JP2000103678A - 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体の製造方法

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JP2000103678A
JP2000103678A JP10277929A JP27792998A JP2000103678A JP 2000103678 A JP2000103678 A JP 2000103678A JP 10277929 A JP10277929 A JP 10277929A JP 27792998 A JP27792998 A JP 27792998A JP 2000103678 A JP2000103678 A JP 2000103678A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱伝導率が高く、しかもそのバラツキが小さい
窒化アルミニウム焼結体の製造方法を提供することであ
る。 【解決手段】窒化アルミニウム粉末及び焼結助剤粉末の
混合粉の成形体を、カーボン存在下、非酸化性雰囲気
中、1650〜2000℃で焼成して焼結体を得、次い
で該焼結体を、ガスを透過しない物質で構成された非カ
ーボン質の密閉容器内で、実質的にカーボン不存在下、
非酸化性雰囲気中、1650〜2000℃で焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化アルミニウム焼
結体の製造方法に関する。詳しくは安定した高熱伝導性
を有する窒化アルミニウム焼結体を製造する方法を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化アルミニウムの焼結体は、理論上高
い熱伝導率を有しているため、各種高温材料として用い
られている。
【0003】通常、窒化アルミニウム焼結体は、窒化ア
ルミニウム粉末を焼結することにより得られるが、窒化
アルミニウム粉末単体で焼結を行っても、十分な熱伝導
率を有する窒化アルミニウム焼結体を得ることができな
いという問題があった。
【0004】したがって、現在、高熱伝導性窒化アルミ
ニウム焼結体を得るため、窒化アルミニウム粉末に希土
類金属化合物やアルカリ土類金属化合物等の焼結助剤を
添加して得られた成形体を、カーボン存在下、窒素雰囲
気中で焼成する方法が広く行われている(特開平1−2
30481号公報、特開平2−221163号公報、特
開平2−48469号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さらに近年、信頼性の
要求されるパワーモジュールやヒートシンクの部材等と
して、より高い熱伝導率を有し、さらにより高い色ムラ
や熱伝導率のバラツキが少ない窒化アルミニウム焼結体
が望まれている。
【0006】しかしながら、特開平1−230481号
公報に記載されている、窒化アルミニウム粉末と焼結助
剤との成形体を、カーボン供給源と共に、非カーボン質
容器中において焼成する方法では、245W/mK程度
の熱伝導率が得られるものの、この方法では、色ムラを
発生させることなく、熱伝導率のバラツキが少ない窒化
アルミニウム焼結体を得ることは困難であった。
【0007】また、特開平2−221163号公報に記
載されている、窒化アルミニウム粉末と焼結助剤との成
形体を、カーボン存在下において、1000〜1550
℃で加熱処理した後、焼成する方法でも、240W/m
K程度の熱伝導率が得られているが、色ムラや熱伝導率
のバラツキに関しては、十分満足できるものではなかっ
た。
【0008】更に、特開平2−48469号公報に記載
されている、一旦窒化アルミニウム焼結体を得た後、そ
の焼結体を黒鉛の間に挟み加熱処理する方法でも、最終
的に得られる熱伝導率は250W/mK程度であるが、
色ムラや熱伝導率のバラツキに関しては、十分満足でき
るものではなかった。
【0009】したがって、高熱伝導率を有しながら、色
ムラや熱伝導率のバラツキが少ない窒化アルミニウム焼
結体が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記技術
課題を解決すべく鋭意研究を行ってきた。その結果、カ
ーボン存在下で1回目の焼成を行った後、カーボン不存
在下で2回目の焼成を行うことにより上記課題が解決さ
れることを見出し、本発明に至った。
【0011】即ち、本発明は、窒化アルミニウム粉末及
び焼結助剤粉末の混合粉の成形体を、カーボン存在下、
非酸化性雰囲気中、1650〜2000℃で焼成して焼
結体を得、次いで該焼結体を、ガスを透過しない物質で
構成された非カーボン質の密閉容器内で、実質的にカー
ボン不存在下、非酸化性雰囲気中、1650〜2000
℃で焼成することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体
の製造方法である。
【0012】本発明の、焼成をカーボン存在下と不存在
下の2段階に分けて行う製造方法によれば、均質で、安
定して高い熱伝導率を有する窒化アルミニウム焼結体を
得ることが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で用いる窒化アルミニウム
粉末は、特に限定されず公知のものが使用できる。窒化
アルミニウム粉末の粒径は、特に制限されないが、焼結
性を勘案すると、0.3〜5.0μmであることが好ま
しく、0.3〜2.5μmであることが更に好ましい。
【0014】また窒化アルミニウム粉末中の酸素原子の
含有量は、得られる焼結体の熱伝導率を勘案すると、1
重量%以下であることが好ましく、0.8重量%以下で
あることが更に好ましい。
【0015】本発明で用いる焼結助剤粉末は、特に限定
されず公知のものが使用できる。例えば希土類金属化合
物やアルカリ土類金属化合物等が挙げられる。
【0016】上記アルカリ土類金属化合物を例示すると
マグネシウム[Mg]、カルシウム[Ca]、ストロンチウ
ム[Sr]、バリウム[Ba]等の金属の酸化物、リン酸塩
等が挙げられ、熱伝導率の向上を勘案すると、酸化カル
シウム、アルミン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、
ピロリン酸カルシウム等のカルシウムの酸化物、アルミ
ン酸塩、リン酸塩が好適である。
【0017】上記希土類金属化合物を例示するとイット
リウム[Y]、ランタン[La]、セリウム[Ce]等の金属
の酸化物等が挙げられ、熱伝導率の向上を勘案すると、
酸化イットリウム及び酸化ランタンが好適である。
【0018】上記した焼結助剤の中でも、アルカリ土類
金属化合物、特にカルシウム[Ca]化合物が好適であ
り、その中でもリン酸三カルシウム等のリン酸カルシウ
ム類が最も好適である。
【0019】また、上記希土類金属化合物とアルカリ土
類金属化合物とは併用しても良く、さらに、数種類の希
土類金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用
いても良い。
【0020】焼結助剤粉末の粒径は、特に制限されない
が、一般に小さい程、活性が高くなる為、10μm以下
であることが好ましく、5μm以下であることが更に好
ましい。
【0021】また、焼結助剤粉末の添加量は、何ら制限
されないが、窒化アルミニウム粉末100重量部に対し
て0.1〜10重量部が好ましく、1〜7重量部が更に
好ましい。焼結助剤粉末の添加量をこの範囲に制御する
ことにより、焼結体を十分緻密化し、好適に熱伝導率を
向上させることができる。
【0022】窒化アルミニウム粉末と焼結助剤粉末との
混合粉は、公知の方法で製造すればよく、たとえば、ボ
ールミル等の混合機によって、乾式または湿式により混
合する方法が好適で採用できる。上記方法の中で、湿式
で混合する場合は、水、アルコール類、炭化水素類等の
分散媒を使用するが、分散性の点でアルコール類、炭化
水素類を用いることが好ましい。
【0023】また、成形体の強度を保つ目的で各種結合
剤を使用しても良い。結合剤としては、ポリビニルブチ
ラール等のブチラール樹脂、ポリメタクリルブチル等の
アクリル樹脂等が挙げられる。その他、必要に応じてグ
リセリン化合物類などの分散剤及びフタル酸エステル類
などの可塑剤も添加してよい。
【0024】上記した窒化アルミニウム粉末、焼結助剤
粉末、及び必要に応じて添加される上記各添加物からな
る混合粉の成形体は、公知の成形法によって成形すれば
よい。例えば、上記粉末の混合粉を直接プレス成形を行
っても良く、混合粉を一旦顆粒とした後プレス成形を行
っても良く、更には、ドクターブレード法等によりシー
ト成形を行っても良い。
【0025】得られた成形体は、必要に応じて空気中、
窒素中、水素中等の雰囲気で加熱し、脱脂してもよい。
特に前記結合剤を用いた場合は、脱脂することが好適で
ある。脱脂温度は、熱伝導率を低下させないことを勘案
すると、300〜900℃が好ましく、300〜700
℃が特に好ましい。
【0026】本発明において、上記方法により得られた
成形体を、以下に示す方法で焼成することにより、本発
明の目的である、高熱伝導率を有しながら、色ムラや熱
伝導率のバラツキが少ない窒化アルミニウム焼結体を得
ることができる。
【0027】即ち、上記方法により得られた成形体を、
1回目の焼成として、カーボン存在下、非酸化性雰囲気
中、1650〜2000℃で焼成することが必要であ
る。
【0028】通常、焼結は上記成形体を容器に収容して
行われる。上記した1回目の焼結においても、従来公知
の容器を用いればよい。その中でも、得られる熱伝導率
や色ムラ等を勘案すると、ガスを透過しない物質で構成
された非カーボン質の密閉容器を用いることが好適であ
る。
【0029】なお、上記密閉容器は、得られる焼結体に
悪影響を与えない程度、内外部のガスの出入りを必要十
分に遮断することができる容器を指し、100%完全に
ガスの出入りを遮断できなくてもよい。
【0030】密閉容器を構成する方法としては、特に制
限されず、凹部を有する容器に蓋状のものを設置する方
法が一般的に採用される。
【0031】ガスを透過しない物質で構成された非カー
ボン質の密閉容器の材質は、たとえば、窒化アルミニウ
ム、窒化ホウ素等のセラミックスや、タングステン
[W]、モリブデン[Mo]等の高融点金属等を用いればよ
く、その中でも、耐久性の点から窒化アルミニウム、窒
化ホウ素等のセラミックス製の容器が好ましい。
【0032】また、材質の全てを上記材料で構成する必
要はなく、たとえば、カーボン質の容器内面を、上記し
た非カーボン質でガスを透過しない材料で被覆したもの
も使用することができる。
【0033】本発明においてカーボン存在下とは、焼成
時に、少なくとも焼結に必要な量、カーボンガスが存在
している状態を指す。
【0034】上記したカーボン存在下にする方法として
は、成形体とカーボンとを容器内に共存させる方法、カ
ーボン製の容器を用いる方法等が挙げられるが、その中
でも、得られる熱伝導率や色ムラ等を勘案すると、成形
体とカーボンとを容器内に共存させる方法が好適であ
り、特に、密閉容器内に成形体とカーボンとを収容する
方法が、より高い熱伝導率を得ることを勘案すると、さ
らに好適である。
【0035】上記カーボンは、特に制限されず、無定形
炭素や黒鉛等の公知の形態のカーボンを用いることがで
き、固体状のカーボンが好適である。上記カーボンの形
状としては、特に制限されず、粉末状、繊維状、フェル
ト状、シート状、板状のいずれもよく、またそれらを組
み合わせてもよい。その中でも、より高い熱伝導率を得
ることを勘案すると、板状の無定形炭素や黒鉛が好適で
ある。
【0036】成形体とカーボンとを容器内に収容する方
法は、特に制限されず、また、カーボンと成形体とを非
接触、接触のいずれの形態で収容してもよい。その中で
も、非接触の形態の方が、得られる焼結体の熱伝導率の
制御の容易さの点で好ましい。
【0037】また、上記非接触の形態は、公知の形態を
採用すればよく、たとえば、単にカーボンと成形体との
間に間隔を設ける方法、カーボンと成形体との間に窒化
ホウ素等の粉末を介在させることにより非接触にする方
法、カーボンと成形体との間に窒化アルミニウム、窒化
ホウ素等のセラミックス製の板等を設置して非接触にす
る方法等が挙げられるが、熱伝導率の向上を勘案する
と、カーボンと成形体との間に板等を設置して非接触に
する方法が好適であり、特に密閉容器内においてカーボ
ンを収容した空間と、成形体を収容した空間とをできる
だけ遮断するように板を設置する方法が、さらに高い熱
伝導率を得ることを勘案すると、好ましい。
【0038】本発明において、上記した、焼結時に、少
なくとも焼結に必要な量、カーボンガスが存在している
状態は、下記に示すカーボンの比表面積および量を制御
する方法により容易に達成することができる。
【0039】上記カーボンの比表面積は、焼成する成形
体の量・大きさ及び成形体中の酸素原子の含有量により
異なるが、通常は、0.01〜100m2/gの範囲が
好適であり、熱伝導率の向上を勘案すると、0.1〜5
0m2/gの範囲がより好ましい。
【0040】また、カーボンの量は、焼成する成形体の
量・大きさ及び成形体中の酸素原子の含有量と、上記比
表面積とを勘案し、適宜設定すればよく、カーボンの種
類等により異なるが、通常は、成形体100重量部あた
り、カーボン1〜1000重量部程度であり、10〜5
00重量部が好適な範囲である。
【0041】本発明において1回目の焼成は、非酸化性
雰囲気中、1650〜2000℃で行うことが必要であ
る。非酸化性雰囲気とは、実質上、酸素[O2]が存在し
ていない状態を指し、通常は、密閉容器内を窒素、アル
ゴン等の不活性ガスに置換することにより達成できる。
酸素が存在している状態で焼成した場合、得られる焼結
体の熱伝導率が低下したり、色ムラや熱伝導率のバラツ
キが大きくなるため好ましくない。
【0042】また、上記1回目の焼成温度は、1650
℃未満では焼結不足となるため好ましくなく、一方、2
000℃以上では焼結過多となるため好ましくない。そ
の中でも、高熱伝導率を得ることを勘案すると、上記1
回目の焼成温度は、下限は1700℃以上が好ましく、
上限は1850℃以下が好ましい。
【0043】1回目の焼成時間は特に制限されないが、
通常5〜200hが好適であり、熱伝導率の向上を勘案
すると、10h以上行うことが特に好ましい。
【0044】また、焼成は1段階でも2段階以上の多段
階で行っても良いが、焼結と熱伝導率の向上を勘案する
と、多段階で焼成するのが好ましい。また、多段階焼成
の場合、少なくとも一つの段階において本発明で規定す
る温度で焼成すればよい。この中でも、第1段階とし
て、1550〜1700℃で1〜10h焼成を行った
後、次いで1650〜2000℃で10h以上焼成を行
う2段階焼成が特に好ましい。
【0045】本発明において、上記した1回目の焼成に
次いで、下記に示す条件下で2回目の焼成をおこなうこ
とが必要である。
【0046】即ち、上記1回目の焼成により得られた焼
結体を、次いで、ガスを透過しない物質で構成された非
カーボン質の密閉容器内で、実質的にカーボン不存在
下、非酸化性雰囲気中、1650〜2000℃で焼成す
る必要がある。
【0047】本発明において実質的にカーボン不存在下
とは、焼成時において密閉容器内にカーボンガスが実質
的に存在してない状態を指し、通常は、密閉容器内に焼
結体のみを収容することにより好適に達成できる。
【0048】この2回目の焼成に使用する密閉容器は、
1回目の焼成に使用した密閉容器から実質的にカーボン
を除いたものを用いても良いし、別の容器を用いても良
い。
【0049】また、上記2回目の焼成温度は、1650
℃未満では焼結不足となるため好ましくなく、一方、2
000℃以上では焼結過多となるため好ましくない。そ
の中でも、色ムラや熱伝導率のバラツキを少なくするこ
とをを勘案すると、下限は1700℃以上が好ましく、
上限は1850℃以下が好ましい。
【0050】焼成時間は、特に制限されないが、通常5
〜200hが好適であり、熱伝導率の向上を勘案する
と、10h以上行うことが特に好ましい。
【0051】本発明の最大の特徴は、前記したように、
窒化アルミニウム粉末と焼結助剤粉末の混合粉の成形体
を、カーボン存在下において焼成した後、密閉容器内
で、カーボン不存在下で2度目の焼成を行うことであ
り、この製造方法により、本発明の目的である、高熱伝
導率を有しながら、色ムラや熱伝導率のバラツキが少な
い窒化アルミニウム焼結体を得ることができる。
【0052】一方、それぞれ単独の焼成もしくは順序を
逆にした焼成では、本発明の目的を達成することはでき
ない。
【0053】本発明の製造方法により得られる窒化アル
ミニウム焼結体は、高熱伝導率を有し、かつ色ムラや熱
伝導率のバラツキが少ないため、信頼性の要求されるパ
ワーモジュールやヒートシンクの部材等の用途に好適に
使用できる。
【0054】
【実施例】本発明を具体的に説明する為、以下実施例及
び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
【0055】尚、以下の実施例及び比較例における各種
物性の測定は次の方法によった。
【0056】1)密度 東洋精機(株)製「高精密密度比重計D−H」を使用し
て、アルキメデス法により求めた。
【0057】2)熱伝導率 真空理工(株)製「LF/TCM−FA8510B」を
使用して、レーザーフラッシュ法により、2次元法で測
定した。
【0058】実施例1 平均粒子径1.2μm、酸素濃度0.80wt%の窒化
アルミニウム粉末100重量部に対して、焼結助剤粉末
として酸化イットリウムを5重量部、分散剤としてテト
ラグリセリンモノオレート1重量部、結合剤としてポリ
ビニルブチラール10重量部、可塑剤としてジブチルフ
タレート5重量部、分散媒としてトルエン30重量部、
エタノール30重量部を加えた混合物をボールミルによ
り混合し脱溶媒した後、ドクターブレード法によるシー
ト成形を行った。得られたシートより60mm角、厚さ
0.8mm、重量6gの成形体を3個作製した。
【0059】この成形体を空気中、500℃で3時間脱
脂した。次いで、窒化アルミニウム製の密閉容器内に、
カーボンとして、大きさ50mm角、比表面積0.5m
2/g、重量10gの板状の黒鉛底板を設置し、その上
に窒化アルミニウム製敷板を設置し、上記脱脂体を上記
窒化アルミニウム製敷板の上に収容した。密閉容器内を
窒素雰囲気にした後、蓋で密閉し、1800℃で36h
焼成を行った。次いで、窒化アルミニウム製敷板の下に
ある板状黒鉛底板を取り除き、窒素雰囲気中、1800
℃で36h焼成を行った。
【0060】得られた焼結体の密度は3.26g/cm
3、熱伝導率の平均は253W/mK、得られた焼結体
3個の熱伝導率のバラツキは3W/mKであった。
【0061】実施例2 実施例1において、焼結助剤粉末を酸化イットリウム5
重量部、リン酸三カルシウム1重量部に変更した以外は
実施例1と同様にして焼結体を得た。
【0062】実施例3 実施例1において、カーボンとして、比表面積100m
2/g、重量0.2gの無定形炭素粉末を用いた以外は
実施例1と同様にして焼結体を得た。
【0063】実施例4 実施例1において、窒化アルミニウムの敷板に代えて、
窒化ホウ素粉末を塗布した無定形炭素敷板(比表面積
0.2m2/g、重量5g)を用い、さらに板状黒鉛底
板を設置しなかった以外は実施例1と同様にして焼結体
を得た。
【0064】比較例1 実施例1において、カーボンとして、比表面積100m
2/g、重量0.2gの無定形炭素粉末を用い、2回目
の焼成を行わなかった以外は実施例1と同様にして焼結
体を得た。
【0065】比較例2 実施例1において、1回目の焼成温度を1600℃に変
更した以外は実施例1と同様にして焼結体を得た。
【0066】比較例3 実施例1において、脱脂体に代えて、窒素雰囲気中18
00℃で5h焼成を行った焼結体を用いた以外は実施例
1と同様にして焼結体を得た。
【0067】
【表1】
【0068】表1に示す様に、本発明の製造方法は、色
ムラも無く、熱伝導率が高く、しかも熱伝導率のバラツ
キも小さい値を示す。
【0069】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、熱伝導率が
高く、しかもそのバラツキが小さい窒化アルミニウム焼
結体を得ることができる。
【0070】その理由は定かではないが、1回目の焼成
では、適度な濃度のカーボン存在下でおこなわれるた
め、焼結助剤が適切に排除され、色ムラ等はある程度残
存するものの高熱伝導率の焼結体が得られると考えられ
る。
【0071】次いで2回目の焼成により、1回目の焼成
で発生した焼結助剤の変成体等や残存する焼結助剤等が
系外に移動して除去される為、1回目の焼成で生じた色
むら等の外観が解消されると同時に熱伝導率の一層の向
上が達せられると考えられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウム粉末及び焼結助剤粉末の
    混合粉の成形体を、カーボン存在下、非酸化性雰囲気
    中、1650〜2000℃で焼成して焼結体を得、次い
    で該焼結体を、ガスを透過しない物質で構成された非カ
    ーボン質の密閉容器内で、実質的にカーボン不存在下、
    非酸化性雰囲気中、1650〜2000℃で焼成するこ
    とを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005119953A (ja) * 2003-09-25 2005-05-12 Tokuyama Corp 窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法
JP2007131491A (ja) * 2005-11-10 2007-05-31 Tokuyama Corp 窒化アルミニウム焼結体の製造方法
CN112830793A (zh) * 2019-11-22 2021-05-25 福建臻璟新材料科技有限公司 一种凝胶法注模制备高导热和高强度氮化铝陶瓷的制备工艺

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