JPH09227341A - 抗男性ホルモン剤 - Google Patents

抗男性ホルモン剤

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JPH09227341A
JPH09227341A JP2888996A JP2888996A JPH09227341A JP H09227341 A JPH09227341 A JP H09227341A JP 2888996 A JP2888996 A JP 2888996A JP 2888996 A JP2888996 A JP 2888996A JP H09227341 A JPH09227341 A JP H09227341A
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JP
Japan
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glabridin
androgen
cosmetic
treatment
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JP2888996A
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Tomoo Itsukida
智夫 五木田
Yusuke Hakamata
祐輔 袴田
Yutaka Hirayama
豊 平山
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Lion Corp
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 男性ホルモンが関与する疾患の予防、改善に
有効な抗男性ホルモン剤を提供する。 【解決手段】 グラブリジンを含有することを特徴とす
る抗男性ホルモン剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、男性ホルモンが関
与する疾患の予防、改善に有効な抗男性ホルモン剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】皮膚において、皮脂は水分の蒸散を防
ぎ、皮膚のなめらかさを保つために必要であり、さら
に、体内への異物の混入を防ぐという役割を持つ。ま
た、頭皮においても毛髪の美しさを保つために皮脂が必
要である。しかしながら、その分泌が過剰になると、べ
たついて汚れやすく、病原菌が繁殖し易くなる。脂漏、
ニキビ、頭皮におけるふけやかゆみ、男性型脱毛症の原
因はすべて皮脂分泌亢進によるものである。
【0003】皮脂の分泌亢進は、男性ホルモン(アンド
ロゲン)の活性過剰により起こると考えられている。こ
の他にも従来から、男性ホルモンが関与している疾患と
して、多毛症、ざ瘡、前立腺肥大症、前立腺腫瘍等が知
られており、いずれも男性ホルモンの活性過剰が原因と
考えられている。特に、テストステロンの代謝物である
5α−ジヒドロテストステロン(DHT)が疾患の原因
であることが、種々の研究の結果明らかにされている。
【0004】男性ホルモンの標的細胞(例えば、皮脂腺
細胞、前立腺細胞等)における作用機構は、図1に示さ
れるように、男性ホルモンであるテストステロン(T)
が標的細胞内に移行すると()、還元酵素である5α
−リダクターゼ()により5α−ジヒドロテストステ
ロン(DHT)に還元される。このDHTはアンドロゲ
ンレセプター(AR)と結合して()、活性化され
()、核内へ移行すること()によりその機能を発
揮するものである。
【0005】上述の男性ホルモンの活性過剰により起こ
る脂漏、ざ瘡、頭皮におけるふけやかゆみ、男性型脱毛
症、多毛症、前立腺肥大症、前立腺腫瘍等の疾患の治療
には、従来からシプロテロンアセテート、オキセンドロ
ン、酢酸クロルマジノン等の種々の抗男性ホルモン剤が
用いられており、その作用は、例えば、標的器官(例え
ば、皮脂腺、前立腺等)においてテストステロンを生物
活性の高いDHTに還元させる5α−リダクターゼ(図
1の)の活性を阻害する、或いは、生成したDHTと
標的細胞内の受容体との結合(図1の)を阻害するこ
とによるものである。
【0006】しかしながら、これらの抗男性ホルモン
剤、例えば、上記シプロテロンアセテート、オキセンド
ロン、酢酸クロルマジノン等はステロイドホルモン誘導
体であるため効果は認められるが、ホルモン作用等の好
ましくない副作用を持ち、安全性に問題があるために、
特に、皮脂分泌抑制剤、ニキビの予防と治療、頭皮にお
けるふけ、かゆみや脱毛の防止に有効な化粧料などのよ
うに長期にわたって使用するものに配合することは適さ
ないという課題がある。
【0007】一方、従来よりイソフラバン類に属するグ
ラブリジンは、甘草の疎水性成分であり、安全性及びチ
ロシナーゼ活性阻害作用を有することが既に確認されて
おり、このグラブリジンを有効成分とする美白剤が多数
知られている。例えば、グラブリジンと、炭素数18〜
22かつ分子構造中の不飽和結合数が2以上の遊離脂肪
酸、その塩、あるいは一価又は二価アルコールとのエス
テルより選ばれた少なくとも1種の成分とを配合した美
白化粧料(特開平5−213735号公報)、γーアミ
ノ酪酸及びその誘導体の少なくとも一つとグラブリジン
とを含有する美白効果に優れる皮膚化粧料(特開平6−
145038号公報)、油溶性甘草エキスを含む外用剤
に、ピロ亜硫酸塩及び/又は亜硫酸塩を配合して、甘草
エキス中の有効成分であるグラブリジンの安定性を改善
した外用剤(特開平6−263624号公報)、紫外線
吸収剤及び/又は紫外線散乱剤とグラブリジンとを含有
する紫外線による肌荒れやシミやソバカスを防ぐ効果に
優れる皮膚外用剤(特開平6−271442号公報)、
グラブリジンと美白剤の少なくとも1種とを含有する皮
膚のシミやソバカスを防止する機能に優れた皮膚外用剤
(特開平6−271453号公報)などが知られてい
る。
【0008】上記各公報等で明らかなように、これまで
知られているグラブリジンは、美白作用を有するもので
あり、抗男性ホルモン剤としての用途、すなわち、抗男
性ホルモン剤としての作用効果、用途としての適用範囲
は全く知られていないものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記状況
に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、グラブリジンに5αー
リダクターゼ阻害作用及びアンドロゲン受容体結合阻害
作用を新規に見い出し、これを有効成分として含有する
ことを特徴とする、ホルモン様作用を持たず、安全性の
高い抗男性ホルモン剤を得ることに成功し本発明を完成
するに至ったのである。すなわち、本発明の抗男性ホル
モン剤は、グラブリジンを含有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。本発明に用いられるグラブリジンは、有
機合成により得たものでも、植物から抽出・精製して得
たもののいずれでもよく、また、溶媒抽出により得られ
た抽出液や、この抽出液から溶媒を除いた粉末物等のエ
キスを用いたものでもよい。
【0011】抽出の場合は、例えば、甘草またはその他
同属の植物の根などから、ベンゼン、クロロホルム等の
低極性溶媒、メタノール、エタノール等の低級アルコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の溶
媒を用いて行うことができ、特に、ヘキサン10重量部
に対しアセトン1〜4重量部またはエチルアルコール
0.5〜1.5重量部を混合した混合溶媒を用いて行う
ことが好ましい。抽出処理は、被抽出原料を約3〜5倍
量の溶媒に浸漬して加熱するか、または、約5〜10倍
量の溶媒に常温で浸漬することにより行うことができ
る。精製処理は、例えば、順相シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー及び逆相シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより処理した後、ヘキサン−ベンゼン混合溶媒系
から結晶化する方法で行うことができる。
【0012】本発明に係るグラブリジンは、優れた抗男
性ホルモン作用を有し、且つ安全性が高いことから、こ
れを含有する抗男性ホルモン剤は、男性ホルモンの活性
過剰が原因と考えられている種々の疾患、例えば、男性
型脱毛症、ざ瘡、前立腺肥大症等の治療に安全且つ効果
的に用いることができ、また、にきび予防や頭髪用等の
化粧料として使用することもできる。
【0013】本発明の抗男性ホルモン剤の剤型として
は、例えば、リニメント剤、スプレー剤、ローション
剤、軟膏剤等の外皮用剤になすことができる。
【0014】本発明の抗男性ホルモン剤は、ホルモン様
作用を持たず、しかも高い抗男性ホルモン活性を有し、
男性ホルモンが関与する種々の疾患の予防および治療に
有用であり、医療、化粧料等広範な用途に用いられる。
【0015】本発明の抗男性ホルモン剤をヘアトニッ
ク、ヘアシャンプーなどの化粧料に適用した場合の配合
量は、化粧料の種類等によって異なるものであるが、
0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜2重量
%である。配合量が0.001重量%未満であると、目
的の効果を発揮できず、また、着色等の商品的価値の観
点から20重量%を越えない方が良い。
【0016】
【実施例】次に、本発明の抗男性ホルモン剤の有効成分
であるグラブリジンに関する薬効試験例及び実施例(製
剤例)により更に詳細に且つ具体的に説明する。
【0017】試験例1(5α−リダクターゼ阻害活性効
果試験) (1) 5α−リダクターゼ溶液の調製 頸椎脱臼により屠殺したwister系雄性ラット(12週
令)の前立腺を摘出し、50mMトリス塩緩衝液(pH
7.4)、1.5mMエチレンジアミン四酢酸、1mM
ジチオスレイトール、10mMモリブデン酸ナトリウム
および10%(w/v)グリセロールを含有する5倍量
(w/v)の溶液でホモジナイズした後、700×g、
4℃で10分間遠心して得られた上清を酵素液とした。
【0018】(2) 5α−リダクターゼ阻害活性の測定 [3H]テストステロン(2μCi)10μl、3.3
mM NADPH溶液150μl、種々の濃度の検体試
料100μlと上記(1)項で得た酵素液250μlを加
え37℃で振とうした。次いで、クロロホルム/メタノ
ール(2/1)混液2mlを加えて反応を止め、700
×gで10分間遠心して抽出液を分離した。この抽出液
を薄層クロマトスキャナーにてテストステロン及びその
代謝物(DHT、アンドロスタンジオール)のピーク面
積を測定し、次式より阻害率を求めた。その結果を下記
表1に示す。
【0019】
【数1】
【0020】
【表1】
【0021】試験例2(アンドロゲン受容体とDHTと
の結合阻害効果) 本試験はTakayasu等の方法(J.Steroid Biochem vol 19
p1141-1146 ,1983)に準拠して行なった。 (1) アンドロゲン受容体溶液の調製 Wistar系雄性ラット(12週令)を去勢し、24時間後
に前立腺を摘出し、50mM トリス塩酸緩衝液(pH
7.4)、1.5mM EDTA、1mM ジチオスレイ
トール、10mM モリブデン酸ナトリウム及び10%
(w/v)グリセロールを含有する4倍量(w/v)の
溶液でホモジナイズした後、700×g、4℃で10分
間遠心して上清を採取した。この上清を更に10500
0×g、4℃で1時間遠心して上清を得、この上清をア
ンドロゲン受容体溶液とした。
【0022】(2) アンドロゲン受容体結合阻害活性の測
定 1nM [3H]DHT(100Ci/mmol)と40
0nM DHTと上記(1)項による受容体溶液と種々
の濃度の検体試料との混合溶液(全量 250μl)を
4℃で16時間インキュベートした後、5%(w/v)
活性炭及び0.5%(w/v)デキストラン(MW60
000−90000)を含有する溶液250μlを添加
して4℃で10分間遠心して上清を得た。この上清20
0μlを取り液体シンチレーションカクテルと混和した
後、液体シンチレーションカウンターを用いて受容体へ
の [3H]DHTの特異的結合量を測定し、次式より阻
害率を求めた。その結果を下記表1に示す。
【0023】
【数2】
【0024】
【表2】
【0025】上記表1及び表2の結果から明らかなよう
に、本発明の有効成分となるグラブリジンは、比較例
(従来の抗男性ホルモン剤)であるグリチルレチン酸と
較べ格段に優れた5αーリダクターゼ阻害活性及びアン
ドロゲン受容体結合阻害活性を有する高い抗男性ホルモ
ン効果が認められた。
【0026】以下の処方に従い、常法により化粧料等を
調製した。配合量の単位は重量%である。
【0027】 実施例1(ヘアトニックの調製) エタノール 59.0 グリセリン 5.0 サリチル酸 0.3 ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド 1.0 グラブリジン 0.2 香料 0.5 水(精製水) 残量
【0028】 実施例2(化粧水の調製) グリセリンモノステアレート 1.0 イソプロピルパルミテート 3.0 ラノリン 1.0 グリセリン 5.0 パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.1 ステアリルコラミノホルミルピリジウムクロライド 1.5 グラブリジン 0.2 香料、色素 微量 水(精製水) 残量
【0029】 実施例3(ヘアシャンプーの調製) ラウリル硫酸トリエタノールアミン 15.0 ラウリル硫酸モノエタノールアミド 5.0 ステアリン酸マグネシウム 1.5 液状ラノリン 1.0 グラブリジン 0.2 香料、色素 0.2 水(精製水) 残量
【0030】 実施例4(ヘアリンスの調製) ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 2.0 ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.2 ポリオキシエチレンラノリンエーテル 2.0 プロピレングリコール 5.0 クエン酸 0.1 クエン酸ナトリウム 0.1 パラオキシ安息香酸ブチル 0.05 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 グラブリジン 0.2 香料 0.2 水(精製水) 残量
【0031】 実施例5(ローションの調製) グリセリルエーテル 1.5 ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 1.5 モノステアリン酸ソルビタン 1.0 スクワラン 7.5 ジプロピレングリコール 5.0 グラブリジン 0.1 香料 微量 水(精製水) 残量
【0032】 実施例6(制汗剤の調製) アルミニウムクロロヒドロオキシド 20.0 プロピレングリコール 5.0 エタノール 10.0 殺菌剤 0.2 グラブリジン 0.2 香料 0.2 水(精製水) 残量
【0033】 実施例 7(軟膏の調製) 固体パラフィン 10.0 蜂ろう 10.0 スクワラン 10.0 サリチル酸 0.3 亜鉛華 0.5 グラブリジン 0.5 香料 微量 ワセリン 残量
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、ホルモン様作用を持た
ず、しかも高い抗男性ホルモン活性を有し、男性ホルモ
ンが関与する種々の疾患の予防および治療に有用であ
り、医療、化粧料等広範な用途に用いことができる抗男
性ホルモン剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】アントロゲン(男性ホルモン)の標的細胞にお
ける作用機構を説明するための図である。
【符号の説明】
T テストステロン DHT ジヒドロテストステロン AR アンドロゲンレセプタ−
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 311/92 101 C07D 311/92 101

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラブリジンを含有することを特徴とす
    る抗男性ホルモン剤。
JP2888996A 1996-02-16 1996-02-16 抗男性ホルモン剤 Pending JPH09227341A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001032191A3 (en) * 1999-11-01 2001-12-27 Gavish Galilee Bio Appl Ltd Phytoestrogenic pharmaceutical preparations
JP2006306855A (ja) * 2005-03-30 2006-11-09 Kaneka Corp 発癌抑制用油脂含有組成物
JP2013180986A (ja) * 2012-03-01 2013-09-12 Saiensurin:Kk テストステロン5α−レダクターゼ活性阻害剤
US10568900B1 (en) * 2013-03-15 2020-02-25 Suzanne Janine Paxton-Pierson Androgen effectors

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