JPH1044354A - ポリエステル系フィルム、ラミネート金属板、その製造方法および金属容器 - Google Patents

ポリエステル系フィルム、ラミネート金属板、その製造方法および金属容器

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JPH1044354A
JPH1044354A JP20605696A JP20605696A JPH1044354A JP H1044354 A JPH1044354 A JP H1044354A JP 20605696 A JP20605696 A JP 20605696A JP 20605696 A JP20605696 A JP 20605696A JP H1044354 A JPH1044354 A JP H1044354A
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film
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善紀 武川
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Akito Hamano
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐衝撃性に優れ、熱処理後もフィルムの脆化
がなく、良好な耐衝撃性を有し、製缶後にフィルムに亀
裂が入らないようなラミネート用フィルムおよびラミネ
ート金属板を提供する。 【解決手段】 (A)層と、(B)層とを含有するポリ
エステル系フィルムである。(A)層は、ポリエステル
からなり、全ジカルボン酸成分のうち、75〜97モル
%がテレフタル酸、3〜12モル%がナフタレンジカル
ボン酸であり、全グリコール成分のうち75モル%以上
がエチレングリコールである。(B)層は、ポリエステ
ルからなり、全ジカルボン酸成分のうち、75〜95モ
ル%がテレフタル酸、5〜25モル%がイソフタル酸で
あり、全グリコール成分のうち75モル%以上がエチレ
ングリコールである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料に使用さ
れるラミネート用ポリエステル系フィルム、および該ポ
リエステル系フィルムがラミネートされた金属板、その
製造方法、ならびに当該ラミネート金属板を缶状に成形
してなる金属容器に関する。詳しくは、落下、特に硬化
性樹脂層を焼き付け塗装した後に落下させても、ラミネ
ートされたフィルムに亀裂が入りにくい金属容器、なら
びにこれに用いるラミネート用ポリエステル系フィル
ム、ラミネート金属板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】一般に金
属缶は、その少なくとも内面に、防食の目的で熱硬化性
樹脂塗料が塗布されている。この塗装は、製缶後にスプ
レー塗装法等で一缶毎に行われるために能率が悪く、ま
た塗料を高温で焼き付けるために多大なエネルギーが必
要である。さらに、有機溶剤の飛散による環境悪化の問
題もある。
【0003】近年、このような欠点を解消するため、缶
を成形する以前に金属板に予め塗料をコーティングして
おく技術(プレコート技術)やフィルムをラミネートし
ておく技術(プレラミネート技術)が開発されつつあ
る。しかし、これらコートやラミネートされた有機樹脂
層は、製缶工程において過酷な変形や熱履歴を受けるた
め、製缶後に欠陥が生じやすい。そのため、十分な耐食
性を発揮させるのが困難である。
【0004】プレラミネート技術においては、衛生性や
保香性の点からポリエチレンテレフタレートを中心とし
たポリエステル系のフィルムが用いられている。ここで
使用されるポリエステル系フィルムは、予め延伸配向さ
れていると、製缶時の変形に追従できず、フィルムに亀
裂が入って耐食性が悪化し、それと共に缶の外観も悪い
ものとなる。これに対して、非晶質無配向であると、該
フィルムは製缶時の変形に追従しやすいため製缶後も亀
裂ができず、良好な耐食性が得られるが、耐衝撃性が悪
く、缶を落下させると亀裂が入りやすく、耐食性を維持
できない。特に、熱履歴による脆化が著しく、印刷し、
さらに熱硬化性塗料を焼き付けた後や、高温殺菌処理
(レトルト処理等)した後の缶は、ラミネートフィルム
が脆化している。そのため、衝撃が加わると、容易にフ
ィルムに亀裂が生じる。
【0005】そこで、ポリエステル系フィルムの面配向
度や結晶化度を低めにコントロールする方法が検討され
ている。しかし低面配向フィルムであっても、大きな変
形を伴う製缶加工を行うと、フィルムに亀裂が発生して
しまう。この他に、フィルムを多層化し衝撃を吸収する
方法やポリエステル樹脂を改質する方法等も開発されて
きたが、未だ上記問題を解決するには至っていない。
【0006】本発明の目的は、金属板に積層されたフィ
ルム層が非晶質無配向の状態であっても、耐衝撃性に優
れ、特に焼き付け塗装等の熱処理後もフィルムの脆化が
なく缶を落下しても亀裂なく良好な耐衝撃性を有し、か
つ製缶時の変形に追従することができて製缶後にフィル
ムに亀裂が入らないような金属容器、ならびにそれに用
いるラミネート用フィルム、ラミネート金属板およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を行った結果、ナフタレンジ
カルボン酸由来の構成単位を特定量有するポリエステル
層と、イソフタル酸由来の構成単位を特定量有するポリ
エステル層との積層体をラミネートした金属板を用いて
なる金属容器が、製缶時の変形に追従することができて
製缶後のフィルムの亀裂が少なく、かつ特に焼き付け塗
装等の熱処理後に落下させてもフィルムに亀裂が少なく
耐衝撃性に優れていることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0008】すなわち本発明は、以下の通りである。 (1) (A)層と、(A)層の少なくとも片面に積層され
た(B)層とを含有するポリエステル系フィルムであっ
て、(A)層は、少なくとも1種のポリエステルからな
り、かつ(A)層を構成する全ポリエステルについて、
全ジカルボン酸成分のうち、75〜97モル%がテレフ
タル酸、3〜12モル%がナフタレンジカルボン酸であ
り、全グリコール成分のうち75モル%以上がエチレン
グリコールであり、(B)層は、少なくとも1種のポリ
エステルからなり、かつ(B)層を構成する全ポリエス
テルについて、全ジカルボン酸成分のうち、75〜95
モル%がテレフタル酸、5〜25モル%がイソフタル酸
であり、全グリコール成分のうち75モル%以上がエチ
レングリコールであることを特徴とするポリエステル系
フィルムである。
【0009】また本発明は、(2)(1)に記載のポリエステ
ル系フィルムを、(B)層を介して金属板の少なくとも
片面に積層してなるラミネート金属板である。好適な実
施態様は以下のとおりである。 (3)積層されたポリエステル系フィルム層が、非晶質無
配向の状態である (2)に記載のラミネート金属板。 (4)金属板がアルミニウム板である (2)または (3)に記
載のラミネート金属板。
【0010】さらに本発明は、 (5)(A)層と、(A)
層の少なくとも片面に積層された(B)層とを含有し、
(A)層は、少なくとも1種のポリエステルからなり、
かつ(A)層を構成する全ポリエステルについて、全ジ
カルボン酸成分のうち、75〜97モル%がテレフタル
酸、3〜12モル%がナフタレンジカルボン酸であり、
全グリコール成分のうち75モル%以上がエチレングリ
コールであり、(B)層は、少なくとも1種のポリエス
テルからなり、かつ(B)層を構成する全ポリエステル
について、全ジカルボン酸成分のうち、75〜95モル
%がテレフタル酸、5〜25モル%がイソフタル酸であ
り、全グリコール成分のうち75モル%以上がエチレン
グリコールであるポリエステル系フィルムを、2軸延伸
した後、(B)層を介して金属板の少なくとも片面に積
層し、さらに当該ポリエステル系フィルムを溶融後、急
冷して固化することを特徴とするラミネート金属板の製
造方法である。
【0011】さらにまた本発明は、(6)(2)〜(4) のいず
れかに記載のラミネート金属板を成形してなる金属容器
である。好適な実施態様は、(7)(2)〜(4) のいずれかに
記載のラミネート金属板を用いて絞りしごき加工してな
る (6)に記載の金属容器である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル系フィルム
は、(A)層と、(A)層の少なくとも片面に積層され
た(B)層とを含有するポリエステル系フィルムであ
り、金属板にラミネートされない(A)層中にナフタレ
ンジカルボン由来の構成単位が特定量あるため、耐衝撃
性が良好である。このポリエステル系フィルムが(A)
層のみの場合、これを用いたラミネート金属板の製缶後
の接着性に劣るため、熱硬化性樹脂の焼き付け工程等の
熱処理を行うと、缶側面のトリム部でフィルムの剥離が
観測される。この剥離を防止するために製缶後でも接着
性が良好となるように(B)層を設けた。(B)層中に
イソフタル由来の構成単位が特定量あるため、金属板と
の接着性が良好となる。
【0013】(A)層は、少なくとも1種のポリエステ
ルからなり、かつ(A)層を構成する全ポリエステルに
ついて、全ジカルボン酸成分のうち、75〜97モル%
がテレフタル酸、3〜12モル%がナフタレンジカルボ
ン酸であり、全グリコール成分のうち75モル%以上が
エチレングリコールである。
【0014】ナフタレンジカルボン酸としては、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカル
ボン酸等が挙げられ、2,6−ナフタレンジカルボン酸
が経済的に入手しやすい点から好ましい。
【0015】(A)層を構成する全ポリエステルについ
て、全ジカルボン酸成分中のテレフタル酸が75モル%
未満の場合、(A)層を構成するポリエステルの融点が
下がり、得られるポリエステル系フィルムをラミネート
した金属板を製缶した金属容器の熱硬化性樹脂の焼き付
け塗装等の熱処理に対する耐熱性が悪い。逆に97モル
%を超える場合、製缶加工時のフィルムの追従性が悪
い。全ジカルボン酸成分中のテレフタル酸は、好ましく
は85〜95モル%、より好ましくは92〜95モル%
である。
【0016】また、(A)層を構成する全ポリエステル
について、全ジカルボン酸成分中のナフタレンジカルボ
ン酸が3モル%未満の場合、得られるポリエステル系フ
ィルムの耐衝撃性が悪く、従ってこのようなフィルムを
ラミネートした金属板を製缶して得た金属容器を落下さ
せるとフィルムに亀裂が入る。逆に、12モル%を超え
る場合、経済的でなく、また得られるポリエステル系フ
ィルムを、金属板への積層の際に前もって2軸延伸した
時の製膜性が悪く、さらに(A)層のガラス転移温度が
上がるため、製缶加工温度が低いと製缶加工時のフィル
ムの追従性が悪い。全ジカルボン酸成分中のナフタレン
ジカルボン酸は、好ましくは5〜10モル%、より好ま
しくは5〜8モル%である。
【0017】さらに、(A)層を構成する全ポリエステ
ルについて、全グリコール成分中のエチレングリコール
が75モル%未満の場合、(A)層を構成するポリエス
テルの融点が下がり、得られるポリエステル系フィルム
をラミネートした金属板を製缶した金属容器の熱硬化性
樹脂の焼き付け塗装等の熱処理に対する耐熱性が悪い。
全グリコール成分中のエチレングリコールは、好ましく
は90モル%以上、より好ましくは95モル%以上であ
る。
【0018】(A)層を構成する少なくとも1種のポリ
エステルには、その他のジカルボン酸成分、その他のグ
リコール成分、オキシカルボン酸、トリカルボン酸を、
後述するポリエステル系フィルムの特性を損なわない範
囲でさらに含有させてもよい。その他のジカルボン酸と
しては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、マレイン酸、ダイマー酸、インダンジカルボン酸、
イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、スルホイソフ
タル酸金属塩等が挙げられる。その他のグリコール成分
としては、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレ
ンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール等が挙げられる。オキシカルボ
ン酸成分としては、オキシ安息香酸等が挙げられる。ト
リカルボン酸成分としてはトリメリット酸、トリメチロ
ールプロパン等が挙げられる。
【0019】(A)層は、1種のポリエステル、即ちテ
レフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、エチレングリコ
ールからなるポリエステルからなるものであってもよ
く、また、2種以上のポリエステルのブレンド物、例え
ばポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレ
ンナフタレート(PEN)とのブレンド物、であっても
よいが、各成分の含有量は上記の範囲であることが必要
である。
【0020】(A)層を構成するポリエステルは、テレ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸およびエチレングリ
コールを用い、自体既知の方法により製造される。例え
ば、エステル交換法や直接重合法で、溶融下に縮重合す
ることにより得ることができる。
【0021】ナフタレンジカルボン酸の配合は、テレフ
タル酸とエチレングリコールの重合初期や重合途中でも
よく、また(A)層が2種以上のポリエステルからなる
場合には、ナフタレンジカルボン酸を成分とするポリエ
ステルを他のポリエステルとの溶融押出し時に配合して
もよい。
【0022】また、(A)層を構成するポリエステルの
融点は好ましくは200〜250℃であり、より好まし
くは210〜235℃である。ここで(A)層を構成す
るポリエステルの融点とは、(A)層を構成するポリエ
ステルが2種以上の場合には、それらのブレンド物の融
点をいう。得られるポリエステル系フィルムを金属板に
融着したり、溶融したりする際の作業性や省エネルギー
の点から250℃以下であることが好ましく、かつ得ら
れるポリエステル系フィルムをラミネートした金属板を
製缶した金属容器を熱硬化性樹脂の焼き付け塗装するな
どの熱処理に対する耐熱性や、得られるポリエステル系
フィルムを2軸延伸した時の製膜性が良好となる点から
200℃以上であることが好ましい。
【0023】本発明において融点は、示差走査型熱量計
(DSC)を用い、サンプル量10mg、昇温速度20
℃/分で測定した。上記ポリエステルの融点は、主にテ
レフタル酸とエチレングリコールの配合量によって調整
される。
【0024】また、(A)層を構成するポリエステルの
還元粘度は、好ましくは0.40〜1.0dl/g、よ
り好ましくは0.5〜0.8dl/gである。ここで
(A)層を構成するポリエステルの還元粘度とは、
(A)層を構成するポリエステルが2種以上の場合に
は、それらのブレンド物の還元粘度をいう。還元粘度が
0.40dl/g未満であると、得られるポリエステル
系フィルムから製造した金属容器の耐衝撃性が不足しや
すくなる傾向がある。還元粘度が1.0dl/gを超え
ると、原料の重合、フィルムの製膜、ラミネート金属板
の製造等のコストが上がる傾向にある。
【0025】本発明において還元粘度は、フェノール/
テトラクロロエタンの重量比6/4の混合溶媒を用い、
溶液濃度0.4g/dl、温度30℃で測定した値であ
る。(A)層を構成するポリエステルの還元粘度は、原
料の重合時間、固相重合の処理時間等で調整される。
【0026】(B)層は、少なくとも1種のポリエステ
ルからなり、かつ(B)層を構成する全ポリエステルに
ついて、全ジカルボン酸成分のうち、75〜95モル%
がテレフタル酸、5〜25モル%がイソフタル酸であ
り、全グリコール成分のうち75モル%以上がエチレン
グリコールである。
【0027】(B)層を構成する全ポリエステルについ
て、全ジカルボン酸成分中のテレフタル酸が75モル%
未満の場合、(B)層を構成するポリエステルの融点が
下がり、得られるポリエステル系フィルムをラミネート
した金属板の製缶後の熱硬化性樹脂の焼き付け塗装等の
熱処理に対する耐熱性が悪い。逆に95モル%を超える
場合、得られるポリエステル系フィルムと金属板との接
着性が悪く、ラミネート金属板作成時や製缶後の熱硬化
性樹脂の焼き付け塗装等の熱処理時にフィルムの剥離が
生じる。全ジカルボン酸成分中のテレフタル酸は、好ま
しくは78〜90モル%、より好ましくは82〜85モ
ル%である。
【0028】また、(B)層を構成する全ポリエステル
について、全ジカルボン酸成分中のイソフタル酸が5モ
ル%未満の場合、得られるポリエステル系フィルムの金
属板との接着性が悪く、ラミネート金属板作成時や製缶
後の熱硬化性樹脂の焼き付け塗装等の熱処理時にフィル
ムの剥離が生じる。逆に、25モル%を超える場合、ラ
ミネート金属板に融着後、溶融する際に、フィルムが収
縮したり、気泡が発生する。全ジカルボン酸成分中のイ
ソフタル酸は、好ましくは10〜22モル%、より好ま
しくは15〜18モル%である。
【0029】さらに、(B)層を構成する全ポリエステ
ルについて、全グリコール成分中のエチレングリコール
が75モル%未満の場合、(B)層を構成するポリエス
テルの融点が下がり、得られるポリエステル系フィルム
をラミネートした金属板の製缶後の熱硬化性樹脂の焼き
付け塗装等の熱処理に対する耐熱性が悪い。グリコール
成分中のエチレングリコールは、好ましくは90モル%
以上、より好ましくは95モル%以上である。
【0030】(B)層を構成する少なくとも1種のポリ
エステルには、その他のジカルボン酸成分、その他のグ
リコール成分、オキシカルボン酸、トリカルボン酸を、
後述するポリエステル系フィルムの特性を損なわない範
囲でさらに含有させてもよい。その他のジカルボン酸と
しては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、マレイン酸、ダイマー酸、インダンジカルボン酸、
ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ス
ルホイソフタル酸金属塩等が挙げられる。その他のグリ
コール成分としては、プロパンジオール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキ
サンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェ
ノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノール
Sのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。オ
キシカルボン酸成分としては、オキシ安息香酸等が挙げ
られる。トリカルボン酸成分としてはトリメリット酸、
トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0031】(B)層は、1種のポリエステル、即ちテ
レフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコールからな
るポリエステルからなるものであってもよく、また、2
種以上のポリエステルのブレンド物、例えばポリエチレ
ンテレフタレート(PET)とポリエチレンイソフタレ
ート(PEI)とのブレンド物、であってもよいが、各
成分の含有量は上記の範囲であることが必要である。
【0032】(B)層を構成するポリエステルは、テレ
フタル酸、イソフタル酸およびエチレングリコールを用
い、自体既知の方法により製造される。例えば、エステ
ル交換法や直接重合法で、溶融下に縮重合することによ
り得ることができる。
【0033】イソフタル酸の配合は、テレフタル酸とエ
チレングリコールの重合初期や重合途中でもよく、また
(B)層が2種以上のポリエステルからなる場合には、
イソフタル酸を成分とするポリエステルを他のポリエス
テルとの溶融押出し時に配合してもよい。
【0034】また、(B)層を構成するポリエステルの
融点は好ましくは175〜250℃であり、より好まし
くは190〜230℃である。ここで(B)層を構成す
るポリエステルの融点とは、(B)層を構成するポリエ
ステルが2種以上の場合には、それらのブレンド物の融
点をいう。得られるポリエステル系フィルムを金属板に
融着したり、溶融したりする際の作業性や省エネルギー
の点から250℃以下であることが好ましく、かつ得ら
れるポリエステル系フィルムを金属板に融着後、溶融す
る際に、フィルムが収縮したり、気泡が発生したりする
ことがないように175℃以上であることが好ましい。
上記ポリエステルの融点は、主にテレフタル酸とエチレ
ングリコールの配合量によって調整される。
【0035】また、(B)層を構成するポリエステルの
還元粘度は、好ましくは0.40〜1.0dl/g、よ
り好ましくは0.5〜0.8dl/gである。ここで
(B)層を構成するポリエステルの還元粘度とは、
(B)層を構成するポリエステルが2種以上の場合に
は、それらのブレンド物の還元粘度をいう。還元粘度が
0.40dl/g未満であると、得られるポリエステル
系フィルムをラミネートした金属板の製缶後の焼き付け
塗装等の熱処理時の接着性が不足しやすくなる傾向があ
る。還元粘度が1.0dl/gを超えると、原料の重
合、フィルムの製膜、ラミネート金属板の製造等のコス
トが上がる傾向にある。
【0036】(B)層を構成するポリエステルの還元粘
度は、原料の重合時間、固相重合の処理時間等で調整さ
れる。
【0037】本発明のポリエステル系フィルムの厚み
は、好ましくは8〜50μm、より好ましくは10〜2
0μmであり、このうち、(A)層の厚さは、好ましく
は1〜49μm、より好ましくは5〜18μmであり、
(B)層の厚さは、好ましくは0.5〜20μm、より
好ましくは1〜5μmである。(B)層の厚さが0.5
μm未満の場合、ポリエステル系フィルムをアルミ板に
ラミネートする際の接着力が弱く、溶融時にフィルムが
剥離し、逆に20μmを超える場合、ポリエステル系フ
ィルムをアルミ板にラミネートし溶融する際に、フィル
ムが収縮してしまい好ましくない。
【0038】本発明のポリエステル系フィルムは、必要
に応じ、例えば白色顔料、滑剤、ブロッキング防止剤、
熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性
改良剤等の公知の添加剤が配合されていてもよく、これ
らの添加剤は、(A)層、(B)層のどちらに配合され
ていてもよい。
【0039】本発明のラミネート金属板は、上記ポリエ
ステル系フィルムの(B)層を介して金属板の少なくと
も片面に積層されてなるものであり、積層されたポリエ
ステル系フィルム層が非晶質無配向の状態であることが
好ましい。
【0040】該金属板の材料は、特に限定されず、例え
ば鉄、鋼、ブリキ、ティンフリースチール、黄銅、銅、
アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。
【0041】本発明に用いられる金属板は、表面処理が
施されていてもよい。表面処理としては、電気化学的処
理、無機化学的処理、有機化学的処理等があり、例えば
クロメート処理、リン酸クロメート処理、ジンククロメ
ート処理、アルマイト処理等が挙げられる。
【0042】また上記ポリエステル系フィルムにも、接
着性や濡れ性を良くするために必要に応じてコロナ処
理、コーティング処理、火炎処理等が施されていてもよ
い。
【0043】金属板の少なくとも片面とは、製缶後の缶
内面側または缶外面側または内外両面いずれであっても
かまわない。特に耐食性が強く要求される缶内面側に上
記ポリエステル系フィルムを積層することが好ましい。
【0044】本発明のラミネート金属板の製造方法、即
ちポリエステル系フィルムの金属板への積層方法は、後
述するラミネート金属板の製缶加工工程での製缶時の変
形に追従することができるように、積層されたポリエス
テル系フィルム層が非晶質無配向となるような方法が好
ましい。このような方法としては、例えば(1)2軸延
伸したフィルムを金属板に融着または接着した後、溶融
し急冷して固化する方法、(2)未延伸フィルムを融着
または接着する方法、(3)押出しラミネート方式で直
接金属板に融着する方法が挙げられる。特に(1)の方
法が、厚み斑の少ない薄いフィルムを金属板に積層でき
ることから好ましく、厚み斑の少ないラミネート金属板
は、特に後述する絞りしごき加工に好適である。
【0045】上記(1)の方法において、2軸延伸フィ
ルムを金属板へ融着または接着する方法としては、上記
ポリエステル系フィルムの接着層である(B)層の軟化
点以上に加熱された金属板にフィルムを圧着する方法等
が挙げられる。金属板に積層された該ポリエステル系フ
ィルムは2軸配向性を残しているので、さらに該ポリエ
ステル系フィルムを完全に溶融させて配向を無くした
後、急冷して固化すると非晶質無配向のポリエステル層
が得られる。
【0046】該フィルムを完全に溶融するための加熱方
法としては、熱風加熱、ロール加熱、通電加熱、誘電加
熱、高周波加熱等が挙げられる。例えば、熱風加熱の場
合、通常フィルムの融点〜融点+40℃で15〜120
秒間、好ましくは融点+5〜融点+20℃で30〜60
秒間加熱される。
【0047】また、急冷して固化する方法としては水中
浸漬、冷風吹き付け等の方法が挙げられる。ここで、急
冷とは溶融フィルムが固化する際に結晶が生成するのを
防止するのに十分な冷却速度を持つ冷却操作であり、そ
の冷却速度は通常10℃/秒以上、好ましくは50℃/
秒以上である。
【0048】ここで、2軸延伸フィルムは、公知の方法
で製膜、延伸することにより製造される。例えば、
(1)(A)層を構成するポリエステルと(B)層を構
成するポリエステルを別々の押出機によって溶融押出し
し、これをフィードブロック方式やマルチマニホールド
型のTダイより合流させた後に冷却ドラム上にTダイか
らキャストする。冷却固化されたシートをロール式延伸
機で縦方向に延伸した後、テンター式延伸機で横方向に
延伸する方法(逐次2軸延伸法)、(2)上記の冷却固
化されたシートをテンター式同時二軸延伸機で縦横同時
に延伸する方法(同時2軸延伸法)等が挙げられる。
【0049】上述したように、本発明のラミネート金属
板においては、積層されたポリエステル系フィルム層
は、非晶質無配向の状態であることが好ましく、このこ
とにより、ラミネート金属板の製缶加工工程でのフィル
ムの追従性が良好となり、製缶後にもフィルムに亀裂が
入らない。本発明において、非晶質とは、フィルムの密
度が1.35g/cm3 以下である結晶化度の低いフィ
ルムを意味する。無配向とは、屈折率から求めた面配向
係数が0.01以下であるフィルムを意味する。フィル
ムの密度測定は、四塩化炭素とヘプタンの密度勾配管を
用いて行われる。
【0050】面配向係数は、偏光板付き屈折率計を用
い、ラミネート金属板からポリエステル系フィルムを剥
がし、このフィルムの流れ方向、幅方向および厚み方向
の屈折率(Nx、NyおよびNz)を測定し、下式より
求めた。封入液はジヨードメタン、光源はナトリウムラ
ンプである。 面配向係数=(Nx+Ny)/2−Nz
【0051】ポリエステル系フィルムの非晶質無配向
は、上述のように、溶融状態のフィルムを固化する際の
冷却速度を10℃/秒以上、好ましくは50℃/秒以上
にすることによって調整される。
【0052】本発明の金属容器は、上記ラミネート金属
板を用いて成形されてなり、例えば蓋、胴および底が別
々のスリーピース缶、底と一体となった缶胴および蓋か
らなるツーピース缶等に成形される。ツーピース缶とし
ては、例えば絞り法により作られる浅絞り缶、絞り再絞
り法により作られる再絞り缶、絞り引っ張り曲げ伸ばし
法により作られる薄肉化絞り缶、絞りしごき法(DI
法)により作られる絞りしごき缶(DI缶)が挙げられ
る。
【0053】例えば、絞りしごき法(DI法)、すなわ
ち金属板をブランクに打ち抜き、絞りダイとパンチ間で
絞り加工を行ってカップを形成し、該カップの缶胴壁を
カップ内に挿入されたパンチとカップ外周に設けられた
しごきリングの間の、板厚より小さい間隙をしごき通過
させしごき加工することにより、缶胴壁を徐々に薄肉化
させると同時に高い缶体に成形する方法等により成形さ
れる。配向したフィルムが積層されている場合、加工時
の大きな変形に追従できない等の問題が生じ易く、金属
板がアルミニウムの場合には特に生じやすいので、この
DI方法により製缶する場合には、積層されたポリエス
テル系フィルム層が非晶質無配向であるラミネート金属
板は特に好適である。
【0054】本発明の金属容器は、表面の耐擦傷性を上
げるために、少なくとも1層の熱硬化性樹脂層が常法に
より形成されていてもよい。熱硬化性樹脂としては、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂等が挙げら
れる。例えば、熱硬化性のトップクリア塗料等が焼き付
け塗装されていてもよい。この熱硬化性樹脂層は、金属
容器の内側、外側、両側のいずれに形成されていてもよ
い。
【0055】
【実施例】以下、実施例にて本発明をより具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。なお、以下の実施例、比較例における物性
の評価方法は以下の通りである。
【0056】(1)融点 (A)層または(B)層を構成するポリエステルを結晶
化させる。(A)層または(B)層を構成するポリエス
テルが2種以上である場合にはそのブレンド物を結晶化
させる。これを理学電機社製外熱型の示差走査型熱量計
(DSC)を用い、サンプル量10mg、昇温速度20
℃/分で測定した。ここで、融解の吸熱ピーク温度を融
点とした。
【0057】(2)還元粘度 フェノール/テトラクロロエタンの重量比6/4の混合
溶媒を用い、(A)層または(B)層を構成するポリエ
ステルを溶液濃度0.4g/dlとなるように溶解させ
る。(A)層または(B)層を構成するポリエステルが
2種以上である場合にはそのブレンド物を溶解させる。
次いでウベローデ型粘度管を用いて温度30℃で測定し
た。
【0058】(3)密度 ラミネート金属板から剥がしたポリエステル系フィルム
の(A)層と(B)層から削り出した微細片について、
それぞれ四塩化炭素とヘプタンの密度勾配管を用いて測
定した。
【0059】(4)面配向係数 アタゴ社製偏光板付きの屈折率計を用い、ラミネート金
属板から剥がしたポリエステル系フィルムの流れ方向、
幅方向および厚み方向の屈折率(それぞれ、Nx、Ny
およびNz)を測定し、下式から面配向係数を求めた。
封入液はジヨードメタンを、光源はナトリウムランプを
使用した。 面配向係数=(Nx+Ny)/2−Nz
【0060】(5)製造直後の缶のERV 作製したDI缶に350mlの1重量%食塩水を満た
し、エナメルレーターでERV(エナメルレイティング
値)を測定した。電圧は直流6ボルト、缶底外側に金属
露出部を作りそこを陽極に接続し、通電時間30秒で、
30秒後の電流値を測定した。ERV値測定において、
電流がたくさん流れるほど絶縁体であるフィルムに欠陥
が存在し、金属が露出しているため腐食が起こりやす
く、製缶直後のERV値は20mA以下が望ましい。
【0061】(6)落下衝撃後の缶のERV 作製したDI缶を焼き付け処理条件に対応する200
℃、15分間の熱処理を行った後、水350mlを満た
し、缶底を下向きにして1mの高さより落下させた後、
水を除去して(5)と同様にして食塩水を満たしてER
Vを測定した。熱処理前の缶の落下衝撃後のERV値は
20mA以下が望ましい。
【0062】実施例1〜3、比較例1〜5 (2軸延伸フィルムの作製)(A)層を構成するポリエ
ステルとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)
とポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)を、
表1に示す割合でブレンドして、真空乾燥して水分量を
0.01重量%以下とした。このブレンド物について、
融点および還元粘度を測定した。フィルムのブロッキン
グ防止と滑り性付与のために、平均粒径が2.0μmの
シリカゲル微粉末を(A)層中に0.5重量%含有する
ように添加し、分散させた。(B)層を構成するポリエ
ステルとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)
とポリエチレンイソフタレート(PEI)を、表1に示
す割合でブレンドして、真空乾燥して水分量を0.01
重量%以下とした。このブレンド物について、融点およ
び還元粘度を測定した。フィルムのブロッキング防止と
滑り性付与のために、平均粒径が2.0μmのシリカゲ
ル微粉末を(B)層中に0.5重量%含有するように添
加し、分散させた。(A)層のポリエステルのブレンド
物と(B)層のポリエステルのブレンド物を、それぞれ
別々の押出機によって280℃で溶融押出しし、これを
フィードブロック方式のTダイによって合流させた後、
30℃の冷却ドラム上にTダイからキャストし、未延伸
シートを得た。該シートを、直ちにロール式延伸機で縦
方向に85℃で3.3倍延伸し、更にテンター式延伸機
で横方向に95℃で3.5倍延伸した。さらに該フィル
ムを、10%緩和させつつ(融点−35)℃で熱固定
し、厚さ17μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィ
ルムの(A)層と(B)層の厚みの比を調べるために、
(A)層に酸化チタン粉末を少量添加して着色したサン
プルを作製し、フィルム断面を観察してそれぞれの厚み
を測定し、その比を算出した。
【0063】(ラミネート金属板の作製)厚み0.3m
m、幅20cmのリン酸クロメート処理されたアルミニ
ウム板の両面に、上記2軸延伸フィルムを(B)層を介
してロールラミネーターで融着させた。ここで、アルミ
ニウム板は室温で供給し、ゴムロール温度は180〜2
50℃、通過速度は25〜100cm/分、ゲージ圧力
は6kg/cm2 とした。
【0064】次いで、2軸延伸フィルムを融着させたア
ルミニウム板を、熱風オーブン中で200〜270℃、
30〜90秒加熱し、フィルムを完全に溶融させた。こ
れをオーブンより取り出し、5秒以内に15〜25℃の
水に漬け、フィルムを固化させてラミネート金属板を得
た。このラミネート金属板から剥がしたポリエステル系
フィルムについて密度および面配向係数を測定した。
【0065】(DI缶の作製)上記ラミネート金属板を
直径150mmの円に切り出し、絞りしごき加工して、
直径66mm、高さ125mm、壁面の厚み0.12m
mのDI缶を作製した。
【0066】ラミネート金属板に積層されたポリエステ
ル系フィルムの特性と、これを用いてなるDI缶の特性
を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】表1より、実施例1〜3で得られた缶は、
フィルムに欠陥が少なく、ERV値が低い。また、焼き
付け塗装に相当する熱履歴を受けた後でも、トリム部に
剥離がなく、落下衝撃を加えてもERV値は低く、フィ
ルムに亀裂や欠陥ができにくい。一方、(A)層のみの
比較例1は、熱処理後の缶にトリム部に剥離が見られ
た。(B)層のみの比較例2および(A)層中のナフタ
レンジカルボン酸の配合量が少ない比較例4は、熱処理
後に缶に落下衝撃を加えた場合のERV値が高く、焼き
付け塗装等の熱処理後の缶の耐衝撃性が劣ると考えられ
る。また、(B)層中のイソフタル酸の配合量が少ない
比較例3は、接着層の融点が高いために、ラミネート金
属板作製時にフィルムが剥離、収縮してしまいきれいな
ラミネート金属板が得られなかった。また、(B)層中
のイソフタル酸の配合量が多い比較例5は、接着層の融
点が低いために、ラミネート金属板作製時のフィルムの
溶融の際に、フィルムの収縮が大きく、また気泡が発生
したために製缶直後のERVが高かった。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、製缶加工性に優れ、か
つ耐衝撃性、耐食性に優れた金属容器、ならびにそれに
用いるラミネート用フィルムおよびラミネート金属板を
提供することができる。特に、焼き付け塗装やレトルト
処理等の熱処理による脆化が起こりにくく、フィルムの
亀裂等の発生が抑制できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29L 9:00 (72)発明者 大橋 英人 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 濱野 明人 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)層と、(A)層の少なくとも片面
    に積層された(B)層とを含有するポリエステル系フィ
    ルムであって、 (A)層は、少なくとも1種のポリエステルからなり、
    かつ(A)層を構成する全ポリエステルについて、全ジ
    カルボン酸成分のうち、75〜97モル%がテレフタル
    酸、3〜12モル%がナフタレンジカルボン酸であり、
    全グリコール成分のうち75モル%以上がエチレングリ
    コールであり、 (B)層は、少なくとも1種のポリエステルからなり、
    かつ(B)層を構成する全ポリエステルについて、全ジ
    カルボン酸成分のうち、75〜95モル%がテレフタル
    酸、5〜25モル%がイソフタル酸であり、全グリコー
    ル成分のうち75モル%以上がエチレングリコールであ
    ることを特徴とするポリエステル系フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリエステル系フィル
    ムを、(B)層を介して金属板の少なくとも片面に積層
    してなることを特徴とするラミネート金属板。
  3. 【請求項3】 積層されたポリエステル系フィルム層
    が、非晶質無配向の状態であることを特徴とする請求項
    2に記載のラミネート金属板。
  4. 【請求項4】 金属板がアルミニウム板であることを特
    徴とする請求項2または3に記載のラミネート金属板。
  5. 【請求項5】 (A)層と、(A)層の少なくとも片面
    に積層された(B)層とを含有し、(A)層は、少なく
    とも1種のポリエステルからなり、かつ(A)層を構成
    する全ポリエステルについて、全ジカルボン酸成分のう
    ち、75〜97モル%がテレフタル酸、3〜12モル%
    がナフタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の
    うち75モル%以上がエチレングリコールであり、
    (B)層は、少なくとも1種のポリエステルからなり、
    かつ(B)層を構成する全ポリエステルについて、全ジ
    カルボン酸成分のうち、75〜95モル%がテレフタル
    酸、5〜25モル%がイソフタル酸であり、全グリコー
    ル成分のうち75モル%以上がエチレングリコールであ
    るポリエステル系フィルムを、2軸延伸した後、(B)
    層を介して金属板の少なくとも片面に積層し、さらに当
    該ポリエステル系フィルムを溶融後、急冷して固化する
    ことを特徴とするラミネート金属板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2〜4のいずれかに記載のラミネ
    ート金属板を成形してなることを特徴とする金属容器。
  7. 【請求項7】 請求項2〜4のいずれかに記載のラミネ
    ート金属板を用いて絞りしごき加工してなることを特徴
    とする請求項6に記載の金属容器。
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