JPH05229873A - 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体の製造方法

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JPH05229873A
JPH05229873A JP4070405A JP7040592A JPH05229873A JP H05229873 A JPH05229873 A JP H05229873A JP 4070405 A JP4070405 A JP 4070405A JP 7040592 A JP7040592 A JP 7040592A JP H05229873 A JPH05229873 A JP H05229873A
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JP
Japan
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aluminum nitride
molded product
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setter
sintered body
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JP4070405A
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English (en)
Inventor
Yutaka Takeshima
裕 竹島
Masahiro Saito
政浩 斉藤
Yasunobu Yoneda
康信 米田
Yukio Sakabe
行雄 坂部
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼成後の反りの発生が小さく、表面粗さの小
さな窒化アルミニウム基板を製造する。 【構成】 窒化硼素等のセッター3間において、窒化ア
ルミニウム成形品1の周囲をセラミック製のスペーサ2
で囲んだ状態において焼成する。このスペーサとして
は、窒化アルミニウム50〜100重量%、窒化硼素5
0〜0重量%と焼結助剤とからなるセラミック焼結体の
スペーサ2を用いてもよい。あるいは、窒化アルミニウ
ム50〜70重量%、窒化硼素50〜30重量%と焼結
助剤とからなるセラミック未焼結体のスペーサ2を用い
てもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化アルミニウム焼結体
の製造方法に関する。具体的にいうと、例えばパワーダ
イオードの基板等に用いられる窒化アルミニウム焼結体
の製造方法に関する。
【0002】
【背景技術とその問題点】窒化アルミニウムは熱伝導性
の大きい材料であり、熱の放散性が良いので、ICパッ
ケージやパワーダイオード等の基板として用いることに
より、パワーダイオード等で発生した熱を効率よく放散
させることができる。
【0003】このような窒化アルミニウム基板は、従来
にあっては、以下に説明するようにして窒化アルミニウ
ムのグリーンシートを焼成することによって製造されて
いる。
【0004】(第1の従来例)図3に従来の窒化アルミ
ニウム基板の製造方法の一例を示す。この製造方法にあ
っては、窒化アルミニウムを主成分とするグリーンシー
ト11を窒化硼素製のセッター12で挟み、カーボンヒ
ーター及びカーボン製の炉材を有する内熱式の炉内にお
いて、一般に1700〜1900℃で焼成して製造して
いる。
【0005】しかしながら、窒化アルミニウムのグリー
ンシート11の焼成温度は1700〜1900℃と高
く、また、グリーンシート11の焼結過程は炉内におけ
る雰囲気に大きく影響を受けるので、高温及び雰囲気に
曝されている外周部分と内部とではグリーンシート11
の焼結状態に大きな差が生じ、窒化アルミニウム基板
(焼結体)に反りやクラックが生じたり、焼結不良にな
ったりするという問題があった。
【0006】(第2の従来例)そこで、窒化アルミニウ
ムのグリーンシート11の焼成時における周辺の雰囲気
を一定に保つことを目的とし、図4に示すようグリーン
シート11を窒化アルミニウム製の焼成用台13a及び
蓋13bからなる容器13内に収容して焼成する方法が
提案されている(特開平1−241849号公報)。
【0007】しかしながら、この方法では、グリーンシ
ート11が平面状に拘束されていないため、焼結時に窒
化アルミニウム基板に反りが生じていた。また、グリー
ンシート11の片面のみが焼成用台13aと接触してい
るため、焼成用台13aと接触している面の表面粗さだ
けが小さくなり、焼結した窒化アルミニウム基板の表面
粗さが表裏両面で大きく異なるという問題があった。
【0008】(第3の従来例)また、グリーンシート1
1の周辺の雰囲気を一定に保ち、かつ、グリーンシート
11を平面状に拘束することによって反りを防止するこ
とを目的とし、図5に示すように、窒化アルミニウムの
グリーンシート11の周囲に配置された窒化アルミニウ
ムのグリーン成形体からなる長方形のスペーサ14を4
本組合せてグリーンシート11を囲み、これらの上下を
窒化硼素や窒化アルミニウム等の焼結体からなるセッタ
ー15で挟んで焼成する方法も開示されている(特開平
3−5376号公報)。
【0009】しかしながら、この製造方法では、焼成の
度に再利用不可能なスペーサ14の焼結体が生じるので
コスト高になるという欠点があった。また、スペーサ1
4が焼結時に収縮し、スペーサ14間に隙間が生じるの
で、グリーンシート11の周囲の雰囲気を制御すること
ができなくなり、この結果、窒化アルミニウム焼結体に
反りが生じたり、クラックが発生したりする。さらに、
グリーンシート11の上下を挟むセッター15が窒化ア
ルミニウム製である場合には、焼成時に生じる液相のた
めに焼成している窒化アルミニウム焼結体とセッター1
5とが融着する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は叙上の従来例
の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、焼成後の反りやクラックの発生が少なく、表面
が平滑な板状の窒化アルミニウム焼結体を低コストで製
造することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明による窒化ア
ルミニウム焼結体の製造方法は、窒化アルミニウムを主
成分とする薄板状の窒化アルミニウム成形品を焼成する
に際し、焼成すべき窒化アルミニウム成形品の周囲にセ
ラミック製のスペーサを配置して当該窒化アルミニウム
成形品を囲み、この窒化アルミニウム成形品及びスペー
サの上下をセラミック製のセッターで挟んで当該窒化ア
ルミニウム成形品を焼成する窒化アルミニウム焼結体の
製造方法において、前記スペーサが窒化アルミニウム5
0〜100重量%、窒化硼素50〜0重量%と焼結助剤
とからなるセラミック焼結体であることを特徴としてい
る。
【0012】第2の発明による窒化アルミニウム焼結体
の製造方法は、窒化アルミニウムを主成分とする薄板状
の窒化アルミニウム成形品を焼成するに際し、焼成すべ
き窒化アルミニウム成形品の周囲にセラミック製のスペ
ーサを配置して当該窒化アルミニウム成形品を囲み、こ
の窒化アルミニウム成形品及びスペーサの上下をセラミ
ック製のセッターで挟んで当該窒化アルミニウム成形品
を焼成する窒化アルミニウム焼結体の製造方法におい
て、前記スペーサが窒化アルミニウム50〜70重量
%、窒化硼素50〜30重量%と焼結助剤とからなるセ
ラミック未焼結体であることを特徴としている。
【0013】上記セッターとしては、窒化硼素を主成分
とするセラミック板を用いるのが好適である。また、上
記セッターとしては、表面を窒化硼素で被覆された窒化
アルミニウム板でも良い。
【0014】あるいは、上記セッターとしては、窒化ア
ルミニウム50〜90重量%、窒化硼素50〜10重量
%と焼結助剤とからなるセラミック焼結体を用いても良
い。
【0015】
【作用】窒化アルミニウム及び窒化硼素を主成分とする
セラミック未焼結体のスペーサは、焼成時にほとんど収
縮しないので、焼成すべき窒化アルミニウム成形品の周
囲に配置するスペーサがたとえ長方形のものを4本組合
せたものであっても、焼成時にスペーサ間に隙間が発生
する恐れがない。このため、このようなスペーサとセラ
ミック製のセッターで窒化アルミニウム成形品を囲んで
焼成することにより、焼成時における雰囲気のコントロ
ールが可能になり、反りと表面粗さの小さな窒化アルミ
ニウム焼結体を得ることができる。
【0016】このスペーサとしては、窒化アルミニウム
50〜70重量%、窒化硼素50〜30重量%と焼結助
剤とからなるセラミック未焼結体を用いるのが好まし
く、窒化アルミニウムの組成が90重量%以上になると
窒化アルミニウム焼結体にクラックが発生したり、反り
や表面粗さが大きくなったりした。また、窒化アルミニ
ウムよりも窒化硼素の組成比の方が高くなると、十分な
強度を持つ窒化アルミニウム焼結体を得ることができな
かった。
【0017】また、一旦焼成されたセラミック焼結体は
再度焼成しても収縮しないので、窒化アルミニウム50
〜100重量%、窒化硼素50〜0重量%と焼結助剤と
からなるセラミック焼結体のスペーサを用いれば、たと
え長方形のものを4本組合せたものであっても、焼成時
にスペーサ間に隙間が発生する恐れがない。従って、こ
の場合にも、窒化アルミニウム成形品の焼成時における
雰囲気のコントロールが可能になり、窒化アルミニウム
焼結体の反りと表面粗さを小さくすることができる。
【0018】しかも、本発明の方法においては、このよ
うに窒化アルミニウムと窒化硼素を主成分とするセラミ
ック未焼結体のスペーサもセラミック焼結体のスペーサ
も用いることができるので、セラミック未焼結体のスペ
ーサを用いて窒化アルミニウム成形品を焼成した場合に
は、その結果生じたセラミック焼結体のスペーサを無駄
にすることなく、次回以降の焼成時にスペーサとして使
用することができる。従って、窒化アルミニウム成形品
の焼成バッチ毎に新たなスペーサを用いる必要がなく、
1組のスペーサをセラミック未焼結体の状態から使用し
始めて焼結体となっても繰り返し使用することができ、
セラミック焼結体の焼成コストを安価にできる。
【0019】一方、窒化アルミニウムのセッターを用い
るとセッターとセラミック焼結体との間に融着が生じる
が、窒化硼素製のセッターを用いることによってセラミ
ック焼結体との融着を防止することができ、反りと表面
粗さの小さな窒化アルミニウム基板を得ることができ
る。
【0020】また、セラミック焼結体との融着を防止す
るためには、焼成すべき窒化アルミニウム成形品と接す
るセッター表面だけを窒化硼素製とすれば良いので、窒
化アルミニウム焼結体を窒化硼素で被覆したセッターを
用いても融着を防止できる。
【0021】あるいは、窒化アルミニウム50〜90重
量部、窒化硼素50〜10重量部と焼結助剤とからなる
セラミック焼結体からなるセッターを用いても、セッタ
ーとセラミック焼結体との融着を防止できる。
【0022】
【実施例】本発明の方法によって窒化アルミニウムを主
成分とする基板状の窒化アルミニウム成形品を焼成する
場合には、窒化アルミニウム成形品の周囲を窒化アルミ
ニウム(AlN)及び窒化硼素(BN)を主成分とする
セラミック製のスペーサで囲み、さらに、窒化アルミニ
ウム成形品及びスペーサの上下をセラミック製のセッタ
ーで挟んで、炉内で焼成する。
【0023】ここで、使用するスペーサは、セラミック
未焼結体(グリーン成形体、仮焼体)でもよく、セラミ
ック焼結体でもよいが、主成分である窒化硼素が窒化ア
ルミニウムよりも過多とならない組成のものを用いる。
【0024】すなわち、セラミック未焼結体のスペーサ
の場合には、窒化アルミニウム50〜70重量%、窒化
硼素50〜30重量%と少量の酸化イットリウム(Y2
3)等の焼結助剤とからなるものを使用する。後述の
ように、窒化アルミニウムの組成が90重量%を超える
と、セラミック焼結体にクラックが発生したりして不良
品が発生するので、窒化アルミニウムの組成は70重量
%以下が好ましい。また、窒化硼素が50重量%よりも
大きくなると、十分な強度を有する窒化アルミニウム焼
結体を得ることができなくなる。
【0025】また、セラミック焼結体のスペーサを用い
る場合には、セラミック未焼結体よりも広範囲の組成の
ものを用いることができ、窒化アルミニウム50〜10
0重量%、窒化硼素50〜0重量%と少量の酸化イット
リウム等の焼結助剤とからなるものを使用する。従っ
て、セラミック焼結体のスペーサの場合には、窒化アル
ミニウムのみを主成分とするものであっても差し支えな
い。
【0026】さらに、窒化アルミニウム焼結体との融着
を防止するためには、窒化硼素を主成分とするセラミッ
ク焼結板のセッターを用いるとよい。窒化アルミニウム
のセッターの場合には、焼成されたセラミック焼結体と
の間に融着を生じるが、窒化硼素のセッターを用いれ
ば、セラミック焼結体との融着を防止することができ
る。また、表面における融着を防止できればよいので、
全体を窒化硼素で形成する必要はなく、窒化アルミニウ
ム板の表面を窒化硼素で被覆したものでもよい。
【0027】あるいは、窒化アルミニウム50〜90重
量%、窒化硼素50〜10重量%と焼結助剤とからなる
セラミック焼結板をセッターとして用いても、セラミッ
ク焼結体との融着を防止することができる。窒化アルミ
ニウムと窒化硼素を主成分とするセッターを用いる場合
には、このセッターの焼結助剤として、焼成しようとす
る窒化アルミニウム成形品の焼結助剤と同じものを使用
すれば、常圧焼結が可能となり、コスト的に有利とな
る。
【0028】しかして、焼成時には、図2(a)(b)
に示すように、窒化アルミニウム成形品1を窒化硼素等
のセッター3の上に置き、窒化アルミニウム成形品1の
周囲にスペーサ2を配置して窒化アルミニウム成形品1
を囲み、窒化アルミニウム成形品1及びスペーサ2の上
にさらに窒化硼素等のセッター3を重ね、この状態で炉
内において焼成する。
【0029】こうして焼成しようとする窒化アルミニウ
ム成形品は、グリーンシートから打抜いて脱バインダー
した後の窒化アルミニウムグリーン成形体であってもよ
く、あるいは、一旦予備焼成された後の窒化アルミニウ
ム仮焼体であってもよい。すなわち、本発明による窒化
アルミニウム焼結体の製造方法は、直接本焼成する場合
に限らず、予備焼成の後に本焼成する場合であってもよ
い。
【0030】このようにして窒化アルミニウム成形品を
スペーサで囲んで焼成すれば、4本の直板状をしたスペ
ーサを組合わせて窒化アルミニウム成形品の周囲を囲ん
でいる場合でも、スペーサ間に隙間が発生することがな
く、窒化アルミニウム成形品の周囲の雰囲気のコントロ
ールを確実に行なうことができ、反りや表面粗さの小さ
な良好なセラミック焼結体を焼成することができる。
【0031】また、スペーサとしては、セラミック未焼
結体のスペーサでもセラミック焼結体のスペーサでもよ
く、しかも、セラミック焼結体のスペーサの方が許容組
成範囲が広いので、セラミック未焼結体のスペーサを作
製し、このセラミック未焼結体のスペーサを用いて窒化
アルミニウム成形品を焼成する。この時、セラミック未
焼結体のスペーサが焼成されてセラミック焼結体のスペ
ーサが生じるので、その次からは、このセラミック焼結
体のスペーサを用いて窒化アルミニウム成形品を焼成す
れば、このスペーサが壊れるまでは繰り返しスペーサを
使用することができ、スペーサを合理的に使用できるよ
うになり、コストが安価になる。
【0032】以下、本発明の具体的な実施例を比較例と
ともに説明する。 (実施例1)下記の表1において実施例1の「スペー
サ」欄に示すように、窒化アルミニウム(AlN)粉末
を50重量%と窒化硼素(BN)粉末を50重量%の割
合で混合し、さらにこの混合粉末に酸化イットリウム
(Y23)粉末を1重量%の割合(従って、AlNとB
Nの混合粉末99重量%)となるように混合し、さらに
有機バインダーを加え、これを混練して厚さ0.65m
mのシート状に成形し、グリーンシートを得た。
【0033】ついで、このグリーンシートの一部分を縦
62mm、横3mmの長方形に打ち抜き、グリーンシー
ト状のままのスペーサ2を複数枚得た。
【0034】次に、上記グリーンシートの残りの部分を
縦70mm、横70mmに数10枚打ち抜いた後、それ
ぞれ10枚づつ重ねて圧着させた。この圧着体を空気中
において550℃で2時間熱処理してバインダーを飛散
燃焼させた後、窒素ガス雰囲気中において1900℃で
5時間焼成した。こうして得たセラミック焼結体を#1
000の荒さのサンドペーパーで表面研磨し、縦・横各
65mm、厚さ5mmの正方形板状に形を整え、セッタ
ー3を作製した。
【0035】一方、窒化アルミニウム粉末に1重量%の
酸化イットリウム粉末と有機バインダーを添加混合した
後、これを厚さ0.8mmのシート状に成形した。つい
で、このグリーンシートの一部を縦60mm、横60m
mに打ち抜き、グリーンシート状のままの窒化アルミニ
ウム成形品1を複数枚得た。
【0036】この後、このグリーンシート状のままの窒
化アルミニウム成形品1と、上記のグリーンシート状の
ままのスペーサ2をともに、空気中において550℃で
2時間熱処理してバインダーを飛散焼成させた。つい
で、図1に示すように、スペーサ2と同一組成を有する
上記セッター3の上面中央部にバインダーを飛散させた
グリーンシート状の窒化アルミニウム成形品1を複数枚
重ねて置き、窒化アルミニウム成形品1を囲むようにし
てバインダーを飛散させたグリーンシート状のスペーサ
2を複数枚重ねて置き、さらにこれらの上にも上記セッ
ター3を載せた。この状態で窒素ガス雰囲気中において
1300℃で1時間、窒化アルミニウム成形品1及びス
ペーサ2を予備焼成した。なお、予備焼成を行うのは、
本焼成時に窒化アルミニウム成形品を1枚ずつセッター
3間に挟む際、窒化アルミニウム成形品にクラックが生
じることを防止するためである。
【0037】さらに、図2(a)(b)に示すように、
スペーサ2と同一組成を有する上記セッター3の上面に
予備焼成された1枚の窒化アルミニウム成形品1を置
き、窒化アルミニウム成形品1の周囲を予備焼成された
4本のスペーサ2によって隙間のないように囲み、これ
らの上にさらに上記セッター3を載せて窒化アルミニウ
ム成形品1を封止し、この状態で窒素中において185
0℃で5時間焼成し、目的とする窒化アルミニウム焼結
体を得た。
【0038】(実施例2)実施例1と同様にして、実施
例1のスペーサ2と同一組成、同一寸法のグリーンシー
ト状のスペーサ2を得た。セッター3は、市販品の窒化
硼素基板を用いた。また、予備焼成前の窒化アルミニウ
ム成形品1として、実施例1で用いたのと同一組成、同
一寸法のグリーンシート状の窒化アルミニウム成形品1
を用意した。
【0039】この後、実施例1と同一条件でグリーンシ
ート状の窒化アルミニウム成形品1及びグリーンシート
状のスペーサ2を脱バインダー処理した。ついで、図1
に示すように、市販の窒化硼素製のセッター3の上面中
央部にバインダーを飛散させたグリーンシート状の窒化
アルミニウム成形品1を複数枚重ねて置き、窒化アルミ
ニウム成形品1を囲むようにしてバインダーを飛散させ
たグリーンシート状のスペーサ2を複数枚重ねて置き、
さらにこれらの上にも市販の窒化硼素製のセッター3を
載せた。この状態で実施例1と同じ条件下で窒化アルミ
ニウム成形品1及びスペーサ2を予備焼成した。
【0040】さらに、図2(a)(b)に示すように、
市販の窒化硼素製のセッター3の上面に予備焼成された
1枚の窒化アルミニウム成形品1を置き、窒化アルミニ
ウム成形品1の周囲を予備焼成された4本のスペーサ2
によって隙間のないように囲み、これらの上にさらに市
販の窒化硼素製のセッター3を載せて窒化アルミニウム
成形品1を封止し、この状態で窒化アルミニウム成形品
1を焼成し、目的とする窒化アルミニウム焼結体を得
た。このときの焼成条件は、実施例1と同一条件で行な
った。
【0041】(実施例3)本焼成の工程においては、上
記実施例1の本焼成工程の結果得られたセラミック焼結
体のスペーサ2を用いた。また、窒化アルミニウム成形
品1の本焼成には、スペーサ2と同一組成のセッター
3、すなわち、実施例1で用いたのと同じセッターを用
いた。
【0042】窒化アルミニウム成形品1としては、実施
例1において得られた予備焼成後のグリーンシート状の
窒化アルミニウム成形品を準備した。すなわち、実施例
1において、グリーンシート状のスペーサ2と共に脱バ
インダー処理され、さらに、予備焼成された窒化アルミ
ニウム成形品1と同じものを準備した。
【0043】この後、図2(a)(b)に示すように、
スペーサ2と同一組成の上記セッター3の上面に準備し
た予備焼成後の1枚の窒化アルミニウム成形品1を置
き、窒化アルミニウム成形品1の周囲をセラミック焼結
体の4本のスペーサ2によって隙間のないように囲み、
これらの上にさらに上記セッター3を載せて窒化アルミ
ニウム成形品1を封止し、この状態で実施例1と同一条
件において窒化アルミニウム成形品1を焼成し、目的と
する窒化アルミニウム焼結体を得た。
【0044】(実施例4)本焼成の工程においては、上
記実施例2の本焼成工程の結果得られたセラミック焼結
体のスペーサ2を用いた。また、セッター3としては、
市販品の窒化硼素基板を用いた。すなわち、実施例2で
用いたのと同じセッター3を用いた。
【0045】窒化アルミニウム成形品1としては、実施
例2において用いた予備焼成後のグリーンシート状の窒
化アルミニウム成形品と同じものを準備した。すなわ
ち、実施例2において、グリーンシート状のスペーサ2
と共に脱バインダー処理され、さらに、脱バインダー後
のスペーサ2と市販の窒化硼素製のセッター3を用いて
予備焼成された窒化アルミニウム成形品1と同じものを
準備した。
【0046】この後、図2(a)(b)に示すように、
市販の窒化硼素製のセッター3の上面に準備した予備焼
成後の1枚の窒化アルミニウム成形品1を置き、窒化ア
ルミニウム成形品1の周囲をセラミック焼結体の4本の
スペーサ2によって隙間のないように囲み、これらの上
にさらに市販の窒化硼素製のセッター3を載せて窒化ア
ルミニウム成形品1を封止し、この状態で実施例1と同
一条件において窒化アルミニウム成形品1を焼成し、目
的とする窒化アルミニウム焼結体を得た。
【0047】(実施例5)下記の表1において実施例5
の「スペーサ」欄に示すように、窒化アルミニウム(A
lN)粉末を70重量%と窒化硼素(BN)粉末を30
重量%の割合で混合し、さらにこの混合粉末に酸化イッ
トリウム(Y23)粉末を1重量%の割合(従って、A
lNとBNの混合粉末99重量%)となるように混合
し、さらに有機バインダーを加え、これを混練して厚さ
0.65mmのシート状に成形し、グリーンシートを得
た。
【0048】ついで、このグリーンシートの一部分を縦
62mm、横3mmの長方形に打ち抜き、グリーンシー
ト状のままのスペーサ2を複数枚得た。
【0049】次に、上記グリーンシートの残りの部分を
縦70mm、横70mmに数10枚打ち抜いた後、実施
例1の場合と同一の条件下で同様に圧着、脱バインダ
ー、焼成、表面研磨等の工程を経て、縦・横各65m
m、厚さ5mmの正方形板状のセッター3を作製した。
【0050】また、予備焼成前のグリーンシート状の窒
化アルミニウム成形品1としては、実施例1で用いたの
と同一組成、同一寸法のものを用いた。
【0051】この後、実施例1と同一の条件下で、この
グリーンシート状のままの窒化アルミニウム成形品1と
グリーンシート状のままのスペーサ2を同時に脱バイン
ダー処理した。ついで、図1に示すように、スペーサ2
と同一組成を有する上記セッター3の上面中央部にバイ
ンダーを飛散させたグリーンシート状の窒化アルミニウ
ム成形品1を複数枚重ねて置き、窒化アルミニウム成形
品1を囲むようにしてバインダーを飛散させたグリーン
シート状のスペーサ2を複数枚重ねて置き、さらにこれ
らの上にもスペーサ2と同一組成の上記セッター3を載
せた。この状態で実施例1と同一条件下で窒化アルミニ
ウム成形品1及びスペーサ2を予備焼成した。
【0052】さらに、図2(a)(b)に示すように、
スペーサ2と同一組成を有する上記セッター3の上面に
予備焼成された1枚の窒化アルミニウム成形品1を置
き、窒化アルミニウム成形品1の周囲を予備焼成された
4本のスペーサ2によって隙間のないように囲み、これ
らの上にさらに上記セッター3を載せて窒化アルミニウ
ム成形品1を封止し、この状態で実施例1と同一の条件
で窒化アルミニウム成形体を焼成し、目的とする窒化ア
ルミニウム焼結体を得た。 (実施例6)実施例5と同様にして、実施例5のスペー
サ2と同一組成、同一寸法のグリーンシート状のスペー
サ2を得た。セッター3は、市販品の窒化硼素基板を用
いた。また、予備焼成前の窒化アルミニウム成形品1と
して、実施例1で用いたのと同一組成、同一寸法のグリ
ーンシート状の窒化アルミニウム成形品1を用意した。
【0053】この後、実施例1と同一条件でグリーンシ
ート状の窒化アルミニウム成形品1及びグリーンシート
状のスペーサ2を脱バインダー処理した。ついで、図1
に示すように、市販の窒化硼素製のセッター3の上面中
央部にバインダーを飛散させたグリーンシート状の窒化
アルミニウム成形品1を複数枚重ねて置き、窒化アルミ
ニウム成形品1を囲むようにしてバインダーを飛散させ
たグリーンシート状のスペーサ2を複数枚重ねて置き、
さらにこれらの上にも市販の窒化硼素製のセッター3を
載せた。この状態で実施例1と同じ条件下で窒化アルミ
ニウム成形品1及びスペーサ2を予備焼成した。
【0054】さらに、図2(a)(b)に示すように、
市販の窒化硼素製のセッター3の上面に予備焼成された
1枚の窒化アルミニウム成形品1を置き、窒化アルミニ
ウム成形品1の周囲を予備焼成された4本のスペーサ2
によって隙間のないように囲み、これらの上にさらに市
販の窒化硼素製のセッター3を載せて窒化アルミニウム
成形品1を封止し、この状態で窒化アルミニウム成形品
1を焼成し、目的とする窒化アルミニウム焼結体を得
た。このときの焼成条件は、実施例1と同一条件で行な
った。
【0055】(実施例7)本焼成の工程においては、上
記実施例5の本焼成工程の結果得られたセラミック焼結
体のスペーサ2を用いた。また、窒化アルミニウム成形
品1の本焼成には、スペーサ2と同一組成のセッター
3、すなわち、実施例5で用いたのと同じセッター3を
用いた。
【0056】窒化アルミニウム成形品1としては、実施
例5において得られた予備焼成後のグリーンシート状の
窒化アルミニウム成形品1を準備した。すなわち、実施
例5において、グリーンシート状のスペーサ2と共に脱
バインダー処理され、さらに、予備焼成された窒化アル
ミニウム成形品1と同じものを準備した。
【0057】この後、図2(a)(b)に示すように、
スペーサ2と同一組成の上記セッター3の上面に準備し
た予備焼成後の1枚の窒化アルミニウム成形品1を置
き、窒化アルミニウム成形品1の周囲をセラミック焼結
体の4本のスペーサ2によって隙間のないように囲み、
これらの上にさらに上記セッター3を載せて窒化アルミ
ニウム成形品1を封止し、この状態で実施例1と同一条
件において窒化アルミニウム成形品1を焼成し、目的と
する窒化アルミニウム焼結体を得た。
【0058】(実施例8)本焼成の工程においては、上
記実施例6の本焼成工程の結果得られたセラミック焼結
体のスペーサ2を用いた。また、セッター3としては、
市販品の窒化硼素基板を用いた。
【0059】窒化アルミニウム成形品1としては、実施
例6において用いた予備焼成後のグリーンシート状の窒
化アルミニウム成形品1と同じものを準備した。すなわ
ち、実施例6において、グリーンシート状のスペーサ2
と共に脱バインダー処理され、さらに、脱バインダー後
のスペーサ2と市販の窒化硼素製のセッター3を用いて
予備焼成された窒化アルミニウム成形品1と同じものを
準備した。
【0060】この後、図2(a)(b)に示すように、
市販の窒化硼素製のセッター3の上面に準備した予備焼
成後の1枚の窒化アルミニウム成形品1を置き、窒化ア
ルミニウム成形品1の周囲をセラミック焼結体の4本の
スペーサ2によって隙間のないように囲み、これらの上
にさらに市販の窒化硼素製のセッター3を載せて窒化ア
ルミニウム成形品1を封止し、この状態で実施例1と同
一条件において窒化アルミニウム成形品1を焼成し、目
的とする窒化アルミニウム焼結体を得た。 (比較例1)下記の表1において比較例1の「スペー
サ」欄に示すように、窒化アルミニウム(AlN)粉末
を90重量%と窒化硼素(BN)粉末を10重量%の割
合で混合し、さらにこの混合粉末に酸化イットリウム
(Y23)粉末を1重量%の割合(従って、AlNとB
Nの混合粉末99重量%)となるように混合し、さらに
有機バインダーを加え、これを混練して厚さ0.65m
mのシート状に成形し、グリーンシートを得た。
【0061】ついで、このグリーンシートの一部分を縦
62mm、横3mmの長方形に打ち抜き、グリーンシー
ト状のままのスペーサ2を複数枚得た。
【0062】次に、上記グリーンシートの残りの部分を
縦70mm、横70mmに数10枚打ち抜いた後、実施
例1の場合と同一の条件下で同様に圧着、脱バインダ
ー、焼成、表面研磨等の工程を経て、縦・横各65m
m、厚さ5mmの正方形板状のセッター3を作製した。
【0063】また、予備焼成前のグリーンシート状の窒
化アルミニウム成形品1としては、実施例1で用いたの
と同一組成、同一寸法のものを用いた。
【0064】この後、実施例1と同一の条件下で、この
グリーンシート状のままの窒化アルミニウム成形品1と
グリーンシート状のままのスペーサ2を同時に脱バイン
ダー処理した。ついで、図1に示すように、スペーサ2
と同一組成を有する上記セッター3の上面中央部にバイ
ンダーを飛散させたグリーンシート状の窒化アルミニウ
ム成形品1を複数枚重ねて置き、窒化アルミニウム成形
品1を囲むようにしてバインダーを飛散させたグリーン
シート状のスペーサ2を複数枚重ねて置き、さらにこれ
らの上にもスペーサ2と同一組成の上記セッター3を載
せた。この状態で実施例1と同一条件下で窒化アルミニ
ウム成形品1及びスペーサ2を予備焼成した。
【0065】さらに、図2(a)(b)に示すように、
スペーサ2と同一組成を有する上記セッター3の上面に
予備焼成された1枚の窒化アルミニウム成形品1を置
き、窒化アルミニウム成形品1の周囲を予備焼成された
4本のスペーサ2によって隙間のないように囲み、これ
らの上にさらに上記セッター3を載せて窒化アルミニウ
ム成形品1を封止し、この状態で実施例1と同一の条件
で窒化アルミニウム成形体を焼成し、目的とする窒化ア
ルミニウム焼結体を得た。 (比較例2)比較例1と同様にして、比較例1のスペー
サ2と同一組成、同一寸法のグリーンシート状のスペー
サ2を得た。セッター3は、市販品の窒化硼素基板を用
いた。また、予備焼成前の窒化アルミニウム成形品1と
して、実施例1で用いたのと同一組成、同一寸法のグリ
ーンシート状の窒化アルミニウム成形品1を用意した。
【0066】この後、実施例1と同一条件でグリーンシ
ート状の窒化アルミニウム成形品1及びグリーンシート
状のスペーサ2を脱バインダー処理した。ついで、図1
に示すように、市販の窒化硼素製のセッター3の上面中
央部にバインダーを飛散させたグリーンシート状の窒化
アルミニウム成形品1を複数枚重ねて置き、窒化アルミ
ニウム成形品1を囲むようにしてバインダーを飛散させ
たグリーンシート状のスペーサ2を複数枚重ねて置き、
さらにこれらの上にも市販の窒化硼素製のセッター3を
載せた。この状態で実施例1と同じ条件下で窒化アルミ
ニウム成形品1及びスペーサ2を予備焼成した。
【0067】さらに、図2(a)(b)に示すように、
市販の窒化硼素製のセッター3の上面に予備焼成された
1枚の窒化アルミニウム成形品1を置き、窒化アルミニ
ウム成形品1の周囲を予備焼成された4本のスペーサ2
によって隙間のないように囲み、これらの上にさらに市
販の窒化硼素製のセッター3を載せて窒化アルミニウム
成形品1を封止し、この状態で窒化アルミニウム成形品
1を焼成し、目的とする窒化アルミニウム焼結体を得
た。このときの焼成条件は、実施例1と同一条件で行な
った。
【0068】(実施例9)本焼成の工程においては、上
記比較例1の本焼成工程の結果得られたセラミック焼結
体のスペーサ2を用いた。また、窒化アルミニウム成形
品1の本焼成には、スペーサ2と同一組成のセッター
3、すなわち、比較例1で用いたのと同じセッター3を
用いた。
【0069】窒化アルミニウム成形品1としては、比較
例1において得られた予備焼成後のグリーンシート状の
窒化アルミニウム成形品1を準備した。すなわち、比較
例1において、グリーンシート状のスペーサ2と共に脱
バインダー処理され、さらに、予備焼成された窒化アル
ミニウム成形品1と同じものを準備した。
【0070】この後、図2(a)(b)に示すように、
スペーサ2と同一組成の上記セッター3の上面に準備し
た予備焼成後の1枚の窒化アルミニウム成形品1を置
き、窒化アルミニウム成形品1の周囲をセラミック焼結
体の4本のスペーサ2によって隙間のないように囲み、
これらの上にさらに上記セッター3を載せて窒化アルミ
ニウム成形品1を封止し、この状態で実施例1と同一条
件において窒化アルミニウム成形品1を焼成し、目的と
する窒化アルミニウム焼結体を得た。
【0071】(実施例10)本焼成の工程においては、
上記比較例2の本焼成工程の結果得られたセラミック焼
結体のスペーサ2を用いた。また、セッター3として
は、市販品の窒化硼素基板を用いた。
【0072】窒化アルミニウム成形品1としては、比較
例2において用いた予備焼成後のグリーンシート状の窒
化アルミニウム成形品1と同じものを準備した。すなわ
ち、実施例6において、グリーンシート状のスペーサ2
と共に脱バインダー処理され、さらに、脱バインダー後
のスペーサ2と市販の窒化硼素製のセッター3を用いて
予備焼成された窒化アルミニウム成形品1と同じものを
準備した。
【0073】この後、図2(a)(b)に示すように、
市販の窒化硼素製のセッター3の上面に準備した予備焼
成後の1枚の窒化アルミニウム成形品1を置き、窒化ア
ルミニウム成形品1の周囲をセラミック焼結体の4本の
スペーサ2によって隙間のないように囲み、これらの上
にさらに市販の窒化硼素製のセッター3を載せて窒化ア
ルミニウム成形品1を封止し、この状態で実施例1と同
一条件において窒化アルミニウム成形品1を焼成し、目
的とする窒化アルミニウム焼結体を得た。 (比較例3)下記の表1において比較例3の「スペー
サ」欄に示すように、窒化アルミニウム(AlN)粉末
を99重量%と酸化イットリウム(Y23)粉末を1重
量%の割合で混合し、さらに有機バインダーを加え、こ
れを混練して厚さ0.65mmのシート状に成形し、グ
リーンシートを得た。
【0074】ついで、このグリーンシートの一部分を縦
62mm、横3mmの長方形に打ち抜き、グリーンシー
ト状のままのスペーサ2を複数枚得た。
【0075】次に、上記グリーンシートの残りの部分を
縦70mm、横70mmに数10枚打ち抜いた後、実施
例1の場合と同一の条件下で同様に圧着、脱バインダ
ー、焼成、表面研磨等の工程を経て、縦・横各65m
m、厚さ5mmの正方形板状のセッター3を作製した。
【0076】また、予備焼成前のグリーンシート状の窒
化アルミニウム成形品1としては、実施例1で用いたの
と同一組成、同一寸法のものを用いた。
【0077】この後、実施例1と同一の条件下で、この
グリーンシート状のままの窒化アルミニウム成形品1と
グリーンシート状のままのスペーサ2を同時に脱バイン
ダー処理した。ついで、図1に示すように、スペーサ2
と同一組成を有する上記セッター3の上面中央部にバイ
ンダーを飛散させたグリーンシート状の窒化アルミニウ
ム成形品1を複数枚重ねて置き、窒化アルミニウム成形
品1を囲むようにしてバインダーを飛散させたグリーン
シート状のスペーサ2を複数枚重ねて置き、さらにこれ
らの上にもスペーサ2と同一組成の上記セッター3を載
せた。この状態で実施例1と同一条件下で窒化アルミニ
ウム成形品1及びスペーサ2を予備焼成した。
【0078】さらに、図2(a)(b)に示すように、
スペーサ2と同一組成を有する上記セッター3の上面に
予備焼成された1枚の窒化アルミニウム成形品1を置
き、窒化アルミニウム成形品1の周囲を予備焼成された
4本のスペーサ2によって隙間のないように囲み、これ
らの上にさらに上記セッター3を載せて窒化アルミニウ
ム成形品1を封止し、この状態で実施例1と同一の条件
で窒化アルミニウム成形体を焼成し、目的とする窒化ア
ルミニウム焼結体を得た。 (比較例4)比較例3と同様にして、比較例3のスペー
サ2と同一組成、同一寸法のグリーンシート状のスペー
サ2を得た。セッター3は、市販品の窒化硼素基板を用
いた。また、予備焼成前の窒化アルミニウム成形品1と
して、実施例1で用いたのと同一組成、同一寸法のグリ
ーンシート状の窒化アルミニウム成形品1を用意した。
【0079】この後、実施例1と同一条件でグリーンシ
ート状の窒化アルミニウム成形品1及びグリーンシート
状のスペーサ2を脱バインダー処理した。ついで、図1
に示すように、市販の窒化硼素製のセッター3の上面中
央部にバインダーを飛散させたグリーンシート状の窒化
アルミニウム成形品1を複数枚重ねて置き、窒化アルミ
ニウム成形品1を囲むようにしてバインダーを飛散させ
たグリーンシート状のスペーサ2を複数枚重ねて置き、
さらにこれらの上にも市販の窒化硼素製のセッター3を
載せた。この状態で実施例1と同じ条件下で窒化アルミ
ニウム成形品1及びスペーサ2を予備焼成した。
【0080】さらに、図2(a)(b)に示すように、
市販の窒化硼素製のセッター3の上面に予備焼成された
1枚の窒化アルミニウム成形品1を置き、窒化アルミニ
ウム成形品1の周囲を予備焼成された4本のスペーサ2
によって隙間のないように囲み、これらの上にさらに市
販の窒化硼素製のセッター3を載せて窒化アルミニウム
成形品1を封止し、この状態で窒化アルミニウム成形品
1を焼成し、目的とする窒化アルミニウム焼結体を得
た。このときの焼成条件は、実施例1と同一条件で行な
った。
【0081】(実施例11)本焼成の工程においては、
上記比較例3の本焼成工程の結果得られたセラミック焼
結体のスペーサ2を用いた。また、窒化アルミニウム成
形品1の本焼成には、スペーサ2と同一組成のセッター
3、すなわち、比較例3で用いたのと同じセッター3を
用いた。
【0082】窒化アルミニウム成形品1としては、比較
例3において得られた予備焼成後のグリーンシート状の
窒化アルミニウム成形品1を準備した。すなわち、比較
例3において、グリーンシート状のスペーサ2と共に脱
バインダー処理され、さらに、予備焼成された窒化アル
ミニウム成形品1と同じものを準備した。
【0083】この後、図2(a)(b)に示すように、
スペーサ2と同一組成の上記セッター3の上面に準備し
た予備焼成後の1枚の窒化アルミニウム成形品1を置
き、窒化アルミニウム成形品1の周囲をセラミック焼結
体の4本のスペーサ2によって隙間のないように囲み、
これらの上にさらに上記セッター3を載せて窒化アルミ
ニウム成形品1を封止し、この状態で実施例1と同一条
件において窒化アルミニウム成形品1を焼成し、目的と
する窒化アルミニウム焼結体を得た。
【0084】(実施例12)本焼成の工程においては、
上記比較例4の本焼成工程の結果得られたセラミック焼
結体のスペーサ2を用いた。また、セッター3として
は、市販品の窒化硼素基板を用いた。
【0085】窒化アルミニウム成形品1としては、比較
例4において用いた予備焼成後のグリーンシート状の窒
化アルミニウム成形品1と同じものを準備した。すなわ
ち、比較例4において、グリーンシート状のスペーサ2
と共に脱バインダー処理され、さらに、脱バインダー後
のスペーサ2と市販の窒化硼素製のセッター3を用いて
予備焼成された窒化アルミニウム成形品1と同じものを
準備した。
【0086】この後、図2(a)(b)に示すように、
市販の窒化硼素製のセッター3の上面に準備した予備焼
成後の1枚の窒化アルミニウム成形品1を置き、窒化ア
ルミニウム成形品1の周囲をセラミック焼結体の4本の
スペーサ2によって隙間のないように囲み、これらの上
にさらに市販の窒化硼素製のセッター3を載せて窒化ア
ルミニウム成形品1を封止し、この状態で実施例1と同
一条件において窒化アルミニウム成形品1を焼成し、目
的とする窒化アルミニウム焼結体を得た。
【0087】(窒化アルミニウム焼結体の反り及び表面
粗さの測定結果)こうして得た実施例1〜12及び比較
例1〜4の各窒化アルミニウム焼結体について、それぞ
れ焼結後に発生した反り(μm/inch)と表面粗さRa
(μm)を測定した。この結果を各実施例1〜12、比
較例1〜4におけるスペーサ及びセッターの組成ないし
種類と共に表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】表1から分かるように、比較例1〜4の窒
化アルミニウム焼結体の反りは、測定可能なものについ
ては、120μm/inch以上であったのに対し、本発明
の各実施例1〜12の窒化アルミニウムの反りは、実施
例11を除き、18μm/inch以下と比較例に比べて非
常に小さな値を示している。また、比較例1〜4の窒化
アルミニウム焼結体の表面粗さRaは、測定可能なもの
については、0.44μm以上であったのに対し、本発
明の各実施例1〜12の窒化アルミニウムの表面粗さR
aは、実施例11を除き、0.23μm以下と非常に小
さな値を示した。
【0090】しかも、比較例1及び2では、焼結不良に
よるクラックの発生も見られ、比較例3,4ではセッタ
ーと窒化アルミニウム焼結体との融着や窒化アルミニウ
ム焼結体の焼結不良によるクラックのため、測定不能で
あった。
【0091】また、セッターとしてスペーサと同一の組
成のものを使用した本発明の実施例1,3,5等と、セ
ッターとして窒化硼素製のセッターを使用した本発明の
実施例2,4,6等とを比較すると、ほとんどの場合、
窒化硼素製のセッターを用いた場合の方が反りや表面粗
さといった特性面では優れている。これに対し、セッタ
ーとしてスペーサと同一の組成のものを使用した場合に
は、同一のグリーンシートからスペーサとセッターを得
ることができるのでコストを安価にできるという利点が
ある。もっとも、実施例11では、窒化アルミニウム焼
結体のスペーサを用いた結果、セッターも窒化アルミニ
ウム製となり、本焼成時に窒化アルミニウム焼結体と融
着を生じているが、これはセッターとして実施例12の
ように窒化硼素製のセッター等を用いることにより融着
を避けることができる。
【0092】なお、表1には記載していないが、上記各
実施例もしくは各比較例において用いられている各々の
セッターに代えて、市販の窒化アルミニウム基板をセッ
ターとして用いたところ、いずれの場合も窒化アルミニ
ウム焼結体とセッターとの間に融着を生じた。
【0093】また、表1には載せていないが、窒化硼素
の組成を窒化アルミニウムの組成よりも大きくした(す
なわち、窒化硼素を50重量%よりも大きくした)場合
は、上記製造方法では十分な強度を持つセラミック焼結
体を得ることができなかった。
【0094】
【発明の効果】本発明に用いるセラミック未焼結体及び
セラミック焼結体のスペーサは、焼成時にほとんど収縮
しないので、焼成すべき窒化アルミニウム成形品の周囲
に配置するスペーサがたとえ長方形のものを4本組合せ
たものであっても、焼成時にスペーサ間に隙間が発生す
る恐れがない。このため、このようなスペーサとセラミ
ック製のセッターで窒化アルミニウム成形品を囲んで焼
成することにより、焼成時における雰囲気のコントロー
ルが可能になり、反りと表面粗さの小さな窒化アルミニ
ウム焼結体を得ることができる。
【0095】しかも、本発明の方法においては、このよ
うに窒化アルミニウムと窒化硼素を主成分とするセラミ
ック未焼結体のスペーサもセラミック焼結体のスペーサ
も用いることができるので、セラミック未焼結体のスペ
ーサを用いて窒化アルミニウム成形品を焼成した場合に
は、その結果生じたセラミック焼結体のスペーサを無駄
にすることなく、次回以降の焼成時にスペーサとして使
用することができる。従って、窒化アルミニウム成形品
の焼成バッチ毎に新たなスペーサを用いる必要がなく、
1組のスペーサをセラミック未焼結体の状態から使用し
始めて焼結体となっても繰り返し使用することができ、
セラミック焼結体の焼成コストを安価にできる。
【0096】一方、セッターとセラミック焼結体との間
に融着が生じる場合には、窒化アルミニウム製あるいは
表面を窒化硼素で被覆されたセッター、もしくは窒化ア
ルミニウム及び窒化硼素を主成分とするセッターを用い
ると、セラミック焼結体との融着を防止することがで
き、反りと表面粗さの小さな窒化アルミニウム基板を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における予備焼成工程を示す断
面図である。
【図2】(a)は同上の実施例の本焼成工程におけるセ
ッター上での窒化アルミニウム成形品とスペーサの配置
を示す上面図、(b)はその本焼成工程を示す断面図で
ある。
【図3】従来例による窒化アルミニウム焼結体の製造方
法を示す側面図である。
【図4】別な従来例による窒化アルミニウム焼結体の製
造方法を示す断面図である。
【図5】(a)はさらに別な従来例による窒化アルミニ
ウム焼結体の製造方法における窒化アルミニウム成形品
及びスペーサの配置を示す上面図、(b)はその本焼成
工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 窒化アルミニウム成形品 2 スペーサ 3 セッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂部 行雄 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウムを主成分とする薄板状
    の窒化アルミニウム成形品を焼成するに際し、焼成すべ
    き窒化アルミニウム成形品の周囲にセラミック製のスペ
    ーサを配置して当該窒化アルミニウム成形品を囲み、こ
    の窒化アルミニウム成形品及びスペーサの上下をセラミ
    ック製のセッターで挟んで当該窒化アルミニウム成形品
    を焼成する窒化アルミニウム焼結体の製造方法におい
    て、 前記スペーサが窒化アルミニウム50〜100重量%、
    窒化硼素50〜0重量%と焼結助剤とからなるセラミッ
    ク焼結体であることを特徴とする窒化アルミニウム焼結
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 窒化アルミニウムを主成分とする薄板状
    の窒化アルミニウム成形品を焼成するに際し、焼成すべ
    き窒化アルミニウム成形品の周囲にセラミック製のスペ
    ーサを配置して当該窒化アルミニウム成形品を囲み、こ
    の窒化アルミニウム成形品及びスペーサの上下をセラミ
    ック製のセッターで挟んで当該窒化アルミニウム成形品
    を焼成する窒化アルミニウム焼結体の製造方法におい
    て、 前記スペーサが窒化アルミニウム50〜70重量%、窒
    化硼素50〜30重量%と焼結助剤とからなるセラミッ
    ク未焼結体であることを特徴とする窒化アルミニウム焼
    結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記セッターが窒化硼素を主成分とする
    セラミック板であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記セッターが、表面を窒化硼素で被覆
    された窒化アルミニウム板であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記セッターが、窒化アルミニウム50
    〜90重量%、窒化硼素50〜10重量%と焼結助剤と
    からなるセラミック焼結体であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007063124A (ja) * 1998-07-10 2007-03-15 Sumitomo Electric Ind Ltd セラミックス基材

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JP2007063124A (ja) * 1998-07-10 2007-03-15 Sumitomo Electric Ind Ltd セラミックス基材

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