JP2005119953A - 窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 極めて優れた光線透過特性を有し、特に、発光効率の高い光源の透光性カバーとして好適に使用することができる窒化アルミニウム焼結体を提供する。
【解決手段】 酸素濃度が400ppm以下、金属不純物濃度が150ppm以下、且つ炭素濃度が200ppm以下に抑制されているとともに、2μm〜20μmの平均結晶粒径を有していることを特徴とする窒化アルミニウム成形体である。この焼結体は、260〜300nmの波長領域における分光スペクトル曲線の傾きが1.0(%/nm)以上、400〜800nmの波長領域における光透過率が86%以上であり、分光スペクトルにおける光透過率が60%に到達するときの波長が400nm以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な窒化アルミニウム焼結体に関する。詳しくは、極めて優れた光線透過特性を有し、特に、発光効率の高い光源の透光性カバーとして好適に使用することができる窒化アルミニウム焼結体に関する。
従来、透光性材料は、透明樹脂、ガラス、石英、透光性アルミナなど可視光に透明な材料が、使用環境、コスト等に応じて適宜用いられている。例えば、低エネルギー強度の光源用のカバー(窓材)や比較的紫外光が含まれない波長の光を透過させるための透光性材料としては、透明樹脂或いはガラスが用いられている。また、比較的紫外光を含むような光源用或いはエネルギー強度が大きく使用に際して高温となる光源用の透光性カバーとしては、石英、アルミナを用いた材料が使用される。さらに、ハロゲンガス等腐食性ガスを使用する光源用の透光性カバーとしては、腐食耐性の高いアルミナ材が使用されている。
また、最近では、光源の改良が進み、より発光効率の高い光源も製造されるようになってきており、例えば、Na、Sc、Sn、Th、Tl、In、Li、
Tm,Ho、Dyなどの金属のハライド(特にヨウ化物及び臭化物)を有している封入物を発光材料とする光源も知られている。しかしながら、光源の高輝度化は、発生する熱を増大させるため、このような発光効率の高い光源では、これに適用されるカバーなどの透光性部材の材質が問題となる。即ち、上記アルミナ材料はハロゲンガス耐性があるものの、まだまだ不十分であるばかりか、熱伝導率が30W/mKと小さいため、光源の放熱が不十分となり、かかる光源の寿命を縮めることが懸念される。
上記の問題を解決するために、赤外線やレーダーなどを透過する透光性窓材用材料として、耐熱、熱伝導、機械強度特性の良い窒化アルミニウムが提案されている(特許文献1参照)。当該公報によれば、原料粉末の粒径、金属不純物含量、酸素含量を特定した原料を用いて1700〜2100℃の不活性雰囲気で焼成した場合に0.2μm〜30μmの波長範囲で75%の透過率を示すAlN焼結体が得られることが開示されている。
また、0.3D〜1.8D(D:平均粒子径)の径を有する粒子が70%以上である粒度分布を有する原料窒化アルミニウム粉末を使用して製造される窒化アルミニウム焼結体よりなる透光性カバー(中空管)を備えた発光管が開示されている(特許文献2)。そして、当該公報実施例には、全光線透過率84%の窒化アルミニウム焼結体が示されている。
上述した公知の技術によれば、確かに透光性が改善されたAlN焼結体を製造することが可能である。しかしながら、光線透過率に関してはさらに改善の余地が残されている。即ち、窒化アルミニウム焼結体を前記した発光効率の高い光源に対して透光性カバーとして使用する場合、400nm〜800nmの可視域での透過率は、反射率を考慮した場合、85%を越える透過率が望まれるが、上記の公知の技術で得られる窒化アルミニウム焼結体の透過率(400nm〜800nm)は、最大でも85%である。
また、紫外線領域の透光性に関し、従来の透光性窒化アルミニウム焼結体は、光透過率の立ち上がり特性において改善の余地がある。かかる光透過率の立ち上がり特性は、透光性カバーとしての用途において、紫外領域〜赤外領域における広い波長範囲での高い光透過率を実現するために重要な特性である。
特開平2−26871号公報 特開昭60−193254号公報
従って本発明の目的は、可視域での透過率が86%以上にも達するような著しく高い光線透過率を示し、発光効率の高い高輝度の光源用の透光性カバーとして用いた場合にも、光源の放熱を有効に行い、光源の発熱による寿命短縮を有効に防止し得る窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、紫外域での透過率の立ち上がり特性が極めて優れ、広い波長範囲での高い光透過率を示す窒化アルミニウム及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、大きな比表面積を有する焼結助剤を用いて窒化アルミニウム粉末の焼成を行うことにより得られる窒化アルミニウム焼結体は、酸素濃度、焼結助剤や不可避的金属に由来する金属不純物濃度及び炭素濃度を、従来公知の窒化アルミニウム焼結体に比して著しく低減され、紫外域での透過率の立ち上がり特性が極めて優れ、可視域において86%以上にも達する高い透過率を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、酸素濃度が400ppm以下、金属不純物濃度が150ppm以下、且つ炭素濃度が200ppm以下に抑制されているとともに、2μm〜20μmの平均結晶粒径を有していることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体が提供される。
即ち、上記の窒化アルミニウム焼結体は、
(1)260〜300nmの波長領域における分光スペクトル曲線の傾きが1.0(%/nm)以上、400〜800nmの波長領域における光透過率が86%以上であり、分光スペクトルにおける光透過率が60%に到達するときの波長が400nm以下であるという光学的特性を有しており、
さらには、
(2)抗折強度が300MPa以上であるという機械的特性を有している。
本発明によれば、また、窒化アルミニウム粉末と、20〜50m/gのBET比表面積を有する焼結助剤との混合物を還元雰囲気下で焼成する工程を含むことを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法が提供される。
上記の製造方法においては、
(3)前記焼結助剤が、窒化アルミニウム粉末100重量部当り、0.5〜4重量部の量で使用されること、
(4)複数種の焼結助剤を用いること、
が好ましい。
本発明によれば、従来では達成できなかった、光透過率の立ち上がり特性に優れ、しかも、可視光に対して極めて高い透光性を有する窒化アルミニウム焼結体を提供することができる。
また、上記特性を有する窒化アルミニウム焼結体は、発光管等の透光性カバーとして特に有用であり、例えば窒化アルミニウム焼結体が元来有する高い熱伝導性や高い化学的耐食性に加え、上記のような光学特性を有しているため、高輝度の光源を用いた発光管に適用した場合においても、光源の長寿命化を実現することができる。
また、紫外線透過窓のような透光性カバーの用途に適用した場合においては、前記光学的特性により、高い紫外線透過率を実現可能である。
(窒化アルミニウム焼結体)
本発明の窒化アルミニウム焼結体は、不純物濃度(Al及びN以外の成分濃度)が著しく低い範囲に抑制されていることが重要な特徴であり、具体的には、酸素濃度が400ppm以下、特に300ppm以下、金属不純物濃度が150ppm以下、特に85ppm以下、さらには炭素濃度が200ppm以下に抑制されている。尚、金属不純物濃度とは、Al以外の金属濃度を意味し、焼結助剤に由来する金属とその他の金属(例えば原料粉末中の不可避的不純物に由来する金属)との合計濃度を意味する。
即ち、本発明においては、後述する特定の比表面積を有する焼結助剤を用いて窒化アルミニウムの焼成を行うことにより、不純物濃度が、従来公知の窒化アルミニウム焼結体に比して著しく低減されており、この結果として、後述する実施例にも示されているように、優れた光学特性を示すものである。例えば、不純物濃度が上記範囲内に抑制されている本発明の窒化アルミニウム焼結体は、260〜300nmの波長領域における分光スペクトル曲線の傾きが1.0(%/nm)以上、特に1.3(%/nm)以上であり、紫外領域で立ち上がり特性に優れ、また、400〜800nmの波長領域における光透過率が86%以上であり、さらには、分光スペクトルにおける光透過率が60%に到達するときの波長が400nm以下、特に320nm以下であり、紫外領域〜赤外領域における広い波長範囲での高い光透過率を示す。従来公知の窒化アルミニウム焼結体では、不純物含量の増大による透光性の低下を回避するため、焼結助剤を使用せずに焼成を行うことにより製造されており、仮に焼結助剤を用いても、取り扱い性の観点から比表面積の小さなものが使用されていたため、不純物濃度を上記範囲内に抑制できず、従って、上記のような光学特性を得ることはできなかったのである。
また、本発明の窒化アルミニウム焼結体は、平均結晶粒径が2〜20μm、特に、5〜15μmの範囲にあることも重要である。即ち、平均結晶粒径が2μm未満の場合、窒化アルミニウム焼結体の透光性が低下してしまい、平均結晶粒径が20μmを超えた場合は、窒化アルミニウム焼結体の強度低下が著しく、例えば、透光性カバーの用途において、実用上の強度が不足する。本発明の焼結体は、窒化アルミニウムの平均結晶粒径が上記範囲内にあるため、前述した優れた光学特性を有すると同時に、高強度であり、例えば300MPa以上の抗折強度を示す。
(窒化アルミニウムの製造)
本発明の窒化アルミニウム焼結体は、窒化アルミニウム粉末と特定の焼結助剤との混合物を所定形状に成形し、成形体を還元雰囲気下で焼成することにより製造される。
<窒化アルミニウム粉末>
原料として用いる窒化アルミニウム粉末としては、焼結によって、前述した範囲の結晶粒径が達成可能な粒子径を有するものが使用される。一般には、焼成に際しての粒成長を考慮して、前記結晶粒径より若干小さい平均粒子径を有するものが好適に使用され、例えば、平均粒子径が0.5〜15μm、1〜10μmのものが好適である。
また、焼結体中の不純物濃度を前述した低濃度の範囲に抑制するため、上記窒化アルミニウム粉末は、純度97重量%以上、望ましくは99重量%以上の高純度のものが好ましく、最も好適には、金属不純物濃度(Al以外の金属の濃度)が50ppm以下であり、且つ酸素濃度が1重量%以下、特に0.8重量%以下に低減されている高純度の窒化アルミニウムが使用される。
さらに、本発明においては、特に焼結体中の酸素濃度を低減させるため、不純物成分として炭素を含有する窒化アルミニウム粉末を用いることもできる。即ち、炭素の存在下で焼成を行うことにより、不純物として含まれている酸素が炭素と反応し、炭酸ガスとして取り除かれるからである。但し、このような炭素が原料粉末中に多く含まれると、焼結体中に不純物として残存してしまい、焼結体中の炭素濃度を前述した範囲内に抑制することが困難となってしまうため、窒化アルミニウム粉末中の炭素濃度は、450ppm以下とするのがよい。
<焼結助剤>
本発明においては、上記窒化アルミニウム粉末とともに焼結助剤を使用するが、この焼結助剤のBET比表面積は、20〜50m/g、特に25〜50m/gの範囲にあることが、焼結体中の不純物濃度を前述した範囲内に抑制し、優れた光学特性を得る上で必須不可欠である。
即ち、焼結助剤は、焼成に際して液相を形成し、これにより焼結性を高めるために使用されるものであるが、窒化アルミニウム用として従来使用されていた焼結助剤の比表面積は、上記範囲よりも低い。上記のように大きな比表面積を有するものは、焼結性を高める効果が極めて大きいものの、水分の吸着等を生じやすく、容易に凝集してしまうため、所望の焼結性向上効果を得ることができず、その使用に見合うメリットが全く見出されていなかったからである。しかるに、上記範囲よりも小さな比表面積を有する焼結助剤を用いた場合には、目的とする焼結性を得るために、その使用量はかなり多量となり、この結果、得られる焼結体中の不純物濃度が極めて高く、特に焼結助剤に由来する金属不純物濃度が高くなってしまい、また酸素濃度も増大してしまい、さらには高温で且つ長時間の焼成が必要となり、結晶粒径の増大も生じてしまう。この結果、透光性の低下をもたらしてしまうため、特に透光性の高い窒化アルミニウム焼結体の製造に際しては、焼結助剤が使用されていなかったのが実情であり、従って、前述した優れた光学特性を有する窒化アルミニウム焼結体は得られず、例えば400〜800nmの波長領域における光透過率は85%が限界であり(前述の特開平2−26871号公報参照)、それ以上の光透過率を示す窒化アルミニウム焼結体は得られなかったのである。
しかるに、本発明においては、前記範囲内の大きな比表面積を有する焼結助剤を使用するため、前述した優れた光学特性や強度特性を有する窒化アルミニウム焼結体を得ることが可能となる。即ち、かかる焼結助剤は、比表面積が大きいため、焼成温度に加熱された時にほぼ全量が速やかに液相を形成して焼結促進に寄与し、焼結促進に寄与した助剤は、焼結の進行に伴って揮散する。従って、少量の使用で大きな焼結促進効果を示すばかりか、焼結体中にほとんど残存せず、しかも、原料粉末中に含まれる不純物は液相中に取り込まれ、該助剤とともに、焼結の進行に伴って揮散することとなる。この結果、得られる焼結体中の金属不純物濃度や酸素濃度は、前述した範囲に低減され、該焼結体の光透過性等の光学特性は極めて優れたものとなるのである。例えば、後述する実施例3と比較例2とを参照されたい。実施例3と比較例2とは、比表面積が異なる焼結助剤(イットリア)を用いた以外は、全く同じ条件で焼成を行って窒化アルミニウム焼結体を製造しているが、本発明にしたがって35m/gのBET比表面積を有する焼結助剤を用いた実施例3では、得られた窒化アルミニウムの金属不純物濃度や酸素濃度は著しく低く、前述した光学特性が極めて優れている(例えば光透過率は86%である)。一方、本発明に比してBET比表面積が小さい(12m/g)焼結助剤を用いた比較例2では、得られる焼結体の金属不純物濃度や酸素濃度は、実施例3に比して2〜3桁もオーダーが高くなってしまっており、従って、その光学的特性は著しく悪く、例えば光透過率は68%である。
尚、本発明において、比表面積が上記範囲よりも大きな焼結助剤を用いた場合には、使用に際して凝集が直ちに生じてしまうため、大きな焼結促進特性が得られず、従って、目的とする優れた光学特性や強度特性を有する窒化アルミニウム焼結体を得ることはできない。
また、本発明において用いる焼結助剤は、上述したように大きな比表面積を有している限り、その粒径は特に制限されないが、一般に粒径が小さい程、液相を形成しやすくなるため、5μm以下、特に0.05〜3μmの粒径を有していることが好ましい。
ところで、比表面積の高い焼結助剤は、上記でも述べたように、凝集しやすく、特に水分を吸着して容易に凝集体を形成してしまう。凝集体の状態で使用すると、上述した優れた焼結促進効果が低減してしまうため、光学特性等に優れた焼結体を得ることができなくなってしまう。このため、本発明において用いる焼結助剤は、例えばドライエア中に保管しておき、場合によっては、真空下での加熱による乾燥処理を行った後に、直ちに使用に供することが望ましい。
上記焼結助剤の種類としては、それ自体公知のもの、例えば、CaO、SrOなどのアルカリ土類系酸化物や、Y、CeO、Ho、Yb、Gd、Nb、Sm、Dyなどの希土類系酸化物を例示することができるが、最も一般的に使用されるものは、酸化イットリウム(Y)である。また、上記焼結助剤は、必ずしも酸化物である必要はなく、例えば炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩などであってもよい。
本発明において、上記焼結助剤は、1種単独で使用することもできるが、より好ましくは複数種を組み合わせて使用することが、融点降下により焼成時の液相形成を促進し、該助剤の揮散を促進させ、各不純物濃度をさらに低減させる上で好適であり、これにより、焼結体の光学特性をさらに向上させることができる。このような助剤の組み合わせ使用においては、一の助剤(以下、主助剤と呼ぶ)に対して、併用する他の助剤(以下、副助剤と呼ぶ)との重量比(副助剤/主助剤)が0.01〜0.5、特に0.05〜0.3の範囲とすることが好ましい。また、副助剤は、1種でもよいし、2種以上であってもよく、2種以上の副助剤を用いる場合には、その合計量が上記重量比を満足していることが好ましい。さらに、副助剤の融点は、主助剤の融点よりも低いことが好ましい。(尚、炭酸塩のように加熱によって分解して酸化物を形成するものについては、酸化物の形で融点を比較すればよい。)
上述した焼結助剤の使用量は、一般に、窒化アルミニウム粉末100重量部当り、0.1〜4重量部、特に1〜3.5重量部の範囲にあることが、各不純物濃度を前述した範囲に抑制し、透光性等の光学的特性に優れた窒化アルミニウム焼結体を得るために好ましい。
<混合>
窒化アルミニウム粉末と焼結助剤粉末との混合は、公知の方法によって行なうことができる。例えば、ボールミル等の混合機によって、乾式または湿式により混合する方法が好適に採用できる。また、湿式混合では、アルコール類、炭化水素類等の分散媒を使用するが、分散性の点でアルコール類、炭化水素類を用いることが好ましい。
尚、この混合にあたっては、先にも述べたように、焼結助剤の水分吸着或いは凝集を生じないように、ドライエア中で保存され、必要により真空乾燥された焼結助剤の粉末を直ちに窒化アルミニウム粉末と混合するのがよい。
<成形>
焼成に先立っては、上記混合粉末を、用途に応じて所定形状に成形するが、このような成形は、それ自体公知の手段で行うことができるが、強度の高い成形体を成形し、歩留まりを高めるためには、有機バインダーを用いて成形を行うことが好ましい。
例えば、上記混合粉末を有機バインダーと、必要により分散剤、可塑剤、溶媒などと混合して成形用スラリー乃至ペーストを調製し、この成形用スラリー乃至ペーストを、ドクターブレード法、押出成形法、射出成形法、鋳込み成形法などの成形手段によって成形体を作製することができる。有機バインダーとしては、ポリビニルブチラール等のブチラール樹脂、ポリメタクリルブチル等のアクリル樹脂等を例示することができ、このような有機バインダーは、窒化アルミニウム粉末100重量部当り、0.1〜30重量部、特に1〜15重量部の量で使用することができる。また、分散剤としては、グリセリン化合物類などを例示することができ、可塑剤としては、フタル酸エステル類などを挙げることができ、溶媒には、イソプロピルアルコールや炭化水素類などが使用される。
また、有機バインダーを用いずに、圧縮成形法により成形を行うこともできる。例えば、窒化アルミニウム粉末と焼結助剤粉末との混合粉末を、一軸成形機にて、仮成形体を製造し、これを、CIP(冷間アイソスタテックプレス)成形機にて1〜4t/cmで加圧成形することにより、成形体を作製することができる。
<焼成>
得られた成形体は、脱脂(脱バインダー)した後、焼成に付される。
脱脂は、空気中、窒素中、水素中等の任意の雰囲気で加熱することにより行うことができるが、特に、本発明においては、後記のように、脱脂後の残留炭素量(含有量)を特定の範囲に制限するため、残留炭素量の調整がし易い、窒素中で脱脂を行うことが好ましい。また、脱脂温度は、有機バインダーの種類によっても異なるが、一般には、300〜900℃、特に300〜700℃が好適である。尚、圧縮成形法のように、有機バインダーを用いずに成形を行った場合には、上記の脱脂工程は不要である。
本発明において、焼結助剤の除去を有効に行い、焼結体中の金属不純物濃度や酸素濃度を低減するために、焼成は、還元雰囲気下で行われる。
上記還元性雰囲気を実現する方法としては、焼成用の容器内に、成形体とともにカーボン発生源を共存させる方法、焼成用の容器としてカーボン製のものを用いる方法等が挙げられるが、その中でも、得られる焼結体の熱伝導率や色ムラ等を勘案すると、成形体とカーボン発生源とを焼成用の容器内に共存させる方法が好適であり、特に、高い熱伝導率を得るためには、焼成用の容器を密閉容器とし、この密閉容器内に成形体とカーボン発生源とを収容する方法が最も好適である。
また、上記カーボンの発生源は特に制限されず、無定形炭素や黒鉛等の公知の形態のカーボンを用いることができ、固体状のカーボンが好適である。上記カーボンの形状としては、特に制限されず、粉末状、繊維状、フェルト状、シート状、板状のいずれもよく、またそれらを組み合わせてもよい。その中でも、より高い熱伝導率を得ることを勘案すると、板状の無定形炭素や黒鉛が好適である。
更に、成形体とカーボンとを容器内に収容する方法は、特に制限されず、また、カーボンと成形体とを非接触、接触のいずれの形態で収容してもよい。その中でも、非接触の形態の方が、得られる焼結体の熱伝導率の制御の容易さの点で好ましい。また、上記非接触の形態は、公知の形態を採用すればよく、たとえば、単にカーボンと成形体との間に間隔を設ける方法、カーボンと成形体との間に窒化ホウ素等の粉末を介在させることにより非接触にする方法、カーボンと成形体との間に窒化アルミニウム、窒化ホウ素等のセラミックス製の板等を設置して非接触にする方法等が挙げられるが、熱伝導率の向上を勘案すると、カーボンと成形体との間に板等を設置して非接触にする方法が好適であり、特に密閉容器内においてカーボンを収容した空間と、成形体を収容した空間をできるだけ遮断するように板を設置する方法が、さらに高い熱伝導率を有する窒化アルミニウム焼結体を得るために好ましい。
上記還元雰囲気下における焼成は、温度1500〜2000℃で、少なくとも3時間、特に10時間実施することが好ましい。また、上記焼成は、長時間行うことによって、窒化アルミニウム焼結体の結晶粒子の成長を伴い、さらには、焼結体中の炭素濃度が増大してしまうため、還元雰囲気下での焼成時間を200時間以内、特に100時間以内、最も好適には、50時間以内とすることが好ましい。
また、本発明においては、焼結体中の炭素濃度を前述した範囲内に確実に低減させるため、上記の還元雰囲気下での焼成と組み合わせて中性雰囲気下での焼成を実施することが好適である。例えば、中性雰囲気下での焼成後、還元雰囲気下での焼成を行う態様、中性雰囲気下での焼成後、還元雰囲気下での焼成を行い、更に中性雰囲気下での焼成を行なう態様等を採用することが好ましい。即ち、還元雰囲気下での焼成を長時間行うと、金属不純物濃度は前述した範囲内に抑制されるとしても、炭素濃度が増大してしまい、結局、焼結体の光学特性が損なわれてしまうからである。従って、還元雰囲気下での焼成時間を、上記範囲内に制限し、さらに中性雰囲気下での焼成を適度に行うことにより、緻密な高強度の焼結体を得ることができる。
尚、上記中性雰囲気とは、雰囲気中に酸素[O]及び炭素(C)が実質的に存在しない状態を意味し、具体的には、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気を意味する。中性雰囲気下での焼成は、例えば密閉容器内を不活性ガスに置換することにより行われる。また、密閉容器としては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等のセラミックスや、タングステン[W]、モリブデン[Mo]等の非炭素製の材料よりなる容器が使用され、特に、耐久性の点から窒化アルミニウム、窒化ホウ素等のセラミックス製の容器が好ましい。また、カーボン質の容器内面を、上記した非カーボン質でガスを透過しない材料で被覆したものも使用することができる。要するに、密閉容器内空間に、成形体中の残存炭素以外に炭素源を存在させない状態で焼成が行われればよい。
上記のような中性雰囲気下での焼成温度は1500〜1900℃が好ましく、また焼成時間は、還元雰囲気下での焼成時間によっても異なるが、一般には、3〜100時間、特に30〜50時間が好適である。
このようにして得られる本発明の窒化アルミニウム焼結体は、透光性カバー等の用途における構造に応じて、種々の形状、例えば、チューブ状、板状、曲面状、球状、楕円球状、カップ状、お碗状等の形状で使用に供される。
以下の実施例及び比較例における各種の物性の測定は次の方法により行った。
1)不純物濃度
金属不純物濃度(金属元素濃度)は、窒化アルミニウム焼結体を粉砕し粉末状にした後、アルカリ溶融後、酸で中和し、島津製作所製「ICP−1000」を使用して溶液のICP発光分析により定量した。
炭素濃度は、窒化アルミニウム焼結体を粉末状にした後、
堀場製作所製「EMIA−110」を使用して、粉末を酸素気流中で燃焼させ、発生したCO、COガス量から定量した。
酸素濃度は、窒化アルミニウム焼結体を粉砕し粉末状にした後、堀場製作所製「EMGA−2800」を使用して、グラファイトるつぼ中での高温熱分解法により発生したCOガス量から求めた。
また、窒化アルミニウム粉末の各不純物濃度は、上記窒化アルミニウム焼結体の粉末と同様にして測定した。
2)比表面積
焼結助剤の比表面積は、島津製作所製フローソーブ2300を用いて、N吸着によるBET法で求めた。
3)焼結体結晶粒子径
焼結体破断面の倍率1500倍のSEM写真より、コード法を用いて求めた。即ち、SEM写真上に任意に引いた直線の単位長さ当りの粒界との交点を求め、これからコード(粒界と粒界との間隔)の長さを求め、算術平均により焼結体の平均結晶粒径を求めた。
4)光透過率
窒化アルミニウム焼結体の光透過率は、窒化アルミニウム焼結体を直径30mm、厚み0.3mmの形状に加工し、スガ試験機株式会社製「HZ−1」を用いて測定した。
5)分光スペクトル
窒化アルミニウム焼結体の240−800nmの波長領域における分光スペクトルは、窒化アルミニウム焼結体を、直径30mm、厚み0.3mm、平均表面粗さRa(JIS B 0601)を0.05μm以下の形状に加工し、島津製作所製「UV−2100」を用いて測定した。この分光スペクトル曲線から、260〜300nmの波長領域の傾き(立上り特性)と、光線透過率が60%に到達するときの波長を求めた。
6)抗折強度
JIS R1601に従い、クロスヘッド速度0.5mm/分で3点曲げ試験により測定した。試験片の幅は4mmで、焼結体を6mm幅に切り出し、両端を1mm研削加工して所定の幅にした。また、上下面は研削加工した表面とした。
実施例1
内容積が2.4Lのナイロン製ポットに、鉄芯をナイロンで被覆した、直径15mmのナイロンボール(表面硬度100kgf/mm以下、密度3.5g/cm)を入れ、次いで、平均粒径が1.3μm、比表面積3.39m/g、酸素濃度0.8wt%、金属不純物濃度35ppmの窒化アルミニウム粉末100重量部と、焼結助剤の主剤として表1に示す比表面積を有する酸化イットリウム(純度99.9%)を3重量部、焼結助剤の副剤として、リン酸カルシウム(純度98%、比表面積47m/g)を0.3重量部入れ、次いで、エタノールを溶媒として40重量部を加えて湿式混合した。この時、前記ナイロンボールはポットの内容積の40%(見かけの体積)充填した。混合はポットの回転数を70rpmとして3時間行った。この湿式混合により得られたスラリーを乾燥して窒化アルミニウム粉末と焼結助剤(主剤及び副剤)との混合粉末を得た。
この混合粉末10gを、一軸成形機にて直径40mm、厚み6mmの成形体に仮成形した後、CIP成形機にて3t/cmの荷重をかけて本成形を行った。
得られた成形体を、カーボン製のセッターを用いて窒素雰囲気中、1780℃の温度で50時間、焼成(還元雰囲気での焼成)を行った。この後、表面に析出した窒化イットリウム層を除去した後、窒化アルミニウム製セッターを用いて窒素雰囲気中、1780℃で50時間、焼成(中性雰囲気下での焼成)を行い、直径30mm、厚み3mmの窒化アルミニウム焼結体を得た。窒化アルミニウム焼結体の製造条件を表1に、得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2にそれぞれ示した。尚、表1において、還元雰囲気での焼成は「焼成A」として示し、中性雰囲気での焼成は、「焼成B」として示した。
実施例2
焼結助剤の主剤である酸化イットリウムの量を1重量部とし、焼結助剤の副剤であるリン酸カルシウムの量を0.1重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして成形体を作製した。この成形体を表1に示す条件で焼成して窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
実施例3
リン酸カルシウム(焼結助剤の副剤)を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして成形体を作製した。この成形体を表1に示す条件で焼成して窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
実施例4
リン酸カルシウム(焼結助剤の副剤)を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして成形体を作製した。この成形体を表1に示す条件で焼成して窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
実施例5
焼結助剤の主剤として表1に示す比表面積を有する酸化イットリウムを0.5重量部添加し、リン酸カルシウム(焼結助剤の副剤)を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして成形体を作製した。この成形体を表1に示す条件で焼成して窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
実施例6
焼結助剤の主剤として表1に示す比表面積を有する炭酸イットリウムを3重量部、副剤としてリン酸カルシウム(実施例1と同じもの)を0.3重量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして成形体を作製した。この成形体を表1に示す条件で焼成して窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
実施例7
焼結助剤の主剤として表1に示す比表面積を有する炭酸イットリウムを1重量部添加し、副剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして成形体を作製した。この成形体を表1に示す条件で焼成して窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
実施例8
焼結助剤の主剤として表1に示す比表面積を有する炭酸イットリウムを3重量部、副剤としてのリン酸カルシウムを0.03重量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして成形体を作製した。この成形体を表1に示す条件で焼成して窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
実施例9
焼結助剤の主剤として表1に示す比表面積を有する炭酸イットリウムを3重量部、副剤としてのリン酸カルシウムを1.5重量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして成形体を作製した。この成形体を表1に示す条件で焼成して窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
実施例10
焼結助剤の主剤として表1に示す比表面積を有するリン酸カルシウムを3重量部、副剤として、実施例1において主剤として使用した酸化イットリウムを
0.3重量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして成形体を作製した。この成形体を表1に示す条件で焼成して窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
比較例1
焼結助剤の主剤として比表面積が12m/gの酸化イットリウム5重量部添加し、副剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして成形体を作製した。この成形体を表1に示す条件で焼成して窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
比較例2
焼結助剤の主剤として比表面積が12m/gの酸化イットリウムを3重量部添加し、副剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして成形体を作製した。この成形体を表1に示す条件で焼成して窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
比較例3
焼結助剤の主剤として比表面積が12m/gの酸化イットリウムを5重量部、副剤としてリン酸カルシウム(実施例1の副剤と同じ)を0.5重量部添加すること以外は、実施例1と同様にして成形体を作製した。この成形体を表1に示す条件で焼成して窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
比較例4
焼成条件を表1に示すように変更した以外は、比較例3と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
比較例5
焼成条件を表1に示すように変更したこと以外は、比較例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
比較例6
焼結助剤の主剤として比表面積が12m/gである酸化イットリウムを1重量部添加し、副剤を添加しなかったこと以外は、比較例1と同様にして成形体を作製した。この成形体を表1に示す条件で焼成して窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2に示した。
比較例7
内容積が2.4Lのナイロン製ポットに、鉄芯をナイロンで被覆した、直径が15mmのナイロンボール(表面硬度100kgf/mm以下、密度3.5g/cm)を入れ、次いで、平均粒径が1.3μm、比表面積3.39m/g、酸素濃度0.8wt%の窒化アルミニウム粉末を100重量部、焼結助剤(主剤)として比表面積12m/gが酸化イットリウム粉末を5部、次いで、エタノールを溶媒として40重量部を加えて湿式混合した。この時、前記ナイロンボールはポットの内容積の40%(見かけの体積)充填した。混合はポットの回転数を70rpmとして3時間行った。この湿式混合により得られたスラリーを乾燥して窒化アルミニウム粉末と焼結助剤(主剤)との混合粉末を得た。
次に、得られた窒化アルミニウム粉末10gを一軸成形機にて直径40mm、厚み6mmの成形体に仮成形した後、CIP成形機にて3t/cmの荷重をかけて本成形を行った。
上記操作にて得られた成形体を、窒化アルミニウム製セッターを用いて窒素雰囲気中、1750℃で5時間、焼成(中性雰囲気での焼成)を行い、直径30mm、厚み3mmの窒化アルミニウム焼結体を得た。窒化アルミニウム焼結体の製造条件を表1に、得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表2にそれぞれ示した。
比較例8
比較例7で得られた焼結体を、窒素雰囲気中、焼成温度1730℃、焼成時間150時間で熱処理を行った。この熱処理成形体の特性を表2に示した。
比較例9
焼結助剤の主剤としての酸化イットリウム粉末の添加量を2重量部に変更した以外は、比較例7と同様に成形体を作製し、表1に示す条件で還元雰囲気での焼成を行って窒化アルミニウム焼結体を得た。この焼結体の特性を表2に示した。
比較例10
還元雰囲気での焼成を表1に示すように変更した以外は、比較例9と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。この焼結体の特性を表2に示した。
比較例11
還元雰囲気での焼成を表1に示すように変更した以外は、比較例7と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。この焼結体の特性を表2に示した。
尚、比較例9〜11の焼結体は非常に脆かったので、抗折強度及び分光スペクトルの測定は行わなかった。
Figure 2005119953
Figure 2005119953

Claims (7)

  1. 酸素濃度が400ppm以下、金属不純物濃度が150ppm以下、且つ炭素濃度が200ppm以下に抑制されているとともに、2μm〜20μmの平均結晶粒径を有していることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体。
  2. 260〜300nmの波長領域における分光スペクトル曲線の傾きが1.0(%/nm)以上、400〜800nmの波長領域における光透過率が86%以上であり、分光スペクトルにおける光透過率が60%に到達するときの波長が400nm以下である請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結体。
  3. 300MPa以上の抗折強度を有している請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結体。
  4. 窒化アルミニウム粉末と、20〜50m/gのBET比表面積を有する焼結助剤との混合物を還元雰囲気下で焼成する工程を含むことを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  5. 前記焼結助剤が、窒化アルミニウム粉末100重量部当り、0.5〜4重量部の量で使用される請求項4記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  6. 複数種の焼結助剤を用いる請求項4記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  7. 還元雰囲気下での焼成と組み合わせて、炭素及び酸素を実質上含有しない不活性雰囲気下での焼成も行う請求項4記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
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