JP3849826B2 - 成形加工用フィルム被覆金属板 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムが加工前の金属板に被覆された成形加工用金属板に関する。詳しくは、製缶後の缶を落下させてもフィルムに亀裂が入りにくいフィルム被覆金属板に関する。特に製缶後の缶に硬化性樹脂層を焼き付け塗装した後に缶を落下させてもフィルムに亀裂が入りにくいフィルム被覆金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属を成形加工する方法として、例えば製缶方法として絞り法、絞り再絞り法、絞り引っ張り曲げ伸ばし法、絞りしごき法等がある。これらの金属成形体には防食の目的で少なくとも表面に樹脂塗料を被覆するのが一般である。金属缶の場合、この被覆は製缶後にスプレー塗装法などで一缶毎に塗装するために能率が悪く、また塗料を高温で焼き付けるために多大なエネルギーが必要であり、また有機溶剤の飛散による環境悪化の問題がある。
【0003】
このため近年このような欠点を解消するため、缶を成形する以前に金属板に予め塗料をコーティングしておく技術(プレコート技術)やフィルムをラミネートしておく技術(プレラミネート技術)が開発されつつある。しかし、これらの技術においては、コートやラミネートされた有機樹脂層は、製缶工程において過酷な変形や熱履歴を受けるので製缶後に欠陥が生じやすく、十分な耐食性を発揮させるのが困難であるため、現在も当業者間で検討されている。
【0004】
プレラミネート技術に適用するフィルムとしては衛生性や保香性が優れていることからポリエステル系のフィルムが検討されている。ここで使用されるポリエステル系フィルムは、予め延伸配向されていると製缶時の変形に追従できないため、フィルムに亀裂が入り、耐食性が悪化するとともに缶の外観も悪いものとなる。その点非晶質無配向のポリエステル系フィルムを被覆した場合は製缶時の変形に追従しやすく、製缶後もフィルムに亀裂ができず良好な耐食性が得られるが、耐衝撃性が悪く缶を落下させた後には亀裂が入りやすく防食性を維持できない。
【0005】
特に印刷しさらに熱硬化性塗料を焼き付けた後や高温殺菌処理した後の缶はフィルムが脆化して落下させるとフィルムに亀裂が発生しやすくなり問題である。このためにポリエステル系フィルムの面配向度や結晶化度を低めにコントロールする方法が検討されている。低面配向フィルムは落下衝撃後でもフィルムの亀裂は発生しにくくなり、かつ、変形の少ない成形加工ならできる。しかし大きな変形を伴う成形加工を行うとフィルムに亀裂が発生してしまう。このほかにフィルムを多層化し衝撃を吸収する方法やポリエステル樹脂を改質する方法なども提案されているが上記問題を解決するには至っていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、良好な成形性を有し、かつ良好な耐衝撃性を有する被覆膜を持った金属成形体が得られるフィルム被覆金属板を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、低結晶化度でかつ無配向のポリトリメチレンテレフタレート系フィルムを金属板に被覆することによって、耐衝撃性の優れた樹脂被覆金属成形体が得られるフィルム被覆金属板を見出した。すなわち、本発明は、金属板の少なくとも片面に、ポリトリメチレンテレフタレートを主体とする融点が190〜230℃、示差走査型熱量計で求めた結晶化度が90%以下で低結晶化度でかつ無配向であるポリエステルフィルムが被覆されていることを特徴とする成形加工用フィルム被覆金属板である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で使用される金属板としては鉄、鋼、ブリキ、ティンフリースチール、黄銅、銅、アルミニウム、アルミニウム合金またはそれらの表面処理物が挙げられる。表面処理としては電気化学的処理、無機化学的処理、有機化学的処理などがあり、クロメート処理、リン酸クロメート処理、ジンククロメート処理、アルマイト処理、DOS処理などが含まれる。
【0009】
本発明の金属板の少なくとも片面とは、例えば製缶後の缶内面側または缶外面側または内外両面いずれであってもかまわないことである。特に耐食性が強く要求される面側にフィルムを被覆すると有効である。
【0010】
本発明のポリトリメチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとは、トリメチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステルで、ポリエステルフィルム中のポリエステル全体に対してトリメチレンテレフタレート単位を75モル%以上含有する。共重合する段階は、重合初期、重合途中、重合後の押出し機中などのどの段階でもよいが少なくともナフタレート基が共重合されており主な融点はポリエチレンテレフタレートよりは低い190〜250℃の範囲である必要がある。
【0011】
ナフタレンジカルボン酸基の共重合量は3モル%より少ないと製缶後の耐落下衝撃性が不足する。一方ナフタレンジカルボン酸基が多い場合、経済的でない、融点が下がり耐熱性が悪い、2軸延伸フィルムの製膜性が悪い、などの弊害が生まれる。また、ガラス転移温度が上がるため、製缶加工温度が低い場合には製缶加工追従性が劣る可能性がある。本発明のポリエステルはエチレンテレフタレート単位が75モル%以上であるエチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステルである必要がある。エチレンテレフタレート単位が75モル%より少ない場合は、融点が下がり焼き付け塗装に対する耐熱性が不足する。また、2軸延伸フィルムを得る場合、製膜性も悪くなる。
【0012】
本発明のポリエステルの融点は、ポリトリメチレンテレフタレートの融点230℃以下である。フィルムを融着したり、溶融する場合に融点が低い方が作業性や省エネルギーの点で好ましいので、他の共重合成分を共重合してもよい。しかし、焼き付け塗装などに対する耐熱性の点や2軸延伸フィルムを製造する際の製膜性の点では融点は190℃以上である必要がある。
【0013】
本発明のポリエステルは、テレフタル酸成分とトリメチレングリコール成分(1、3−プロパンジオールともいう)をエステル交換法や直重法で縮重合して得られる。その他のジカルボン酸成分、ジオール成分、オキシカルボン酸成分、トリカルボン酸成分を特許請求の範囲内で共重合してもかまわない。その他のジカルボン酸成分としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、ダイマー酸、インダンジカルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、スルホイソフタル酸金属塩など、その他のジオール成分としては、エチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど、その他のオキシカルボン酸成分としては、オキシ安息香酸など、その他のトリカルボン酸成分としてはトリメリット酸、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。該ポリエステルフィルムは、2種類以上のポリエステルをブレンドしたものでもかまわない。
【0014】
該ポリエステルの分子量に関しては、還元粘度で0.70〜1.4、特に0.8〜1.0が好適である。すなわち、還元粘度が0.7以下の場合、製缶した缶の耐落下衝撃性が不足する。また、還元粘度が1.4以上の場合、原料の重合、フィルムの製膜、ラミネート板の製造のコストが上がり経済的でない。なお、還元粘度は、フェノール/テトラクロルエタンの重量比6/4の混合溶媒を用い、溶液濃度が0.4g/dl、温度30℃で測定した値である。
【0015】
本発明の金属板に被覆されたポリエステルフィルムは低結晶化度かつ無配向であることが必要である。該ポリエステルフィルムが低結晶化度であるとは以下の方法で求めた結晶化度が90%以下である必要がある。すなわち、フィルムを示差走査型熱量計(DSC)で測定し次式で計算した結晶化度である。
(結晶化度)%={1−(冷結晶化の発熱量)/(融解の吸熱量)}×100該ポリエステルが無配向であるとは、屈折率から求めた面配向係数(Nx+Ny)/2−Nzが0.01以下であることである。
【0016】
本発明の非晶質無配向のポリエステルフィルムの金属板への被覆方法としては、(1)2軸延伸したフィルムを金属板に融着または接着した後、溶融し急冷固化する方法(2)未延伸フィルムを融着または接着する方法(3)押出しラミネート方式で直接金属板に融着する方法が挙げられる。
【0017】
特に(1)の方法は、(2)(3)に比べて厚み斑の少ない薄いフィルムを金属板に被覆できるので好適であり、厚み斑の少ないフィルム被覆金属板は、特に絞りしごき加工に好適である。該2軸延伸フィルムは、公知の方法で製膜し延伸され製造される。例えば、(1)Tダイより溶融押し出しした未延伸のシートをロール式延伸機で縦方向に延伸した後、テンター式延伸機で横方向に延伸する方法(逐次2軸延伸法)、(2)未延伸シートをテンター式同時二軸延伸機で縦横同時に延伸する方法(同時2軸延伸法)、や(3)チューブ状に溶融押し出ししたシートを気体の圧力で膨張させ延伸する方法(インフレーション法)などによって製造される。
【0018】
2軸延伸フィルムを金属板へ融着する方法としては、該フィルム軟化点以上に暖められた金属板にフィルムを圧着する方法などが挙げられる。金属板に積層された該フィルムは2軸配向性を残しているので、さらに該フィルムを完全に溶融させて配向を無くした後、急冷固化すると非晶質無配向のポリエステル被覆層が得られる。該フィルムを完全に溶融するための加熱方法としては、熱風加熱、ロール加熱、通電加熱、誘電加熱、高周波加熱などが、急冷固化する方法としては水中浸せき、冷風吹き付けなどの方法が挙げられる。
【0019】
本発明の樹脂フィルムは、製造工程において共押し出し法やコーティング法によって複層化されていてもよいが、主ポリエステル層は本特許の範囲内のポリエステルであり、本特許のフィルムの厚さは、8〜50μm、特に10〜20μmが好ましい。本発明のフィルムは、用途によっては接着性や濡れ性を良くするためにコロナ処理やコーティング処理や火炎処理が行われてもよい。
【0020】
本発明のポリエステルフィルムは、公知の添加剤を必要に応じて含有させることができる。例えば、白色顔料、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤、などを含有させてもよい。
【0021】
本発明のフィルム被覆金属板は、例えば絞り法(DR法)により作られる浅絞り缶(DR缶)、絞り再絞り缶(DRD法)により作られる深絞り缶(DRD缶)、絞り引っ張り曲げ伸ばし法(DTR法)により作られる薄肉化絞り缶(DTR缶)、絞りしごき法(DI法)により作られる絞りしごき缶(DI缶)などに使用される。特に、加工時に大きな変形を受けるために配向したフィルムを積層した場合にはフィルムがその変形に追従できない絞りしごき缶(DI缶)に使用される。
【0022】
一般に成形加工後の缶は外面に印刷がされ、さらに表面の耐擦傷性を上げるために熱硬化性のトップクリア塗料が焼き付け塗装される。さらに内容物によってはレトルト処理が行われる。こうした製缶後の熱履歴によってポリエステルフィルムは脆化するため衝撃が加わった場合フィルムに亀裂が入りやすくなる、特に低結晶化度かつ無配向のポリエステルフィルムは製缶加工性は良いが、熱履歴による脆化が著しく缶に落下衝撃が加わった場合にフィルムに亀裂が入りやすくなるのが一般である。しかし、本特許のポリエステルフィルムは低結晶化度かつ無配向にもかかわらず、焼き付け塗装後やレトルト処理後でも耐衝撃性が良好で落下衝撃を加えてもフィルムに亀裂が入りにくく、缶の耐食性が良好である。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の内容および効果を実施例によって説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における物性の評価方法は以下の通りである。
【0024】
(評価方法)
(1)融点
製缶前のフィルム被覆ティンフリー鋼板から剥がしたポリエステルフィルムを理学電機社製外熱型示差走査型熱量計(DSC)で測定し、融解の吸熱ピーク温度を融点とした。サンプルは10mg,昇温速度は20℃/分である。
【0025】
(2)製缶前のフィルムの結晶化度
製缶前のフィルム被覆ティンフリー鋼板から剥がしたポリエステルフィルムを理学電機社製外熱型示差走査型熱量計(DSC)で測定し、50℃から180℃に現れる発熱ピークから冷結晶化の発熱量を求め、150℃から280℃に現れる吸熱ピークから吸熱量を測定し、融解の吸熱量に対する冷結晶化の発熱量から次式で計算した。
(結晶化度)%={1−(冷結晶化の発熱量)/(融解の吸熱量)}×100
【0026】
(3)面配向係数
アタゴ社製偏光板付きの屈折率計で流れ方向、幅方向、厚み方向の屈折率Nx、Ny、Nzを測定し、下式で面配向係数を求めた。封入液はジヨードメタン、光源はナトリウムランプを使用した。
(面配向係数)=(Nx+Ny)/2−Nz
【0027】
(4)還元粘度
還元粘度は、ウベローデ型粘度管で、フェノール/テトラクロルエタンの重量比6/4の混合溶媒に、チップまたはフィルムを溶液濃度0.4g/dlで溶解し、温度30℃で測定した値である。
【0028】
(5)缶の作製
フィルム被覆ティンフリー鋼板を絞り比2.3で絞り加工して絞り缶を作製した。
【0029】
(6)缶のERV
作製した絞り缶に50mlの1重量%食塩水を満たし、エナメルレーターでERV(エナメルレイティング値)を測定した。測定条件は、電圧が直流6ボルト、缶底外側に金属露出部を作りそこを陽極に接続した。通電時間は30秒で30秒後の電流値を測定した。電流がたくさん流れるほど絶縁体であるフィルムに欠陥が存在し、金属が露出しているため腐食が起こりやすい。製缶直後のERV値は10mA以下であることが望ましい。
【0030】
(7)熱処理前の缶の落下衝撃後のERV
作製した絞り缶に水50mlを満たし缶底を下向きにして1mの高さより落下させた後、水を除去して(6)と同様にして食塩水を満たしてERVを測定した。熱処理前の缶の落下衝撃後のERV値は10mA以下が望ましい。
【0031】
(8)熱処理後のERV
絞り缶を焼き付け処理条件に対応する200℃、15分間熱処理を行った後、(7)と同様に落下衝撃を加えた後のERVを測定した。熱処理ごの缶の落下衝撃後のERV値は10mA以下が望ましい。
【0032】
(ポリエステル樹脂の作製)
エステル交換法によって、還元粘度が0.90のイソフタル酸成分を5モル%共重合したポリトリメチレンテレフタレート(a)のチップを溶融重縮合によって得た。但し、比較例用に還元粘度0.68のポリエチレンテレフタレート(b)及びイソフタル酸成分を10モル%共重合した還元粘度0.69のポリエチレンテレフタレート(c)を用いた。全てのポリエステルには平均粒径が1.8μmのシリカゲル微粉末をフィルム中に0.6重量%含有するように添加し、分散させた。
【0033】
(2軸延伸フィルムの作製)
イソフタル酸共重合ポリトリメチレンテレフタレート(a)のチップを真空乾燥し水分率0.01重量%以下にした後、押出機でTダイより260℃で溶融押出しして、30℃の冷却ロールに引き取り、未延伸シートを得た後、直ちにロール式延伸機で縦方向に65℃で3.2倍延伸し、更にテンター式延伸機で横方向に75℃で3.5倍延伸した後、5%緩和させつつ180℃で熱固定し、厚さ15μmの延伸フィルムを得た。比較例として用いたポリエチレンテレフタレート(b)及びイソフタル酸成分を10モル%共重合したポリエチレンテレフタレート(c)は、押出し温度280℃、縦方向延伸温度90℃、横方向延伸温度100℃、熱固定温度210℃で製膜した。
【0034】
実施例1、比較例1〜3
(フィルム被覆アルミニウム板の作製)
ポリエステル樹脂(a)、(b)、(c)の2軸延伸フィルムを、それぞれ厚み0.2mmのティンフリー鋼板の両面にロールラミネーターで融着させた。ティンフリー鋼板は室温で供給し、ゴムロール温度は180〜250℃、通過速度は25〜100cm/分、ゲージ圧力は6Kg/cm2、ティンフリー鋼板の幅は20cm。2軸延伸フィルムを融着させたティンフリー鋼板を熱風オーブン中で200〜270℃で30〜90秒間加熱し完全に溶融させた後、熱風オーブンより取り出し、5秒以内に15〜25℃の水に浸け、固化した。
【0035】
ポリエステル樹脂(a)から作成されたフィルム被覆アルミニウム板を実施例1、ポリエステル樹脂(b)から作成されたフィルム被覆アルミニウム板を比較例1、ポリエステル樹脂(c)から作成されたフィルム被覆アルミニウム板を比較例2とした。また、アルミニウム板にポリエステル樹脂(a)から作成された2軸延伸フィルムを融着させた後、溶融、急冷の低結晶質無配向化処理を行わずに得たフィルム被覆アルミニウム板を比較例3とした。
【0036】
ティンフリー鋼板に被覆された絞り加工前のフィルムの特性と絞り加工後の缶の評価結果を表1に示した。表1に示したとおり、本発明のフィルム被覆金属板より製缶した缶は、フィルムに欠陥が少なくERV値が低い。また、落下衝撃を加えてもERV値が低く、フィルムに亀裂や欠陥ができにくい。さらに、焼き付け塗装と同様の熱履歴を受けた後で落下衝撃を加えてもERV値が低く、フィルムに亀裂や欠陥ができにくい。
【0037】
一方、本発明の範囲外であるポリエチレンテレフタレート及びイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートを用いた比較例1と2では、熱処理後の缶の落下衝撃後のERV値が高く、焼き付け塗装後の缶の耐衝撃性が劣ることが予想される。
比較例3では、絞り加工を行い絞り缶を得ようとしたが、フィルムの剥離が多く、製缶直後のERV値も高かった。
【0038】
【表1】
Figure 0003849826
【0039】
【発明の効果】
低結晶化度かつ無配向のポリトリメチレンテレフタレート系樹脂層を金属板に積層することによって、成形加工によって得た缶の金属露出部が少なく、さらに缶を落下させ変形した後でも金属露出部が少なく、また缶を焼き付け塗装を行った後に落下させ変形した後でも、金属露出部の少ない缶が得られる成形加工用フィルム被覆金属板を提供することができる。また、積層する方法として、まずポリトリメチレンテレフタレート系樹脂の2軸配向フィルムを金属板に積層した後、溶融し、さらに急冷固化して低結晶質無配向のポリエステルフィルムを被覆した金属板よって、均一な成形加工に好適なフィルム被覆金属板を提供できる。

Claims (3)

  1. 金属板の少なくとも片面に、ポリトリメチレンテレフタレートを主体とする、融点が190〜230℃、示差走査型熱量計で求めた結晶化度が90%以下で無配向であるポリエステルフィルムが被覆されていることを特徴とする成形加工用フィルム被覆金属板。
  2. 請求項1に記載のポリエステルフィルムが、2軸延伸されたフィルムを積層した後、溶融して無配向にした後、急冷固化された、示差走査型熱量計で求めた結晶化度が90%以下で無配向のポリエステルフィルムであることを特徴とする成形加工用フィルム積層金属板。
  3. 製缶成形加工後に少なくとも1層の熱硬化性樹脂層が積層されることを特徴とする請求項1または2に記載の成形加工用フィルム被覆金属板。
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