JP2005145459A - パウチ容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 熱融着された融着部を有する袋本体2と、袋本体2の少なくとも表裏面部21に重ねられ且つ内面にシーラント層を有する外装フィルム3とを備え、袋本体の融着部2aに、間隔をあけて複数の切欠部5が形成され、切欠部5を通じて対向する外装フィルム3の内面同士を熱融着して外装融着部3aを形成することにより、外装フィルム3が袋本体2に付けられているパウチ容器。
【選択図】 図3
Description
かかるパウチ容器も同様に、外装フィルムと袋本体の表裏面部の間に、空隙が形成されるので、パウチ容器の外面に結露が生じ難く、又、外装フィルムの内面同士が熱融着されているので、比較的薄いパウチ容器を構成できる。さらに、袋本体の融着部に切欠部を設け、この切欠部に於いて外装フィルムの内面同士を熱融着しているので、袋本体の融着部から外装フィルムが突出しないパウチ容器を提供することも可能である。また、切欠部は間隔をあけて複数形成されているので、隣合う切欠部の間では外装フィルムは非接着となり、この間から上記空隙へ空気が充分に入り込み、結露防止効果を高めることができる。
かかるパウチ容器も同様に、外装フィルムと袋本体の表裏面部の間に、空隙が形成されるので、結露が生じ難く、又、外装フィルムと本体フィルムの内面が熱融着されているので、比較的薄いパウチ容器を構成できる。
(第1実施形態)
図1は、収納部に充填物が充填された状態のスパウト付きパウチ容器1の斜視図、図2(a)は、(未充填の)スパウト付きパウチ容器の平面図、図2(b)は同分解斜視図、図3(a)は、図2のA−A線断面図、図3(b)は、図2のB−B線断面図を示す。尚、図3に於いて、切欠部5と外装フィルム3との間は、外装フィルム3の内面が熱融着されることによって隙間なく密着しているが、切欠部を判りやすく示すため、便宜上、隙間を開けて表している(この点、図7(b)、図8(b)、図10、図13(b)、図14(b)も同様)。
図1〜図3に於いて、1は、本体フィルムの端部を接着することにより袋状に形成された袋本体2とこの袋本体2の少なくとも表裏面部21に重ねられた外装フィルム3とからなるパウチ容器10と、このパウチ容器10の上方に取り付けられたスパウト4と、を備えるスパウト付きパウチ容器を示す。
このシーラント層31は、熱融着可能な素材であれば特に限定されず、例えば、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などを用いることができる。これらのうち熱融着性に優れる直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。シーラント層31の厚みは、例えば、30〜150μm程度である。外面層32は、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム、ポリプロピレン、ナイロンなどのポリアミド系フィルム、2種以上の積層体などを用いることができ、更に、合成樹脂製フィルムの場合は延伸フィルムを用いることが好ましい。これらのうち熱融着時の耐熱性、寸法安定性などに優れるポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルムを用いることが好ましい。外面層32の厚みは、例えば、10〜70μm程度である。
尚、特に図示しないが、外装フィルム3の外面層32の内面又は外面には、商品名、絵柄などの表示が印刷された意匠印刷が施されている。また、袋本体2の切欠部5が外部から透視し得ないようにするため、外装フィルム3は、印刷により又は非透明フィルムを用いるなどして、非透明とされている。
シーラント層211は、外装フィルム3のシーラント層31で例示したものを用いることができる。基材層212は、比較的強度に優れるものであれば特に限定されず、ナイロンなどのポリアミド系フィルム、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体などのポリプロピレン系フィルムなどの合成樹脂製フィルム、紙、合成紙、2種以上の積層体などを用いることができる。これらのうち耐屈曲性に優れる6ナイロン、6,6ナイロンなどのポリアミド系フィルムを用いることが好ましい。基材層212の厚みは、例えば、10〜70μm程度である。バリア層213は、ガスバリア性を有するものであれば特に限定されず、アルミニウムなどの金属箔、シリカ蒸着フィルム、ポリ塩化ビニリデンやエチレン−ビニルアルコール共重合体などのガスバリア性を有する合成樹脂製フィルム、2種以上の積層体などを用いることができる。これらの中でアルミニウム、酸化アルミなどの金属蒸着フィルムやシリカ蒸着フィルムを用いることが好ましい。バリア層213の厚みは、例えばアルミ箔の場合に、6〜30μm程度である。外面層214は、外装フィルム3の外面層32で例示したものを用いることができる。
スパウト4は、着脱可能なキャップ43が取り付けられる注出口44と、注出口44に連通する導管42と、袋本体2への取付部分である被融着部41とを備え、その材質は、各種の合成樹脂、アルミニウムなどの金属などで形成することができるが、袋本体2と簡易に取り付けることができることから、少なくとも被融着部41の周面が表裏面フィルム21の内面と熱融着可能なものが好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂成型品によって形成することができ、良好に熱融着できることから、表裏面フィルム21のシーラント層211と同種の材質のものが好ましい。
具体的に工業的製造工程では、製袋機を用いて、原反シートから複数列のパウチ容器が製造される。以下、製袋機によって2個同時に製造する方法について説明する。
図4及び図5に示すように、2列の表面フィルム21が横向きに(シート送り方向Zに対して側端部が直交するように隣り合わせて)連続的に繋がった表面フィルム原反シート121と、同様の裏面フィルム原反シート121との間に、底面フィルム原反シート122を折り畳んで挟み込みながら、袋本体2の下端融着部2bを形成すべく、上下から縦ヒータ装置100で表裏面フィルム原反シート121の両端部を加熱し冷却後、袋本体2の側端融着部2aを形成すべく、横ヒータ装置101で側端融着部2aの2倍幅分、表裏面フィルム原反シート121を加熱する。これによって図5(a)に示すような長手方向切断予定線Xにて上端部21cが対向し、幅方向切断予定線Yにて側端融着部2aが連続的に繋がった袋本体連続シート123が得られる。次に、図5(b)に示すように、この袋本体連続シート123の長手方向切断予定線X及び幅方向切断予定線Yを中心にして、穿孔装置102を用いて、円形などの孔51を所定数穿設する。この袋本体連続シート123の上下に外装フィルム原反シート124を重ね合わせ、外装フィルム原反シート124の上下から孔51を含むように横ヒータ装置103を用いて加熱する。すると、図5(c)に示すように、孔51で囲われる範囲に於いて、上下の外装フィルム3の内面同士のみが熱融着される。その後、カッター104を用いて、長手方向切断予定線Xで2列に切断し、幅方向切断予定線Yで個々に切断すれば、側端融着部2aの切欠部5に外装フィルム3が止着された上端部21c未接着のパウチ容器10が得られる。
そして、この上端部21cを開口させ、ここからスパウト4を挿入して、被融着部41を挟み込んだ状態で熱融着して上端融着部2cを形成することにより、スパウト4が取り付けられると共に、上端融着部2cの切欠部5から延出した外装フィルム3の内面が熱融着されて外装融着部3aが形成される。
さらに、外装フィルム3を付けるために、袋本体2の外面にシーラント層を設ける必要がないので、比較的肉厚の薄いパウチ容器10とすることができる。また、パウチ容器10を製造する際には、袋本体2の融着部に孔51(切欠部5)を開け、その上から外装フィルム3を重ねて加熱するだけで、外装フィルム3を袋本体2に付けることができるので、既存の設備を利用して、パウチ容器10を簡易に製造することができる。
切欠部5は、側端融着部2a及び上端融着部2cに形成されるものに限られず、例えば、図6に示すように、両側端融着部2aのみに形成されていてもよい。また、切欠部5は、半円弧状に限られず、例えば、図6に示すような四角状、V字状などでもよい。切欠部5の数や設ける位置については、外装フィルム3が袋本体2から離脱等しないように適宜選択すればよい。
さらに、切欠部5は、袋本体2の融着部2a,2cの最外縁を構成するように形成されている(融着部2a,2cの縁の一部が内側に凹んだ形状)ものに限られず、例えば、図7に示すように、袋本体2の融着部2aの中途部分に切欠部5(穿設孔)を設け、この切欠部5から2枚の外装フィルム3の内面を覗き出させて外装フィルム3同士を融着し、外装融着部3aを形成してもよい。もっとも、融着部2aの中途部分に切欠部5を設けると、融着部2aのシール有効幅Wが狭くなるので、中途部分に設けるよりも融着部2aの縁に形成されている方が好ましく、又、縁に設ける場合に於いて、内側への凹みの程度が小さい切欠部5が好ましい。
また、袋本体2の形状は、底面ガゼット付き自立型袋に限られず、表裏面部21の2面からなり、該表裏面部21の周端部が熱融着された略扁平型のものや、表裏面部21及び側面部の3面からなる片側面ガゼット付き自立型のものなどに適用することも可能である。
第2実施形態のパウチ容器は、外装フィルムを袋本体に付ける手段として、外装フィルム内面と本体フィルム内面を熱融着する点を特徴とする。以下、主として上記第1実施形態と異なる部分について説明し、同様の構成については用語及び図番を援用し、その説明を省略することがある。
図9及び図10に於いて、袋本体2の融着部2a,2b,2cを構成するために、本体フィルム21,23の端部内面を重ね合わせた箇所のうち、外装フィルム3が重ねられた側の本体フィルム21の端部の一部を切り欠いて他方の本体フィルム23の内面を露出させ、この本体フィルム23の内面露出部8と外装フィルム3とが熱融着されている。具体的には、袋本体2は、表裏面部21,21、及び両側面部23,23を構成する4枚の可撓性の本体フィルムからなり、各フィルム21,23の端部の内面を互いに接着することにより、表裏面部21の下方(図9(b)の二点鎖線より下方)を折り曲げてパウチ容器10の底面10aを形成する両側面ガゼット付き自立型袋に形成されている。かかる表裏面フィルム21及び側面フィルム23は、上記第1実施形態と同様に、最内層にシーラント層を有し、且つ最外層に外装フィルム3の内面と非融着な層が積層された積層フィルムからなる。この表裏面フィルム21の側端部21aには、間隔をあけて複数の切欠部5が形成されている。かかる表裏面フィルム21の側端部21aと側面フィルム23の側端部23aを熱融着することにより、袋本体2の両側に側端融着部2aが形成されるが、表裏面フィルム21には切欠部5が形成されているので、袋本体2の側端部の一部には、この切欠部5から側面フィルム23の内面が露出している。この内面露出部8と外装フィルム3の内面が熱融着されることにより、外装融着部3aが形成され、外装フィルム3が袋本体2に取り付けられたパウチ容器10が構成されている。
第1実施形態と同様に、具体的に製袋機による製法では、図11に示すように、2列の表面フィルム21が縦向きに(シート送り方向Zに対して側端部21aが平行に)連続的に繋がった表面フィルム原反シート121に、所定間隔をあけて孔51(切欠部5)を穿設し、同様の裏面フィルム原反シート121に、同様の孔51を穿設する。次に、表裏面フィルム原反シートの121の間に、前記孔51に端部内面が重なるように左右一対計2組の側面フィルム原反シート125を折り畳んで挟み込みながら導入し、更に、表裏面フィルム原反シート121の外面に外装フィルム原反シート124を重ねる。次に、袋本体2の側端融着部2aを形成すべく、上下から縦ヒータ装置100で外装フィルム原反シート124の上下から加熱する。これにより袋本体2の側端融着部2aが形成されると同時に、外装フィルム原反シート124の内面と側面フィルム原反シート125の内面が熱融着されて外装融着部3aが形成される。次に、袋本体2の下端融着部2bを形成すべく、横ヒータ装置101で外装フィルム原反シート124の上下から所定箇所を加熱し、最後に、長手方向切断予定線で2列に切断し、幅方向切断予定線で個々に切断すれば、側端融着部2aの一部で外装フィルム3が止着された上端部21c未接着のパウチ容器10が得られる。そして、スパウト4を挟み込んで上端部21cを熱融着することにより、スパウト付きパウチ容器1が製造される。
内面露出部8は、袋本体2の側端部及び上端部に形成されるものに限られず、例えば、図12に示すように、表裏面フィルム21の下端部21bに切欠部5を設けて、側面フィルム23(本体フィルム)の一部が露出した内面露出部8が形成されていてもよく、或いは、側端部21aにのみ切欠部5が形成されていてもよい。また、内面露出部8(切欠部5)の形状は、半円弧状に限られず、例えば、四角状、V字状などでもよいし、又、外装フィルム3が重ねられる側の本体フィルム21の端部の中途部分に切欠部5(穿設孔)を設けてもよい。また、図13に示すように、切欠部5を端部に沿って帯状に形成したもの(外装フイルム3が重ねられる側の本体フィルムの端部全体を短くしたもの)でもよい。この場合には、帯状の内面露出部8が形成される。
また、パウチ容器10の形状は、両側面ガゼット付き自立型袋に限られず、図14に示すような表裏面部21の2面からなり、該表裏面部21の周端部が熱融着された略扁平型の袋本体2に適用することも可能である。この場合、内面露出部8を形成するための切欠部5は、表裏面フィルム21の何れにも設けられるが、表裏フィルム21の切欠部5は互いに対抗しないように位置ずれして形成される。その他、特に図示しないが、表裏面部21及び底面部22の3面からなる底面ガゼット付き自立型や、表裏面部21及び側面部23の3面からなる片側面ガゼット付き自立型のものなどに適用することも可能である。
上記第1及び第2の各種の実施形態に於いては、パウチ容器10にスパウト4が取り付けらたスパウト付きパウチ容器1を例示しているが、スパウト4を取り付けず、袋状のパウチ容器として使用することも可能である。
さらに、上第1及び第2の各種の実施形態に於いては、外装フィルム3は、表裏面部21の全面を覆うように形成されているが、例えば、図15に示すように、表裏面部21の中央部を幅方向に覆うような、部分的に表裏面部21を覆うものでもよい。
また、例えば、側面部23や底面部22にも外装フィルム3を設けることも可能である。
さらに、袋本体2を構成する本体フィルムは、必ずしも基材層212、バリア層213、外面層214を備えていなければならないわけではなく、例えば、外装フィルム3によって本体フィルムの全面が覆われている場合には、その本体フィルムについては外面層214及び/又は基材層212を有しないフィルムを使用することも可能であり、このように外面層などを省略できるので、パウチ容器10を薄くすることができる。また、例えば、ガスバリア性が要求されない充填物(例えば、冷凍食品等)を充填する場合には、バリア層を設けなくてもよい。さらに、上記各層と機能が異なる層、例えば、不織布層や発泡樹脂層などを本体フィルム及び/又は外装フィルムの全面又は一部分に積層することも可能である。このように不織布層や発泡樹脂層などを設けることにより、空気層との相乗効果による断熱性の向上を図ることができる。
尚、本発明のパウチ容器10に充填する充填物は、飲料、アイスクリームなどの氷菓などに限られず、スナックなどの菓子などのその他の食品、医薬品などを充填することも可能であり、また、冷温保存用以外に使用することも可能である。
Claims (3)
- 袋本体と、前記袋本体の少なくとも表裏面部に重ねられ且つ内面にシーラント層を有する外装フィルムと、を備え、
前記外装フィルムの端部が、前記袋本体の表裏面部の縁から延出しており、前記外装フィルムの延出部分に於いて外装フィルムの内面同士を熱融着することにより、前記外装フィルムが袋本体に付けられていることを特徴とするパウチ容器。 - 熱融着された融着部を有する袋本体と、前記袋本体の少なくとも表裏面部に重ねられ且つ内面にシーラント層を有する外装フィルムと、を備え、
前記袋本体の融着部には、間隔をあけて複数の切欠部が形成されており、前記切欠部を通じて対向する外装フィルムの内面同士を熱融着することにより、前記外装フィルムが袋本体に付けられていることを特徴とするパウチ容器。 - 内面にシーラント層を有する本体フィルムからなる袋本体と、前記袋本体の少なくとも表裏面部に重ねられ且つ内面にシーラント層を有する外装フィルムと、を備え、
前記袋本体の端部には、本体フィルムの内面が重ね合わされて熱融着された融着部と前記本体フィルムの内面の一部が露出した内面露出部とが形成されており、前記内面露出部と外装フィルムの内面を熱融着することにより、前記外装フィルムが袋本体に付けられていることを特徴とするパウチ容器。
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