JP4261253B2 - 金属板被覆用ポリエステルフィルム、その製造方法およびポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法 - Google Patents

金属板被覆用ポリエステルフィルム、その製造方法およびポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属板被覆用ポリエステルフィルム、その製造方法およびポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法に関するものである。さらに詳細には、製缶性(例えば、絞り・しごき加工性)に優れ、かつ温水殺菌処理が実施される金属缶に好適なポリエステルフィルム、その製造方法およびポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属缶の缶内面および缶外面は腐蝕防止を目的として、エポキシ系、フェノール系等の各種熱硬化性樹脂を溶剤に溶解または分散させたものを塗布し、金属表面を被覆することが広く行われてきた。しかしながら、この熱硬化性樹脂の被覆方法では塗料の乾燥に長時間を要するため生産性が低下したり、多量の有機溶剤による環境汚染など好ましくない問題を発生させることが多いという欠点があった。
【0003】
かかる欠点を回避するため、金属板に熱可塑性樹脂を溶融押出法で被覆する方法が開示されている。(例えば、特許文献1参照)しかしながら該方法では、Tダイから金属板までの距離を短くすることが困難であり、その結果、両端部の厚みが非常に厚くなるため、厚みが均一な中央部分(実質的に金属板にラミネートできる部分)が狭くなり、かつ切断除去した両端部を再生使用できないため、材料ロスが大きいラミネート方法であった。
【0004】
かかる欠点を回避するため、溶融押出後に冷却固化して得たポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートの未配向フィルムを加熱された金属板に圧着する方法が開示されている。該方法では、Tダイから金属板までの距離を短くすることが可能であり、その結果、厚みが均一な中央部分(実質的に金属板にラミネートできる部分)が前記方法より広がり、かつ切断除去した両端部を再生使用できるため、材料ロスが小さくできるラミネート方法であった。
【0005】
しかしながら、ポリブチレンテレフタレートの含有率が多くなると(例えば、40重量%以上では)、ポリエステル製膜で公知なクロムメッキの鏡面ロールを用いて30m/分以上の速度で製膜した場合、ロールと接触するフィルム表面に巾50μm以上凹みが発生しやすく、このフィルムをラミネートした場合、凹みに起因した気泡が存在するラミネート金属板となり、製缶時にこの気泡を起点として微細なフィルム破れが発生しやすいという欠点があった。(例えば、特許文献2参照)また、フィルムを巻取る前に両端部を切断除去する際、フィルムが破断しやすいという欠点があった。(例えば、特許文献2参照)
【0006】
【特許文献1】
特開昭57−203545号公報
【特許文献2】
特開2001−1447号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来技術の欠点を解消することを目的とするものである。即ち、厚みが均一な中央部分(実質的に金属板にラミネートできる部分)が広く、かつ切断除去した両端部を再生使用できるため材料ロスが小さく、さらに高速(例えば、30m/分以上の速度)で溶融樹脂膜を冷却固化した場合、ロールと接触するフィルム表面に巾50μmを超える凹みが発生しにくいため製缶性に優れ、また得られた金属缶に内容物を充填後に実施される温水殺菌処理で金属缶外面の外観不良(フィルムの白化)が発生しにくい金属板被覆用ポリエステルフィルム、その製造方法およびポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明は、エチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとの混合比が60:40〜30:70重量%よりなり、かつ表面粗さ(Ra)が0.02μm以上、0.1μm以下の金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法であって、表面粗さ(Ra)が0.2μm以上、3.5μm以下の梨地状の冷却ロールに30m/分以上の速度で静電密着させて固化させた後に少なくとも縦方向に1軸延伸することを特徴とする金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法である。
【0009】
本願の第2の発明は、【0008】に記載のポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法であって、表面粗さ(Ra)が0.2μm以上、3.5μm以下の梨地状の冷却ロールに層状にキャストし、樹脂の両端部と中央部とを別々の静電気で独立密着させ、前記溶融樹脂膜を固化した後に少なくとも縦方向に1軸延伸することを特徴とする金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法である。
【0010】
本願の第3の発明は、エチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとの混合比が60:40〜30:70重量%よりなり、かつ、表面粗さ(Ra)が0.02μm以上、0.1μm以下の金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法であって、Tダイから層状に押出した溶融樹脂膜を表面粗さ(Ra)が0.2μm以上、3.5μm以下の梨地状の冷却ロールに層状に30m/分以上の速度でキャストし、樹脂の両端部と中央部とを別々の静電気で独立密着させて固化させた後に少なくとも縦方向に1軸延伸した後、両端部を切断除去して前記ポリエステルフィルムを得る工程と前記ポリエステルフィルムを加熱された金属板にラミネートする工程よりなることを特徴とするポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるポリエステルフィルムはエチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとの重量比が60:40〜30:70であるポリエステルからなることが必要である。ブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルが40重量%未満では得られた金属缶の耐温水白化性が低下するため(温水殺菌処理時にポリエステルが白化しやすくなるため)好ましくない。逆に、ブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルが70重量%を超える場合、製膜性が低下するため(冷却ロールで冷却した後で両端部が割れることが起こりやすくなるため)好ましくない。
【0012】
本発明ではエチレンテレフタレート主体とするポリエステルとブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルはそれぞれの特性を損なわない範囲でテレフタル酸以外のジカルボン酸成分やエチレングリコールあるいはブタンジオール以外のグリコール成分を含んでもよい。例えば、ジカルボン酸として、イソフタル酸、オルソフタル酸,ナフタレンジカルボン酸,ジフェニルスルホンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸が使用できる。また、エチレングリコールおよびブタンジオール以外のグリコール成分として、プロパンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコールが使用できる。
【0013】
上記ポリエステルの製造方法については特に限定されない。即ち、エステル交換法または直接重合法のいずれの方法で製造されたものであってもかまわない。また、分子量を高めるために固相重合法で製造されたものであってもかまわない。さらに得られた金属缶に内容物を充填後に実施されるパストライズ処理、レトルト処理等でのポリエステル樹脂からのオリゴマー量を少なくするという観点から、減圧固相重合法で製造されたオリゴマー含有量が低いポリエステルを使用することは好ましい。
【0014】
本発明のポリエステルフィルムの融点は180℃以上であることが製缶性(絞り・しごき加工において、缶内面側の樹脂ではポンチの離型性の確保、缶外面側の樹脂ではかじり抑制[樹脂皮膜での縦方向のキズ])から好ましい。
本発明では後述の切断除去された両端部を含む樹脂を、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルとして再使用できる。再使用する場合、再使用比率は特に限定しないが、5〜60(重量%)が好ましい。
【0015】
本発明でポリエステルには、必要に応じて本発明の作用を阻害しない範囲内で、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、帯電防止剤、潤滑剤、結晶核剤、無機又は有機粒子よりなる滑剤等を配合させてもよい。
【0016】
本発明ではポリエステルを公知の1軸または2軸押出機内で溶融させた後、Tダイから層状に押出した溶融樹脂膜を表面粗さ(Ra)が0.2μm以上、4.0μm未満の冷却ロールで固化することが必要である。また、冷却ロールの表面形状はスパイラル状の溝に仕上げたもの、ダイヤカット状の溝に仕上げたもの、梨地状に仕上げたもの等が使用できるが、これらのうち、表面を梨地状に仕上げたロールが特に好ましい。
【0017】
ロール表面粗さが0.2μm未満の場合、高速(例えば、30m/分以上の速度)で溶融樹脂膜を冷却固化すると巾50μmを超える凹部が冷却ロールと接触するフィルム表面に無数に発生し、このフィルムを少なくとも縦方向に1軸延伸すると凹みが大きくなり、この延伸フィルムをラミネートした場合、凹みに起因した気泡が存在したラミネート金属板となり、製缶時にこの気泡を起点として微細なフィルム破れが発生しやすい。逆にロール表面粗さが4.0μm以上の場合、梨地模様がフィルムに転写し、このフィルムを金属板にラミネートした場合、フィルムに斑状の外観不良が発生し、このフィルム面を缶外面側で使用した場合、商品価値が低下する。
【0018】
このとき、ロールの表面粗さ(Ra)は0.2μm以上、3.5μm以下が好ましく、0.2以上、2.5μm以下がさらに好ましい。
【0019】
本発明ではポリエステルフィルムの表面粗さ(Ra)が0.1μm以下であることが製缶性を確保し、得られた缶の商品価値を高めるために必要であるが、表面粗さ(Ra)が0.02〜0.1μmであることが金属板とのラミネート性を確保するために(フィルムのブロッキングによる巻出し性の低下を抑制するために)さらに好ましい。
【0020】
本発明では冷却固化フィルムの中央部の平均厚みは250μm以下であることは延伸性が良好なため好ましい。
【0021】
本発明では溶融樹脂を冷却ロールに接触させる際、静電気で密着させる方法を採用することが好ましい。また、層状樹脂の両端部と中央部を独立させて実施する方法がより好ましい。さらに、溶融樹脂が冷却ロールに接触する際、反対側を減圧して随伴流を低減させる方策(例えば、バキュームチャンバー、バキュームボックス等の装置)を併用することがより好ましい。
【0022】
本発明では冷却固化させた後、少なくとも縦方向に1軸延伸し、次いで得られた1軸延伸フィルムの両端部を切断除去してポリエステルフィルムを得ることが必要である。縦延伸条件としては、フィルムを構成するポリエステルのガラス転移温度以上の温度で縦方向に1.3〜6.0倍延伸することが好ましい。縦延伸を実施した場合、フィルムの両端部を切断除去する際、フィルムが破断しにくく、かつ生産性を向上できる。また、フィルムの両端部を切断除去して金属板にラミネートした場合、材料ロスが小さく経済的に好ましい。さらに、ポリエステルフィルムの厚み分布と生産性を向上させるため、縦延伸後に横延伸を実施してもよい。また、必要に応じて緊張下で50℃以上かつポリエステルの融点−20℃の温度で1〜20秒間熱処理してフィルムの延伸方向の熱収縮率をコントロールしてもよい。
【0023】
本発明では、フィルムの厚みは特に限定されない。
【0024】
本発明では金属板として、ティンフリースチール等の表面処理鋼板あるいはアルミニウム板またはアルミニウム合金板あるいは表面処理を施したアルミニウム板またはアルミニウム合金板が使用できる。
【0025】
これらの金属板を加熱した後、ラミネートロールを使用してポリエステルフィルムを金属板の片面または両面に同時ラミネートまたは逐次ラミネートする。加熱温度は、ポリエステルの融点−20℃以上かつ融点+150℃以下であるのが好ましい。引き続いてこのラミネート金属板を加熱した後、水冷および/または空冷してポリエステルフィルム被覆金属板を得る。加熱温度は、ポリエステルの融点+10℃以上かつ融点+60℃以下であるのが好ましい。
【0026】
両面にラミネートする場合、それぞれのポリエステルフィルムの構成および厚さは同じであっても異なっていてもよい。
【0027】
【実施例】
以下、実施例をもとに本発明を説明する。
(評価方法)
(1)ポリエステルフィルムを構成するポリエステルの融点
ポリエステルフィルム10mgを用い、窒素気流中、示差走査型熱量計(DSC)を用いて10℃/分の昇温速度で発熱・吸熱曲線(DSC曲線)を測定したときの、融解に伴う吸熱ピークの頂点温度を融点Tm(℃)とした。
【0028】
(2)ポリエステルフィルムを構成するポリエステルの極限粘度(IV)
オルトクロルフェノール中25℃でウベローデ粘度管を用いて測定した値(dl/g)である。
【0029】
(3)冷却ロールの表面粗さ(Ra)
JIS B0601(1982)にしたがって測定した。
【0030】
(4)ポリエステルフィルムの表面粗さ(Ra)
10cm×10cmに切り出したフィルムを目視観察してキャスト時に冷却ロールに接したフィルム表面に50μmを超える凹みがないものを評価価値ありとして下記の方法で評価した。なお、20回測定の平均値をもって表面粗さ(Ra)とした。
a.測定装置:株式会社小坂研究所製 ET−30HK
b.触診先端半径:0.5μm
c.触診荷重:5mg
d.測定長:1mm
e.カットオフ値:0.08mm
【0031】
(5)ポリエステルフィルム被覆金属板の作製方法
250℃に加熱したアルミニウム合金板(厚み:0.26mmの3004系合金板)の両面にポリエステルフィルムを同時にラミネートした後、275℃で加熱した後に水中急冷してポリエステルフィルム被覆アルミニウム板を得た。
【0032】
(6)缶内面樹脂と加工ポンチの離型性
実施例1〜5、比較例1〜5で得られたポリエステルフィルム被覆アルミニウム板に成形用潤滑剤を塗布した後、加熱して板温70℃で25μmのポリエステルフィルムが缶内面側となるようにして絞り加工を実施した。次いで、得られたカップの温度を40℃にして金型温度80℃でしごき加工(n=10)を実施し、350mlサイズのシームレス缶を得た。成形缶上部に起る座屈程度を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:缶開口部の座屈未発生
△:缶開口部円周の約1/3に座屈発生
×:缶開口部円周の1/3以上に座屈発生
【0033】
(7)缶外面の耐かじり性(缶外面樹脂における縦方向のキズ)
実施例1〜5、比較例1〜5で得られたポリエステルフィルム被覆アルミニウム板から上記(6)と同様にして製缶し、成形した缶体胴壁部外面樹脂のキズ発生程度を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:キズ未発生
△:外面の約1/3にキズ発生
×:外面の1/3以上に激しいキズ発生
【0034】
(8)温水処理後の缶外面の白化程度
実施例1〜5、比較例1〜5で得られたポリエステルフィルム被覆アルミニウム板から上記(6)と同様にして製缶して得た缶を270℃で40秒間加熱した後水中急冷したものをサンプルとする。このサンプルを80℃の温水中に10分間浸漬した後、水中急冷して得た缶外面を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:白化が目立たない
×:白化によりアルミニウム合金板の色がみえない
(1),(3),(4),(6)〜(8)の結果を表1に示す。
【0035】
(実施例・比較例に用いたポリエステルの略号と内容)
(1)PET :ポリエチレンテレフタレート(IV:0.75、平均粒径1.5μmの凝集シリカを2000ppm配合)
(2)PBT :ポリブチレンテレフタレート(IV:1.20)
(3)CO−PES:テレフタル酸とエチレングリコール/ネオペンチルグリコール(モル% 70/30)との共重合ポリエステル(0、IV:0.72、平均粒径1.5μmの凝集シリカを1000ppm配合)
【0036】
(実施例1)
ポリエステルフィルムの原料としてPET/PBT=40/60重量%のポリエステルを280℃で溶融させ、Tダイを用いて、表面粗さ(Ra)が1μmの梨地状の冷却ロール(周速50m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度65℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸してポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μmの2種類)を得た。
【0037】
ポリエステルフィルム被覆金属板の作製方法
250℃に加熱したアルミニウム合金板(厚み 0.26mmの3004系合金板)の片面に16μmのポリエステルフィルムを圧着し、もう一方の面に25μmのポリエステルフィルムを圧着し275℃に加熱した後、水中急冷してポリエステルフィルム被覆アルミニウム板を得た。
【0038】
本実施例の方法は、外観性と製缶性に優れたポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法であり、外面の耐温水白化性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用ポリエステルフィルムであり、金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法であり、ポリエステル被覆金属板の製造方法であるといえる。
【0039】
(実施例2)
ポリエステルフィルムの原料としてPET/PBT=50/50重量%のポリエステルを用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μmの2種類)を得た。
ついで、実施例1と同様にポリエステルフィルム被覆アルミニウム板を得た。
【0040】
本実施例の方法は、外観性と製缶性に優れたポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法であり、外面の耐温水白化性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用ポリエステルフィルムであり、金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法であり、ポリエステル被覆金属板の製造方法であるといえる。
【0041】
(実施例3)
表面粗さ(Ra)が0.5μmの梨地状の冷却ロールを用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μmの2種類)を得た。
ついで、実施例1と同様にポリエステルフィルム被覆アルミニウム板を得た。
【0042】
本実施例の方法は、外観性と製缶性に優れたポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法であり、外面の耐温水白化性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用ポリエステルフィルムであり、金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法であり、ポリエステル被覆金属板の製造方法であるといえる。
【0043】
(実施例4)
表面粗さ(Ra)が3.3μmの梨地状の冷却ロールを用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μmの2種類)を得た。
【0044】
ついで、実施例1と同様にラミネートアルミニウム板を作製し、製缶して350mlサイズのシームレス缶を得た。
ついで、実施例1と同様にポリエステルフィルム被覆アルミニウム板を得た。
【0045】
本実施例の方法は、外観性と製缶性に優れたポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法であり、外面の耐温水白化性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用ポリエステルフィルムであり、金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法であり、ポリエステル被覆金属板の製造方法であるといえる。
【0046】
(実施例5)
実施例1と同様に冷却固化させた後、予熱温度65℃、延伸温度100℃で縦方向に3倍延伸し、ついで予熱温度60℃、延伸温度100℃で横方向に3倍延伸してポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μmの2種類)を得た。
ついで、実施例1と同様にポリエステルフィルム被覆アルミニウム板を得た。
【0047】
本実施例の方法は、外観性と製缶性に優れたポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法であり、外面の耐温水白化性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用ポリエステルフィルムであり、金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法であり、ポリエステル被覆金属板の製造方法であるといえる。
【0048】
(比較例1)
ポリエステルフィルムの原料としてPET/PBT=20/80重量%のポリエステルとした以外は実施例1と同様にして製膜しようとしたが、冷却ロール後でフィルムの両端部が割れることが多く、ポリエステルフィルムを安定して得られなかった。
【0049】
この方法は、金属貼合せ用ポリエステルフィルム、金属貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法、ポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法として好ましくない。
【0050】
(比較例2)
ポリエステルフィルムの原料としてPET/PBT=70/30重量%のポリエステル用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μmの2種類)を得た。
ついで、実施例1と同様にポリエステルフィルム被覆アルミニウム板を得た。
【0051】
この方法は、得られた金属缶の外面の耐温水白化性が劣り、金属板被覆用ポリエステルフィルム,金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法,ポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法として好ましくない。
【0052】
(比較例3)
表面粗さ(Ra)が0.05μm以下の鏡面状の冷却ロールを用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μmの2種類)を得た。
ついで、実施例1と同様にポリエステルフィルム被覆アルミニウム板を得た。
【0053】
この方法は、ポリエステル被覆金属板の外観性が悪く(気泡が発生しており)、製缶した際、内面側および外面側で気泡を起点としたフィルム破れが発生し、金属板被覆用ポリエステルフィルム,金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法,ポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法として好ましくない。
【0054】
(比較例4)
表面粗さ(Ra)が4μmの梨地状の冷却ロールを用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μmの2種類)を得た。
ついで、実施例1と同様にポリエステルフィルム被覆アルミニウム板を得た。
【0055】
この方法は、ポリエステルフィルム被覆金属板の外観性が悪く(梨地の跡型が斑状に広がり透明性が悪く)、得られた金属缶の外面側で跡型に起因したゾウリ状の斑が発生し、金属缶の商品価値が低下し、金属板被覆用ポリエステルフィルム,金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法,ポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法として好ましくない。
【0056】
(比較例5)
ポリエステルフィルムの原料としてCO−PESを用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルム(厚みが16μmと25μmの2種類)を得た。
ついで、実施例1と同様にポリエステルフィルム被覆アルミニウム板を得た。
【0057】
この方法は、外観性に優れたポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法であったが、ポリエステルフィルム被覆金属板を製缶した際、缶内面樹脂と加工ポンチが粘着し缶開口部の全周にわたって座屈が発生し、さらに缶外面樹脂の全周にキズが発生し、金属板被覆用ポリエステルフィルム,金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法、ポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法として好ましくない。
【0058】
【発明の効果】
本発明のポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法は材料ロスを低減できるため、経済性に優れた製造方法であるばかりでなく、外観性と製缶性(特に、缶内面樹脂膜と加工ポンチの離型性と缶外面樹脂膜の耐キズつき性)に優れたポリエステルフィルム被覆金属板が得られる製造方法である。さらに、本発明によって得られるポリエステルフィルム被覆金属板を製缶した場合、内容物を充填後に実施される温水殺菌処理で金属缶外面の外観不良(ポリエステルフィルムの白化)が発生しにくいため、極めて有用な金属板被覆用ポリエステルフィルム、金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法、ポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法であるといえる。
【表1】
Figure 0004261253
注)比較例1では冷却ロールで冷却後に樹脂膜が割れることが多く、ポリエステルフィルムを安定して得られなかった。

Claims (3)

  1. エチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとの混合比が60:40〜30:70重量%よりなり、かつ表面粗さ(Ra)が0.02μm以上、0.1μm以下の金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法であって、表面粗さ(Ra)が0.2μm以上、3.5μm以下梨地状の冷却ロールに30m/分以上の速度で静電密着させて固化させた後に少なくとも縦方向に1軸延伸することを特徴とする金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法
  2. 請求項1記載のポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法であって、表面粗さ(Ra)が0.2μm以上、3.5μm以下の梨地状の冷却ロールに層状にキャストし、樹脂の両端部と中央部とを別々の静電気で独立密着させ、前記溶融樹脂膜を固化した後に少なくとも縦方向に1軸延伸することを特徴とする金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法。
  3. エチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとの混合比が60:40〜30:70重量%よりなり、かつ、表面粗さ(Ra)が0.02μm以上、0.1μm以下の金属板被覆用ポリエステルフィルムの製造方法であって、Tダイから層状に押出した溶融樹脂膜を表面粗さ(Ra)が0.2μm以上、3.5μm以下梨地状の冷却ロールに層状に30m/分以上の速度でキャストし、樹脂の両端部と中央部とを別々の静電気で独立密着させて固化させた後に少なくとも縦方向に1軸延伸した後、両端部を切断除去して前記ポリエステルフィルムを得る工程と前記ポリエステルフィルムを加熱された金属板にラミネートする工程よりなることを特徴とするポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法
JP2003172776A 2002-12-24 2003-06-18 金属板被覆用ポリエステルフィルム、その製造方法およびポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法 Expired - Lifetime JP4261253B2 (ja)

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