JP2980029B2 - セラミック成形体の焼成方法 - Google Patents

セラミック成形体の焼成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック成形体
の製造方法に関し、特に雰囲気制御を必要とするセラミ
ック成形体の焼成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、強誘電性および圧電性セラミック
スにおいて、鉛系セラミックスが注目されるに至ってお
り、その研究開発が盛んに行われている。
【0003】ところで、これら鉛系セラミックスの焼成
においては、焼成雰囲気を制御することが必要とされ、
このための方法として、図3に示すような、焼成方法が
用いられている。
【0004】図3を参照して、セラミック成形体1は、
セッター4の上に置いたセラミック成形体1の回りに、
セラミック成形体1と同質の材料(「共材」という)の
粉末7を置き、容器2に入れて焼成する。これにより、
焼成時のPbO雰囲気を作り出している。
【0005】しかし、この方法の場合、セラミック成形
体1の回りに、直接粉末を置いているため、処理が煩雑
になるという問題点がある。
【0006】この問題点を改善した方法として、例えば
特開平4−6165号公報には、PLZTウェハからな
る試料の下にこれと同質の生シートを敷き、この試料を
容器内で焼成するようにした方法が提案されている。こ
れを図4に示す。図4を参照して、セラミック成形体1
は、多孔質セッター3の上に、共材のグリーンシート5
を置き、この上にセラミック成形体1をおいて、容器2
に入れ、焼成する。
【0007】また、上記した共材を用いた焼成法とは別
に、特開平4−6164号公報には、PLZTウェハと
PLZTウェハ直上の多孔質板との間に隙間を設けるよ
うにした方法が提案されている。これを図5に示す。図
5を参照して、セラミック成形体1は、多孔質セッター
3の上に直接置き、これらを支柱6を介して多段に組
み、容器2に入れて焼成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、下記
記載の問題点を有している。
【0009】(1)図3に示した従来の焼成方法では、
共材としてセラミック成形体の回りに直接粉末を設置し
ていることから、処理が煩雑になるという問題があっ
た。また、セラミック成形体と粉末が直接接した部分
で、焼成時に反応してしまうことから、この反応付着物
を除去する工程が必要となり、加工費がアップするとい
う問題点があった。
【0010】(2)図4に示した焼成方法では、図3に
示した方法とは異なり、共材としてグリーンシートを用
いることから、セッティング等の取り扱いは容易となる
が、成形体とグリーンシートが直接接していることか
ら、図3に示した従来の方法と同様に、焼成時に反応し
てしまい、成形体表面に共材が付着してなる付着物を取
り除く作業等の後処理の工数が必要となる、という問題
点があった。
【0011】したがって、本発明は、上記事情に鑑みて
なされたものであって、その目的は、焼成を安定させる
とともに、焼結時の反応により成形体表面に共材が付着
することを防ぎ、これにより付着物を取り除く作業を排
除し、次工程以降を簡略化するセラミック成形体の焼成
方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、セラミック成形体を焼成する方法におい
て、前記セラミック成形体の少なくとも一端面側に多孔
質体を配置すると共に、前記多孔質体を介して、前記セ
ラミック成形体と同質の材料を配置して、焼成すること
を特徴とする。
【0013】本発明においては、上記多孔質体の材質
は、好ましくはアルミナ、ベリリア、またはジルコニア
からなる。
【0014】また、本発明においては、多孔質体の空孔
率が好ましくは60〜75vol%であることを特徴と
する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を以
下に説明する。本発明は、その好ましい実施の形態にお
いて、セラミック成形体の少なくも一端面側に多孔質体
を配置し、多孔質体3を介して、セラミック成形体と同
質の材料を配置して焼成する。本発明の実施の形態にお
いては、図1に示すように、容器内に配置されているセ
ッター4の上に、セラミック成形体1と同質の共材5、
多孔質セッター3、セラミック成形体1の順に配置する
か、あるいは、図2に示すように、セラミック成形体1
の直上において、共材5を多孔質セッター3の上に載せ
る、ようにしてもよい。
【0016】このように、本発明の実施の形態において
は、セラミック成形体の下に多孔質セッターを介して共
材を配置するか、あるいは成形体の直上に共材を多孔質
セッターの上に配置することにより、セラミック成形体
とセッターの間に隙間を設けるようにして焼成するよう
にしたため、セラミック成形体と共材の間に反応を起こ
さずに、安定した雰囲気焼成が可能になる。このため、
反応によって発生する共材の付着物を取り除く工程を次
工程以降に設けなくて済む。
【0017】そして本発明の実施の形態においては、多
孔質セッター3の空孔率は、好ましくは60〜75vo
l%とされる。鉛系セラミックス試料の雰囲気焼成を行
なう場合においては、空孔率が60vol%未満だと、
鉛蒸気の抜けが悪く、雰囲気が安定しない場合がある。
一方、空孔率が75vol%を越えると、鉛系セラミッ
クス試料を上に載せて焼成する場合において、試料が重
いため、試料を支えるための充分な強度が得られず、セ
ッター4が変形してしまう場合がある。そして、強度を
得るためにセッター4を厚くすると、焼成雰囲気を安定
させることができないことがある。
【0018】
【実施例】上記した本発明の実施の形態をより具体的に
説明すべく、本発明の実施例について図面を参照して説
明する。
【0019】[実施例1]図1は、本発明の第1の実施
例を説明するための図である。図1を参照して、本実施
例においては、容器2内に配置されているセッター4の
上にセラミック成形体1と同質の共材5が、多孔質セッ
ター3を介して配置される。
【0020】本実施例において、容器2とセッター4と
は、材質がマグネシアのものを用い、多孔質セッター3
としてはアルミナ製の空孔率50〜85vol%、厚さ
2mmのものを用い、PZT系セラミックス成形品(形
状:40mm×6mm×2mm)試料を焼成した。
【0021】共材5としては、試料と同質のセラミック
ス粉末をブチラール系樹脂と混合した後、キャスティン
グ法により、120μm厚に成膜したグリーンシートを
用いた。
【0022】試料を図1に示すごとく設置したあと、脱
バインダー工程を経て、1100℃、2h(時間)キー
プ(保持)で焼成した。その時の、材料の焼結状態を表
1に示す。なお、表1には、比較例として、図3に示し
た従来の方法で焼成した結果を掲げてある。
【0023】
【表1】
【0024】本実施例においては、表1に示すように多
孔質セッター3が空孔率50%では、PbO蒸気の抜け
が悪く、焼結むらが発生した。これに対して、空孔率6
0、75、85%の多孔質セッター3については、いず
れも良好な結果が得られた。一方、比較例では焼成時の
共材との反応生成物が認められた。
【0025】[実施例2]本発明の第2の実施例を図2
に示す。本実施例が、前記第1の実施例と相違する点
は、図2に示すように、グリーンシート5と多孔質セッ
ター3がセラミック成形体1の上に配設されていること
である。この方法で焼成した結果を、表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】表2に示すように、検討した範囲では、目
でわかるほどの焼結むらによる変形は無かったが、空孔
率50%では焼結むらによる変色が確認できた。また、
厚さ2mmで空孔率85%の多孔質セッター3では、焼
成後にそりが発生している。これに対し、厚さを6mm
にまでしたものでは、そりは発生しなかったが、焼結密
度が、8.7g/mm3と、他の水準よりも低い結果と
なった。
【0028】また、比較例として掲げた、多孔質セッタ
ーを用いてはいるが共材を用いていない従来例では、焼
結が不十分であった。すなわち、比較例として示す従来
例においては、試料外観に焼結むらによる変色、変形が
あり、焼結密度も8.6g/mm3と低い結果となっ
た。
【0029】第1、第2の実施例からわかるように、多
孔質セッターは、空孔率60〜75%の範囲でともに良
好な結果を示した。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
セラミック成形体を容器内に置き、その試料を焼成する
方法において、セラミック成形体の下に共材を空孔率6
0〜75vol%の多孔質セッターを介して配置する
か、あるいはセラミック成形体の直上に共材を多孔質セ
ッターの上に載せ、セラミック成形体とセッターの間に
隙間を設けるようにして焼成することにより、安定して
焼成させるという効果を奏するとともに、セラミック成
形体と共材とが焼結時に反応して発生する共材の成形体
表面への付着を防ぎ、これにより付着物を取り除く作業
を排除し、次工程以降を簡略化するという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るセラミック成形体
の焼成方法を説明するための図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係るセラミック成形体
の焼成方法を説明するための図である。
【図3】従来のセラミック成形体の焼成方法を説明する
ための図である。
【図4】多孔質セッターを用いた、セラミック成形体の
従来の焼成方法を説明するための図である。
【図5】多孔質セッターを用いた、セラミック成形体の
従来の焼成方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 セラミック成形体 2 容器 3 多孔質セッター 4 セッター 5 グリーンシート(共材) 6 支柱 7 共材粉末

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック成形体を焼成する方法におい
    て、 前記セラミック成形体の少なくとも一端面側に多孔質体
    を配置すると共に、前記多孔質体を介して、前記セラミ
    ック成形体と同質の材料を配置して、焼成することを特
    徴とするセラミック成形体の焼成方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記多孔質体の材質
    が、アルミナ、ベリリア、及びジルコニアからなる群の
    うち少なくとも一を含むことを特徴とするセラミック成
    形体の焼成方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記多孔質体が、その
    空孔率として、60〜75vol%の範囲にあることを
    特徴とするセラミック成形体の焼成方法。
  4. 【請求項4】前記セラミック成形体の材質が、鉛系セラ
    ミックからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か一に記載のセラミック成形体の焼成方法。
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