊離未反応モノマーを含有することが予定される場合、反応停止後にモノマーを分離せずに済ませることができる(変法AおよびB)。
さらに本発明の方法において、ポリイソシアネート化学において通例の安定剤および添加剤を、あらゆる所望の時点で添加することができる。その例は、酸化防止剤、例えば立体障害フェノール(2,6-ジ-t-ブチルフェノール、4-メチル-2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、光安定剤、例えばHALSアミン、トリアゾールなど、弱酸、またはNCO-OH反応のための触媒、例えばジブチルスズジラウレート(DBTL)である。
低モノマー形態において、即ち未反応モノマーの除去後に、本発明の生成物は、NCO含有量<27.3質量%、好ましくは<25質量%を有する。
同様に特に好ましいことは、相対的に高粘度のポリイソシアネート樹脂の粘度を減少させるための反応性希釈剤としての、本発明の方法に従い製造され、任意に枝分かれしている線状脂肪族イソシアネートを基礎とするポリイソシアネートの使用である。
好ましくは、ポリウレタン化学において自体既知の1種またはそれ以上のイソシアネート反応性結合剤、例えばポリヒドロキシ化合物またはポリアミンを使用する。ポリヒドロキシ化合物として、ポリエステル-、ポリエーテル-、ポリアクリレート-および/またはポリカルボン酸-ポリオールを、適切な場合に低分子量多価アルコールも添加して、使用することが特に好ましい。
過剰のイソシアネート反応性結合剤を使用することが可能である。なぜなら適切な場合に高温および/または触媒添加によるウレトジオン環の開裂は、さらなるNCO基の遊離を導き、これらは、過剰のイソシアネート反応性官能基と反応することができるからである。結果として、形成ポリマーの網状組織密度が向上し、その特性が有利に影響を受ける。
適当な溶媒は、自体既知のあらゆる通例のペイント溶剤、例えば酢酸エチルおよびブチル、エチレンまたはプロピレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノプロピルエーテルアセテート、2-ブタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレンソルベントナフサ、N-メチルピロリドンなどを含む。
適当な基材は、建設のあらゆる既知の物質、特に金属、木材、プラスチックおよびセラミックを含む。
1.直接リンと結合している二環式の脂環式基少なくとも1つを有するホスフィンの存在下でイソシアネートを反応させることを含む、イソシアネート二量体の製造方法。
2.a)NCO官能価≧2を有する少なくとも1種の有機イソシアネート、
b)直接リンと結合している二環式の脂環式基少なくとも1つを有する少なくとも1種のホスフィンを含む触媒、および
c)任意に溶媒
を含む混合物を反応させることを含む、イソシアネート二量体の製造方法。
3.二量化を、0〜150℃の温度でNCO基の転化率5〜90%まで行い、その後に停止させる、上記2項に記載のイソシアネート二量体の製造方法。
4.成分a)が、NCO官能価≧2を有する脂肪族、脂環式、または芳香脂肪族のジ-またはポリイソシアネートを含む上記2項に記載のイソシアネート二量体の製造方法。
5.上記2項に記載の方法により得られたポリイソシアネート組成物。
6.上記5項に記載のポリイソシアネート組成物、および酸化防止剤、光安定剤、顔料、フィラー、添加剤、レベリング助剤、脱泡剤および艶消剤からなる群から選ばれる1種またはそれ以上の物質を含む、成形品、塗料物質、接着剤、シーラントまたはアジュバント。
7.上記6項に記載の塗料物質、接着剤またはシーラントで被覆された基材。
8.混合物が、酸化防止剤、光安定剤およびNCO-OH反応のための触媒からなる群から選ばれる1種またはそれ以上の添加剤をさらに含む上記2項に記載の方法。
9.成分a)が、NCO官能価≧2を有する脂肪族、脂環式、または芳香脂肪族のジ-またはポリイソシアネートを含む上記3項に記載のイソシアネート二量体の製造方法。
10.上記3項に記載の方法により得られたポリイソシアネート組成物。
11.上記10項に記載のポリイソシアネート組成物、および酸化防止剤、光安定剤、顔料、フィラー、添加剤、レべリング助剤、脱泡剤および艶消剤からなる群から選ばれる1種またはそれ以上の物質を含む、成形品、塗料物質、接着剤、シーラントまたはアジュバント。
12.上記11項に記載の塗料物質、接着剤またはシーラントで被覆された基材。
13.上記4項に記載の方法により得られたポリイソシアネート組成物。
14.上記13項に記載のポリイソシアネート組成物、および酸化防止剤、光安定剤、顔料、フィラー、添加剤、レベリング助剤、脱泡剤および艶消剤からなる群から選ばれる1種またはそれ以上の物質を含む、成形品、塗料物質、接着剤、シーラントまたはアジュバント。
15.上記14項に記載の塗料物質、接着剤またはシーラントで被覆された基材。
本発明の実施例および比較例で記載した樹脂のNCO含有量の測定を、DIN 53 185 に従う滴定により行った。
動的粘度を、23℃で、Haake、カールスルーエ、ドイツからの VT 550 粘度計を使用して測定した。測定を、本発明に従い製造した記載ポリイソシアネートのレオロジーおよび比較生成物のものが、理想ニュートン流体のものに相当することを確保するために、異なる剪断速度で行った。従って剪断速度を述べる必要はない。
13C-NMR測定を、Bruker、カールスルーエ、ドイツからの装置 DPX 400、AVC 400 または DRX 700 で、乾燥CDCl3中の約50%試料またはD6-DMSO中の約80%試料に対して行った(13C-NMR:100または176MHz、緩和時間:4秒、少なくとも2000回のスキャン)。ppmスケールのために選択した基準は、対応する溶媒中の少量のトリメチルシラン(δ=0ppm)または溶媒自体(δ=77.0ppm(CDCl3)またはδ=43.5ppm(D6-DMSO))を含んだ。
全ての反応を、乾燥窒素雰囲気下で行った。
1.5Lの攪拌オートクレーブに、室温および窒素下でトルエン中50%濃度のノルボルニルホスフィン溶液(Cytec Canada Inc.、オンタリオ、カナダ)108g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3.2gおよびトルエン25mlを装填した。次いでエチレン32gを供給し、混合物を攪拌しながら80℃に加熱した。圧力が、開始時の30barから13barに3時間で低下した後、オートクレーブを室温に冷却し、緩めた。次いでさらにトルエン40mlの溶液中のAIBN 1.6gおよびエチレン32gを添加し、混合物を、攪拌しながら70℃で5時間加熱した。次いで反応混合物を、高減圧下で蒸留により処理し、nbPEt2 52g(理論の95%、沸点:0.006mbarで52〜54℃)を生じた。
新たに脱気したHDIの一部10gを、窒素下、隔膜で封止したガラス容器内で表1〜6に示した量の表中で明記した触媒の存在下において、開始温度で磁気攪拌機コアを使用して攪拌し、反応経過を、定期的な間隔で、反応混合物の屈折率(20℃およびナトリウムスペクトルのD線の光周波数、nD 20)を測定することにより検査した(開始時=未転化=純粋HDIのnD 20=1.4523)。
転化率(%)=19.849×nD 20−28.742
に挿入し、転化率を計算した。
触媒:nbPEt2(HDIを基準に1モル%);反応温度:30℃
30℃で外部循環により状態調節され、攪拌機、内部ガス装置(窒素/減圧)に接続した還流冷却器、および温度計を取り付けた、平らなすり合せを有するジャケット付き容器に、HDI 1050gを装填し、脱気した。窒素でガスシールした後、nbPEt2 11.6gを供給し、攪拌を、30℃で表7に示す時間行った。混合物の屈折率(nD 20)は1.4671に上昇した。次いで反応混合物を、あらかじめホスフィンを失活させずに処理した。処理を、上流に接続したプレエバポレーターを有するフラッシュエバポレーター(FE)型の薄膜エバポレーター内での減圧蒸留により行い(蒸留データ:圧力:0.08mbar、PE温度:120℃、ME温度:150℃、蒸留時間:1時間)、未反応モノマーを、活性触媒と共に留出物として分離し、ウレトジオン基含有ポリイソシアネート樹脂を底部生成物として分離した(開始実験:実施例7-0)。
この手順を、合計18回(実施例7-R)まで繰り返した。
粗生成物の屈折率と現実の樹脂収率(=HDI転化率)とを相関させることにより、較正曲線をプロットし(図2)、これを、実施例1〜6で行ったより小規模の実験の収率を計算するために使用した(実施例1〜6参照)。
触媒:シクロ-Hex-P-n-Hex2(HDIを基準に0.2モル%);反応温度:40℃
使用した触媒が、シクロヘキシル-ジ-n-ヘキシルホスフィン3.6gであったこと以外は、実施例7のものと同様の手順を行った。実験データを表8に示す。
シクロへキシル-ジ-n-ヘキシルホスフィンの、ノルボルニルジエチルホスフィンと比べて有意に低い有効寿命は、図1および3の比較から非常に明白である。
触媒:nb2PEt(HDIを基準に2.5モル%);反応温度:30℃
使用した触媒が、nb2PEtであったこと以外は、実施例7のものと同様の手順を行った。データを表9に示す。
Claims (2)
- 直接リンと結合している二環式の脂環式基少なくとも1つを有するホスフィンの存在下でイソシアネートを反応させることを含む、イソシアネート二量体の製造方法。
- a)NCO官能価≧2を有する少なくとも1種の有機イソシアネート、
b)直接リンと結合している二環式の脂環式基少なくとも1つを有する少なくとも1種のホスフィンを含む触媒、および
c)任意に溶媒
を含む混合物を反応させることを含む、イソシアネート二量体の製造方法。
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