JP2005153319A - ポリエステルフィルム被覆金属板及び金属缶 - Google Patents

ポリエステルフィルム被覆金属板及び金属缶 Download PDF

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芳輝 近藤
Yukihiro Takao
幸博 高尾
Junji Matsumura
淳治 松村
Tomohiko Hayashi
知彦 林
Kuniharu Mori
邦治 森
Hirohisa Fujita
裕久 藤田
Hideto Ohashi
英人 大橋
Tsutomu Isaka
勤 井坂
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Abstract

【課題】
本発明の目的は、製缶性(例えば、絞り・しごき加工性)が良好であるポリエステルフィルム被覆金属板を提供することであり、更に、該ポリエステルフィルム被覆金属板を成形することで、加熱殺菌処理や蒸気殺菌処理を経てもフィルムが白化することがなく、良好な印刷外観を保持できる金属缶を提供することである。
【解決手段】
本発明のポリエステルフィルム被覆金属板は、エチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとの混合比が60:40〜30:70重量%のポリエステルからなる混合ポリエステルフィルムを金属板に被覆させたポリエステル被覆金属板であって、該金属板上の該ポリエステルフィルム表面の微小突起の平均高さが5〜100nmであり、かつ反射赤外分光法による吸収ピ−ク比A(1340cm−1/1580cm−1)が0.15〜1.50であり、吸収ピ−ク比B(1388cm−1/1580cm−1)が3.50以下であることを特徴とする。又、上記ポリエステルフィルム被覆金属板を成形することで本発明のポリエステルフィルム被覆金属缶を得ることができる。
【選択図】
なし。

Description

本発明はポリエステルフィルム被覆金属板、およびポリエステルフィルム被覆金属板を成形加工して得られる、清涼飲料、ビール、缶詰等に用いられるポリエステルフィルム被覆金属缶に関するものである。
本発明は、又、成形性、製缶性(例えば、絞り・しごき加工性)に優れたポリエステルフィルム被覆金属板に関するものであり、更に、成形加工して得られる缶は耐食性に優れているため内容物の保存性に優れ、また、内容物を充填・密封した後に施されるレトルト殺菌処理と言った熱水処理やパストロ殺菌処理と言った温水処理が施された後にも缶の外面フィルムは透明感を失わない(白化しない)印刷外観の保持性に優れたポリエステルフィルム被覆金属缶に関するものである。
金属缶の場合、缶内面は内容物による腐食防止の点から塗装が、一方缶外面は内容物の提示や商標デザインの提示等の点から塗装・印刷が施されていた。こうした塗装はエポキシ系、フェノール系と言った各種の熱硬化性塗料は、樹脂を有機溶剤に溶解したものや分散させたものを塗布・乾燥して金属を被覆するもので広く使用されていた。しかしながら、こうした熱硬化性樹脂の被覆方法は、乾燥時間が長くかかり生産性が低下したり、多量の有機溶剤による環境汚染など、種々の問題を発生させることが多い、といった欠点があった。
こうした欠点を解決するため、ポリエステルフィルムを金属板に被覆したポリエステルフィルム被覆金属板が開示されている。
例えば、特許文献1では、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートからなる二軸配向ポリエステルフィルムをポリエステルの融点未満の温度で金属板に被覆したポリエステルフィルム被覆金属板が開示されている。
又、特許文献2では、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートからなり、且つ融点と融解熱及び面配向度をある特定範囲に調整したポリエステルフィルムを融点未満の温度で金属板に被覆したポリエステルフィルム被覆金属板が開示されている。
しかしながら、これらのポリエステルフィルム被覆金属板を絞り・しごき加工により金属缶を得ようとした場合、ポリエステルフィルムの密着不良および/または延展性不良に起因したフィルム破れが発生し易いという欠点があった。
かかる欠点を解決するため、金属板の片面にポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステルに酸化チタンを含有させたポリエステルからなる二軸延伸フィルム、もう一方の面にポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとポリブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルをブレンドしたポリエステルよりなる二軸延伸フィルムを、それぞれポリエステルの融点以上の温度で金属板の両面に被覆したポリエステルフィルム被覆金属板が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
又、特許文献4では、エチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルをブレンドしてなる二軸延伸フィルムを金属板に融点未満の温度で被覆した後、該被覆金属板を融点以上(例えば、融点+15℃)に再加熱後、水冷して得たポリエステルフィルム被覆金属板が開示されている。
更に、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートをブレンドしたポリエステルよりなる未配向フィルムを金属板にポリエステルの融点以上の温度で被覆した未配向のポリエステルフィルム被覆金属板が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、これらのポリエステルフィルム被覆金属板を絞り・しごき加工により金属缶を得ようとした場合、缶外面側では、成形金型のダイスとの作用によりカジリと呼ばれる、缶の縦方向にフィルムが削られた疵が入り易く、また缶内面側では、ストリップアウト不良と呼ばれる成形金型のパンチ抜け性(パンチ離型性)不良が発生し易い、と言った成形性が劣る欠点があり、未だ満足されるものではなかった。
特開平6−155660号公報 特開平10−110046号公報 特開平9−323379号公報 特開2002−348387号公報 特開2001−1447号公報
本発明は前記従来技術の問題点を解消することを目的とするものである。即ち、製缶性(例えば、絞り・しごき加工性)が良好であるポリエステルフィルム被覆金属板を提供すること、更に、該ポリエステルフィルム被覆金属板を成形して得られる金属缶が、内容物を充填・密封した後に施される、パストロ処理と言った加熱殺菌処理やレトルト処理と言った蒸気殺菌処理を経ても、フィルムが全面に白化することや水玉模様状に白化することがなく、良好な印刷外観を保持できる金属缶を提供することを目的とするものである。
本願の第1の発明は、エチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとの混合比が60:40〜30:70重量%のポリエステルからなる混合ポリエステルフィルムを金属板に被覆させたポリエステル被覆金属板であって、該金属板上の該ポリエステルフィルム表面の微小突起の平均高さが5〜100nmであり、かつ反射赤外分光法による吸収ピ−ク比A(1340cm−1/1580cm−1)が0.15〜1.50であり、吸収ピ−ク比B(1388cm−1/1580cm−1)が3.50以下であることを特徴とするポリエステルフィルム被覆金属板である。
本願の第2の発明は、請求項1に記載のポリエステルフィルム被覆金属板を成形して得られる金属缶であって、該金属缶上の該ポリエステルフィルム表面の微小突起の平均高さが150nm以下であり、反射赤外分光法による吸収ピ−ク比A(1340cm−1/1580cm−1)が2.00以下であり、吸収ピ−ク比B(1388cm−1/1580cm−1)が3.50以下であることを特徴とする金属缶である。
本発明のポリエステルフィルム被覆金属板は、外観と製缶性(特に、缶内面樹脂の加工パンチの離型性と缶外面樹脂の耐カジリ性)に優れ、さらに、本発明のポリエステルフィルム被覆金属板を成形して得られる金属缶は、内容物を充填・密封した後に実施される温水殺菌処理やレトルト殺菌処理で金属缶の外観不良が発生しにくい(耐温水白化性や耐レトルト白化性に優れる)といった優れた特性を有している。
従って、極めて有用なポリエステルフィルム被覆金属板であり、且つ、極めて有用なポリエステルフィルム被覆金属缶である。
まず、本発明に適用されるポリエステルフィルムについて述べる。
本発明で使用されるポリエステルフィルムは、エチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとの混合比が60:40〜30:70重量%の混合ポリエステルである。
エチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとの混合比が60:40〜30:70重量%の範囲外であれば、製缶性と内容物を充填・密封した後に施される殺菌処理時に白化の問題が生じる。
エチレンテレフタレートを主体とするポリエステルが、重量%で60%を超えると、内容物がポリエステルフィルム被覆金属板を成形して得られる金属缶に充填・密封した後に施されるレトルト殺菌処理と言った熱水処理やパストロ殺菌処理と言った温水処理で金属缶に被覆されたポリエステルフィルムの白化現象が起こり、特に缶外面の印刷外観を損ねるため、好ましくない。
一方、ブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルが重量%で70%を超えると、製缶性、特に缶外面側の被覆されたポリエステルフィルムが、しごき加工で缶高さ方向に縦疵が入る現象(カジリと呼ばれている)が起こり、印刷外観を損ねるため製品にならないため、好ましくない。
カジリは、特にしごき加工の加工度が高くなると発生しやすく、生産歩留まりが低下するだけでなく、場合によっては製造ラインをストップして金型の手入れを行う必要があり、生産性を著しく低下させる原因となる。
本発明ではエチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルの混合ポリエステルの特性を損なわない範囲でテレフタル酸以外のジカルボン酸成分とエチレングリコール及びブタンジオール以外のグリコール成分を使用できる。例えば、ジカルボン酸として、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボ酸、マレイン酸、フマル酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、P−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸が使用できる。又、エチレングリコール及びブタンジオール以外の成分として、プロパンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコールが使用できる。
本発明における混合ポリエステルには、必要に応じて酸化防止剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、帯電防止剤、潤滑剤、結晶核剤、無機又は有機粒子よりなる滑剤等を配合させてもよい。
本発明における混合ポリエステルの製造方法については特に限定しない。即ち、エステル交換法、又は直接重合法のいずれの方法で製造されたものであっても使用できる。又、分子量を高めるために固相重合法で製造されたものであってもかまわない。更に、缶に内容物を充填・密封した後に実施されるレトルト殺菌処理、パストロ殺菌処理等でのポリエステル樹脂からの溶出オリゴマー量を少なくする点から、減圧固相重合法で製造されたオリゴマー含有量が低いポリエステルを使用することは好ましい。
本発明のポリエステルフィルムの融点は180℃以上であることが製缶性(絞り・しごき加工において、缶内面側の樹脂ではポンチの離型性の確保、缶外面側の樹脂ではカジリ抑制)から好ましい。
本発明では、金属板に被覆されたポリエステル表面の微小突起が5〜100nmであり、且つ、反射赤外分光法による吸収ピーク比A(1340cm−1と1580cm−1との吸収ピーク比:1340cm−1/1580cm−1)が0.15〜1.50であり、吸収ピ−ク比B(1388cm−1と1580cm−1との吸収ピーク比:1388cm−1/1580cm−1)が3.50以下であることが製缶性を確保する上で必要である。
微小突起が5nm未満の場合、絞り・しごき加工において、缶外面側の樹脂でカジリが発生し、逆に、微小突起が100nmを超える場合、ポリエステルの延展性が悪くフィルム破れが発生するため、好ましくない。
前述した吸収ピーク比A、及び吸収ピ−ク比Bは、それぞれポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートの結晶化度を示す指標である。
吸収ピーク比Aが0.15未満の場合、絞り・しごき加工において、缶外面側の樹脂でカジリが発生し、逆に1.50を超える場合、または吸収ピーク比Bが3.50を超える場合、ポリエステルの延展性が悪くフィルム破れが発生するため、好ましくない。
本発明ではポリエステルフィルム被覆金属板の微小突起及び吸収ピーク比Aと吸収ピーク比Bを所定の範囲に制御する方法としては例えば、下記の方法等が採用できる。
ポリエステルフィルムを金属板に被覆した後、ポリエステルフィルム被覆金属板をポリエステルフィルムの融点+10℃以上の温度に到達するまで加熱した後、ポリエステル表面での熱伝達係数が0.0005〜0.005cal/cm・sec・℃の条件で金属板の温度が50℃以下になるよう気体を吹き付けて冷却する手段、または気体中で3〜15秒経過した時点から直ちに水中に浸漬して金属板の温度が50℃以下となるように冷却する等の手段によって達成される。
本発明の金属缶では、少なくとも缶の外面側の印刷・塗装が施される缶胴部に被覆されたポリエステルフィルム表面は、微小突起の平均高さが150nm以下であり、且つ反射赤外分光法による吸収ピーク比A(1340cm−1/1580cm−1)が2.00以下であり、吸収ピ−ク比B(1388cm−1/1580cm−1)が3.50以下であることが金属缶外面の美しさを確保する点で必要である。
微小突起が150nmを超える場合、および吸収ピーク比Aが2.00を超える場合、および吸収ピーク比Bが3.50を超える場合、缶に被覆されたポリエステルフィルムが白化し、全面印刷を施さない用途(金属地肌の光沢が要求される用途)では商品価値が低下するからである。
本発明では、金属缶に被覆されているポリエステルフィルム表面の微小突起および吸収ピーク比Aと吸収ピーク比Bを所定の範囲に制御するためには例えば下記の方法による。
金属缶の板の温度をポリエステルフィルムの融点+10℃以上の温度に到達するまで加熱した後、ポリエステルフィルム表面での平均熱伝達係数が0.0005cal/cm・sec・℃以上の条件で金属缶の板温度が50℃以下となるように気体を吹き付けて冷却する等の手段によって達成される。
缶に被覆されているポリエステルフィルムの加熱・冷却する工程としては、例えば
(1)絞り・しごき加工で得られた金属缶の開口部をトリミングする前に脱脂剤で潤滑剤を脱脂後、少なくともトリミングされる開口部を加熱して密着性を回復させる、
(2)絞り・しごき加工で得られた金属缶を加熱して潤滑剤を揮散させると同時に密着性を回復させる、
(3)トリミング後、シームレス缶であればネック・フランジ加工前に、再栓可能なボトル型缶であればネジ切り加工前に、少なくとも加工該当個所を加熱し非晶質にする、
等の工程によって行うことが可能である。どの工程で、どのような手段で行うかは、設備との関係で適宜選択することができる。
金属缶の加熱方法としては電気炉中で加熱する方法、熱風による加熱方法、高周波で誘導加熱する方法、等の加熱方法が採用できる。
従って、金属缶の外面に施す塗装・印刷工程の熱を利用して金属缶を加熱することも可能である。
又、冷却(急冷)する方法としては加圧空気(または圧縮空気)や冷却された加圧空気(または圧縮空気)を吹きかけて冷却する方法等が採用できる。また状況によっては水等に浸漬して冷却する方法も可能である。
本発明で使用するポリエステルフィルムを形成する方法は、公知の方法を使用できる。
例えば、ポリエステルを公知の一軸又は二軸押出機内で溶融させた後、Tダイから層状に押出した溶融樹脂膜を冷却ロールで固化させる。溶融樹脂を冷却ロールに接触させる際、強制的にエア−を吹き付ける方法又は静電気で密着させる方法を採用することが好ましい。また、強制エア−吹き付け法、静電密着法のいずれにおいても層状樹脂の両端部と中央部を独立させて実施する方法がより好ましい。更に、溶融樹脂が冷却ロールに接触する際、反対側を減圧にして随伴流を低下させる方策(例えば、バキュームチャンバー、バキュームボックス等の装置)を併用することがより好ましい。
本発明では冷却固化させた後巻き取った未延伸フィルム、冷却固化させた膜を延伸したフィルム(縦一軸延伸フィルム、横一軸延伸フィルム、逐次二軸延伸フィルム、同時二軸延伸フィルム等)のいずれも使用できる。
延伸条件としては、ポリエステルのガラス転移温度以上で所定の方向に1.3〜6.0倍延伸することが好ましい。また、延伸フィルムの場合、必要に応じて緊張下で50℃以上かつポリエステルの融点−20℃の温度で1〜20秒間熱処理してフィルムの延伸方向の熱収縮をコントロールしてもよい。
本発明では金属板として、ティンフリースチール等の表面処理鋼板、あるいはアルミニウム板またはアルミニウム合金板、あるいは表面処理を施したアルミニウム板またはアルミニウム合金板が使用できる。
用いられる鋼板としては、板厚や引張破断強度等の機械的特性は特に限定されるものではなく、通常製缶用鋼板として使用されているもの、具体的には絞り缶用、絞り・しごき缶用、蓋用のそれぞれの用途に用いられている鋼板等や、鋼板表面に施される表面処理、通称TFS−CTと呼ばれている電解クロム酸処理鋼板、Niめっき皮膜の上層に電解クロム酸処理を施した鋼板、等が挙げられる。
用いられるアルミニウム板やアルミニウム合金板としては、板厚や引張破断強度等の機械的特性は特に限定されるものではなく、通常製缶用アルミニウム板として使用されているもの、具体的には絞り・しごき缶用、蓋用のそれぞれの用途に用いられているアルミニウム板等や、アルミニウム板やアルミニウム合金板の表面処理された、リン酸クロム処理やその他の化成処理が施されたアルミニウム板やアルミニウム合金板が挙げられる。
これらの金属板をポリエステルの融点−20℃以上から融点+150℃に加熱した後、被覆ロールを使用してポリエステルフィルムを金属板の片面または両面に同時被覆または逐次被覆し、引き続いてこの被覆金属板を前記の熱処理および冷却処理して本発明のポリエステルフィルム被覆金属板を得る。次いで、製缶して得た缶を前記の熱処理および冷却処理して本発明の金属缶を得る。
以下、実施例にて、本発明の方法の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、実施例1〜7、比較例1〜7で得られたもので行った評価法は以下の通りである。
(1)ポリエステルフィルムの融点(Tm)
ポリエステルフィルム10mgを用い、窒素気流中、示差走査熱量計(DSC)で、10℃/分の昇温速度で発熱・吸熱曲線(DSC曲線)を測定したときの、融解に伴う吸熱ピークの頂点温度を融点Tm(℃)とした。
(2)ポリエステルの極限粘度(IV)
オルトクロルフェノール溶液中25℃で測定した値(dl/g)である。
(3)ポリエステルフィルム被覆金属板の形成方法
250℃に加熱したアルミニウム合金板(厚み:0.26mmの3004系合金板)の両面にポリエステルフィルムを同時に被覆した後、ポリエステルフィルム被覆金属板の板温が272℃に到達するまで加熱した後、実施例または比較例に記載した条件で冷却して被覆アルミニウム板を得た。
(4)缶内面樹脂と加工パンチの離型性
被覆金属板を絞り加工によりカップに成形した後、80缶/分の速度で絞り・しごき加工によってn=100缶成形し、成形缶上部に起こる缶の坐屈程度を観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○は実用性ありと評価した。
○:缶開口部の坐屈未発生
△:開口部円周の1/3程度坐屈
×:開口部円周の1/3以上坐屈
(5)缶外面の耐カジリ性
被覆金属板を絞り加工によりカップに成形した後、80缶/分の速度で絞り・しごき加工によってn=100缶成形し、成形した缶の缶壁部における外面樹脂の疵発生程度を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○は実用性ありと評価した。
○:疵未発生
△:外面の約1/3に疵発生
×:外面の1/3以上に激しい疵発生
(6)微小突起の平均高さ
三次元非接触表面形状計測システム(Micromap、菱化システム社製)により計測した表面粗さプロフィールにおいて、測定間隔331μm中の高さ最大の突起から10番目の突起までの平均突起高さを計算した。
(7)反射赤外分光法による吸収ピーク比
FT−IR(FTS7000e、Digilab社製)及び、1回反射ATR(Thunderdom、Thermo・Spectra−Tech社製)を用いて以下の条件で測定した。
[1]入射角:45°
[2]IRE:Ge
[3]分解能:4cm−1
[4]積算回数:128回
吸収ピ−ク比A及び吸収ピ−ク比Bは以下の方法で算出した。
1580cm−1ピーク高さ:1580cm−1付近のピーク頂点から、1600cm−1及び1560cm−1付近のピーク谷間を結ぶ直線上へ鉛直に下ろした直線の長さを1580cm−1ピークとした。
1340cm−1ピーク高さ:1340cm−1付近のピーク頂点から、1350cm−1及び1330cm−1付近のピーク谷間を結ぶ直線上へ鉛直に下ろした直線の長さを1340cm−1ピークとした。
1388cm−1ピーク高さ:1388cm−1付近のピーク頂点から、1430cm−1及び1360cm−1付近のピーク谷間を結ぶ直線上へ鉛直に下ろした直線の長さを1388cm−1ピークとした。
吸収ピーク比は以下の式に従って導いた。
吸収ピーク比A=1340cm−1ピーク高さ/1580cm−1ピーク高さ
吸収ピーク比B=1388cm−1ピーク高さ/1580cm−1ピーク高さ
(8)金属缶の外観評価
被覆金属板を成形して得た缶を275℃で40秒間加熱した後、実施例又は比較例の条件で冷却して得た金属缶を目視観察した。評価基準は以下の通り設定し、○を実用性ありと評価した。
○:白化が目立たない
×:白化により金属板の色調が見えない。
(9)耐レトルト白化性
金属板を125℃で25分間レトルト処理を行い、白化程度を目視観察した。評価基準は以下の通り設定し、○を実用性ありと評価した。
○:白化が目立たない
△:白化はしているが金属板の色調が見える。
×:白化により金属板の色調が見えない。
なお、実施例及び比較例に用いたポリエステルの略号と内容は次の通りである。
[1]PET :ポリエチレンテレフタレート(IV:0.75)
[2]PBT :ポリブチレンテレフタレート(IV:1.20)
[3]PET−I:ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート(エチレンイソフタレート/5モル%、IV:0.75)
[4]PES :テレフタル酸とエチレングリコール/ネオペンチルグリコール(70/30モル%)との共重合ポリエステル(IV:0.72)
[実施例1]
ポリエステルフィルムの原料としてPET/PBT=40/60重量%の混合比で混合した混合ポリエステルを280℃で溶融させ、Tダイを用いて冷却ロールへ層状にキャストして冷却固化させた後、予熱温度65℃、延伸温度100℃で縦方向に3.0倍延伸し、次いで予熱温度65℃、延伸温度100℃で横方向に3.0倍延伸した後、両端部を切断除去して二軸延伸ポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μm)を得た。
こうして得たフィルムを、加熱ロール(ジャケットロール)で245℃に加熱された、板厚0.28mmの3004系アルミニウム合金板の両面に、前記の16μm及び25μmフィルムをそれぞれロール圧着させて得た被覆板を、次いで板温が270℃になるように熱風炉中で加熱した後、平均熱伝達係数0.0030cal/cm・sec・℃の条件で板温として30℃まで加圧空気を吹き付けて冷却して被覆アルミニウム板を得た。
こうして得た被覆アルミニウム合金板の両面に潤滑剤を塗布後、加熱して板温70℃で25μm面が缶の内面となるように絞り加工を行った。次いで、得られたカップを90缶/分の加工速度で再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350mlサイズのシームレス缶を製缶した。
次いで、開口部をトリミングした後、缶の金属板温度が275℃になるまで熱風炉中で加熱し、次いで平均熱伝達係数0.0015cal/cm・sec・℃の条件で加圧空気を吹き付けて冷却した。
ポリエステルフィルムの融点、被覆金属板及び金属缶でのポリエステルフィルムの微小突起、反射赤外分光法による吸収ピーク比、製缶性(缶内面側はフィルムとパンチの離型性、缶外面側はフィルムの耐カジリ性)、金属缶の外観、耐レトルト白化性等は表1−1に示した。
表1−1から分かるように、実施例1の方法では、外観と製缶性に優れたポリエステルフィルム被覆金属板と外観に優れた金属缶が得られ、且つ得られた金属缶は耐レトルト白化性にも優れている。
[実施例2]
ポリエステルフィルムの原料としてPET/PBT=50/50重量%の混合比で混合した混合ポリエステルを用いた以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μm)を得た。次いで、実施例1と同様にして被覆アルミニウム板と金属缶を得た。
ポリエステルフィルムの融点、被覆金属板及び金属缶でのポリエステルフィルムの微小突起、反射赤外分光法による吸収ピーク比、製缶性(缶内面側はフィルムとパンチの離型性、缶外面側はフィルムの耐カジリ性)、金属缶の外観、耐レトルト白化性等は表1−1に示した。
表1−1から分かるように、実施例2の方法では、外観と製缶性に優れたポリエステルフィルム被覆金属板と外観に優れた金属缶が得られ、且つ得られた金属缶は耐レトルト白化性にも優れている。
[実施例3]
ポリエステルフィルムの原料としてPET−I/PBT=40/60重量%の混合比で混合した混合ポリエステルを用いた以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μm)を得た。次いで、実施例1と同様にして被覆アルミニウム板と金属缶を得た。
ポリエステルフィルムの融点、被覆金属板及び金属缶でのポリエステルフィルムの微小突起、反射赤外分光法による吸収ピーク比、製缶性(缶内面側はフィルムとパンチの離型性、缶外面側はフィルムの耐カジリ性)、金属缶の外観、耐レトルト白化性等は表1−1に示した。
表1−1から分かるように、実施例3の方法では、外観と製缶性に優れたポリエステルフィルム被覆金属板と外観に優れた金属缶が得られ、且つ得られた金属缶は耐レトルト白化性にも優れている。
[実施例4]
ポリエステルフィルムの原料としてPET/PBT=40/60重量%の混合比で混合した混合ポリエステルを280℃で溶融させ、Tダイを用いて冷却ロールへ層状にキャストして冷却固化させた後、予熱温度65℃、延伸温度100℃で縦方向に4.0倍延伸した後、両端部を切断除去して一軸延伸ポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μm)を得た。
こうして得られたフィルムを、実施例1の手順に従って板温が245℃に加熱された板厚0.28mmの3004系アルミニウム合金板の両面に前記の16μm及び25μmのフィルムをそれぞれロール圧着させて被覆板を得た。次いで、板温が270℃になるように熱風炉中で加熱した後、平均熱伝達係数0.0007cal/cm・sec・℃の条件で板温として30℃まで加圧空気を吹き付けて冷却して被覆アルミニウム板を得た。次いで、実施例1と同様にして金属缶を得た。
ポリエステルフィルムの融点、被覆金属板及び金属缶でのポリエステルフィルムの微小突起、反射赤外分光法による吸収ピーク比、製缶性(缶内面側はフィルムとパンチの離型性、缶外面側はフィルムの耐カジリ性)、金属缶の外観、耐レトルト白化性等は表1−1に示した。
表1−1から分かるように、実施例4の方法では、外観と製缶性に優れたポリエステルフィルム被覆金属板と外観に優れた金属缶が得られ、且つ得られた金属缶は耐レトルト白化性にも優れている。
[実施例5]
ポリエステルフィルムの原料としてPET/PBT=40/60重量%の混合比で混合した混合ポリエステルを280℃で溶融させ、Tダイを用いて冷却ロールへ層状にキャストして冷却固化させた後、両端部を切断除去して未延伸ポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μm)を得た。次いで、実施例1と同様にして被覆アルミニウム板と金属缶を得た。
ポリエステルフィルムの融点、被覆金属板及び金属缶でのポリエステルフィルムの微小突起、反射赤外分光法による吸収ピーク比、製缶性(缶内面側はフィルムとパンチの離型性、缶外面側はフィルムの耐カジリ性)、金属缶の外観、耐レトルト白化性等は表1−1に示した。
表1−1から分かるように、実施例5の方法では、外観と製缶性に優れたポリエステルフィルム被覆金属板と外観に優れた金属缶が得られ、且つ得られた金属缶は耐レトルト白化性にも優れている。
[実施例6]
実施例1で得られた二軸延伸ポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μm)を、実施例1の手順に従って、加熱ロール(ジャケットロール)で250℃に加熱された、板厚0.28mmの3004系アルミニウム合金板の両面に、前記の16μm及び25μmフィルムをそれぞれロール圧着させて得た被覆板を、次いで板温が270℃になるように熱風炉中で加熱した後、大気中で10秒経過した時点で25℃の水中で20秒間冷却した以外は実施例1と同様にして被覆アルミニウム板と金属缶を得た。
ポリエステルフィルムの融点、被覆金属板及び金属缶でのポリエステルフィルムの微小突起、反射赤外分光法による吸収ピーク比、製缶性(缶内面側はフィルムとパンチの離型性、缶外面側はフィルムの耐カジリ性)、金属缶の外観、耐レトルト白化性等は表1−1に示した。
表1−1から分かるように、実施例6の方法では、外観と製缶性に優れたポリエステルフィルム被覆金属板と外観に優れた金属缶が得られ、且つ得られた金属缶は耐レトルト白化性にも優れている。
[実施例7]
実施例1で得られたシームレス缶を用いて、開口部をトリミングした後、缶を加熱して、板温度が275℃に到達した後、平均熱伝達係数0.0025cal/cm・sec・℃の条件で板温として30℃まで冷却した以外は実施例1と同様にして金属缶を得た。
金属缶でのポリエステルフィルムの微小突起、反射赤外分光法による吸収ピーク比、金属缶の外観、耐レトルト白化性等は表1−1に示した。
表1−1から分かるように、実施例7の方法では、外観に優れた金属缶が得られ、且つ得られた金属缶は耐レトルト白化性にも優れている。
[比較例1]
ポリエステルフィルムの原料としてPET/PBT=20/80重量%の混合比で混合した混合ポリエステルを用いた以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得ようとしたが、冷却ロール後でフィルムフィルムの両端部が割れることが多く、ポリエステルフィルムを安定して得られなかったため以降の評価は行わなかった。比較例1の方法によるポリエステルフィルムの融点を表1−2に示す。
[比較例2]
ポリエステルフィルムの原料としてPET/PBT=70/30重量%の混合比で混合した混合ポリエステルを用いた以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μm)を得た。次いで、実施例1と同様にして被覆アルミニウム板と金属缶を得た。
ポリエステルフィルムの融点、被覆金属板及び金属缶でのポリエステルフィルムの微小突起、反射赤外分光法による吸収ピーク比、製缶性(缶内面側はフィルムとパンチの離型性、缶外面側はフィルムの耐カジリ性)、金属缶の外観、耐レトルト白化性等は表1−2に示した。
表1−2から分かるように、比較例2の方法では、外観と製缶性に優れたポリエステルフィルム被覆金属板と外観に優れた金属缶が得られるが、得られた金属缶は耐レトルト白化性が劣るため好ましくない。
[比較例3]
ポリエステルフィルムの原料としてPESを用いた以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μm)を得た。
次いで、実施例1と同様にして被覆アルミニウム板と金属缶を得ようとしたが、製缶した際、缶内面樹脂と加工パンチが粘着し缶開口部の全周にわたって挫屈が発生し、さらに缶外面樹脂の全周に疵が発生した。
ポリエステルフィルムの融点、被覆金属板及び金属缶でのポリエステルフィルムの微小突起、反射赤外分光法による吸収ピーク比、製缶性(缶内面側はフィルムとパンチの離型性、缶外面側はフィルムの耐カジリ性)、金属缶の外観、耐レトルト白化性等は表1−2に示した。
表1−2から分かるように、比較例3の方法では、外観に優れたポリエステルフィルム被覆金属板が得られるが、製缶性が劣るためポリエステルフィルム被覆金属板として好ましくない。
[比較例4]
実施例1で得られた二軸延伸ポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μm)を、加熱ロール(ジャケットロール)で250℃に加熱された板厚0.28mmの3004系アルミニウム合金板に、実施例1の手順に従って圧着させ、板温が275℃に到達するまで加熱し、大気中で2分間冷却した以外は実施例1と同様にして被覆アルミニウム板と金属缶を得ようとしたが、製缶の際、缶の内外面でフィルム破れが発生した。
ポリエステルフィルムの融点、被覆金属板及び金属缶でのポリエステルフィルムの微小突起、反射赤外分光法による吸収ピーク比、製缶性(缶内面側はフィルムとパンチの離型性、缶外面側はフィルムの耐カジリ性)、金属缶の外観、耐レトルト白化性等は表1−2に示した。
表1−2から分かるように、比較例4の方法では、外観に優れたポリエステルフィルム被覆金属板が得られるが、製缶性が劣るためポリエステルフィルム被覆金属板として好ましくない。
[比較例5]
実施例1で得られた二軸延伸ポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μm)を、加熱ロール(ジャケットロール)で250℃に加熱された板厚0.28mmの3004系アルミニウム合金板に、実施例1の手順に従って圧着させ、板温が275℃に到達するまで加熱した後、平均熱伝達係数0.007cal/cm・sec・℃の条件で30℃まで冷却した以外は実施例1と同様にして被覆アルミニウム缶を得ようとしたが、製缶の際、缶内面樹脂には問題はなかったが、缶外面樹脂の約1/3に疵が発生した。
ポリエステルフィルムの融点、被覆金属板及び金属缶でのポリエステルフィルムの微小突起、反射赤外分光法による吸収ピーク比、製缶性(缶内面側はフィルムとパンチの離型性、缶外面側はフィルムの耐カジリ性)、金属缶の外観、耐レトルト白化性等は表1−2に示した。
表1−2から分かるように、比較例5の方法では、外観に優れたポリエステルフィルム被覆金属板が得られるが、製缶性が劣るためポリエステルフィルム被覆金属板として好ましくない。
[比較例6]
実施例1で得られた二軸延伸ポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μm)を、加熱ロール(ジャケットロール)で250℃に加熱された板厚0.28mmの3004系アルミニウム合金板に、実施例1の手順に従って圧着させ、板温が275℃に到達するまで加熱した後、大気中で1秒経過した時点で25℃の水中で20秒間冷却した以外は実施例1と同様にして被覆アルミニウム缶を得ようとしたが、製缶の際、缶内面樹脂に問題はなかったが、缶外面樹脂の約1/3に疵が発生した。
ポリエステルフィルムの融点、被覆金属板及び金属缶でのポリエステルフィルムの微小突起、反射赤外分光法による吸収ピーク比、製缶性(缶内面側はフィルムとパンチの離型性、缶外面側はフィルムの耐カジリ性)、金属缶の外観、耐レトルト白化性等は表1−2に示した。
表1−2から分かるように、比較例6の方法では、外観に優れたポリエステルフィルム被覆金属板が得られるが、製缶性が劣るためポリエステルフィルム被覆金属板として好ましくない。
[比較例7]
実施例1で得られたシームレス缶を用いて、開口部をトリミングした後缶を加熱して、板温度が275℃に到達した時点で加熱をやめ、大気中で2分間かけて冷却した以外は実施例1と同様にして金属缶を得ようとしたが、金属缶表面が白化した。
金属缶でのポリエステルフィルムの微小突起、反射赤外分光法による吸収ピーク比、金属缶の外観、耐レトルト白化性等は表1−2に示した。
表1−2から分かるように、比較例7の方法では、金属缶の外観が劣るため好ましくない。


























Figure 2005153319













Figure 2005153319
本発明のポリエステルフィルム被覆金属板は、外観と製缶性(特に、缶内面樹脂の加工パンチの離型性と缶外面樹脂の耐カジリ性)に優れ、さらに、本発明のポリエステルフィルム被覆金属板を成形して得られる金属缶は、内容物を充填・密封した後に実施される温水殺菌処理やレトルト殺菌処理で金属缶の外観不良が発生しにくい(耐温水白化性や耐レトルト白化性に優れる)といった優れた特性を有している。
従って、極めて有用なポリエステルフィルム被覆金属板であり、且つ、極めて有用なポリエステルフィルム被覆金属缶である。

Claims (2)

  1. エチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとの混合比が60:40〜30:70重量%の混合ポリエステルからなるポリエステルフィルムを金属板に被覆させたポリエステル被覆金属板であって、該金属板上の該ポリエステルフィルム表面の微小突起の平均高さが5〜100nmであり、かつ反射赤外分光法による吸収ピ−ク比A(1340cm−1/1580cm−1)が0.15〜1.50であり、吸収ピ−ク比B(1388cm−1/1580cm−1)が3.50以下であることを特徴とするポリエステルフィルム被覆金属板。
  2. 請求項1に記載のポリエステルフィルム被覆金属板を成形して得られる金属缶であって、該金属缶上の該ポリエステルフィルム表面の微小突起の平均高さが150nm以下であり、反射赤外分光法による吸収ピ−ク比A(1340cm−1/1580cm−1)が2.00以下であり、吸収ピ−ク比B(1388cm−1/1580cm−1)が3.50以下であることを特徴とする金属缶。
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