JP2001302528A - テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤、頭髪用剤及び皮膚化粧料 - Google Patents

テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤、頭髪用剤及び皮膚化粧料

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JP2001302528A
JP2001302528A JP2000118170A JP2000118170A JP2001302528A JP 2001302528 A JP2001302528 A JP 2001302528A JP 2000118170 A JP2000118170 A JP 2000118170A JP 2000118170 A JP2000118170 A JP 2000118170A JP 2001302528 A JP2001302528 A JP 2001302528A
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extract
hair
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reductase inhibitor
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JP2000118170A
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Yuko Hata
ゆう子 秦
Naoko Kishida
直子 岸田
Tatsuhiko Tsutsumi
龍彦 堤
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Maruzen Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 テストステロン5α−レダクターゼ阻害作用
を有する新規な植物抽出物を見い出し、男性型禿頭、多
毛症、脂漏症など、男性ホルモン刺激の増大に基づく前
記各症状に適した治療、予防のための新規な薬剤、化粧
品類を提供する。 【構成】 セイロンマツリ(Plumbago zeylanicum
L.)、ハマスゲ(Cyperus rotundus L.)、トウゴマ(R
icinus communis L.)、エンベリア(Embelia ribesBur
m.f.)の抽出物であって、水、エタノールなどの脂肪族
低級アルコール、1,3−ブチレングリコール、エチレ
ングリコールなどの親水性有機溶媒や、水とこれらの親
水性有機溶媒との混液などの水系溶媒を用いて抽出され
るものであって、テストステロン5α−レダクターゼ活
性阻害物質を有効成分として含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テストステロン5
α−レダクターゼ阻害剤、頭髪用剤及び皮膚化粧料に関
する。具体的に言うと、テストステロンを5α−ジヒド
ロテストステロンに還元する酵素、テストステロン5α
−レダクターゼの活性を阻害する新規なテストステロン
5α−レダクターゼ阻害剤及び当該阻害剤を利用した養
毛剤、頭髪化粧料など頭皮に適用される頭髪用剤及び皮
膚化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】男性型禿頭、多毛症、脂漏症などの生理
学上の徴候は、代謝系に男性ホルモンが過剰に蓄積され
ることに起因する男性ホルモン刺激の増大に基づいてい
ることが知られている。また、毛根、皮脂腺を始めとす
るいくつかの器官において男性ホルモンの活性本体は、
5α−ジヒドロテストステロン(5α−DHT)であ
り、これは標的器官においてテストステロンが、テスト
ステロン5α−レダクターゼにより還元されることによ
って生成されることが周知になっている。
【0003】そのため、男性ホルモンが過度に作用する
ことによる男性型禿頭、多毛症、脂漏症、座瘡、前立腺
肥大症、前立腺腫瘍、男児性早熟等、様々な好ましくな
い症状は、テストステロンを活性な5α−DHTに還元
するテストステロン5α−レダクターゼの作用を阻害す
ることにより低減あるいは防止することができると考え
られる。そこで、従来から、これらの各種症状を改善す
るために、テストステロン5α−レダクターゼを特異的
に阻害するいくつかの阻害剤が発見され、あるいは合成
されてきた。
【0004】しかしながら、これまでに新規に合成され
た阻害剤の多くは、ステロイド構造あるいはステロイド
類似構造を持っており、好ましくないホルモン様作用を
多少なりとも有しているという欠点があった。
【0005】一方、テストステロン5α−レダクターゼ
活性阻害には、数多くの生薬抽出物が有効であることも
知られている。例えば、アセンヤク、ウイキョウ、カン
ゾウ、ケンゴシ、ゴバイシ、シャクヤク、シャゼンシ、
センソ、ダイオウ、チョウジ、ビンロウジ、ロジン、カ
ッコウアザミ、ゲンノショウコ、カゴソウ、サイコ、イ
ンチン、エイジツ、ヨクイニン、ソヨウ、ニガキ、ケイ
ガイ、キササゲ、ショウザン、カノコソウ等の抽出エキ
ス等が挙げられる。
【0006】しかしながら、これらの生薬抽出物は、ホ
ルモン様作用を有するものではないものの、使用感がよ
くなく、また、十分な阻害活性が得られないとの指摘が
あり、実際に適用する上で満足しうるテストステロン5
α−レダクターゼ活性阻害剤を得ることができなかっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点に鑑みたものであって、テストステロ
ン5α−レダクターゼ阻害作用を有する新規な植物抽出
物を見い出すと共に、前記症状に適した治療、予防のた
めの新規な薬剤、化粧品類を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るテストステ
ロン5α−レダクターゼ阻害剤は、セイロンマツリ、ハ
マスゲ、トウゴマ、エンベリアの群からなる1種若しく
は2種以上の植物抽出物よりなることを特徴としてい
る。
【0009】また、本発明に係る頭髪用剤及び皮膚化粧
料は、それぞれ本発明に係るテストステロン5α−レダ
クターゼ阻害剤を含有することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明すると、本発明に係るテストステロン5α−レダ
クターゼ阻害剤は、セイロンマツリ(Plumbago zeylani
cum L.)、ハマスゲ(Cyperus rotundus L.)、トウゴ
マ(Ricinus communis L.)、エンベリア(Embelia rib
es Burm.f.)の抽出物からなるものであって、テストス
テロン5α−レダクターゼ活性阻害物質を有効成分とし
て含有するものである。
【0011】これらの植物は、通例乾燥した状態で使用
され、その使用部位も限定されるものではないが、抽出
効率の観点から、次に述べるごとく各植物に属した部位
が好ましく用いられる。さらに具体的に説明すると、セ
イロンマツリは、ルリマツリ属イソマツ科に属するつる
性、低木状の多年草であって、主に根部が好適に使用さ
れる。また、ハマスゲは、カヤツリグサ属カヤツリグサ
科に属する多年草であり、細長い地下茎を伸ばして繁殖
し、その先端に塊茎を作るが、本発明においてはこの塊
茎が好適に使用される。さらに、トウゴマは、トウゴマ
属トウダイグサ科に属する一年草で、熱帯地方では多年
低木となり、本発明においては根部が好適に使用され
る。なお、トウゴマの根部には有毒物質を含んでいない
が、種子部には有毒物質を含んでいるため、種子部を使
用する場合にはこの有毒物質を処理する必要があり、注
意を要する。エンベリアは、エンベリア属ヤブコウジ科
に属するつる性低木で、主に果実が好適に用いられる。
これらの植物群は、インド、中国等のアジア地域に広く
分布しており、栽培量も多く、原料の入手が容易に行え
る。
【0012】また、これら植物から得られるテストステ
ロン5α−レダクターゼ阻害物質の詳細は不明である
が、上記植物から各種の溶媒を用いて得られた抽出物に
阻害活性が認められる。本発明に係る抽出物は、水、エ
タノールやイソプロピルアルコールなどの各種脂肪族低
級アルコール、1,3−ブチレングリコール、エチレン
グリコール、グリセリン、イソプロパノールなどの親水
性有機溶媒、これらの混合物及びこれらの親水性有機溶
媒と水との混液などの各種水系溶媒を用いて得られた抽
出物が、高いテストステロン5α−レダクターゼ活性阻
害を示す。しかも、これらの水系溶媒は取扱いが容易
で、抽出作業が比較的容易に行なえる。
【0013】これらの抽出対象植物は、一般的には各部
位を乾燥した後、中切、細切したり、あるいは粉砕して
用いられる。このとき、抽出方法や抽出条件等も特に限
定されるものではないが、好適には重量比で用いる植物
量の5〜15倍量の前記抽出溶媒に浸漬し、常温ないし
90℃程度の加熱・加温下で、ゆるやかに撹拌しながら
可溶性成分を溶出させる。この後、当該抽出液をろ過又
は遠心分離し、液固分離して目的となる抽出物を得る。
【0014】こうして得られた抽出液はそのまま、本発
明に係るテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤とし
て用いることもできるが、活性が低い場合もあるため、
適宜濃縮したエキス状物、あるいは、例えばドライスプ
レーなどの方法を用いてさらに乾固させ、乾燥エキスと
して用いることも可能である。また、必要に応じて簡単
な精製処理を施してもよい。このエキス状物や乾燥エキ
スもそのまま用いたり、あるいはデンプンや乳糖などの
各種賦形剤を添加して用いることができるのは言うまで
もない。
【0015】また、本発明においては、上記のごとく得
られた抽出物を単独であるいは2種以上を用いてもよ
く、あるいは、抽出時において、上記植物を2種以上用
いて抽出してもよいのはもちろんである。
【0016】当該テストステロン5α−レダクターゼ阻
害剤は、男性型禿頭、多毛症、脂漏症、座瘡、前立腺肥
大症等、テストステロン5α−レダクターゼの活性過
多、テストステロン分泌過多に起因する各種症状に用い
られ、任意の医薬品、例えば、前立腺肥大症改善剤、育
毛・養毛剤、皮脂分泌抑制剤として、あるいは任意の医
薬部外品、化粧料、例えば、ヘアトニック、ヘアクリー
ム、ヘアリキッド、ヘアローション、ポマード、ヘアシ
ャンプー、ヘアリンス、クリーム、化粧水、乳液、パッ
ク剤などとして提供できるものである。特に、養毛剤や
頭髪用化粧料などの頭髪用剤あるいは皮膚化粧料に好適
に用いられる。また、上記各植物は古来より薬用植物と
して使用されてきており、その安全性は確認されている
ものであって、これらの抽出物を用いた上記医薬品や化
粧品等においても、副作用なく使用できるものである。
【0017】上記抽出物は、一般的な植物抽出物の製剤
化による公知の方法により、例えば、外皮用剤、内服液
剤、内服固形剤、注射剤、座剤等各種製剤化される。こ
のとき、用途に応じて任意の生理活性物質や助剤、例え
ば収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿
剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性
酸素消去剤等を併用すれば、より一般性のある製品とで
きる。また、それにより、併用された他の有効成分との
相乗作用により通常期待される以上の優れた効果をもた
らすことも期待される。
【0018】本発明に係るテストステロン5α−レダク
ターゼ阻害剤は、通常、抽出固形分として0.005〜
5w/w%程度用いられ、目的とする用途、剤形等に応
じて、適宜設定されるものである。もちろん、本発明の
効果を達成する限りにおいては、その上限量、下限量は
問われるものではない。
【0019】
【実施例】以下、本発明に係る実施例を示し、本発明に
ついてさらに詳細に説明する。 (実施例1)乾燥したセイロンマツリの根部粗砕物、ハ
マスゲの塊茎粗砕物、トウゴマの根部粗砕物及びエンベ
リアの果実粗砕物各々50gに、80v/v%エタノー
ル水溶液を各々500mlを加え、還流抽出器で3時間
加熱抽出した。その後、ろ過して得られた抽出液を減圧
下に濃縮し、さらに凍結乾燥して、粉末状抽出物を得
た。その収量を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】(実施例2)乾燥したセイロンマツリの根
部粗砕物、ハマスゲの塊茎粗砕物、トウゴマの根部粗砕
物及びエンベリアの果実粗砕物各々50gに、水を各々
500mlを加え、還流抽出器で3時間加熱抽出した。
その後、ろ過して得られた抽出液を減圧下に濃縮し、さ
らに凍結乾燥して、粉末状抽出物を得た。その収量を表
2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】(実施例3)乾燥したセイロンマツリの根
部粗砕物、ハマスゲの塊茎粗砕物、トウゴマの根部粗砕
物及びエンベリアの果実粗砕物各々50gに、エタノー
ルを各々500mlを加え、還流抽出器で3時間加熱抽
出した。その後、ろ過して得られた抽出液を減圧下に濃
縮し、さらに凍結乾燥して、粉末状抽出物を得た。その
収量を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】(実施例4)乾燥したセイロンマツリの根
部粗砕物、ハマスゲの塊茎粗砕物、トウゴマの根部粗砕
物及びエンベリアの果実粗砕物各々50gに、1,3−
ブチレングリコールを各々500mlを加え、95℃で
3時間加熱抽出した。その後、ろ過して得られた抽出液
を5℃に5日間静置し、生じたオリや沈澱をケイソウ土
を用いてろ過して澄明な抽出液を得た後、さらに1,3
−ブチレングリコールを加え、液状の抽出物500ml
を得た。当該抽出物の固形分濃度(w/v%)を表4に
示す。なお、固形分濃度は、当該抽出物の少量を取り、
蒸発乾固させて求めた(実施例5においても同じ)。
【0026】
【表4】
【0027】(実施例5)乾燥したセイロンマツリの根
部粗砕物、ハマスゲの塊茎粗砕物、トウゴマの根部粗砕
物及びエンベリアの果実粗砕物各々50gに、50v/
v%1,3−ブチレングリコール水溶液を各々500m
lを加え、95℃で3時間加熱抽出した。その後、ろ過
して得られた抽出液を5℃に5日間静置し、生じたオリ
や沈澱をケイソウ土を用いてろ過し、澄明な抽出液を得
た後、さらに50v/v%1,3−ブチレングリコール
を加え、液状の抽出物500mlを得た。当該抽出物の
固形分濃度(w/v%)を表5に示す。
【0028】
【表5】
【0029】(効力試験1)上記実施例1〜5で得た各
テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤について、下
記試験法によりテストステロン5α−レダクターゼ活性
阻害作用及び蛋白変性作用について試験した。なお、阻
害剤に蛋白変性作用がある場合には、肌に塗布した場
合、皮膚と直接反応し、その本体はテストステロン5α
−レダクターゼが作用する毛母細胞及び皮脂腺細胞まで
吸収されず、テストステロン5α−レダクターゼへの作
用が期待できない。そのため、毛母細胞及び皮脂腺細胞
において活性阻害作用を発揮するためには、蛋白変性作
用を示さないものが好ましく、係る蛋白変性作用につい
ても試験を行った。
【0030】また、テストステロン5α−レダクターゼ
活性阻害作用の試験に際して、実施例1、2及び3につ
いては得られた粉末状抽出物を試験に供し、実施例4及
び5については、その少量を取り、減圧濃縮・凍結乾燥
を行って粉末状物を得たのち、これを試験に供した。一
方、蛋白変性作用については、実施例1、2及び3につ
いては、凍結乾燥前の抽出液を試験に供し、実施例4及
び5については、最終的に得られた抽出液を試験に供し
た。
【0031】〔テストステロン5α−レダクターゼ活性
阻害作用〕テストステロン(東京化成(株)製)4.2
mgをプロピレングリコール1mlに溶解し、その20
μlに、NADPH(オリエンタル酵母(株)製)を濃
度1mg/mlとなるように溶解した5mMトリス塩酸
緩衝液(pH7.2)825μlを加えて混合する。
【0032】さらに、各試料のエタノール溶液80μl
及びS−9(ラット肝臓ホモジネート:オリエンタル酵
母(株)製)75μlを加えて混合し、37℃で30分
間インキュベートする。その後、塩化メチレン1mlを
加えて反応を停止させ、塩化メチレン層を分取して、反
応生成物であるジヒドロキシテストステロン、アンドロ
スタンジオール等の反応生成物をガスクロマトグラフィ
ーにより定量する。別にコントロールとして、試料溶液
の代わりにエタノールを同量(80μl)用いた場合に
ついて同様に処理して、反応生成物を定量する。コント
ールにおける反応生成物量(総ピーク面積量)に対する
試料添加時における反応生成物量(総ピーク面積量)の
比率を算出し、テストステロン5α−レダクターゼ活性
阻害率(%)を求めた。
【0033】こうして、試料添加時における試料濃度を
種々変化させて、各濃度におけるテストステロン5α−
レダクターゼ活性阻害率(%)を求め、その結果から内
挿法により、酵素活性を50%阻害する試料濃度IC50
を求めた。なお、実施例4及び5においては、乾燥後の
重量に換算した値を示す。
【0034】〔蛋白変性作用〕胎児血清アルブミン(F
r.V:SIGMA(株)製)を、0.02w/v%と
なるように溶解したリン酸緩衝液(pH6.8)9ml
に、試料溶液(抽出液)を1mlを加え、10分間撹拌
した後、メンブランフィルターでろ過し、液体クロマト
グラフィーにて残存アルブミン量を定量した。これらの
試験結果を、表6に示す。
【0035】
【表6】
【0036】(効力試験2) 〔皮脂分泌抑制作用〕健常な被験者10名の前額部の左
側部に実施例1、3及び5の各抽出物を各々0.2w/
w%(固形分として)含有するエタノール溶液を含浸さ
せた脱脂綿を絆創膏で固定した。また、右側部には抽出
物を含まないエタノールを含浸させた脱脂綿を固定し
た。固定後8時間経過した後、各脱脂綿を取り外し、エ
タノールで抽出して脱脂綿に吸収された皮脂を回収し
て、その中に含有されたスクワレンをガスクロマトグラ
フィーで定量した。左右の脱脂綿中に含有されていたス
クワレン量の差から、各抽出物の皮脂分泌抑制率(%)
を算出した。当該試験結果を表7に示す。
【0037】
【表7】
【0038】(効力試験3) (脱毛抑制作用)男性型脱毛症及び頭部脂漏性皮膚炎の
症状を有する25歳から45歳までの男性10人を5人
ずつの使用群と不使用群とに2分し、使用群には実施例
1による各抽出物を0.2w/w%(固形分)含有する
50v/v%エタノール水溶液を一ヶ月間、一日2回、
朝と夜に通常使用しているヘアトニックに代えて使用し
てもらった。不使用群には、通常使用しているヘアトニ
ックに代えて50v/v%エタノール水溶液を、同じ条
件で使用してもらった。試験開始日と試験終了日に同一
条件で全員に洗髪してもらい、そのときの脱毛本数を計
測した。なお、条件を整えるため、これら脱毛本数計測
のための洗髪の24時間前にも同一の条件で洗髪した。
その試験結果を表8〜11に示す。
【0039】
【表8】
【0040】
【表9】
【0041】
【表10】
【0042】
【表11】
【0043】表6から分かるように、本発明に係る各抽
出物によれば、IC50が約250〜5000ppmの範
囲で、効果的なテストステロン5α−レダクターゼ活性
阻害作用を示した。特に、各植物の80%エタノール抽
出物、エタノール抽出物においては、より高い活性阻害
作用を示すものであり、表7に示すように、高い皮脂分
泌抑制率を示した。
【0044】また、これらの抽出物について、蛋白変性
率を測定したところ、表6に示すようにほぼ3%以内に
収まり、肌からの浸透、毛母細胞等への到達も良好なも
のであることが期待された。
【0045】さらにこれらの抽出物を実際に使用した場
合でも、表8ないし表11に示すように、脱毛率に明確
な低下が見られ、トウゴマについてはやや低い効果では
あったが、いずれの抽出物についても良好に脱毛を防ぐ
ことが確認できた。
【0046】〔製剤例〕次に上記で得られた抽出物を用
いて以下の製剤例を製造したところ、いずれの製剤例に
おいても、良好な製剤を得ることができた。なお、以下
の製剤例においては、各処方ごとに4種の抽出物につい
てそれぞれ製剤例を作製した。
【0047】 (製剤例1) レゾルシン 0.01(重量部) 実施例1による抽出物 0.2 塩酸ピリドキシン 0.1 D−パンテノニルアルコール 0.1 セファランチン 0.05 エンメイソウ抽出液 0.2 オタネニンジン抽出液LA−30 0.1 グリチルリチン酸ジカリウム 0.3 センブリ抽出液リキッドET 0.2 l−メントール 0.05 1,3−ブチレングリコール 4.0 エタノール 25.0 香料 適 量 精製水 70.0
【0048】上記成分分量に基づき、レゾルシンを60
℃に加熱した精製水に溶解し、そこに抽出物以下香料ま
でを溶解した溶液を加えて撹拌し、冷却して本発明に係
る頭髪用剤であるヘアトニックを製造した。
【0049】 (製剤例2) アルニカ抽出液BG 0.5(重量部) 油溶性甘草エキスP−T(40) 0.1 クジン抽出液BG 0.2 1,3−ブチレングリコール 4.0 オレイルアルコール 4.0 防腐剤 適 量 実施例3による抽出物 0.2 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.) 1.5 ポリオキシエチレンラウリルエーテル(20E.O.) 0.5 香料 適 量 エタノール 15.0 精製水 70.0
【0050】上記成分分量に基づき、アルニカエキス、
油溶性甘草エキス及びクジン抽出液を、予め1,3−ブ
チレングリコールに溶解しておき、オレイルアルコー
ル、防腐剤と共に精製水に投入して撹拌混合した。それ
とは別に、抽出物以下エタノールまでを混合溶解してお
き、当該溶液を先の混合液に加えて撹拌して、本発明に
係る皮膚化粧料であるローションを製造した。
【0051】 (製剤例3) ステアリルグリチルレチネート 0.1(重量部) ビーズワックス 10.0 セタノール 5.0 親水ラノリン 8.0 スクワラン 32.5 グリセリルモノステアレート 2.0 γ−オリザノール 0.05 実施例2による抽出物 1.0 ビタミンE酢酸エステル 0.2 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.) 2.0 ポリエチレングリコール 5.0 防腐剤 適 量 香料 適 量 精製水 34.0
【0052】上記成分分量に基づき、抽出物以下香料ま
でを精製水に加えて70℃に加熱、溶解させる。予め、
ステアリルグリチルレチネート以下γ−オリザノールま
でを混合して70℃までに加熱したものを前記混合物に
投入し、ホモジナイザーを用いて乳化して、本発明に係
る皮膚化粧料であるクリームを製造した。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、副作用が少なく新たな
テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤を提供するこ
とができる。これらの阻害剤は、蛋白変性作用が少な
く、皮膚、頭皮へ塗布することにより毛母細胞及び皮脂
腺細胞まで確実に到達できることが期待され、男性型禿
頭、多毛症、脂漏症、座瘡、前立腺肥大症、前立腺腫
瘍、男児性早熟等、過量のテストステロンによる各症状
の改善に大きく寄与できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/06 A61K 7/06 A61P 13/08 A61P 13/08 17/00 17/00 17/08 17/08 17/14 17/14 43/00 111 43/00 111 (72)発明者 堤 龍彦 広島県尾道市向東町14703番地の10 丸善 製薬株式会社内 Fターム(参考) 4C083 AA111 CC04 CC05 CC37 DD23 DD31 EE12 EE13 EE14 EE22 FF01 4C088 AB12 AB46 AB79 AC04 AC11 AC13 BA08 BA09 CA03 MA07 MA63 ZA89 ZA92 ZC20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セイロンマツリ、ハマスゲ、トウゴマ、
    エンベリアの群からなる1種若しくは2種以上の植物抽
    出物よりなるテストステロン5α−レダクターゼ阻害
    剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のテストステロン5α−レ
    ダクターゼ阻害剤を含有することを特徴とする頭髪用
    剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のテストステロン5α−レ
    ダクターゼ阻害剤を含有することを特徴とする皮膚化粧
    料。
JP2000118170A 2000-04-19 2000-04-19 テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤、頭髪用剤及び皮膚化粧料 Pending JP2001302528A (ja)

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EP2649987A1 (en) 2012-04-11 2013-10-16 Bayer Consumer Care AG Embelia concinna extract comprising flavonoids in cosmetic and pharmaceutical compositions

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