JP2005145902A - テストステロン−5α−レダクターゼ阻害剤 - Google Patents

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Abstract

【目的】アンマロク抽出物を含有することを特徴とするテストステロン−5α−レダクターゼ阻害剤、育毛剤およびアクネの予防又は改善剤を提供する。
【構成】本発明は、アンマロク抽出物を含有することを特徴とするテストステロン−5α−レダクターゼ阻害剤、育毛剤およびアクネの予防又は改善剤である。本発明で用いられるアンマロクは、トウダイグサ科(Euphorbiaceae)コミカンソウ属(Phyllanthus)に属し、学名はPhyllanthus Emblicaである。本発明に用いるアンマロクの抽出物とは、植物体の葉、茎、樹皮、花、実、根等の植物体の一部又は全草から抽出したものであり、好ましくは、植物体の果実および樹皮から抽出して得られるものが良い。

Description

本発明は、新規なテストステロン−5α−レダクターゼ(以下5α−レダクターゼと略す)阻害剤、育毛剤およびアクネの予防又は改善剤に関する。
従来より、男性型脱毛症の成因としては、(1)ホルモンのアンバランス説、(2)遺伝説、(3)血液循環不全説、(4)栄養説などが提唱されているが、毛の発生には男性ホルモンのテストステロンが重要な役割を演じていることが古くから示唆されている。すなわち、睾丸で生合成されたテストステロンは、頭部において毛包、皮脂腺などに存在する5α−レダクターゼによりジヒドロテストステロンに転換される。このジヒドロテストステロンは、アデニルサイクラーゼの活性を著しく低下させて細胞内サイクリックAMPレベルの低下をもたらす。その結果、毛および毛の周辺のエネルギー産生の低下とタンパク合成の抑制を誘起することにより男性型脱毛症が進行するものと考えられている。
また、テストステロンから5α‐レダクターゼによって生成するジヒドロテストステロンは、アクネの発生や増悪、前立腺の肥大に関与するものと考えられている(非特許文献1参照)。
J.Steroid Biochemistry,11,609(1979)
近年、男性型脱毛症、アクネ、前立腺肥大症等を予防又は改善する多くの皮膚外用剤および内用剤が知られ、皮膚外用剤の有効成分としてニシキギ属植物抽出物(特許文献1参照)が、内用剤の有効成分として安息香酸誘導体(特許文献2参照)等が報告されている。しかしながら、これらの有効成分の中には皮膚刺激性、安全性、安定性に問題があるものや、効果が十分でないものもあった。
特許第3223404号 特開平7−145147号
また、トウダイグサ科植物の5α−レダクターゼ阻害作用について、アカメガシワ(トウダイグサ科アカメガシワ属)の抽出物に関するものが特許文献3に報告されているが、効果が十分であるとはいい難かった。
特開平7−278003号
以上のことから、安全で安定性に優れた、男性型脱毛症、アクネ、前立腺肥大症等の予防又は改善に効果的な皮膚外用剤および内用剤が望まれている。
従って本発明は、男性型脱毛症、アクネ、前立腺肥大症等の予防又は改善効果を有する5α−レダクターゼ阻害剤、育毛剤およびアクネの予防又は改善剤などを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題の解決に向け鋭意検討を行った結果、アンマロクの抽出物が優れた5α−レダクターゼ阻害効果を有することを見出した。さらに、その抽出物を含有する皮膚外用剤や内用剤が、安全で安定であり育毛効果やアクネの予防又は改善効果などに優れていることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、アンマロクの抽出物を有効成分とすることを特徴とする5α−レダクターゼ阻害剤および育毛剤である。
以下、本発明の構成について、詳細に説明する。本発明に用いるアンマロク(トウダイグサ科コミカンソウ属、別名;マラッカノキ、ユカン、アムラ)は、学名がPhyllanthus emblica(別名;Emblica officinalis)であり、インドから東南アジアにかけて分布する。なお、本植物は、一般に果実が強壮剤として、樹皮が染料として、葉を煎じた液が目の洗浄に用いられているが、5α−レダクターゼ阻害剤および育毛剤としての利用は報告されていない。
本発明に用いるアンマロクの抽出物とは、植物体の葉、茎、樹皮、花、実、根等の植物体の一部又は全草から抽出したものである。好ましくは、植物体の果実および樹皮から抽出して得られるものが良い。また、本発明には抽出物のほか、果汁も含まれる。
抽出する溶媒としては、例えば、水、低級1価アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなど)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテルなど)が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコールおよび液状多価アルコールがよく、特に好ましくは、水、エタノール、1,3−ブチレングリコールおよびプロピレングリコールがよい。これらの溶媒は1種でもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、二酸化炭素などを用いた超臨界流体による抽出も用いることができる。
これらの抽出物は、抽出した溶媒のまま用いてもよく、必要に応じて、濃縮、希釈、ろ過などの処理、活性炭等による脱色、脱臭処理をして用いてもよい。更には、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥などの処理を行い、乾燥物として用いてもよい。
本発明の抽出物は、5α−レダクターゼ阻害作用を有するので哺乳動物、特にヒトにおける5α−レダクターゼによるジヒドロテストステロンの産生過剰に起因する疾患の治療や予防に有用である。そのような疾患としては、例えば、男性型脱毛症をはじめとする脱毛症、アクネおよび前立腺肥大症が挙げられる。
本発明に関わる抽出物を上記の目的で用いるには、通常全身的または局所的に、経口または経皮で投与される。投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間などにより異なるが、前立腺肥大症の治療や予防の場合は、通常成人1人当たり1回に1mg〜1g、好ましくは20mg〜200mgの範囲で1日1回から数回経口投与される。脱毛症およびアクネの治療や予防の場合は、通常成人1人当たり1回に10μg〜50mg、好ましくは100μg〜5mgの範囲で1日1回から数回経皮投与される。もちろん前記したように、投与量は種々の条件で変動するので、上記投与範囲より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超える投与が必要な場合もある。
本発明による経口投与のための固形製剤としては、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが挙げられる。このような固形製剤については、前記有効成分としての抽出物以外に、例えば、乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどの不活性な希釈剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、繊維素グルコン酸カルシウムのような崩壊剤を含有してもよい。錠剤または丸剤は、必要により、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタレートなどの胃溶剤あるいは腸溶性物質のフィルムで皮膜してもよい。
経口投与のための液状製剤としては、乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤などが挙げられる。このような液状製剤には、有効成分および不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤などを含有してもよい。経口投与のための他の製剤としてはスプレー剤などが挙げられる。
本発明における経皮投与のための代表的な製剤としては、クリーム、乳液、ローション、ヘアトニック、スプレー、パック、溶液剤、軟膏、乳剤、懸濁剤のような塗布剤、直腸内投与のための坐剤、膣内投与のためのペッサリーなどが挙げられる。特に、脱毛症の治療・予防用の製剤としてはローション、ヘアトニック、スプレー、溶液剤が好ましい。これらの製剤には、有効成分以外に、水、エタノールのような低級アルコール、セタノールのような高級アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールのような多価アルコール、ヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロース類、動物性および植物性の油脂およびロウ、ワセリンのような炭化水素、シリコン、界面活性剤、酸化亜鉛などを配合することができる。
本発明のアンマロク抽出物は5α−レダクターゼ阻害作用を有しており、これらの抽出物を含有する皮膚外用剤および内用剤は、男性型脱毛症、アクネ、前立腺肥大症等を予防又は改善する目的で利用することができる。
本発明を詳細に説明するため、実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す配合量の部とは重量部を、%とは重量%を示す。
製造例1 アンマロクの熱水抽出物
アンマロク果実の細断品100gに、精製水1kgを加え、95〜100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を減圧濃縮し、凍結乾燥してアンマロクの熱水抽出物を10g得た。
製造例2 アンマロクの50%1,3−ブチレングリコール抽出物
アンマロクの葉および果実の細断品100gに、精製水500gと1,3−ブチレングリコール500gを加え、室温で2週間抽出した。抽出後、ろ過し、アンマロクの50%1,3−ブチレングリコール抽出物を950g得た。
製造例3 アンマロクのエタノール抽出物
アンマロク果実および樹皮の細断品100gに、エタノール1kgを加え、室温で2週間抽出した。得られた抽出液を減圧濃縮し、アンマロクのエタノール抽出物を5g得た。
比較製造例1 アカメガシワの熱水抽出物
アカメガシワ(トウダイグサ科アカメガシワ属、学名;Mallotus japonicus)の葉および樹皮の細断品100gに、精製水1kgを加え、95〜100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を減圧濃縮し、凍結乾燥してアカメガシワの熱水抽出物を8g得た。
比較製造例2 アカメガシワのエタノール抽出物
アカメガシワ(トウダイグサ科アカメガシワ属、学名;Mallotus japonicus)の葉および樹皮の細断品100gに、エタノール1kgを加え、室温で2週間抽出した。得られた抽出液を減圧濃縮し、アカメガシワのエタノール抽出物を6g得た。
処方例1 ローション
処方 配合量
1.アンマロクの熱水抽出物(製造例1) 0.5部
2.1,3−ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 0.1
11.精製水 84.07
[製造方法]成分1〜6および11と、成分7〜10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合しろ過して製品とする。
比較処方例1 従来のローション
処方例1においてアンマロクの熱水抽出物を精製水に置き換えたものを従来のローションとした。
比較処方例2 比較のローション
処方例1においてアンマロクの熱水抽出物をアカメガシワの熱水抽出物(比較製造例1)に置き換えたものを比較のローションとした。
処方例2 クリーム
処方 配合量
1.アンマロクの50%1,3−ブチレングリコール抽出物(製造例2) 0.5部
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.1,3−ブチレングリコール 8.5
12.パラオキシ安息香酸エチル 0.05
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14.精製水 67.65
[製造方法]成分2〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1および11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
処方例3 乳液
処方 配合量
1.アンマロクの熱水抽出物(製造例1) 0.5部
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.)2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水 72.7
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1および10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
処方例4 ヘアトニック
処方 配合量
1.アンマロクのエタノール抽出物(製造例3) 2.0部
2.エタノール 60.0
3.グリセリン 2.0
4.精製水 36.0
[製造方法]成分1を成分2に溶解し、成分3、4を加え、十分撹拌混合し、製品とする。
比較処方例3 従来のヘアトニック
処方例4においてアンマロクのエタノール抽出物を精製水に置き換えたものを従来のヘアトニックとした。
比較処方例4 比較のヘアトニック
処方例4においてアンマロクのエタノール抽出物をアカメガシワのエタノール抽出物(比較製造例2)に置き換えたものを比較のヘアトニックとした。
処方例5 パック
処方 配合量
1.アンマロクの熱水抽出物(製造例1) 0.1部
2.ポリビニルアルコール 12.0
3.エタノール 5.0
4.1,3−ブチレングリコール 8.0
5.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
7.クエン酸 0.1
8.クエン酸ナトリウム 0.3
9.香料 0.1
10.精製水 73.7
[製造方法]成分1〜10を均一に溶解し製品とする。
処方例6 軟膏
処方 配合量
1.アンマロクの熱水抽出物(製造例1) 1.0部
2.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
3.モノステアリン酸グリセリン 10.0
4.流動パラフィン 5.0
5.セタノール 6.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
7.プロピレングリコール 10.0
8.精製水 65.9
[製造方法]成分2〜5を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1および6〜8を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
処方例7 散剤
処方 配合量
1. アンマロクの熱水抽出物(製造例1) 2.0部
2. 乾燥コーンスターチ 38.0
3. 微結晶セルロース 60.0
[製造方法]成分1〜3を混合し、散剤とする。
処方例8 錠剤
処方 配合量
1. アンマロクのエタノール抽出物(製造例3) 5.0部
2. 乾燥コーンスターチ 25.0
3. カルボキシメチルセルロースカルシウム 20.0
4. 微結晶セルロース 40.0
5. ポリビニルピロリドン 7.0
6. タルク 3.0
[製造方法]成分1〜4を混合し、次いで成分5の水溶液を結合剤として加えて顆粒成型する。成型した顆粒に成分6を加えて打錠する。1錠0.52gとする。
処方例9 飲料
処方 配合量
1. アンマロクの熱水抽出物(製造例1) 5.0部
2. ステビア 0.05
3. リンゴ酸 5.0
4. 香料 0.1
5. 精製水 89.85
[製造方法] 成分2および3を少量の水に溶解する。次いで、成分1、4および5を加えて混合する。
5α−レダクターゼに対する阻害作用
SD系雄ラット(生後7週)の肝臓から抽出した5α−レダクターゼを用い、下記の反応系における条件で測定した。
[反応条件]テストステロン(0.6μM)をプロピレングリコール10滴で溶解した後、トリス−塩酸緩衝液(pH7.2)5mLを加え、次いで、NADPHを5mg、5α−レダクターゼ溶液2mLを順に加え、37℃にて30分間反応する。反応後、塩化メチレンを加えて反応を停止した後、全量50mLの塩化メチレンで抽出する。次いで、塩化メチレン層を減圧下で留去し、ガスクロマトグラフィーにて反応量を測定する。なお、本発明に関わる抽出物の反応系への添加は、テストステロンの滴下の次に行う。(ガスクロマトグラフィーの条件:カラム OV−17(3mmφ、2m);カラム温度 250℃;検出器;FID)
阻害率:抽出物を添加しない場合の反応率(対照)を100%(阻害率0%)と見なし、抽出物を加えた際の反応率の減少を算出して阻害率を求める。算式は次の通りである。なお、ジヒドロテストステロンは、更に代謝されてアンドロスタンジオールを生成するため、5α−レダクターゼ代謝物のピーク面積(量)にはアンドロスタンジオールも含めて計算した。

阻害率(%)=(b/a−b’/a’)/(b/a)×100

a:対照(テストステロンのピーク面積)
b:対照(ジヒドロテストステロンおよびアンドロスタンジオールのピーク面積)
a’:テストステロンのピーク面積(抽出物添加)
b’:ジヒドロテストステロンおよびアンドロスタンジオールのピーク面積(抽出物添加)
これらの結果を表1に示した。製造例1,3のアンマロク抽出物は優れた5α−レダクターゼ阻害効果を示した。その阻害効果は、従来技術で、同じトウダイグサ科植物のアカメガシワ抽出物(比較製造例1,2)よりも格段に高かった。
Figure 2005145902
発毛効果
服部らの方法[J. Dermatology,10,45−54(1983)]により、生後45日のC3Hマウス背部毛をバリカンで刈り取り、この部分を3つに区切り、1つにアンマロク抽出物を含むヘアトニック(処方例4)1mLを、1つに抽出物を含まない従来のヘアトニック(比較処方例3)1mLを、1つにアカメガシワ抽出物を含む比較のヘアトニック(比較処方例4)1mLを、1日1回塗布した。効果は毛再生が始まった部分の面積の変化を求め、各試料による50%発毛率を達成するのに要する日数で評価した。
これらの試験結果を表2に示した。その結果、比較処方例3および比較処方例4のヘアトニックが50%発毛率を達成するのに要する期間と比較して、本発明に関わる抽出物を含む処方例4のヘアトニックではその期間が短縮された。また、その他の処方例においても同様の効果が認められた。
Figure 2005145902
育毛効果に関するモニターテスト
処方例4、比較処方例3および比較処方例4で得られる各ヘアトニックを用いて、使用試験を行った。男性型脱毛症患者である被験者20名の頭部に毎朝夕2回、連続6ヶ月間試料を塗布した後、毛髪の増加及び剛毛化を基準に育毛効果を評価した。
これらの試験結果を表3に示した。その結果、処方例4のヘアトニックは優れた育毛効果を示した。なお、試験期間中、皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題なかった。また、処方成分の劣化についても問題なかった。
Figure 2005145902
アクネに関するモニターテスト
処方例1、比較処方例1および比較処方例2で得られる各ローションを用いて、アクネに悩む女性30人(20〜28歳)を対象に、毎朝夕2回、連続1ヶ月間塗布の使用試験を行った。使用後、アクネの改善効果をアンケートにより測定した。
これらの試験結果を表4に示した。その結果、処方例1のローションは優れたアクネの改善効果を示した。なお、試験期間中、皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題なかった。また、処方成分の劣化についても問題なかった。
Figure 2005145902
本発明のアンマロク抽出物は優れた5α−レダクターゼ阻害作用を有しており、安全性、安定性にも優れていた。従って、これらの抽出物を含有する皮膚外用剤および内用剤は、男性型脱毛症、アクネ、前立腺肥大症等の予防又は改善を目的とする化粧品や医薬品等に有効に利用することができる。

Claims (3)

  1. アンマロク抽出物を含有することを特徴とするテストステロン−5α−レダクターゼ阻害剤。
  2. アンマロク抽出物を含有することを特徴とする育毛剤。
  3. アンマロク抽出物を含有することを特徴とするアクネの予防又は改善剤。
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