JP4204110B2 - 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は窒化アルミニウム焼結体の製造方法に関する。詳しくは安定した高熱伝導性を有する窒化アルミニウム焼結体を製造する方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
窒化アルミニウムの焼結体は、理論上高い熱伝導率を有しているため、各種高温材料として用いられている。
【0003】
通常、窒化アルミニウム焼結体は、窒化アルミニウム粉末を焼結することにより得られるが、窒化アルミニウム粉末単体で焼結を行っても、十分な熱伝導率を有する窒化アルミニウム焼結体を得ることができないという問題があった。
【0004】
したがって、現在、高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体を得るため、窒化アルミニウム粉末に希土類金属化合物やアルカリ土類金属化合物等の焼結助剤を添加して得られた成形体を、カーボン存在下、窒素雰囲気中で焼成する方法が広く行われている(特開平1−230481号公報、特開平2−221163号公報、特開平2−48469号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さらに近年、信頼性の要求されるパワーモジュールやヒートシンクの部材等として、より高い熱伝導率を有し、さらにより高い色ムラや熱伝導率のバラツキが少ない窒化アルミニウム焼結体が望まれている。
【0006】
しかしながら、特開平1−230481号公報に記載されている、窒化アルミニウム粉末と焼結助剤との成形体を、カーボン供給源と共に、非カーボン質容器中において焼成する方法では、245W/mK程度の熱伝導率が得られるものの、この方法では、色ムラを発生させることなく、熱伝導率のバラツキが少ない窒化アルミニウム焼結体を得ることは困難であった。
【0007】
また、特開平2−221163号公報に記載されている、窒化アルミニウム粉末と焼結助剤との成形体を、カーボン存在下において、1000〜1550℃で加熱処理した後、焼成する方法でも、240W/mK程度の熱伝導率が得られているが、色ムラや熱伝導率のバラツキに関しては、十分満足できるものではなかった。
【0008】
更に、特開平2−48469号公報に記載されている、一旦窒化アルミニウム焼結体を得た後、その焼結体を黒鉛の間に挟み加熱処理する方法でも、最終的に得られる熱伝導率は250W/mK程度であるが、色ムラや熱伝導率のバラツキに関しては、十分満足できるものではなかった。
【0009】
したがって、高熱伝導率を有しながら、色ムラや熱伝導率のバラツキが少ない窒化アルミニウム焼結体が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記技術課題を解決すべく鋭意研究を行ってきた。その結果、カーボン存在下で1回目の焼成を行った後、カーボン不存在下で2回目の焼成を行うことにより上記課題が解決されることを見出し、本発明に至った。
【0011】
即ち、本発明は、窒化アルミニウム粉末及び焼結助剤粉末の混合粉の成形体を、ガスを透過しない物質で構成された非カーボン質の密閉容器内で、カーボン存在下、非酸化性雰囲気中、1700〜2000℃(但し、1700℃を除く。)で焼成して焼結体を得、次いで該焼結体を、ガスを透過しない物質で構成された非カーボン質の密閉容器内で、実質的にカーボン不存在下、非酸化性雰囲気中、1650〜2000℃で焼成することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法である。
【0012】
本発明の、焼成をカーボン存在下と不存在下の2段階に分けて行う製造方法によれば、均質で、安定して高い熱伝導率を有する窒化アルミニウム焼結体を得ることが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる窒化アルミニウム粉末は、特に限定されず公知のものが使用できる。窒化アルミニウム粉末の粒径は、特に制限されないが、焼結性を勘案すると、0.3〜5.0μmであることが好ましく、0.3〜2.5μmであることが更に好ましい。
【0014】
また窒化アルミニウム粉末中の酸素原子の含有量は、得られる焼結体の熱伝導率を勘案すると、1重量%以下であることが好ましく、0.8重量%以下であることが更に好ましい。
【0015】
本発明で用いる焼結助剤粉末は、特に限定されず公知のものが使用できる。例えば希土類金属化合物やアルカリ土類金属化合物等が挙げられる。
【0016】
上記アルカリ土類金属化合物を例示するとマグネシウム[Mg]、カルシウム[Ca]、ストロンチウム[Sr]、バリウム[Ba]等の金属の酸化物、リン酸塩等が挙げられ、熱伝導率の向上を勘案すると、酸化カルシウム、アルミン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ピロリン酸カルシウム等のカルシウムの酸化物、アルミン酸塩、リン酸塩が好適である。
【0017】
上記希土類金属化合物を例示するとイットリウム[Y]、ランタン[La]、セリウム[Ce]等の金属の酸化物等が挙げられ、熱伝導率の向上を勘案すると、酸化イットリウム及び酸化ランタンが好適である。
【0018】
上記した焼結助剤の中でも、アルカリ土類金属化合物、特にカルシウム[Ca]化合物が好適であり、その中でもリン酸三カルシウム等のリン酸カルシウム類が最も好適である。
【0019】
また、上記希土類金属化合物とアルカリ土類金属化合物とは併用しても良く、さらに、数種類の希土類金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いても良い。
【0020】
焼結助剤粉末の粒径は、特に制限されないが、一般に小さい程、活性が高くなる為、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることが更に好ましい。
【0021】
また、焼結助剤粉末の添加量は、何ら制限されないが、窒化アルミニウム粉末100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、1〜7重量部が更に好ましい。焼結助剤粉末の添加量をこの範囲に制御することにより、焼結体を十分緻密化し、好適に熱伝導率を向上させることができる。
【0022】
窒化アルミニウム粉末と焼結助剤粉末との混合粉は、公知の方法で製造すればよく、たとえば、ボールミル等の混合機によって、乾式または湿式により混合する方法が好適で採用できる。上記方法の中で、湿式で混合する場合は、水、アルコール類、炭化水素類等の分散媒を使用するが、分散性の点でアルコール類、炭化水素類を用いることが好ましい。
【0023】
また、成形体の強度を保つ目的で各種結合剤を使用しても良い。結合剤としては、ポリビニルブチラール等のブチラール樹脂、ポリメタクリルブチル等のアクリル樹脂等が挙げられる。その他、必要に応じてグリセリン化合物類などの分散剤及びフタル酸エステル類などの可塑剤も添加してよい。
【0024】
上記した窒化アルミニウム粉末、焼結助剤粉末、及び必要に応じて添加される上記各添加物からなる混合粉の成形体は、公知の成形法によって成形すればよい。例えば、上記粉末の混合粉を直接プレス成形を行っても良く、混合粉を一旦顆粒とした後プレス成形を行っても良く、更には、ドクターブレード法等によりシート成形を行っても良い。
【0025】
得られた成形体は、必要に応じて空気中、窒素中、水素中等の雰囲気で加熱し、脱脂してもよい。特に前記結合剤を用いた場合は、脱脂することが好適である。脱脂温度は、熱伝導率を低下させないことを勘案すると、300〜900℃が好ましく、300〜700℃が特に好ましい。
【0026】
本発明において、上記方法により得られた成形体を、以下に示す方法で焼成することにより、本発明の目的である、高熱伝導率を有しながら、色ムラや熱伝導率のバラツキが少ない窒化アルミニウム焼結体を得ることができる。
【0027】
即ち、上記方法により得られた成形体を、1回目の焼成として、カーボン存在下、非酸化性雰囲気中、1700〜2000℃(但し、1700℃を除く。)で焼成することが必要である。
【0028】
通常、焼結は上記成形体を容器に収容して行われる。上記した1回目の焼結においても、従来公知の容器を用いればよい。その中でも、得られる熱伝導率や色ムラ等を勘案すると、ガスを透過しない物質で構成された非カーボン質の密閉容器を用いることが好適である。
【0029】
なお、上記密閉容器は、得られる焼結体に悪影響を与えない程度、内外部のガスの出入りを必要十分に遮断することができる容器を指し、100%完全にガスの出入りを遮断できなくてもよい。
【0030】
密閉容器を構成する方法としては、特に制限されず、凹部を有する容器に蓋状のものを設置する方法が一般的に採用される。
【0031】
ガスを透過しない物質で構成された非カーボン質の密閉容器の材質は、たとえば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等のセラミックスや、タングステン[W]、モリブデン[Mo]等の高融点金属等を用いればよく、その中でも、耐久性の点から窒化アルミニウム、窒化ホウ素等のセラミックス製の容器が好ましい。
【0032】
また、材質の全てを上記材料で構成する必要はなく、たとえば、カーボン質の容器内面を、上記した非カーボン質でガスを透過しない材料で被覆したものも使用することができる。
【0033】
本発明においてカーボン存在下とは、焼成時に、少なくとも焼結に必要な量、カーボンガスが存在している状態を指す。
【0034】
上記したカーボン存在下にする方法としては、成形体とカーボンとを容器内に共存させる方法、カーボン製の容器を用いる方法等が挙げられるが、その中でも、得られる熱伝導率や色ムラ等を勘案すると、成形体とカーボンとを容器内に共存させる方法が好適であり、特に、密閉容器内に成形体とカーボンとを収容する方法が、より高い熱伝導率を得ることを勘案すると、さらに好適である。
【0035】
上記カーボンは、特に制限されず、無定形炭素や黒鉛等の公知の形態のカーボンを用いることができ、固体状のカーボンが好適である。上記カーボンの形状としては、特に制限されず、粉末状、繊維状、フェルト状、シート状、板状のいずれもよく、またそれらを組み合わせてもよい。その中でも、より高い熱伝導率を得ることを勘案すると、板状の無定形炭素や黒鉛が好適である。
【0036】
成形体とカーボンとを容器内に収容する方法は、特に制限されず、また、カーボンと成形体とを非接触、接触のいずれの形態で収容してもよい。その中でも、非接触の形態の方が、得られる焼結体の熱伝導率の制御の容易さの点で好ましい。
【0037】
また、上記非接触の形態は、公知の形態を採用すればよく、たとえば、単にカーボンと成形体との間に間隔を設ける方法、カーボンと成形体との間に窒化ホウ素等の粉末を介在させることにより非接触にする方法、カーボンと成形体との間に窒化アルミニウム、窒化ホウ素等のセラミックス製の板等を設置して非接触にする方法等が挙げられるが、熱伝導率の向上を勘案すると、カーボンと成形体との間に板等を設置して非接触にする方法が好適であり、特に密閉容器内においてカーボンを収容した空間と、成形体を収容した空間とをできるだけ遮断するように板を設置する方法が、さらに高い熱伝導率を得ることを勘案すると、好ましい。
【0038】
本発明において、上記した、焼結時に、少なくとも焼結に必要な量、カーボンガスが存在している状態は、下記に示すカーボンの比表面積および量を制御する方法により容易に達成することができる。
【0039】
上記カーボンの比表面積は、焼成する成形体の量・大きさ及び成形体中の酸素原子の含有量により異なるが、通常は、0.01〜100m2/gの範囲が好適であり、熱伝導率の向上を勘案すると、0.1〜50m2/gの範囲がより好ましい。
【0040】
また、カーボンの量は、焼成する成形体の量・大きさ及び成形体中の酸素原子の含有量と、上記比表面積とを勘案し、適宜設定すればよく、カーボンの種類等により異なるが、通常は、成形体100重量部あたり、カーボン1〜1000重量部程度であり、10〜500重量部が好適な範囲である。
【0041】
本発明において1回目の焼成は、非酸化性雰囲気中、1700〜2000℃(但し、1700℃を除く。)で行うことが必要である。非酸化性雰囲気とは、実質上、酸素[O2]が存在していない状態を指し、通常は、密閉容器内を窒素、アルゴン等の不活性ガスに置換することにより達成できる。酸素が存在している状態で焼成した場合、得られる焼結体の熱伝導率が低下したり、色ムラや熱伝導率のバラツキが大きくなるため好ましくない。
【0042】
また、上記1回目の焼成温度は、1700℃未満では焼結不足となるため好ましくなく、一方、2000℃以上では焼結過多となるため好ましくない。その中でも、高熱伝導率を得ることを勘案すると、上記1回目の焼成温度は、上限は1850℃が好ましい。
【0043】
1回目の焼成時間は特に制限されないが、通常5〜200hが好適であり、熱伝導率の向上を勘案すると、10h以上行うことが特に好ましい。
【0044】
また、焼成は1段階でも2段階以上の多段階で行っても良いが、焼結と熱伝導率の向上を勘案すると、多段階で焼成するのが好ましい。また、多段階焼成の場合、少なくとも一つの段階において本発明で規定する温度で焼成すればよい。この中でも、第1段階として、1550〜1700℃で1〜10h焼成を行った後、次いで1700〜2000℃(但し、1700℃を除く。)で10h以上焼成を行う2段階焼成が特に好ましい。
【0045】
本発明において、上記した1回目の焼成に次いで、下記に示す条件下で2回目の焼成をおこなうことが必要である。
【0046】
即ち、上記1回目の焼成により得られた焼結体を、次いで、ガスを透過しない物質で構成された非カーボン質の密閉容器内で、実質的にカーボン不存在下、非酸化性雰囲気中、1650〜2000℃で焼成する必要がある。
【0047】
本発明において実質的にカーボン不存在下とは、焼成時において密閉容器内にカーボンガスが実質的に存在してない状態を指し、通常は、密閉容器内に焼結体のみを収容することにより好適に達成できる。
【0048】
この2回目の焼成に使用する密閉容器は、1回目の焼成に使用した密閉容器から実質的にカーボンを除いたものを用いても良いし、別の容器を用いても良い。
【0049】
また、上記2回目の焼成温度は、1650℃未満では焼結不足となるため好ましくなく、一方、2000℃以上では焼結過多となるため好ましくない。その中でも、色ムラや熱伝導率のバラツキを少なくすることを勘案すると、下限は1700℃以上が好ましく、上限は1850℃以下が好ましい。
【0050】
焼成時間は、特に制限されないが、通常5〜200hが好適であり、熱伝導率の向上を勘案すると、10h以上行うことが特に好ましい。
【0051】
本発明の最大の特徴は、前記したように、窒化アルミニウム粉末と焼結助剤粉末の混合粉の成形体を、カーボン存在下において焼成した後、密閉容器内で、カーボン不存在下で2度目の焼成を行うことであり、この製造方法により、本発明の目的である、高熱伝導率を有しながら、色ムラや熱伝導率のバラツキが少ない窒化アルミニウム焼結体を得ることができる。
【0052】
一方、それぞれ単独の焼成もしくは順序を逆にした焼成では、本発明の目的を達成することはできない。
【0053】
本発明の製造方法により得られる窒化アルミニウム焼結体は、高熱伝導率を有し、かつ色ムラや熱伝導率のバラツキが少ないため、信頼性の要求されるパワーモジュールやヒートシンクの部材等の用途に好適に使用できる。
【0054】
【実施例】
本発明を具体的に説明する為、以下実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0055】
尚、以下の実施例及び比較例における各種物性の測定は次の方法によった。
【0056】
1)密度
東洋精機(株)製「高精密密度比重計D−H」を使用して、アルキメデス法により求めた。
【0057】
2)熱伝導率
真空理工(株)製「LF/TCM−FA8510B」を使用して、レーザーフラッシュ法により、2次元法で測定した。
【0058】
実施例1
平均粒子径1.2μm、酸素濃度0.80wt%の窒化アルミニウム粉末100重量部に対して、焼結助剤粉末として酸化イットリウムを5重量部、分散剤としてテトラグリセリンモノオレート1重量部、結合剤としてポリビニルブチラール10重量部、可塑剤としてジブチルフタレート5重量部、分散媒としてトルエン30重量部、エタノール30重量部を加えた混合物をボールミルにより混合し脱溶媒した後、ドクターブレード法によるシート成形を行った。得られたシートより60mm角、厚さ0.8mm、重量6gの成形体を3個作製した。
【0059】
この成形体を空気中、500℃で3時間脱脂した。次いで、窒化アルミニウム製の密閉容器内に、カーボンとして、大きさ50mm角、比表面積0.5m2/g、重量10gの板状の黒鉛底板を設置し、その上に窒化アルミニウム製敷板を設置し、上記脱脂体を上記窒化アルミニウム製敷板の上に収容した。密閉容器内を窒素雰囲気にした後、蓋で密閉し、1800℃で36h焼成を行った。次いで、窒化アルミニウム製敷板の下にある板状黒鉛底板を取り除き、窒素雰囲気中、1800℃で36h焼成を行った。
【0060】
得られた焼結体の密度は3.26g/cm3、熱伝導率の平均は253W/mK、得られた焼結体3個の熱伝導率のバラツキは3W/mKであった。
【0061】
実施例2
実施例1において、焼結助剤粉末を酸化イットリウム5重量部、リン酸三カルシウム1重量部に変更した以外は実施例1と同様にして焼結体を得た。
【0062】
実施例3
実施例1において、カーボンとして、比表面積100m2/g、重量0.2gの無定形炭素粉末を用いた以外は実施例1と同様にして焼結体を得た。
【0063】
実施例4
実施例1において、窒化アルミニウムの敷板に代えて、窒化ホウ素粉末を塗布した無定形炭素敷板(比表面積0.2m2/g、重量5g)を用い、さらに板状黒鉛底板を設置しなかった以外は実施例1と同様にして焼結体を得た。
【0064】
比較例1
実施例1において、カーボンとして、比表面積100m2/g、重量0.2gの無定形炭素粉末を用い、2回目の焼成を行わなかった以外は実施例1と同様にして焼結体を得た。
【0065】
比較例2
実施例1において、1回目の焼成温度を1600℃に変更した以外は実施例1と同様にして焼結体を得た。
【0066】
比較例3
実施例1において、脱脂体に代えて、窒素雰囲気中1800℃で5h焼成を行った焼結体を用いた以外は実施例1と同様にして焼結体を得た。
【0067】
【表1】
Figure 0004204110
【0068】
表1に示す様に、本発明の製造方法は、色ムラも無く、熱伝導率が高く、しかも熱伝導率のバラツキも小さい値を示す。
【0069】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、熱伝導率が高く、しかもそのバラツキが小さい窒化アルミニウム焼結体を得ることができる。
【0070】
その理由は定かではないが、1回目の焼成では、適度な濃度のカーボン存在下でおこなわれるため、焼結助剤が適切に排除され、色ムラ等はある程度残存するものの高熱伝導率の焼結体が得られると考えられる。
【0071】
次いで2回目の焼成により、1回目の焼成で発生した焼結助剤の変成体等や残存する焼結助剤等が系外に移動して除去される為、1回目の焼成で生じた色むら等の外観が解消されると同時に熱伝導率の一層の向上が達せられると考えられる。

Claims (1)

  1. 窒化アルミニウム粉末及び焼結助剤粉末の混合粉の成形体を、ガスを透過しない物質で構成された非カーボン質の密閉容器内で、カーボン存在下、非酸化性雰囲気中、1700〜2000℃(但し、1700℃を除く。)で焼成して焼結体を得、次いで該焼結体を、ガスを透過しない物質で構成された非カーボン質の密閉容器内で、実質的にカーボン不存在下、非酸化性雰囲気中、1650〜2000℃で焼成することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
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