JP2005123017A - 電気化学セル用ガスケット及び電気化学セル - Google Patents

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Abstract

【課題】 リフローハンダ付け実装可能な非水電解質二次電池のガスケットにエンジニアリングプラスチックを用いた場合、かしめ封口やリフローはんだ付けにより、ガスケットが切れやすいという問題があった。かしめ封口やリフローはんだ付けにより、ガスケットが切れると、電池がショートしたり、ガスケットの気密性が低下し漏液することがあった。
【解決手段】 ガスケットの外壁上部の最大厚さを外壁下部の最小厚さより厚くし、かつガスケットの外壁の上部径を下部径より大きくした。ガスケットの外壁の上部径を外壁の下部径より大きくし、そして外壁の上部を肉厚とすることにより、ガスケット最大圧縮部が封口時かしめ過ぎの条件でも切れにくい構造となった。これにより、かしめ封口やリフローはんだ付けで、ガスケットが切れることがなくなり、負極缶の製造による寸法ばらつきや、かしめ条件のばらつきも吸収できるようになった。また、ガスケットの射出成形性も向上した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、正極缶と負極缶との封口に優れたガスケット及び、前記ガスケットを用いた電気化学セルに関するものである。
従来、コイン型(ボタン型)非水電解質二次電池または電気二重層キャパシタ等の電気化学セルは、高エネルギー密度、軽量であるといった特徴により、機器のバックアップ用の電源としての用途が増加している。
該電気化学セルは、主にメモリーバックアップ電源として用いる場合、該電池またはキャパシタにハンダ付用の端子を溶接した後、メモリー素子とともにプリント基板上にハンダ付け実装されることが多い。従来、プリント基板上へのハンダ付は、ハンダこてを用いて行なわれていたが、機器の小型化あるいは高機能化にともない、プリント基板の同一面積内に搭載される電子部品を多くする必要が生じハンダ付のためにハンダこてを挿入する隙間を確保することが困難となってきた。また、ハンダ付け作業もコストダウンのため自動化が求められていた。
そこであらかじめプリント基板上のハンダ付を行なう部分にハンダクリーム等を塗布しておきその部分に部品を載置するか、あるいは、部品を載置後、ハンダ小球をハンダ付部分に供給し、ハンダ付部分がハンダの融点以上、例えば、200〜260℃となるように設定された高温雰囲気の炉内に部品を搭載したプリント基板を通過させることにより、ハンダを溶融させてハンダ付を行なう方法が用いられている(以下リフローハンダ付という)。
リフローハンダ付けを行うためには、電池またはキャパシタ部材も耐熱性のものを用いなければならない。更に、近年は耐環境性を重視する傾向から鉛を含まない高温ハンダ(リフロー温度約260℃)が多く用いられるようになってきており、リフロー時の温度が上昇している。
このリフロー時の温度に耐えられるように、電気化学セルの耐熱性を上げる研究が盛んになされている。とりわけ、ガスケットは、ポリプロピレン(PP)から、耐熱性が高く硬質のエンジニアリングプラスチックが用いられるようになった。
特開平8−17470号公報(1頁) 特開平8−306384号公報(1頁)
コイン型(ボタン型)でリフローハンダ付け実装可能な非水電解質二次電池または電気二重層キャパシタ等の電気化学セルを製造する場合、内容積を大きくするため、ガスケットの外壁の厚さはできる限り薄く設計されてきた。
リフローハンダ付け実装可能な非水電解質二次電池のガスケットは、硬くてもろいエンジニアリングプラスチックを用いているため、従来のPP製のガスケットに比べ、柔軟性がないため、薄い肉厚だと電池缶との密着性が十分でなく、漏液を発生したり、保存特性がよくないことがあった。
また、硬くてもろいエンジニアリングプラスチックを用いているため、PP製のガスケットに比べ、かしめ封口の衝撃で、切れやすくなっている。さらに、リフロー時においても、正負極缶の金属の熱膨張とエンジニアリングプラスチックの熱膨張が違うため切れやすくなっている。
これらの課題のため、封口の適正条件を求めるのが非常に困難であった。負極缶の折り返しの寸法がばらつくと切れが発生し製造歩留まりを低下させたり、切れないように封口をあまくすると気密が低下し、電池性能が劣化することがあった。
特にガスケットの負極缶折り返し頂点と正極缶で圧縮される部分は、非常に切れやすい構造となっている。かしめ封口やリフローはんだ付けにより、ガスケットが切れると、電池がショートしたり、ガスケットの気密性が低下し漏液(電解液が電池またはキャパシタ外部に漏れること)することがあった。
小型のコイン型(ボタン型)でリフローハンダ付け実装可能な非水電解質二次電池または電気二重層キャパシタ用のガスケットを、エンジニアリングプラスチックを用い、射出成形でつくることは非常に困難であった。直径がφ7mm以下となる621(φ6.8mm、高さ2.1mm)、614(φ6.8mm、高さ1.4mm)、609(φ6.8mm、高さ0.9mm)、414(φ4.8mm、高さ1.4mm)、314(φ3.8mm、高さ1.4mm)サイズのガスケットは、肉厚が薄く射出成形時に変形してしまうという課題があった。鉛を含まない高温ハンダ(リフロー温度約260℃)に耐えうる有力材料ガスケット材料としてポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)がある。この材料は、従来のガスケット形状において射出成形が非常に困難であった。これは、PEEKは、他の材料より結晶化に時間がかかり、ガスケットを金型より排出するときにまだ軟らかく、金型に付着し無理やり取り出すと変形してしまうことに起因していた。
ガスケットの外壁を全体的に肉厚にすればかしめ封口時に、ガスケットが切れにくくなる。しかし、寸法規格の決まった電池やキャパシタにおいては、ガスケットを厚くするとその分負極缶を小さくしなければならず、結果として電池内容積が小さくなり、電池容量も小さくなってしまう。そこで本発明においては、ガスケットの外壁上部の最大厚さを外壁下部の最小厚さより厚くし、かつガスケットの外壁の上部径を下部径より大きくした。ガスケットの外壁の上部径を外壁の下部径より大きくし、そして外壁の上部を肉厚とすることにより、ガスケット最大圧縮部が封口時かしめ過ぎの条件でも切れにくい構造となった。ガスケットの外壁の外周面と内周面とに角度を持たせることにより、ガスケットの外壁の上部径を外壁の下部径より大きくし、そして外壁の上部を肉厚とすることができる。更に、ガスケットの外壁に肉厚部を設けることにより、電気化学セルの封口性を高めた。
コイン型(ボタン型)で非水電解質二次電池または電気二重層キャパシタ等の電気化学セルのガスケットにエンジニアリングプラスチックを用いた場合、かしめ封口やリフローはんだ付けにより、ガスケットが切れやすいという問題があったが、ガスケットの外壁上部の最大厚さを外壁下部の最小厚さより厚くし、かつガスケットの外壁の上部径を下部径より大きくすることにより、ガスケットが切れにくくなり、かつ封口性が向上した。さらに前記外壁の内周面に、肉厚部を備えることによりガスケットが切れにくくなり、電気化学セルの封口性が向上した。前記ガスケット外壁の外周面と内周面とに角度を持たせることにより外壁上部の最大厚さを外壁下部の最小厚さより厚くすることによりガスケットが切れにくくなり、封口性が向上した。同様に外壁の外周面と前記外壁の内周面とのなす角度が2°以上であると更にガスケットが切れにくくなり、封口性が向上した。外壁の外周面と前記外壁の内周面とのなす角度が3°以上10°未満で、ガスケット材質にポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)を用いるとガスケットが切れにくくなり、かつ封口性が向上した。ガスケット材質がポリフェニレンサルファイド(PPS)である場合には、外壁の外周面と前記外壁の内周面とのなす角度が2°以上10°未満で、ガスケットが切れにくくなり、かつ封口性が向上した。
本発明に係るガスケットを用いた電気化学セルは気密性も向上するため、保存特性も向上した。ガスケットの外壁の外周面と内周面とに角度を設けることは、ガスケットの射出成形における変形を防止する上においても有効である。
本発明に係るガスケットを電気化学セルに用いることにより、かしめ封口やリフローはんだ付けで、ガスケットが切れて電池がショートしたり、ガスケットの気密性が低下し漏液(電解液が電池外部に漏れること)することがなくなった。また、負極缶の製造による寸法ばらつきや、かしめ条件のばらつきも吸収できることになり、製造歩留まりが格段に向上した。
図3に本発明を用いた電気化学セルの封口後の断面図を示す。セパレータ103により分離された負極ペレット102と正極ペレット104からなる一対の電極が、負極缶101と正極缶105によって保持されている。負極缶101と正極缶105は、ガスケット106を介して、かしめ封口されている。負極缶くぼみ207は、ガスケットとの間で隙間が出来やすく、負極缶くぼみ207に電解液がたまりリフロー時に漏出したり、使用中に電解液で缶を腐食することが問題となっていた。また、ガスケット最大圧縮部208は、ガスケットに対して最も圧縮力がかかっており切断され易い部分である。負極缶の折り返し頂点206と接する部分のガスケットが最大圧縮部となる。
ガスケットの外壁を全体的に肉厚にすればかしめ封口時に、ガスケットが切れにくくなる。しかし、寸法規格の決まった電池やキャパシタにおいては、ガスケットを厚くするとその分負極缶を小さくしなければならず、結果として電池内の容積が小さくなり、電池容量も小さくなってしまう。そこで本発明においては、ガスケットの外壁の上部だけを厚くすることを見出した。
図1に本発明を用いた電気化学セルのガスケットの断面図を示す。ガスケット106は、外壁107と内壁108を有しており、外壁の上部径204は、外壁の下部径205より大きくなるように設計されている。外壁の上部径204を外壁の下部径205より大きくし、外壁107の上部を肉厚とすることにより、図3のガスケット最大圧縮部208が封口時かしめ過ぎの条件でも切れにくい構造となった。ガスケットの外壁107と負極缶の折り返し頂点206の接する点より上が外壁上部であり、外壁107と負極缶の折り返し頂点206の接する点より下が外壁下部である。外壁上部の最大厚さ203が、外壁下部の最小厚さ201より厚くなるようにガスケットの外壁が構成されている。
外壁の外周面109と外壁の内周面110のなす角度202を持たせることにより、ガスケットの外壁上部の最大厚さ203は、外壁下部の最小厚さ201より厚くなるように構成されている。ガスケット外壁の内周面は、垂直でも角度を有していても良い。さらにガスケットに肉厚部209を設けることにより、負極缶くぼみ207とガスケット106との間に生じる隙間を減らし封止性を高めている。それにより、電解液が負極缶くぼみ207にたまりリフロー時に漏出したり、使用中に電解液で缶を腐食することがなくなった。
図2にガスケット106を正極缶105と負極缶101に組み込んだ場合の断面図を示す。正極缶105の底面と側面とは直角をなし、かつ正極缶105の内周径とガスケット106の下部径とが、ほぼ同一径となっているためガスケット上部は内側に倒れこむことになる。そのときガスケット106と正極缶105の密着性は向上しセルの気密性も向上する。さらに、ガスケットの肉厚部209が負極缶くぼみ207とガスケット106との間に生じる隙間を減らし封口性を高める。
図2の状態から正極缶105の側面上部を内側にかしめることによって図3のように封口されることになる。ガスケット106の外壁上部はなるべく肉厚とすることがよいが、厚すぎると正極缶105に組み込めなくなる。また、ガスケットの外壁の上面部の角を面取り加工することにより封口性が向上する。
ガスケットの製造方法としては、射出成型法、熱圧縮法等があり、射出成形法が一般的に多く用いられている。特にガスケット106の材料としてポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)を用いた場合は、リフロー温度として260℃もの高温に耐えることができるが、成形後の硬化時間が長いため、成形金型にはりつき簡単に排出できないという問題があった。そのため、ガスケットが柔らかいままで排出され変形してしまう。
ガスケットの外壁の外周面と内周面とのなす角度202を設けることにより、ガスケット106を成形金型から引きぬくことが容易となる。この角度は大きいほど、金型からの離型性が良くガスケット106の変形は少なくなるが、あまり大きくなると正極缶105に組み込めなくなる。
外壁の外周面と内周面のなす角度202が2°以下の場合は、ガスケットの変形が大きく、作製した電気化学セルの機密性が悪く、特性の劣化、漏液が発生した。外周面と内周面のなす角度202が10°以上の場合は、正極缶105に組み込めなくなった。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)以外のガスケットにおいても、本発明のように、ガスケット106の外壁の上部径204を外壁の下部径205より大きくし、ガスケット106の外壁上部を肉厚とすることにより、電気化学セルの封口性が向上し、電気化学セル特性が良くなった。特に、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル樹脂(PEN)等の高耐熱、硬質エンジニアリングプラスチックを用いたガスケットにおいて有効であった。
また、この材料に30重量%程度以下の添加量でガラス繊維、マイカウイスカー、セラミック微粉末等を添加したものであっても、本実験と同様の効果を発揮することが実験によって判明している。
一般に、リフローはんだ付けを行うために、電池にはあらかじめ端子が取り付けられる。
電極端子は、金属製で主に0.1〜0.3mm程度の板状のステンレス鋼が加工して用いられる。端子の回路基板とハンダ付けされる部分には、金めっき、ニッケルめっき、ハンダめっき等が施されることが多い。電池への溶接は、抵抗溶接法、レーザー溶接法などが用いられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
本実施例は、正極活物質としてMoO、負極活物質としSiOを用いた場合である。下記のようにして作製した正極、負極及び電解液を用いた。また、電池の大きさは外径4.8mm、厚さ1.4mmとした。
実施例1〜10として、正極は次の様にして作製した。 市販のMoOを粉砕したものに導電剤としてグラファイトを、結着剤としてポリアクリル酸を重量比MoO:グラファイト:ポリアクリル酸=53:45:2の割合で混合して正極合剤とし、次にこの正極合剤5mgを2ton/cmで直径2.4mmのペレットに加圧成形した。その後、この様にして得られた正極ペレット104を、炭素を含む導電性樹脂接着剤からなる電極集電体を用いて正極ケース105に接着し一体化した(正極ユニット化)後、250℃で8時間減圧加熱乾燥した。
塗布する液体シール剤は、市販のブチルゴム系接着剤(ブチルゴム30重量%、残りトルエン)とブローンアスファルトをトルエンに溶かしたものを正極缶の内側に注射器により塗布し、ドライルーム内で120℃乾燥して用いた。
負極は、次の様にして作製した。市販のSiOを粉砕したものを作用極の活物質として用いた。この活物質に導電剤としてグラファイトを、結着剤としてポリアクリル酸をそれぞれ重量比45:40:15の割合で混合して負極合剤とした。合剤1.1mgを2ton/cm2で直径2.1mmのペレットに加圧成形したものを用いた。その後、この様にして得られた負極ペレット102を、炭素を導電性フィラーとする導電性樹脂接着剤からなる電極集電体を用いて負極缶101に接着し一体化した(負極ユニット化)後、250℃で8時間減圧加熱乾燥した。さらに、ペレット上にリチウムフォイルを直径2mm、厚さ0.2mmに打ち抜いたものを圧着し、リチウム−負極ペレット積層電極とした。厚さ0.2mmのガラス繊維からなる不織布を乾燥後φ3mmに打ち抜きセパレータ103とした。
負極缶101の外径は4.21mmで折り返し頂点206の高さは0.56mmのものを用いた。
ガスケット106は、外壁の外周面と内周面のなす角度が0°から10°までのものを用いた。ガスケット材質としては、PPS、PEEKを用い、射出成形により作製した。
塗布する液体シール剤は、市販のブチルゴム系接着剤(ブチルゴム30重量%、残りトルエン)とブローンアスファルトをトルエンに溶かしたものをガスケットの溝に注射器により塗布し、ドライルーム内で120℃乾燥して用いた。
電解液は、エチレンカーボネート(EC):γ−ブチロラクトン(γBL)の体積比1:1混合溶媒にホウフッ化リチウム(LiBF4)を1モル/L溶解したもの6μL、電池缶内に入れた。正極ユニットと負極ユニットを重ねかしめ封口することにより電池を作製した。電池は実施例も比較例もそれぞれ500個作製した。
作製したPPSガスケットを用いた電池は、予備加熱180℃、3分、到達温度240℃のリフロー炉を通過させ、漏液とガスケット切れ等を評価した。PEEKガスケットを用いた電池は、予備加熱200℃、3分、到達温度260℃のリフロー炉を通過させ、漏液とガスケット切れ等を評価した。
結果を図4の表に示した。
図4の表中で、外周面と内周面の角度は、ガスケットにおける外壁の外周面と内周面のなす角度を示している。また、ガスケットの直径差は、同一ガスケットの同一円周での最大直径と最小直径の差を示しており、ガスケットの直径差が大きいほど射出成形での変形が大きいことを示している。漏液、ガスケット切れは500個についてリフローした後、漏液またはガスケットが切れてしまった電池の数を示した。高温高湿保存後の容量維持率は、作製した電池10個をリフローした後、60℃、湿度90%で保存し、容量を測定し、保存前の容量と比較することにより容量維持率を測定した結果を示したものである。
PPS、PEEKガスケットを用いた電池ともガスケットの外壁の外周面と内周面のなす角度が0°のもの(比較例1,3)は、漏液、ガスケット切れが多数発生している。外壁の外周面と内周面とに角度を設けているものは、漏液、ガスケット切れが減少している。
ガスケットの切れは、PEEKよりPPSガスケットの方が多く発生しているため、PPSガスケットを用いる場合は、外壁の外周面と内周面のなす角度を大きくしてガスケットの肉厚を厚くする必要がある。これは、PEEKよりPPSが切れやすい特性を持っているためと考えられる。
PEEKガスケットを用いた電池でガスケット外周面の角度が2°のもの(実施例6)は漏液がPPSのもの(実施例1)より多い結果となった。これは、PEEKの方がPPSよりガスケットの外周面と内周面とのなす角度が小さい場合、同一ガスケットの同一円周での最大直径と最小直径の差が大きく、ガスケットが変形しているためと考えられる。つまり、射出成形で精度良く成形することが困難なPEEKは、射出成形でのガスケット変形が大きく電池封口での気密が十分でなかったことが考えられる。PEEKガスケットを用いた電池でガスケットの外壁の外周面と内周面のなす角度を3°以上にすると漏液が著しく少なく、かつガスケットの直径差が小さくなっていることがわかる。これは、外壁の外周面と内周面のなす角度を大きくすることにより離型性が良くなったため、射出成形時に金型に固着し、無理やり取り出し変形することがなくなったためと考えられる。
高温高湿保存後の容量維持率についても、外壁の外周面と内周面のなす角度が10°を越えない範囲で角度が大きいほど維持率が高く良好な電池であった。高温高湿保存後の容量維持率が70%以上あれば実用上問題のないレベルである。高温高湿保存後の容量維持率が向上したことは単にガスケットが切れなかったことだけではなく、ガスケットが肉厚になったことにより気密性やガスケット自体のガス透過性も改善されたものと考えられる。
PPS、PEEKガスケットを用いた電池とも外壁の外周面と内周面のなす角度が10°のもの(比較例2,4)は、ガスケットの径が大きすぎ電池缶に入らず組み込みができなかった。
以上の実施例より、
(1)ガスケットの外壁の外周面と内周面のなす角度が大きいほど、ガスケットの変形が少ない。
(2)電池を作製した場合、外壁の外周面と内周面のなす角度が大きいほど、漏液が少ない。
(3)電池を作製した場合、外壁の外周面と内周面のなす角度が大きいほど、ガスケット切れが少ない。
(4)電池を作製した場合、外壁の外周面と内周面のなす角度が大きいほど、高温高湿保存後の容量維持率が高い。
(5)外壁の外周面と内周面のなす角度が10°を越えるとガスケットを電池缶に組み込むことができない。
(6)PPSガスケットを用いた電池は、外壁の外周面と内周面のなす角度が2°以上10°未満で特性が良好であった。
(7)PEEKガスケットを用いた電池は、外壁の外周面と内周面のなす角度が3°以上10°未満で特性が良好であった。
本実施例では、PPS、PEEKの結果について示したが、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル樹脂(PEN)、ポリアミドイミド樹脂を用いたガスケットの電池でも漏液、ガスケット切れがなく良好な特性を示すことがわかった。特に切れやすい液晶ポリマーを用いたガスケットの場合は、多少肉厚部を厚くすることが好ましい。
本実施例では、リフローはんだ付け実装可能な非水電解質二次電池についてのみ説明したが、実施例同様の正極缶、負極缶、ガスケットを用いた電気二重層キャパシタや、他のコイン型(ボタン型)電池においても同様の効果が確認できた。
本発明を用いた電気化学セルのガスケットの断面図である。 本発明を用いた電気化学セルの封口前の断面図である。 本発明を用いた電気化学セルの封口後の断面図である。 本発明の各実施例の実験結果をまとめた表である。
符号の説明
101 負極缶
102 負極ペレット
103 セパレータ
104 正極ペレット
105 正極缶
106 ガスケット
107 外壁
108 内壁
109 外壁の外周面
110 外壁の内周面
201 外壁下部の最小厚さ
202 外壁の外周面と内周面とのなす角度
203 外壁上部の最大厚さ
204 外壁の上部径
205 外壁の下部径
206 折り返し頂点
207 負極缶くぼみ
208 ガスケット最大圧縮部
209 肉厚部

Claims (6)

  1. 外壁を有し、前記外壁上部の最大厚さが前記外壁下部の最小厚さより厚く、かつ前記外壁の上部径が前記外壁の下部径より大きいことを特徴とする電気化学セル用ガスケット。
  2. 前記ガスケットの前記外壁の内周面に、肉厚部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電気化学セル用ガスケット。
  3. 前記ガスケットにおける前記外壁の外周面と前記外壁の内周面とのなす角度が2°以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気化学セル用ガスケット。
  4. 前記ガスケットにおける前記外壁の外周面と前記外壁の内周面とのなす角度が3°以上10°未満であり、前記ガスケット材質がポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の電気化学セル用ガスケット。
  5. 前記ガスケットにおける前記外壁の外周面と前記外壁の内周面とのなす角度が2°以上10°未満であり、前記ガスケット材質がポリフェニレンサルファイド(PPS)であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の電気化学セル用ガスケット。
  6. 正極ペレットと、負極ペレットと、前記正極ペレットと前記負極ペレットを分離するセパレータとを内部に含み、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の電気化学セル用ガスケットを介し正極缶と負極缶をかしめ封口したことを特徴とする電気化学セル。
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