JP2007063124A - セラミックス基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 焼結後のセラミックス基材内の焼結助剤分布を均一化することによって、以上述べた焼結後の熱処理による増加変形量を低減すること、即ちセラミックス基材の高温での熱処理時に生ずる変形量を小さくする。
【解決手段】 焼結助剤を含むセラミックス基材であって、蛍光X線によるその一方の主面側および他方の主面側の主成分元素の検出強度に対する焼結助剤成分元素の検出強度の比を、それぞれaおよびbとし、a>bとした場合に、a/b≦1.3であるセラミックス基材を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、従成分として焼結助剤を含むセラミックス基材に関し、同成分が均一に分布した熱変形の小さいセラミックス基材に関する。
従来よりセラミックスの焼結には、それを容易に促進するために焼結助剤を添加する。特にその主成分が窒化物や炭化物等の非酸化物の場合には、難焼結性のため緻密なものを得るには焼結助剤は不可欠である。特に窒化アルミニウムや窒化珪素のような窒化物を主成分とするセラミックスは、主成分単独では高温高圧下で焼結しないと緻密化できない。したがってこの種のセラミックスでは、焼結助剤の果たす役割は大きい。例えば主成分が窒化アルミニウムである窒化アルミニウムセラミックスでは、特開昭63−190761号公報、特開昭61−10071号公報、特開昭60−71575号公報、特許第2666942号公報等に記載のように、従来よりアルカリ土類(IIa族)元素化合物や希土類(IIIa族)元素化合物が通常用いられてきた。窒化珪素セラミックスもほぼ同様である。これらの成分は、焼結中に主成分中の不純物と反応して溶融し緻密化を促進し、最終的に主成分結晶粒子の粒界相を形成する。
均質なセラミックス焼結体を得るためには、焼結助剤成分を含む粒界相を焼結体全体にわたって均一に分布させることが必要となる。このため従来より助剤成分量を少なくする、原料粉末を均一に混合する等、種々の方策が考えられてきた。例えば(1)特公平7−121829号公報によれば、焼結助剤を含む成形体を炭素中に埋設して4時間以上の長時間焼成することによって、残留焼結助剤の量を減らし最小限に抑え高い熱伝導率を得るとともに、全体の均質化を図ろうとしている。また(2)特開平1−203270号公報によれば、焼結助剤に微細な有機金属塩を少量添加し原料成分混合の均一化を図ろうとしている。
しかしながら、(1)の方法は、長時間の焼成により焼結体表面からの焼結助剤の蒸発が多く、焼け上がりでの焼結体内のその分布が不均一になる。またエネルギーコストも多大となる。また(2)の方法は、当初から焼結助剤の量が少ないために、高温での焼成が必要となる。その結果同様の問題が生じ易くなる。窒化アルミニウムセラミックスや窒化珪素セラミックスのように、その緻密化に当たって焼結助剤の利用が不可欠なセラミックスについては、従来からその実用特性の改善(例えば窒化アルミニウムセラミックスでは高熱伝導化、窒化珪素セラミックスでは高強度化)をするための焼結助剤の研究が主体であった。それ故多種の焼結助剤ならびにその量のコントロールについては、多数の研究がなされてきた。しかしながら、焼結助剤成分を均一に分布させるための研究は少なく、未だその十分な成果は得られていない。
特開昭63−190761号公報 特開昭61−010071号公報 特開昭60−071575号公報 特許第2666942号公報 特公平7−121829号公報 特開平1−203270号公報
本発明者等は、この点に着目して研究を重ねた結果、焼結体内の焼結助剤成分の分布が十分均一でない場合、焼結後の熱処理時によって焼結体の変形が助長されることを確認した。特に窒化物を主成分とするセラミックスの場合、酸化性雰囲気中での熱処理によって、変形が生じ易いことを確認した。セラミックス基材が焼結したままの薄い板状であれば、焼結時点での反り量が増加する。また板状の基材の場合、両主面を平行研削しても、その後の熱処理によって反りが再発する。例えば窒化アルミニウムセラミックスの薄い板を用いて、ハイブリッドIC用の基板を製造する際、同セラミックス基板上にAg、Ag-Pd、Cu等の成分を含んだ厚膜回路パターンを形成後、酸化物ガラスの絶縁層をペースト印刷し、これを大気中で焼き付ける場合、セラミックス基材の反り量の増加が確認された。本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、本発明の課題は、焼結後のセラミックス基材内の焼結助剤分布を均一化することによって、以上述べた焼結後の熱処理による増加変形量を低減することである。
以上の課題を解決するため、本発明の提供するセラミックス基材は、一方の主面側の焼結助剤量と他方の主面側のそれとの差異の小さいものである。すなわち本発明のセラミックス基材は、焼結助剤を含み、蛍光X線によるその一方の主面側および他方の主面側の主成分元素の検出強度に対する焼結助剤成分元素の検出強度の比を、それぞれaおよびbとし、a>bとした場合に、a/b≦1.3であるセラミックス基材である。したがって、本発明のセラミックス基材の両主面間の焼結助剤成分の量差は、30%以内である。
中でも特にセラミックスの主成分が窒化物である同基材であり、さらにセラミックスが窒化アルミニウムセラミックスである同基材である。
本発明によればセラミックス基材内の焼結助剤分布を均一にコントロールすることができ、その結果焼結時点での変形量を実用上障害の無い程度に抑えることができる。また基材実装時に大気中で熱処理を行う場合の基材の変形量の増加を従来に増して低く抑えることができる。したがって優れた寸法精度を有し、実装時・実用時ともにそれを安定に維持しうる信頼性の高いセラミックス基材を提供できる。
本発明の提供するセラミックス基材は、前述のように、焼結助剤を含み、一方の主面側の焼結助剤量と他方の主面側のそれとの差異が30%以内である。本発明での焼結助剤量とは、焼結助剤を構成する成分元素の蛍光X線ピークの合算強度の主成分元素の同強度に対する比で示す。この元データは化学分析値ではないが、我々の確認した範囲では、同一個体内および同一製造ロット内の個体間においては、強度比(すなわち量比に相当する)を採れば、蛍光X線ピーク強度であっても化学分析値であっても両者に殆ど差は無く、さほど問題では無いと考えられる。
蛍光X線のピーク強度比の確認手順を、以下事例にそって説明する。例えば焼結助剤として酸化イットリウム(Y23)を添加した窒化アルミニウムセラミックス焼結体の場合は、焼結助剤成分である酸化イットリウムのY元素の蛍光X線によるピーク強度(カウント数または記録ピークの面積)をY、主成分である窒化アルミニウムのAl元素の同強度をXとすると、焼結助剤量(すなわち測定地点での焼結助剤の濃度に相当する量)は、Y/(X+Y)で表すこととする。また例えば窒化アルミニウムセラミックスで焼結助剤として酸化カルシウム(CaO)と酸化イットリウム(Y23)とを組み合わせる場合には、Ca元素の蛍光X線ピーク強度をY1、Y元素の同強度をY2、主成分のAl元素の同強度をXとすると、焼結助剤量は(Y1+Y2)/(X+Y1+Y2)で表すこととする。以下焼結助剤成分が多数あっても、全ての成分元素のピーク強度の総和をΣYとすると、ΣY/(X+ΣY)で表すこととする。
なお焼結体では、主成分の一部や主成分中に含まれる不純物元素と焼結助剤成分との間に通常反応化合物が形成される(例えば主成分が窒化アルミニウムであり、焼結助剤が酸化イットリウムであれば、アルミン酸イットリウムが、酸化カルシウムと酸化イットリウムが焼結助剤であれば、アルミン酸イットリウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸イットリウムカルシウム等が化合物として生成する)が、本発明の焼結助剤量の算定に当たっては、化合物の生成の如何を問わず、焼結助剤量は同成分元素の存在量として表すこととする。なお使用する蛍光X線のピークは最大強度のものを用いることとし、多数の助剤を含みそれらのピーク位置が互いに重なる場合には、重なった焼結助剤成分元素のピーク強度値を上記Yの値として代用することとする。また主成分元素のピーク位置と助焼結剤成分のピーク位置とが重なった場合には、便宜上重なったピーク強度値を配合時の主成分と同焼結助剤の重量比率で配分して、主成分元素の強度配分値と同焼結助剤成分元素のそれとを、それぞれの強度データ数値として用いることとする。
既に述べたように、焼結助剤を含むセラミックス基材では、一方の主面側での焼結助剤量と他方の主面側のそれとの差異が大きくなることによって、熱処理後の焼結体に変形量の増加現象が生じる。例えば前述のように二つの主面を有する板状の基材の場合、両主面での焼結助剤成分量の差異によって焼結時点の反り量が、その後の熱処理によってさらに大きくなる。なお変形の度合いは、基材の主面の大きさや基材の形状によって影響を受けるが、焼成の回数によっても増加する。我々の確認したところでは、その量差が30%を越えると変形(例えば板状基材では反り)の度合いが顕著に増し、その量差が30%以内であれば概ね変形の増加は小さくなる。その量差が15%以内であれば、特に変形の増加量は少なくなりより好ましい。言い換えれば本発明のセラミックス基材は、焼結助剤を含み、蛍光X線によるその一方の主面側および他方の主面側の主成分元素の検出強度に対する焼結助剤成分元素の検出強度の比を、それぞれaおよびbとし、a>bとした場合に、a/b≦1.3であるセラミックス基材とすることによって、焼結後の熱処理による変形量の増加を小さくすることができる。特にa/b≦1.15であるセラミックス基材とすることによって、さらに変形量の増加を小さくすることができる。
そのメカニズムについては定かではないが、特に非酸化物セラミックス焼結体を酸化性の雰囲気で熱処理する場合に顕著に現れることから、基材の酸化現象が焼結助剤量の差異によって基材の変形を助長するものと思われる。例えば基材の酸化速度に差が生じるのではないかと想像される。また我々の確認したところでは、非酸化物セラミックスの中でも特に窒化物を主成分とするセラミックスの場合に顕著に現れる。これは窒化物を主成分とするセラミックスの場合、焼結雰囲気が非酸化性雰囲気であるため、添加された酸化物系の焼結助剤が揮散し易い。このため焼結基材内に焼結助剤の濃度差が生じ易いものと推測される。ちなみに炭化珪素セラミックスと窒化珪素セラミックスを比較すると、この現象は後者の方が顕著に現れる。窒化物の中では、特に窒化アルミニウムセラミックスでは顕著になる。
このような現象は、焼結体の焼結方法によって左右される。以下本発明のセラミックス基材の製造方法について述べる。まず焼結助剤量の分布の偏りを低減するための第一の方法は、成形体の焼結装入時に個々の成形体の間にセッターを介挿する。同セッターには焼結体成分と焼結条件下で反応せず、軟化変形しない高融点金属製かまたは高融点セラミックス製の通気性のものを用いる。これによって成形体同士を直接接触する状態で多数重ねて焼結する場合に比べ、重なった面と直接雰囲気に露呈した面との間での焼結助剤の揮散速度の差が小さくなり、両面間の焼結後の焼結助剤量の差を小さくする事ができる。この場合成形体とセッターを交互に重ね、最上部にもセッターを載せることによって、全ての成形体の両面をセッターと接触させる。これによって成形体の両面に染み出してくる焼結助剤を同じ程度に吸収させることもできる。
また成形体の焼結時の変形を抑えるためには、セッターの表面は平滑であり、その面全体のうねりや凹凸の小さいものが望ましい。なおこの実肉部分の表面粗さは、焼結体で得ようとする表面粗さに匹敵する程度にすれば良い。基材の用途にもよるが、基材を半導体装置搭載用の基板とする場合には、通常その表面粗さは、Rmaxで5μm以下にしておくのが望ましい。このようなセッター材質としては、例えばタングステン、モリブデン等の高融点金属や炭素質のものを用いる。また、セッターの形態としては短繊維状のものを束ねるか、またはウールやクロスに成形体と高温で反応せず安定なセラミックス成分を含ませ、プレス成形したものを用いるのが最も望ましい。成形体の大きさやその形状によっては、高温で安定な多孔質の窒化硼素(BN)等の窒化物セラミックスからなる成形されたシートや実肉部が緻密な同セラミックス製の薄手で上下に貫通穴を明けた通気性の板材を介在させても良い。
焼結助剤量の分布の偏りを低減するための第二の方法は、成形体の個々を重ね焼きする場合、それらの重なる面の間に焼結条件下で成形体と反応しない粉末材料(例えば上記した成分を含む材料)かまたは成形体の純主成分粉末に埋め込んで焼結する方法である。この場合最下部の成形体の下には、成形体セットの荷重保持のため同一材料のセッターかまたは同一材料で嵩密度が低く、焼成時に形状維持が可能なシート等を配置するのが望ましい。またこの場合個々の成形体間には、成形体と反応しないセッター材の薄い層をあらかじめ形成しておいても良い。このようにすることによって、雰囲気に露呈している成形体の面と互いに相対している成形体の面との間の雰囲気ガスの接触状態が平準化され、双方の面ともほぼ均一雰囲気・加熱条件となる。
以上第一・第二の焼結方法によって、サイズによらず焼結体の前記a/bの値を1.30以下に、また比較的小サイズの成形体の場合にはa/bの値を1.15以下に低減することができる。さらに焼結助剤の溶融点以上の温度で雰囲気ガスの流れを殆ど止めるかまたは同ガスの外部からの供給速度を落とし、雰囲気ガスの流れによる影響を小さくすることも有効である。例えば上記の要領で成形体を装入し、焼結助剤を含む化合物の溶融点以上の温度に達したら雰囲気ガスの流速を下げる。例えば連続送り方式の窒素ガス常圧焼結では、窒化アルミニウムセラミックスの場合、昇温時のガス流速は20〜50リットル/分程度であるが、焼結助剤の溶融点以上の温度でその流速をその5〜30%程度(焼結助剤の溶融点以上でのガス流速の昇温時のガス流速に対する割合r)まで落とすのが望ましい。なおこの場合炉内のガス圧力はほぼ大気圧に保つ。他のセラミックスでもこのrは同程度とするのが望ましい。第一・第二の装入方法とこの雰囲気条件とを併用することによって、成形体サイズによらず同偏差を20%以下に、小サイズでは10%以下に低減することができる。また本発明で焼結時に用いるセッターは、長寿命であり繰り返しの使用に耐え得るものである。
本発明の基材を得るための手段は上記以外にも種々考えられる。例えば成形体の形状や処理量に応じて装入方法や焼成条件を工夫することは可能である。要は溶融後の焼結助剤成分の成形体内の移動および成形体外への移動収支を左右する雰囲気・温度条件をコントロールすることに加え、成形体各表面の物質と周辺の物質との均等なやりとりを実現する何らかの適切な手段が打たれれば良い。本発明の提供するセラミックス基材の製造方法はこの基本原理を満足する手段であればよく、上記した製造方法や以下に例示する実施例に限定されない。
なお本発明でのセラミックス基材の反り量の確認手順は、具体的には図1に示すように定盤2上にセラミックス基材1を載せ、レーザー発信源3からレーザー光4を発信させて、これを基材1の端部から対角線方向(または円形状・楕円状の主面の場合には直径方向または長径方向)に走査して距離dを連続確認する。この距離dの最大差異dmaxをμm単位まで計量する(同図では、例えばaの位置でdが最大であれば、その値をdaとし、bの位置でdが最小であれば、その値をdbとした時、dmaxはda−dbとなる)。
このdmax値を走査した全距離(mm単位、例えば同図でLが対角線方向であれば、その長さ)で割った値を反り量とした(単位はμm/mm)。
なお本発明において焼結直後の反りを計量する場合には、原則的に焼結したままのものを対象とする。ただし同焼結肌のものでは表面粗さが大きい場合には、両面を簡単に研磨して表面粗さをRaで0.3μm以下としたものを対象とする。簡単な研磨としたのは、研磨での仕上げ度を高くすると、焼結での反りの状態が変化することもありうるからである。
主成分として、平均粒径がいずれも1μmの窒化アルミニウム(AlN)粉末、窒化珪素(Si)粉末および酸化アルミニウム(Al)粉末を、焼結助剤成分として、平均粒径0.6μmのY23粉末、平均粒径0.3μmのCaO粉末、平均粒径0.5μmのNd23、平均粒径0.6μmのYb23粉末、平均粒径0.8μmのSiO2粉末および平均粒径0.7μmのMgO粉末をそれぞれ準備した。これらの粉末を表1の左側欄各行に記載の組み合わせ・重量比組成で秤取し、エタノール溶媒中ボールミルにて24時間混合した。なお酸化アルミニウムを主成分とする試料番号26ないし29のものについては、表1の同欄に成分と重量比を個々に明記した。化学式の後の数値は配合重量%である。混合粉末には粉末秤取総重量100に対し有機バインダーとしてPVB(Poly Vinyl Butylal)を10重量%加え、混合スラリーとした。このスラリーをドクターブレード法によって成形してシートとした。このシートの厚みは、焼結後の厚みが0.5mmとなるように調製した。さらに出来上がったシートから焼結後の寸法が100mm角になるような寸法の成形体を切り出し、その後成形体試料中のバインダーを除去した。
別途表1の「焼結装入法、セッター」欄に記載のセッター・埋め込み用の各種素材を準備した。これらの素材を用いて表1に記載の各種の装入方法並びに焼結雰囲気にてそれぞれ4時間保持し焼成した。ただし雰囲気ガスは、表に記載のように全て窒素(N)であり、その供給流量は、焼結助剤の溶融点未満の昇温過程並びに降温時の同溶融点未満の冷却過程では30リットル/分とし、焼結助剤の溶融点以上の過程では、表に記載のrを同流量に乗じた供給流量とした。例えば試料1の場合は4.5リットル/分、試料16の場合は15リットル/分に、それぞれ焼結助剤の溶融点以上の過程で窒素ガスの流量を低下させた。なお試料17の場合はrが100%であり、その流量は全焼結工程で30リットル/分一定とした。ただし表に記載の温度は最高保持温度を示し、同温度で4時間保持した。
試料1〜17、21、26および27では、表面粗さがRmaxで5μmのBN焼結体製敷板上に成形体を5枚重ね、成形体間および最上部の成形体上に、それぞれ表に記載の素材を主成分とするセッターを配置した。なお同セッターの厚みは全て0.5mmである。セッターの内、試料1〜8、21、26、27のものは、全て表に記載の素材をプレス成形し、これに純BN粉末を主成分とするペーストを染み込ませ、加熱再プレスによってシート状にしたものであり、試料9のものは、予め厚み方向に貫通する穴を明けた相対密度70%の実肉部を有する焼結体である。また試料10〜17のセッターは、記載素材粉末の成形体を窒素中1800℃で焼成したものである。また試料18〜20の装入方法は成形体5枚重ねであるが、上記同様のBN焼結体製敷板上に配置した。ただし焼結装入欄に記載の素材に成形体を埋め込んだものである。なおこの場合成形体間にもこれらの素材からなる粉末層を配置した。試料22、23、28は、表面粗さがRmaxで5μmのBN焼結体製敷板上に成形体を5枚直に重ねた装入法であり、試料24,25,29は、上記敷板と同じBN焼結体製の密閉ケース内に、セッターを用いずに成形体1枚のみ配置した装入法である。なお表中、Rmaxはセッターの表面の表面粗さを示す。
Figure 2007063124
注)試料番号22・23・24・25・28・29は比較例である。
以上のように調製された各試料について、その表裏両面付近の焼結助剤元素の量a及びbの値、厚み方向の反り量を前述の方法で確認した。確認に当たり両面を簡単にブラシ研磨にて表面粗さRaで0.3μmに仕上げた。なおいくつかの試料について、研磨前後の同反り量を確認したが、殆ど差異は無かった。その後この試料を大気中850℃で1時間熱処理した。表2にはa/bの計量値をその焼結助剤量比欄に、また焼結後の反り量および熱処理後の反りの増加量をそれぞれの欄に示す。
Figure 2007063124
以上のデータからセッターの介在が、焼結体の変形量(反り量)低減に効いていることが分かる。また酸化アルミニウムセラミックスの場合、セッターを介在させることによって焼結後の反り量が顕著に小さくなり、焼結後の熱処理による増加も小さいので、本発明の方法がかなり有効であることも分かる。さらに焼結後の酸化性雰囲気下での熱処理による反りの増加割合で見ると、主成分が窒化物のセラミックスに比べ酸化アルミニウムセラミックスは、非常に小さいことが分かる(逆に僅かに減少するものもある)。これは酸化物を主成分とするセラミックスでは、熱処理が酸化性雰囲気であるため雰囲気中の酸素の影響が小さいためと考えられる。しかしながら窒化物を主成分とするセラミックスでは、セッター介挿による変形量への効果、熱処理によるその増加量低減の効果とも大きいことが分かる。これを窒化アルミニウムセラミックスと窒化珪素セラミックスで対比すると、前者の方が効果の大きいことも分かる。以上の結果より焼結助剤成分量の両面差a/bを1.3以下とすることによって、焼結後の変形量を小さくすることができ、特に窒化物を主成分とするセラミックスでは、焼結後の酸化性雰囲気下での熱処理による変形量の増加が小さく抑えられることが分かる。なお試料番号24、25、29のように1枚置きで装入しても、焼結後の焼結助剤成分分布の均一化が図れず、変形量のレベルも小さくならないことも分かる。
実施例1のそれぞれの基材試料の反り方向に対し凹面側の主面に、90mm角のパターンでAgペーストを印刷塗布し、乾燥後大気中850℃で30分加熱焼成して、これを焼き付けた。その結果焼成後の反り量の増加は、いずれの試料も前記表2に記載された程度のレベルであった。その後このAg層付きの基板上にSiO2−Al23−B23系ガラスペーストを印刷塗布して、乾燥後大気中800℃で30分加熱焼成して、これを焼き付けた。その結果焼成後の反り量の増加割合は、いずれの試料も前記表2に記載の1/2程度のレベルであった。
以上述べてきたように、本発明によればセラミックス基材内の焼結助剤分布を均一にコントロールすることができ、その結果焼結時点での変形量を実用上障害の無い程度に抑えることができる。また基材実装時に大気中で熱処理を行う場合の基材の変形量の増加を従来に増して低く抑えることができる。したがって優れた寸法精度を有し、実装時・実用時ともにそれを安定に維持しうる信頼性の高いセラミックス基材を提供できる。
本発明における板状基材の反り量を確認する手順を説明する図である。
符号の説明
1 セラミックス基材
2 定盤
3 レーザー発信源
4 レーザー光

Claims (3)

  1. 焼結助剤を含むセラミックス基材であって、蛍光X線によるその一方の主面側および他方の主面側の主成分元素の検出強度に対する焼結助剤成分元素の検出強度の比を、それぞれaおよびbとし、a>bとした場合に、a/b≦1.3であることを特徴とするセラミックス基材。
  2. セラミックスの主成分が窒化物であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス基材。
  3. セラミックスが窒化アルミニウムセラミックスであることを特徴とする請求項2に記載のセラミックス基材。
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