JP2005143395A - 接木装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 2つのガイド体で穂木或いは台木用苗の2枚の子葉を相対峙する状態に挟み込んで、子葉展開方向を苗の挿入方向と直交させる一定方向に常に揃えるもので、例えば穂木子葉の展開方向に合わせた茎部のV字形切断などを可能とさせて接木精度を向上させる。
【解決手段】 穂木用苗及び台木用苗を穂木及び台木ハンドに挟持させて茎部を切断し接合固定する接木装置において、苗の挟持挿入方向に略平行な2つのガイド体を有する苗ガイド部材をハンド上方に配設させる。
【選択図】 図10
【解決手段】 穂木用苗及び台木用苗を穂木及び台木ハンドに挟持させて茎部を切断し接合固定する接木装置において、苗の挟持挿入方向に略平行な2つのガイド体を有する苗ガイド部材をハンド上方に配設させる。
【選択図】 図10
Description
本発明は台木用苗及び穂木用苗の茎部を切断し、切断された台木の茎部と穂木の茎部とをその切断個所で接合固定させる接木装置に関する。
穂木及び台木用の2つのターンテーブルを同期回転するように設け、2つのターンテーブルの切断位置で切断した穂木と台木とを接合部で接合するようにした接木装置などがある。(例えば、特許文献1参照)
上記の如き穂木用及び台木用2つのターンテーブルを有する構成にあっては、平面的に大きな設置スペースを必要とし構造も複雑化するばかりでなく、穂木と台木の接合や結合具による接合部の固定も容易に行えず、また作業者が作業中に行う作業状況の確認なども容易に行えないなどの不都合があった。
本発明は、穂木用苗及び台木用苗を穂木及び台木ハンドに挟持させて茎部を切断し接合固定する接木装置において、苗の挟持挿入方向に略平行な2つのガイド体を有する苗ガイド部材をハンド上方に配設させたものである。
また、穂木或いは台木ハンドに供給する穂木用苗或いは台木用苗の下茎部の上下・左右・前後方向の位置規制を行う苗ストッパをハンド下方に配設させたものである。
したがって本発明は、穂木用苗及び台木用苗を穂木及び台木ハンドに挟持させて茎部を切断し接合固定する接木装置において、苗の挟持挿入方向に略平行な2つのガイド体を有する苗ガイド部材をハンド上方に配設させたことによって、2つのガイド体で穂木或いは台木用苗の2枚の子葉を相対峙する状態に挟み込んで、子葉展開方向を苗の挿入方向と直交させる一定方向に常に揃えるもので、例えば穂木子葉の展開方向に合わせた茎部のV字形切断などを可能とさせて接木精度を向上させるものである。
また、穂木或いは台木ハンドに供給する穂木用苗或いは台木用苗の下茎部の上下・左右・前後方向の位置規制を行う苗ストッパをハンド下方に配設させたことによって、穂木或いは台木用苗の上下方向の基準点をハンドより下方位置とさせて、苗茎部の適正位置での切断を容易に可能とさせるもので、例えば穂木茎部の切断長さを短くして形の良い商品価値の高い接木苗を形成させるものである。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は全体の側面図、図2は同正面図、図3は同平面図であり、接木装置1は半自動形に設け、前処理で断根したキュウリ或いはカボチャなどのウリ科やナスビ或いはジャガイモなどのナス科の苗の穂木用苗2及び台木用苗3を挟持する上下1組の穂木ハンド4及び台木ハンド5と、穂木及び台木ハンド4・5を装備して回転させる上下の回転円板6・7と、上下の回転円板6・7間を連結させるロッド軸8と回転円板6・7を間欠回転させるモータ9とを備えている。そして図4の平面視に示す如く、穂木及び台木ハンド4・5に苗2・3を投入操作する作業者10の作業座席11前位置の苗投入部12に対し、反時計方向に円板6・7を90度回転させた位置に苗切断機構13を有する苗切断部14を、また苗切断部14よりさらに90度回転させた位置に苗接合機構15を有する苗接合部16を、さらに苗接合部16より90度回転させた位置を接木苗の払出部17に設けて、これら投入部12・切断部14・接合部16・払出部17の4つの工程で穂木及び台木ハンド4・5の回転を停止させる間欠駆動をモータ9で行うように構成している。
図4乃至図8に示す如く、上下1組とする穂木及び台木ハンド4・5の先端側を円板6外周より外側に突出させて90度間隔で4組を円板6・7に装備させたもので、上部円板6に穂木ハンド4を直接的に取り付けると共に、穂木ハンド4より一定高さ下方に2本のロッド軸8を介して、上下動自在に台木ハンド5を支持させている。図9乃至図13にも示す如く、前記穂木及び台木ハンド4・5は固定ハンド部18・19と、固定ハンド部18・19に開閉支点軸20を介し揺動自在に連結する揺動ハンド部21・22とを有し、円板6・7の回転で揺動ハンド部21・22一端に設ける開閉ローラ23・24が本体ベース25に上下2段に固設する輪形開閉カム26・27の外側面のカム面26a・27aに当接し、バネ28に抗して揺動ハンド部21・22が揺動するとき、穂木及び台木ハンド4・5を開閉させるように構成している。
また台木ハンド用開閉カム27の上面に固設する固定固定ドラム29の上端面を昇降カム30に設けて、台木ハンド5の固定ハンド部18下側に設置する昇降ローラ31を昇降カム30上に転接させ、モータ9の回転軸32を中心として円板6・7と一体的に台木ハンド5を回転させるとき、昇降カム30によって台木ハンド5をロッド軸8に沿って昇降させるように構成している。なお、昇降カム30で穂木ハンド4を昇降させても良い。
図7乃至図11に示す如く、前記穂木ハンド4に子葉2aの展開方向を略一定方向に備えて穂木用苗2を挟持させる苗ガイド部材33と、穂木用苗2の茎部である胚軸2bの位置決めを行う穂木位置決め部材34とを備えるもので、苗ガイド部材33は1本のガイド棒の略中央をU字形折曲げて左右略平行な2本のガイド体33aを有するように形成し、固定ハンド部18の高さの高い中央取付面18aにガイド部材33の基端をボルト35止め固定させて穂木ハンド4上方にガイド部材33を配置させ、穂木ハンド4とガイド部材33に対する苗2の挿入方向を一致させ、固定ハンド部18と揺動ハンド部21間に苗2挿入時には、略平行な2本のガイド体33aでガイド体33aとは直交する方向に展開する2枚の子葉2aを挟み込んで子葉2a展開方向を常に一定方向(円板6・7の接線方向)
に備えるように構成している。
に備えるように構成している。
また、前記穂木位置決め部材34は1本のガイド棒の略中央をL形状に折曲げ、本体ベース25の支柱36上端面に位置決め部材34の基端を位置調節自在にボルト37止め固定させ、位置決め部材34の先端を略S字的に折曲げて形成する接合部を苗ストッパ38に設けて、固定ハンド部18と揺動ハンド部21間の下方に苗ストッパ38を配置させ、開放状態の穂木ハンド4に穂木用苗2を投入供給するとき、子葉2a展開部の膨らみや子葉2aを苗ストッパ38に当接させて下方向の規制を行うと共に、図11に示す如く苗ストッパ38で苗2の前後方向a及び左右方向bの規制も行って、穂木ハンド4に穂木用苗2を適正に挟持させるように構成している。
図7乃至図9、図12、図13に示す如く、前記台木ハンド5の上方に台木用苗3を乗せる苗載せ台39と、苗3の子葉3a展開方向を一定方向に備える振り子式の台木子葉位置規制部材40を備え、回転軸32を中心として放射方向に配置させる台木ハンド5の先端側でハンド5と直交する左右方向に左右長手でL形状に折曲げた平板状の苗載せ台39を配設させるもので、前記支柱36側面に調節ボルト41を介し苗載せ台39の基端垂直板部39aを上下調節自在に固定させると共に、苗載せ台39先端で左右方向に形成する係合溝42を固定ハンド部19と揺動ハンド部22間上方に配置させている。
そして、1本のガイド棒を折曲げて前記規制部材40の受け部材43を形成させ、受け部材43の基端長孔取付部43aを苗載せ台39の水平板部39b上面に調節ボルト44を介し左右調節自在に固定させ、前記規制部材40は1本のガイド棒を門形状に折曲げ、中間部に2個所の円輪係合部45を形成させて、受け部材43の先端立上がり部43bに規制部材40の係合部45を自由状態に係合支持させ、規制部材40両端の開脚部46を係合溝42近傍の苗載せ台39の前後外側(苗載せ台39を中心とした左右両側)に臨ませて、台木用苗3の子葉3aの展開方向を穂木子葉2aとは直交する前後方向とさせて苗載せ台39の係合溝42に投入供給させるとき、振り子式の規制部材40の自重で子葉3aの展開方向を台木ハンド5と平行となる前後方向に強制的に規制して苗載せ台39に台木用苗3を乗せるだけで必要とする正確な位置決めが行われるように構成している。
図10、図13に示す如く、穂木及び台木ハンド4・5は各ハンド部18・19及び21・22の先端側に穂木及び台木用苗2・3を挟持する挟持板47を固設させ、支点軸20を中心とした反対側の固定ハンド部18・19と揺動ハンド部21・22間に閉用圧縮バネ48を介設させる一方、台木ハンド5の先端側に苗3の茎部である胚軸3bの位置決めを行う胚軸ストッパ49を設けている。
図14乃至図20に示す如く、前記切断部14の切断機構13は、穂木用苗2の胚軸をV字状(クサビ状)に切断する左右1対のV字形穂木切断刃50と、台木用苗3の胚軸3bの子葉3a展開部をV字状に切断するV字形台木切断刃51と、これら切断刃50・51で切断される苗2・3の胚軸2b・3bを切断位置で保持する穂木及び台木切断台52・53とを備え、穂木及び台木切断刃50・51は各2枚のカッタ50a・50b及び51a・51bをV字状に組み合わせてカッタホルダ54・55のV字形溝56・57にV字形押え板58・59及び蝶ネジ60を介し固定させるもので、一方のカッタ50b・51bの刃先稜線を他方のカッタ50a・51aの稜線より上方に若干寸法tずらせて他方のカッタ50a・51a内側面に密接させ、必要な部分と不要な部分との切り残しのない確実な切断分離を可能とさせるように構成している。
また、前記カッタホルダ54・55と切断台52・53は左右移動枠61・62にそれぞれ固定させ、本体ベース25上に設ける回転軸32に対し前後方向のガイド軸63に前後移動自在に切断ベース64を取付けると共に、切断ベース64の左右方向のガイド軸65に左右移動枠61・62を左右移動自在に支持させ、本体ベース25上の前後進シリンダ66に切断ベース64を連結させ、切断ベース64の切断刃及び台用左右進シリンダ67・68に左右移動枠61・62を連結させて、切断刃50・51及び切断台52・53を前後進シリンダ66で一体的に前後方向に、切断刃50・51及び切断台52・53を左右進シリンダ67・68で各別に左右方向に移動させるように構成している。
さらに、図16乃至図18に示す如く、穂木及び台木用カッタホルダ54・55の切断刃50・51下側位置には、切断台52・53の凹形胚軸受部52a・53aに胚軸2b・3bを押し付ける苗押え板69・70をガイド軸71及び圧縮バネ72を介して進退自在に備えると共に、切断台52・53の受部52a・53aには切断刃50・51の進入する進入溝73・74を形成させている。
また、図17、図19、図20にも示す如く、前記台木切断台53の上方に切断刃51のガイド溝である進入溝75を有する子葉押え76を備えるもので、移動枠62の受台77に回動支点軸78の一端を介して子葉押え76の基端を回動自在に支持させ、支点軸78の他端に基端を固設する揺動アーム79の先端に軸80を介して揺動ローラ81を回転自在に取付け、子葉押え76の係止ピン82と移動枠62との間に子葉押え76及び揺動アーム79を上方に常時一定高さ強制回動させる捩りコイルバネ83を介設させて、切断ベース64中央の苗2・3に対しカッタホルダ54・55及び切断台52・53がシリンダ67・68の駆動で接近するとき、苗押え板69・70で苗2・3の胚軸2b・3bを切断台52・53の受部52a・53aに押え付けて位置固定させ、次ぎに切断刃50・51側の移動枠61に固定するカム板84先端のカム面84aをローラ81に当接させて子葉押え76を強制下動させるとき、台木3の子葉3aを押し広げ、さらに切断刃50・51が切断台52・53に対し前近するとき苗2・3を切断するように構成している。
図19に示す如く、穂木切断刃50より下位置の穂木切断台52の受部52aに圧縮空気を噴出させる小径の空気孔85を形成させ、穂木用苗2の切断後水分または樹液で切断台52に張り付いた不要部分の胚軸2bや屑を空気孔85よりの圧縮空気で吹き飛ばして除去するように構成している。
また図18に示す如く、台木切断刃51のV字形下部位置のカッタ51a・51bと押え板59との間のカッタホルダ55に圧縮空気を噴出させる3角形の空気孔86を形成させ、台木用苗3の切断後カッタ51a・51b上に残った不要とする生長点3cや屑を空気孔86よりの圧縮空気で吹き飛ばして除去するように構成している。
図14、図15、図19に示す如く、穂木ハンド4の挟持部の切断部14より接合部16方向の回転移動軌跡K上で切断刃50より下位置に屑払い落し棒87を設けるもので、払い落し棒87の基端を移動枠62の外側面上に上下調節自在に固定させ、先端側を穂木ハンド4挟持部の移動軌跡上に臨ませて、穂木用苗2の切断後、胚軸2b下端などに樹液で付着したままの屑を穂木ハンド4の回転移動時に払い落し棒87で下側に屑箱88に払い落して収納するように構成している。
図22、図23に示す如く、前記接合部16の苗接合機構15は、切断機構13で切断された穂木用苗2と台木用苗3との切断部に一定長さのスリーブ89を供給するスリーブ供給機構90と、供給されるスリーブ89を苗2・3の切断接合部に装着させるスリーブ装着機構91とを備えるもので、前記スリーブ89は接木された接木苗92の成長に伴い、自然脱落するためのスリット93と、スリット93を押し広げるための突起94とを有して、接木苗92の成長時には自然脱落すると共に、脱落後は数ヶ月で生分解する軟弾性のセルロースやトウモロコシなどの素材を用い、質量が軽く半透明に形成して、接合状態を外部からも容易に確認するように構成している。
そして、スリーブ供給機構90は、連続成型のスリーブ89を巻固するスリーブ供給リール95と、供給リール95のスリーブ89をギャードモータ96の駆動で繰出す左右1対の送りローラ97と、送りローラ97の上方及び下方に設けるガイド棒98をスリーブ89内側に挿入させてスリーブ89を案内する上下のスリーブガイド99・100と、下スリーブガイド100の下方に枢軸101を介して揺動自在に設けて一端側をスリーブ89下端に当接させるスリーブ検出部材102と、該検出部材102の他端側の揺動よりスリーブ89の一定長さ(略12mm)の縦送りを検出する光電式スリーブセンサ103と、スリーブ89の縦送り停止時にスリーブ89を一定長さ(略12mm)に切断するスリーブカッタ104とを設け、下スリーブガイド100に形成する切欠部100aまでガイド棒98に沿ってスリーブ89が下動するとき、カッタシリンダ105によりカッタ104を前進させてスリーブ89を一定長さに切断するように構成している。
またガイド棒98に沿うスリーブ89の下動時にあってはスリーブガイド99・100にスリーブ89のスリット93を係合案内させる状態とさせて、リール95から送りローラ97にスリーブ89を取り込み時に多少の捩れがあってもスリーブガイド99・100とスリット93の係合によって、スリット93を一定方向に向いた状態に修正させて切断や接合苗92への装着を容易とさせるように構成している。
図21、図22、図24、図25に示す如く、前記スリーブ装着機構91は、スリーブ89の突起94を左右フック106で掴んで開閉するスリーブハンド107と、スリット93と反対側のスリーブ89外面を支えるプッシャ108と、プッシャ108を進退させるプッシャシリンダ108aと、スリーブハンド107を開閉させるエアチャック109と、プッシャ108と一体にスリーブハンド107を接木苗92に対し前後進させる空気式前後進シリンダ110と、前後進シリンダ110とは直交する方向のスリーブ取出し位置及び装着位置間をシリンダ110と一体にスリーブハンド107を左右移動させる空気式左右動シリンダ111とを備え、前記シリンダ111による右動時に前後進シリンダ110でスリーブハンド107を前後進させて一定長さのスリーブ89を取出すと共に、左動時にスリーブハンド107を前後進させて接木苗92に対しスリーブ89を装着させるように構成している。
また、前記スリーブハンド107のフック106は、一側を段付面106aに形成し、スリーブ89の突起94を掴む横巾Wを狭く形成して、図25の仮想線に示す如く、ハンド107でスリーブ89を掴んだ(閉)後に開とさせてスリット93を拡げるとき、突起94先端部を段付面106aで規制させてスリーブ89の横ずれを防止する一方、ハンド107を閉じて接木苗92にスリーブ93を装着させるとき、段付面106aで瞬時強制的にスリーブ89を閉じてスリーブ89の即時の装着を行うように構成している。
なおフック106を突起94間に挿入させてフリット93を拡げるときには、スリーブ89の背面をプッシャ108で支える状態とさせてスリーブ89の逃げを防ぐものである。
図22、図23、図26に示す如く、前記送りローラ97はギャードモータ96によって回転する駆動ローラ97aにギヤケース112内の伝動ギヤを介し従動ローラ97bを連動連結させて強制回転させ、両ローラ97a・97bの中央部にスリーブ89の形状に合わせたV形溝113a・113b(またはU形溝)をそれぞれ形成させ、スリーブ89の横ずれやスリット93の方向ずれを防止したスリーブ89の適正な縦送りを行うように構成している。
さらに、前記送りローラ97によって繰出されたスリーブ89を一定長さに切断するスリーブカッタ104が通過する真上で、切断方向と反対側にスリーブ背当て金具114を配備させるもので、下スリーブガイド100のガイド棒98と背当て金具114の背当て面114aを平行状態に下スリーブガイド100に金具114を設けて、スリーブカッタ104でスリーブ89を押し切りするとき金具114でスリーブ89背面を支えることによって、撓みなどのない正確な切断を可能とさせている。
図27乃至ず28に示す如く、前記苗接合機構15はスリーブ89の装着時に台木用苗3の子葉3aを掻上げる掻上げ機構115を備えるもので、子葉3aを上方に掻上げる左右1対の掻上げ用左右ローラ116を開閉自在に設けるエアチャック117と、エアチャック117を昇降させる空気式昇降シリンダ118と、昇降シリンダ118と一体にエアチャック117を前後進シリンダ119とを備え、スリーブ89の装着時にローラ116を接木苗92位置まで接近させ、左右ローラ116を閉状態で上昇させるとき、ローラ116で子葉3aを上方に掻上げて、子葉3aを邪魔とさせることのない確実なスリーブ89の装着を行うように構成している。
また、接合基準位置Nの直前位置Mで苗2・3の切断面を合す際に苗2・3の位置補正を行う棒状の穂木及び台木苗用ガイド部材120・121を設けるもので、穂木苗用ガイド部材120は1本のガイド棒を中央で折曲げて先端にY字形案内部120aを形成させ、案内部120a基端に苗2の行き過ぎを防止するストッパ部120bを形成させ、案内部120aの先端側を下り傾斜に形成させ、昇降シリンダ118の本体118aに調節ボルト121を介しガイド部材120の基端長孔部120cを上下取付高さ調節自在に支持させ、先端案内部120aをローラ116より上方に配置させている。
さらに、台木苗用ガイド部材121は2本のガイド棒121aを左右ローラ116の基端にそれぞれ一体連結させて、先端の開口案内部121bを下り傾斜に形成させ、各ハンド4・5が接合基準位置Nの直前位置Mに到達するとき、シリンダ119を進出駆動して各苗2・3の胚軸2b・3bにガイド部材120・121を案内係合させて胚軸2b・3bの左右位置補正を、また胚軸2bとストッパ部120bとの当接で穂木用苗2の行き過ぎを防止した前後位置補正を行い、各ハンド4・5が接合基準位置に到達する穂木用苗2に対する台木用苗3の上昇時には開口案内部121bの下り傾斜で苗3の適正且つ安定良好な位置補正を行い、苗2・3の接合時は左右ローラ116を閉状態とさせて上昇させ、左右ローラ116で子葉3aを掻上げて子葉3aを邪魔とさせることのない確実なスリーブ89の装着を行うように構成している。
なおこの場合左右ローラ116を省いてガイド部材121のみの設置とさせて、ガイド部材121の上昇で子葉3aを掻上げる構成でも良い。
図27、図29、図30に示す如く、接木苗92に対するスリーブハンド107によるスリーブ89の装着時に、スリット93側より苗92を押え付ける薄板状の苗押え板122を昇降シリンダ118のチャック取付台123に取付け、苗押え板122の先端にスリーブハンド107のフック106先端を臨ませる下向きの切欠き124を形成させ、フック106に掴むスリーブ89の苗92装着時に苗92があるときには苗押え板122先端に苗92を押し付け、ハンド107の閉で苗92にスリーブ89を装着させる一方、苗92がないときにはスリーブ89を閉じても苗押え板122に挟まって残ることなく下方に落下して支障のない連続作業を可能とさせるように構成している。
図22、図31に示す如く、各ハンド4・5の接合基準位置N通過直後位置に接木苗92の全高Lを調節する苗調整カッタ125を配設させ、各ハンド4・5挟持部の回転移動軌跡K上にカッタ125の刃先部を臨ませるもので、本体固定側に設けた上下取付高さ調節自在なカッタ台126にカッタ125を取付け、台木ハンド5の固定ハンド19に切断切欠溝127を有する胚軸背当て板128を調節ボルト129を介し取付高さ調節自在に設けて、例えば穂木用苗2の胚軸2b高さを略一定の10mmとするとき、台木用苗3の切断高さを45〜60mm程度に調節し、接木苗92の全高Lを55〜70mmとさせて自動植付機構と組合せた場合の植付深さの一定化を図るように構成している。
そして図3、図4、図14に示す如く、全高Lを調整した接木苗92を高さ調節自在なシュータ130を介し収納容器131に放出させる払出し部材132を払出部17に設けるもので、払出位置に接木苗92が到達し各ハンド4・5が開とするとき払出シリンダ133で払出部材132を回動させて接木苗92を収納容器131に払出するように構成している。
なお、図2、図3中134は前記モータ9は開欠駆動して各ハンド4・5を回転移動軌跡Kで移動させるハンド旋回スイッチ、135は投入作業台である。
以上のように半自動の接木作業を行って、穂木子葉2aと台木子葉3aの展開方向が直交状態(十字状)となるように確実に接木して、日陰を発生せず日照を均一とさせて接木苗2・3の成長を促進させるものであり、図32に示す如く作業座席1に最接近する穂木及び台木ハンド4・5の苗投入部12位置のとき、前処理で断根した穂木及び台木用苗2・3をそれぞれ各ハンド4・5に投入して挟持させ、挟持後は切断・接合・払出の一連の接木作業を自動で行うもので、前記モータ9の駆動によって苗2・3を挟持するハンド4・5が苗切断部14まで移動したとき、穂木切断刃50によって穂木用苗2の胚軸3bがV字形に、台木切断刃51によって台木用苗3の胚軸3bV字形に切断され、次にハンド4・5が苗接合部16まで移動するときには、台木用苗3を上昇させて穂木用苗2を挿入すると共に、穂木用苗2を抱き込んだ台木用苗3の外側をスリーブ89で固定して接木苗92を形成させ、ハンド4・5が払出部17まで移動するときハンド4・5を解放して接木苗92を放出或いは取出すものである。
即ち、図33に示す如く、前記苗投入部12の投入行程にあっては、穂木及び台木ハンド4・5が苗投入位置に到達するとき、作業者が手に持った穂木である穂木用苗2と台木である台木用苗3を閉状態の各ハンド4・5の固定及び移動ハンド部19・21及び19・22間にのせ、旋回スイッチ134の操作で各ハンド4・5が投入部12位置を離れる直後のとき、開閉カム26・27の作用で各ハンド4・5を閉とさせて各苗2・3をハンド4・5に挟持させる。
また図34に示す如く、各ハンド4・5が切断部14まで到達したとき、前記シリンダ66で切断ベース64を前進させ、各ハンド4・5に挟持する苗2・3に対し切断台52・53と切断刃50・51を順次前進させて、穂木用苗2の胚軸2bをV字形に切断すると共に、台木用苗3の子葉3aを子葉押え76で展開(押し広げ)させた後生長点3cなど胚軸3bの上端不要部分をV字形に切断し、切断後は切断刃50・51と切断台52・53を順次後退させた後各ハンド4・5を接合部16まで移動させる。この移動中昇降カム30によって台木ハンド5は穂木ハンド4に向かって上昇する。
図35、図37に示す如く、各ハンド4・5が接合部16に到達するまでに一定長さのスリーブ89を準備し供給可能状態とさせるもので、前記供給機構90のリール95より繰出される連続状のスリーブ89が検出部材102に当接し、繰出しを停止させるときスリーブカッタ104を前進させて一定長さにスリーブ89を切断し、カッタ104の後退後にスリーブハンド107の開状態で1段階前進させフック106を閉とさせるとき、スリット93前方にフック106先端を臨ませ、ハンド107を2段階後退させるときフック106をスリット93に係合させて押し広げ(このときプッシャ108をスリーブ89背面に当て押し広げ状態を保持させる)、さらに1段階後退させるときにはガイド100位置より離して左右動シリンダ111でハンド107を供給位置の右側から装着位置の左側まで移動させる。
そして図36に示す如く、各ハンド4・5が接合部16に到達したとき、前後進シリンダ119で掻上げ用左右ローラ116を前進させて左右ローラ116間に台木用苗3の胚軸3bを位置させる状態とさせ、左右ローラ116を閉とさせ上昇させるとき子葉3aを掻上げて、スリーブハンド107に掴んだスリーブ89を苗2・3の接合部に装着させるもので、左側の装置位置でスリーブ89を押し広げた状態で保持するハンド107を1段階前進させるとき、苗92に押し広げたスリーブ89内面を接近させ、フック106を閉とさせるとき苗92にスリーブ89を装着させ、ハンド107を前進させるときスリーブ89からフック106を離し、フック106を開とさせて後退させるときハンド107を装着位置まで戻して元の右側供給位置に移動させる。
また、接木苗92にスリーブ89が装着された後の各ハンド4・5の移動開始直後に接木苗92の胚軸3bがカッタ125で調整切断され、各ハンド4・5が払出部17に到達したとき、ハンド4・5が開き、払出部材132の回動によって完成接木苗92が収納容器131に放出される。
上記から明らかなように、穂木用苗2及び台木用苗3を穂木及び台木ハンド4・5に挟持させて茎部である胚軸2b・3bを切断し接合固定する接木装置において、苗2・3の挟持挿入方向に略平行な2つのガイド体33aを有する苗ガイド部材33をハンド4・5上方に配設させたもので、2つのガイド体33aで穂木或いは台木用苗2・3の2枚の子葉2a・3aを相対峙する状態に挟み込んで、子葉展開方向を苗2・3の挿入方向と直交させる一定方向に常に揃えるもので、例えば穂木子葉2aの展開方向に合わせた茎部2bのV字形切断などを可能とさせて接木精度を向上させることができる。
また、穂木或いは台木ハンド4・5に供給する穂木用苗2或いは台木用苗3の下茎部2b・3bの上下・左右・前後方向の位置規制を行う苗ストッパである位置決め部材34をハンド4・5下方に配設させたもので、穂木或いは台木用苗2・3の上下方向の基準点をハンド4・5より下方位置とさせて、苗茎部2b・3bの適正位置での切断を容易に可能とさせるもので、例えば穂木茎部2bの切断長さを短くして形の良い商品価値の高い接木苗92を形成させることができる。
さらに、穂木用苗2或いは台木用苗3の位置規制を係合溝42で行う苗載せ台39を設けると共に、穂木或いは台木ハンド4・5に対し苗載せ台39を上下移動調節自在に設けたもので、穂木或いは台木ハンド4・5に苗2・3を挟持させる際の苗2・3の上下方向の規制を苗載せ台39で行って、例えば台木用苗3にあっては適正な切断や穂木用苗2との接合を可能とさせて、生育良好にして商品価値の高い接木苗92を形成させることができる。
また、穂木用苗2或いは台木用苗3の子葉展開方向の位置規制を行う振り子式の子葉位置規制部材40を苗載せ台39に設けたもので、苗品種により子葉2a・3aの形状や大きさに変化があっても例えば広いスパンの規制部材40を子葉(2葉)2a・3aに直接押し当てて、自動的に子葉2a・3aの方向を安定させ、穂木或いは台木用苗2・3との適正な接合を可能とさせることができる。
さらに、台木用苗3の茎部3bを切断する切断刃51と、切断される台木用苗3の苗姿勢を保持する苗切断台53と、苗子葉3aを苗切断台53に押し広げる子葉押え76とを設け、台木用苗3の茎部3bを苗切断台53で押え、苗切断台53の子葉3aを子葉押え76で押し拡げて、前進させる切断刃51で台木用苗3の茎部3bを切断させたもので、台木用苗3の茎部3bを押えた後に子葉3aを押し広げて片葉を切り落としたり生長点3cが切り残るなどのない台木用苗3の適正な切断を容易に可能とさせて接木装置の精度向上を図ることができる。
また、苗切断台53に子葉押え76を上下動自在に連結させ、切断刃51の前進動作に連動して子葉押え76を下動させて苗切断台53の子葉3aを押し広げるもので、切断刃51の前進時には自動的に子葉3aを子葉押え76によって押し広げて、子葉3aを切り落すなどの不都合のない適正な切断を確実に行って接木装置の精度向上を図ることができる。
さらに、苗茎部3bの切断時に切断刃51を案内するカッタガイド溝である切断刃進入溝75を子葉押え76に形成させたもので、子葉押え76によって台木用苗3の子葉3aを押し広げると同時に、子葉押え76のカッタガイド溝に案内によって切断刃51を台木用苗3に適正に作用させて、台木用苗3の生長点3cと子葉3aの具割り部を正確に切断除去することができる。
また、穂木及び台木用苗2・3を挟持する穂木及び台木ハンド4・5を備え、これらハンド4・5の移動中に穂木ハンド4に対し台木ハンド5を上昇させて苗2・3の切断面を接合する接木装置において、接木及び台木ハンド4・5移動時の接合基準位置の直前で穂木及び台木用苗2・3の切断面を合わせる穂木及び台木用苗ガイド部材120・121を設けたもので、穂木及び台木ハンド4・5が接合基準位置に到達する直前に穂木及び台木用苗2・3の接合位置を合わせる状態に補正して、穂木用苗2と台木用苗3の適正な接合を常に可能とさせて接木精度を向上させることができる。
さらに、穂木及び台木用苗ガイド部材120・121は先端開口案内部120a・121bを穂木及び台木ハンド4・5の移動方向前方に前後進自在に配設すると共に、台木用苗ガイド部材121を上下動位置調節自在に設けたもので、穂木及び台木ハンド4・5の接合位置到達時には苗ガイド部材120・121をスムーズに穂木及び台木用苗2・3に作用させて切断面を合わせると共に、台木用苗ガイド部材121や苗ガイド部材121と一体に設ける掻上げローラ116など掻き上げ部材を上動させることにより台木用苗3の子葉3aの悪影響を受けることのない接ぎ具の適正な装着を可能とさせることができる。
また、穂木用苗ガイド部材120は先端開口案内部120aに苗2の位置規制を行う苗ストッパ部120bを形成させると共に、台木用苗ガイド部材121は先端側を下り傾斜に形成させたもので、穂木及び台木ハンド4・5の接合基準位置到達直前の穂木ハンド4に対する台木ハンド5の上昇中には下り傾斜の台木用苗ガイド部材121で台木子葉3aに邪魔されることのない茎部3bの良好な案内を行うと共に、接合基準位置到達時には穂木用苗ガイド部材120の苗ストッパ部120bで穂木用苗2の行き過ぎることのない正確な接合位置を保って接木精度を向上させることができる。
2 穂木用苗
2b 胚軸(茎部)
3 台木用苗
3b 胚軸(茎部)
4 穂木ハンド
5 台木ハンド
33 苗ガイド部材
33a ガイド体
34 穂木位置決めの部材(苗ストッパ)
2b 胚軸(茎部)
3 台木用苗
3b 胚軸(茎部)
4 穂木ハンド
5 台木ハンド
33 苗ガイド部材
33a ガイド体
34 穂木位置決めの部材(苗ストッパ)
Claims (2)
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穂木用苗及び台木用苗を穂木及び台木ハンドに挟持させて茎部を切断し接合固定する接木装置において、苗の挟持挿入方向に略平行な2つのガイド体を有する苗ガイド部材をハンド上方に配設させたことを特徴とする接木装置。 - 穂木或いは台木ハンドに供給する穂木用苗或いは台木用苗の下茎部の上下・左右・前後方向の位置規制を行う苗ストッパをハンド下方に配設させたことを特徴とする請求項1記載の接木装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003385732A JP2005143395A (ja) | 2003-11-14 | 2003-11-14 | 接木装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003385732A JP2005143395A (ja) | 2003-11-14 | 2003-11-14 | 接木装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005143395A true JP2005143395A (ja) | 2005-06-09 |
Family
ID=34693697
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003385732A Pending JP2005143395A (ja) | 2003-11-14 | 2003-11-14 | 接木装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005143395A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102599009A (zh) * | 2012-02-24 | 2012-07-25 | 浙江理工大学 | 一种嫁接苗夹持定位装置 |
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2003
- 2003-11-14 JP JP2003385732A patent/JP2005143395A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102599009A (zh) * | 2012-02-24 | 2012-07-25 | 浙江理工大学 | 一种嫁接苗夹持定位装置 |
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