JP2003246918A - ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物

Info

Publication number
JP2003246918A
JP2003246918A JP2002047234A JP2002047234A JP2003246918A JP 2003246918 A JP2003246918 A JP 2003246918A JP 2002047234 A JP2002047234 A JP 2002047234A JP 2002047234 A JP2002047234 A JP 2002047234A JP 2003246918 A JP2003246918 A JP 2003246918A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pbt
crystallinity
resin composition
reaction
ppm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002047234A
Other languages
English (en)
Inventor
Seisuke Tanaka
清介 田中
Hitoshi Iwasaki
等 岩崎
Shuji Ishiwatari
修二 石渡
Hideki Kihara
英樹 木原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2002047234A priority Critical patent/JP2003246918A/ja
Publication of JP2003246918A publication Critical patent/JP2003246918A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 他のポリエステルあるいはポリカーボネート
とのブレンドの結晶性の低下を抑制したポリブチレンテ
レフタレート系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 リン化合物(a)、結晶核剤(b)及び
チタン化合物及びスズ化合物から選ばれる少なくとも一
種(c)を含有し、結晶化度が35%以上であるポリブ
チレンテレフタレート系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気部品、ハウジ
ング用途、包装材料にいたる広い範囲にわたって使用さ
れる樹脂に関し、詳しくは、他のポリエステルあるいは
ポリカーボネートと溶融ブレンドしたときの結晶性の良
好なポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系樹脂、特にテレフタル酸
及びブタンジオールを主たる構成成分とするポリブチレ
ンテレフタレート(PBT)系樹脂は結晶性を有する熱
可塑性樹脂であるため機械的強度、電気的性質、化学的
性質、物理的性質に優れ、エンジニアリングプラスチッ
クとして自動車、電気・電子部品等の広範な用途に使用
されている。また保香性や水蒸気等に対するガスバリア
性にも優れるため、食品、化粧品等の容器、フィルム等
にも使用されている。
【0003】しかしながら、特開平10−110046
号公報に見られるようにPBTをポリエチレンテレフタ
レート(PET)と溶融混練して金属板ラミネート用フ
ィルムに使用する使用法があるが、この場合、ラミネー
ト工程の加熱により表面が溶融し外観不良の起こること
がある。またポリカーボネート(PC)とのアロイを射
出成形する場合、結晶性が低下し成形品の固化に時間を
要すことがある。このような現象はPBTを他のポリエ
ステルあるいはポリカーボネートとブレンドした場合に
結晶性が低下するためと考えられる。
【0004】PBTと他のポリエステル等とのエステル
交換により起こる結晶性の低下を解決するため種々の方
法が提案されている。例えば、特開平10−10191
4号公報では、ポリエステル中の重合触媒によるエステ
ル交換を抑制するため重合末期にリン化合物を添加する
ことが提案されている。また特開2001−72844
号公報では、エステル交換による結晶性の低下を補うた
めタルクをPETとPBTをブレンドする際に添加する
ことが提案されている。しかしこれらの方法では十分な
解決には至らなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、他の
ポリエステル等とブレンドした場合に起こる結晶性の低
下を抑制したPBT系樹脂組成物を開発することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、リ
ン化合物(a)、結晶核剤(b)及びチタン化合物及び
スズ化合物から選ばれる少なくとも一種(c)を含有
し、結晶化度が35%以上であるPBT系樹脂組成物を
提供するものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のPBT系樹脂組成物は、
リン化合物(a)を含有する。このリン化合物(a)は
他のポリエステル等の他の樹脂とのブレンド時の結晶性
の低下を抑制する効果があり、その量はチタン及び/又
はスズ化合物に対して元素量換算のモル比P/M(Pは
リンのモル濃度、Mはチタン及び/又はスズのモル濃度
を示す)が0.4〜30であることが好ましく、さらに
は0.5〜5であることが好ましい。このモル比が0.
4未満ではチタンあるいはスズ化合物の活性が十分に抑
制されず結晶性の改良効果が低く、他方30を超えると
PBT系樹脂組成物の耐加水分解性が低下する場合があ
る。
【0008】リン化合物(a)の種類としてはリン酸、
亜リン酸等の酸性化合物、リン酸トリメチル、リン酸ト
リフェニル等のリン酸エステル、及びこれらのリン酸エ
ステルとエチレングリコールやブタンジオール等のグリ
コールを反応させて得られた化合物、フォスファイト系
化合物、ポリリン酸等の高分子量型の化合物が挙げられ
るが、酸性化合物は樹脂の耐加水分解性を低下させる場
合がある。
【0009】本発明のPBT系樹脂組成物は、結晶核剤
(b)を含有する。この結晶核剤(b)としてはタル
ク、シリカ、炭酸カルシウム等の無機化合物、有機化合
物のカルボン酸塩、結晶性のポリマー等が挙げられる。
その含有量については、0.01〜1質量%であり、
0.01質量%未満では十分な結晶性が得られず、1質
量%以上では透明性が低下する場合がある。また、本発
明のPBT系樹脂組成物の結晶化度は35%以上であ
り、好ましくは40%以上である。結晶化度が35%未
満ではブレンド後の結晶性が低く本発明の目的が達成さ
れない。結晶化の方法はたとえば170〜220℃で真
空等の減圧条件下、あるいは乾燥空気、窒素雰囲気下で
処理する方法等である。これに伴い重合度の上昇(固相
重合)が起こっても差し支えない。
【0010】PBT系樹脂組成物を得るための重合方法
としては、直接エステル化法やエステル交換法により前
駆体を得たのち、これを高真空下で重縮合することによ
って得られ、必要に応じてさらに固相重合する等の従来
公知の方法が適用可能である。例えば、ジメチルテレフ
タレートとこれに対して1.0〜2.0モル倍の1,4
−ブタンジオール、0.07部のテトラブチルチタネー
ト等の触媒ととも還流等を備えた反応器中で120〜2
10℃まで加熱し、副生メタノールを系外へ留去して前
駆体を得、その後徐々に減圧して1kPa以下の高真空
下で反応させる方法が挙げられる。PBTの重合度は、
溶液粘度(ηsp/C)が0.7〜2.0の範囲であ
り、好ましくは0.9〜1.6である。0.7未満及び
2.0を超えた範囲ではブレンド物の結晶性が低下する
場合があった。
【0011】本発明のPBT系樹脂組成物は、チタン化
合物及びスズ化合物から選ばれる少なくとも一種(c)
を含有する。これらの化合物は、PBT系樹脂組成物を
得る際の触媒として使用された結果として含有されるこ
とが好ましい。チタン化合物としてはテトラプロピルチ
タネート、テトラブチルチタネート、テトラフェニルチ
タネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラベ
ンジルチタネート等のテトラアルキルチタネート、シュ
ウ酸チタニルカリウム等が、スズ化合物としてはジブチ
ルスズオキシド、モノブチルスズオキシドが挙げられ
る。チタン化合物の含有量はチタン元素換算で10〜2
00ppmであり、好ましくは20〜150ppmであ
る。10ppm未満ではPBTの重合に長時間を要する
場合があり、200ppmを超えるとPBT系樹脂組成
物の耐加水分解性が低下したり、他樹脂に添加した際の
結晶性が低下する場合がある。またスズ化合物の含有量
は、スズ元素換算で50〜350ppm、好ましくは1
00〜300ppmである。50ppm未満ではPBT
の重合に長時間を要する場合があり、350ppmを超
えると他樹脂に添加した際の結晶性が低下する場合があ
る。
【0012】また他の金属化合物を併用することにより
色調改良、ガス発生の抑制効果が得られる。具体例とし
てコバルト、マグネシウム、ナトリウム、マンガン、カ
ルシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属等の化合
物(酢酸塩等)が挙げられる。テレフタル酸成分、ブタ
ンジオール成分はそれぞれ全ジカルボン酸成分、全ジオ
ール成分に対して70モル%以上であることが好まし
い。テレフタル酸以外の酸成分としては、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、
1,4−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。また
その他のジカルボン酸成分としてはアジピン酸、セバシ
ン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられ
る。また、ブタンジオール以外のジオール成分としては
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド
付加物あるいはポリエチレングリコール、ポリオキシテ
トラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリ
コールが挙げられる。
【0013】触媒金属化合物の添加はエステル交換ある
いは直接エステル化反応の段階に一括してあるいは重縮
合工程前の段階とに分けて添加することが可能であり、
リン化合物についてはエステル化反応前、重縮合反応
前、あるいは重縮合終了後の段階に添加可能である。結
晶核剤については他の樹脂(特にポリエステル)とブレ
ンドする前の任意の段階、たとえばポリエステル重合時
のエステル化反応前、重縮合反応前、重縮合反応後、あ
るいは押出し機によりPBT系樹脂中に含有させること
が可能である。本発明のPBT系樹脂組成物は、必要に
応じて他の有機重合体、従来公知の添加物、例えば充填
剤、難燃剤、離型剤、酸化防止剤、着色剤、可塑剤、安
定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を含有していてもよ
い。特に離型剤及び/又は酸化防止剤を使用すると、本
発明のPBT系樹脂組成物より得られる成形体の力学的
性質や化学的性質が一層向上するので望ましい。
【0014】本発明のPBT系樹脂組成物は、それ自体
を成形品とすることも可能であるが、特に他のポリエス
テルやポリカーボネート樹脂を添加して成形品とするこ
とが好ましい。特にPETが好ましい。これらは、PB
T系樹脂に対して一般に用いられている成形方法や成形
装置を用いて成形することができる。例えば、射出成
形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、押出ブロー成
形、射出ブロー成形、カレンダー成形、注型成形、流延
成形等により任意の形状及び寸法を有する成形体とする
ことができる。得られた成形体は、電気部品、電子部
品、機械部品、自動車部品、パイプ、シート、フィル
ム、日用品等の種々の用途に用いられる。
【0015】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお、組成物の物性評価は以下の手法にて行っ
た。 [溶液粘度]PBT組成物0.25gに対しフェノール
・テトラクロロエタン等重量混合溶媒(関東化学製PT
M11)50mlを添加し、140℃で10〜30分溶
解して溶液を得た。これを25℃の水中で3分間調温し
たのちウデローベ型粘度計により標線間を通過する時間
を測定しηsp/Cを求めた。 ηsp/C=(ηrel−1)/C =(T/T0−
1)/C (T:サンプル溶液の毛細管通過時間、T0:混合溶媒
のみの毛細管標線間通過時間、C:サンプル濃度、単位
g/dl)
【0016】[結晶化度]比重瓶にてサンプルの密度を
測定し、下記式にて結晶化度を測定した。 Χc=ρc(ρ−ρa)/ρ(ρc−ρa) ρ:サンプル密度、ρc:PBTの結晶密度、1.40
4、ρa:PBTの非晶密度1.28
【0017】[ラミネート金属板の外観評価]得られた
PBTをPET(三菱レイヨン製 MA521H 固有
粘度0.78水分率50ppm)とPBT/PET重量
比が6/4でブレンドし、Tダイつき一軸押出し機によ
り押出し温度285℃で20℃のキャスティングロール
上に押出し、厚さ150μmのシート状に押出した。こ
のシートをバッチ式二軸延伸機により90℃で2方向へ
同時に3.5倍ずつ延伸し室温まで冷却した後ついで1
50℃の熱風中で10秒間熱セットした。200℃に加
熱した金属板上にフィルムを載せ、1対のシリコンロー
ルによりラミネートし直後氷水に浸漬し急冷してラミネ
ート金属板を得た。このときのフィルム面の状態を目視
により判定した。 ◎ : フィルム面に曇りや融着が全く無く良好な外
観。 〇 : フィルム面の一部がうっすら曇っている程度で
良好な外観。 × : フィルム面に曇りや融着による外観不良あり。
【0018】実施例1 :撹拌機及び留出塔を備えた反
応容器にジメチルテレフタレート4406g、1,4−
ブタンジオール2718gを仕込み加熱溶融後、テトラ
ブチルチタネートを生成するPBTの理論量に対し44
0ppm添加し、徐々に温度を上昇させて副生するメタ
ノールを留出させた。留出メタノールが理論量の90%
を超えた時点で反応容器を真空ポンプによる減圧が可能
な重縮合反応容器に組替え、反応物の温度を230℃ま
で上昇させ、トリエチルフォスフェートとエチレングリ
コールとの反応物を添加した。(添加量はリン元素に換
算してPBTに対し40ppm)15分後さらにテトラ
ブチルチタネート、タルク(ミクロンホワイト#500
0A;林化成(株)製)をPBTに対しそれぞれ310
ppm、500ppm添加し、5分後徐々に減圧して1
時間で−99.5kPa以下まで減圧し、更に反応温度
を250℃まで上昇させた。所定の攪拌トルクまで反応
を続けた後、反応系内を窒素雰囲気にし吐出してPBT
ペレットを得た。このPBTを150℃で5時間真空乾
燥し、引き続き220℃、10時間真空条件下で熱処理
した。得られたPBTの結晶化度は43%、溶液粘度
(ηsp/C)は1.39であった。PETブレンドフ
ィルムのラミネート後外観は◎であった。
【0019】実施例2 :撹拌機及び留出塔を備えた反
応容器にジメチルテレフタレート4406g、1,4−
ブタンジオール2718gを仕込み加熱溶融後、シュウ
酸チタニルカリウム(2水和物)を生成するPBTの理
論量に対し430ppmを添加し、徐々に温度を上昇さ
せて副生するメタノールを留出させた。留出メタノール
が理論量の90%を超えた時点で反応容器を真空ポンプ
による減圧が可能な重縮合反応容器に組替え、反応物の
温度を230℃まで上昇させタルク(ミクロンホワイト
#5000A)をPBTに対し500ppm添加し、5
分後徐々に減圧して1時間で−99.5kPa以下まで
減圧し更に反応温度を250℃まで上昇させ重縮合を行
った。所定の攪拌トルクまで反応を続けた後、旭電化工
業製アデカスタブ1178(分子量689、1分子中に
リンを1原子含有)をPBTに対し2300ppm添加
し、再度減圧して−99.5kPa以下の高真空にし添
加から30分後に反応系内を窒素雰囲気にし吐出してP
BTペレットを得た。このPBTを150℃で5時間真
空乾燥し、引き続き220℃、5時間真空条件下で熱処
理した。得られたPBTの結晶化度は36%、溶液粘度
は1.08であった。PETブレンドフィルムのラミネ
ート後外観は○であった。
【0020】実施例3:撹拌機及び留出塔を備えた反応
容器にジメチルテレフタレート4406g、1,4−ブ
タンジオール2718gを仕込み加熱溶融後、テトラブ
チルチタネートを生成するPBTの理論量に対し620
ppm添加し、徐々に温度を上昇させて副生するメタノ
ールを留出させた。留出メタノールが理論量の90%を
超えた時点で反応容器を真空ポンプによる減圧が可能な
重縮合反応容器に組替え、反応物の温度を230℃まで
上昇させタルク(ミクロンホワイト#5000A)をP
BTに対し500ppm添加し、5分後徐々に減圧して
1時間で−99.5kPaまで減圧し、更に反応温度を
250℃まで上昇させた。所定の攪拌トルクまで反応を
続けた後、反応系内を窒素雰囲気にしトリエチルフォス
フェートとエチレングリコールとの反応物を添加した。
(添加量はリン元素に換算してPBTに対し170pp
m)再度減圧して−99.5kPa以下の高真空にし添
加から30分後に反応系内を窒素雰囲気にし吐出してP
BTペレットを得た。このPBTを150℃で5時間真
空乾燥し、引き続き220℃、10時間真空条件下で熱
処理した。得られたPBTの結晶化度は41%、溶液粘
度は1.39であった。PETブレンドフィルムのラミ
ネート後外観は◎であった。
【0021】実施例4:撹拌機及び留出塔を備えた反応
容器にジメチルテレフタレート4406g、1,4−ブ
タンジオール2718gを仕込み加熱溶融後、ジブチル
スズオキサイド、テトラブチルチタネートを生成するP
BTの理論量に対しそれぞれ500ppmずつ添加し、
徐々に温度を上昇させて副生するメタノールを留出させ
た。留出メタノールが理論量の90%を超えた時点で反
応容器を真空ポンプによる減圧が可能な重縮合反応容器
に組替え、反応物の温度を230℃まで上昇させトリエ
チルフォスフェートとエチレングリコールとの反応物を
添加した。(添加量はリン元素に換算してPBTに対し
40ppm)15分後さらにテトラブチルチタネート、
タルク(ミクロンホワイト#5000A)をPBTに対
しそれぞれ500ppmずつ添加し、5分後徐々に減圧
して1時間で−99.5kPa以下まで減圧し、更に反
応温度を250℃まで上昇させた。所定の攪拌トルクま
で反応を続けた後、反応系内を窒素雰囲気にしトリエチ
ルフォスフェートとエチレングリコールとの反応物を添
加した。(添加量はリン元素に換算してPBTに対し1
70ppm)再度減圧して−99.5kPa以下の高真
空にし添加から30分後に反応系内を窒素雰囲気にし吐
出してPBTペレットを得た。このPBTを150℃で
5時間真空乾燥し、引き続き220℃、10時間真空条
件下で熱処理した。得られたPBTの結晶化度は41
%、溶液粘度は1.26であった。PETブレンドフィ
ルムのラミネート後外観は◎であった。
【0022】比較例1 :撹拌機及び留出塔を備えた反
応容器にジメチルテレフタレート4406g、1,4−
ブタンジオール2718gを仕込み加熱溶融後、テトラ
ブチルチタネートを生成するPBTの理論量に対しそれ
ぞれ620ppm添加し、徐々に温度を上昇させて副生
するメタノールを留出させた。留出メタノールが理論量
の90%を超えた時点で反応容器を真空ポンプによる減
圧が可能な重縮合反応容器に組替え、反応物の温度を2
30℃まで上昇させ徐々に減圧して1時間で−99.5
kPaまで減圧し、更に反応温度を250℃まで上昇さ
せた。所定の攪拌トルクまで反応を続けた後、反応系内
を窒素雰囲気にし吐出してPBTペレットを得た。この
PBTを150℃で5時間真空乾燥し、引き続き220
℃、10時間真空条件下で熱処理した。得られたPBT
の結晶化度は36%、溶液粘度は1.57であった。P
ETブレンドフィルムのラミネート後外観は×であっ
た。
【0023】比較例2 :撹拌機及び留出塔を備えた反
応容器にジメチルテレフタレート4406g、1,4−
ブタンジオール2718gを仕込み加熱溶融後、シュウ
酸チタニルカリウム(2水和物)を生成するPBTの理
論量に対し430ppmを添加し、徐々に温度を上昇さ
せて副生するメタノールを留出させた。留出メタノール
が理論量の90%を超えた時点で反応容器を真空ポンプ
による減圧が可能な重縮合反応容器に組替え、反応物の
温度を230℃まで上昇させタルク(ミクロンホワイト
#5000A)をPBTに対し500ppm添加し、5
分後徐々に減圧して1時間で−99.5kPa以下まで
減圧し更に反応温度を250℃まで上昇させ重縮合を行
った。所定の攪拌トルクまで反応を続けた後、旭電化工
業製アデカスタブ1178(分子量689、1分子中に
リンを1原子含有)をPBTに対し2300ppm添加
し、再度減圧して−99.5kPa以下の高真空にし添
加から30分後に反応系内を窒素雰囲気にし吐出してP
BTペレットを得た。このPBTを150℃で5時間真
空乾燥した。得られたPBTの結晶化度は29%、溶液
粘度は1.39であった。PETブレンドフィルムのラ
ミネート後外観は×であった。表1にPBT系樹脂組成
物の組成及び評価結果を示す。
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明のPBT系樹脂組成物は他のポリ
エステル(PET等)やポリマーボネートとブレンドし
た場合の結晶性が良好であり、電機・電子部品、自動
車、建材、あるいは金属被覆フィルム等の広範に亘って
使用することが可能なPBT系樹脂組成物である。
フロントページの続き (72)発明者 石渡 修二 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (72)発明者 木原 英樹 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 4J002 CF071 DE237 DH026 DH056 DJ017 DJ047 EW046 EW066 EZ008 EZ038 FD206 FD207 GG00 GQ00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン化合物(a)、結晶核剤(b)及び
    チタン化合物及びスズ化合物から選ばれる少なくとも一
    種(c)を含有し、結晶化度が35%以上であるポリブ
    チレンテレフタレート系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 チタン及び/又はスズ元素に対するリン
    元素の比率P/M(Pはリンのモル濃度、Mはチタン及
    び/又はスズのモル濃度)がモル換算で0.4〜30で
    あることを特徴とする請求項1記載のポリブチレンテレ
    フタレート系樹脂組成物。
JP2002047234A 2002-02-22 2002-02-22 ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物 Pending JP2003246918A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002047234A JP2003246918A (ja) 2002-02-22 2002-02-22 ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002047234A JP2003246918A (ja) 2002-02-22 2002-02-22 ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003246918A true JP2003246918A (ja) 2003-09-05

Family

ID=28660340

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002047234A Pending JP2003246918A (ja) 2002-02-22 2002-02-22 ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003246918A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004162046A (ja) * 2002-10-25 2004-06-10 Toyobo Co Ltd ポリエステルフィルム
JP2005144728A (ja) * 2003-11-12 2005-06-09 Daiwa Can Co Ltd ポリエステルフィルム被覆金属板、ポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法、及びポリエステルフィルム被覆金属缶
JP2005144727A (ja) * 2003-11-12 2005-06-09 Daiwa Can Co Ltd ポリエステルフィルム被覆金属板、ポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法、及びポリエステルフィルム被覆金属缶
JP2005144734A (ja) * 2003-11-12 2005-06-09 Daiwa Can Co Ltd ポリエステルフィルム被覆金属板、ポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法、及びポリエステルフィルム被覆金属缶
JP2005153319A (ja) * 2003-11-26 2005-06-16 Daiwa Can Co Ltd ポリエステルフィルム被覆金属板及び金属缶
KR100813078B1 (ko) 2005-12-29 2008-03-14 제일모직주식회사 이형성과 내열성이 향상된 금속의 직접 증착이 가능한열가소성 폴리에스테르 수지 조성물

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004162046A (ja) * 2002-10-25 2004-06-10 Toyobo Co Ltd ポリエステルフィルム
JP2005144728A (ja) * 2003-11-12 2005-06-09 Daiwa Can Co Ltd ポリエステルフィルム被覆金属板、ポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法、及びポリエステルフィルム被覆金属缶
JP2005144727A (ja) * 2003-11-12 2005-06-09 Daiwa Can Co Ltd ポリエステルフィルム被覆金属板、ポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法、及びポリエステルフィルム被覆金属缶
JP2005144734A (ja) * 2003-11-12 2005-06-09 Daiwa Can Co Ltd ポリエステルフィルム被覆金属板、ポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法、及びポリエステルフィルム被覆金属缶
JP2005153319A (ja) * 2003-11-26 2005-06-16 Daiwa Can Co Ltd ポリエステルフィルム被覆金属板及び金属缶
KR100813078B1 (ko) 2005-12-29 2008-03-14 제일모직주식회사 이형성과 내열성이 향상된 금속의 직접 증착이 가능한열가소성 폴리에스테르 수지 조성물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101801703B1 (ko) 폴리유산 수지 및 공중합 폴리에스테르 수지 블렌드 및 이를 이용한 성형제품
JP2003292474A (ja) エステル化合物、生分解性脂肪族系ポリエステル樹脂用可塑剤及び生分解性樹脂組成物
WO2003054084A1 (fr) Composition de resine thermoplastique
KR20110127795A (ko) 폴리유산 수지 및 공중합 폴리에스테르 수지 블렌드 및 이를 이용한 성형제품
KR101801702B1 (ko) 내충격성 및 내열성이 우수한 폴리유산 수지 및 공중합 폴리에스테르 수지 블렌드 및 이를 이용한 성형제품
JP5855973B2 (ja) ポリエステル樹脂およびそれを用いたポリエステルフィルム
JP5598162B2 (ja) 共重合ポリエステル製成形体
JP2002302594A (ja) ポリエステルブロック共重合体組成物
JP2003246918A (ja) ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物
KR101801705B1 (ko) 내충격성 및 내열성이 우수한 폴리유산 수지 및 공중합 폴리에스테르 수지 블렌드 및 이를 이용한 성형제품
JP3365450B2 (ja) 高重合度ポリエステルの製造方法
CN102227460A (zh) 共聚物聚酯树脂和使用该共聚物聚酯树脂的模塑产品
JP5251789B2 (ja) 共重合ポリエステル
JP2007277305A (ja) 熱可塑性ポリエステルおよびその製造方法並びにフィルム
JPH09124909A (ja) 耐衝撃性に優れたポリエステル樹脂組成物
JP2007126596A (ja) ポリエステル樹脂組成物、それよりなる延伸フィルム・シート及びそれを用いた包装材料
JPH06128464A (ja) ポリブチレンテレフタレート系樹脂成形体
KR20200017203A (ko) 폴리에스테르 수지 및 이의 제조방법
JPS59193953A (ja) ポリエステル組成物
JP3382003B2 (ja) ポリエステル樹脂の製造方法
JP2821066B2 (ja) 包装材
JPH09100398A (ja) 新規なポリエステル組成物
JP2004217685A (ja) ポリエステルエラストマーのシート状物およびその製造方法
JP2001342330A (ja) ポリエステルブロック共重合体組成物
JP2007211123A (ja) 熱可塑性樹脂組成物および樹脂成形品